(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022096423
(43)【公開日】2022-06-29
(54)【発明の名称】車椅子連結装置
(51)【国際特許分類】
A61G 5/10 20060101AFI20220622BHJP
A61G 5/00 20060101ALN20220622BHJP
【FI】
A61G5/10
A61G5/00 701
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020209521
(22)【出願日】2020-12-17
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-03-23
(71)【出願人】
【識別番号】712002343
【氏名又は名称】坂本 弘
(72)【発明者】
【氏名】坂本 弘
(57)【要約】
【課題】病院、老人ホームの介護業務等において、通常時や緊急時に2台の車椅子を縦列又は並列に連結させて移動させることができ、砂地、雪道などの不整地や登り坂を安全に避難移動する際の車椅子の牽引装置としても使用できる多目的車椅子連結装置を提供すること。
【解決手段】当該車椅子連結装置は、主管、内管A及び内菅Bからなる入れ子式伸縮パイプ、該伸縮パイプを車椅子のアームパイプに固定するための外管及び固定用ピンから構成される。縦列連結の場合は、2組の当該連結装置を車椅子のアームパイプに設置し、前方の被車椅子のバックレストパイプに接続する。並列連結の場合は、左右に配置した車椅子のアームパイプに当該連結装置を設置し、一組の連結装置から内管Bを引き出し、この内管Bを連結装置に設けた貫入溝に嵌めることでアームパイプを接続する。また、車椅子の牽引装置として使用するばあいは、車椅子の左右のアープレスパイプに連結装置を設置し、各々内管A、内菅Bパイプを引きだ出して使用する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
主管、内管A及び内菅Bからなる入れ子式伸縮パイプ、該伸縮パイプを車椅子のアームパイプに固定するための外管及び固定用ピンから構成される車椅子連結装置であって、
前記主管は、内径が前記車椅子の肘パットの横幅より大きい任意長さの円形状パイプであり、開口部一端の底辺から開口部他端に沿って前記車椅子のフロントパイプを通すための任意長さの切り口と、該開口部他端に被連結車椅子のバックレストパイプが嵌まる任意長さの切欠き口と、前記内管Bを前記車椅子の左・右アームパイプに横掛けするための嵌合溝と、前記固定用ピンが挿入される複数個のピン貫通孔とを設けられ、
前記内管Aは、前記主管入れ子式に内挿される前記主管と略同一長の半円形状パイプであり、前記主管と同一形状の前記嵌合溝及び前記ピン貫通孔が前記内管Aを前記主管に内挿した際に各々が嵌合するように設けられ、
前記内管Bは、前記内管Aに入れ子式に内挿される前記主管と略同一長の半円形状パイプであり、前記主管と同一形状の前記嵌合溝及び前記ピン貫通孔が前記内管Bを前記主管及び前記内管Aに内挿した際に各々が嵌合するように設けられ、
前記外管は、前記主管を前記アームパイプに固定するための前記主管の外径より大きい任意長さの円形状パイプであり、前記車椅子の背シート側開口部底辺の一端から開口部他端に沿ってフロントパイプの略外径幅で任意長さの切り口を設け、さらに前記外管)を回転させて前記フロントパイプ)を挟持するための車椅子フロントパイプの略外径幅の切り口を前記切口から回転円周方向の任意長さに配置し、挟持した状態で前記ピン貫通孔を設けたこと、を特徴とする車椅子連結装置である。
【請求項2】
請求項1に記載の前記主管は、
管長が左右のアームレスパイプの間隔幅よりも長く、前記切り口が前記フロントパイプの略外径幅で背シート側開口部底辺の一端から開口部他端に向かって任意長さに設けられ、前記切欠き口が前記被連結車椅子のバックレストパイプの外径幅で管中心軸に対し垂直に設けられ、該開口部他端の先端部に前記主管を前記バックレストパイプに連結するためピン貫通孔が設けられ、前記嵌合溝が前記開口部一端と前記切り口先端との略中間管上辺部の管中心軸に対し直角方向に設けてなる、ことを特徴とする請求項1に記載の車椅子連結装置。
【請求項3】
前記内管Bは、前記背シート側先端部をスキー板先端形状とし、半円柱底面部に前記車椅子の駆動輪及びキャスターが嵌まる車輪嵌入溝を各々設けたことを特徴とする請求項2に記載の車椅子連結装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、介護者が一人で2台の車椅子を縦列又は並列に連結して移動させることができ、さらに車椅子の牽引装置としても使用できる車椅子連結装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、高齢者の増加に伴い車椅子の需要も増加する一方、介護施設や医療現場で介護者の数の不足が問題になっている。特に、災害時等の緊急避難などでは、介護者1人で複数台の車椅子を移動させるような場合があり、その対応策の一つとして、2台の車椅子を縦列又は並列に接続し一人で移動させることができる連結装置が提案されている(特許文献1)。また、砂地、雪道、砂利道などの不整地や登り坂を安全に避難する際の移動手段として、車椅子を牽引する連結移動支援具なども提案されている(特許文献2)。
【0003】
しかしながら、特許文献1に記載の縦列又は並列に連結する方法は、2台の車椅子をつなぐ連結器具と車椅子のアームパイプに取り付けられる肘置板から構成されるが、この肘掛板は予め複数台の車椅子に設置しておく必要があり、その分、手間と経費を要する。また、車椅子の牽引装置として利用する場合、介護者が車椅子に対面し進行方向を顧みながら牽引して移動するなど介護者に大きな負担を強いる等の難点がある。
【0004】
また、特許文献2に記載の車椅子移動支援具は、車椅子の牽引専用であり、車椅子の縦列又は並列の連結として使用することは構造上困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011-15861号公報
【特許文献2】特願2014-515465号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記問題点を解決するため、通常時は勿論のこと緊急時においても、2台の車椅子を、縦列又は並列に連結させた状態を維持したまま進行及び逆方向に容易に移動させることができ、加えて砂地、雪道、砂利道などの不整地や登り坂を安全に避難移動する際の車椅子の牽引装置としても使用できる、車椅子への脱着が容易で移動操作性に優れた多目的車椅子連結装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明の車椅子連結装置(1)は、主管(2)、内管A(3)及び内菅B(4)からなる入れ子式伸縮パイプ、該伸縮パイプを車椅子(A)のアームパイプ(C)に固定するための外管(5)及び固定用ピン(6)から構成され、
前記主管(2)は、内径が前記車椅子(A)の肘パット(G)の横幅より大きく、左右のアームレスパイプ(C)の間隔幅よりも大きい任意長さの円形状パイプであり、背シート(F)側開口部一端から開口部他端の管底辺X軸方向に沿ってフロントパイプ(D)の略外径幅で任意長さの切り口(a)を設け、前記主管(2)を被連結車椅子(B)のバックレストパイプ(E)に連結するため該開口部他端に前記被連結車椅子(B)のバックレストパイプ(E)の略外径幅で任意長さの切欠き口(e)を管中心Z軸方向に設けるとともに先端管中心Y軸方向にピン貫通孔(l)を設け、さらに前記内管B(4)を嵌合するための半円柱状の嵌合溝(c)を前記開口部一端と前記切り口先端(m)の略中間管上辺部・Y軸方向に設け、そして前記固定用ピン(6)を挿入するためのピン貫通孔(b)が管中心Z軸方向に複数個設けてなり、
前記内管A(3)は、前記主管(2)に入れ子式に内挿される前記主管(2)と略同一長の半円形状パイプであり、前記主管(2)と同様に管上辺部に前記主管(2)と同一形状の前記嵌合溝(c)及び前記ピン貫通孔(b)が前記内管A(3)を前記主管(2)に内挿した際に各々が嵌合するように設けてなり、
前記内管B(4)は、前記内管A(3)に入れ子式に内挿される前記主管(2)と略同一長の半円形状パイプであり、前記内管A(3)と同様に管上辺部に前記主管(2)と同一形状の前記嵌合溝(c)及び前記ピン貫通孔(b)が前記内管B(4)を前記主管(2)及び前記内管A(3)に内挿した際に各々が嵌合するように配置し、前記車椅子(A)の前記背シート(F)側先端部(f)をスキー板先端形状とし、半円柱底面部に前記車椅子(A)の駆動輪(H)及びキャスター(K)が嵌まる車輪嵌入溝(h)を各々設けてなり、
前記外管(5)は、前記主管(2)を前記アームパイプ(C)に固定するための前記主管(2)の外径より大きい任意長さの円形状パイプであり、前記車椅子(A)の背シート(F)側開口部一端から開口部他端の管底辺X軸方向に沿ってフロントパイプ(D)の略外径幅で任意長さの切り口(a)を設け、さらに前記外管(2)を回転させて前記フロントパイプ(D)を挟持するための車椅子フロントパイプ(D)の略外径幅の切り口(g)を前記切口(a)から回転円周方向の任意長さに配置し、その挟持した状態で前記ピン貫通孔(b)を設けたこと、を特徴とする車椅子連結装置である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、常時及び緊急時、2台の車椅子を縦列又は並列に連結させた状態を維持したまま進行及び逆方向に容易に移動させることができる他、砂地、雪道、砂利道などの不整地や登り坂を安全に避難移動する際の車椅子の牽引装置としても使用できるなど、車椅子への脱着が容易で移動操作性に優れた多目的車椅子連結装置を提供することになる。
【0009】
この車椅子連結装置を使用することにより、病院・福祉施設における緊急時の避難脱出搬送、野外での車椅子搬送及び冬季間の雪道での搬送等の業務を、介護者一人で効率的に行うことが可能となる
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図2】本発明の車椅子連結装置を構成する外管の斜視図である。
【
図3】本発明の車椅子連結装置を構成する主管の斜視図である。
【
図4】本発明の車椅子連結装置を構成する内管Aの斜視図である。
【
図5】本発明の車椅子連結装置を構成する内管Bの斜視図である。
【
図7】本発明の車椅子連結装置を用いて2台の車椅子を縦列に連結した状態を示す斜視図である。
【
図8】
図7の縦列連結状態におけるアームパイプ中心軸付近のX-Z断面図である。
【
図9】
図7の縦列連結状態におけるフロントパイプ中心軸のY-Z断面図である。
【
図10】
図7の縦列連結状態における内管Bと被連結側車椅子バックレストパイプの接続部のX-Y拡大断面図である。
【
図11】本発明の車椅子連結装置を用いて2台の車椅子を並列に連結した状態を示す斜視図である。
【
図12】本発明の車椅子連結装置を車椅子牽引装置として利用した状態を示す斜視図である。
【
図13】本発明の車椅子連結装置のピン挿入孔に点滴棒を挿入し、内管Aをアームパイプに横掛けした状態を示す斜視図である。
【
図14】本発明の車椅子連結装置を使用して車椅子のアームパイプにテーブル板を設置する状態を示す斜視図である。
【
図15】本発明の車椅子連結装置構成部品の内管Bをスキー板として使用した状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明の範囲は、以下の実施例や図示例に限定されるものではなく、幾多の変更及び変形が可能である。
【0012】
図1は本発明の車椅子連結装置(1)の斜視図であり、主管(2)、内管A(3)及び内菅B(4)からなる入れ子式伸縮パイプ、この伸縮パイプを
図7に示す車椅子(A、B)のアームパイプ(C)に固定するための外管(5)及び固定用ピン(6)から構成されている。
【0013】
図3に示す主管(2)は、内径が車椅子(A、B)の肘パット(G)の横幅より大きく、左右のアームレスパイプ(C)の間隔幅よりも大きい任意長さの円形状パイプであり、車椅子連結装置(1)をアームレスパイプ(C)に設置するため、フロントパイプ(D)の略外径幅で任意長さの切り口(a)が、背シート(F)側開口部一端から開口部他端の管底辺X軸方向に沿って設けられている。また、主管(2)を被連結車椅子(B)のバックレストパイプ(E)に連結するため、開口部他端に被連結車椅子(B)のバックレストパイプ(E)の略外径幅で任意長さの切欠き口(e)を管中心Z軸方向に設けるとともに、管中心Y軸方向にピン貫通孔(b)を設けられている。さらに、内管B(4)を嵌合するための半円柱状の嵌合溝(c)を開口部一端と切り口(a)の先端(l)の略中間管上辺部・Y軸方向に設け、そして固定用ピン(6)を挿入するためのピン貫通孔(b)が管中心Z軸方向に複数個設けられている。なお、パイプ形状は円形に限らず楕円形でも多角形でもよい。車椅子のアームパイプの形状と相似すればよい。
【0014】
図4に示す内管A(3)は、主管(2)に入れ子式に内挿される主管(2)と略同一長の半円形状パイプであり、主管(2)と同様に、管上辺部に主管(2)の同一形状の嵌合溝(c)とピン貫通孔(b)が、内管A(3)を主管(2)に内挿した際、各々が嵌合するように設けられている。
【0015】
図5に示す内管B(4)は、内管A(3)に入れ子式に内挿される主管(2)と略同一長の半円形状パイプであり、主管(2)及び内管A(3)と同様に、管上辺部に主管(2)と同一形状の嵌合溝(c)及びピン貫通孔(b)が、内管B(4)を主管(2)及び内管A(3)に内挿した際に各々が嵌合するように配置されている。また、車椅子(A)の背シート(F)側先端部(f)をスキー板先端形状とし、半円柱底面部に車椅子(A)の駆動輪(H)及びキャスター(K)が嵌まる車輪嵌入溝(h)を各々設けてられている。
【0016】
図1に示す外管(5)は、主管(2)をアームパイプ(C)に固定するための主管(2)の外径より大きい任意長さの円形状パイプであり、車椅子(A)の背シート(F)側開口部一端から開口部他端の管底辺X軸方向に沿ってフロントパイプ(D)の略外径幅で任意長さの切り口(a)を設け、さらに外管(2)を回転させてフロントパイプ(D)を挟持するための車椅子フロントパイプ(D)の略外径幅の切り口(g)を切口(a)から回転円周方向の任意長さに配置し、その挟持した状態でピン貫通孔(b)を設けられている。
【0017】
次に、本発明の車椅子連結装置(1)の具体的な使用例について説明する。
【0018】
図7は本発明の車椅子連結装置(1)4組を使用して2台の車椅子(A)と被連結車椅子(B)を縦列に連結した場合の斜視図であり、本車椅子連結装置(1)の1組から内管B(4)を抜き出し、車椅子(A)の左右アームレスパイプ(C)に設置した車椅子連結装置(1)の嵌合溝(c)に各々嵌め込んだ状態を示している。内管B(4)を使用することで、車椅子に乗っている被介護者の前方へのずり落ちを防止する。
【0019】
図8は上記
図7の縦列連結における、車椅子(A)の左右どちらか一方のアームパイプ(C)と被連結車椅子(B)のバックレストパイプ(E)との接続状態を示すアームパイプ中心軸付近のX-Z断面図であり、
図9は車椅子(A)のフロントパイプ中心軸のX-Y断面図である。これらの図から、内管A(3)と内管B(4)が主管(2)の中に車椅子(A)の肘パット(G)上に位置して内挿され、外管(5)と固定用ピン(6)を用いて、これらの管がフロントパイプDの曲がり付近のアームレスパイプ(C)に固定されているのが分かる。
【0020】
また、
図10は
図7の縦列連結状態における内管B(4)と被連結側車椅子(A)のバックレストパイプ(E)の接続部のX-Y拡大断面図である。バックレストパイプ(E)が車椅子連結装置(1)の主管(2)の先端に設けた切欠き口(e)に当接し、固定用ピン(6)で挟止することで被連結側車椅子(B)が車椅子連結装置(1)から外れることを防止する。
【0021】
図11は2台の車椅子(A,B)を並列に連結した状態の斜視図である。車椅子(A)の右側と被連結車椅子(B)の左側とを隣り合わせ、左右のアームパイプ(C)に前記車椅子連結装置(1)を設置した後、前記車椅子連結装置(1)のどちらか一方から内挿されている内管B(4)を引き出し、左右の前記車椅子連結装置(1)の嵌合溝(c)に横架して嵌め込むことで、介護者は2台の車椅子間に位置し、被介護者の様子を見ながら移動させることができる。
【0022】
図12は車椅子の牽引装置として利用した場合の斜視図である。車椅子(A)の左右のアームパイプ(C)に車椅子連結装置(1)を各々設置し、各々から内挿されている内管A(3)及び内管B(4)を順に引き出し、各々のピン貫通孔(b)が重なり合う位置で固定用ピン(6)を挿入し固定することで、車椅子の牽引装置として利用することが可能になる。介護者が1人で車椅子を引いて移動する時は、左右の内管b(4)の間に車椅子(A)を背にして位置し、先端部を握り前進することができる。逆向きに押して後進もできる。
【0023】
図13は点滴棒(k)を使用する場合の斜視図であり、車椅子(A)の左右のアームパイプ(C)に車椅子連結装置(1)を各々設置し、点滴棒(K)を左・右車椅子連結装置(1)外管(5)にあるいずれか一方のピン貫通孔(b)に固定用ピン(6)に代えて挿入し、さらに車椅子連結装置(1)の内管B(4)を左右の嵌合溝(c)に横掛けすることで、被看護者に対し安全に点滴を行うことができる。
【0024】
図14はアームパイプ(C)に食事用テーブル板(i)を設置する状態を示す斜視図である。車椅子(A)の左右のアームパイプ(C)に車椅子連結装置(1)を各々設置し、左・右車椅子連結装置(1)外管(5)にあるピン貫通孔(b)に、固定用ピン(6)に代えてテーブル脚(j)を挿入することで、被看護者が安定して食事をすることができ、使用後立ち上がるときは左右のどちらかのテーブル脚(j)を外してテーブル(i)を車椅子の外側方向に回転させて前方を開放して立ち上がることができる。
【0025】
図15は内管B(4)をスキー板として使用する場合の斜視図である。雪道でスキーとして利用する時は、前記車椅子連結装置(1)から内管B(4)を抜き出し、内管B(4)の平板状の底部に設けた車輪陥入溝(h)を上向きに配置し、カーブ形状の先端部(f)を先頭にキャスター(K)と駆動輪(H)の両輪を前記車輪陥入溝(h)に嵌め込むことで、雪上を埋まることなく滑らせて移動させることができる。
【0026】
以上、本発明の車椅子連結装置を使用することにより、次のような効果が期待できる。
(1)車椅子の左右のアームパイプにある該パイプは通常取り付けたままであり見える孔に通常は点滴、テーブルを設置して利用できかつ介護人の通常の搬送業務として利用可能である。
(2)前方に点滴棒が見えるため点滴の残量を常に患者自身が確認することができる。
(3)必要に応じてテーブルを左右の外側に回転して前方を開放して直ぐに車椅子から立ち上がり前に歩くことが可能。
(4)複数の入院患者の緊急時退避は一人の看護人が該車椅子に入院患者を座らせてその前で抜き取った該パイプを左右のアームパイプに掛け渡して事前に同じ様に用意済の被車椅子のバックレストパイプに当接して二台の車椅子の二人の短時間の緊急脱出が可能である。
(5)従来寝たきり入院患者の退避は一人を二人の看護人で布団の上下を持ち上げ床に降ろして廊下を中腰の姿勢で引きずり出口まで行く避難行動が緊急避難の予定行動であったが、本発明により一人を一人の看護人の作業で車椅子に乗せ入院患者が前にずり落ちないように該パイプを左右のアームパイプに掛け渡して固定状態にして短時間の緊急避難が可能である。
(6)2台の車椅子の並列連結による搬送が可能で2台の車椅子の間に一人の看護人が入り左右等分に見守りながら病院、福祉施設の野外での活動が可能である。
(7)左右のアームパイプの該パイプから該パイプ3本をそれぞれ引き延ばし最長にし、それぞれの孔の重なり合う位置にピンを挿して車椅子の最前部のパイプの先端部を握り引っ張り前進できる。車椅子の前部が持ち上がり気味になり悪路、登坂等で支障なく容易に引っ張り進む事ができる。
(8)雪道走行で車椅子の前輪と後輪の下に抜き出した該パイプの溝を上にして溝の先端にある上方に反っている部分を先頭にして回転し易い前輪のキャスター付き車から後部にあるタイヤ(大きい車)の下にかけ渡し設置して該パイプに前輪、後輪を陥入して大きな後輪タイヤが雪上ヲ横滑りすることなく叉回転し易い前輪のキャスター車のフットプレートがぶれて左右に回転することなく雪道を埋まることなく安定的に前進することができる。
【符号の説明】
【0027】
1 車椅子連結装置
2 主管
3 内菅A
4 内菅B
5 外管
6 固定用ピン
A 車椅子
B 被連結車椅子
C アームパイプ
D フロントパイプ
E バックレストパイプ
F 背シート
G 肘パット
H 駆動輪(後輪)
I フットプレート
J グリップ
K キャスター(前輪)
a 切り口
b ピン貫通孔
c 嵌合溝
d ピン貫通孔
e 切欠き口
f 内菅Bのカーブのある先端部
g 外管の切欠き口
h 内菅Bの車輪陥入溝
i テーブル
j テーブル脚
k 点滴棒
l 切り口aの先端
【手続補正書】
【提出日】2020-12-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正の内容】