(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022096570
(43)【公開日】2022-06-29
(54)【発明の名称】ゲーム機能付き運動台
(51)【国際特許分類】
A63B 23/00 20060101AFI20220622BHJP
A63F 7/02 20060101ALI20220622BHJP
【FI】
A63B23/00 Z
A63F7/02 301D
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2020220009
(22)【出願日】2020-12-17
(71)【出願人】
【識別番号】593042823
【氏名又は名称】後藤 宏志
(72)【発明者】
【氏名】後藤 宏志
(72)【発明者】
【氏名】後藤 真也
(72)【発明者】
【氏名】後藤 良太
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088AA75
(57)【要約】
【課題】昼食後の軽運動はメリットいっぱい、と聞いて職場でチャレンジするが続かない。シチュエーションを「夕食後に家族と」に変えて実施すべく、家族団欒型の運動具を創る。
【課題を解決する手段】運動具にゲームする仕組みを組み込む。新運動具はテーブルに置く直方体の函で、椅子に座る人側に勾配の谷を向けて置く。函の左右壁際に重みある操作レバーを敷き、その先端を傾斜山側の床に蝶番で固定し、後端を座す人の左右足の膝上に置く。これにより着座したままゆっくり足踏みすると、膝で重みあるレバーを上げ下げして運動負荷ある足ストレッチができる。一方ゲームする仕組みとして左右レバー前寄りをゲーム玉出発地点としてプッシュ棒を垂直に立て、その上空域に玉保管ケースを置く。これにより前記運動をすると、同時に、ケースの底をプッシュ棒で突いてゲームボールを中央盤面に転がしてスマートボールに似たゲームができ、夕食後のテーブルが一家の運動と団欒の場になる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
テーブルの椅子に座って又はテーブルの前に立って足を上下に動かすストレッチ運動をすると、その足運動で同時に、テーブル上に玉を転がしてゲーム遊びが出来るゲーム機能付き運動台(以下、運動台)において、
運動台はテーブルに置く上下左右を低い壁で囲った直方体の函であって、裏面に傾斜脚をつけて緩やかな勾配をつけると谷側を運動者側に向けて配し、次に運動者から見る左壁際と右壁際の床に、足ストレッチ時には膝当て板となりゲーム遊び時には玉転がり板となる幅狭長寸で重みある玉転がしレバーを運動台上壁側から下壁側へ、下壁側では下壁を部分開口して函外の運動者位置まで敷設し、次に前記敷設したレバーの上端を蝶番で床に固定し、レバーの下端をレバーから垂下させた伸縮棒を介して運動者膝上に置く・・・、これら一連の構成で、運動者が座ってする又は立ってする左右足踏みで、重みある玉転がしレバーを上下に動かし、運動負荷ある足ストレッチ機能を運動台に創ると共に、
玉転がしゲームを行う構成として、前記上下動する左右玉転がしレバーの上壁寄りをゲーム玉出発地点として、該地点にゲーム玉を突く円柱のプッシュ棒をレバーと垂直に立て、次に前記立てた左右プッシュ棒の上空域に、直方体小箱のゲーム玉保管ケースを運動台の左右横壁に傾斜をつけて取り付けるが、勾配山側を運動者側にして取り付け、次に前記ゲーム玉保管ケース底面に、プッシュ棒の径をやや超える直径で円形の溝穴を開口する・・・、これら一連の構成で、運動者がする上記ストレッチ足踏みで、ストレッチ運動と同時に、プッシュ棒がゲーム玉保管ケースの溝穴を突いてゲーム玉をレバーに落とし、玉転がしゲームの機能を運動台に創る、
以上の構成からなり、ストレッチ運動とゲーム遊びができることを特長とするゲーム機能付き運動台
【請求項2】
請求項1のゲーム機能付き運動台において、
運動台床への左右玉転がしレバー敷設を運動台下壁までとし、レバー下端に運動者の体まで届くグリップ付き長紐を取り付けるが、紐を下壁に立ち上げたポール先端のポール穴を通して取り付ける・・・、これら一連の構成で、座った又は立った運動者が、グリップ付き長紐を太ももや上腕に巻いてこれを動かすことにより、ストレッチ機能とゲーム遊び機能を運動台に創ることを特長とする請求項1のゲーム機能付き運動台
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、室内運動具にゲーム機能を加えたゲーム機能付き運動台(以下、運動台)の技術に関する。家に帰って寝るだけ生活からくる肥満、一日中何もしないことで進行が早まる老人性認知症、最近ではコロナ禍による小中高生の精神不安定などに備えるには、毎日する運動が大きな予防策といわれる。この観点から、「家族が家で同じ運動を毎日する」をキーに今までにない機能の運動具開発をする。
【背景技術】
【0002】
従来の運道具にゲームを組み込む技術例は殆どないが下記3文献を確認した。なお文献3は自身で出願した発明であり、今回これをさらに進展させ出願する。
【先行技術文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000-140187 運動具
【特許文献2】実開平06-026921 腕用運動具
【特許文献3】特願2020-77758 昇降トレーニング台
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
家族で同じ運動することを習慣にするには、次のような課題がある。
A 同じ運動の繰り返しは飽きる
B 老・壮・若に共通する運動種目はないし、もしあっても家族とするのは照れくさい
C 家族それぞれが会社や学校で忙しく、家で運動する時間などない
D 家の中に、家族そろって運動するだけのスペースがない
【課題を解決する手段】
【0005】
こうした課題の解決に当発明は運動にゲームを取入れて、「遊びながらの運動ならやる」と興味をそそる運動具を創る。運動と遊びという対極上の作用を一つ具に詰め込むのである。運動は最も基本的な手足のストレッチ、遊びは昔懐かしくアナログなスマートボールゲームとする。その手段を具体的に述べると、手足を動かすストレッチ運動をすると、その動作で同時に、スマートボールを盤面に転がすゲームが出来、面白さで家族を引き付ける。また場所と時間を夕食後の一時とし、課題解決を目指す。
【発明の効果】
【0006】
この発明は、次のような優れた効果を奏す。
a ゲーム遊びに引かれ、主目的の運動が長く続く
b スマートボールなら家族で出来、また点数を争うゲームに家族の照れなど生じない
c 実施時間を家族が揃う夕食後とするので、健康にいい食後軽運動が習慣化する
d 実施場所は運動具の大きさや使い方から、そのまま食事テーブルで出来る
e 日々のゲーム点数を記録して、点数で家族の体調を推し計ることができる
f 運動は足を高く上げる、手を大きく振るの、ストレッチ基本の2運動が出来る
g 毎日家族で運動することで、家族間融和がより進む
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図6】 玉発射(上図)から玉セット(下図)への展開を拡大して説明する斜視図
【発明を実施するための形態】
【0008】
発明の請求項ごとの実施形態を、図を見ながら詳しく説明する。請求項1を、
図1、2、5、6で説明する。なお
図1、2、3、4、5では発明の構造をより理解いただくため、運動台左壁17と運動台下壁18を引き出し線16で示して手前に引き出し、中を見せて描いているのでその旨ご承知願いたい。請求項1は
図1で示すように、運動する人19は椅子3に座った姿勢でテーブル1に置く運動台の玉転がしレバー5を足20の膝で上げ下げし、足ストレッチと共にスマートボールゲームをする運動台である。なお請求項1は、
図2で示すように立った姿勢でこれを行うことも出来る。
【0009】
テーブル1と椅子3を説明する。これらは居間に置く普通の食事用の家具セットである。もちろん勉強部屋の机であっても、盤面の高さが人19の腰高ほどであればよい。
【0010】
運動台のベースとなる直方体の函を説明する。函はテーブル1の上に載せるので遊技場にあるスマートボール台より一回り小さい。上下左右を低い壁で囲い、函の裏面に傾斜脚4をつけて緩やかな勾配をつける。勾配をつける理由は、後述するボールゲームをするとき、ゲーム玉14が勾配谷側の運動する人19側に向けて転がるようにするためである。
【0011】
玉転がしレバー5を説明する。玉転がしレバー5は運動する人19から見る函の左壁と右壁に沿って幅狭長寸だが重みある平板を、運動台上壁側から運動台下壁18側へ向けて敷設する。この玉転がしレバー5には2つ役割があって、1つ目の役目は足20を上げ下げするストレッチ運動で、膝に接して足上げに運動負荷を加える錘(おもり)の役目である。このため玉転がしレバー5は、運動負荷をつくるため重量ある厚めの材料で作る。2つ目の役目は、ゲームするとき、ゲーム玉14を上に載せて運動台の中央に広がるゲーム盤面に送り出す花道(はなみち)の役目である。ゲーム玉14のサイズは直径2cm強の木球、またはガラス球、またはゴム球であるので、玉転がしレバー5は幅3~4センチと幅狭でよい。なお転がるゲーム玉14が玉転がしレバー5から落ちないよう、玉転がしレバー5にゲーム玉14が走る溝を掘る、又は端に落下防止ガードを付けることがある。
【0012】
運動台の下壁側では運藤台下壁18を部分開口して下壁開口窓8を作り、そこを通して、玉転がしレバー5左右を函外の運動する人19位置まで伸ばして敷設する。開口寸法は転がしレバー5が上下動する寸法である。このように玉転がしレバー5は下部が上下動するので、レバー上端は定点として動かないように蝶番6で床にしっかり固定する。
【0013】
運動する人19位置まで伸ばして敷設した上下動する左右玉転がしレバー5下端に、伸縮棒15を付ける。伸縮棒15を付ける理由は、運動する人19の膝の高低によって玉転がしレバー5と人19の膝までの距離が異なり、これを伸縮棒15の伸縮によって調整するためである。
【0014】
これら一連の構成で重みある玉転がしレバー5を、座した姿勢で左右の膝を上げ下げして運動負荷あるストレッチ運動を行うことができる。もちろん座した姿勢だけでなく、
図2で示すようにこれを立った姿勢で行うことも可能である。
【0015】
次にこの発明の肝である、運動台でゲームを行う構成を説明する。ここからの説明は、特に
図6を見ていただくと理解しやすい。さてゲームではゲーム玉14をゲーム本舞台の運動台中央に送り出すのに、左右玉転がしレバー5を花道として使うことは前記11項で述べた。このため玉転がしレバー5の上壁寄りをゲーム玉14の出発地点として、該地点に、ゲーム玉14を玉保管ケース11から突いて取り出すプッシュ棒10をレバーと垂直に立てる。プッシュ棒10の直径は、ゲーム玉14の下部一部分を突くだけなので、ゲーム玉14の直径より小さくてよい。
【0016】
次に前記立てた左右プッシュ棒10の上空域に、玉直方体小箱の玉保管ケース11を置く。小箱の中にゲーム玉14を複数個保管し、下に置く出発地点のプッシュ棒10位置にゲーム玉14を補給するのである。保管する玉が後述する溝穴12に転がるよう勾配の山側を座る人19側にして、これを運動台の左右横壁に取り付ける。
【0017】
前記玉保管ケース11の底面に、プッシュ棒10の径をやや超える寸法、しかしゲーム玉14の径を越えない寸法で、円形の溝穴12を開口する。この穴は、玉保管ケース11を下からプッシュ棒10で突くための穴である。すなわちこの溝穴12に半身をいれて待機するゲーム玉14に、プッシュ棒10が溝穴12に入ってこれを突き、ゲーム玉14を玉転がしレバー5に落とす。これを
図6で説明すると、図上の玉保管ケース11は4個のゲーム玉14を保管しているが、いまプッシュ棒10が玉転がしレバー持ち上げによって1個の玉を突き、玉がゲーム盤面に落下しつつある。図下では玉の出発を果たしたプッシュ棒10は溝穴12に沈んで、出来た空洞に次のゲーム玉14が入玉すべく動いている。
【0018】
これら一連の構成で、前述したストレッチ運動の足20上げ下げで、ゲーム玉14が運動台中央のゲーム盤面に向うゲーム機能を創る。向かった先のゲーム盤面では、転がったゲーム玉14がゲーム釘13によって、アウト玉またはセーフ玉となり、面白いスマートボールゲームができる。
【0019】
以上より、このゲーム機能付き運動台を家族の夕食後の食事テーブルに置き、一家で順に足ストレッチとスマートボールをする。冒頭述べたように、家族それぞれが様々な健康リスクを抱えており、これを回避するため、家族夕食後にこの運動具使用によるストレッチを習慣づけるのである。運動具に付けた面白いゲームに引かれ、ストレッチ運動が一家の習慣となる。
【0020】
請求項2を
図3、4、6で説明する。請求項2の運動台は、請求項1の如く玉転がしレバー5を函外に伸ばさない。請求項2では、玉転がしレバー5敷設は左右運動台下壁までに留める。留まった運動台下壁側に紐7を付け、紐先を運動する人9に向ける。運動する人9は、紐付帯のグリップ9を手の上腕や足の太ももに巻いて、紐7を引き又緩めてストレッチ運動とスマートボールゲームをする。その時の姿勢は、
図3の椅子3に座った姿勢又は
図4の立った姿勢のどちらでもよい。
【0021】
長い紐7がスムースに動くように、縄7は運動台下壁18に立ち上げたポール22に開けた穴を通して手の上腕や足の太ももに取り付ける。ちょうどリール付き釣り竿の釣り糸を、竿先端の輪っかを通すことによってスムースに伸ばし縮めする如くにする。
【0022】
以上の構成をもって、座った又は立った運動者がグリップ付き長紐を太ももや上腕に巻いてこれを動かすことにより、ストレッチ運動をする機能とゲーム遊びをする機能を創る。
【産業上の利用可能性】
【0023】
運動台に従来にない付加価値で、トレーニングする家族はもちろん、スポーツクラブやリハビリサービスなど運動を伴う業種に、登録者増をもたらす。
【符号の説明】
【0024】
1 テーブル 2 テーブル脚
3 椅子 4 傾斜脚
5 玉転がしレバー 6 蝶番
7 紐 8 下壁開口窓
9 グリップ 10 プッシュ棒
11 玉保管ケース 12 溝穴
13 ゲーム釘 14 ゲーム玉
15 伸縮棒 16 引出線
17 運動台左壁 18 運動台下壁
19 人 20 足
21 手 22 ポール
23 上図(ゲーム玉発射)から下図(ゲーム玉充填)への流れを示す矢印