(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022096406
(43)【公開日】2022-06-29
(54)【発明の名称】来店通知システム、券売機及び来店通知方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/12 20120101AFI20220622BHJP
G07B 1/00 20060101ALI20220622BHJP
G07G 1/12 20060101ALI20220622BHJP
【FI】
G06Q50/12
G07B1/00 E
G07G1/12 361C
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020209497
(22)【出願日】2020-12-17
(71)【出願人】
【識別番号】000001432
【氏名又は名称】グローリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002310
【氏名又は名称】特許業務法人あい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田渕 宏樹
【テーマコード(参考)】
3E142
5L049
【Fターム(参考)】
3E142AA07
3E142CA17
3E142DA07
3E142GA16
3E142JA03
5L049CC24
(57)【要約】
【課題】事前注文に関する利便性の向上を図れる来店通知システム、来店通知システムを構成する券売機、及び、来店通知システムによる来店通知方法を提供する。
【解決手段】来店通知システム100は、事前注文を特定するための特定情報を記憶する管理装置2と、特定情報を受け付ける券売機1と、店舗端末3とを含む。券売機1が受け付けた特定情報が管理装置2に記憶されている場合に、券売機1及び店舗端末3のそれぞれは、当該特定情報によって特定される事前注文についての来店通知を出力する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
事前注文を特定するための特定情報を記憶する記憶手段と、
前記特定情報を受け付ける受付手段と、
前記受付手段が受け付けた前記特定情報が前記記憶手段に記憶されている場合に、当該特定情報によって特定される事前注文についての来店通知を出力する出力手段とを含む、来店通知システム。
【請求項2】
前記出力手段は、来店先に設けられる店舗端末である、請求項1に記載の来店通知システム。
【請求項3】
前記記憶手段は、事前注文についての注文情報と、当該事前注文を特定するための前記特定情報とを対応付けて記憶し、
前記受付手段は、券売機であり、
前記券売機は、
受け付けた前記特定情報に対応する前記注文情報を前記記憶手段から取得する取得手段と、
前記取得手段が取得した前記注文情報に基いて注文内容について決済する決済手段とを含む、請求項1又は2に記載の来店通知システム。
【請求項4】
前記記憶手段は、事前注文についての注文情報と、当該事前注文を特定するための前記特定情報とを対応付けて記憶し、
前記受付手段は、券売機であり、
前記券売機は、
受け付けた前記特定情報に対応する前記注文情報を前記記憶手段から取得する取得手段と、
前記取得手段が取得した前記注文情報に関する情報が記載された第1チケットを発行する発行手段とを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の来店通知システム。
【請求項5】
前記券売機は、新規注文を受け付ける受注手段を含み、
前記発行手段は、前記受注手段が受け付けた新規注文に関する情報が記載された第2チケットを、前記第1チケットとは異なる態様にて発行する、請求項4に記載の来店通知システム。
【請求項6】
前記券売機は、前記受付手段が受け付けた前記特定情報によって特定される事前注文の内容を変更するための変更手段を含む、請求項3~5のいずれか一項に記載の来店通知システム。
【請求項7】
新規注文を受け付ける受注手段と、
事前注文を特定するための特定情報を受け付ける受付手段と、
前記受付手段が前記特定情報を受け付けると、当該特定情報によって特定される事前注文についての来店通知を出力する出力手段とを含む、券売機。
【請求項8】
記憶手段と受付手段と出力手段とを含む来店通知システムによる来店通知方法であって、
前記記憶手段が、事前注文を特定するための特定情報を記憶する記憶ステップと、
前記受付手段が、前記特定情報を受け付ける受付ステップと、
前記受付手段が受け付けた前記特定情報が前記記憶手段に記憶されている場合に、前記出力手段が、当該特定情報によって特定される事前注文についての来店通知を出力する出力ステップとを含む、来店通知方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、来店通知システム、来店通知システムを構成する券売機、及び、来店通知システムによる来店通知方法に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、飲食店に設置される券売機が開示されている。顧客が、券売機の表示操作部にタッチしてメニューを選択して、そのメニューの代金について決済すると、券売機から食券が発行される。顧客は、飲食店の受取カウンターにおいて、選択したメニューの料理を、食券と引き換えに受け取る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の券売機が設置される飲食店等では、客が来店してから券売機によって新規注文する通常の取引の他に、客が電話やインターネットなどによって事前注文してから客本人又は配送業者が事前注文客としてテイクアウト等のために来店する取引がある。店内での事前注文客の一般的な行動パターンとして、事前注文客は、店員に声を掛けて要件を伝えて商品を持ってきてもらい、現金や電子マネーやクレジットカードによって決済してから商品を受け取る。この場合、事前注文客は、要件を伝えるための店員を探さねばならないし、事前注文客が店員に要件を伝えることができても事前注文客の存在が店員間においてスムーズに伝達されないと、事前注文客が待ちぼうけを食うおそれがある。
【0005】
この発明は、かかる背景のもとにおいてなされたものであり、事前注文に関する利便性の向上を図れる来店通知システム、来店通知システムを構成する券売機、及び、来店通知システムによる来店通知方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、事前注文を特定するための特定情報を記憶する記憶手段と、前記特定情報を受け付ける受付手段と、前記受付手段が受け付けた前記特定情報が前記記憶手段に記憶されている場合に、当該特定情報によって特定される事前注文についての来店通知を出力する出力手段とを含む、来店通知システムである。
【0007】
また、本発明は、前記出力手段が、来店先に設けられる店舗端末であることを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、前記記憶手段が、事前注文についての注文情報と、当該事前注文を特定するための前記特定情報とを対応付けて記憶し、前記受付手段が、券売機であり、前記券売機が、受け付けた前記特定情報に対応する前記注文情報を前記記憶手段から取得する取得手段と、前記取得手段が取得した前記注文情報に基いて注文内容について決済する決済手段とを含むことを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、前記記憶手段が、事前注文についての注文情報と、当該事前注文を特定するための前記特定情報とを対応付けて記憶し、前記受付手段が、券売機であり、前記券売機が、受け付けた前記特定情報に対応する前記注文情報を前記記憶手段から取得する取得手段と、前記取得手段が取得した前記注文情報に関する情報が記載された第1チケットを発行する発行手段とを含むことを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、前記券売機が、新規注文を受け付ける受注手段を含み、前記発行手段が、前記受注手段が受け付けた新規注文に関する情報が記載された第2チケットを、前記第1チケットとは異なる態様にて発行することを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、前記券売機が、前記受付手段が受け付けた前記特定情報によって特定される事前注文の内容を変更するための変更手段を含むことを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、新規注文を受け付ける受注手段と、事前注文を特定するための特定情報を受け付ける受付手段と、前記受付手段が前記特定情報を受け付けると、当該特定情報によって特定される事前注文についての来店通知を出力する出力手段とを含む、券売機である。
【0013】
また、本発明は、記憶手段と受付手段と出力手段とを含む来店通知システムによる来店通知方法であって、前記記憶手段が、事前注文を特定するための特定情報を記憶する記憶ステップと、前記受付手段が、前記特定情報を受け付ける受付ステップと、前記受付手段が受け付けた前記特定情報が前記記憶手段に記憶されている場合に、前記出力手段が、当該特定情報によって特定される事前注文についての来店通知を出力する出力ステップとを含む、来店通知方法である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、事前注文に関する利便性の向上を図れる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の一実施形態に係る来店通知システムの概要を示す模式図である。
【
図2】来店通知システムの電気的構成を示すブロック図である。
【
図3】来店通知システムを構成する管理装置の記憶部に記憶される事前注文テーブルの一例を示す図である。
【
図4】来店通知システムを構成する券売機の表示操作部における表示内容の一例を示す模式図である。
【
図5】券売機の表示操作部における表示内容の一例を示す模式図である。
【
図6】券売機において実行される処理の手順を示すフローチャートである。
【
図7】券売機の表示操作部における表示内容の一例を示す模式図である。
【
図8】券売機の表示操作部における表示内容の一例を示す模式図である。
【
図9】来店通知システムを構成する店舗端末の表示部における表示内容の一例を示す模式図である。
【
図10】店舗端末の表示部における表示内容の一例を示す模式図である。
【
図11】券売機から発行された第1チケットの模式図である。
【
図12】券売機から発行された第2チケットの模式図である。
【
図13】管理装置の記憶部に記憶される売上管理テーブルの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下には、図面を参照して、この発明の実施形態について具体的に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る来店通知システム100の概要を示す模式図である。来店通知システム100は、この実施形態では飲食店に適用されるが、飲食店に限らず、商品等の受け取りのために来店が必要な様々な業種の店舗に適用可能である。店舗にて取り扱われる商品は、料理のように店舗側にて作成されて客に提供される品物に限らず、クリーニング店における衣類のように客に返却される品物であってもよい。来店通知システム100は、飲食店の店内又は店頭に設置された食券用の券売機1と、飲食店の店内又は店外における任意の位置に配置された管理装置2と、飲食店の店内に配置された店舗端末3とを少なくとも含んだ自動販売システムでもある。来店通知システム100は、飲食店の店内に配置された電話4をさらに含んでもよい。券売機1は、
図1では1台だけ図示されるが、複数存在してもよい。
【0017】
券売機1は、自動販売装置の一例であって、例えば縦長のボックス形状を有し、その正面における上側領域には、受付手段の一例である表示操作部10が設けられている。表示操作部10は、例えば券売機1の幅方向(
図1の左右方向)に長手の矩形状に形成された液晶のタッチパネルである。表示操作部10は、カラー画面であってもよいし、モノクロ画面であってもよい。表示操作部10は、様々な情報が表示される表示部としての機能と、メニューの選択等のために客等の利用者によって操作される操作部として機能とを有する。表示部と操作部とは、表示操作部10にまとめられるのでなく、別々に存在してもよい。後述する他の表示操作部も同様である。
【0018】
券売機1の正面において表示操作部10よりも下側の領域には、人の接近を検出する検出部11と、硬貨投入口12と、紙幣入金口13と、食券等のチケットの取出口14と、紙幣出金口15と、釣銭の返却口16と、受付手段の一例である読取部17とが、アクセスしやすいレイアウトにて配置されている。
【0019】
券売機1において食券を購入したい客は、まず、券売機1に正面側(
図1の紙面の手前側)からアクセスする。すると、検出部11が、この客の接近を検出するので、検出部11による検出に応じて、例えば今まで休止モードにあった券売機1が起動して待機モードになり、表示操作部10には、後述する待機画面10A(
図4参照)又は待機画面10B(
図5参照)が表示される。客が待機画面10Aにタッチすると、飲食店で取り扱われる複数のメニューの情報が表示された販売画面(図示せず)が表示操作部10に切替表示される。待機画面10Bは、それ自体が販売画面である。待機画面10A及び待機画面10Bについては、後で詳しく説明する。販売画面を見た客は、表示操作部10にタッチして所望のメニューを選択し、そのメニューの代金としての現金を硬貨投入口12及び紙幣入金口13の少なくともいずれかに投入して、そのメニューについて決済する。なお、後述するように、券売機1では、現金決済以外の決済も可能である。
【0020】
決済の後に、客によって選択されたメニューの名称等が印字された食券が、取出口14に発行される。これにより、メニューを選択した客と券売機1との間における取引が成立する。なお、釣銭が存在する場合、釣銭のうち、紙幣は、紙幣出金口15から客に返却され、硬貨は、返却口16から客に返却される。客は、取出口14から取り出した食券を持って飲食店内の受取カウンター(図示せず)に向かい、受取カウンターにおいて、食券と引き換えに、選択したメニューの料理を受け取る。客は、受け取った料理をテイクアウトしてもよいし、店内にて飲食してもよい。
【0021】
管理装置2は、いわゆるサーバーやパソコンである。この実施形態における管理装置2は、モニター等によって構成された表示部20と、キーボード等によって構成された操作部21とを含む。表示部20と操作部21とは、液晶のタッチパネル等によって構成された表示操作部に一体化されてもよい。管理装置2は、インターネットや電話回線等の公衆回線Xに接続されている。
【0022】
店舗端末3の一例は、店内の厨房に配置されるキッチンディスプレー3Aや、店員によって携帯されるタブレット端末などの携帯端末3Bである。券売機1と管理装置2と各店舗端末3とは、有線又は無線の通信線によって構成されたネットワークNを介して通信可能である。ネットワークNの少なくとも一部は、公衆回線Xによって構成されてもよい。
【0023】
電話4は、公衆回線Xに接続された固定電話又は携帯電話である。電話4と携帯端末3Bとは、共通のスマートフォンであってもよい。客の通信端末5は、公衆回線Xに接続された携帯端末5A又はパソコン5Bである。携帯端末5Aの一例は、スマートフォンである。
【0024】
図2は、来店通知システム100の電気的構成を示すブロック図である。それぞれの券売機1は、制御部30と、制御部30に対して電気的に接続された有価媒体処理部31、発行部32、通信部33及び記憶部34とをさらに含む。制御部30は、CPUやROM等を含んだマイクロコンピューター等によって構成されている。後述する他の制御部についても同様である。前述した表示操作部10、検出部11及び読取部17は、制御部30に対して電気的に接続されている。制御部30は、表示操作部10における表示を制御したり、客や店員による表示操作部10の操作を受け付けたりする。検出部11による検出結果は、制御部30に入力される。読取部17が読み取った情報は、制御部30に入力される。
【0025】
有価媒体処理部31は、硬貨投入口12や紙幣入金口13(
図1参照)に投入された現金を券売機1の内部に取り込む構成や、取り込んだ現金の金種及び真贋を識別する構成や、釣銭等の返却用の現金を紙幣出金口15や返却口16(
図1参照)に排出する構成等を含む。制御部30は、客によって選択されたメニューの代金を、投入された現金から差し引くことによって、当該メニューの現金決済を行う。そのため、制御部30及び有価媒体処理部31は、決済手段の一例である。決済に関し、客が、メニューを選択する前に入金してもよいし、メニューを選択した後に入金してもよい。
【0026】
読取部17は、非接触ICカードユニットによって構成されてもよく、その場合、制御部30は、読取部17によって、客が有する電子マネー機能付きのICカードと非接触通信し、当該ICカードに関連付けられた電子マネーによって決済することもできる。なお、読取部17にクレジットカードを読み取る機能があれば、クレジットカード決済も可能である。このように、読取部17も決済手段の一例である。
【0027】
発行部32は、発行手段の一例であり、決済の完了に応じて、食券に、客が購入したメニューに関する必要な情報を印字して、この食券を取出口14(
図1参照)に発行する構成等を含む。通信部33は、制御部30が管理装置2や店舗端末3と通信するためのインターフェースであって、ネットワークNに接続されている。記憶部34は、飲食店にて取り扱われるメニュー等の様々な情報や、券売機1毎に割り当てられた識別情報等を記憶している。
【0028】
管理装置2は、制御部40と、制御部40に対して電気的に接続された第1通信部41、第2通信部42及び記憶部43とをさらに含む。前述した表示部20及び操作部21も、制御部40に対して電気的に接続されている。制御部40は、表示部20における表示を制御したり、店員等による操作部21の操作を受け付けたりする。第1通信部41は、制御部40が券売機1や店舗端末3と通信するためのインターフェースであって、ネットワークNに接続されている。第2通信部42は、管理装置2が通信端末5と通信するためのインターフェースであって、公衆回線Xに接続されている。記憶部43は、様々な情報を記憶している。
【0029】
それぞれの店舗端末3は、制御部45と、制御部45に対して電気的に接続された表示部46及び通信部47とを含む。店舗端末3のうち、キッチンディスプレー3Aの表示部46は、比較的大型のモニターによって構成され、携帯端末3Bの表示部46は、比較的小型のタッチパネル等の表示操作部によって構成される(
図1参照)。キッチンディスプレー3Aの表示部46も表示操作部によって構成されてもよい。制御部45は、表示部46における表示を制御する機能を少なくとも有する。携帯端末3Bの制御部45は、店員による表示部46の操作を受け付けることができてもよい。通信部47は、制御部45が券売機1や管理装置2と通信するためのインターフェースであって、ネットワークNに接続されている。
【0030】
それぞれの通信端末5は、制御部50と、制御部50に対して電気的に接続された表示部51、操作部52、通信部53及び記憶部54とを含む。携帯端末5Aである場合の通信端末5では、表示部51及び操作部52が、タッチパネル等の表示操作部55として一体化されてもよい(
図1参照)。パソコン5Bである場合の通信端末5では、表示部51がモニター等によって構成され、操作部52がキーボード等によって構成されてもよい。制御部50は、表示部51における表示を制御したり、客による操作部52の操作を受け付けたりする。通信部53は、公衆回線Xに接続されたインターフェースである。記憶部54は、様々な情報を記憶している。
【0031】
以下では、このような来店通知システム100による来店通知方法について説明する。客は、飲食店で扱われるメニューをインターネット又は電話によって事前注文することができる。インターネットによる事前注文の場合、客は、まず、通信端末5の操作部52を操作して、通信端末5にダウンロードされた事前注文用のアプリケーションを起動させたり、事前注文サイトにアクセスしたりする。これにより、通信端末5では、制御部50が、事前注文画面(図示せず)を表示部51に表示するので、事前注文画面を見た客は、操作部52を操作することによって、所望のメニューを選択して、自分の情報である注文者情報等を入力する。注文者情報の一例は、客の氏名や電話番号である。なお、客が既に会員登録することによって注文者情報を登録済みである場合には、事前注文時における注文者情報の入力は必須でない。客は、操作部52を操作することによって、メニューの選択内容及び注文者情報等の入力内容について確定する。
【0032】
客による選択内容及び入力内容の確定に応じて、通信端末5の制御部50は、今回の事前注文についての注文情報を管理装置2に送信する。注文情報は、客が選択したメニューの名称及び個数と、注文者情報と、当該メニューの料理の受け取りのために客又は配送業者が飲食店に来店する来店予定日時とを含む。注文情報は、客が選択したメニューの金額も含んでもよい。注文情報を受信した管理装置2では、制御部40が、この注文情報について個別の注文番号を割り当てて、この注文番号を少なくとも含む確認情報を、送信元の通信端末5に返信する。
【0033】
確認情報を受信した通信端末5の制御部50は、確認画面(図示せず)を表示部51に表示する。確認画面には、確認情報における注文番号と、注文情報とが表示される。このときの注文情報には、今回事前注文されたメニューの金額が含まれてもよい。なお、確認情報は、少なくとも料理の受け取りが完了するまでの間は通信端末5の記憶部54において一時記憶されるので、客は、通信端末5を起動させれば、確認画面を閲覧して注文番号を確認することができる。
【0034】
注文情報を受信して注文番号を割り当てた管理装置2の制御部40は、記憶部43に記憶された事前注文テーブルT1(
図3参照)に、これらの注文番号及び注文情報を新規登録することによって、今回の事前注文の受け付けを完了する(来店通知方法における記憶ステップ)。事前注文テーブルT1では、事前注文毎の注文日時、注文番号及び注文情報が記憶されている。注文日時は、制御部40が確認情報を送信元の通信端末5に返信した日時である。事前注文の際に、客は来店者が自分又は配送業者のどちらであるかを入力することができ、その結果が注文情報の備考として事前注文テーブルT1に記憶されてもよい(注文番号0002の備考を参照)。
【0035】
注文番号は、事前注文を特定するための特定情報の一例であり、当該事前注文についての注文情報における客の電話番号や氏名も特定情報の一例である。記憶部43及びこれを備える管理装置2は、記憶手段の一例であって、事前注文についての注文情報と、当該事前注文を特定するための特定情報とを、対応付けて事前注文テーブルT1において記憶している。
【0036】
電話による事前注文の場合、客は、携帯端末5Aによって飲食店に電話する。飲食店の店員は、前述した注文情報を電話4によって客から聞き取って、この注文情報について個別の注文番号を割り当てて、注文番号を客に伝える。店員は、携帯端末3Bの表示部46を操作することによって、今回の事前注文についての注文番号及び注文情報を管理装置2に送信する。管理装置2が店内に存在する場合には、店員は、操作部21を操作することによって注文番号及び注文情報を管理装置2に直接入力してもよい。注文番号及び注文情報が送信又は入力された管理装置2の制御部40は、記憶部43の事前注文テーブルT1に、これらの注文番号及び注文情報を新規登録することによって、今回の事前注文の受け付けを完了する。
【0037】
電話による事前注文の際に店員が割り当てる注文番号は、管理装置2が自動的に割り当てる注文番号と重複しないように定められる。
図3における注文番号T006では、電話による事前注文であることが分かるように、一例として、電話(Telephone)の頭文字Tが先頭に付されている。なお、店員が注文番号を割り当てるのでなく、店員が注文情報を管理装置2に送信又は入力するのに応じて、管理装置2の制御部40が注文番号を割り当てて表示部20又は表示部46(
図1参照)に表示することによって店員に報知してもよい。店員は、報知された注文番号を口頭にて客に伝える。客は、店員から聞いた注文番号を忘れないように書き留めておく必要がある。
【0038】
図4は、券売機1の表示操作部10に表示された待機画面10Aを示す模式図である。事前注文した客、又は、この客に料理の配送を依頼された配送業者(以下「事前注文客」と総称する。)が来店先である飲食店に来店して券売機1にアクセスすると、券売機1の表示操作部10には、待機画面10Aが表示される。待機画面10Aには、事前注文しているか否かを尋ねる案内文60と、事前注文客向けの事前注文キー61と、事前注文でない新規注文の客向けの新規注文キー62とが表示されている。事前注文キー61及び新規注文キー62は、タッチキーであり、以降において登場するキーも、全てタッチキーである。なお、タッチキーの代わりに、物理的なメカボタンを採用してもよい。新規注文とは、来店した客(以下では、事前注文客と区別して「一般客」という。)が券売機1においてメニューを選択する従来の注文パターンによる注文である。事前注文客は事前注文キー61にタッチし、一般客は新規注文キー62にタッチする。
【0039】
表示操作部10には、待機画面10Aの代わりに、
図5に示す待機画面10Bが表示されてもよい。待機画面10Bは、前述したように一般客向けの販売画面を兼ねている。待機画面10Bには、一般客にメニューの選択を促す案内文65と、待機画面10Bの下端の事前注文キー66のタッチを事前注文客に促す案内文67とが表示されている。待機画面10Bのほぼ全域、例えば案内文65及び67と事前注文キー66との間の領域には、販売画面における要部である注文欄68が表示されている。注文欄68には、選択できるメニュー毎又はメニューのグループ毎に設けられた選択キー69と、メニュー選択欄70と、金額欄71と、取消キー72とが、一例として表示されている。
【0040】
待機画面10Bが表示された場合、事前注文客は事前注文キー66にタッチするが、一般客は、所望のメニューに対応する選択キー69にタッチする。なお、選択キー69が、メニューのグループを選択するためのものである場合には、一般客が選択キー69にタッチすると、この選択キー69のグループに属する個々のメニューを選択するためのメニュー選択キーが階層表示されてもよい。
【0041】
一般客が選択したメニューの内容であるメニュー名、個数及び代金は、メニュー選択欄70に表示される。また、一般客が選択したメニューの代金の合計である合計金額と、一般客が投入した現金の入金額と、入金額から合計金額を差し引いて得られる釣銭額とが、金額欄71に表示される。一般客は、取消キー72にタッチすることによって、選択したメニューの一部又は全部をキャンセルすることができる。キャンセルに応じて、制御部30は、メニュー選択欄70及び金額欄71の表示内容を更新する。このように、制御部30及び表示操作部10は、新規注文を受け付ける受注手段の一例として機能する。なお、一般客にとっては、待機画面10Aよりも、待機画面10Bの方が、速やかにメニューを選択できる。
【0042】
図6を参照して、まず、事前注文客が券売機1の表示操作部10における待機画面10Aの事前注文キー61又は待機画面10Bの事前注文キー66にタッチすると(ステップS1にてYES)、この券売機1の制御部40は、
図7に示す入力画面10Cを表示操作部10に切替表示して、事前注文客による特定情報の入力を待機する(ステップS2)。ステップS2は、来店通知方法における特定情報の受付ステップである。
【0043】
入力画面10Cには、特定情報である注文番号又は電話番号の入力等を事前注文客に促す案内文75と、注文番号の入力欄76と、電話番号の入力欄77と、キーボードやテンキーによって構成された入力部78とが表示されている。事前注文客は、自身の電話番号又は事前注文の際に通知された注文番号を入力部78によって入力する。入力された注文番号は入力欄76に表示され、入力された電話番号は入力欄77に表示される。入力された注文番号又は電話番号、つまり特定情報は、券売機1の制御部30によって受け付けられる。入力画面10Cには、特定情報を入力した事前注文客が手続きを続行するためにタッチする続行キー79と、事前注文客が今回の特定情報の入力をキャンセルする場合にタッチする取消キー80と、事前注文客が表示操作部10の内容を入力画面10Cから待機画面10A又は10Bに戻すためにタッチする切替キー81とが表示されてもよい。
【0044】
事前注文客の携帯端末5Aの表示操作部55には、少なくとも特定情報を表わしたバーコードやQRコード(登録商標)等のコードが表示されてもよく、事前注文客は、特定情報を入力部78によって手入力する代わりに、このコードを券売機1の読取部17に読み取らせてもよい。このような運用を想定して、券売機1の制御部30は、入力画面10Cの表示に先立って、
図8に示す入力画面10Dを表示操作部10に表示してもよい。入力画面10Dには、特定情報の手入力又はコードの読み取りについての選択を事前注文客に促す案内文85と、特定情報の手入力を選択する事前注文客によってタッチされる第1選択キー86と、コードの読み取りを選択する事前注文客によってタッチされる第2選択キー87と、前述した取消キー80及び切替キー81とが表示されている。
【0045】
事前注文客が第1選択キー86にタッチすると、制御部30が入力画面10C(
図7参照)を表示操作部10に切替表示するので、事前注文客は、前述したように特定情報を手入力することができる。事前注文客が第2選択キー87にタッチして携帯端末5A上のコードを読取部17に読み取らせると、制御部30は、コードに含まれる特定情報を受け付ける。なお、コードを用いる代わりに、制御部30は、携帯端末5Aと読取部17との近距離通信によって、携帯端末5Aの記憶部54に記憶された特定情報を受け付けてもよい。
【0046】
図6を参照して、制御部30は、事前注文客によって入力されてた特定情報を表示操作部10又は読取部17において受け付けると(ステップS2にてYES)、この特定情報に対応する注文情報が記憶部43の事前注文テーブルT1に存在するか否かを管理装置2に照会する(ステップS3)。このように、制御部30、表示操作部10及びこれらを備える券売機1は、特定情報を受け付ける受付手段の一例である。なお、券売機1が複数存在する場合には、照会元の券売機1の制御部30は、管理装置2に注文情報を照会する際に、照会元の券売機1の識別情報を送信する。管理装置2は、この識別情報によって、照会元の券売機1を特定することができる。
【0047】
該当する注文情報が存在すれば(ステップS4にてYES)、この注文情報が照会元の券売機1に送信されるので、この券売機1の制御部30は、取得手段の一例として、管理装置2の記憶部43から当該注文情報を取得して記憶部34に一時記憶するとともに、表示操作部10に表示する(ステップS5)。具体的には、注文情報における事前注文済みのメニューの情報がメニュー選択欄70及び金額欄71に記された注文欄68(
図5参照)が表示操作部10に表示される。なお、制御部30は、取得した注文情報に含まれる金額を合計金額としてそのまま金額欄71に表示してもよいし、注文情報における事前注文済みのメニューと代金とに基いて合計金額を算出して金額欄71に表示してもよい。
【0048】
注文欄68を見た事前注文客は、選択キー69や取消キー72にタッチしてメニューを追加したり削除したりすることによって、注文内容を変更することができる。注文内容の変更に応じて、制御部30は、メニュー選択欄70及び金額欄71の表示内容を更新する。このように、制御部30及び表示操作部10は、券売機1がステップS2にて受け付けた特定情報によって特定される事前注文の内容を変更するための変更手段の一例として機能する。事前注文客は、券売機1にて、事前注文の内容を追加又は削除することによって変更することができるので、事前注文客の利便性の向上を図れる。
【0049】
注文内容に変更がなければ(ステップS6にてNO)、制御部30は、金額欄71における合計金額以上の入金を待つ(ステップS7)。入金があれば(ステップS7にてYES)、制御部30は、前述したように決済を実行する(ステップS8)。つまり、制御部30は、ステップS5にて取得した注文情報(ステップS6にて変更される場合も含む)に基いて注文内容について決済する。これにより、店員は、決済についての対面応対やレジ精算等の接客業務から解放されるので、事前注文に関して、店員の利便性の向上を図れる。そのため、例えば、厨房担当の店員は、厨房業務に専念することができる。また、店員が現金に触れずに済むので、現金に関するトラブル(金額間違いや盗難や不正等)を防止できるし、衛生的である。なお、事前注文客は、事前注文時にクレジットカードや電子マネー等によって事前決済することができ、その場合において注文内容に変更がなければ(ステップS6にてNO)、ステップS8の決済処理と、直前のステップS7の処理とは省略される。
【0050】
決済を実行した制御部30は、出力手段の一例として、通信部33によって来店通知を管理装置2や店舗端末3に出力する(ステップS9)。通信部33も出力手段の一例であり、制御部30及び通信部33を備える券売機1も出力手段の一例である。さらに、来店通知を受信した各店舗端末3も、出力手段の一例として、この来店通知を出力する。具体的には、店舗端末3におけるキッチンディスプレー3A及び携帯端末3Bのそれぞれでは、制御部45が、事前注文客が来店したことと、事前注文の内容と、事前注文客を店内にて特定するための引換番号とを、来店通知として表示部46に表示する(
図9における上から3行目の事前注文に関する表示と、
図10とを参照)。そのため、制御部45及び表示部46も出力手段の一例である。なお、引換番号は、券売機1の制御部30によって、来店通知(ステップS9)の直前に自動的に生成される。
【0051】
キッチンディスプレー3Aの表示部46には、一般客による新規注文の注文内容も表示されるが、来店した事前注文客による注文内容は、事前注文が優先されるように一般客の注文内容とは異なる態様で表示される(
図9の事前注文におけるメッセージMを参照)。なお、キッチンディスプレー3Aと携帯端末3Bとにおいて表示内容が異なってもよく、表示領域が小さい携帯端末3Bの表示部46には、来店通知が少なくとも表示されればよい(
図10参照)。
【0052】
このように、券売機1が受け付けた特定情報が管理装置2の記憶部43に記憶されている場合に(ステップS4にてYES)、券売機1及び店舗端末3のそれぞれは、当該特定情報によって特定される事前注文についての来店通知を出力する(ステップS9:来店通知方法における出力ステップ)。これにより、店舗端末3にて来店通知が出力された店員は、事前注文に係る料理を速やかに準備して事前注文客に受け渡すことができる。
【0053】
料理が調理済みであれば、店員は、この料理を速やかに事前注文客に受け渡す。一方、調理時間が短い料理であれば、キッチンディスプレー3Aにおける来店通知(
図9参照)を見た店員が、事前注文に係る料理を優先して調理して、直接又は別の店員を介して事前注文客に速やかに受け渡す。なお、事前注文客が券売機1においてメニューを追加した場合には、追加メニューの料理も優先である旨がキッチンディスプレー3Aに表示される。店員は、追加メニューに係る料理も優先して調理する。事前注文に係る料理が未調理又は調理中であれば、事前注文に係るメニューと、追加メニューとが紐付いた状態にてキッチンディスプレー3Aに表示される。
【0054】
また、店員は、料理を受け渡す前に、事前注文客の呼び出しに応じて事前注文客の元に出向いて本人確認してもよく、その際に、事前注文客が、自分の事前注文について店員に伝えてもよい。この場合も、店員は、事前注文客の呼び出しについては、一般客の呼び出しよりも優先して対応する。また、キッチンディスプレー3Aには、当日に受け取り予定がある事前注文の注文情報におけるメニューの名称及び個数と来店予定日時とが予め表示されていてもよく、その場合には、店員は、来店予定日時に合わせて料理を事前に準備しておいて、事前注文客の来店に応じて料理を仕上げて受け渡してもよい。
【0055】
以上により、事前注文客は、料理の受け取りに係る要件を伝えるために店員を探さずに済むし、速やかに料理を受け取ることができるので、事前注文に関して、事前注文客の利便性の向上を図れる。なお、来店通知の出力(ステップS9)は、券売機1の制御部30が管理装置2から注文情報を取得したタイミング(ステップS4にてYES)の直後に実施されるように前倒しされてもよい。いずれにせよ、来店通知を終えた制御部30は、発行部32とともに発行手段の一例として機能することにより、
図11に示す第1チケット91を発行する(ステップS10)。
【0056】
また、制御部30は、第1チケット91を発行するタイミング、又は、このタイミングの前後において、記憶部34における今回の注文情報を削除し、管理装置2に対して、事前注文テーブルT1における当該注文情報を削除するように命令する。管理装置2の制御部40は、当該注文情報と、対応する注文番号とを事前注文テーブルT1から削除する。なお、削除されたこれらの情報は、履歴として券売機1及び管理装置2のそれぞれにおいて別管理されてもよい。
【0057】
なお、客が注文ミスしたり来店先を間違えたりすること等によって、制御部30が取得した特定情報に対応する注文情報が存在しない場合が想定される。この場合には(ステップS4にてNO)、制御部30は、今回の取引が不可能である旨を表示操作部10に表示することによって事前注文客に報知して(ステップS11)、今回の取引を中止する。この場合の事前注文客は、一般客として券売機1にてメニューを注文し直すことができる。また、注文情報が存在するものの、入金がないまま(ステップS7にてNO)、事前注文客が取消キー72等によって今回の注文自体を取り消した場合にも(ステップS12にてYES)、制御部30は、今回の取引を中止する。
【0058】
一方、一般客が待機画面10Aの新規注文キー62(
図4参照)にタッチしたり、待機画面10Bにて選択キー69(
図5参照)にタッチしたりすることによって、メニューを選択すると(ステップS1にてNO且つステップS13にてYES)、制御部30は、選択されたメニューの情報をメニュー選択欄70に表示し、対応する合計金額を金額欄71に表示する(ステップS14)。その後、制御部30は、ステップS6以降の処理を実行し、ステップS10では、発行部32によって、
図12に示す第2チケット92を発行する。
【0059】
図11に示す第1チケット91には、例えば上から順に、飲食店の店名と、第1チケット91が事前注文に関することを示す注記91Aと、事前注文と券売機1での追加注文とを含む全ての決済済みメニューの名称及び個数と、合計金額と、入金額と、釣銭額と、事前予約時に指定された来店予定日時と、第1チケット91の発行日時である受け渡し日時(実際の来店日時)と、引換番号とが記載されている。決済済メニューの名称及び個数と、来店予定日時とは、制御部30がステップS5にて取得した注文情報に関する情報である。
【0060】
第1チケット91に記載されたメニューに係る料理を準備した店員は、引換番号によって引渡し先の事前注文客を特定する。例えば、お知らせ端末(図示せず)によって、当該引換番号の料理の準備が完了した旨が店内に報知されてもよい。第1チケット91を受け取った事前注文客は、第1チケット91と引き換えに店員から料理を受け取ることができる。これにより、料理の受け渡し間違いを防止できるので、事前注文に関して、事前注文客及び店員の両方の利便性の向上を図れる。
【0061】
第1チケット91は、料理と引き換えに店員に渡されてもよいし、領収証として事前注文客によって引き続き保持されてもよい。第1チケット91が料理と引き換えに店員に渡される場合には、ステップS10において、第1チケット91だけでなく、領収証も発行されてもよい。また、料理は、店員によって手渡しされるのでなく、店内に設置された保温庫等の受渡装置に一旦保管された後に、事前注文客によってセルフにて受渡装置から取り出されてもよい。
【0062】
図12に示す第2チケット92は、一例として、引換証92Aと領収証92Bとによって構成される。第2チケット92には、引換証92Aと領収証92Bとの間を横切るミシン目Lが設けられおり、引換証92Aと領収証92Bとは分離可能である。引換証92A及び領収証92Bのそれぞれには、例えば上側から順に、飲食店の店名と、引換証92A又は領収証92Bの種別と、決済された一品のメニューの名称及び代金と、第2チケット92の発行日時とが記載されている。メニューの名称及び代金は、制御部30がステップS13にて受け付けた新規注文に関する情報の一例である。なお、引換証92Aにおける種別の記載の隣には、引換番号が記載されてもよい。第2チケット92を受け取った事前注文客は、第2チケット92の引換証92Aと引き換えに料理を受け取ることができる。
【0063】
事前注文の場合には、決済された全てのメニューがまとめて記載された1枚の第1チケット91(
図11参照)が発行されるのに対し、第2チケット92は、決済されたメニュー毎に1枚ずつ発行される。つまり、制御部30は、第2チケット92を、第1チケット91とは異なる態様にて発行する。そのため、店員は、事前注文客から受け取ったチケットの態様に応じて、このチケットに係る注文が新規注文及び事前注文のどちらであるかを正確に把握して、それぞれの注文に応じて適切に対応することができるので、店員の利便性の向上を図れる。
【0064】
図13は、管理装置2の記憶部43に記憶される売上管理テーブルT2の一例を示す図である。売上管理テーブルT2には、第1チケット91又は第2チケット92の発行日時である決済日時と、第1チケット91の合計金額又は第2チケット92の代金である決済額と、事前注文又は新規注文の注文パターンと、決済額を構成するメニューの内訳や決済方法等の備考とが登録されている。券売機1での取引によって第1チケット91及び第2チケット92が発行される度に、この券売機1から、今回の取引における決済日時、決済額、注文パターン及び備考を含む売上情報が、管理装置2に送信されるので、管理装置2の制御部42は、受信した売上情報を売上管理テーブルT2に追加することによって、売上管理テーブルT2を更新する。
【0065】
このような売上管理テーブルT2では、事前注文による売上情報と、新規注文による売上情報とが一元管理される。そのため、管理装置2の表示部20等において売上管理テーブルT2を閲覧した店員は、売上の内訳を容易に把握できる。売上管理テーブルT2は、店舗端末3の表示部46にて閲覧できてもよい。事前注文による売上と新規注文による売上とが比較のために別々に集計できるように、売上管理テーブルT2内の情報がソートできてもよい。また、売上管理テーブルT2では、売上とともに、飲食店にて管理される現金も管理されてもよい。
【0066】
この発明は、以上の実施形態の内容に限定されるものではなく、請求項に記載の範囲内において種々の変更が可能である。
【0067】
例えば、来店通知システム100では、券売機1が管理装置2の機能を備えてもよく、その場合には、管理装置2が省略される代わりに、券売機1の記憶部34に事前注文テーブルT1及び売上管理テーブルT2が記憶される。この場合には、事前注文に関する注文情報が券売機1に取り込まれる。
【0068】
また、券売機1において事前注文客に発行される第1チケット91が省略されることにより、前述したステップS10では、第1チケット91が実際に発行されるのでなく、第1チケット91の内容が、読取部17の非接触通信等によって券売機1から事前注文客の携帯端末5Aに送信されてもよい。事前注文客は、携帯端末5Aの表示操作部55に表示された当該内容を店員に見せることによって、注文に係るメニューの料理を受け取ることができる。
【0069】
前述した実施形態では、券売機1が、事前注文客から特定情報を受け付ける受付手段を兼ねるが、受付手段として、券売機1とは別の受付端末を飲食店の店頭に配置してもよい。受付端末は、来店客による入店予約を受け付ける機能を有してもよい。また、券売機1は、事前注文客から特定情報を受け付けると(ステップS2にてYES)、対応する注文情報の有無を問わずに、来店通知を出力してもよい(ステップS9)。これにより、事前注文客は、店員を早く呼び出すことができる。なお、来店通知は、店舗端末3の表示部46における表示に限らず、音声によって出力されてもよく、その場合には、館内放送を行う報知装置(図示せず)によって音声出力されてもよい。
【0070】
券売機1や受付端末の前に待ち行列があると、せっかく事前注文してきた事前注文客にとっては時間の無駄である。そこで、例えば、券売機1の表示操作部10等に事前注文客向けの認証コードが表示されてもよく、その場合、事前注文客は、待ち行列の邪魔にならないように券売機1に近寄って認証コードを把握して、携帯端末5Aにおけるアプリケーション上にて当該認証コードと特定情報とを入力すれば、この場合に受付手段及び出力手段の一例をなす管理装置2が、認証コード及び特定情報を受け付けて来店通知を店舗端末3に出力させてもよい。これにより、事前注文客が待ち行列に並ばなくても来店認証が可能になるので、店員は、事前注文客の来店を速やかに把握して対応することができる。なお、認証向けコードは、いたずら防止等の目的のために、定期的に変化することが好ましい。
【0071】
また、来店通知システム100は、監視カメラ等の撮影装置を含んでもよい。撮影装置は、券売機1の正面領域を撮影できる位置に配置されている。撮影装置は、券売機1の一部として制御部30に対して電気的に接続されてもよいし、券売機1とは別の部品として飲食店の天井等の券売機1から離れた位置に取り付けられてもよい。撮影装置は、券売機1に正面からアクセスする者を撮影し、その撮影データを管理装置2に送信する、事前注文客の画像データが注文情報に含まれれば、管理装置2が、撮影データと画像データとに基く本人認証を実行し、本人認証の成功に応じて、管理装置2が店舗端末3に来店通知を出力してもよい。さらに、GPS機能等によって携帯端末5Aの位置情報を介して事前注文客の現在位置が来店通知システム100において追跡できるのであれば、事前注文客の現在位置が飲食店の付近にあることを条件として、管理装置2が来店通知を店舗端末3に出力させてもよい。
【0072】
以上に説明した様々な特徴は、取捨選択のうえ、必要に応じて適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0073】
1 券売機
2 管理装置
3 店舗端末
10 表示操作部
17 読取部
30 制御部
31 有価媒体処理部
32 発行部
33 通信部
43 記憶部
45 制御部
46 表示部
91 第1チケット
92 第2チケット
100 来店通知システム