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特開2022-96510現金管理システム、入金機及び現金管理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022096510
(43)【公開日】2022-06-29
(54)【発明の名称】現金管理システム、入金機及び現金管理方法
(51)【国際特許分類】
   G07D 11/24 20190101AFI20220622BHJP
   G06Q 20/18 20120101ALI20220622BHJP
【FI】
G07D11/24 101
G06Q20/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020209655
(22)【出願日】2020-12-17
(71)【出願人】
【識別番号】504373093
【氏名又は名称】日立チャネルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000279
【氏名又は名称】特許業務法人ウィルフォート国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】堀田 俊宏
【テーマコード(参考)】
3E040
3E141
5L055
【Fターム(参考)】
3E040BA20
3E040CA04
3E040CA05
3E040CA09
3E040CA16
3E040CB04
3E141BA20
3E141CA04
3E141CA05
3E141CA09
3E141CA16
3E141CB04
5L055AA39
(57)【要約】
【課題】金機の導入コストを低減することが可能な現金管理システムを提供する。
【解決手段】オフライン入金機100の制御部105は、利用者端末200から装置固有番号を受信すると、その装置固有番号と記憶部103に記憶された装置固有番号とが一致する場合、現金に係る現金処理を行い、その処理結果を、端末装置を介してセンタサーバ400に送信する。センタサーバ400の管理部402は、処理結果を受信すると、その処理結果に基づいて、現金処理が正常に行われたか否かを確認する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
投入された現金を収納する入金機と、前記入金機と通信を行う端末装置と、前記端末装置と通信を行う管理装置と、を有する現金管理システムであって、
前記入金機は、
当該入金機を識別する識別情報として登録識別情報を記憶する記憶部と、
前記端末装置から前記識別情報として入力識別情報を受信し、前記入力識別情報と前記登録識別情報とが一致する場合、前記現金に係る現金処理を行い、当該現金処理の処理結果を前記端末装置に送信する制御部と、を有し、
前記端末装置は、
前記識別情報を前記入金機に送信し、前記入金機から前記処理結果を受信すると、当該処理結果を前記管理装置に送信する端末制御部を有し、
前記管理装置は、
前記処理結果を受信すると、前記処理結果に基づいて、前記現金処理が正常に行われたか否かを確認する管理部を有する、現金管理システム。
【請求項2】
前記端末制御部は、前記現金処理を行うための権限を示す権限情報の取得依頼であって、前記識別情報と前記端末装置を識別する端末識別情報とを含む取得依頼を前記管理装置に送信し、前記管理装置から前記権限情報を受信すると、当該権限情報を前記識別情報と共に前記入金機に送信し、
前記管理装置は、前記入金機を識別する識別情報と当該入金機の操作を許可する前記端末装置を識別する端末識別情報とを対応付けて記憶する格納部をさらに有し、
前記管理部は、前記取得依頼を受信すると、前記取得依頼に含まれる識別情報及び端末識別情報が前記格納部において対応付けられている場合、前記権限情報を前記端末装置に送信し
前記制御部は、前記入力識別情報と共に前記権限情報を受信し、前記権限情報が所定の権限条件を満たす場合、前記現金処理を実行する、請求項1に記載の現金管理システム。
【請求項3】
前記記憶部は、前記入金機に収納している現金の金額である装置内在高を示す在高データを記憶し、
前記現金処理は、投入された現金を収納する際の入金処理であり、
前記処理結果は、投入された現金の金額である入金額を示す入金額データと、前記入金額に応じて前記装置内在高を更新した前記在高データとを含む、請求項1に記載の現金管理システム。
【請求項4】
前記記憶部は、前記入金機に収納している現金の金額である装置内在高を示す在高データを記憶し、
前記現金処理は、前記入金機に収納する現金を回収する際の現金回収処理であり、
前記処理結果は、回収された現金の金額である回収額を示す回収額データと、前記回収額に応じて前記装置内在高を更新した前記在高データとを含む、請求項1に記載の現金管理システム。
【請求項5】
前記管理部は、前記端末装置からのアクセスが所定期間以上ない場合、アクセスを要求するアクセス要求を前記端末装置に送信し、
前記端末制御部は、前記アクセス要求を受信すると、前記端末装置の利用者に対して前記管理装置へのアクセスを行う接続処理の実行を促す、請求項1に記載の現金管理システム。
【請求項6】
前記制御部は、前記端末装置からのアクセスが特定期間以上ない場合、前記入金機の機能を制限する、請求項1に記載の現金管理システム。
【請求項7】
投入された現金を収納する入金機であって、
当該入金機を識別する識別情報として登録識別情報を記憶する記憶部と、
端末装置から前記識別情報として入力識別情報を受信し、前記入力識別情報と前記登録識別情報とが一致する場合、前記現金に係る現金処理を行い、当該現金処理の処理結果を前記端末装置に送信する制御部と、を有する入金機。
【請求項8】
投入された現金を収納する入金機と、前記入金機と通信を行う端末装置と、前記端末装置と通信を行う管理装置と、を有する現金管理システムによる現金管理方法であって、
前記入金機が、当該入金機を識別する識別情報を登録識別情報として記憶し、
前記端末装置が、前記識別情報を前記入金機に送信し、
前記入金機が、前記端末装置から前記識別情報として入力識別情報を受信し、前記入力識別情報と前記登録識別情報とが一致する場合、前記現金に係る現金処理を行い、当該現金処理の処理結果を前記端末装置に送信し、
前記端末装置が、前記入金機から前記処理結果を受信すると、当該処理結果を前記管理装置に送信し、
前記管理装置が、前記処理結果を受信すると、前記処理結果に基づいて、前記現金処理が正常に行われたか否かを確認する、現金管理方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、現金管理システム、入金機及び現金管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、警備会社などの外部受託者が管理する入金機を店舗などに設置し、店舗側の利用者)が入金機に対して入金した売上金などの現金を外部受託者が所定のタイミングで回収する現金集配サービスが注目されている。この種の現金集配サービスでは、現金が入金機に入金された時点から現金の管理が外部受託者の責任で行われるため、利用者の現金管理の負担を軽減することができる。
【0003】
上記の現金集配サービスでは、入金機に入金した現金の金額と外部委託者が回収した現金の金額とを照合するなどして、入金機にて行われた処理をチェックする必要がある。
【0004】
特許文献1には、入金された現金の金額を示す金額情報をネットワーク経由で警送会社の現金処理センタに送信する貨幣入金装置が開示されている。この貨幣入金装置では、ネットワーク経由で現金処理センタに送信した金額情報が示す金額と警送会社の担当者が入金機から実際に回収した現金の金額とが照合されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009-282562号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の技術では、入金機にて行われた処理をチェックするためには、金額情報を現金処理センタに送信するためのネットワークを入金機に対して構築しなければならず、入金機の導入コストが高くなるという問題がある。
【0007】
本発明は、入金機の導入コストを低減することが可能な現金管理システム、入金機及び現金管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様に従う現金管理システムは、投入された現金を収納する入金機と、前記入金機と通信を行う端末装置と、前記端末装置と通信を行う管理装置と、を有する現金管理システムであって、前記入金機は、当該入金機を識別する識別情報として登録識別情報を記憶する記憶部と、前記端末装置から前記識別情報として入力識別情報を受信し、前記入力識別情報と前記登録識別情報とが一致する場合、前記現金に係る現金処理を行い、当該現金処理の処理結果を前記端末装置に送信する制御部と、を有し、前記端末装置は、前記識別情報を前記入金機に送信し、前記入金機から前記処理結果を受信すると、当該処理結果を前記管理装置に送信する端末制御部を有し、前記管理装置は、前記処理結果を受信すると、前記処理結果に基づいて、前記現金処理が正常に行われたか否かを確認する管理部を有する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、入金機の導入コストを低減することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の実施例1に係る入金システムの構成を示す図である。
図2】利用者設定処理の一例を説明するためのフローチャートである。
図3】入金操作処理の一例を説明するためのフローチャートである。
図4】提供者設定処理の一例を説明するためのフローチャートである。
図5】回収操作処理の一例を説明するためのフローチャートである。
図6】権限管理処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の実施例について図面を参照して説明する。
【実施例0012】
図1は、本開示の実施例1に係る入金システムの構成を示す図である。図1に示す入金システムは、オフライン入金機100と、利用者端末200と、提供者端末300と、センタサーバ400とを有する。
【0013】
オフライン入金機100は、警備会社などの提供者が提供する現金集配サービスを利用する利用者の店舗などに設置される入金機である。利用者は店舗の売上金貨幣などの現金をオフライン入金機100に入金(投入)することで現金集配サービスを利用することができる。オフライン入金機100に入金された現金は、提供者が所定のタイミングで(例えば、定期的に、又は、入金された現金の金額である入金額に応じて)回収する。また、提供者は、入金が行われるたびに入金額を示す入金額データを受け取り、その入金額に応じた金銭を定期的に利用者の口座に入金する。
【0014】
オフライン入金機100は、貨幣受入部101と、収納部102と、記憶部103と、表示部104と、制御部105とを有する。
【0015】
貨幣受入部101は、利用者から投入された現金を受け付ける。収納部102は、貨幣受入部101が受け付けた現金を収納する。記憶部103は、種々の情報を記憶する。例えば、記憶部103は、オフライン入金機100を識別するための識別情報である装置固有番号、及び、収納部102に収納されている現金の金額である在高を装置内在高としてを示す装置内在高データなどを記憶する。表示部104は、種々の情報を表示する。
【0016】
制御部105は、オフライン入金機100全体を制御する。制御部105は、例えば、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサと、そのプロセッサの動作を規定するプログラムを記録するメモリとを有し、プロセッサがメモリに記録されたプログラムを読み取り、その読み取ったプログラムに応じて動作することで、種々の処理を行う。また、制御部105は、例えば、Bluetooth(登録商標)などの通信方式を用いて利用者端末200及び提供者端末300と通信する機能を有する。
【0017】
利用者端末200及び提供者端末300は、オフライン入金機100及びセンタサーバ400と通信を行う端末装置であり、利用者端末200は、利用者にて使用され、提供者端末300は、提供者の一員である回収作業者にて使用される。利用者端末200及び提供者端末300は、例えば、スマートフォンなどである。
【0018】
利用者端末200は、操作部201と、表示部202と、利用者制御部203とを有する。
【0019】
操作部201は、利用者から種々の情報を受け付ける。表示部202は、種々の情報を表示する。
【0020】
利用者制御部203は、利用者端末200全体を制御する端末制御部である。利用者制御部203は、例えば、プロセッサと、そのプロセッサの動作を規定するプログラムを記録するメモリとを有し、プロセッサがメモリに記録されたプログラムを読み取り、その読み取ったプログラムに応じて動作することで種々の処理を行う。本実施例では、プログラムとして、現金集配サービスを利用するための利用者アプリケーションプログラムが使用される。また、利用者制御部203は、オフライン入金機100及びセンタサーバ400と通信する機能を有する。例えば、利用者制御部203は、Bluetoothなどの近距離無線通信にてオフライン入金機100と通信し、それとは別の通信方式でセンタサーバ400と通信する。
【0021】
提供者端末300は、操作部301と、表示部302と、提供者制御部303とを有する。
【0022】
操作部201は、回収作業者から種々の情報を受け付ける。表示部302は、種々の情報を表示する。
【0023】
提供者制御部303は、提供者端末300全体を制御する端末制御部である。提供者制御部303は、例えば、プロセッサと、そのプロセッサの動作を規定するプログラムを記録するメモリとを有し、プロセッサがメモリに記録されたプログラムを読み取り、その読み取ったプログラムに応じて動作することで種々の処理を行う。本実施例では、プログラムとして、オフライン入金機100から現金を回収するための提供者アプリケーションプログラムが使用される。また、提供者制御部303は、オフライン入金機100及びセンタサーバ400と通信する機能を有する。例えば、提供者制御部303は、Bluetoothなどの近距離無線通信にてオフライン入金機100と通信し、それとは別の通信方式でセンタサーバ400と通信する。
【0024】
センタサーバ400は、提供者のセンタ(警備会社センタなど)に配置されるサーバであり、オフライン入金機100、利用者端末200及び提供者端末300と連携して現金集配サービスに係る種々の処理を実現する管理装置である。
【0025】
センタサーバ400は、格納部401と、管理部402とを有する。
【0026】
格納部401は、種々の情報を格納する。格納部401は、例えば、オフライン入金機100の装置固有番号を示す装置固有番号登録データ、端末装置を識別する端末識別情報である個体情報を示す端末登録データ、各オフライン入金機100に入金された現金の金額である入金額を示す入金額データ、オフライン入金機100に収納されている現金の金額である在高を管理在高として示す管理在高データ、及び、オフライン入金機100から回収された回収額を示す回収額リストデータなどを格納する。なお、オフライン入金機100が複数ある場合には、格納部401は、オフライン入金機100ごとに、これらのデータを互いに対応付けて格納する。また、端末登録データは、利用者端末200の個体情報を示す利用者登録データと、提供者端末300の個体情報を示す個体登録データとを含む。
【0027】
管理部402は、センタサーバ400全体を制御する。なお、管理部402は、例えば、プロセッサと、そのプロセッサの動作を規定するプログラムを記録するメモリとを有し、プロセッサがメモリに記録されたプログラムを読み取り、その読み取ったプログラムに応じて動作することで、種々の処理を行う。また、管理部402は、利用者端末200及び提供者端末300と通信する機能を有する。
【0028】
図2は、利用者端末200を用いてオフライン入金機100を操作するために必要な利用者端末200に対する初期設定を行う利用者設定処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【0029】
利用者設定処理では、先ず、利用者は利用者端末200に対して利用者アプリケーションプログラム(図では、利用者アプリと表記する)をインストールする(ステップS201)。これにより、以下では、利用者端末200の利用者制御部203が利用者アプリケーションプログラムに従って動作することとなる。
【0030】
利用者制御部203は、利用者端末200を識別する端末識別情報である個体情報をセンタサーバ400に登録する利用者端末登録処理を行う(ステップS202)。具体的には、利用者制御部203は、個体情報をセンタサーバ400に送信し、センタサーバ400の管理部402は、個体情報を受信すると、その個体情報を利用者登録データとして格納部401に登録する。個体情報は、例えば、電話番号又はシリアル番号などであり、例えば、利用者制御部203などにて予め保持される。
【0031】
利用者制御部203は、オフライン入金機100のBluetoothに対してペアリングを行い、オフライン入金機100と接続する(ステップS203)。そして、利用者制御部203は、オフライン入金機100の制御部105を介して記憶部103から装置固有番号を取得し、その装置固有番号をセンタサーバ400に登録する番号登録処理を行い(ステップS204)、処理を終了する。番号登録処理では、具体的には、利用者制御部203は、装置固有番号をセンタサーバ400に送信し、センタサーバ400の管理部402は、装置固有番号を受信すると、その装置固有番号を、ステップS202で登録した利用者登録データ(個体情報)と対応付けて装置固有番号登録データとして格納部401に登録する。なお、利用者制御部203は、オフライン入金機100から取得した装置固有番号を保持する。
【0032】
図3は、利用者がオフライン入金機100に投入した現金を収納するための入金操作処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【0033】
入金操作処理では、先ず、利用者端末200の利用者アプリケーションプログラムが起動されると(ステップS301)、利用者制御部203は、センタサーバ400に接続(アクセス)し、オフライン入金機100に対して入金処理を実行させるための権限を示す権限情報である入金操作番号の取得依頼である入金権限取得依頼をセンタサーバ400に送信する(ステップS302)。入金権限取得依頼は、利用者制御部203にて保持されている利用者端末200の個体情報とオフライン入金機100の装置固有番号とを含む。
【0034】
センタサーバ400の管理部402は、入金権限取得依頼を受信すると、その入金権限取得依頼に含まれる個体情報を格納部401の利用者登録データから検索して確認する(ステップS303)。そして、管理部402は、入金権限取得依頼に含まれる装置固有番号を格納部401の装置固有番号登録データから検索して確認し、その装置固有番号がステップS303で確認した個体情報と対応付けられていることを確認する(ステップS304)。個体情報及び装置固有番号とその対応付けが確認できた場合、管理部402は、入金権限取得依頼の送信元の利用者端末200にオフライン入金機100を操作する操作権限があるか否かを判断する(ステップS305)。例えば、操作権限の有無を示す権限有無情報を利用者登録データに予め対応付けておき、管理部402は、その権限有無情報を確認することで、操作権限があるか否かを判断する。権限有無情報については、後述の実施例3でより詳細に説明する。
【0035】
操作権限がない場合、管理部402は、異常が生じたと判断して、所定の異常処理を実行する(ステップS306)。ここでは、異常処理として、例えば、入金操作処理の強制終了などが行われる。なお、ステップS303~S304において、個体情報及び装置固有番号とその対応付けのいずれかが確認できなかった場合も、ステップS306の異常処理が実行される。
【0036】
一方、操作権限がある場合、管理部402は、入金操作番号を生成して利用者端末200に発行する(ステップS307)。入金操作番号は、所定の生成規則に従って生成される都度異なる番号であることが好ましい。例えば、管理部402は、入金操作番号を発行する日の日付に応じた番号を入金操作番号として生成する。
【0037】
利用者端末200の利用者制御部203は、入金操作番号を受信すると(ステップS308)、Bluetoothを用いてオフライン入金機100と接続し、受信した入金操作番号及び装置固有番号をオフライン入金機100に送信する(ステップS309)。
【0038】
オフライン入金機100の制御部105は、入金操作番号及び装置固有番号を受信する(ステップS310)。制御部105は、入金操作番号及び装置固有番号に基づいて、入金操作番号及び装置固有番号の送信元の利用者端末200に操作権限があるか否かを判断する(ステップS311)。例えば、制御部105は、受信した装置固有番号である入力装置固有番号が記憶部103に記憶された装置固有番号である登録装置固有番号と一致し、かつ、受信した入金操作番号が所定の権限条件を満たす場合、操作権限があると判断し、それ以外の場合、操作権限がないと判断する。権限条件は、例えば、ステップS307で管理部402が入金操作番号を生成した生成規則と同じ規則で生成した番号と、入金操作番号とが一致することなどである。
【0039】
操作権限がない場合、制御部105は、異常が生じたと判断して、所定の異常処理を実行する(ステップS312)。ここでは、異常処理として、入金操作処理の強制終了などが行われる。
【0040】
操作権限がある場合、制御部105は、オフライン入金機100内の各部の障害の有無を診断する自己診断処理を行い(ステップS313)、各部に障害が発生しているか否かを判断する(ステップS314)。
【0041】
障害が発生している場合、制御部105は、異常が生じたと判断して、所定の異常処理を実行する(ステップS315)。ここでは、制御部105は、異常処理として、障害の内容に応じた障害コードを利用者端末200に送信する処理を行う。この場合、利用者端末200の利用者制御部203は、障害コードを受信し、その障害コードに応じた障害に対する対処方法のガイダンスを表示部202に表示する。これにより、利用者は入金操作を開始する前に、オフライン入金機100に障害が発生していることを知ることができる。なお、ガイダンスに沿って対処しても障害が解消されない場合、利用者は利用者端末200を用いてセンタサーバ400に対して支援要請を行ってもよい。また、障害コードが利用者では対処できない障害を示す場合、利用者制御部203は、障害コードを含む障害通知をセンタサーバ400に送信してもよい。この場合、センタサーバ400の管理部402は、障害通知を受信すると、例えば、その障害通知に応じて、保守員などに対して現地(オフライン入金機100が設置された店舗など)への出動を要請する。出動の要請は、例えば、保守員が携帯している端末(スマートフォン)などへの通知を用いて行う。
【0042】
一方、障害が発生していない場合、制御部105は、入金操作が可能な入金可能状態に遷移する(ステップS316)。制御部105は、入金操作を行うための操作ガイダンスである入金操作ガイダンスを利用者端末200に送信する。利用者端末200の利用者制御部203は、入金操作ガイダンスを受信すると、その入金操作ガイダンスを表示部202に表示する(ステップS317)。
【0043】
その後、利用者は、入金操作ガイダンスに従って、入金を行うための入金操作を操作部201に対して行う。利用者制御部203は、入金操作に応じた操作コマンドを生成してオフライン入金機100に発行する(ステップS318)。
【0044】
オフライン入金機100の制御部105は、操作コマンドを受信すると、貨幣受入部101を空けて現金を受入可能な状態にするなどして待機し、その後、利用者にて現金が貨幣受入部101に投入されると、その現金に係る現金処理として、その現金を収納部102に収納する際の入金処理を開始する。具体的には、制御部105は、先ず、その投入された現金の金額を入金額として算出する貨幣計数処理を行い(ステップS319)、その入金額を示す入金額データを利用者端末200に送信する(ステップS320)。
【0045】
利用者端末200の利用者制御部203は、入金額データを受信し(ステップS321)、その入金額データが示す入金額を表示部202に表示する(ステップS322)。これにより、利用者は入金額を確認することができる。そして、入金額を確認した利用者は、操作部201に対して入金額を確定する確定操作を行う。利用者制御部203は、確定操作に応じて入金額が確定した旨の入金額確定通知をオフライン入金機100に送信する(ステップS323)。確定操作は、例えば、入金額と共に表示された入金額確定ボタンを押下する操作などである。
【0046】
オフライン入金機100の制御部105は、入金額確定通知を受信すると、貨幣受入部101に投入された現金を収納部102に搬送して収納させる(ステップS324)。制御部105は、記憶部103に記憶された装置内在高データが示す装置内在高に入金額を加えて現在の装置内在高を算出する(ステップS325)。制御部105は、記憶部103の装置内在高データを、現在の装置内在高を示す装置内在高データに更新すると共に、更新した装置内在高データを利用者端末200に送信する(ステップS326)。
【0047】
利用者端末200の利用者制御部203は、装置内在高データを受信すると(ステップS327)、その装置内在高データと、ステップS321で受信した入金額データとをセンタサーバ400に送信する(ステップS328)。なお、入金額データ及び装置内在高データは、入金処理の処理結果の一例である
【0048】
センタサーバ400の管理部402は、装置内在高データ及び入金額データを受信すると(ステップS329)、装置内在高データ及び入金額データに基づいて、入金処理が正常に行われたか否かを判断する。具体的には、管理部402は、格納部401においてステップS310で受信した装置固有番号を示す装置固有番号データと対応付けられた管理在高データが示す管理在高に入金額データが示す入金額を加えた入金後管理在高と装置内在高データが示す装置内在高とが一致するか否かを確認して、違算があるか否かを判断する(ステップS330)。
【0049】
入金後管理在高と装置内在高とが一致しない場合、管理部402は、違算がある(つまり、入金処理が正常に行われていない)と判断して、所定の異常処理を行う(ステップS331)。ここでは、管理部402は、異常処理として、保守員などに対して現地への出動を要請し、保守員にオフライン入金機100内の現金の確認などの現金精査を実行させる。
【0050】
一方、入金後管理在高と装置内在高とが一致した場合、管理部402は、違算がない(つまり、入金処理が正常に行われた)と判断して、入金額データを格納部401に格納するとともに、格納部401の管理在高データを装置内在高データに更新する(ステップS332)。そして、管理部402は、入金処理が完了した旨の入金完了通知を利用者端末200に送信する(ステップS333)。
【0051】
利用者端末200の利用者制御部203は、入金完了通知を受信すると(ステップS334)、入金処理が完了した旨を表示部202に表示して(ステップS335)、処理を終了する。
【0052】
以上説明した構成及び動作は、単なる一例であって、本開示はこの例に限定されるものではない。例えば、バックアップ回線の確保又はセキュリティの強化などのために、オフライン入金機100はネットワークと接続されてもよい。また、オフライン入金機100の表示部104は、オフライン入金機100の状態、及び、利用者端末200の表示部202に表示した種々の情報と同様な情報などを表示してもよい。また、貨幣受入部101から収納部102への現金搬送は、利用者端末200とは同期せずに、例えば、所定のタイミングで行われてもよい。
【0053】
また、センタサーバ400の管理部402は、利用者端末200からの依頼などに従って、種々の情報を利用者端末200に対して提供してもよい。例えば、管理部402は、格納部401に蓄積した入金額データを入金履歴として提供してもよいし、利用者の口座への入金に関する口座入金情報を提供してもよい。また、管理部402は、利用者への連絡事項及び広告情報などを提供してもよい。
【0054】
また、オフライン入金機100を複数の利用者で共用する場合、その利用者数に合わせて複数のスマートフォンなどに利用者アプリケーションプログラムをインストールすることで、1台のオフライン入金機100に対して複数の利用者端末200を用いることとしてもよい。
【0055】
以上説明したように本実施例によれば、オフライン入金機100の制御部105は、利用者端末200から装置固有番号を受信すると、その装置固有番号と記憶部103に記憶された装置固有番号とが一致する場合、現金に係る現金処理を行い、その処理結果を、端末装置を介してセンタサーバ400に送信する。センタサーバ400の管理部402は、処理結果を受信すると、その処理結果に基づいて、現金処理が正常に行われたか否かを確認する。したがって、オフライン入金機100に対してネットワークを構築しなくても、入金機にて行われた処理をチェックすることが可能となるため、導入コストを低減することが可能になる。
【0056】
また、本実施例では、利用者端末200の個体情報とオフライン入金機100の装置固有番号によってセンタサーバ400から発行された入金操作番号が所定の権限条件を満たす場合に、現金処理が行われる。このため、オフライン入金機100が利用者とは異なる第三者に使用されることを抑制することが可能となる。
【0057】
また、本実施例では、現金処理は、現金を入金する際の入金処理であり、入金処理の処理結果は、入金額を示す入金額データと、装置内在高を示す装置内在高データとを含む。このため、入金処理において違算のような異常が生じた場合に、直ぐに対処することが可能となる。
【実施例0058】
本実施例では、提供者による現金回収時の処理について詳細に説明する。入金システムの構成は、図1に示した実施例1の入金システムと同様である。
【0059】
図4は、提供者端末300を用いてオフライン入金機100を操作するために必要な提供者端末300に対する初期設定を行う提供者設定処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【0060】
提供者設定処理では、先ず、回収作業者は提供者端末300に対して提供者アプリケーションプログラム(図では、提供者アプリと表記する)をインストールする(ステップS401)。これにより、提供者端末300の提供者制御部303が提供者アプリに従って動作することとなる。
【0061】
提供者制御部303は、提供者端末300を識別する個体情報をセンタサーバ400に登録する提供者端末登録処理を行う(ステップS402)。具体的には、提供者制御部303は、個体情報をセンタサーバ400に送信し、センタサーバ400の管理部402は、個体情報を受信すると、その個体情報を提供者登録データとして格納部401に登録する。なお、提供者登録データとして登録する提供者端末300を制限するために、提供者が用意した端末の個体情報を予め格納部401に格納しておき、その個体情報と同じ個体情報だけを回収作業者登録データとして登録可能にしてもよい。
【0062】
提供者制御部303は、オフライン入金機100のBluetoothに対してペアリングを行い、オフライン入金機100と接続する(ステップS403)。そして、提供者制御部303は、オフライン入金機100の制御部105を介して記憶部103から装置固有番号を取得し、その装置固有番号をセンタサーバ400に登録する番号登録処理を行い(ステップS404)、処理を終了する。番号登録処理では、具体的には、提供者制御部303は、装置固有番号をセンタサーバ400に送信し、センタサーバ400の管理部402は、装置固有番号を受信すると、その装置固有番号を、ステップS402で登録した提供者登録データ(個体情報)と対応付けて装置固有番号登録データとして格納部401に登録する。
【0063】
図5は、回収作業者がオフライン入金機100に収納された現金を回収するために回収操作処理の一例を説明するためのフローチャートである。
【0064】
回収操作処理では、先ず、提供者端末300の提供者アプリケーションプログラムが起動されると(ステップS501)、提供者制御部303は、センタサーバ400と接続し、オフライン入金機100に対して現金回収処理を実行させるための権限を示す権限情報である回収操作番号の取得依頼である回収権限取得依頼をセンタサーバ400に送信する(ステップS502)。回収権限取得依頼は、提供者端末300の個体情報とオフライン入金機100の装置固有番号とを含む。
【0065】
センタサーバ400の管理部402は、回収権限取得依頼を受信すると、その回収権限取得依頼に含まれる個体情報を格納部401の提供者登録データから検索して確認する(ステップS503)。そして、管理部402は、回収権限取得依頼に含まれる装置固有番号を格納部401の装置固有番号登録データから検索して確認し、その装置固有番号がステップS503で確認した個体情報と対応付けられていることを確認する(ステップS504)。個体情報及び装置固有番号とその対応付けが確認できた場合、管理部402は、回収権限取得依頼の送信元の提供者端末300にオフライン入金機100を操作する操作権限があるか否かを判断する(ステップS505)。例えば、回収作業者による当日の現金回収の対象なっているオフライン入金機100の装置固有番号登録データに、その回収作業者が使用する提供者端末300の個体情報を予め対応付けておき、その個体情報と、回収権限取得依頼に含まれる個体情報とが一致している場合に、管理部402は、操作権限があると判断する。
【0066】
操作権限がない場合、管理部402は、異常が生じたと判断して、所定の異常処理を実行する(ステップS506)。ここでは、異常処理として、例えば、回収操作処理の強制終了などが行われる。なお、ステップS503~S504において、個体情報及び装置固有番号とその対応付けのいずれかが確認できなかった場合も、ステップS506の異常処理が実行される。
【0067】
一方、操作権限がある場合、管理部402は、回収操作番号を生成して提供者端末300に発行する(ステップS507)。回収操作番号は、実施例1の入金操作番号と同様に、所定の生成規則に従って生成される都度異なる番号であることが好ましい。
【0068】
提供者端末300の提供者制御部303は、回収操作番号を受信すると(ステップS508)、Bluetoothを用いてオフライン入金機100と接続し、受信した回収操作番号及び装置固有番号をオフライン入金機100に送信する(ステップS509)。
【0069】
オフライン入金機100の制御部105は、回収操作番号及び装置固有番号を受信する(ステップS510)。制御部105は、回収操作番号及び装置固有番号に基づいて、回収操作番号及び装置固有番号の送信元の提供者端末300に操作権限があるか否かを判断する(ステップS511)。例えば、制御部105は、受信した装置固有番号である入力装置固有番号が記憶部103に記憶された装置固有番号である登録装置番号と一致し、かつ、受信した回収操作番号が所定の権限条件を満たす場合、操作権限があると判断し、それ以外の場合、操作権限がないと判断する。権限条件は、例えば、ステップS507で管理部402が回収操作番号を生成した生成規則と同じ規則で生成した番号と、回収操作番号とが一致することなどである。
【0070】
操作権限がない場合、制御部105は、異常が生じたと判断して、所定の異常処理を実行する(ステップS512)。ここでは、異常処理として、現金回収処理の強制終了などが行われる。
【0071】
操作権限がある場合、制御部105は、オフライン入金機100内の各部の障害の有無を診断する自己診断処理を行い(ステップS513)、各部に障害が発生しているか否かを判断する(ステップS514)。
【0072】
障害が発生している場合、制御部105は、異常が生じたと判断して、所定の異常処理を実行する(ステップS515)。ここでは、制御部105は、異常処理として、障害の内容に応じた障害コードを提供者端末300に送信する処理を行う。この場合、提供者端末300の提供者制御部303は、障害コードを受信し、その障害コードに応じた障害に対する対処方法のガイダンスを表示部302に表示する。これにより、回収作業者は現金回収操作を開始する前に、オフライン入金機100に障害が発生していることを知ることができる。なお、ガイダンスに沿って対処しても障害が解消されない場合、回収作業者は提供者端末300を用いてセンタサーバ400に対して支援要請を行ってもよい。
【0073】
一方、障害が発生していない場合、制御部105は、現金回収操作が可能な回収可能状態に遷移する(ステップS516)。制御部105は、現金回収操作を行うための操作ガイダンスである現金回収操作ガイダンスを提供者端末300に送信する。提供者端末300の提供者制御部303は、現金回収操作ガイダンスを受信すると、その現金回収操作ガイダンスを表示部302に表示する(ステップS517)。
【0074】
その後、回収作業者は、現金回収操作ガイダンスに従って、現金回収を行うための現金回収操作を操作部301に対して行う。提供者制御部303は、現金回収操作に応じた操作コマンドを生成してオフライン入金機100に発行する(ステップS518)。
【0075】
オフライン入金機100の制御部105は、操作コマンドを受信すると、収納部102から現金を回収可能な状態にするなどして待機し、その後、回収作業者にて収納部102から現金が回収されると、その現金に係る現金処理として、収納部102から現金を回収する際の現金回収処理を開始する。具体的には、制御部105は、先ず、回収された現金の金額を現金回収額として算出する回収額計数処理を行い(ステップS519)、その現金回収額を示す回収額データを提供者端末300に送信する(ステップS520)。
【0076】
提供者端末300の提供者制御部303は、回収額データを受信し(ステップS521)、その回収額データが示す現金回収額を表示部302に表示する(ステップS522)。これにより、回収作業者は現金回収額を確認することができる。そして、現金回収額を確認した回収作業者は、操作部301に対して現金回収額を確定する確定操作を行う。提供者制御部303は、確定操作に応じて現金回収額が確定した旨の回収額確定通知をオフライン入金機100に送信する(ステップS523)。確定操作は、例えば、現金回収額と共に表示された回収額確定ボタンを押下する操作などである。
【0077】
オフライン入金機100の制御部105は、回収額確定通知を受信すると(ステップS524)、収納部102に残っている現金である残金の金額を現在の装置内在高として算出する(ステップS525)。制御部105は、記憶部103の装置内在高データを、算出した現在の装置内在高を示す装置内在高データに更新すると共に、更新した装置内在高データを提供者端末300に送信する(ステップS526)。
【0078】
提供者端末300の提供者制御部303は、装置内在高データを受信すると(ステップS527)、その装置内在高データと、ステップS521で受信した回収額データとをセンタサーバ400に送信する(ステップS528)。なお、回収額データ及び装置内在高データは、現金回収処理の処理結果の一例である
【0079】
センタサーバ400の管理部402は、装置内在高データ及び回収額データを受信すると(ステップS529)、装置内在高データ及び回収額データに基づいて、現金回収処理が正常に行われたか否かを判断する。具体的には、管理部402は、格納部401においてステップS510で受信した装置固有番号を示す装置固有番号データと対応付けられた管理在高データが示す管理在高から回収額データが示す現金回収額を差し引いた回収後管理在高と装置内在高データが示す装置内在高とが一致するか否かを確認して、違算があるか否かを判断する(ステップS530)。
【0080】
回収後管理在高と装置内在高とが一致しない場合、管理部402は、違算がある(つまり、現金回収処理が正常に行われていない)と判断して、所定の異常処理を行う(ステップS531)。ここでは、管理部402は、異常処理として、保守員などに対して現地への出動を要請し、オフライン入金機100内の現金の確認などの現金精査を実行させる。
【0081】
一方、回収後管理在高と装置内在高とが一致した場合、管理部402は、違算がない(つまり、現金回収処理が正常に行われた)と判断して、回収額データを格納部401に回収格納するとともに、格納部401の管理在高データ装置内在高データに更新する(ステップS532)。そして、管理部402は、現金回収処理が完了した旨の回収完了通知を提供者端末300に送信する(ステップS533)。
【0082】
提供者端末300の提供者制御部303は、回収完了通知を受信すると(ステップS534)、現金回収処理が完了した旨を表示部202に表示して(ステップS535)、処理を終了する。
【0083】
以上説明した構成及び動作は、単なる一例であって、本開示はこの例に限定されるものではない。例えば、提供者端末300は、回収作業者の作業状況などをセンタサーバ400に通知してもよい。また、センタサーバ400は、回収作業者の作業計画及び臨時作業の有無などを提供者端末300に通知してもよい。
【0084】
また、提供者制御部303は、ステップS509で回収作業者を特定する作業者情報(例えば、個体情報)をオフライン入金機100にさらに送信してもよい。この場合、ステップS512で操作権限があると判断された場合、制御部105は、その作業者情報を記憶部103に記憶してもよい。このとき、制御部105は、その作業者情報を、前回記憶した作業者情報と異なる場合にのみ記憶してもよい。この場合、違算などが生じた場合に、その時の回収作業者を特定することが可能になる。
【0085】
以上説明したように本実施例では、現金処理は、現金を回収する際の現金回収処理であり、現金回収処理の処理結果は、現金回収額を示す回収額データと、装置内在高を示す装置内在高データとを含む。このため、回収時に違算のような異常が生じた場合に、直ぐに対処することが可能となる。
【実施例0086】
本実施例では、利用者の操作権限についてより詳細に説明する。入金システムの構成は、図1に示した実施例1の入金システムと同様である。
【0087】
図6は、利用者の操作権限に関する権限管理処理の一例を説明するためのフローチャートである。なお、実施例1の図2で説明したように、センタサーバ400の格納部401には、利用者登録データと装置固有番号登録データとが対応付けられて格納されている。
【0088】
権限管理処理では、センタサーバ400の管理部402は、格納部401に格納された装置固有番号データと対応付けられた利用者登録データにて特定される利用者端末200からのアクセス(接続)を監視し(ステップS601)、利用者端末200からのアクセスがない期間であるアクセス間隔期間が所定期間以上か否かを判断する(ステップS602)。所定期間は、例えば、3日間である。また、所定期間は、固定である必要はなく、利用者によるオフライン入金機100の運用などに応じて設定されてもよい。
【0089】
アクセス間隔期間が所定期間未満の場合(利用者端末200からのアクセスが所定期間内にあった場合)、管理部402は、ステップS601の処理に戻る。
【0090】
アクセス間隔期間が所定期間以上の場合(利用者端末200からのアクセスが所定期間以上ない場合)、管理部402は、センタサーバ400へのアクセスを要求するアクセス要求を利用者端末200に送信する(ステップS603)。アクセス要求は、利用者端末200の個体情報と対応付けられた装置固有番号と、オフライン入金機100の動作状態を確認するための操作番号である確認操作番号とを含む。確認操作番号は、所定の生成規則に従って生成される都度異なる番号であることが好ましい。
【0091】
利用者端末200の利用者制御部203は、アクセス要求を受信すると、利用者に対して、センタサーバ400へのアクセスを行う接続処理の実行を促す(ステップS604)。例えば、利用者制御部203は、接続処理の実行を促すメッセージを表示部202に表示する。
【0092】
本実施例では、接続処理として、入金処理と定期通信処理との一方を利用者が選択可能であるとする。この場合、操作部201は利用者から入金処理又は定期通信処理の実行を要求する実行要求を受け付ける。利用者制御部203は、その実行要求が入金処理の実行を要求しているか否かを判断する(ステップS605)。
【0093】
実行要求が入金処理の実行を要求する場合、図3を用いて説明した入金処理が実行される(ステップS606)。なお、入金処理では、例えば、ステップS302などで利用者端末200がセンタサーバ400にアクセスする。
【0094】
一方、実行要求が定期通信処理の実行を要求する場合、利用者制御部203は、定期通信処理を実行する。具体的には、利用者制御部203は、先ず、オフライン入金機100の動作状態を確認するために、オフライン入金機100と接続し、アクセス要求に含まれる装置固有番号及び確認操作番号をオフライン入金機100に送信する(ステップS607)。
【0095】
オフライン入金機100の制御部105は、確認操作番号及び装置固有番号を受信する(ステップS609)。制御部105は、確認操作番号及び装置固有番号に基づいて、入確認操作番号及び装置固有番号の送信元の利用者端末200に操作権限があるか否かを判断する(ステップS610)。例えば、制御部105は、受信した装置固有番号が記憶部103に記憶された装置固有番号と一致し、かつ、受信した確認操作番号が所定の権限条件を満たす場合、操作権限があると判断し、それ以外の場合、操作権限がないと判断する。権限条件は、例えば、ステップS603で管理部402が確認操作番号を生成した生成規則と同じ規則で生成した番号と、確認操作番号とが一致ることなどである。
【0096】
操作権限がない場合、制御部105は、異常が生じたと判断して、所定の異常処理を実行する(ステップS610)。ここでは、異常処理として、確認処理(定期通信処理)の強制終了などが行われる。
【0097】
操作権限がある場合、制御部105は、オフライン入金機100内の各部の障害の有無を診断する自己診断処理を行う(ステップS611)。制御部105は、自己診断処理による自己診断結果として障害の有無を示す障害有無情報を利用者端末200に送信する(ステップS612)。
【0098】
利用者端末200の利用者制御部203は、障害有無情報を受信すると(ステップS613)、その障害有無情報をセンタサーバ400に送信する(ステップS614)。
【0099】
センタサーバ400の管理部402は、障害有無情報を受信すると、利用者端末200からのアクセスがあったと判断して、アクセス間隔期間の起算点を現時点に更新し(ステップS615)、ステップS601の処理に戻る。このとき、例えば、アクセス要求を利用者端末200に送信してから所定の猶予期間が経過しても利用者端末200からのアクセスがない場合、管理部402は、利用者登録データに対応付けた権限有無情報を権限がないことを示す状態に変更して、操作権限を停止してもよい。また、障害有無情報にて障害のあることが示された場合、保守員などに対して現地への出動を要請する。
【0100】
また、オフライン入金機100の制御部105は、利用者端末200からのアクセスを監視し(ステップS616)、利用者端末200からのアクセスがないアクセス間隔期間が特定期間以上か否かを判断する(ステップS617)。特定期間は、例えば、5日間である。また、特定期間は、固定である必要はなく、利用者によるオフライン入金機100の運用などに応じて変更されてもよい。
【0101】
アクセス間隔期間が特定期間未満の場合(利用者端末200からのアクセスが特定期間内にあった場合)、制御部105は、ステップS616の処理に戻る。
【0102】
アクセス間隔期間が所定期間以上の場合(利用者端末200からのアクセスが所定期間以上ない場合)、制御部105は、オフライン入金機100の機能を制限する制限モードに移行し(ステップS618)、処理を終了する。制限モードは、本実施例では、利用者からの全ての操作を拒否する操作拒否モードとする。なお、操作拒否モードに遷移した場合、何らかのトラブルが発生した恐れがあるため、通常モードへの復旧は、提供者による特殊な装置設定操作にて行われることが好ましい。また、ステップS616~S618の処理は、図の例では、ステップS612の処理の後で行われているが、ステップS601~S615の処理とは独立に実行されてもよい。
【0103】
以上説明したように本実施例によれば、センタサーバ400の管理部402は、利用者端末200からのアクセスが所定期間以上ない場合、アクセスを要求するアクセス要求を利用者端末200に送信する。利用者端末200の利用者制御部203は、アクセス要求を受信すると、利用者に対してセンタサーバ400へのアクセスを行う接続処理の実行を促す。このため、利用者に定期的にセンタサーバ400へのアクセスを行わせることが可能となるため、利用者又はオフライン入金機100に問題が生じて、オフライン入金機100が長期間使用されないような異常な状況を検知して対処することが可能となる。
【0104】
また、本実施例では、オフライン入金機100の制御部105は、利用者端末200からのアクセスが特定期間以上ない場合、オフライン入金機100の機能を制限する。このため、オフライン入金機100又は利用者等に何ら問題が発生してオフライン入金機100が長期間使用されなくなったときに、オフライン入金機100の機能を制限することが可能となるため、オフライン入金機100への不正操作を抑制することが可能になる。
【0105】
上述した本開示の実施形態は、本開示の説明のための例示であり、本開示の範囲をそれらの実施形態にのみ限定する趣旨ではない。当業者は、本開示の範囲を逸脱することなしに、他の様々な態様で本開示を実施することができる。
【符号の説明】
【0106】
100:オフライン入金機、101:貨幣受入部、102:収納部、103:記憶部、104:表示部、105:制御部、200:利用者端末、201:操作部、202:表示部、203:利用者制御部、300:提供者端末、301:操作部、302:表示部、303:提供者制御部、400センタサーバ、401:格納部、402:管理部

図1
図2
図3
図4
図5
図6