(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022096568
(43)【公開日】2022-06-29
(54)【発明の名称】差込表紙
(51)【国際特許分類】
B42D 3/18 20060101AFI20220622BHJP
【FI】
B42D3/18 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020209755
(22)【出願日】2020-12-17
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和2年10月27日~28日に天王洲マルシェマーケット東京で開催の「FRAT #2 2020 合同展示会 in TMMT」において、島田徳英が、株式会社ノウトのブースで、表紙を変えられる御朱印帳及び表紙を変えられるノートを公開した。
(71)【出願人】
【識別番号】510087081
【氏名又は名称】株式会社誠晃印刷
(74)【代理人】
【識別番号】100166073
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 秀治
(72)【発明者】
【氏名】島田 徳英
(57)【要約】
【課題】ノートや御朱印帳等の表紙体に差し込んで使用する、差し替え可能な差込表紙を提供する。
【解決手段】 外面となる四角形状の外面体(3)と、内面となる四角形状の内面体(4)とによる袋状構造を有する差込表紙(1)であって、差込用に口部側(10)となる一辺が開放し、該口部側(10)に対向する奥部側(11)の一片は閉じられており、外面体(3)の開放辺(34)は、内面体(4)の開放辺(44)より、内側に位置することでガイド帯(12)を有するように形成され、空気抜用開孔部(13)が、奥部側(11)の両側の角部(14)に各々形成され、口部側(10)の一辺の長さが、奥部側(11)の一辺の長さより、長く形成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外面となる四角形状の外面体と、内面となる四角形状の内面体とによる袋状構造を有し、
差込用に口部側となる一辺が開放し、該口部側に対向する奥部側の一辺は閉じられていることを特徴とする、差込表紙。
【請求項2】
外面となる四角形状の外面体と、内面となる四角形状の内面体とによる袋状構造を有し、
差込用に口部側となる一辺が開放し、該口部側に対向する奥部側の一辺は閉じられており、
内面体の開放辺と外面体の開放辺の位置により、ガイド帯を有するように形成されていることを特徴とする、差込表紙。
【請求項3】
空気抜用開孔部を、奥部側に形成したことを特徴とする、請求項1または2に記載の差込表紙。
【請求項4】
口部側の一辺の長さが、奥部側の一辺の長さより、長く形成されていることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一つに記載の差込表紙。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、差込表紙に関し、詳細には、ノートや御朱印帳等の表紙体に差し込んで使用する、差し替え可能な差込表紙に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な御朱印帳は、ハードタイプの両面表紙の間に、折り畳んだ状態の紙面を収めた蛇腹構造によるものである。
該御朱印帳の表紙は、化粧用紙や化粧用の布を貼り付けたりすることで製造されており、差し替え可能な表紙は知られていない。
近年、御朱印収集がブームとなっており、様々な御朱印帳が存在するが、通常は表紙と本文が貼付けられているため、1冊を使い終えるまで同じ御朱印帳を使わざるを得ないのが実情である。
また、一般的なメモ帳、手帳、ノート、書籍、冊子等についても、差し替え可能な表紙は知られていない。
【0003】
特許文献1には、全体の表紙デザインを何度でも自由に変更することが可能な表紙カバー体について記載されている。
該表紙カバー体は、冊子類の表表紙と裏表紙とがそれぞれ差し込まれる左右一対の内ポケット部を形成した表紙カバー体であって、上記内ポケット部を内面側の左右部に配置する内側シートと、内側シートの外面側に設けられて内側シートの外面全体を覆う大きさの透明な外側シートとにより構成し、上記外側シートと内側シートとの間に、表紙カバー体の上端部が開口されて大きく開くことができる上部差込口を形成し、上部差込口を通して外側シートと内側シートとの間に表紙カバー体と同じか長辺側が少し短い大きさのオリジナル表紙を収納可能とする表紙ポケット部を形成させているものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載のカバー体は、オリジナル表紙を収納可能とする表紙ポケット部を有する構造であって、カバー体自体が差し替え可能なものではない。
【0006】
従って、本発明の解決しようとする課題は、ノートや御朱印帳等の表紙体に差し込んで使用する、差し替え可能な差込表紙を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の課題を解決するための手段は、下記のとおりである。
【0008】
第1に、
外面となる四角形状の外面体と、内面となる四角形状の内面体とによる袋状構造を有し、
差込用に口部側となる一辺が開放し、該口部側に対向する奥部側の一辺は閉じられていることを特徴とする、差込表紙。
ここで、外面体とは表表紙側となる外側の面を形成する面状物のことをいい、内面体とは裏表紙側となる内側の面を形成する面状物のことをいう。
第2に、
外面となる四角形状の外面体と、内面となる四角形状の内面体とによる袋状構造を有し、
差込用に口部側となる一辺が開放し、該口部側に対向する奥部側の一辺は閉じられており、
内面体の開放辺と外面体の開放辺の位置により、ガイド帯を有するように形成されていることを特徴とする、差込表紙。
ここで、ガイド帯は、外面体の開放辺の位置を内面体の開放辺の位置より内側にすることで段差状部分として形成することができ、また、内面体の開放辺の位置を外面体の開放辺の位置より内側にすることで段差状部分として形成することもできる。
さらに、内側に位置する開放辺は、傾斜して形成することもできる。
第3に、
空気抜用開孔部を、奥部側に形成したことを特徴とする、前記第1または第2に記載の差込表紙。
ここで、空気抜用開孔部は、奥部側の両側の角部に、各々形成することができる。
第4に、
口部側の一辺の長さが、奥部側の一辺の長さより、長く形成されていることを特徴とする、前記1~第3のいずれか一つに記載の差込表紙。
【0009】
例えば、天地が177mm、左右が117mmの御朱印帳を対象とする差込表紙の場合には、天地の長さが184mm、左右の幅が122mmの外面体となる厚さ2mmの芯紙に、天地の長さが180mm、左右の幅が116.5mmの内面体となる紙ポケットを貼り付けることで、内面体の開放辺の位置が外面体の開放辺の位置より4mm内側となるガイド帯を有する袋状構造による本発明の差込用紙を形成することができる。
ここで、内面体となる紙としては、米坪104.7g/m2~127.9g/m2の用紙を使用することで、差し込み易さと、耐久性のバランスのとれたものとなる。
【0010】
また、天地に各々糊代部分を有する左右の幅が112.5mmの外面体に、左右の幅が116.5mmの内面体が連続して形成された一枚の用紙を用いて、内面体と外面体との境界で二つ折りにすることで、外面体の開放辺の位置が内面体の開放辺の位置より4mm内側となるガイド帯を有する袋状構造による本発明の差込用紙を形成することができる。
そして、天地の口部を長さ180mm、奥部の長さを178.5mmとなるような台形の形状にすることで、外面体の天地の口部側が180mmで奥部側が178.5mmとなるように形成することもできる。
ここで、奥部側の両側の角部に、半径5mmの空気抜用開孔部を形成することもできる。
なお、空気抜用開孔部は、奥部側の中央にスリットを入れることで形成することもできる。
【0011】
前記一例のサイズの場合には、口部側を奥部側より1.5mm、好ましくは0.7mm長く形成し、口部側から奥部側に行くにつれて徐々に狭くなるような形状にすることで、対象となる表紙体への差し込みを容易にすることができ、同時に、差込表紙が対象となる表紙体から抜け落ち難くすることも可能となる。
すなわち、奥部側の長さを100とした場合に、口部側の長さを100.5~105、好ましくは100.5~103、より好ましくは100.5~101.5、望ましくは100.7とした場合に、差し込みを容易にすると同時に抜け落ち難くすることも可能となる。
【0012】
また、奥部に空気開孔部を形成することで、差込表紙を対象となる表紙体に差し込む際に、袋状構造内の空気が抜けていくので、表紙への差し込みを容易とすることができる。
ここで、前記一例のサイズの場合には、両側の角部に各々形成した半径5mmの開孔部によって、耐久性と抜けづらさ、バランスのとれた空気抜きの機能を果たすための大きさとして、最適な数値であることを確認している。
【0013】
さらに、前記一例のサイズの場合には、4mmのガイド帯を形成することによっても、対象となる表紙体への差し込みを容易にすることができる。
ここで、前記一例のサイズの場合には、外面体による接触面積における奥行を112.5mmとすることで、差込表紙の抜け落ち防止に効果的であることを確認している。
【0014】
加えて、外面体に糊代部分を有する用紙を用いて二つ折りにして、天地の両辺に各々形成された糊代部分が、内面体の外側に重なるように張り合わせたものは、対象となる表紙体への差し込みの際に、糊代部分が障害となることがないので、よりスムーズな差し込みが可能となる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、以下の効果を奏することができる。
【0016】
本発明の差込表紙は、袋状構造を有し、ノートや御朱印帳等の表紙体に差し込んで使用するもので、異なる御朱印帳等に対して、差し替えて使用することができる。
すなわち、本発明の差込表紙は、御朱印帳本文を抜き差しして使用できるようにすることで、表紙の差し替えを可能とすることで、使用途中でも別の表紙に差し替えることができ。
また、1冊の御朱印帳等を使い終えた場合には、新しい御朱印帳等を使う時でも今までと同じ表紙を使うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の差込表紙の使用状態を示す斜視図である。
【
図2】本発明の差込表紙の使用状態における外面体の説明図である。
【
図3】本発明の差込表紙の使用状態で御朱印帳を開いた状態の内面体の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための形態を、図面を参照しつつ具体的に説明する。
ここで、添付図面において同一の部材には同一符号を付しており、また重複した説明は省略されている。
なお、ここでの説明は本発明が実施される一形態であることから、本発明は該当形態に限定されるものではない。
【実施例0019】
図1に示すとおり、本実施例の袋状構造の差込表紙1は、天地が177mm、左右が117mmの御朱印帳2の表紙体21を内部に収納するように差し込むことで、蛇腹構造の御朱印帳2の表紙となって使用できるものである。
【0020】
本実施例の差込表紙1は、米坪116.3g/m2の一枚の用紙を使用して構成するもので、全体として、天地の長さが180mm程度、左右の幅が120mm程度であり、表側の外面となる縦長長方形状の外面体3と、裏側の内面となる縦長長方形状の内面体4とによる袋状構造を有するものである。
袋状構造は、差込用に口部側10となる一辺が開放し、該口部側10に対向する奥部側11の一辺が閉じられることで構成されている。
【0021】
本実施例では、
図4に示すように、ガイド帯12が、外面体3の開放辺34の位置を、内面体4の開放辺44の位置より内側にすることで、4mm幅の段差状部分として形成されている。
すなわち、天地に各々、外面体の糊代部分35(
図3や
図5を参照)を有する外面体の左右33(
図4参照)の幅が112.5mmの外面体3に、内面体の左右43(
図4参照)の幅が116.5mmの内面体4が連続して形成された一枚の用紙を用いて、奥部側11(
図1参照)を形成するように内面体4と外面体3との境界で二つ折りにする。
すると、
図4に示すように、外面体3の開放辺34の位置が内面体4の開放辺の44の位置より4mm内側となることで、4mm幅のガイド帯12を形成することができる。
このように、4mm幅のガイド帯12を形成することで、表紙体21への差し込みを容易にすることができる。
また、外面体3による接触面積における奥行を112.5mmとすることで、差込表紙1の抜け落ち防止に効果的である。
【0022】
図1に示すとおり、奥部側11の両側の角部14には、半径5mm程度の空気抜用開孔部13が各々形成されている。
このように、空気抜用開孔部13を、奥部側11の2箇所の角部14に各々形成することで、表紙体21を差し込む際に、袋状構造内部の空気が滞りなく抜けるので、スムーズな差し込みが可能となる。
【0023】
本実施例の差込表紙1は、口部側10の一辺の長さが、奥部側11の一辺の長さより、1.5mm程度、長く形成されている。
すなわち、
図5に示すとおり、口部側41及び奥部側42の長さが、共に177mmの内面体4に、糊代部分を除いた口部側31の長さが180mmで奥部側32の長さ178.5mmの台形状の外面体3(
図2参照)の糊代部分を貼り合わせることで、口部側10が180mm(L1)で、奥部側11が178.5mm(L2)となるように形成されている。
このように、口部側10を奥部側11より1.5mm長く形成し、奥部に行くにつれて徐々に狭くなるような形状にすることで、表紙体21への差し込みを容易にすることができ、同時に、差込表紙1が表紙体21から抜け落ち難くなる。
【0024】
さらに、
図3に示すとおり、天地の両辺に各々形成された糊代部分35が、内面体4の外側に重なるように張り合わせることで、表紙体21への差し込みの際に、糊代部分35が障害となることがないので、よりスムーズな差し込みが可能となる。
【0025】
本実施例の差込表紙1は、袋状構造を有し、御朱印帳2の表紙体21に差し込んで使用することが可能であり、異なる御朱印帳2に対して差し替えて使用することができるので、気に入った表紙を使い続けたいと願う顧客の要望を満足させることができる。