(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022096566
(43)【公開日】2022-06-29
(54)【発明の名称】商品提示方法、商品提示システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/02 20120101AFI20220622BHJP
【FI】
G06Q30/02 398
G06Q30/02 446
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020209753
(22)【出願日】2020-12-17
(71)【出願人】
【識別番号】520500738
【氏名又は名称】株式会社サンエー
(74)【代理人】
【識別番号】100180921
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 雅紀
(72)【発明者】
【氏名】岩本 大興
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB05
5L049BB08
(57)【要約】
【課題】 本発明は、実店舗にとって在庫レスと価格競争の回避を実現する商品提示方法等を提供することを目的とする。
【解決手段】 ウェブサイトにおいて商品を提示する商品提示システムを用いた商品提示方法であって、アクセス許可部が、特定ユーザにのみ限定ページへのアクセスを許可するアクセス許可ステップと、限定ページ表示制御部が、前記限定ページに前記共通情報と前記区別情報とを表示する限定ページ表示ステップとを含み、前記アクセス許可ステップにおいて、ネットモールに出品しているユーザには前記限定ページへのアクセスを許可しない、商品提示方法である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェブサイトにおいて商品を提示する商品提示システムを用いた商品提示方法であって、
前記商品提示システムは、
特定ユーザにのみ限定ページへのアクセスを許可するアクセス許可部と、
前記限定ページに、商品に関する情報であって誰でもアクセスできる公開ページに表示するのと共通の情報である共通情報と、前記商品に関する情報であって前記公開ページに表示するのとは異なる情報である区別情報とを表示させる限定ページ表示制御部とを備え、
前記アクセス許可部が、前記特定ユーザにのみ前記限定ページへのアクセスを許可するアクセス許可ステップと、
前記限定ページ表示制御部が、前記限定ページに前記共通情報と前記区別情報とを表示する限定ページ表示ステップとを含み、
前記アクセス許可ステップにおいて、ネットモールに出品しているユーザには前記限定ページへのアクセスを許可しない、商品提示方法。
【請求項2】
前記共通情報は、前記商品の写真であり、
前記区別情報は、前記商品の価格であり、
前記限定ページ表示ステップにおいて、前記公開ページに表示するよりも安い価格を表示する、請求項1記載の商品提示方法。
【請求項3】
前記商品提示システムは、ユーザがネットモールに出品しているか否かを判定するユーザ判定部をさらに備え、
前記アクセス許可ステップの前に、
申請者が前記限定ページへのアクセスの許可を求める許可申請ステップと、
前記ユーザ判定部が、前記申請者がネットモールに出品しているか否かを判定する判定ステップをさらに備える、請求項1又は2記載の商品提示方法。
【請求項4】
前記商品提示システムは、前記共通情報を所定のデータベースから取得する共通情報取得部をさらに備え、
前記限定ページ表示ステップの前に、前記共通情報取得部が、前記共通情報を前記データベースから取得する共通情報取得ステップをさらに含む、請求項1から3のいずれかに記載の商品提示方法。
【請求項5】
ウェブサイトにおいて商品を提示する商品提示システムであって、
特定ユーザにのみ限定ページへのアクセスを許可するアクセス許可部と、
前記限定ページに、商品に関する情報であって誰でもアクセスできる公開ページに表示するのと共通の情報である共通情報と、前記商品に関する情報であって前記公開ページに表示するのとは異なる情報である区別情報とを表示させる限定ページ表示制御部とを含み、
前記アクセス許可部は、ネットモールに出品しているユーザには前記限定ページへのアクセスを許可しない、商品提示システム。
【請求項6】
コンピュータを、請求項5記載の前記アクセス許可部及び前記限定ページ表示制御部として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商品提示方法、商品提示システム及びプログラムに関し、特にウェブサイトにおいて商品を提示する商品提示方法等に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、販売業においてもIT化が進み、POSシステムが普及している。POSシステムは、商品の販売時点で、その商品に関する情報を単品単位で記録し、それに基づいて売り上げや在庫を管理するためのシステムである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、実店舗は、インターネットを介した通信販売が浸透する中、ネットモールに代表されるECサイトに一般消費者が流れる傾向にある。価格競争にさらされた場合、実店舗は当然に不利な状況に追い込まれている。
【0005】
他方、通信販売されていない商品を確保するためには在庫リスクを抱えることとなる。特に、アパレル店舗のように季節ごとに商品を仕入れる業態の場合、シーズン前に大量の在庫を抱えるリスクを背負うこととなる。
【0006】
そこで、本発明は、実店舗にとって在庫レスと価格競争の回避を実現する商品提示方法等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の観点は、ウェブサイトにおいて商品を提示する商品提示システムを用いた商品提示方法であって、前記商品提示システムは、特定ユーザにのみ限定ページへのアクセスを許可するアクセス許可部と、前記限定ページに、商品に関する情報であって誰でもアクセスできる公開ページに表示するのと共通の情報である共通情報と、前記商品に関する情報であって前記公開ページに表示するのとは異なる情報である区別情報とを表示させる限定ページ表示制御部とを備え、前記アクセス許可部が、特定ユーザにのみ限定ページへのアクセスを許可するアクセス許可ステップと、前記限定ページ表示制御部が、前記限定ページに前記共通情報と前記区別情報とを表示する限定ページ表示ステップとを含み、前記アクセス許可ステップにおいて、ネットモールに出品しているユーザには前記限定ページへのアクセスを許可しない、商品提示方法である。
【0008】
本発明の第2の観点は、第1の観点の商品提示方法であって、前記共通情報は、前記商品の写真であり、前記区別情報は、前記商品の価格であり、前記限定ページ表示ステップにおいて、前記公開ページに表示するよりも安い価格を表示する。
【0009】
本発明の第3の観点は、第1又は第2の観点の商品提示方法であって、前記商品提示システムは、ユーザがネットモールに出品しているか否かを判定するユーザ判定部をさらに備え、前記アクセス許可ステップの前に、申請者が前記限定ページへのアクセスの許可を求める許可申請ステップと、前記ユーザ判定部が、前記申請者がネットモールに出品しているか否かを判定する判定ステップをさらに備える。
【0010】
本発明の第4の観点は、第1から第3のいずれかの観点の商品提示方法であって、前記商品提示システムは、前記共通情報を所定のデータベースから取得する共通情報取得部をさらに備え、前記限定ページ表示ステップの前に、前記共通情報取得部が、前記共通情報を前記データベースから取得する共通情報取得ステップをさらに含む。
【0011】
本発明の第5の観点は、ウェブサイトにおいて商品を提示する商品提示システムであって、特定ユーザにのみ限定ページへのアクセスを許可するアクセス許可部と、前記限定ページに、商品に関する情報であって誰でもアクセスできる公開ページに表示するのと共通の情報である共通情報と、前記商品に関する情報であって前記公開ページに表示するのとは異なる情報である区別情報とを表示させる限定ページ表示制御部とを含み、前記アクセス許可部は、ネットモールに出品しているユーザには前記限定ページへのアクセスを許可しない、商品提示システムである。
【0012】
本発明の第6の観点は、コンピュータを、第5の観点の前記アクセス許可部及び前記限定ページ表示制御部として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0013】
本発明の各観点によれば、例えば実店舗を特定ユーザとした場合、限定ページへのアクセスが許可された特定ユーザと、一般消費者とに共通の商品に関して異なる情報を提供できる。このため、在庫を確保することなく特定ユーザに対してひいきする取扱いをすることが容易となる。加えて、対象商品がネットモールに出品されることを抑制し、価格競争にさらされることを抑制することが可能となる。よって、在庫レスと価格競争の回避を両立することが容易となる。
【0014】
本発明の第2の観点によれば、例えば、特定ユーザである卸先のみがアクセスできる限定ページに卸値を表示するとともに、同商品を一般消費者向けのウェブサイトに定価で表示させることが可能となる。このため、新規商品についても一般消費者に相場の金額を把握させることが可能となる。結果として、特定ユーザである卸先が実際の店舗で卸値よりは高いが定価よりも安い店頭価格で販売した場合に、その店頭価格がお買い得であることを一般消費者に認識させて購買決定を促進することが容易となる。
【0015】
本発明の第3の観点によれば、商品が価格競争にさらされることを効果的に防止することが可能となる。
【0016】
本発明の第4の観点によれば、メーカーから新作の商品情報をリアルタイムに仕入れることが容易となる。このため、一般消費者に販売してから仕入先に発注することが可能となる。あるいは、展示用のごく少数の商品のみ仕入れるのみで済む。したがって、在庫レスの実現が容易となり、少なくとも在庫リスクを大幅に削減することが可能となる。
【0017】
本発明の第5の観点によれば、新商品であっても問屋がメーカーから商品情報を入手して、限定アカウント及び公開ページに表示させることが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本実施例の商品提示システムの構成の一例を示す図である。
【
図2】クライアント端末に表示される画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。但し、本発明はこの実施形態に限定されるものではない。
【0020】
本実施例の商品提示システムは、商品情報を、どの掲載ページにも共通する共通情報と、相違する区別情報とに分けて取り扱う。共通情報の例は、商品写真や商品説明である。区別情報の例は、価格である。公開ページにも限定ページにも共通情報である商品写真や商品説明は同じものが掲載される。しかし、区別情報である価格は、公開ページには例えば定価が掲載され、限定ページには定価よりも安い価格が掲載される。なお、以下では、サーバ管理者として卸売業者、クライアントとして小売業者を想定している。以下、より具体的に説明する。
【0021】
図1に本発明の一実施形態である商品提示システム1の構成の一例を示す。商品提示システム1は、サーバ3と、クライアント端末5とを備えている。サーバ3とクライアント端末5と管理者端末7は、インターネットや専用回線等の通信回線9
1を介して接続可能である。
【0022】
サーバ3は、公開情報記憶部11と、限定情報記憶部13と、アクセス記憶部15と、アクセス許可部17と、検索部19と、ユーザ判定部20と、公開ページ表示制御部21と、限定ページ表示制御部22とを備える。
【0023】
公開情報記憶部11は、公開ページに掲載する公開情報を記憶する。限定情報記憶部13は、特定ユーザにのみアクセスを許可する限定ページに掲載する限定情報を記憶する。アクセス記憶部15は、クライアント端末5からアクセスする特定ユーザがログインする際に必要なID、メールアドレス又はパスワード、指紋認証情報等のアクセス許可に関する情報を記憶する。アクセス許可部17は、クライアント端末5から入力された情報がアクセス記憶部15に記憶された情報と一致した場合に、限定ページの情報をサーバ3から送信してクライアント端末5に表示させることを許可する。検索部19は、限定ページへのアクセス許可の申請があった際、限定アカウントを申請者に許可する前に、当該申請者がネットモールに出品しているか否かを検索する。ユーザ判定部20は、申請者がネットモールに出品しているか否かを判定する。公開ページ表示制御部21は、公開情報記憶部11に記憶されている情報を公開ページに表示させる。限定ページ表示制御部22は、限定情報記憶部13に記憶されている情報を限定ページに表示させる。ここで、公開ページや限定ページは、サーバ3に記憶されているデータでもよいし、他のサーバに記憶されているデータであってもよい。
【0024】
クライアント端末5は、サーバ3からウェブページの情報を受信するクライアント受信部25と、ウェブページを表示するクライアント表示部27と、クライアント入力部29と、サーバ3に情報を送信するクライアント送信部31とを備える。
【0025】
クライアント端末5は、スマートフォンの他、パーソナルコンピュータ、タブレット型端末等の携帯端末であってもよい。また、クライアント端末5は、専用の端末を用意する必要はなく、例えば、それぞれのID又はメールアドレスとパスワードでログインすることによって、クライアント毎の権限が付与される構成とすることもできる。
【0026】
サーバ3は、通信回線91を介して、クライアント端末5及び管理者端末7に後述する各種画面を表示させ、各端末から入力されたデータを取得する。サーバ3が取得した各端末からのデータは、サーバ3に保存される。
【0027】
クライアント端末5から当該ウェブサイトにアクセスすると、ログインページが表示される。クライアント入力部29により限定アカウントが正しく入力されると、限定ページがクライアント表示部27に表示される。
【0028】
ここで、サーバ3は、共通情報を仕入先のデータベースである仕入先記憶部35から通信回線92を介して受信する(共通情報取得ステップ)。これにより、卸売業者であるサーバ管理者は、自ら商品撮影を行う必要がなくなる。さらには、商品を仕入れることなく小売業者に商品情報を送信することが可能となる。そのため、小売業者が実店舗への来店客に販売する業態であったとしても、商品を仕入れることなく店舗スタッフが携帯端末等で一般消費者に商品情報を提示することができる。したがって、一般消費者に販売してから仕入先に発注することが可能となる。あるいは、展示用のごく少数の商品のみ仕入れるのみで済む。このため、在庫レスの実現が容易となり、少なくとも在庫リスクを大幅に削減することが可能となる。
【0029】
図2は、クライアント端末の表示部に表示される画像の一例であり、(a)公開ページ41、(b)ログイン用ページ43、(c)限定ページ45を示す図である。
【0030】
図2(a)を参照して、公開ページ41は、限定アカウントでログインしなくても、一般公開されている画面であり、例えば、商品名51と、商品画像53と、一般消費者への販売価格である定価55と、素材57や寸法59等の商品説明が表示される。公開ページは、例えばネットモールの画面であってもよい。この場合、卸売業者が、ネットモールに定価で出品することが想定される。
【0031】
図2(b)を参照して、ログイン用ページ43は、クライアント毎に付与されたIDを入力するためのID入力欄63と、予め設定されたパスワードを入力するためのパスワード入力欄65が表示される。ID入力欄63及びパスワード入力欄65の入力後に、確定ボタン67を押すと、入力した情報がサーバ3に送信される。そして、サーバ3のアクセス許可部17において、クライアント端末5の入力情報がアクセス記憶部15に記憶されたクライアントのID及びパスワードと一致した場合に、サーバ3からクライアント端末5に限定ページへのアクセスが許可され(アクセス許可ステップ)、クライアント端末5に限定ページが表示される(限定ページ表示ステップ)。
【0032】
図2(c)を参照して、限定ページ45は、例えば、商品名51と、商品画像53と、クライアントへの卸値69と、素材57や寸法59等の商品説明が表示される。
【0033】
ここで、商品名51と、商品画像53と、素材57や寸法59等の商品説明は、限定ページ45と公開ページ41の両方に共通して表示される共通情報である。一方、一般消費者への定価55は公開ページ41に表示され、卸値69は限定ページ45に表示される。つまり、定価55と卸値69は、公開ページと限定ページのそれぞれに区別して表示される区別情報である。これにより、限定アカウントでログインしたクライアントにのみ、卸値69を開示することが可能になる。また、小売業者がクライアント端末5を用いて一般消費者に商品情報を提示する際には、公開ページ41を提示して定価を示すことが可能である。そのため、小売業者は、定価又は定価よりは安いが卸値よりは高い販売価格で該当商品を販売し、利益を確保することが容易となる。
【0034】
また、定ページへのアクセス許可の申請があった際(許可申請ステップ)、限定アカウントをクライアントに付与する前に、クライアントがネットモールに出品しているか否かを自動で検索し(検索ステップ)、ネットモールに出品していないクライアントのみに限定アカウントを付与する。これにより、一般消費者がインターネットで該当商品を検索した場合、ヒットするのは定価での商品情報であるため、小売業者が価格競争を回避することが容易となる。
【0035】
なお、検索部は、限定ページへのアクセスを許可した特定ユーザによるネットモールへの該当商品の出品の有無を検索する機能を備えるものであってもよい。検索部がこの機能を備える場合、アクセス許可部は、ネットモールに該当商品を出品した特定ユーザへのアクセス許可を取り消す機能を備えるものであってもよい。
【0036】
また、検索部が検索するインターネット上のエリアは、ネットモールに限らず、予め指定されたウェブサイトであってもよい。また、本発明に係る商品提示システムは、検索対象とするウェブサイトを記憶する検索サイト記憶部をさらに備えるものであってもよい。
【0037】
共通情報は、公開情報記憶部11及び限定情報記憶部13の両方に同一の情報として記憶されている。区別情報は、公開情報記憶部11及び限定情報記憶部13に、異なるデータが記憶されている。ここで、サーバ3は、公開情報記憶部11オヨ帯限定情報記憶部13の代わりに、共通情報を記憶する共通情報記憶部及び区別情報を記憶する区別情報記憶部を備えるものであってもよい。
【符号の説明】
【0038】
1:商品提示システム、3:サーバ、5:クライアント端末、9:通信回線、11:公開情報記憶部、13:限定情報記憶部、15:アクセス記憶部、17:アクセス許可部、19:検索部、25:クライアント受信部、27:クライアント表示部、29:クライアント入力部、31:クライアント送信部、35:仕入先記憶部、41:公開ページ、43:ログイン用ページ、45:限定ページ、51:商品名、53:商品画像、55:定価、57:素材、59:寸法、63:ID入力欄、65:パスワード入力欄、67:確定ボタン、69:卸値