(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022096498
(43)【公開日】2022-06-29
(54)【発明の名称】電話システム、主装置、プログラム、および電話会議の制御方法
(51)【国際特許分類】
H04M 3/56 20060101AFI20220622BHJP
H04Q 3/58 20060101ALI20220622BHJP
【FI】
H04M3/56 Z
H04Q3/58
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020209629
(22)【出願日】2020-12-17
(71)【出願人】
【識別番号】000134707
【氏名又は名称】株式会社ナカヨ
(74)【代理人】
【識別番号】100104570
【弁理士】
【氏名又は名称】大関 光弘
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 智浩
【テーマコード(参考)】
5K049
5K201
【Fターム(参考)】
5K049BB04
5K049BB11
5K049GG08
5K049GG09
5K049KK02
5K049KK11
5K201BB09
5K201BC15
5K201BC23
5K201CA01
5K201CC09
5K201DC01
5K201EC06
(57)【要約】
【課題】より低い処理能力の主装置でも秘話通話や聴話が可能な電話会議を実現する。
【解決手段】主装置1は、内線端末2あるいは外線端末3からの電話会議要求に従い、電話会議要求元(主催者端末)および電話会議要求で指定されている複数の参加者端末(内線端末2および/または外線端末3)による電話会議を実施する。また、主催者端末の指示に従い、各参加者端末の音声入出力を制御する。主催者端末は、ユーザ操作に従い、主装置1に、各参加者端末の音声入力および音声出力のオンオフを指示する。そして、参加者端末は、主装置1の指示に従い、自端末の音声入力および音声出力のオンオフを制御する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電話会議機能を有する電話システムであって、
複数の電話端末と、
前記複数の電話端末と接続する主装置と、を備え、
前記主装置は、
前記電話端末からの電話会議要求に従い、当該電話端末および当該電話会議要求で指定されている複数の前記電話端末による電話会議を実施する電話会議手段と、
前記電話会議要求の送信元である前記電話端末からの指示に従い、当該電話会議要求により前記電話会議手段が実施中の前記電話会議に参加している前記電話端末の音声入力および音声出力を制御する端末制御手段と、を有し、
前記電話端末は、
前記主装置の制御命令に従い自電話端末の音声入力および音声出力をオンオフする音声入出力制御手段と、
自電話端末が前記電話会議要求の送信元である場合に、ユーザ操作に従い、前記主装置に、当該電話会議要求により前記主装置が実施中の前記電話会議に参加している前記電話端末の音声入力および音声出力のオンオフを指示する指示手段と、を有する
ことを特徴とする電話システム。
【請求項2】
請求項1に記載の電話システムであって、
前記主装置は、
前記電話会議手段が実施中の前記電話会議に参加している前記電話端末各々の電話状態を示す状態情報を当該電話端末各々に送信する状態情報送信手段をさらに有し、
前記電話端末は、
前記主装置から受信した前記状態情報に従い、前記電話会議に参加している前記電話端末各々の電話状態を表示する電話状態表示手段をさらに有する
ことを特徴とする電話システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の電話システムであって、
前記主装置は、
前記電話会議要求により前記電話会議手段が実施中の前記電話会議に参加している前記電話端末から発話要求を受信した場合、当該電話端末の指定を伴う発話要求受領通知を、前記電話会議要求の送信元である前記電話端末に通知する発話要求受領通知手段をさらに有し、
前記電話端末は、
ユーザ操作に従い、前記主装置に前記発話要求を送信する発話要求手段と、
自電話端末が前記電話会議要求の送信元である場合に、前記主装置より前記発話要求受領通知を受信したならば、当該発話要求受領通知を、当該発話要求受領通知で指定されている前記電話端末に紐付けて表示する発話要求受領通知表示手段と、をさらに有する
ことを特徴とする電話システム。
【請求項4】
電話会議機能を有する主装置であって、
電話端末からの電話会議要求に従い、当該電話端末および当該電話会議要求で指定されている複数の電話端末による電話会議を実施する電話会議手段と、
前記電話会議要求の送信元である前記電話端末からの指示に従い、当該電話会議要求により前記電話会議手段が実施中の前記電話会議に参加している前記電話端末の音声入力および音声出力を制御する端末制御手段と、を有する
ことを特徴とする主装置。
【請求項5】
電話会議機能を有する主装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、
前記プログラムは、
前記コンピュータを、
電話端末からの電話会議要求に従い、当該電話端末および当該電話会議要求で指定されている複数の電話端末による電話会議を実施する電話会議手段、および、
前記電話会議要求の送信元である前記電話端末からの指示に従い、当該電話会議要求により前記電話会議手段が実施中の前記電話会議に参加している前記電話端末の音声入力および音声出力を制御する端末制御手段として機能させる
ことを特徴とするプログラム。
【請求項6】
複数の電話端末と、前記複数の電話端末と接続する主装置と、を備えた電話システムにおける電話会議の制御方法であって、
前記主装置は、
前記電話端末からの電話会議要求に従い、当該電話端末および当該電話会議要求で指定されている複数の前記電話端末による電話会議を実施し、
前記電話会議要求の送信元である前記電話端末からの指示に従い、実施中の前記電話会議に参加している前記電話端末の音声入力および音声出力を制御し、
前記電話端末は、
前記主装置の制御命令に従い自電話端末の音声入力および音声出力をオンオフし、
自電話端末が前記電話会議要求の送信元である場合に、ユーザ操作に従い、前記主装置に、当該電話会議要求により前記主装置が実施中の前記電話会議に参加している前記電話端末の音声入力および音声出力のオンオフを指示する
ことを特徴とする電話会議の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電話会議の制御技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、電話会議の参加メンバのうち、特定のメンバ間でのみ会話可能とするいわゆる秘話通話、および、特定のメンバ間の会話を特定のメンバ以外のメンバにも聴取可能とするいわゆる聴話を実現することができる電話システムが開示されている。
【0003】
この電話システムにおいて、主装置は、電話会議の参加メンバを複数グループに分け、グループ毎に、グループに属するメンバの音声をミキシングして、グループに属するメンバにのみ配信することで、秘話通話を実現している。また、グループに属するメンバのミキシング音声を、このグループに属するメンバ以外のメンバにも配信することで、このグループに属するメンバ以外のメンバによる聴話を実現している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、グループ毎に音声ミキシング処理が必要となり、主装置に高い処理能力が要求される。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、より低い処理能力の主装置で秘話通話や聴話が可能な電話会議を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明において、主装置は、電話会議要求の送信元の電話端末からの指示に従い、電話会議に参加中の電話端末各々の音声入力(マイク)および音声出力(スピーカ)のオンオフを制御する。ここで、主装置は、電話会議に参加中の電話端末各々の電話状態(音声入出力のオンオフ状態)をこれらの電話端末各々の表示部に表示してもよい。
【0008】
例えば、本発明は、
電話会議機能を有する電話システムであって、
複数の電話端末と、
前記複数の電話端末と接続する主装置と、を備え、
前記主装置は、
前記電話端末からの電話会議要求に従い、当該電話端末および当該電話会議要求で指定されている複数の前記電話端末による電話会議を実施する電話会議手段と、
前記電話会議要求の送信元である前記電話端末からの指示に従い、当該電話会議要求により前記電話会議手段が実施中の前記電話会議に参加している前記電話端末の音声入力および音声出力を制御する端末制御手段と、を有し、
前記電話端末は、
前記主装置の制御に従い自電話端末の音声入力および音声出力をオンオフする音声入出力制御手段と、
自電話端末が前記電話会議要求の送信元である場合に、ユーザ操作に従い、前記主装置に、当該電話会議要求により前記主装置が実施中の前記電話会議に参加している前記電話端末の音声入力および音声出力のオンオフを指示する指示手段と、を有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明では、電話会議要求の送信元の電話端末からの指示に従い、主装置が電話会議に参加中の電話端末各々の音声入力および音声出力のオンオフを制御する。例えば、電話端末の音声入力をオフにすることにより、この電話端末の電話会議での発話を規制する(聴話)。また、電話端末の音声出力をオフにすることにより、この電話端末による電話会議の聴取を規制する(秘話通話)。したがって、本発明によれば、電話会議に参加する電話端末を複数のグループに分けて、グループ毎に音声ミキシング処理を行う必要がないので、より低い処理能力の主装置で秘話通話や聴話が可能な電話会議を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本発明の一実施の形態に係る電話システムの概略構成図である。
【
図2】
図2は、本発明の一実施の形態に係る電話システムの電話会議処理の一例を説明するためのシーケンス図である。
【
図3】
図3は、本発明の一実施の形態に係る電話システムの電話会議処理の一例を説明するためのシーケンス図であり、
図2の続きである。
【
図4】
図4は、本発明の一実施の形態に係る電話システムの発話制限処理の一例を説明するためのシーケンス図である。
【
図5】
図5は、本発明の一実施の形態に係る電話システムの発話制限解除処理の一例を説明するためのシーケンス図である。
【
図6】
図6は、本発明の一実施の形態に係る電話システムの聴取制限処理の一例を説明するためのシーケンス図である。
【
図7】
図7は、本発明の一実施の形態に係る電話システムの聴取制限解除処理の一例を説明するためのシーケンス図である。
【
図9】
図9は、状態情報記憶部15の登録内容例を模式的に表した図である。
【
図10】
図10は、主装置1の電話会議動作を説明するためのフロー図である。
【
図11】
図11は、主装置1の電話会議動作を説明するためのフロー図であり、
図10の続きである。
【
図13】
図13は、内線端末2の主催者端末動作を説明するためのフロー図である。
【
図14】
図14は、内線端末2の参加者端末動作を説明するためのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
【0012】
図1は、本実施の形態に係る電話システムの概略構成図である。
【0013】
本実施の形態に係る電話システムは、電話会議機能を有し、図示するように、複数の内線端末2-1~2-n(以下、単に内線端末2とも呼ぶ)と、外線端末3と、内線端末2および外線端末3と接続する主装置1と、を備えている。ここで、主装置1は、例えばLAN(Local Area Network)上に構築された内線網4を介して内線端末2に接続されるとともに、例えばWAN(Wide Area Network)上に構築された外線網5を介して外線端末3に接続されている。
【0014】
図2および
図3は、本実施の形態に係る電話システムの電話会議処理の一例を説明するためのシーケンス図である。
【0015】
内線端末2-1が、電話会議に参加する内線端末2-2、2-3および外線端末3の指定を伴う電話会議要求操作をユーザから受け付けたとする(S100)。これを受けて、内線端末2-1は、内線端末2-2、2-3および外線端末3の指定を伴う電話会議要求を主装置1に送信する(S101)。
【0016】
主装置1は、電話会議要求を受信すると、この電話会議要求送信元の内線端末2-1(以下、主催者端末と呼ぶ)と呼接続処理を実施して(S102)、主催者端末2-1との間に通話路を確立する(S103)。
【0017】
つぎに、主装置1は、電話会議要求で指定されている内線端末2-2、2-3および外線端末3(以下、これらを参加者端末と呼ぶ)のそれぞれと呼接続処理を実施して(S104、S106、S108)、各参加者端末2-2、2-3、3との間に通話路を確立する(S105、S107、S109)。
【0018】
それから、主装置1は、主催者端末2-1との間に確立された通話路および参加者端末2-2、2-3、3各々との間に確立された通話路を相互接続して、主催者端末2-1および各参加者端末2-2、2-3、3による電話会議を実施する(S110)。具体的には、主催者端末2-1および各参加者端末2-2、2-3、3からそれぞれ受信した音声データをミキシングして、ミキシングされた音声データを主催者端末2-1および各参加者端末2-2、2-3、3に送信する。
【0019】
つぎに、主装置1は、主催者端末2-1および各参加者端末2-2、2-3、3に、これらの端末各々の電話状態(音声入力状態「オン」、音声出力状態「オン」)を示す状態情報を送信する(S111、S113、S115、S117)。これを受けて、主催者端末2-1および各参加者端末2-2、2-3、3は、これらの端末各々の電話状態をLED(Light Emitting Diode)、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示部に表示する(S112、S114、S116、S118)。例えば、内線端末2-1~2-nおよび外線端末3を各端末のファンクションキーに割り当てておき、ファンクションキーのLEDを、そのファンクションキーが割り当てられた主催者端末2-1あるいは参加者端末2-2、2-3、3の電話状態を示す表示形態で表示する。
【0020】
図4は、本実施の形態に係る電話システムの発話制限処理の一例を説明するためのシーケンス図である。
【0021】
図2および
図3に示す電話会議処理S100~S118が実施されて、内線端末2-1を主催者端末とし、内線端末2-2、2-3および外線端末3を参加者端末とする電話会議が行われているものとする(S120)。
【0022】
内線端末2-1が、参加者端末である内線端末2-2の指定を伴う発話制限操作をユーザ(電話会議の主催者)から受け付けたとする(S121)。これを受けて、内線端末2-1は、内線端末2-2の指定を伴う発話制限指示を主装置1に送信する(S122)。
【0023】
主装置1は、発話制限指示を受信すると、この発話制限指示で指定されている内線端末2-2の音声入力状態がオンであることを確認し、この内線端末2-2にマイクオフ命令を送信する(S123)。これを受けて、内線端末2-2は、自端末のマイクをオフにする(S124)。これにより、内線端末2-2のユーザ(電話会議の参加者)は、電話会議での発話が制限され、電話会議の聴取のみが可能となる(聴話)。
【0024】
つぎに、主装置1は、主催者端末2-1および各参加者端末2-2、2-3、3に、内線端末2-2の電話状態(音声入力状態「オフ」、音声出力状態「オン」)を示す状態情報を送信する(S125、S127、S129、S131)。これを受けて、主催者端末2-1および各参加者端末2-2、2-3、3は、LED、LCD等の表示部に表示している内線端末2-2の電話状態を、音声入力状態「オン」、音声出力状態「オン」から、音声入力状態「オフ」、音声出力状態「オン」に更新する(S126、S128、S130、S132)。
【0025】
図5は、本実施の形態に係る電話システムの発話制限解除処理の一例を説明するためのシーケンス図である。
【0026】
図4に示す発話制限処理S120~S132が実施されて、内線端末2-1を主催者端末とし、内線端末2-2、2-3および外線端末3を参加者端末とする電話会議において、内線端末2-2が発話制限されているものとする(S140)。
【0027】
内線端末2-2が、ユーザ(電話会議の参加者)から発話要求操作を受け付けたとする(S141)。これを受けて、内線端末2-2は、主装置1に発話要求を送信する(S142)。
【0028】
主装置1は、発話要求を受信すると、この発話要求の送信元である内線端末2-2の音声入力状態がオフであることを確認し、この発話要求の送信元である内線端末2-2の指定を伴う発話要求受領通知を、主催者端末である内線端末2-1に送信する(S143)。これを受けて、内線端末2-1は、内線端末2-2から発話要求を受領した旨を、LED、LCD等の表示部に表示する(S144)。
【0029】
つぎに、内線端末2-1が、発話制限されている内線端末2-2の指定を伴う発話制限解除操作をユーザ(電話会議の主催者)から受け付けたとする(S145)。これを受けて、内線端末2-1は、内線端末2-2の指定を伴う発話制限解除指示を主装置1に送信する(S146)。
【0030】
主装置1は、発話制限解除指示を受信すると、この発話制限解除指示で指定されている内線端末2-2の音声入力状態がオフであることを確認し、この内線端末2-2にマイクオン命令を送信する(S147)。これを受けて、内線端末2-2は、自端末のマイクをオンにする(S148)。これにより、内線端末2-2のユーザ(電話会議の参加者)は、電話会議での発話制限が解除され、電話会議での発話が可能となる。
【0031】
つぎに、主装置1は、主催者端末2-1および各参加者端末2-2、2-3、3に、内線端末2-2の電話状態(音声入力状態「オン」、音声出力状態「オン」)を示す状態情報を送信する(S149、S151、S153、S155)。これを受けて、主催者端末2-1および各参加者端末2-2、2-3、3は、LED、LCD等の表示部に表示している内線端末2-2の電話状態を、音声入力状態「オフ」、音声出力状態「オン」から、音声入力状態「オン」、音声出力状態「オン」に更新する(S150、S152、S154、S156)。
【0032】
図6は、本実施の形態に係る電話システムの聴取制限処理の一例を説明するためのシーケンス図である。
【0033】
図2および
図3に示す電話会議処理S100~S118が実施されて、内線端末2-1を主催者端末とし、内線端末2-2、2-3および外線端末3を参加者端末とする電話会議が行われているものとする(S160)。
【0034】
内線端末2-1が、参加者端末である外線端末3の指定を伴う聴取制限操作をユーザ(電話会議の主催者)から受け付けたとする(S161)。これを受けて、内線端末2-1は、外線端末3の指定を伴う聴取制限指示を主装置1に送信する(S162)。
【0035】
主装置1は、聴取制限指示を受信すると、この聴取制限指示で指定されている外線端末3の音声出力状態がオンであることを確認し、この外線端末3にスピーカオフ命令を送信する(S163)。これを受けて、外線端末3は、自端末のスピーカをオフにする(S164)。これにより、外線端末3のユーザ(電話会議の参加者)は、電話会議の聴取が制限される。
【0036】
したがって、内線端末2-1~2-3のユーザは、外線端末3のユーザに聞かれることなく会話をすることができる(秘話通話)。ただし、外線端末3のユーザは、電話会議で発言することが可能であり、内線端末2-1~2-3のユーザは、外線端末3のユーザの発言を聞くことができる。
【0037】
つぎに、主装置1は、主催者端末2-1および各参加者端末2-2、2-3、3に、外線端末3の電話状態(音声入力状態「オン」、音声出力状態「オフ」)を示す状態情報を送信する(S165、S167、S169、S171)。これを受けて、主催者端末2-1および各参加者端末2-2、2-3、3は、LED、LCD等の表示部に表示している外線端末3の電話状態を、音声入力状態「オン」、音声出力状態「オン」から、音声入力状態「オン」、音声出力状態「オフ」に更新する(S166、S168、S170、S172)。
【0038】
図7は、本実施の形態に係る電話システムの聴取制限解除処理の一例を説明するためのシーケンス図である。
【0039】
図6に示す聴取制限処理S160~S172が実施されて、内線端末2-1を主催者端末とし、内線端末2-2、2-3および外線端末3を参加者端末とする電話会議において、外線端末3が聴取制限されているものとする(S180)。
【0040】
ここで、外線端末3のユーザ(電話会議の参加者)が何らかの発言を行い、内線端末2-1のユーザ(電話会議の主催者)がこれを聞いて、外線端末3の聴取制限を解除する必要性があると判断し、内線端末2-1に対して、外線端末3の指定を伴う聴取制限解除操作を行ったものとする(S181)。これを受けて、内線端末2-1は、外線端末3の指定を伴う聴取制限解除指示を主装置1に送信する(S182)。
【0041】
主装置1は、聴取制限解除指示を受信すると、この聴取制限解除指示で指定されている外線端末3の音声出力状態がオフであることを確認し、この外線端末3にスピーカオン命令を送信する(S183)。これを受けて、外線端末3は、自端末のスピーカをオンにする(S184)。これにより、外線端末3のユーザ(電話会議の参加者)は、電話会議の聴取制限が解除され、内線端末2-1~2-3の発話を聞き取ることが可能となる。
【0042】
つぎに、主装置1は、主催者端末2-1および各参加者端末2-2、2-3、3に、外線端末3の電話状態(音声入力状態「オン」、音声出力状態「オン」)を示す状態情報を送信する(S185、S187、S189、S191)。これを受けて、主催者端末および各参加者端末は、LED、LCD等の表示部に表示している外線端末3の電話状態を、音声入力状態「オン」、音声出力状態「オフ」から、音声入力状態「オン」、音声出力状態「オン」に更新する(S186、S188、S190、S192)。
【0043】
つぎに、本実施の形態に係る電話システムを構成する主装置1、内線端末2および外線端末3について説明する。
【0044】
まず、主装置1の詳細を説明する。
【0045】
【0046】
図示するように、主装置1は、内線網インターフェース部10と、外線網インターフェース部11と、呼制御部12と、中継部13と、電話会議処理部14と、状態情報記憶部15と、状態情報送信部16と、発話要求受領通知部17と、端末制御部18と、を有する。
【0047】
内線網インターフェース部10は、内線網4に接続するためのインターフェースであり、外線網インターフェース部11は、外線網5に接続するためのインターフェースである。
【0048】
呼制御部12は、SIP(Session Initiation Protocol)等の呼制御プロトコルに従い、内線端末2、外線端末3と連携して呼制御処理を実施して、内線端末2、外線端末3と通話路を確立・解放する。
【0049】
中継部13は、RTP(Real-time Transport Protocol)等の伝送プロトコルに従い、呼制御部12によって確立された通話路間を中継する。これにより、内線端末2同士、あるいは内線端末2と外線端末3との通話が可能となる。
【0050】
電話会議処理部14は、中継部13と連携し、呼制御部12によって指定された3以上の通話路各々から受信した音声データをミキシング処理し、ミキシング音声データをこれらの通話路各々に送信する。これにより、3以上の内線端末2間、あるいは3以上の内線端末2および外線端末3間における電話会議が実施される。
【0051】
状態情報記憶部15には、実施中の電話会議に参加している主催者端末および参加者端末の電話状態を示す状態情報が記憶される。
【0052】
図9は、状態情報記憶部15の登録内容例を模式的に表した図である。
【0053】
図示するように、状態情報記憶部15には、実施中の電話会議に参加している主催者端末および参加者端末毎に状態情報のレコード150が記憶される。状態情報のレコード150は、端末種別(主催者端末、参加者端末)が登録されたフィールド151と、番号情報(内線端末2の場合は内線番号、外線端末3の場合は外線番号)が登録されたフィールド152と、アドレス情報(内線端末2の場合はローカルアドレス、外線端末3の場合はグローバルアドレス)が登録されたフィールド153と、音声入力状態(マイクのオンオフ状態)が登録されたフィールド154と、音声出力状態(スピーカのオンオフ状態)が登録されたフィールド155と、を有する。
【0054】
状態情報送信部16は、状態情報記憶部15を参照し、実施中の電話会議に参加している主催者端末および各参加者端末の電話状態(音声入力状態および音声出力状態)を示す状態情報を、主催者端末および各参加者端末に送信する。本実施の形態では、主催者端末および各参加者端末の状態情報として、主催者端末および各参加者端末がそれぞれ割り当てられているファンクションキーのLEDの表示制御命令を、主催者端末および各参加者端末に送信している。
【0055】
例えば、主催者端末あるいは参加者端末の音声入力状態および音声出力状態がともにオンである場合、この端末が割り当てられているファンクションキーのLEDを緑色に点灯する表示制御命令を、主催者端末および各参加者端末に送信する。
【0056】
また、主催者端末あるいは参加者端末の音声入力状態および音声出力状態がともにオフである場合、この端末が割り当てられているファンクションキーのLEDを赤色に点灯する表示制御命令を、主催者端末および各参加者端末に送信する。
【0057】
また、主催者端末あるいは参加者端末の音声入力状態がオフかつ音声出力状態がオンである場合、この端末が割り当てられているファンクションキーのLEDを第1周期で赤色に点滅する表示制御命令を、主催者端末および各参加者端末に送信する。
【0058】
また、主催者端末あるいは参加者端末の音声入力状態がオンかつ音声出力状態がオフである場合、この端末が割り当てられているファンクションキーのLEDを上述の第1周期よりも短い第2周期で赤色に点滅する表示制御命令を、主催者端末および各参加者端末に送信する。
【0059】
また、状態情報送信部16は、状態情報記憶部15の登録内容がクリアされた場合、それまで状態情報記憶部15に状態情報のレコード150が登録されていた主催者端末および各参加者端末に、電話会議終了情報を送信する。本実施の形態では、電話会議終了情報として、主催者端末および各参加者端末がそれぞれ割り当てられているファンクションキーのLEDを消灯する表示制御命令を、主催者端末および各参加者端末に送信している。
【0060】
発話要求受領通知部17は、実施中の電話会議に参加している参加者端末のうち、状態情報記憶部15に記憶されている音声入力状態がオフである参加者端末から発話要求を受信した場合に、この発話要求送信元である参加者端末の指定を伴う発話要求受領通知を、主催者端末に送信する。本実施の形態では、発話要求受領通知として、発話要求送信元の参加者端末が割り当てられているファンクションキーのLEDの表示制御命令を、主催者端末に送信している。例えば、発話要求送信元の参加者端末が割り当てられているファンクションキーのLEDを緑色に点滅する表示制御命令を、主催者端末に送信する。
【0061】
そして、端末制御部18は、実施中の電話会議に参加している主催者端末から受信した各種指示(発話制限指示、発話制限解除指示、聴取制限指示、聴取制限解除指示)に従い、この指示で指定されている参加者端末の音声入力あるいは音声出力のオンオフを制御する。
【0062】
図10および
図11は、主装置1の電話会議動作を説明するためのフロー図である。
【0063】
このフローは、いずれかの内線端末2あるいは外線端末3から電話会議要求を受信することにより開始される。
【0064】
まず、呼制御部12は、電話会議要求元の内線端末2あるいは外線端末3を主催者端末に設定し、内線網インターフェース部10あるいは外線網インターフェース部11を介して主催者端末と通話路を確立する(S200)。
【0065】
つぎに、呼制御部12は、電話会議要求で指定されている内線端末2および/または外線端末3を参加者端末に設定し、内線網インターフェース部10および/または外線網インターフェース部11を介して参加者端末と通話路を確立する処理を、電話会議要求で指定されているすべての内線端末2および/または外線端末3に対して実施する(S201)。
【0066】
それから、呼制御部12は、中継部13および電話会議処理部14を制御して、主催者端末および各参加者端末による電話会議を開始する(S202)。具体的には、中継部13は、主催者端末との間に確立された通話路および各参加者端末との間に確立された通話路を電話会議処理部14に接続する。電話会議処理部14は、自身に接続された通話路を介して主催者端末および各参加者端末から受信した音声データをミキシングし、これにより生成されたミキシング音声データを、自身に接続された通話路を介して主催者端末および各参加者端末に送信する。
【0067】
つぎに、呼制御部12は、主催者端末および各参加者端末の状態情報のレコード150を状態情報記憶部15に記憶する(S203)。ここで、状態情報のレコード150に登録される電話状態は、主催者端末および各参加者端末のいずれについても、音声入力状態および音声出力状態がともにオンとなる。
【0068】
状態情報送信部16は、主催者端末および各参加者端末の状態情報のレコード150が状態情報記憶部15に記憶されると、これらのレコード150に従い、主催者端末および各参加者端末の電話状態(音声入力状態および音声出力状態)を示す状態情報を、内線網インターフェース部10および/または外線網インターフェース部11を介して主催者端末および各参加者端末に送信する(S204)。
【0069】
つぎに、端末制御部18は、内線網インターフェース部10あるいは外線網インターフェース部11を介して主催者端末から各種指示(発話制限指示、発話制限解除指示、聴取制限指示、聴取制限解除指示)を受信すると(S205でYES)、状態情報記憶部15を参照し、この指示で指定されている参加者端末(以下、制御対象端末と呼ぶ)の電話状態が指示内容と整合していることを確認する(S206)。例えば、発話制限指示の場合、制御対象端末の音声入力状態がオンであることを確認し、発話制限解除指示の場合、制御対象端末の音声入力状態がオフであることを確認する。また、聴取制限指示の場合、制御対象端末の音声出力状態がオンであることを確認し、聴取制限解除指示の場合、制限対象端末の音声出力状態がオフであることを確認する。
【0070】
そして、端末制御部18は、制御対象端末の電話状態が指示内容と整合していることを確認できたならば(S207でYES)、内線網インターフェース部10あるいは外線網インターフェース部11を介して制御対象端末に、この指示内容に応じた制御命令を送信する(S208)。具体的には、発話制限指示の場合、制御対象端末にマイクオフ命令を送信し、発話制限解除指示の場合、制御対象端末にマイクオン命令を送信する。また、聴取制限指示の場合、制御対象端末にスピーカオフ命令を送信し、聴取制限解除指示の場合、制御対象端末にスピーカオン命令を送信する。
【0071】
それから、端末制御部18は、状態情報記憶部15に記憶されている制御対象端末の状態情報のレコード150を更新する(S209)。具体的には、マイクオフ命令の場合、制御対象端末の音声入力状態をオフに更新し、マイクオン命令の場合、制御対象端末の音声入力状態をオンに更新する。また、スピーカオフ命令の場合、制御対象端末の音声出力状態をオフに更新し、スピーカオン命令の場合、制限対象端末の音声出力状態をオンに更新する。
【0072】
そして、状態情報記憶部15に記憶されている制御対象端末の状態情報のレコード150が更新されると、状態情報送信部16は、更新されたレコード150に従い、制御対象端末の電話状態(音声入力状態および音声出力状態)を示す状態情報を、内線網インターフェース部10および/または外線網インターフェース部11を介して主催者端末および各参加者端末に送信する(S210)。
【0073】
また、発話要求受領通知部17は、内線網インターフェース部10あるいは外線網インターフェース部11を介して参加者端末から発話要求を受信すると(S211でYES)、状態情報記憶部15を参照し、この発話要求元の参加者端末(以下、発話要求元端末と呼ぶ)の音声入力状態が発話要求と整合していることを確認する(S212)。具体的には、発話要求元端末の音声入力状態がオフであることを確認する。
【0074】
そして、発話要求受領通知部17は、発話要求元端末の音声入力状態が発話要求と整合していることを確認できたならば(S213でYES)、発話要求元端末の指定を伴う発話要求受領通知を、内線網インターフェース部10あるいは外線網インターフェース部11を介して主催者端末に送信する(S214)。
【0075】
また、呼制御部12は、内線網インターフェース部10あるいは外線網インターフェース部11を介して主催者端末から会議終了要求を受信すると(S215でYES)、内線網インターフェース部10および/または外線網インターフェース部11を介してすべての参加者端末との間に確立されている通話路を解放する(S216)。また、呼制御部12は、内線網インターフェース部10あるいは外線網インターフェース部11を介して主催者端末との間に確立されている通話路を解放する(S217)。それから、呼制御部12は、中継部13および電話会議処理部14を制御して、主催者端末および各参加者端末による電話会議を終了する(S218)。
【0076】
つぎに、呼制御部12は、状態情報記憶部15をクリアして、状態情報記憶部15に記憶されている主催者端末および各参加者端末の状態情報のレコード150をすべて削除する(S219)。そして、状態情報記憶部15に記憶されている主催者端末および各参加者端末の状態情報のレコード150がすべて削除されると、状態情報送信部16は、内線網インターフェース部10および/または外線網インターフェース部11を介して主催者端末および各参加者端末に、電話会議終了情報を送信する(S220)。
【0077】
つぎに、内線端末2について説明する。
【0078】
【0079】
図示するように、内線端末2は、内線網インターフェース部20と、マンマシンインターフェース部21と、電話機能部22と、指示送信部23と、制御命令受信部24と、状態情報受信部25と、発話要求処理部26と、主制御部27と、を有する。
【0080】
内線網インターフェース部20は、内線網4を介して主装置1に接続するためのインターフェースである。
【0081】
マンマシンインターフェース部21は、電話会議を含む通話を行うためのインターフェースであり、マイクと、スピーカと、ダイヤルキー、ファンクションキー等の操作ボタンと、ファンクションキー各々に対応して設けられたLEDと、LCD等の表示部と、を有している。
【0082】
電話機能部22は、電話会議機能を有する電話機として必要な処理を実施する。具体的には、SIP等の呼制御プロトコルに従い、主装置1と連携して呼制御処理を実施することにより、主装置1との通話路の確立および解放を行うとともに、RTP等の伝送プロトコルに従い、確立中の通話路を介して通話相手と通話を行う。
【0083】
指示送信部23は、主制御部27の指示に従い、内線網インターフェース部20を介して主装置1に各種指示(発話制限指示、発話制限解除指示、聴取制限指示、聴取制限解除指示)を送信する。
【0084】
制御命令受信部24は、内線網インターフェース部20を介して主装置1から各種制御命令(マイクオン命令、マイクオフ命令、スピーカオン命令、スピーカオフ命令)を受信する。
【0085】
状態情報受信部25は、内線網インターフェース部20を介して主装置1から状態情報および電話会議終了情報を受信する。
【0086】
発話要求処理部26は、主制御部27の指示に従い、内線網インターフェース部20を介して主装置1に発話要求を送信する。また、内線網インターフェース部20を介して主装置1から発話要求受領通知を受信する。
【0087】
そして、主制御部27は、内線端末2の各部20~26を統括的に制御する。
【0088】
図13は、内線端末2の主催者端末動作を説明するためのフロー図である。
【0089】
このフローは、マンマシンインターフェース部21が、参加者端末の指定を伴う電話会議要求操作をユーザから受け付けることにより開始される。
【0090】
まず、主制御部27は、電話機能部22に、参加者端末を通知して電話会議要求を指示する。これを受けて、電話機能部22は、内線網インターフェース部20を介して主装置1に、参加者端末の指定を伴う電話会議要求を送信する(S300)。そして、主装置1と連携して呼接続処理を実施して、主装置1と通話路を確立する(S301)。これにより、内線端末2は、主催者端末として、この通話路を介した電話会議が可能となる。
【0091】
つぎに、状態情報受信部25は、内線網インターフェース部20を介して主装置1から状態情報を受信すると(S302でYES)、これを主制御部27に渡す。これを受けて、主制御部27は、この状態情報が示す主催者端末あるいは参加者端末の電話状態をマンマシンインターフェース部21に表示する(S303)。具体的には、主装置1から状態情報として受信した表示制御命令が対象とする主催者端末あるいは参加者端末に割り当てられているファンクションキーのLED等を、この表示制御命令に従って表示する。
【0092】
例えば、表示制御命令が対象とする主催者端末あるいは参加者端末の音声入力状態および音声出力状態がともにオンである場合、この端末が割り当てられているファンクションキーのLEDを緑色に点灯する。また、表示制御命令が対象とする主催者端末あるいは参加者端末の音声入力状態および音声出力状態がともにオフである場合、この端末が割り当てられているファンクションキーのLEDを赤色に点灯する。また、表示制御命令が対象とする主催者端末あるいは参加者端末の音声入力状態がオフかつ音声出力状態がオンである場合、この端末が割り当てられているファンクションキーのLEDを第1周期で赤色に点滅する。また、表示制御命令が対象とする主催者端末あるいは参加者端末の音声入力状態がオンかつ音声出力状態がオフである場合、この端末が割り当てられているファンクションキーのLEDを上述の第1周期よりも短い第2周期で赤色に点滅する。
【0093】
また、主制御部27は、マンマシンインターフェース部21を介してユーザから、参加者端末の指定を伴う各種操作(発話制限操作、発話制限解除操作、聴取制限操作、聴取制限解除操作)を受け付けると(S304でYES)、指示送信部23に、指定された参加者端末を通知して、受け付けた操作内容に応じた指示の送信を指示する。これを受けて、指示送信部23は、内線網インターフェース部20を介して主装置1に、参加者端末の指定を伴う各種指示(発話制限指示、発話制限解除指示、聴取制限指示、聴取制限解除指示)を送信する(S305)。
【0094】
また、発話要求処理部26は、内線網インターフェース部20を介して主装置1から発話要求受領通知を受信すると(S306でYES)、これを主制御部27に渡す。これを受けて、主制御部27は、マンマシンインターフェース部21に、この発話要求受領通知を表示する(S307)。例えば、発話要求受領通知で指定されている参加者端末が割り当てられているファンクションキーのLEDを緑色に点滅する。
【0095】
また、主制御部27は、マンマシンインターフェース部21を介してユーザから電話会議終了操作を受け付けると(S308でYES)、電話機能部22に、電話会議終了を指示する。これを受けて、電話機能部22は、主装置1と連携して呼切断処理を実施して、主装置1との間に確立されている通話路を解放する(S309)。
【0096】
その後、状態情報受信部25は、内線網インターフェース部20を介して主装置1から電話会議終了情報を受信して、マンマシンインターフェース部21に対する主催者端末および各参加者端末の電話状態の表示を終了する(S310)。具体的には、主装置1から電話会議終了情報として受信した表示制御命令に従い、主催者端末および各参加者端がそれぞれ割り当てられたファンクションキーのLEDを消灯する。
【0097】
図14は、内線端末2の参加者端末動作を説明するためのフロー図である。
【0098】
このフローは、内線網インターフェース部20が主装置1から呼接続要求を受信することにより開始される。
【0099】
まず、電話機能部22は、主装置1と連携して呼接続処理を実施して、主装置1と通話路を確立する(S320)。これにより、内線端末2は、参加者端末として、この通話路を介した電話会議が可能となる。
【0100】
つぎに、状態情報受信部25は、内線網インターフェース部20を介して主装置1から状態情報を受信すると(S321でYES)、これを主制御部27に渡す。これを受けて、主制御部27は、この状態情報が示す主催者端末あるいは参加者端末の電話状態をマンマシンインターフェース部21に表示する(S322)。具体的には、主装置1から状態情報として受信した表示制御命令が対象とする主催者端末あるいは参加者端末に割り当てられているファンクションキーのLEDを、この表示制御命令に従って表示する。
【0101】
例えば、表示制御命令が対象とする主催者端末あるいは参加者端末の音声入力状態および音声出力状態がともにオンである場合、この端末が割り当てられているファンクションキーのLEDを緑色に点灯する。また、表示制御命令が対象とする主催者端末あるいは参加者端末の音声入力状態および音声出力状態がともにオフである場合、この端末が割り当てられているファンクションキーのLEDを赤色に点灯する。また、表示制御命令が対象とする主催者端末あるいは参加者端末の音声入力状態がオフかつ音声出力状態がオンである場合、この端末が割り当てられているファンクションキーのLEDを第1周期で赤色に点滅する。また、表示制御命令が対象とする主催者端末あるいは参加者端末の音声入力状態がオンかつ音声出力状態がオフである場合、この端末が割り当てられているファンクションキーのLEDを上述の第1周期よりも短い第2周期で赤色に点滅する。
【0102】
また、制御命令受信部24は、内線網インターフェース部20を介して主装置1から制御命令を受信すると(S323でYES)、これを主制御部27に渡す。これを受けて、主制御部27は、この制御命令に従いマンマシンインターフェース部21の音声入出力を制御する(S324)。具体的には、制御命令がマイクオン命令の場合、マンマシンインターフェース部21のマイクをオンに設定し、マイクオフ命令の場合、このマイクをオフに設定する。また、制御命令がスピーカオン命令の場合、マンマシンインターフェース部21のスピーカをオンに設定し、スピーカオフ命令の場合、このスピーカをオフに設定する。
【0103】
また、主制御部27は、マンマシンインターフェース部21を介してユーザから発話要求操作を受け付けると(S325でYES)、発話要求処理部26に発話要求の送信を指示する。これを受けて、発話要求処理部26は、内線網インターフェース部20を介して主装置1に発話要求を送信する(S326)。
【0104】
また、電話機能部22は、内線網インターフェース部20を介して主装置1から呼切断要求を受信すると(S327でYES)、主装置1と連携して呼切断処理を実施して、主装置1との間に確立されている通話路を解放する(S328)。
【0105】
その後、状態情報受信部25は、内線網インターフェース部20を介して主装置1から電話会議終了情報を受信して、マンマシンインターフェース部21に対する主催者端末および各参加者端末の電話状態の表示を終了する(S329)。具体的には、主装置1から電話会議終了情報として受信した表示制御命令に従い、主催者端末および各参加者端がそれぞれ割り当てられているファンクションキーのLEDを消灯する。
【0106】
つぎに、外線端末3について説明する。
【0107】
外線端末3が、
図12に示す内線端末2と異なる点は、内線網インターフェース部20に代えて、外線網5を介して主装置1に接続するための外線網インターフェース部を有する点である。その他の構成および動作(主催者端末動作、参加者端末動作)については、内線網インターフェース部20が外線網インターフェース部に置き換わる点を除き、内線端末2と基本的に同様である。
【0108】
以上、本発明の一実施の形態について説明した。
【0109】
本実施の形態では、主催者端末の指示に従い、主装置1が参加者端末各々の音声入出力を制御する。例えば、ある参加者端末のマイクをオフにすることにより、この参加者端末の電話会議での発話を規制する(聴話)。また、参加者端末のスピーカをオフにすることにより、この参加者端末による電話会議の聴取を規制する(秘話通話)。したがって、本実施の形態によれば、特許文献1に記載の電話システムと異なり、電話会議に参加する電話端末を複数のグループに分けて、グループ毎に音声ミキシング処理を行う必要がないので、より低い処理能力の主装置で秘話通話や聴話が可能な電話会議を実現することができる。
【0110】
また、本実施の形態において、主装置1は、主催者端末および各参加者端末の電話状態(音声入力状態および音声出力状態)を示す状態情報を、主催者端末および各参加者端末にそれぞれ送信し、主催者端末および各参加者端末は、主装置1から受信した状態情報に従い、主催者端末および各参加者端末の電話状態を表示する。したがって、本実施の形態によれば、電話会議に参加する各ユーザは、自身の電話状態のみならず、この電話会議に参加する他のユーザの電話状態も確認することができる。
【0111】
また、本実施の形態において、参加者端末は、ユーザ操作に従い主装置1に発話要求を送信することができ、主装置1は、参加者端末から発話要求を受信した場合、この参加者端末の指定を伴う発話要求受領通知を主催者端末に送信し、主催者端末は、主装置1より発話要求受領通知を受信したならば、この発話要求受領通知で指定されている参加者端末に紐付けてこの発話要求受領通知を表示する。したがって、本実施の形態によれば、電話会議の主催者は、電話会議中に発話制限されている参加者の要望を知ることができ、参加者端末の発話制限を解除することができる。
【0112】
なお、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で数々の変形が可能である。
【0113】
例えば、上記の実施の形態において、主装置1は、主催者端末および各参加者端末の状態情報として、主催者端末および各参加者端末がそれぞれ割り当てられているファンクションキーのLEDの表示制御命令を、主催者端末および各参加者端末に送信している。しかし、本発明はこれに限定されない。主催者端末および各参加者端末の状態情報は、主催者端末および各参加者端末の電話状態(音声入力状態および音声出力状態)を示すメッセージのLCDへの表示データでもよい。
【0114】
また、上記の実施の形態において、主装置1は、発話要求受領通知として、発話要求送信元の参加者端末が割り当てられているファンクションキーのLEDの表示制御命令を、主催者端末に送信している。しかし、本発明はこれに限定されない。発話要求受領通知は、発話要求送信元の参加者端末から発話要求を受信した旨を示すメッセージのLCDへの表示データでもよい。
【0115】
また、上記の実施の形態において、
図8に示す主装置1、
図12に示す内線端末2、および外線端末3の機能構成は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積ロジックICによりハード的に実現されるか、DSP(Digital Signal Processor)等の計算機によりソフトウエア的に実現される。あるいは、CPUと、メモリと、ハードディスク、フラッシュメモリ等の補助記憶装置と、NIC(Network Interface Card)、無線アダプタ等の通信インターフェースと、を備えたPC等の汎用コンピュータにおいて、CPUが所定のプログラムを補助記憶装置からメモリ上にロードして実行することにより実現されてもよい。
【符号の説明】
【0116】
1:主装置 2、2-1~2-n:内線端末 3:外線端末
4:内線網 5:外線網
10:内線網インターフェース部 11:外線網インターフェース部
12:呼制御部 13:中継部 14:電話会議処理部
15:状態情報記憶部 16:状態情報送信部 17:発話要求受領通知部
18:端末制御部 20:内線網インターフェース部
21:マンマシンインターフェース部 22:電話機能部
23:指示送信部 24:制御命令受信部 25:状態情報受信部
26:発話要求処理部 27:主制御部