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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022096483
(43)【公開日】2022-06-29
(54)【発明の名称】運送車両用荷台
(51)【国際特許分類】
   B62D 33/04 20060101AFI20220622BHJP
   B60P 1/00 20060101ALI20220622BHJP
   A61L 2/10 20060101ALI20220622BHJP
【FI】
B62D33/04 Z
B60P1/00 H
A61L2/10
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020209609
(22)【出願日】2020-12-17
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-01-18
(71)【出願人】
【識別番号】520498789
【氏名又は名称】大石 利亀夫
(74)【代理人】
【識別番号】110001494
【氏名又は名称】前田・鈴木国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】大石 利亀夫
(72)【発明者】
【氏名】藤本 雅史
【テーマコード(参考)】
4C058
【Fターム(参考)】
4C058AA30
4C058BB06
4C058CC05
4C058DD01
4C058DD12
4C058DD16
4C058EE26
4C058KK02
4C058KK23
4C058KK26
(57)【要約】
【課題】安全で確実に荷室内の荷物に対して減菌・滅菌処理を行うことができる運送車両用の荷台。
【解決手段】開閉可能な荷室を有する道路運送車両の荷台であって、前記荷室を開閉する開閉部と、前記荷室の天井部に設置される荷室内UV.Cランプと、前記開閉部による前記荷室の開放と前記荷室の閉鎖を検出する開閉検出部と、前記開閉検出部の検出結果に基づき、前記荷室内UV.Cランプの点灯および消灯を切り換える切換部と、を有し、前記切換部は、前記開閉検出部が前記荷室の閉鎖を検出すると前記荷室内UV.Cランプを点灯し、前記開閉検出部が前記荷室の開放を検出すると前記荷室内UV.Cランプを消灯する運送車両用荷台。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開閉可能な荷室を有する道路運送車両の荷台であって、
前記荷室を開閉する開閉部と、
前記荷室の天井部または側壁部に設置される荷室内UV.Cランプと、
前記開閉部による前記荷室の開放と前記荷室の閉鎖を検出する開閉検出部と、
前記開閉検出部の検出結果に基づき、前記荷室内UV.Cランプの点灯および消灯を切り換える切換部と、を有し、
前記切換部は、前記開閉検出部が前記荷室の閉鎖を検出すると前記荷室内UV.Cランプを点灯し、前記開閉検出部が前記荷室の開放を検出すると前記荷室内UV.Cランプを消灯する運送車両用荷台。
【請求項2】
前記荷室の床部であって前記開閉部に隣接して設けられる底照射ユニットをさらに有し、
前記底照射ユニットは、底照射UV.Cランプと、前記底照射UV.Cランプを収容しており前記底照射UV.Cランプの上側をカバーする上側透明板を有するランプ収容部と、を有する請求項1に記載の運送車両用荷台。
【請求項3】
前記底照射ユニットは、前記荷室の開口面に沿って前記床部に備えられるスライドレールを有し、前記ランプ収容部は、前記スライドレールに沿って移動可能であることを特徴とする請求項2に記載の運送車両用荷台。
【請求項4】
前記底照射ユニットの前記上側透明板は、前記荷室の床部の床面から上方にオフセットした位置にあり、
前記底照射ユニットは、前記床面と前記上側透明板との間に設けられ、荷物の底を前記床面から前記上側透明板にガイドするガイド部材を有する請求項2または請求項3に記載の運送車両用荷台。
【請求項5】
前記切換部は、時間を計測するクロック部を有し、
前記切換部は、前記開閉検出部が前記荷室の閉鎖を検出して前記荷室内UV.Cランプを点灯した後、前記開閉検出部が前記荷室の開放を検出すること無く所定時間経過したことを、前記クロック部により検出すると、前記荷室内UV.Cランプを消灯する請求項1から請求項4までのいずれかに記載の運送車両用荷台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トラックなどの運送車両の荷台に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、新型のウイルス性疾患の世界的な流行があり、物流業界においても、荷物の運搬に伴い、有害なウイルスや細菌などを拡散させないための対策が検討されている。ウイルス等を拡散させないための従来技術としては、たとえば、紫外線ランプをトラックの荷室内に取り付けるアイデアが提案されている(特許文献1等参照)。
【0003】
しかしながら、従来の紫外線ランプ付き荷室では、運転手や配送員による紫外線ランプの付け忘れがあると紫外線ランプによる滅菌効果が得られないという問題がある。また、運転手や配送員が紫外線ランプを点灯させたまま荷室を開くと、運転手や配送員が紫外線ランプを浴びてしまう問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002-176504号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、安全で確実に荷室内の荷物に対して減菌・殺菌処理を行うことができる運送車両用の荷台を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る運送車両用荷台は、
開閉可能な荷室を有する道路運送車両の荷台であって、
前記荷室を開閉する開閉部と、
前記荷室の天井部または側壁部に設置される荷室内UV.Cランプと、
前記開閉部による前記荷室の開放と前記荷室の閉鎖を検出する開閉検出部と、
前記開閉検出部の検出結果に基づき、前記荷室内UV.Cランプの点灯および消灯を切り換える切換部と、を有し、
前記切換部は、前記開閉検出部が前記荷室の閉鎖を検出すると前記荷室内UV.Cランプを点灯し、前記開閉検出部が前記荷室の開放を検出すると前記荷室内UV.Cランプを消灯する。
【0007】
本発明に係る運送車両用荷台は、荷室を閉めると荷室内UV.Cランプが点灯し、荷室を開くと荷室内UV.Cランプが消灯するので、荷室用UV.Cランプの点灯忘れを防止することで、運送中の荷物の滅菌・殺菌を確実に行うことができるとともに、荷室用UV.Cランプの消し忘れを防止して、安全性を高めることができる。
【0008】
また、たとえば、前記荷室の床部であって前記開閉部に隣接して設けられる底照射ユニットをさらに有してもよく、
前記底照射ユニットは、底照射UV.Cランプと、前記底照射UV.Cランプを収容しており前記底照射UV.Cランプの上側をカバーする上側透明板を有するランプ収容部と、を有してもよい。
【0009】
このような運送車両用荷台は、底照射UV.Cランプにより、荷室内UV.Cランプでは滅菌または殺菌が難しい荷物の底面に紫外線C波を照射し、荷物全体を効果的に滅菌・殺菌することができる。また、開閉部に隣接して底照射ユニットを設けることにより、小型の底照射ユニットであっても、次に荷室から取り出す荷物を底照射ユニットに配置することにより、荷物の滅菌・殺菌とその後の荷物の取り出しを、効率的に行うことができる。
【0010】
また、たとえば、前記底照射ユニットは、前記荷室の開口面に沿って前記床部に備えられるスライドレールを有し、前記ランプ収容部は、前記スライドレールに沿って移動可能であってもよい。
【0011】
このような運送車両用荷台は、底照射ユニットが開口面に沿って移動可能であるため、必要に応じて底照射ユニットを避けて荷物の荷室への搬入・搬出を行うことができる。このため、底照射ユニットにより床部に段差が生じる場合でも、荷物の積み込み・積み下ろしを効率的に行うことができる。
【0012】
また、たとえば、前記底照射ユニットの前記上側透明板は、前記荷室の床部の床面から上方にオフセットした位置にあってもよく、
前記底照射ユニットは、前記床面と前記上側透明板との間に設けられ、荷物の底を前記床面から前記上側透明板にガイドするガイド部材を有してもよい。
【0013】
このような運送車両用荷台は、荷物を床面から底照射ユニットの上までスムーズに移動させることができるため、荷物の滅菌・殺菌および荷物の積み込み・積み下ろしを、効率的に行うことができる。
【0014】
また、たとえば、前記切換部は、時間を計測するクロック部を有してもよく、
前記切換部は、前記開閉検出部が前記荷室の閉鎖を検出して前記荷室内UV.Cランプを点灯した後、前記開閉検出部が前記荷室の開放を検出すること無く所定時間経過したことを、前記クロック部により検出すると、前記荷室内UV.Cランプを消灯してもよい。
【0015】
このような切換部を有することにより、荷物に対して紫外線が過度に長時間照射されることを防止し、たとえば荷物が野菜などの生鮮品であるような場合には、生鮮品に対する紫外線の過剰照射による痛みの発生などを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る荷台を有する運送車両の外観図である。
図2図2は、図1に示す荷台における荷室を開放した状態を示す外観図である。
図3図3は、図2に示す荷台における荷室の床部を上方から見た平面図である。
図4図4は、図2に示す荷台における荷室の床部を側方から見た概念図である。
図5図5は、第1変形例に係る荷台における荷室の床部を側方から見た概念図である。
図6図6は、第2変形例に係る荷台における荷室を開放した状態を示す外観図である。
図7図7は、UV.Cランプの点灯・消灯機構を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、本発明の一実施形態に係る運送車用荷台10(以下、単に「荷台」という)を有する運送車両70の外観図である。運送車両70としては、図1に示すような略直方体状の荷室15を有する荷台10を備えるものが挙げられる。しかし、荷台10が有する荷室15は、開閉可能なものであればどのようなものでもよく、いわゆるバンボディ、ウイングボディ、幌ウイング、保冷車、冷凍冷蔵車、二輪車用荷台、軽車両用荷台など、荷室のタイプは特に限定されない。
【0018】
運送車両70は、荷台10の他に、運転席などを備えるキャビン72や、荷台10を支えるシャーシ等を有する。荷室15を有する荷台10は、キャビン72後方のシャーシの上に架装されている。運送車両70のサイズは特に限定されず、軽、小型、中型、大型、特殊など、どのようなサイズであってもよい。荷室15を形成する壁(パネル)は、たとえばアルミニウム等の金属や合金で構成されるが、荷室15の材質は、特に限定されない。
【0019】
図1に示すように、荷台10は、荷室15を開閉する開閉部22を有する。開閉部22は、横開き構造の2枚のリアドア22a、22bを有している。開閉部22を構成するリアドア22a、22bは、中央で互いの端部が接触することにより、荷室15の後方の開口面23を閉じ、荷室15を閉鎖する。
【0020】
図2は、図1に示す荷室15を開放した状態を示す外観図である。図2に示すように、2枚のリアドア22a、22bは、荷室15後方の両サイドを中心として回動するようになっており、観音開きの構造になっている。なお、荷室15を開閉する開閉部22は、図2に示すリアドア22a、22bのみには限定されず、図6に示すような跳ね上げ式のリアドアによる開閉部222であってもよく、荷室15側方に設けられるサイドドア等であってもよく、荷室15を開閉する構造であれば、どのような構造であってもよい。
【0021】
図1に示すように、荷台10は、荷室15の天井部28に設置される荷室内UV.Cランプ30を有する。荷室内UV.Cランプ30は、天井部28の4カ所に設けられており、荷室15内全体に紫外線C波を照射する。荷室内UV.Cランプ30は、強い殺菌作用のある紫外線C波(波長100~280nm)を含む電磁波を照射し、荷室15の荷物80表面に付着するウイルスや菌を滅菌・殺菌する。荷室内UV.Cランプ30としては、特殊高圧水銀ランプなどが挙げられるが、特に限定されない。
【0022】
荷室内UV.Cランプ30の出力は、たとえば床面35において0.003~0.3mW/cmとすることが好ましく、0.004~0.2mW/cmとすることがさらに好ましい。荷室内UV.Cランプ30の出力を適切な範囲に調整することにより、荷室15内の荷物80の表面を、たとえば1秒~10分程度の時間で、または、積み込みから積み下ろしまでの時間内に、効果的かつ安全に滅菌・殺菌することができる。なお、荷室内UV.Cランプ30は、荷室15の側壁部27(図2参照)に設置されていてもよく、天井部28と側壁部27の両方に設置されていてもよい。
【0023】
図1および図2に示すように、荷台10は、開閉部22による荷室15の開放と荷室15の閉鎖を検出する開閉検出部26を有する。開閉検出部26は、リアドア22a、22bの閉じ合せ部分に設けられた接触センサで構成される。開閉検出部26は、2枚のリアドア22a、22bが接触する位置にあるときに検知部が押され、荷室15の閉鎖を検出する。また、開閉検出部26は、2枚のリアドア22a、22bが離れると検知部が押されなくなり、荷室15の開放を検出する。
【0024】
ただし、開閉検出部26としては、接触式センサのみには限定されず、光学式センサや、磁気センサなど、荷室15の閉鎖と開放を検出する他のセンサを採用してもよい。また、開閉検出部26の取付位置も、リアドア22a、22bの閉じ合せ部分に限定されず、リアドア22a、22bが回動するヒンジ部分や、荷室15の開口周辺などに取り付けられていてもよい。
【0025】
図2に示すように、荷台10は、荷室15の床部34に設けられる底照射ユニット40を有する。底照射ユニット40は、荷室15の開閉部22に隣接して設けられる。図3は、床部34を上方から見た平面図である。図3に示すように、底照射ユニット40は、底照射UV.Cランプ42と、底照射UV.Cランプ42を収容するランプ収容部44と、ランプ収容部44を移動させるためのスライドレール47とを有する。
【0026】
底照射UV.Cランプ42は、荷室内UV.Cランプ30と同様に、強い殺菌作用のある紫外線C波(波長100~280nm)を含む電磁波を照射する。底照射UV.Cランプ42は、天井等に配置される荷室内UV.Cランプ30では照射の難しい荷物80の底面に紫外線C波を照射し、荷物80の底面に付着するウイルスや菌を滅菌・殺菌する。
【0027】
荷室内UV.Cランプ30の出力は、特に限定されないが、ランプ収容部44の上側透明板45の外表面において、0.003~0.3mW/cmとすることが好ましく、0.004~0.2mW/cmとすることがさらに好ましい。荷室内UV.Cランプ30の出力は、荷物80との距離が近いため、底照射UV.Cランプ42の出力より弱くてもよい。
【0028】
図4は、荷室15の開閉部22に隣接する床部34の周辺を側方から見た概念図である。図4に示すように、底照射UV.Cランプ42は、略直方体状のランプ収容部44に収容されている。図3および図4に示すように、ランプ収容部44の上側透明板45は、底照射UV.Cランプ42の上側をカバーしており、荷物80が直接底照射UV.Cランプ42に接触しないように保護している。上側透明板45は、紫外線C波を透過する透光性材料で構成される。上側透明板45の材質としては、たとえば紫外線C波を透過するガラス板または樹脂板等が挙げられるが、特に限定されない。
【0029】
底照射ユニット40は、床面35に埋め込まれていてもよいが、図4に示すように、上側透明板45は、荷室15の床部34の床面35から上方にオフセットした位置にあってもよい。この場合、底照射ユニット40は、床面35と上側透明板45との間に設けられ、荷物80の底を床面35から上側透明板45にガイドするガイド部材48を有していてもよい。ガイド部材48は、床面35と上側透明板45と接続する斜面を有する略直角三角柱状の外形状を有しているため、図4に示すように、荷物80の底面を斜面に沿って滑らせることにより、荷物80の底面を、床面35から上透明板の上に移動させることができる。
【0030】
図3に示すように、底照射ユニット40は、開閉部22に隣接する床部34に配置されていることが好ましい。これにより、後で荷下ろしする荷室15奥の荷物80ではなく、先に荷下ろしする開閉部22の近くの荷物80の底面を滅菌・殺菌できるため、荷下ろし前に効率的に荷物80の底面を滅菌・殺菌できる。
【0031】
図3に示すように、底照射ユニット40におけるランプ収容部44の幅方向の長さは、荷室15の開口面23の幅方向の長さより短い。これにより、たとえば荷室15へ荷物80を積み込む際には、底照射ユニット40を避けて荷物80を荷室15へ入れることができる。
【0032】
また、底照射ユニット40は、荷室15の開口面23に沿って床部34に備えられるスライドレール47を有し、ランプ収容部44は、スライドレール47に沿って移動可能である。必要に応じてランプ収容部44を移動させることにより、より効率的に荷室15内へ荷物80を積み込める。また、次に搬出する荷物80の位置や、搬出のために開くことが好ましいリアドア22a、22bに応じてランプ収容部44を移動させることにより、荷物80の底面を効率的に滅菌・殺菌できる。
【0033】
図7は、荷室内UV.Cランプ30および底照射UV.Cランプ42の点灯・消灯機構を示す概念図である。図7に示すように、荷室内UV.Cランプ30および底照射UV.Cランプ42に電力を供給する電源部13と荷室内UV.Cランプ30および底照射UV.Cランプ42との間には、切換部32が配置される。
【0034】
切換部32は、電気信号によって接続やオンオフを切り換えるスイッチで構成される。図7に示すように、切換部32は、開閉検出部26の検出結果に基づき、荷室内UV.Cランプ30の点灯および消灯を切り換える。
【0035】
図1および図2に示すように、切換部32は、開閉検出部26が荷室15の閉鎖を検出すると荷室内UV.Cランプ30を点灯し(図1)、開閉検出部26が荷室15の開放を検出すると荷室内UV.Cランプ30を消灯する(図2)。これにより荷室15は、荷室内UV.Cランプ30の点灯忘れを防止することで、運送中の荷物80の減菌・滅菌を確実に行うことができるとともに、荷室内UV.Cランプ30の消し忘れを防止して、安全性を高めることができる。
【0036】
切換部32は、底照射UV.Cランプ42についても、荷室内UV.Cランプ30と同様に、開閉検出部26の検出結果に基づき、点灯および消灯を切り換えてもよい。この場合、切換部32は、開閉検出部26が荷室15の閉鎖を検出すると底照射UV.Cランプ42を点灯し(図1)、開閉検出部26が荷室15の開放を検出すると底照射UV.Cランプ42を消灯する(図2)。
【0037】
また、図7に示すように、電源部13と底照射UV.Cランプ42との間には、載置検出センサ46の検出結果に基づき、底照射UV.Cランプ42の点灯・消灯を切り換えるスイッチ49が設けられていてもよい。載置検出センサ46は、図4に示すように、底照射ユニット40に備えられる。載置検出センサ46は、上側透明板45の上に荷物80が載置されていることを検出するセンサであり、光学センサ等で構成される。
【0038】
スイッチ49は、載置検出センサ46が上側透明板45の上に荷物80が載置されていることを検出すると底照射UV.Cランプ42を点灯し、載置検出センサ46が荷物80の載置を検出しない場合は、底照射UV.Cランプ42を消灯する。ただし、図7に示すように、底照射UV.Cランプ42は、開閉検出部26が荷室15の閉鎖を検出し、かつ、載置検出センサ46が上側透明板45の上に荷物80が載置されていることを検出したときにのみ点灯する。これにより、上側透明板45の上に荷物80が載置されていないときは底照射UV.Cランプ42を消灯し、電力の消費を抑制し、かつ、底照射UV.Cランプ42の寿命を延ばすことができる。
【0039】
図2に示すように、荷室15内には紫外線に感度を有する撮像素子を用いた紫外線カメラ29が設置されていてもよい。紫外線カメラ29の映像は、図1に示すキャビン72内のモニタで観察できる。これにより、運送車両70の運転者は、開閉部22が正確に閉じられ、荷室内UV.Cランプが点灯して荷物80の滅菌・殺菌が開始されていることを、キャビン72で確認できる。また、紫外線カメラ29からの映像により、荷室15内における荷物80の状態を確認できる。
【0040】
以上、実施形態を挙げて荷台10を説明したが、本発明の技術的範囲は、上述した実施形態のみには限定されず、他の多くの実施形態や変形例を含むことは言うまでもない。例えば、図5は、第1変形例に係る荷台110の荷室115を側方から見た概念図である。
【0041】
荷室115の底照射ユニット140は、円柱状ローラで構成されるガイド部材148を有する。図5に示すガイド部材148も、床面35と上側透明板45との間に設けられ、荷物80の底を床面35から上側透明板45にガイドする。その他の点については、図5に示す荷台110は、図3に示す荷台10と同様であり、荷台10と同様の効果を奏する。
【0042】
図6は、第2変形例に係る荷台210の開閉部222を開いた状態を後方から見た概念図である。荷台210は、開閉部222が跳ね上げ式であり、開閉検出部226が荷室215の幅方向中央部に設けられており、底照射ユニット240の幅方向長さが、荷室215の幅方向長さと略同じであることを除き、図2に示す荷台10と同様である。荷台210の説明では、荷台10との相違点のみ説明し、共通点については説明を省略する。
【0043】
図6に示すように、開閉部222は、跳ね上げ式のリアドアであり、開閉部22の開閉を検出する開閉検出部226は、開口面23の中央部下方に設けられている。このような開閉検出部226も、図2に示す開閉検出部26と同様に、開閉部222による荷室215の閉鎖・開放を検出する。
【0044】
底照射ユニット240は、荷室215の幅方向長さと略同じであり、開閉部222に隣接して配置される全ての荷物を底部に、底照射UV.Cランプ242を照射できる。底照射UV.Cランプ242が、上側透明板245を有するランプ収容部244に収容されている点は図2に示す底照射ユニット40と同様であるが、ランプ収容部244が床部34に固定されており、ガイドレールを有さない点では、底照射ユニット40とは異なる。図6に示す荷台210は、図2に示す荷台10との共通点については、荷台10と同様の効果を奏する。
【0045】
また、図7に示す切換部32は、時間を計測するクロック部を有してもよい。このような切換部32は、開閉検出部26が荷室15、215の閉鎖を検出して荷室内UV.Cランプ30および底照射UV.Cランプ42、242を点灯した後、開閉検出部26が荷室14、215の開放を検出すること無く所定時間経過したことをクロック部により検出すると、荷室内UV.Cランプ30および底照射UV.Cランプ42、242を消灯する。これにより、長時間の運送などの場合において、荷物への紫外線の累積照射量が過剰になる問題を、効果的に防止することができる。
【0046】
さらに、図2に示す紫外線カメラ29に換えて、または、紫外線カメラ29に加えて、荷室15内の人の存在を検知する人感センサが設置されていてもよい。人感センサとしては、赤外線センサや超音波センサなどが挙げられる。人感センサの検出結果は、切換部32に伝えられ、切換部32は、荷室15内に人の存在を検出する場合は荷室内UV.Cランプ30および底照射UV.Cランプ42、242を点灯させず、また、荷室内UV.Cランプ30および底照射UV.Cランプ42、242の点灯中に荷室15内に人の存在を検出すると、荷室内UV.Cランプ30および底照射UV.Cランプ42、242を消灯させる。このような人感センサにより、仮に荷室内に人がいる状態で、開閉部22が閉鎖された場合にも、人体への紫外線C波の照射を防止することができる。
【符号の説明】
【0047】
10、110、210…運送車両用荷台(荷台)
13…電源部
15、115、215…荷室
22、222…開閉部
22a、22b…リアドア
23…開口面
26、226…開閉検出部
27…側壁部
28…天井部
29…紫外線カメラ
30…荷室内UV.Cランプ
32…切換部
34…床部
35…床面
40、140、240…底照射ユニット
42、242…底照射UV.Cランプ
44、244…ランプ収容部
45…上側透明板
46…載置検出センサ
47…スライドレール
48、148…ガイド部材
49…スイッチ
70…運送車両
72…キャビン
80…荷物
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2021-01-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0004】
【特許文献1】特開2005-22577
【手続補正書】
【提出日】2021-05-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開閉可能な荷室を有する道路運送車両の荷台であって、
前記荷室を開閉する開閉部と、
前記荷室の天井部または側壁部に設置される荷室内UV.Cランプと、
前記開閉部による前記荷室の開放と前記荷室の閉鎖を検出する開閉検出部と、
前記開閉検出部の検出結果に基づき、前記荷室内UV.Cランプの点灯および消灯を切り換える切換部と、を有し、
前記切換部は、前記開閉検出部が前記荷室の閉鎖を検出すると前記荷室内UV.Cランプを点灯し、前記開閉検出部が前記荷室の開放を検出すると前記荷室内UV.Cランプを消灯し、
前記荷室の床部であって前記開閉部に隣接して設けられる底照射ユニットをさらに有し、
前記底照射ユニットは、底照射UV.Cランプと、前記底照射UV.Cランプを収容しており前記底照射UV.Cランプの上側をカバーする上側透明板を有するランプ収容部と、を有する運送車両用荷台。
【請求項2】
前記底照射ユニットは、前記荷室の開口面に沿って前記床部に備えられるスライドレールを有し、前記ランプ収容部は、前記スライドレールに沿って移動可能であることを特徴とする請求項に記載の運送車両用荷台。
【請求項3】
前記底照射ユニットの前記上側透明板は、前記荷室の床部の床面から上方にオフセットした位置にあり、
前記底照射ユニットは、前記床面と前記上側透明板との間に設けられ、荷物の底を前記床面から前記上側透明板にガイドするガイド部材を有する請求項または請求項に記載の運送車両用荷台。
【請求項4】
前記切換部は、時間を計測するクロック部を有し、
前記切換部は、前記開閉検出部が前記荷室の閉鎖を検出して前記荷室内UV.Cランプを点灯した後、前記開閉検出部が前記荷室の開放を検出すること無く所定時間経過したことを、前記クロック部により検出すると、前記荷室内UV.Cランプを消灯する請求項1から請求項までのいずれかに記載の運送車両用荷台。