(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022096262
(43)【公開日】2022-06-29
(54)【発明の名称】データ共有プログラム及びデータ共有装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/18 20120101AFI20220622BHJP
【FI】
G06Q50/18 320
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020209274
(22)【出願日】2020-12-17
(71)【出願人】
【識別番号】508085327
【氏名又は名称】NTTファイナンス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100114937
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 裕幸
(74)【代理人】
【識別番号】100140718
【弁理士】
【氏名又は名称】仁内 宏紀
(72)【発明者】
【氏名】中嶋 昭夫
(72)【発明者】
【氏名】下里 正敏
(72)【発明者】
【氏名】雨宮 智子
(72)【発明者】
【氏名】井出 昌克
(72)【発明者】
【氏名】岡田 拓也
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC14
5L049CC32
(57)【要約】
【課題】人生の終わりのための活動を行う者が情報を共有する者とより柔軟に情報を共有することを可能にすること。
【解決手段】データ共有プログラムは、被共有者に対応付けられている被共有者端末に、被共有者が所有する資産又は負債を項目ごとに示す家計データと、被共有者の終活に関する意思を項目ごとに示す被共有者データと、家計データにより示される項目に関する情報及び被共有者データにより示される項目に関する情報の少なくとも一つを被共有者と共有する共有者の連絡先を示す連絡先データとを取得させ、家計データにより示される項目に関する情報及び被共有者データにより示される項目に関する情報の少なくとも一つについて共有者と共有するか否かを選択する第一選択操作を共有者ごとに受け付けさせ、共有者と共有することが第一選択操作により選択された情報を共有者に対応付けられている共有者端末と共有する共有処理を共有者ごとに実行させる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被共有者に対応付けられている被共有者端末に、
前記被共有者が所有する資産又は負債を項目ごとに示す家計データと、前記被共有者の人生の終わりのための活動に関する意思を項目ごとに示す被共有者データと、前記家計データにより示される項目に関する情報及び前記被共有者データにより示される項目に関する情報の少なくとも一つを前記被共有者と共有する共有者の連絡先を示す連絡先データとを取得するデータ取得機能と、
前記家計データにより示される項目に関する情報及び前記被共有者データにより示される項目に関する情報の少なくとも一つについて前記共有者と共有するか否かを選択する第一選択操作を前記共有者ごとに受け付ける選択操作受付機能と、
前記家計データにより示されており、前記共有者と共有することが前記第一選択操作により選択された情報及び前記被共有者データにより示されており、前記共有者と共有することが前記第一選択操作により選択された情報を前記共有者に対応付けられている共有者端末と共有する共有処理を前記共有者ごとに実行する共有処理実行機能と、
を実現させるデータ共有プログラム。
【請求項2】
前記家計データにより示される項目に関する情報及び前記被共有者データにより示される項目に関する情報の少なくとも一つを前記被共有者と共有するか否かを確認する共有確認データを前記共有者端末に送信する確認処理を前記共有者ごとに実行する確認処理実行機能を前記被共有者端末に更に実現させ、
前記選択操作受付機能は、前記家計データにより示される項目に関する情報及び前記被共有者データにより示される項目に関する情報の少なくとも一つを前記被共有者と共有すること希望することを示す共有希望データを前記被共有者に送信した前記共有者端末に対応付けられている前記共有者に限り、前記第一選択操作を受け付ける、
請求項1に記載のデータ共有プログラム。
【請求項3】
前記データ取得機能は、前記被共有者が生存していること又は前記被共有者が死亡していることを示している生死データを更に取得し、
前記選択操作受付機能は、前記家計データにより示されており、前記第一選択操作により前記共有者と共有することが選択された項目に関する情報及び前記被共有者データにより示されており、前記第一選択操作により前記共有者と共有することが選択された項目に関する情報の少なくとも一つについて、前記被共有者が死亡していることが前記生死データにより示されるようになる前から前記共有者と共有する選択肢又は前記被共有者が死亡していることが前記生死データにより示されるようになった後から前記共有者と共有する選択肢を選択する第二選択操作を前記共有者ごとに更に受け付け、
前記共有処理実行機能は、前記生死データにより示されている内容と、前記第二選択操作により選択された選択肢とに従って前記共有処理を実行する、
請求項1又は請求項2に記載のデータ共有プログラム。
【請求項4】
前記データ取得機能は、前記被共有者が生存していること又は前記被共有者が死亡していることを示している生死データを更に取得し、
前記共有処理実行機能は、前記被共有者が生存していることが前記生死データにより示されている場合に、前記共有処理を実行する、
請求項1又は請求項2に記載のデータ共有プログラム。
【請求項5】
前記データ取得機能は、前記被共有者が生存していること又は前記被共有者が死亡していることを示している生死データを更に取得し、
前記共有処理実行機能は、前記被共有者が死亡していることが前記生死データにより示されている場合に、前記共有処理を実行する、
請求項1又は請求項2に記載のデータ共有プログラム。
【請求項6】
前記データ取得機能は、前記被共有者が死亡していることを確認する所定の死亡確認処理の結果に基づいて前記被共有者が死亡していることを示す前記生死データを取得する、
請求項5に記載のデータ共有プログラム。
【請求項7】
前記データ取得機能は、前記共有処理を実行するよう要求する共有処理要求データを更に取得し、
前記共有処理実行機能は、前記共有処理要求データが取得された後に、前記共有処理を実行する、
請求項1から請求項6のいずれか一つに記載のデータ共有プログラム。
【請求項8】
前記共有処理実行機能は、前記被共有者端末が所定の操作を受け付けた場合に、前記共有処理を実行する、
請求項1から請求項7のいずれか一つに記載のデータ共有プログラム。
【請求項9】
被共有者が所有する資産又は負債を項目ごとに示す家計データと、前記被共有者の人生の終わりのための活動に関する意思を項目ごとに示す被共有者データと、前記家計データにより示される項目に関する情報及び前記被共有者データにより示される項目に関する情報の少なくとも一つを前記被共有者と共有する共有者の連絡先を示す連絡先データとを取得するデータ取得機能と、
前記家計データにより示される項目に関する情報及び前記被共有者データにより示される項目に関する情報の少なくとも一つについて前記共有者と共有するか否かを選択する第一選択操作を前記共有者ごとに受け付ける選択操作受付機能と、
前記家計データにより示されており、前記共有者と共有することが前記第一選択操作により選択された情報及び前記被共有者データにより示されており、前記共有者と共有することが前記第一選択操作により選択された情報を前記共有者に対応付けられている共有者端末と共有する共有処理を前記共有者ごとに実行する共有処理実行機能と、
を備えるデータ共有装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ共有プログラム及びデータ共有装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、日本等の先進国では、高齢化の急速な進展に伴い、人生の終わりのための活動、いわゆる終活が大きな注目を集めている。一方、終活については、遺産相続時の親族間のトラブル、親世代の課題、子世代の課題等が認識されている。親世代の課題としては、例えば、資産及び負債の全体像を把握出来ていない、介護、葬儀、墓等についての思いを子世代に伝える機会が無い等の課題があげられる。子世代の課題としては、例えば、親世代が元気なうちに終活が行われることを希望しているにも関わらず親世代の終活の進み具合が分からない、介護、葬儀、墓等について親世代の思いを聞く機会が無い等の課題が挙げられる。このような課題を解決する技術の一例として、例えば、特許文献1に開示されている情報管理システムが挙げられる。
【0003】
この情報管理システムは、ネットワークに接続された管理サーバ及びユーザ端末を備える。管理サーバは、ユーザに関連する特定の縁故者に対して開示されるべき伝言内容と、伝言内容を開示する対象となる複数の縁故者とを、ユーザのアカウントに対応付けて保存するデータベースを備える。管理サーバは、ユーザが死亡したことを表す死亡通知を受信した場合、当該ユーザのアカウントに対応付けられている縁故者それぞれのユーザ端末に対して、当該ユーザの死亡についての確認を求める確認通知を送信する。そして、管理サーバは、確認通知が送信された複数の縁故者の全てからユーザの死亡を認める旨の回答を受付けたことを条件に、当該複数の縁故者それぞれのユーザ端末に対して、当該アカウントに対応付けられている開示情報の伝言内容を開示可能にする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した情報開示装置は、故人の死後に伝言内容を縁故者に開示することができるものの、故人の生前から伝言内容を縁故者に開示することができない。つまり、この情報開示装置は、故人の生前に縁故者に伝言内容を開示し、故人の死後に当該伝言内容に追加して伝言内容を縁故者に開示することができない。また、この情報開示装置は、故人が生前にのみ開示することを希望する伝言内容を縁故者に開示するものではない。
【0006】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、人生の終わりのための活動を行う者が情報を共有する者とより柔軟に情報を共有することを可能にすることができるデータ共有プログラム及びデータ共有装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、被共有者に対応付けられている被共有者端末に、前記被共有者が所有する資産又は負債を項目ごとに示す家計データと、前記被共有者の人生の終わりのための活動に関する意思を項目ごとに示す被共有者データと、前記家計データにより示される項目に関する情報及び前記被共有者データにより示される項目に関する情報の少なくとも一つを前記被共有者と共有する共有者の連絡先を示す連絡先データとを取得するデータ取得機能と、前記家計データにより示される項目に関する情報及び前記被共有者データにより示される項目に関する情報の少なくとも一つについて前記共有者と共有するか否かを選択する第一選択操作を前記共有者ごとに受け付ける選択操作受付機能と、前記家計データにより示されており、前記共有者と共有することが前記第一選択操作により選択された情報及び前記被共有者データにより示されており、前記共有者と共有することが前記第一選択操作により選択された情報を前記共有者に対応付けられている共有者端末と共有する共有処理を前記共有者ごとに実行する共有処理実行機能と、を実現させるデータ共有プログラムである。
【0008】
本発明の一態様は、上述したデータ共有プログラムであって、前記家計データにより示される項目に関する情報及び前記被共有者データにより示される項目に関する情報の少なくとも一つを前記被共有者と共有するか否かを確認する共有確認データを前記共有者端末に送信する確認処理を前記共有者ごとに実行する確認処理実行機能を前記被共有者端末に更に実現させ、前記選択操作受付機能は、前記家計データにより示される項目に関する情報及び前記被共有者データにより示される項目に関する情報の少なくとも一つを前記被共有者と共有すること希望することを示す共有希望データを前記被共有者に送信した前記共有者端末に対応付けられている前記共有者に限り、前記第一選択操作を受け付ける。
【0009】
本発明の一態様は、上述したデータ共有プログラムであって、前記データ取得機能が、前記被共有者が生存していること又は前記被共有者が死亡していることを示している生死データを更に取得し、前記選択操作受付機能が、前記家計データにより示されており、前記第一選択操作により前記共有者と共有することが選択された項目に関する情報及び前記被共有者データにより示されており、前記第一選択操作により前記共有者と共有することが選択された項目に関する情報の少なくとも一つについて、前記被共有者が死亡していることが前記生死データにより示されるようになる前から前記共有者と共有する選択肢又は前記被共有者が死亡していることが前記生死データにより示されるようになった後から前記共有者と共有する選択肢を選択する第二選択操作を前記共有者ごとに更に受け付け、前記共有処理実行機能が、前記生死データにより示されている内容と、前記第二選択操作により選択された選択肢とに従って前記共有処理を実行する。
【0010】
本発明の一態様は、上述したデータ共有プログラムであって、前記データ取得機能が、前記被共有者が生存していること又は前記被共有者が死亡していることを示している生死データを更に取得し、前記共有処理実行機能が、前記被共有者が生存していることが前記生死データにより示されている場合に、前記共有処理を実行する。
【0011】
本発明の一態様は、上述したデータ共有プログラムであって、前記データ取得機能が、前記被共有者が生存していること又は前記被共有者が死亡していることを示している生死データを更に取得し、前記共有処理実行機能が、前記被共有者が死亡していることが前記生死データにより示されている場合に、前記共有処理を実行する。
【0012】
本発明の一態様は、上述したデータ共有プログラムであって、前記データ取得機能が、前記被共有者が死亡していることを確認する所定の死亡確認処理の結果に基づいて前記被共有者が死亡していることを示す前記生死データを取得する。
【0013】
本発明の一態様は、上述したデータ共有プログラムであって、前記データ取得機能が、前記共有処理を実行するよう要求する共有処理要求データを更に取得し、前記共有処理実行機能が、前記共有処理要求データが取得された後に、前記共有処理を実行する。
【0014】
本発明の一態様は、上述したデータ共有プログラムであって、前記共有処理実行機能が、前記被共有者端末が所定の操作を受け付けた場合に、前記共有処理を実行する。
【0015】
本発明の一態様は、被共有者が所有する資産又は負債を項目ごとに示す家計データと、前記被共有者の人生の終わりのための活動に関する意思を項目ごとに示す被共有者データと、前記家計データ及び前記被共有者データの少なくとも一つを前記被共有者と共有する共有者の連絡先を示す連絡先データとを取得するデータ取得部と、前記家計データにより示される項目及び前記被共有者データにより示される項目各々について前記共有者と共有するか否かを選択する第一選択操作を前記共有者ごとに受け付ける選択操作受付部と、前記共有者と共有することが前記第一選択操作により選択された前記家計データ及び前記被共有者データを前記共有者に対応付けられている共有者端末と共有する共有処理を前記共有者ごとに実行する共有処理実行部と、を備えるデータ共有装置である。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、人生の終わりのための活動を行う者が情報を共有する者とより柔軟に情報を共有することを可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】実施形態に係る被共有者端末を構成しているハードウェア及び共有者端末を構成しているハードウェアの一例を示す図である。
【
図2】実施形態に係るデータ共有プログラムの機能的な構成の一例を示す図である。
【
図3】実施形態に係る家計データに基づいて被共有者端末のタッチパネルディスプレイに表示される画面の一例を示す図である。
【
図4】実施形態に係る被共有者データが登録される際に被共有者端末のタッチパネルディスプレイに表示される画面の一例を示す図である。
【
図5】実施形態に係る被共有者データが登録される際に被共有者端末のタッチパネルディスプレイに表示される画面の一例を示す図である。
【
図6】実施形態に係る連絡先データが登録される際に被共有者端末のタッチパネルディスプレイに表示される画面の一例を示す図である。
【
図7】実施形態に係る第一選択操作及び第二選択操作が行われる際に被共有者端末のタッチパネルディスプレイに表示される画面の一例を示す図である。
【
図8】実施形態に係るデータ共有プログラムが実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[実施形態]
図1から
図8を参照しながら実施形態に係るデータ共有プログラム及びデータ共有装置について説明する。
[実施形態]
図1は、実施形態に係る被共有者端末を構成しているハードウェア及び共有者端末を構成しているハードウェアの一例を示す図である。
図1は、ネットワークNWを通して通信可能な被共有者端末10と、共有者端末20-1、共有者端末20-2、…及び共有者端末20-k(k:1以上の整数)を示している。なお、ネットワークNWは、例えば、インターネット、イントラネット、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)である。
【0019】
被共有者端末10は、例えば、スマートフォンであり、人生の終わりのための活動を行う被共有者に対応付けられている。被共有者は、例えば、高齢者であり、人生の終わりのための活動を通して共有者に自身が所有する財産を相続させたり、共有者に自身の意思、考え等を伝えたりする。また、被共有者端末10は、後述するデータ共有プログラム100を読み出して実行することによりデータ共有装置として振る舞う。なお、被共有者端末10は、例えば、タブレット、コンピュータであってもよい。
【0020】
共有者端末20-1、共有者端末20-2、…及び共有者端末20-kは、例えば、スマートフォン、タブレット、コンピュータであり、共有者に対応付けられている。共有者は、例えば、共有者の親族、共有者と特に深く交友している者であり、被共有者から財産を相続したり、被共有者の意思、考え等を聞いたりする。
【0021】
図1に示すように、被共有者端末10は、プロセッサ11と、主記憶装置12と、通信インターフェース13と、補助記憶装置14と、入出力装置15と、バス16とを備える。
【0022】
プロセッサ11は、例えば、CPU(Central Processing Unit)であり、後述するデータ共有プログラム100を読み出して実行し、データ共有プログラム100が有する各機能を実現させる。また、プロセッサ11は、データ共有プログラム100以外のプログラムを読み出して実行し、被共有者端末10がデータ共有装置として振る舞うために必要な機能を実現させてもよい。
【0023】
主記憶装置12は、例えば、RAM(Random Access Memory)であり、プロセッサ11により読み出されて実行されるデータ共有プログラム100、その他プログラムを予め記憶している。通信インターフェース13は、ネットワークNWを介して共有者端末20-1、共有者端末20-2、…及び共有者端末20-kと通信を実行するためのインターフェース回路である。補助記憶装置14は、例えば、ハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)、ソリッドステートドライブ(SSD:Solid State Drive)、フラッシュメモリ(Flash Memory)、ROM(Read Only Memory)である。入出力装置15は、例えば、タッチパネルディスプレイである。バス16は、プロセッサ11、主記憶装置12、通信インターフェース13、補助記憶装置14及び入出力装置15を互いにデータの送受信が可能なように接続している。
【0024】
また、
図1に示すように、共有者端末20-1は、プロセッサ21-1と、主記憶装置22-1と、通信インターフェース23-1と、補助記憶装置24-1と、入出力装置25-1と、バス26-1とを備える。同様に、共有者端末20-2、…及び共有者端末20-kは、プロセッサと、主記憶装置と、通信インターフェースと、補助記憶装置と、入出力装置と、バスとを備える。以下の説明では、共有者端末20-1を例に挙げて説明する。
【0025】
プロセッサ21-1は、例えば、CPUであり、後述するデータ共有プログラム100と連携するためのプログラムを読み出して実行する。主記憶装置22-1は、例えば、RAMであり、プロセッサ11により読み出されて実行されるプログラム予め記憶している。通信インターフェース13は、ネットワークNWを介して被共有者端末10と通信を実行するためのインターフェース回路である。補助記憶装置24-1は、例えば、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ、フラッシュメモリ、ROMである。入出力装置25-1は、例えば、タッチパネルディスプレイである。バス26-1は、プロセッサ21-1、主記憶装置22-1、通信インターフェース23-1、補助記憶装置24-1及び入出力装置25-1を互いにデータの送受信が可能なように接続している。
【0026】
次に、
図2から
図7を参照しながら実施形態に係るデータ共有プログラムについて説明する。
【0027】
図2は、実施形態に係るデータ共有プログラムの機能的な構成の一例を示す図である。
図2に示すように、データ共有プログラム100は、データ取得機能101と、確認処理実行機能102と、選択操作受付機能103と、共有処理実行機能104とを備える。
【0028】
データ取得機能101は、家計データ、被共有者データ、連絡先データ及び生死データを取得する機能である。
【0029】
家計データは、被共有者が所有する資産又は負債を項目ごとに示すデータである。資産としては、例えば、預金、株式、不動産が挙げられる。また、負債としては、例えば、住宅ローン、自動車ローン、銀行口座から引き落とされる前のクレジットカードの利用分が挙げられる。データ取得機能101は、預金、株式、ローン、クレジットカードの利用分等の金融機関が提供しているサービスに関する項目については、金融機関が提供しているアプリケーションを経由してデータを取得してもよい。一方、データ取得機能101は、不動産等のデータ化されていない項目については、入出力装置15を使用して入力されたデータを取得してもよい。
【0030】
図3は、実施形態に係る家計データに基づいて被共有者端末のタッチパネルディスプレイに表示される画面の一例を示す図である。入出力装置15は、例えば、データ取得機能101により取得された家計データに基づいて
図3に示した画面を表示する。
図3に示した画面は、○○銀行の口座に預けられているaaa円の預金、△△証券の証券口座にあるbbb分の株式、ccc円の評価額が見積もられている□□マンションを資産として表示している。また、
図3に示した画面は、xxx円分の住宅ローン、yyy円分の自動車ローン及びzzz円のクレジットカード利用分を負債として表示している。
【0031】
被共有者データは、被共有者の人生の終わりのための活動に関する意思を項目ごとに示すデータである。このような項目としては、例えば、被共有者の健康状態、被共有者が受ける介護、被共有者が所有する財産の相続、被共有者の葬儀、被共有者の遺骨が納められる墓、被共有者が契約しているサービスが挙げられる。
【0032】
図4は、実施形態に係る被共有者データが登録される際に被共有者端末のタッチパネルディスプレイに表示される画面の一例を示す図である。
図4に示した画面は、ボタンB41、ボタンB42、ボタンB43、ボタンB44及びボタンB45を表示している。
【0033】
ボタンB41は、被共有者の健康状態についての意思を入力する画面を開くためにタッチされるボタンである。ボタンB42は、被共有者の介護についての意思を入力する画面を開くためにタッチされるボタンである。ボタンB43は、被共有者が所有する財産の相続についての意思を入力する画面を開くためにタッチされるボタンである。ボタンB44は、被共有者の葬儀及び被共有者の遺骨が納められる墓についての意思を入力する画面を開くためにタッチされるボタンである。ボタンB45は、被共有者が契約しているサービスについての意思を入力する画面を開くためにタッチされるボタンである。
【0034】
図5は、実施形態に係る被共有者データが登録される際に被共有者端末のタッチパネルディスプレイに表示される画面の一例を示す図である。
図5に示した画面は、
図4に示したボタンB43をタッチすることにより表示される。
図5に示した画面は、相続させる相手が被共有者の長男であり、相続させる財産が自宅であることが入力されている状態を表示している。また、
図5に示した画面は、相続するものの写真を添付する領域及び当該相続に関する被共有者の考えが入力される領域を表示している。
【0035】
連絡先データは、家計データにより示される項目に関する情報及び被共有者データにより示される項目に関する情報の少なくとも一つを被共有者と共有する共有者の連絡先を示すデータである。
【0036】
図6は、実施形態に係る連絡先データが登録される際に被共有者端末のタッチパネルディスプレイに表示される画面の一例を示す図である。
図6に示されている画面の中央に示されている「本人」は、被共有者に該当する。
図6に示されている画面の右上に示されている「Aさん」は、被共有者の母親に該当する。また、データ共有プログラム100は、
図6に示されている家系図のうち「未登録」と表示されている円形の領域に新しく共有者を登録する機能及び既に登録されている共有者に関する情報を更新する機能を有する。
【0037】
生死データは、被共有者が生存していること又は被共有者が死亡していることを示しているデータである。また、生死データは、被共有者が死亡していることを示している場合、被共有者が死亡していることを確認する死亡確認処理の結果に基づいて被共有者が死亡していることを示していることが好ましい。
【0038】
死亡確認処理は、例えば、被共有者が死亡していることを複数の共有者で確認する処理であり、第一処理、第二処理及び第三処理を含んでいる。第一処理は、データ共有プログラム100を使用したサービスを提供している者が管理しているサーバ等に共有者の一人が被共有者の死亡診断書の画像等を登録する処理である。第二処理は、死亡診断書の画像等が登録された後、一定の条件を満たしている共有者に対応付けられている共有者端末20-1等に被共有者が死亡したことを確認する通知を送信する処理である。第三処理は、当該通知を受信した全ての共有者端末20-1等から被共有者が死亡したことを確認したことを示すデータが上述したサーバ等に送信されたことを確認する処理である。
【0039】
確認処理実行機能102は、家計データにより示される項目に関する情報及び被共有者データにより示される項目に関する情報の少なくとも一つを被共有者と共有するか否かを確認する共有確認データを共有者端末20-1等に送信する確認処理を共有者ごとに実行する。共有者端末20-1等は、これらの情報を被共有者と共有することを希望する者が行う操作を受け付けた場合、これらの情報を被共有者と共有することを希望することを示す共有希望データを被共有者端末10に送信する。
【0040】
選択操作受付機能103は、第一選択操作を共有者ごとに受け付ける。また、選択操作受付機能103は、家計データにより示される項目に関する情報及び被共有者データにより示される項目に関する情報の少なくとも一つを被共有者と共有すること希望することを示す共有希望データを被共有者に送信した共有者端末に対応付けられている共有者に限り、第一選択操作を受け付けてもよい。第一選択操作は、家計データにより示される項目に関する情報及び被共有者データにより示される項目に関する情報の少なくとも一つについて共有者と共有するか否かを選択する操作である。
【0041】
また、選択操作受付機能103は、第二選択操作を共有者ごとに受け付けてもよい。第二選択操作は、家計データにより示されており、第一選択操作により共有者と共有することが選択された項目に関する情報及び被共有者データにより示されており、第一選択操作により共有者と共有することが選択された項目に関する情報の少なくとも一つについて、被共有者が死亡していることが生死データにより示されるようになる前から共有者と共有する選択肢又は被共有者が死亡していることが生死データにより示されるようになった後から共有者と共有する選択肢を選択する操作である。
【0042】
図7は、実施形態に係る第一選択操作及び第二選択操作が行われる際に被共有者端末のタッチパネルディスプレイに表示される画面の一例を示す図である。
図7に示した画面は、領域P、タブT71及びタブT72を表示している。第一選択操作及び第二選択操作は、
図7に示した画面を使用して被共有者により行われる。
【0043】
領域Pは、
図7に示した画面が共有者の一人であり、
図6に示した画面に表示されている「Aさん」についての第一操作及び第二選択操作を行うための画面であることが表示される領域である。
【0044】
タブT71は、被共有者が生存している期間に「Aさん」と共有する項目に関する情報各々について「Aさん」と共有するか否かを選択するユーザインターフェースを表示している。また、タブT71は、各資産について「Aさん」と共有するか否かを選択するユーザインターフェースを表示している領域Q71と、各負債について「Aさん」と共有するか否かを選択するユーザインターフェースを表示している領域R71とを含んでいる。
【0045】
一方、タブT72は、被共有者が死亡した後に「Aさん」と共有する項目に関する情報各々について「Aさん」と共有するか否かを選択するユーザインターフェースを表示している。また、タブT72は、タブT71と同様に、各資産について「Aさん」と共有するか否かを選択するユーザインターフェースを表示している領域と、各負債について「Aさん」と共有するか否かを選択するユーザインターフェースを表示している領域とを含んでいる。
【0046】
共有処理実行機能104は、家計データにより示されており、共有者と共有することが第一選択操作により選択された情報及び被共有者データにより示されており、共有者と共有することが第一選択操作により選択された情報を共有者に対応付けられている共有者端末と共有する共有処理を共有者ごとに実行する。また、共有処理実行機能104は、被共有者端末が所定の操作を受け付けた場合に、共有処理を実行してもよい。ここで言う所定の操作は、例えば、被共有者端末10のタッチパネルディスプレイに表示されたボタンにタッチし、共有処理を実行することを許可する操作である。
【0047】
なお、共有処理実行機能104は、データ取得機能101により生死データが取得されており、選択操作受付機能103により第二選択操作が受付されている場合、生死データにより示されている内容と、第二選択操作により選択された選択肢とに従って共有処理を実行する。
【0048】
また、共有処理実行機能104は、被共有者が生存していることが生死データにより示されている場合に、共有処理を実行してもよい。或いは、共有処理実行機能は、被共有者が死亡していることが生死データにより示されている場合に、共有処理を実行してもよい。
【0049】
次に、
図8を参照しながら、実施形態に係るデータ共有プログラムが実行する処理の一例について説明する。
図8は、実施形態に係るデータ共有プログラムが実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【0050】
ステップS10において、データ取得機能101は、家計データ、被共有者データ、連絡先データ及び生死データを取得する。
【0051】
ステップS20において、確認処理実行機能102は、共有確認データを共有者端末に送信する確認処理を共有者ごとに実行する。
【0052】
ステップS30において、選択操作受付機能103は、第一選択操作及び第二選択操作を受け付ける。
【0053】
ステップS40において、共有処理実行機能104は、生死データにより示されている内容と、第二選択操作により選択された選択肢とに従って、第一選択操作により選択された情報を共有者端末と共有する共有処理を実行する。
【0054】
以上、実施形態に係るデータ共有プログラム100について説明した。データ共有プログラム100は、データ取得機能101と、選択操作受付機能103と、共有処理実行機能104とを備える。
【0055】
データ取得機能101は、家計データ、被共有者データ及び連絡先データを取得する。家計データは、被共有者が所有する資産又は負債を項目ごとに示すデータである。被共有者データは、被共有者の人生の終わりのための活動に関する意思を項目ごとに示すデータである。連絡先データは、家計データにより示される項目に関する情報及び被共有者データにより示される項目に関する情報の少なくとも一つを被共有者と共有する共有者の連絡先を示すデータである。
【0056】
選択操作受付機能103は、家計データにより示される項目に関する情報及び被共有者データにより示される項目に関する情報の少なくとも一つについて共有者と共有するか否かを選択する第一選択操作を共有者ごとに受け付ける。
【0057】
共有処理実行機能104は、家計データにより示されており、共有者と共有することが第一選択操作により選択された情報及び被共有者データにより示されており、共有者と共有することが第一選択操作により選択された情報を共有者に対応付けられている共有者端末20-1等と共有する共有処理を共有者ごとに実行する。また、共有処理実行機能104は、被共有者が生存していることが生死データにより示されている場合に、共有処理を実行してもよいし、被共有者が死亡していることが生死データにより示されている場合に、共有処理を実行してもよい。
【0058】
これにより、データ共有プログラム100は、人生の終わりのための活動を行う者が情報を共有する者とより柔軟に人生の終わりのための活動に関する情報を共有することを可能にすることができる。
【0059】
また、データ共有プログラム100は、家計データにより示される項目に関する情報及び被共有者データにより示される項目に関する情報の少なくとも一つを被共有者と共有するか否かを確認する共有確認データを共有者端末20-1等に送信する確認処理を共有者ごとに実行する確認処理実行機能を被共有者端末10に実現させる。
【0060】
この場合、データ共有プログラム100は、家計データにより示される項目に関する情報及び被共有者データにより示される項目に関する情報の少なくとも一つを被共有者と共有すること希望することを示す共有希望データを被共有者に送信した共有者端末20-1等に対応付けられている共有者に限り、第一選択操作を受け付ける。
【0061】
これにより、データ共有プログラム100は、被共有者と情報を共有することが確認できた者のみと人生の終わりのための活動に関する情報を共有することを可能にし、当該情報を共有することを希望しない者と当該情報が共有されてしまう事態を回避することができる。
【0062】
また、データ共有プログラム100は、被共有者が生存していること又は被共有者が死亡していることを示している生死データを取得する。次に、データ共有プログラム100は、第二選択操作を受け付ける。第二選択操作は、第一選択操作により共有者と共有することが選択された項目に関する情報の少なくとも一つについて、被共有者が死亡していることが生死データにより示されるようになる前から共有者と共有する選択肢又は被共有者が死亡していることが生死データにより示されるようになった後から共有者と共有する選択肢を選択する操作である。そして、データ共有プログラム100は、生死データにより示されている内容と、第二選択操作により選択された選択肢とに従って共有処理を実行する。
【0063】
これにより、データ共有プログラム100は、人生の終わりのための活動に関する情報を共有する時期と、共有者と共有する当該情報の範囲とを被共有者の希望通りに設定することを可能にすることができる。
【0064】
また、データ共有プログラム100は、被共有者が死亡していることを確認する所定の死亡確認処理の結果に基づいて被共有者が死亡していることを示す生死データを取得する。これにより、データ共有プログラム100は、被共有者が死亡していることを更に正確に示している生死データを取得することができる。
【0065】
なお、データ共有プログラム100が有する機能の少なくとも一部は、プロセッサ11が主記憶装置12に格納されているデータ共有プログラム100を読み出して実行する態様以外の態様により実現されてもよい。
【0066】
例えば、データ共有プログラム100が有する機能の少なくとも一部は、LSI(Large Scale Integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)等の回路部(circuitry)を含むハードウェアにより実現されてもよい。或いは、データ共有プログラム100が有する機能の少なくとも一部は、ソフトウェアとハードウェアの協働により実現されてもよい。また、このハードウェアは、一つに統合されていてもよいし、複数に分かれていてもよい。
【0067】
また、データ取得機能101は、共有処理を実行するよう要求する共有処理要求データを更に取得してもよい。共有処理要求データは、例えば、データ共有プログラム100を使用したサービスを提供している者から提供される。この場合、共有処理実行機能104は、共有処理要求データが取得された後に、共有処理を実行する。
【0068】
以上、本発明の実施形態に係るデータ共有プログラム及びデータ共有装置について図面を参照して詳述したが、これらの具体的な構成は、上述した実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の組み合わせ、変形、置換及び設計変更の少なくとも一つが加えられ得る。
【0069】
また、上述した実施形態で説明した本発明の効果は、例として示した効果である。したがって、本発明は、上述した効果以外にも上述した実施形態の記載から当業者が認識し得る他の効果も奏し得る。
【符号の説明】
【0070】
10…被共有者端末、11…プロセッサ、12…主記憶装置、13…通信インターフェース、14…補助記憶装置、15…入出力装置、16…バス、20-1,20-2,…,20-k…共有者端末、21-1…プロセッサ、22-1…主記憶装置、23-1…通信インターフェース、24-1…補助記憶装置、25-1…入出力装置、26-1…バス、100…データ共有プログラム、101…データ取得機能、102…確認処理実行機能、103…選択操作受付機能、104…共有処理実行機能