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特開2022-96573自己定義ネットワークのカバレッジを最適化する基地局及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022096573
(43)【公開日】2022-06-29
(54)【発明の名称】自己定義ネットワークのカバレッジを最適化する基地局及び方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 16/18 20090101AFI20220622BHJP
   H04W 24/10 20090101ALI20220622BHJP
   H04W 92/20 20090101ALI20220622BHJP
【FI】
H04W16/18
H04W24/10
H04W92/20
【審査請求】有
【請求項の数】28
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021018872
(22)【出願日】2021-02-09
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-05-02
(31)【優先権主張番号】17/124,509
(32)【優先日】2020-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.3GPP
(71)【出願人】
【識別番号】390023582
【氏名又は名称】財團法人工業技術研究院
【氏名又は名称原語表記】INDUSTRIAL TECHNOLOGY RESEARCH INSTITUTE
【住所又は居所原語表記】No.195,Sec.4,ChungHsingRd.,Chutung,Hsinchu,Taiwan 31040
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100170597
【弁理士】
【氏名又は名称】松村 直樹
(72)【発明者】
【氏名】杜 冠賢
(72)【発明者】
【氏名】▲チャン▼ 村杰
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067EE02
5K067EE10
5K067EE53
(57)【要約】
【課題】
本開示の実施形態は、第1ユーザー機器にサービスを提供する第1特定基地局に適合する自己定義ネットワークカバレッジ最適化方法を供する。
【解決手段】
当該方法は、ユーザー機器から測定レポートを受け取る段階と、前記第1基地局に隣接する基地局が存在することを前記測定レポートが示唆するという判断に応じて前記第1基地局へ第1メンバー追跡メッセージを送る段階と、前記第1基地局が他の任意の基地局群に属するか否かを前記第1基地局からのメンバー追跡応答に基づいて判断する段階と、前記第1基地局が他の任意の基地局群に属していないという判断に応じて前記第1基地局を、前記基地局によって管理されている基地局群へ追加する段階と、前記第1基地局が他の基地局群に属しているという判断に応じて前記基地局群と前記他の基地局群とを併合する段階、を有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基地局群を管理して、第1ユーザー機器にサービスを提供する第1特定基地局に適合する自己定義ネットワークカバレッジ最適化方法であって、
前記第1ユーザー機器から第1測定レポートを受け取る段階と、
前記第1基地局に隣接する基地局が存在することを前記第1測定レポートが示唆するという判断に応じて前記第1基地局へ第1メンバー追跡メッセージを送り、前記第1基地局は前記第1メンバー追跡メッセージに応じて前記第1特定基地局へ第1メンバー追跡応答を送る段階と、
前記第1基地局が他の任意の基地局群に属するか否かを前記第1メンバー追跡応答に基づいて判断する段階と、
前記第1基地局が他の任意の基地局群に属していないという判断に応じて前記第1基地局を前記第1基地局群へ追加する段階と、
前記第1基地局が第2基地局群に属していることを前記第1メンバー追跡応答が示唆するという判断に応じて前記第1基地局群と前記第2基地局群とを統合する段階、
を有す方法。
【請求項2】
前記第1基地局へ前記第1メンバー追跡メッセージを送る前に、
前記第1基地局の第1識別子を報告するように前記第1ユーザー機器に要求する段階と、
前記第1識別子に基づいてコアネットワークから前記第1基地局のIPアドレスを要求する段階と、
前記第1基地局の前記IPアドレスに基づいて前記第1基地局との隣接関係メンバー追跡応答を確立する段階、
を有する、請求項1に記載の自己定義ネットワークカバレッジ最適化方法。
【請求項3】
前記第1測定レポートが隣接する基地局が存在しないことを示唆しているという判断に応じて前記第1特定基地局の送信出力を増大させる段階をさらに有する、請求項1に記載の自己定義ネットワークカバレッジ最適化方法。
【請求項4】
前記第1メンバー追跡応答が、前記第1基地局が属する基地局のカテゴリーと、前記第1基地局に隣接する基地局のリストと、前記第1基地局の第1群のリストを含み、
前記基地局のカテゴリーは端部基地局のカテゴリー又は内部基地局のカテゴリーを含む、
請求項1に記載の自己定義ネットワークカバレッジ最適化方法。
【請求項5】
前記第1基地局の前記第1群のリストが空であるという判断に応じて、前記第1基地局がどの基地局群にも属していないと判断する段階をさらに有する、請求項4に記載の自己定義ネットワークカバレッジ最適化方法。
【請求項6】
前記第1特定基地局が第1特定群のリストを含み、
前記第1特定群のリストは、前記第1基地局群の少なくとも1つの第1メンバー基地局と、前記第1基地局群を管理する前記第1特定基地局を含み、
前記第1基地局群と前記第2基地局群とを併合する段階は、
前記第1基地局の前記群のリストが空でないという判断に応じて、前記第1メンバー追跡応答に基づいて、前記第2基地局群の少なくとも1つの第2メンバー基地局と、前記第2基地局群を管理する第2特定基地局を取得する段階と、
前記第1特定群のリスト内の第1基地局数が前記第2特定群のリスト内の第2基地局数よりも大きいという判断に応じて、前記第2特定基地局へ第1群併合要求を送り、前記第2特定基地局は前記第1群併合要求に応じて第1群併合応答を送る段階と、
前記第1群併合応答を受け取り、かつ、前記第1基地局群の前記群のリストと前記第1特定群のリストに基づいて、前記第1基地局群と前記第2基地局群とを、前記第1特定基地局によって管理される第3基地局群に併合する段階、
を有し、
前記第3基地局群は、前記少なくとも1つの第1メンバー基地局と、前記少なくとも1つの第2メンバー基地局と、前記第1特定基地局と、前記第2特定基地局を含む、
請求項1に記載の自己定義ネットワークカバレッジ最適化方法。
【請求項7】
前記第1特定群のリスト内の前記第1基地局数が前記第2特定群のリスト内の前記第2基地局数以下であるという判断に応じて、前記第1基地局群と前記第2基地局群とを、前記第2特定基地局によって管理される前記第3基地局群に併合する段階をさらに有する請求項6に記載の自己定義ネットワークカバレッジ最適化方法。
【請求項8】
前記第1基地局が第1群のリストを有し、
前記第1特定基地局は第1特定群のリストを有し、
前記第1特定群のリストは、前記第1基地局群の少なくとも1つの第1メンバー基地局と、前記第1基地局群を管理する前記第1特定基地局を含み、
前記第1基地局を前記第1基地局群へ追加する段階は、
前記第1基地局を前記第1特定基地局群のリストへ追加して前記第1特定基地局群のリストを更新する段階と、
前記第1基地局を前記少なくとも1つの第1メンバー基地局のうちの一つとみなし、かつ、前記少なくとも1つの第1メンバー基地局の各々へ第1更新メッセージを送る段階、
を有し、
前記第1更新メッセージは前記の更新された群のリストを含み、
前記第1更新メッセージは、前記の更新された第1特定群のリストに従って、前記少なくとも1つの第1メンバー基地局の各々へ前記少なくとも1つの第1メンバー基地局の各々の前記群のリストを更新するように要求するように構成される、
請求項1に記載の自己定義ネットワークカバレッジ最適化方法。
【請求項9】
前記第1基地局群が第2基地局を含み、
前記第2基地局が干渉条件を満たしていることを前記第1測定レポートが示唆しているという判断に応じて、前記第2基地局へ第1干渉制御メッセージを送る段階をさらに有し、
前記第1干渉制御メッセージは、前記第1特定基地局に対する前記第2基地局の干渉レベルを示唆し、
前記第2基地局は、前記第1干渉制御メッセージによって示唆される前記干渉レベルに応じて前記第2基地局の前記送信出力を維持又は減少する、
請求項1に記載の自己定義ネットワークカバレッジ最適化方法。
【請求項10】
前記第1特定基地局は第1特定群のリストを有し、
前記第1特定群のリストは、前記第1基地局群の少なくとも1つの第1メンバー基地局と、前記第1基地局群を管理する前記第1特定基地局を含み、
第1特定群のリスト内の端部基地局数が数の閾値未満である、あるいは前記少なくとも1つの第1メンバー基地局の各々が前記送信出力の調節を拒否しないという判断に応じて、前記少なくとも1つの第1メンバー基地局の各々に出力制御メッセージを介して前記送信出力を増大させるように要求する段階
をさらに有する、請求項1に記載の自己定義ネットワークカバレッジ最適化方法。
【請求項11】
前記第1特定基地局は第1特定群のリストを有し、
前記第1特定群のリストは、前記第1基地局群の少なくとも1つの第1メンバー基地局と、前記第1基地局群を管理する前記第1特定基地局を含み、
前記少なくとも1つの第1メンバー基地局の各々へ第2メンバー追跡メッセージを送り、前記少なくとも1つの第1メンバー基地局の各々は、前記第2メンバー追跡メッセージに応じて前記第1特定基地局へ対応第2メンバー追跡応答を送る段階と、
前記少なくとも1つの第1メンバー基地局の第1特定メンバー基地局から前記対応第2メンバー追跡応答を受け取れない回数が所定回数に達したという判断に応じて、前記第1特定メンバー基地局を前記第1基地局群から除去する段階、
をさらに有する、請求項1に記載の自己定義ネットワークカバレッジ最適化方法。
【請求項12】
前記第1特定群のリストは、前記第1基地局群の少なくとも1つの第1メンバー基地局と、前記第1基地局群を管理する前記第1特定基地局を含み、
前記第1特定群のリストは、前記少なくとも1つの第1メンバー基地局と前記第1特定基地局との間での接続性をさらに含み、
前記第1特定メンバー基地局を前記第1基地局群から除去する段階の後に、
前記少なくとも1つの第1メンバー基地局と前記第1特定基地局との間での接続性に基づいて前記少なくとも1つの第1メンバー基地局のうちの前記第1特定基地局に依然として接続されている少なくとも1つの第2メンバー基地局を探す段階と、
前記少なくとも1つの第2メンバー基地局に基づいて前記第1基地局群に対応する前記第1特定群のリストを更新する段階と、
前記少なくとも1つの第2メンバー基地局の各々へ第2更新メッセージを送る段階、
をさらに有し、
前記第2更新メッセージは前記の更新された第1特定群のリストを含み、
前記第2更新メッセージは、前記少なくとも1つの第2メンバー基地局の各々へ、前記の更新された第1特定群のリストに従って前記少なくとも1つの第2メンバー基地局の各々の群のリストを更新するように要求するように構成される、
請求項11に記載の自己定義ネットワークカバレッジ最適化方法。
【請求項13】
前記第1特定基地局は第1特定群のリストと第1隣接基地局のリストを有し、
前記第1特定基地局が移動状態に設定されたという判断に応じて、前記第1特定群のリストと前記第1隣接基地局のリストを消去して、前記第1特定基地局の前記送信出力を所定の値に復元する段階、
をさらに有する、請求項1に記載の自己定義ネットワークカバレッジ最適化方法。
【請求項14】
前記第1基地局の位置が前記第1特定基地局に知られていない、請求項1に記載の自己定義ネットワークカバレッジ最適化方法。
【請求項15】
第3基地局群を管理する第3特定基地局からの第2群併合要求を受け取ったことに応じて、前記第1基地局群と前記第3基地局群を併合する段階をさらに有する、請求項1に記載の自己定義ネットワークカバレッジ最適化方法。
【請求項16】
第1基地局に適合する自己定義ネットワークカバレッジ最適化方法であって、
第1基地局群を管理する第1特定基地局から前記送受信器を介して第1メンバー追跡メッセージを受け取る段階と、
前記第1メンバー追跡メッセージに応じて前記第1特定基地局へ第1メンバー追跡応答を送る段階と、
を有し、
前記第1メンバー追跡応答が、前記第1基地局が属する基地局のカテゴリーと、前記第1基地局に隣接する基地局のリストと、前記第1基地局の第1群のリストを含み、
前記基地局のカテゴリーは端部基地局のカテゴリー又は内部基地局のカテゴリーを含み、
前記第1基地局の位置は前記第1特定基地局に知られていない、
方法。
【請求項17】
前記第1基地局の前記群のリストが空であるという判断に応じて、前記第1特定基地局から第1更新メッセージを受け取る段階を有する請求項16に記載の自己定義ネットワークカバレッジ最適化方法であって、
前記第1更新メッセージは前記第1基地局群に対応する第1特定群のリストを含み、
前記第1更新メッセージは、前記第1特定群のリストに従って前記第1群のリストを更新するように前記第1基地局に要求するように構成される、
方法。
【請求項18】
前記第1基地局が前記第1基地局群に属し、かつ、特定ユーザー機器へサービスを提供し、
前記第1基地局群は第1メンバー基地局をさらに有し、
前記第1群のリストは、前記第1基地局の第1端部基地局ホップ数を記録し、
前記第1メンバー基地局の前記群のリストは、前記第1メンバー基地局の第2端部基地局ホップ数を記録し、
前記特定ユーザー機器から特定測定レポートを受け取る段階と、
前記特定ユーザー機器が干渉条件を満たしていることを前記特定測定レポートが示唆しているという判断に応じて、前記第1端部基地局ホップ数が第2端部基地局ホップ数よりも多いのか否かを判断する段階と、
前記第1端部基地局ホップ数が第2端部基地局ホップ数よりも多いという判断に応じて、前記第1基地局に対する前記第1メンバー基地局の干渉レベルを示唆する干渉制御メッセージを前記第2基地局へ送る段階と、
前記第1端部基地局ホップ数が第2端部基地局ホップ数以下であるという判断に応じて、前記第1基地局の送信出力を減少又は維持する段階、
をさらに有する、
請求項16に記載の自己定義ネットワークカバレッジ最適化方法。
【請求項19】
前記第1基地局が前記第1基地局群に属し、
前記第1基地局群は第1メンバー基地局をさらに有し、
前記第1メンバー基地局に対する前記第1基地局の干渉レベルを示唆する干渉制御メッセージを前記第1メンバー基地局が受け取ったことに応じて、前記干渉制御メッセージと過去の干渉制御メッセージとの間の期間が第1所定期間を超えたのか否かを判断する段階と、
前記第1メンバー基地局と前記干渉制御メッセージによって示唆される前記干渉レベルを前記第1基地局の干渉リストに記録する段階と、
前記干渉制御メッセージと前記過去の干渉制御メッセージとの間の期間が前記第1所定期間を超えたという判断に応じて、前記干渉制御メッセージによって示唆される前記干渉レベルに従って前記第1基地局の前記送信出力を減少又は維持する段階と、
前記干渉制御メッセージと前記過去の干渉制御メッセージとの間の期間が前記第1所定期間を超えていないという判断に応じて、前記干渉制御メッセージを無視する段階、
をさらに有する、
請求項16に記載の自己定義ネットワークカバレッジ最適化方法。
【請求項20】
前記第1特定基地局からの電力制御メッセージの受け取りに応じて、前記第1基地局の前記干渉リストが空であるのか否かを判断する段階と、
前記第1基地局の前記干渉リストが空であるという判断に応じて、前記第1基地局の前記送信出力を増大させる段階と、
前記第1基地局の前記干渉リストが空でないという判断に応じて、前記第1基地局の前記送信出力を調節しない段階
をさらに有する、請求項19に記載の自己定義ネットワークカバレッジ最適化方法。
【請求項21】
前記第1メンバー基地局が故障したという判断に応じて、前記第1メンバー基地局を前記第1基地局の前記干渉リストから除去する段階をさらに有する、請求項19に記載の自己定義ネットワークカバレッジ最適化方法。
【請求項22】
前記第1基地局が前記第1基地局群に属し、かつ、前記第1基地局群のバックアップマネージャ基地局で、
前記第1特定基地局からメンバー追跡応答を受け取れない期間が第2所定期間に達したという判断に応じて、前記第1基地局群の管理を開始する段階をさらに有する、
請求項19に記載の自己定義ネットワークカバレッジ最適化方法。
【請求項23】
前記第1基地局が前記第1基地局群に属し、かつ、前記端部基地局のカテゴリーに属し、
前記第1基地局群が複数の部分基地局群に分割されたことを前記第1特定基地局からの更新メッセージが示唆しているという判断に応じて、前記複数の部分基地局群の中から前記第1基地局が属する特定部分基地局群を探す段階と、
前記第1基地局が特定の条件を満たしているのか否かを判断する段階と、
前記第1基地局が前記特定の条件を満たしているという判断に応じて、前記特定部分基地局群の管理を開始する段階と、
前記第1基地局が前記特定の条件を満たしていないという判断に応じて、前記特定部分基地局群の管理を行わない段階
をさらに有する、請求項19に記載の自己定義ネットワークカバレッジ最適化方法。
【請求項24】
前記第1群のリストが空ではないことに応じて、前記第1基地局の前記第1群のリストは、前記第1基地局が属し、かつ、第2基地局群の第2特定基地局を管理する前記第2基地局群の少なくとも1つの第2メンバー基地局を示唆する、請求項16に記載の自己定義ネットワークカバレッジ最適化方法。
【請求項25】
前記第1基地局が移動状態に設定されたという判断に応じて、前記第1群のリストと前記第1基地局の隣接基地局のリストを消去して、前記第1基地局の前記送信出力を所定の値に復元する段階をさらに有する、請求項16に記載の自己定義ネットワークカバレッジ最適化方法。
【請求項26】
前記第1基地局群を管理する前記第1特定基地局が端部基地局のカテゴリーに属し、かつ、
前記第1基地局は、前記端部基地局のカテゴリー又は内部基地局のカテゴリーに属する、
請求項16に記載の自己定義ネットワークカバレッジ最適化方法。
【請求項27】
第1ユーザー機器にサービスを提供し、かつ、第1基地局群を管理する基地局であって、
プログラムコードを記憶する記憶回路と、
送受信器と、
前記記憶回路及び前記送受信器と結合する処理装置、
を備え、
前記処理装置は、
前記第1ユーザー機器から第1測定レポートを受け取る段階と、
前記第1基地局に隣接する基地局が存在することを前記第1測定レポートが示唆するという判断に応じて前記第1基地局へ第1メンバー追跡メッセージを送り、前記第1基地局は前記第1メンバー追跡メッセージに応じて前記第1特定基地局へ第1メンバー追跡応答を送る段階と、
前記第1基地局が他の任意の基地局群に属するか否かを前記第1メンバー追跡応答に基づいて判断する段階と、
前記第1基地局が他の任意の基地局群に属していないという判断に応じて前記第1基地局を前記第1基地局群へ追加する段階と、
前記第1基地局が第2基地局群に属していることを前記第1メンバー追跡応答が示唆するという判断に応じて前記第1基地局群と前記第2基地局群とを統合する段階、
を実行するようにプログラムコードをロードする、
基地局。
【請求項28】
プログラムコードを記憶する記憶回路と、
送受信器と、
前記記憶回路及び前記送受信器と結合する処理装置、
を備える基地局であって、
前記処理装置は、
第1基地局群を管理する第1特定基地局から第1メンバー追跡メッセージを受け取るように前記送受信器を制御する段階と、
前記第1メンバー追跡メッセージに応じて前記第1特定基地局へ第1メンバー追跡応答を送るように前記送受信器を制御する段階と、
を実行するようにプログラムコードをロードし、
前記第1メンバー追跡応答が、前記第1基地局が属する基地局のカテゴリーと、前記第1基地局に隣接する基地局のリストと、前記第1基地局の第1群のリストを含み、
前記基地局のカテゴリーは端部基地局のカテゴリー又は内部基地局のカテゴリーを含み、
前記基地局のカテゴリーは端部基地局のカテゴリー又は内部基地局のカテゴリーを含み、
前記第1基地局の位置は前記第1特定基地局に知られていない、
基地局。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は自己定義ネットワークのカバレッジを最適化する基地局及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
第5世代(5G)通信システムでは、移動体基地局(BS)の自己定義ネットワークについての最も広く知られた問題は信号カバレッジの最適化である。これは複雑で、かつ、使用者の経験に直接関連する。たとえ自己定義ネットワーク内の各基地局のカバレッジが小さすぎる(つまり各基地局が持つ伝送出力が小さい)場合、カバレッジ全体の中にカバレッジホールが存在する恐れがある。カバレッジホールの存在によって、そのカバレッジホール内に位置するユーザー機器(UE)は、ネットワークへの接続が不可能になってしまう。しかし自己定義ネットワーク内の各基地局のカバレッジが大きすぎる(つまり各基地局が持つ伝送出力が大きい)場合、基地局間での深刻な干渉が起こる恐れがある。
【0003】
現在信号カバレッジを最適化するために広く採用されている解決策は、複雑な人工知能(AI)アルゴリズム、高性能のハードウエア、及び広域的視野(つまり基地局とUEの位置情報が基地である)を備える集中サーバを用いることである。そのような集中サーバは、完全な解を直接計算して、その解を多数の基地局に設定することができる。
【0004】
近年での5Gプライベートネットワーク用途の急速な発展によって、少数の基地局を用いる小規模屋内ネットワーク用途が増えている。上述の高性能集中サーバは主として、再規模ネットワーク用に設計されている。上述の高性能集中サーバは最大で数万の基地局を同時に処理してサービスを提供できるものの、非常に高価であるため少数の基地局へサービスを提供するのには理想的ではない。
【0005】
小規模プライベートネットワーク用途では存在する基地局はそれほど多くないので、ほとんどの小規模プライベートネットワーク用途は、ネットワーク用分散型アルゴリズムを用いる傾向にあり、かつ、管理サーバはコストを減少させるために経済的な仕様を有する(たとえば最も単純な管理インターフェースしか備えない)ことも考えられ得る。
【発明の概要】
【発明が解決する課題】
【0006】
周知の製造事業者及び学術機関によって現在提案されている分散型信号カバレッジ最適化アルゴリズムでは、UEの位置、BSの位置、及びUEの測定レポートが重要な要素である。しかしそのような方法は、集中サーバの作業を単純に基地局へ移管しただけである。そのような作業の移行は、より制約のあるハードウエアを用いて複雑なAIの計算を完了させるだけではなく、デバイスの位置情報を収集する作業及び基地毎の設定の実行する作業を加えることになる。
【0007】
従ってUEの位置とBSの位置を必要とせずに単純にUE測定レポートに基づいて実現可能な低コスト分散型信号カバレッジ最適化機構をどのように設計するのは重要な問題である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の実施形態は、第1ユーザー機器にサービスを提供する第1特定基地局に適合する自己定義ネットワークカバレッジ最適化方法を供する。前記第1特定基地局は第1基地局群を管理する。当該自己定義ネットワークカバレッジ最適化方法は、前記第1ユーザー機器から第1測定レポートを受け取る段階と、前記第1基地局に隣接する基地局が存在することを前記第1測定レポートが示唆するという判断に応じて前記第1基地局へ第1メンバー追跡メッセージを送り、前記第1基地局は前記第1メンバー追跡メッセージに応じて前記第1特定基地局へ第1メンバー追跡応答を送る段階と、前記第1基地局が他の任意の基地局群に属するか否かを前記第1メンバー追跡応答に基づいて判断する段階と、前記第1基地局が他の任意の基地局群に属していないという判断に応じて前記第1基地局を前記第1基地局群へ追加する段階と、第1基地局が第2基地局群に属していることを前記第1メンバー追跡応答が示唆するという判断に応じて前記第1基地局群と前記第2基地局群とを統合する段階を有する。
【0009】
本開示の実施形態は、第1基地局に適合する自己定義ネットワークカバレッジ最適化方法を供する。当該自己定義ネットワークカバレッジ最適化方法は、第1基地局群を管理する第1特定基地局から第1メンバー追跡メッセージを受け取る段階と、前記第1メンバー追跡メッセージに応じて前記第1特定基地局へ第1メンバー追跡応答を送る段階を有する。前記第1メンバー追跡応答は、前記第1基地局が属する基地局のカテゴリーと、前記第1基地局の隣接基地局リストと、前記第1基地局の第1群リストを含む。前記基地局のカテゴリーは端部基地局カテゴリー又は内部基地局カテゴリーを含む。前記第1基地局の位置は前記第1特定基地局には知られていない。
【0010】
本開示の実施形態は、第1ユーザー機器にサービスを提供し、かつ、第1基地局群を管理する基地局を供する。当該基地局は記憶回路と、送受信器と、処理装置を有する。前記記憶回路はプログラムコードを記憶する。前記処理装置は、前記記憶回路と前記送受信器に結合され、前記プログラムコードをロードして、前記送受信器を介して前記第1ユーザー機器から第1測定レポートを受け取る段階と、前記第1基地局に隣接する基地局が存在することを前記第1測定レポートが示唆するという判断に応じて前記送受信器を介して前記第1基地局へ第1メンバー追跡メッセージを送り、前記第1基地局は前記第1メンバー追跡メッセージに応じて前記第1特定基地局へ第1メンバー追跡応答を送る段階と、前記第1基地局が他の任意の基地局群に属するか否かを前記第1メンバー追跡応答に基づいて判断する段階と、前記第1基地局が他の任意の基地局群に属していないという判断に応じて前記第1基地局を前記第1基地局群へ追加する段階と、前記第1基地局が他の任意の基地局群に属していないという判断に応じて前記第1基地局を前記第1基地局群へ追加する段階と、第1基地局が第2基地局群に属していることを前記第1メンバー追跡応答が示唆するという判断に応じて前記第1基地局群と前記第2基地局群とを統合する段階を実行する。
【0011】
本開示の実施形態は、記憶回路と、送受信器と、処理装置を有する基地局を供する。前記記憶回路はプログラムコードを記憶する。前記処理装置は、前記記憶回路と前記送受信器に結合され、前記プログラムコードをロードして、第1基地局群を管理する第1特定基地局から前記送受信器を介して第1メンバー追跡メッセージを受け取る段階と、前記第1メンバー追跡メッセージに応じて前記送受信器を介して前記第1特定基地局へ第1メンバー追跡応答を送る段階を実行する。前記第1メンバー追跡応答は、前記第1基地局が属する基地局のカテゴリーと、前記第1基地局の隣接リストと、前記第1基地局の第1群リストを含む。前記基地局のカテゴリーは端部基地局カテゴリー又は内部基地局カテゴリーを含む。前記第1基地局の位置は前記第1特定基地局には知られていない。
【発明の効果】
【0012】
本開示の方法は、各マネージャ基地局に、前記基地局の位置と前記UEの位置を知ることなく分散型の方法で前記UEによって供される前記測定レポートに基づいて各メンバー基地局の伝送出力を徐々に調節させることを可能にする。その結果生成される全体のカバレッジは、カバレッジホールと干渉の少ない状態でサービス範囲を良好に網羅する。このようにして前記ユーザー機器には、低コストで良好な伝送経験が供される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
添付図面は、本開示をさらに理解するために含まれ、本明細書に含まれてその一部を構成する。図面は、本開示の典型的実施形態を表し、かつ、本開示の原理を説明する役割を担う。
図1A】本開示の実施形態による自己定義ネットワークカバレッジの最適化を示す概略図である。
図1B図1Aによる複数の基地局群と対応する群のリストを示す概略図である。
図2】本開示の実施形態による自己定義ネットワークのカバレッジを最適化する方法を示すフローチャートである。
図3】A~Vは、本開示の様々な実施形態による用途のシナリオを示す図である。
図4】A~Fは、本開示の第1実施形態による内部基地局が除去された用途のシナリオを示す図である。
図5】A~Eは、本開示の第2実施形態による内部基地局が追加された用途のシナリオを示す図である。
図6】A~Dは、本開示の第3実施形態による内部基地局が動かされた用途のシナリオを示す図である。
図7】A~Cは、本開示の第4実施形態による端部基地局がシャットダウンされた用途のシナリオを示す図である。
図8】A~Hは、本開示の第5実施形態による端部基地局が追加された用途のシナリオを示す図である。
図9】A~Hは、本開示の第6実施形態による端部基地局が動かされた用途のシナリオを示す図である。
図10】本開示の実施形態による基地局の機能ブロック図である。
図11】本開示の実施形態による自己定義ネットワークのカバレッジを最適化する方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
簡潔に述べると、本開示で提案される方法は、サービス領域の外側端部から端部基地局カテゴリーに属する端部基地局又は内部基地局カテゴリーに属する内部基地局を介して分散的に内側へ向かう基地局(BS)の伝送出力を徐々に調節することに適用可能である。このようにしてサービス領域内の基地局は、隣接関係で相互に接続可能な多数の端部基地局を介して相互干渉を引き起こすことなくそのサービス領域のカバレッジ比を推定することが可能となる。カバレッジ比の推定は、自己定義ネットワークのカバレッジの設定を調節するためのそのサービス領域の信号カバレッジの定量的指標として機能し得る。詳細は以降で説明する。
【0015】
図1Aを参照すると、図1Aは、本開示の実施形態による自己定義ネットワークのカバレッジの最適化を示す概略図である。図1Aのシナリオでは、サービス範囲199は、端部基地局カテゴリーに属する基地局e1~e4(各々は端部基地局と指称されてよい。)の位置によって定義される。他の実施形態では、関連ネットワークの管理者は、サービス範囲199の決定後にサービス範囲199の端部で基地局e1~e4を配置してもよい。しかし本開示はそれに限定されない。内部基地局カテゴリーに属する基地局i1~i5(各々は内部基地局と指称されてよい。)はサービス範囲199内に配置される。
【0016】
本開示の実施形態では、基地局e1~e4と基地局i1~i5の位置は他の基地局に知られていない。それに加えて、サービス範囲199の内部/外部に位置するユーザー機器(UE)の位置もまた、基地局e1~e4と基地局i1~i5には知られていない。
【0017】
初期段階において基地局e1~e4と基地局i1~i5がまさに開始されるとき、基地局e1~e4と基地局i1~i5の各々は所定値(たとえば0dbm)の伝送出力(txpowerで表される。)を用いてよく、かつ、基地局e1~e4と基地局i1~i5の各々に対応する伝送範囲(つまり基地局e1~e4と基地局i1~i5の各々を取り囲む円)が図1Aの左半分に示されている。
【0018】
時間が経過することで、本開示の方法は、基地局e1~e4と基地局i1~i5の各々に、それぞれ対応して伝送出力を改善するように調節させることを可能にする。その結果、基地局e1~e4と基地局i1~i5によって生成される全体のカバレッジは、たとえば図1Aの右半分に指名されているようにサービス範囲199を良好に(たとえばカバレッジホールが生じず、かつ、基地局間での過剰な干渉が存在しないように)網羅する。
【0019】
本開示の実施形態では、各基地局は、群のリスト、隣接基地局リスト、及びそれに対応する干渉リストを保存してよい。たとえば参考基地局群に属する参考基地局については、参考基地局によって保存される群のリストは、参考基地局群内の各メンバー基地局(端部基地局カテゴリーに属する端部基地局であってよいし、あるいは内部基地局カテゴリーに属する内部基地局であってもよい。)、基地局群を管理する特定の基地局(端部基地局カテゴリーに属する端部基地局)の関連情報(たとえばセルグローバル識別子(CGI))、端部基地局に対するホップ数(以降では端部基地局ホップ数と指称する。)、参考基地局群内の他の基地局との接続性、及び基地局群内での役割(たとえばマネージャ基地局又はメンバー基地局)を記録し得るが、これらに限定されない。
【0020】
さらに参考基地局の干渉リストは、参考基地局群内の他の基地局(以降では妨害基地局と指称する。)に対する参考基地局の干渉情報-たとえば各妨害基地局のCGIと各妨害基地局に対する参考基地局の干渉レベル(たとえば干渉のおそれ/強い干渉)-を記録し得るが、これらに限定されない。ある実施形態では、ある基地局の干渉リストの形式は下の表1に示されている。
【表1】
【0021】
さらに参考基地局の隣接基地局リストは、参考基地局と隣接関係を有する他の基地局の情報を記録し得る。参考基地局の隣接基地局リストに関連する説明は、3GPP TS 38.331で見つけることができるので、ここでは繰り返さない。
【0022】
図1Bを参照すると、図1Bは、図1Aによる複数の基地局群と対応する群のリストを示す概略図である。図1Bのシナリオはたとえば図1Aの左半分から図1Aの右半分への処理の1つであるが、それに限定されない。
【0023】
図1Bでは、基地局群G1は基地局e1,i1,i2を含み、かつ、基地局群G1に対応する群のリストGL1の内容は図1Bに示されている。本開示の実施形態では、同一の基地局群に属する各群のメンバーは同一の群リストを保持する。換言すると、基地局e1,i1,i2によって保持される群のリストは群のリストGL1と同一である。
【0024】
図1Bに示されているように、群のリストGL1は、基地局群G1の各群のメンバーと関連情報を記録し得る。端部基地局のカテゴリーに属する基地局e1を例にとると、群のリストGL1は、基地局e1の端部基地局のホップ数(基地局e1が端部基地局であるためホップ数は0である。)、基地局e1と他の群のメンバーとの接続性、及び基地局e1の役割を記録し得る。それに加えて、基地局e1は基地局i1,i2に直接接続されるので、基地局e1の接続性は“111”と表され得る。さらに、基地局e1は基地局群G1を管理する特定基地局と推定され、かつ、基地局e1の役割はマネージャ基地局と記され得る。
【0025】
内部基地局のカテゴリーに属する基地局i1を例にとると、群のリストGL1は、端部基地局(たとえば基地局e1)に対する基地局i1の端部基地局ホップ数、基地局i1と他の群のメンバーとの接続性、及び基地局i1の役割を記録し得る。それに加えて、基地局i1は基地局e1,i2に直接接続されるので、基地局i1の接続性は“111”と表され得る。それに加えて基地局i1は基地局e1によって管理されるので、基地局i1はメンバー基地局と記され得る。
【0026】
さらに、基地局群G2は基地局e2,i3,i4,e3を含むと推定され、かつ、基地局群G2に対応する群のリストGL2の内容は図1Bに示されている。基地局e2,i3,i4,e3によって保持される群のリストはすべて群のリストGL2と同一である。
【0027】
図1Bに示されているように、群のリストGL2は、基地局群G2の各群メンバーと関連情報を記録し得る。端部基地局のカテゴリーに属する基地局e2を例にとると、群のリストGL2は、基地局e2の端部基地局のホップ数(基地局e2が端部基地局であるためホップ数は0である。)、基地局e2と他の群のメンバーとの接続性、及び基地局e2の役割を記録し得る。それに加えて、基地局e2は基地局i4としか直接接続されていないので、基地局e1の接続性は“1010”と表され得る。しかも、基地局e2は基地局群G2を管理する特定基地局と推定され、かつ、基地局e2の役割はマネージャ基地局と記され得る。
【0028】
内部基地局のカテゴリーに属する基地局i3を例にとると、群のリストGL2は、端部基地局(たとえば基地局e2又は基地局e3)に対する基地局i3の端部基地局ホップ数、基地局i3と他の群のメンバーとの接続性、及び基地局i3の役割を記録し得る。それに加えて、基地局i3は基地局i4としか直接接続されていないので、基地局i3の接続性は“0110”と表され得る。それに加えて基地局i3は基地局e2によって管理されるので、基地局i3はメンバー基地局と記され得る。
【0029】
端部基地局のカテゴリーに属する基地局e3を例にとると、群のリストGL2は、基地局e3の端部基地局のホップ数(基地局e3が端部基地局であるためホップ数は0である。)、基地局e3と他の群のメンバーとの接続性、及び基地局e3の役割を記録し得る。それに加えて、基地局e3は基地局i4としか直接接続されていないので、基地局e3の接続性は“1011”と表され得る。それに加えて基地局e3は基地局群G2のバックアップマネージャ基地局であると推定されるので、基地局e3の役割はメンバー基地局(バックアップマネージャ基地局)と記され得る。バックアップマネージャ基地局の意味は後述する。
【0030】
図1Bに示されているように、群のリストGL3は、基地局群G3の各群メンバーと関連情報を記録し得る。端部基地局のカテゴリーに属する基地局e4を例にとると、群のリストGL3は、基地局e4の端部基地局のホップ数(基地局e4が端部基地局であるためホップ数は0である。)、基地局e4と他の群のメンバーとの接続性、及び基地局e4の役割を記録し得る。図1Bでは、基地局群G3は基地局e4しか含まないので、基地局e4の役割はマネージャ基地局と記され得る。図1Bの群のリストの他の内容の意味は、上述の教示から導かれ得るので、ここでは繰り返さない。
【0031】
本開示の実施形態では、本開示の方法を適切に実行するため、本開示は、以降の図2に示されているように、5つの特定のメッセージ/要求及びそれらに対応する応答メッセージを供する。
【表2-1】
【表2-2】
【表2-3】
【0032】
ある実施形態では、メンバー追跡メッセージの形式が下の表3に示されている。
【表3】
【0033】
ある実施形態では、メンバー追跡応答の形式が下の表4に示されている。
【表4】
【0034】
ある実施形態では、更新メッセージの形式が下の表5に示されている。
【表5】
【0035】
ある実施形態では、更新応答メッセージの形式が下の表6に示されている。
【表6】
【0036】
ある実施形態では、群の併合要求の形式が下の表7に示されている。
【表7】
【0037】
ある実施形態では、群の併合応答の形式が下の表8に示されている。
【表8】
【0038】
ある実施形態では、電力制御メッセージの形式が下の表9に示されている。
【表9】
【0039】
ある実施形態では、電力制御応答の形式が下の表10に示されている。
【表10】
【0040】
ある実施形態では、干渉制御メッセージの形式が下の表11に示されている。
【表11】
【0041】
ある実施形態では、干渉制御応答の形式が下の表12に示されている。
【表12】
【0042】
本開示の実施形態では、考慮される自己定義ネットワーク内の基地局間には、その基地局間で様々なメッセージ/応答を送信するのに用いられ得るネットワーク管理プロトコル接続が存在すると推定されるが、本開示はそれに限定されない。様々な実施形態では、上述のネットワーク管理プロトコル接続は、たとえばCPE WAN管理プロトコル(CWMP)、単純ネットワーク管理プロトコル(SNMP)、及びNetconfのようなプロトコルに基づいて確立され得るが、これらに限定されない。
【0043】
図2を参照すると、図2は、本開示の実施形態による自己定義ネットワークのカバレッジを最適化する方法を示すフローチャートである。この実施形態の方法は、任意の基地局群を管理する特定の基地局によって実行されてよい。理解を容易にするため、以降では図3A図3Vを参照しながら説明する。図3A図3Vは、本開示の様々な実施形態による用途シナリオを示す図である。
【0044】
図3Aでは、基地局e1が関連する初期化と開始処理を完了させたばかりで、基地局e1は基地局群G1のマネージャ基地局として予め設定される。つまり基地局e1は、基地局群G1を管理する特定基地局である。この場合では、基地局群G1の群のリストGL1は図3Aに示されている。前述したように、基地局e1は、所定値(たとえば0dbm)の送信出力の信号を送信する。
【0045】
ある実施形態では、UE311は基地局e1に配属されると推定される。なぜならUE311は基地局e1の送信範囲内に位置するからである。続いて基地局e1は、無線リソース制御(RRC)設定メッセージを介して隣接する基地局を検出して、対応する測定レポートを提供するようにUE311に要求してよい。関連する詳細は、5G仕様書で見ることができるので、ここでは繰り返さない。
【0046】
図3Bでは、基地局e1は、ユーザー機器UE311から測定レポートを受け取り、測定レポートに基づいて隣接する基地局が存在するのか否かを判断するステップS210を実行してよい。ある実施形態では、基地局e1は、UE311によって供される測定レポートが隣接する基地局が存在しないことを示唆すると判断し、続いてその判断に対応して送信出力を増大させる(たとえば2dbm)ことで、より多くのUEを網羅するように基地局e1の送信範囲を拡張し得ると推定される。
【0047】
図3Cでは、基地局e1が送信範囲を拡張した後に、他のUE312が基地局e1に配属される。続いて基地局e1は、ユーザー機器UE312にも測定レポートを提供するように要求し、ユーザー機器UE312からの測定レポート受け取るステップS210を実行し、測定レポートに基づいて隣接する基地局(以降、第1基地局と指称する。)が基地局e1付近に存在するのか否かを判断する。結果が存在を示唆するものであれば、基地局e1はそれに対応してステップS220を実行してよい。そうでなければ送信出力は再度増大し得る。
【0048】
ステップS220では、第1基地局が存在することをUE312の測定レポートが示唆するとの判断に応じて、基地局e1は、メンバー追跡メッセージ(つまりメッセージ1)を第1基地局へ送ってよい。
【0049】
ある実施形態では、UE312の測定レポートは第1基地局の物理セルID(PCI)を含み得るので、第1基地局e1は、RRC設定メッセージ第1基地局の識別子(たとえばCGI)を取得するようにUE312に要求してよい。
【0050】
UE312が第1基地局の識別子を報告した後、基地局e1は、第1基地局の識別子に基づいてNGインターフェースを介してコアネットワークから第1基地局のIPアドレスを要求し、かつ、第1基地局のIPアドレスに基づいて第1基地局との隣接関係を確立してよい。その後基地局e1は基地局e1によって維持される隣接基地局リスト内に第1基地局を記録し、第1基地局も第1基地局によって維持される隣接基地局リスト内に基地局e1を記録してよい。しかし本開示は上記に限定されない。
【0051】
ある実施形態では、第1基地局は基地局e1によって送られるメンバー追跡メッセージに応じてメンバー追跡応答(つまりメッセージ2)を送ってよく、かつ、基地局e1はステップS230において第1基地局が他の任意の基地局群に属するのか否かをメンバー追跡応答に基づいて判断してよい。結果が所属していないことを示唆する場合、基地局e1は、第1基地局を基地局群G1に追加するステップ240を実行してよい。他方、第1基地局が他の基地局群に属することをメンバー追跡応答が示唆する場合、基地局e1は、基地局群G1と他の基地局群とを併合するようにステップS250を実行してよい。
【0052】
図3Dでは、基地局i1~i3はUE312の測定レポート内で示唆される第1基地局であると推定される。続いて基地局e1は、上記教示に従って基地局i1~i3とのネットワーク管理プロトコル接続をそれぞれ別個に確立してよいが、本開示はそれに限定されない。
【0053】
その後図3Eでは、基地局e1は、メンバー追跡メッセージ(つまりメッセージ1)を基地局i1~i3の各々へ送り、かつ、基地局i1~i3の各々によって送られるメンバー追跡応答(つまり群のリストを含むメッセージ2)を受け取ってよい。この実施形態では、基地局i1~i3はどの基地局群にも属していないと推定され、かつ、群のリストGLEに示されているように基地局i1~i3の各々の群のリストは空である。それに対応して基地局e1は、基地局i1~i3の各々によって送られるメンバー追跡応答内の空の群のリストに基づいて基地局i1~i3がどの基地局群にも属していないことを知ることができる。この場合、基地局e1は基地局i1~i3を基地局群G1に追加してよい(ステップS240)。
【0054】
ある実施形態では、基地局i1~i3を基地局群G1に追加する過程において、基地局e1は、基地局i1~i3を基地局群G1のメンバー基地局とみなし、かつ、基地局i1~i3の関連情報を群のリストGL1へ追加することで、図3Eに示されているようにリストGL1を更新してよい。
【0055】
図3Fでは、基地局e1は基地局i1~i3の各々へ更新メッセージ(つまりメッセージ3)を送ってよい。更新メッセージは、更新された群のリストGL1を含み、かつ、更新された群のリストGL1に従って基地局i1~i3の各々に基地局i1~i3の各々の群のリストを更新するように要求するのに用いられてよい。この実施形態では、更新が完了した後、基地局i1~i3の各々によって保持される群のリストは図3Fに示される群のリストGL1の内容を有し、かつ、基地局i1~i3の各々は、更新応答メッセージ(つまりメッセージ4)を基地局e1へ送ることで更新結果を知らせてよい。しかし本開示は上記に限定されない。
【0056】
ある実施形態では、基地局i1~i3を基地局群G1に追加した後、基地局e1は、基地局群G1内の端部基地局の数が閾値数以上であるか否か、又は、基地局群G1の各メンバー基地局が送信出力の調節を拒否するのか否かを判断してよい。
【0057】
基地局群G1内の端部基地局の数が閾値数未満で、かつ、基地局群G1のメンバー基地局すべてが送信出力の調節を拒否するとは限らない場合、基地局e1は、出力制御メッセージ(つまりメッセージ7)を介して送信出力を増大させるように基地局群G1の各基地局(つまり基地局i1~i3)に要求することで、基地局群G1内により多くの端部基地局/内部基地局を含めようとしてよい。様々な実施形態では、上述の閾値数は、関連ネットワーク管理者の要求に従って任意の値に設定されてよい。説明の便宜上、閾値数はたとえば5に設定されているが、本開示はそれに限定されない。
【0058】
前述したように、基地局i1~i3の各々は、所定の値(たとえば0dbm)の送信出力で信号を送信するように事前設定される。図3Fのシナリオでは現時点で1つの端部基地局(つまり基地局e1)しか基地局群G1内にしか存在しないため、基地局群G1内の端部基地局の数が5個(つまり閾値数)未満であると判断した後、基地局e1は、図3Gに示されているように出力制御メッセージ(つまりメッセージ7)を介して送信出力を増大させるように基地局i1~i3に要求してよい。
【0059】
図3Gでは、基地局e1からの出力制御メッセージに応じて、基地局i1~i3はそれぞれの干渉リストが空であるのか否かを別個に判断してよい。この実施形態では、基地局i1~i3の干渉リストはすべて空であると推定される。続いて基地局i1~i3はたとえば、送信出力を2dbmまで増大させ、それに対応して基地局e1へ出力制御応答(つまりメッセージ8)を送ってよい。
【0060】
他の実施形態では、基地局群G1内のあるメンバー基地局の干渉リストは空ではないと推定される。続いて出力制御メッセージを受け取った後、メンバー基地局は、そのメンバー基地局が出力制御メッセージを介して送信出力を調節することを拒否したことを基地局e1に知らせてよい。
【0061】
図3Hでは、基地局i3が送信出力を増大させた後、それに対応してUE313は基地局i3に配属され、かつ、UE313は基地局i3へ測定レポートを供してよい。この実施形態では、UE313の測定レポートは、基地局i4が基地局i3の付近にそんざいすることを示唆していると推定される。続いて、基地局i3は上記の教示に従って基地局i4との隣接関係を確立し、かつ、基地局i3によって維持される隣接基地局のリスト内に基地局i4を記録してよい。
【0062】
本開示の実施形態では、基地局群G1を管理する基地局e1は、メンバー基地局の各々(つまり基地局i1~i3)へ定期的又は不定期的にメンバー追跡メッセージを送り、かつ、各メンバー基地局によって送られるメンバー追跡応答に基づく情報―たとえば基地局のカテゴリー、隣接する基地局のリスト、及び各メンバー基地局の群のリスト―を得てよい。
【0063】
図3Iでは、基地局e1は、基地局i3によって送られるメンバー追跡応答内の隣接基地局のリストから、基地局i4が存在することを学ぶことが推定される。続いて、基地局e1は、最初に基地局i4を群のリストGL1へ追加し、それに対応してメンバー追跡メッセージを基地局i4へ送ってよい。それに対応して基地局i4は、基地局i3へメンバー追跡応答を送る。
【0064】
この実施形態では、基地局i4はどの基地局群にも属さず、かつ、基地局i4の群のリストは、群のリストGLE内で示されているように空であると推定される。この場合、基地局e1は、上記の教示に従って基地局i4を基地局群G1へ追加し、かつ、群のリストGL1を図3Jに示されている内容に更新してよい。
【0065】
その後図3Kでは、基地局e1が基地局i1~i4の各々へ更新メッセージを送ることで、基地局i1~i3の各々は自身の群のリストを図3Jに示された群のリストGL1の内容に更新してよい。
【0066】
図3Lでは、基地局群G1内の端部基地局の数が閾値数(つまり5)未満なので、基地局e1は、出力制御メッセージ(つまりメッセージ7)を介して送信出力を増大させるように基地局群G1の各基地局(つまり基地局i1~i4)に要求することで、基地局群G1内により多くの端部基地局/内部基地局を含めようとしてよい。
【0067】
前述したように、基地局i4は、所定の値(たとえば0dbm)の送信出力で信号を送信するように事前設定される。図3Lでは、基地局e1からの出力制御メッセージに応じて、基地局i1~i4は送信出力をそれぞれたとえば4,4,4,2dbmに増大させ、かつ、それに対応して出力制御応答(つまりメッセージ8)を基地局e1へ送ってよい。
【0068】
図3Mでは、基地局i4に配属されるUE314は、基地局i4に測定レポートを供してよい。この実施形態では、UE314の測定レポートは、基地局i3とi4に関してUE314が受け取った出力(たとえば基準信号(RSRP))を含んでよい。この場合、基地局i4は、基地局i3に関してUE314が受け取った出力が干渉条件を満たしているのかを判断してよい。
【0069】
ある実施形態では、基地局i3に関するUE314のRSRPが第1干渉閾値と第2干渉閾値との間であるか、あるいは(第1干渉閾値よりも大きな)第2干渉閾値よりも大きいと基地局i4が判断する場合、基地局i4は、基地局i3に関してUE314が受け取る出力が干渉条件を満たしていると判断してよい。
【0070】
基地局i4が、基地局i3に関してUE314が受け取った出力が干渉条件を満たすと判断した場合、基地局i4は、基地局i4の端部基地局のホップ数(たとえば2)が基地局i3の端部基地局のホップ数(たとえば1)よりも大きいのか否かを判断してよい。ある実施形態では、基地局i4が、基地局i4の端部基地局のホップ数が基地局i3の端部基地局の端部基地局のホップ数よりも大きい(つまり図3Mのシナリオ)と判断する場合、基地局i4は、端部基地局よりもさらに離れているので、より大きな送信出力でより多くのUEを網羅することがより適切であることを意味する。この場合、基地局i4は、干渉制御信号(つまりメッセージ9)を基地局i3へ送ることで、端部基地局により近い基地局i3に送信出力を維持又は減少するように要求してよい。
【0071】
ある実施形態では、上述の干渉制御メッセージは、基地局i4に関する基地局i3の干渉レベルを含んでよい。たとえば基地局i3に関するUE314のRSRPが第1干渉閾値と第2干渉閾値との間である場合、基地局i4は、基地局i4に関する基地局i3の干渉レベルは干渉の恐れがあると判断してよい。それに加えて基地局i3に関するUE314のRSRPが第2干渉閾値よりも大きい場合、基地局i4は、基地局i4に関する基地局i3の干渉レベルは強い干渉であると判断してよい。しかし本開示はそれに限定されない。
【0072】
ある実施形態では、基地局i3は基地局i4から干渉制御メッセージを受け取ると推定される。続いて基地局i3は、基地局i4と基地局i3の干渉リスト内の干渉制御メッセージによって示唆される干渉レベルを記録し、かつ、この干渉制御メッセージと過去の干渉制御メッセージ(たとえば過去に受け取った他の干渉制御メッセージ)との間の時間が第1所定時間長さ(たとえ30分)を超えているのか否かを判断してよい。
【0073】
この干渉制御メッセージと過去の干渉制御メッセージとの間の時間が第1所定時間長さを超えているという判断に応じて、基地局i3は、干渉制御メッセージによって示唆される干渉レベルに従って基地局i3の送信出力を維持又は減少させてよい。たとえば干渉制御メッセージの干渉レベルが干渉の恐れがある場合、基地局i3は、基地局i3の送信出力を維持してよい。それに加えて干渉制御メッセージの干渉レベルが強い干渉である場合、基地局i3は基地局i3の送信出力を減少させてよい。しかし本開示はそれに限定されない。ある実施形態では、基地局i3が送信出力を減少させる範囲(たとえば1dbm)は、送信出力が過去に増大した範囲(たとえば2dbm)よりも小さくてよい。それに加えて基地局i3が送信出力を減少させる前、基地局i3は最初に、送信出力を減少させる制限回数に達したのか否かを判断してよい。制限回数に達していないという結果の場合、基地局i3はそれに対応して送信出力を減少させてよい。それ以外では送信出力は減少されなくてよい。しかし本開示はそれに限定されない。
【0074】
他方この干渉制御メッセージと過去の干渉制御メッセージとの間の時間が第1所定時間長さを超えているという判断に応じて、基地局i3は、あまりに頻繁に送信出力を減少しないように、この干渉制御メッセージを無視してよい。しかし本開示はそれに限定されない。
【0075】
他の実施形態では、基地局i4の端部基地局ホップ数が基地局i3の端部基地局ホップ数以下であると基地局i4が判断する場合、基地局i3は、端部基地局よりもさらに離れているので、より大きな送信出力でより多くのUEを網羅することがより適切であることを意味する。この場合、基地局i4は、基地局i3への干渉を維持又は減少するように送信出力を減少又は維持してよい。
【0076】
図3Mのシナリオでは、基地局i4は基地局i3が強い干渉であると判断していると推定される。続いて基地局i4は干渉制御メッセージ(つまりメッセージ9)を基地局i3へ送ってよい。それに対応して基地局i3は、干渉リストを更新し、かつ、干渉制御メッセージ内で示唆される強い干渉に基づいて送信出力を減少(たとえば4dbmから3dbm)させてよい。その後基地局ieは、干渉制御応答(つまりメッセージ10)を基地局i4へ送ることで、関連する結果を基地局i4へ知らせてよい。しかし本開示はそれに限定されない。この場合、図3Nに示されているように、UE314に関する基地局i3の干渉はそれに対応して減少する。
【0077】
図3Oでは、基地局i4が送信出力を増大した後、UE315は基地局i4に配属され、かつ、基地局i4は、UE315によって供される測定レポートから、隣接基地局i5が存在することを学ぶ。
【0078】
図3Pでは、基地局e1は、基地局i4からの基地局i5がメンバー追跡応答を介して、基地局i5が存在することを学び、かつそれに対応して、図3Qに示されているようにメンバー追跡メッセージ(つまりメッセージ1)を基地局i5へ送ってよい。上の図3O図3Pの詳細は、図3I図3Jの説明で見つけることができるので、ここでは繰り返さない。
【0079】
図3Qでは、基地局i5が基地局群G1に属し、基地局群G2は、マネージャ基地局に属する基地局e2(端部基地局である)及びメンバー基地局に属する基地局i5とi6(基地局i5とi6のいずれも内部基地局である。)を含み、かつ、基地局e2,i5,i6によって保持される群のリストは図3Qの群のリストGL2内に示されていると推定される。この場合、基地局e1からメンバー追跡メッセージを受け取った後、基地局i5はそれに対応にしてメンバー追跡応答(つまりメッセージ2)を基地局e1へ送ってよい。それに対応して基地局e1は、基地局i5によって送られるメンバー追跡応答内の空ではない群のリストGL2に基づいて、基地局i5が基地局群G2に属することを学び、かつ、それに対応して基地局群G1とG2とを併合してよい(ステップS250)。
【0080】
図3Rでは、基地局群G1とG2とを併合する過程で、基地局e1は、群のリストGL1内の基地局の数が群のリストGL2内の基地局の数よりも多いか否かを判断してよい。図3Rのシナリオでは、基地局群のリストGL1内の端部基地局の数(つまり5)が基地局群のリストGL2内の端部基地局の数(つまり3)より多いので、基地局e1は、群併合要求(つまりメッセージ5)を基地局e2へ送ってよい。それに対応して基地局e2は群併合応答(つまりメッセージ6)を送り、かつ、基地局e1は基地局群G1とG2を、基地局群のリストGL1と基地局群のリストGL2に基づいて、基地局e1によって管理される基地局群G3(基地局e1,e2とi1~i6を含む)へ併合して、それに対応して、図3Sに示されているように、群のリストGL1を基地局群G3に対応する群のリストGL3に更新してよい。それに加えて図3Sでは、基地局e1は、基地局e2を基地局群G3のバックアップマネージャ基地局として設定してよい。
【0081】
他の実施形態では、基地局群のリストGL1内の基地局の数が基地局群のリストGL2内の基地局の数以下であると推定される。続いて基地局e1も基地局e2へ群併合要求を送ることで基地局群G1とG2を基地局群G3へ併合してよいが、基地局群G3は基地局e2によって管理され得る場合は除く。しかし本開示はそれに限定されない。その後基地局e1は、群併合要求に応じて基地局e2へ群併合応答を送ってよい。続いて基地局e2は、群のリストGL1とGL2に基づいて、基地局群G1とG2を基地局e2によって管理される基地局群G3へ併合してよい。基地局群G3は基地局e1,e2とi1~i6を含んでよい。この場合、基地局e2は、基地局e1を基地局群G3のバックアップマネージャ基地局に設定してよい。要約すると、併合後に形成される基地局群のマネージャ基地局は本来より多くの基地局を管理するマネージャ基地局であってよく、かつ、本来より少ない基地局を管理する端部基地局がバックアップマネージャ基地局になってよい。しかし本開示はそれに限定されない。
【0082】
その後図3Tでは、基地局G3を管理する基地局e1は、群のリストG3を含む更新メッセージ(つまりメッセージ3)を基地局e2とi1~i6へ送ってよい。基地局e2とi1~i6の群のリストを更新した後、それに対応して基地局e2とi1~i6は、更新応答メッセージを基地局e1へ送ってよい。
【0083】
続いて図3Uでは、基地局群G3内の端部基地局の数が依然として閾値数(たとえば5)未満なので、基地局e1は、出力制御メッセージ(つまりメッセージ7)を介して送信出力を増大させるよう基地局e2とi1~i6に要求することで、基地局群G3内により多くの端部基地局/内部基地局を含めようとしてよい。
【0084】
他の実施形態では、上述の機構は、サービス範囲199内のある端部基地局が自身の管理する基地局群内の端部基地局数が閾値数(たとえば5)以上であると判断するまで続く。
【0085】
図3Vでは、時間が経過することで、基地局e1によって管理される基地局群G99に対応する群のリストは、図示されているGL99であると推定される。群のリストGL99から、基地局群G99内の端部基地局数が閾値数に達したことがわかる。従って基地局e1は、基地局e1によって管理されるメンバー基地局へ送信出力を調節する要求を止めてよい。この場合、基地局G99によって形成される全カバレッジは、カバレッジホールと干渉の少ない状態でサービス範囲199を良好に網羅することで、ユーザー機器により良好な送信経験を供する。
【0086】
上述の記載から、本開示の方法によって、各マネージャ基地局は、基地局の位置とUEの位置を知ることなく、UEによって供される測定レポートに基づいて、分散型で各メンバー基地局の送信出力を徐々に調節することが可能になり、それにより形成される全カバレッジは、カバレッジホールと干渉の少ない状態でサービス範囲199を良好に網羅することがわかる。このようにしてユーザー機器には良好な送信経験が低コストで供される。
【0087】
一部の実施形態では、マネージャ基地局が基地局群を管理する過程では、基地局群内の各基地局の位置はネットワーク管理者の要求に従って変化し得るので、それに従って上記の教示に従って確立される基地局トポロジーもまた変化してよい。様々な実施形態では、基地局トポロジーの変化は大雑把には、(1)内部基地局を除去する段階、(2)内部基地局を追加する段階、(3)内部基地局を移動させる段階、(4)端部基地局を除去する段階、(5)端部基地局を追加する段階、及び(6)端部基地局を移動させる段階を含む。上述の変化が起こるときに実行される操作は以降で説明する。
【0088】
図4A図4Fを参照すると、図4A図4Fは、内部基地局が本開示の第1実施形態に従って除去される用途のシナリオを示す図である。詳細には、図4Aでは、基地局e1によって管理される基地局群G1は基地局e1,e2とi1~i6を含み、かつ、基地局群G1に対応する群のリストは図示されている群のリストGL1であると推定される。この場合、ネットワーク管理者499は、内部基地局のカテゴリーに属する基地局i3にシャットダウン指示を与え、かつ、それに対応して基地局i3はシャットダウンしようとしていると推定される。
【0089】
続いて前述したように、基地局e1は、基地局e2とi1~i6へ定期的又は不定期的にメンバー追跡メッセージ(つまりメッセージ1)を送る。それに対応して基地局e2とi1,i2,i4~i6は基地局e1へメンバー追跡応答(つまりメッセージ2)を送る。しかし図4Bに示されているように、基地局i3はシャットダウンされていて基地局e1へメンバー追跡応答を送ることができない。
【0090】
第1実施形態では、対応する基地局i3からのメンバー追跡応答を受け取れない回数が所定回数(たとえば3回)に達したという判断に応じて、基地局e1はそれに対応して基地局i3を基地局群G1から除去してよい。その後基地局e1は、基地局e1と基地局e2とi1,i2,i4~i6との間での接続性に基づいて基地局e2とi1,i2,i4~i6の中で基地局e1に依然として接続されているメンバー基地局を探してよい。
【0091】
図4Cでは、基地局e1は、たとえば幅優先探索アルゴリズムに基づいて基地局e1に依然として接続されるメンバー基地局を探してよい。たとえば基地局e1は、空の幅優先探索キューを生成して基地局e1をキューに加える段階と、幅優先探索キューから基地局e1を除去して基地局e1と直接接続する基地局i1とi2を幅優先探索キューに加える段階と、幅優先探索キューから基地局i1を除去して基地局i1と直接接続する基地局(存在しない)を幅優先探索キューに加える段階と、幅優先探索キューから基地局i2を除去して基地局i2と直接接続する基地局(存在しない)を幅優先探索キューに加える段階と、を実行してよい。基地局i2が幅優先探索キューから除去された後、幅優先探索キューは再び空になる。従ってそれに対応して基地局e1は、基地局i1とi2が依然として基地局e1に接続されていると判断し、それに従って基地局群G1と対応する群のリストGL1を図4Dに示されているように更新する。
【0092】
それに加えて基地局e1は、基地局i4から幅優先探索アルゴリズムを再度実行して、基地局i4に依然として接続されている他の基地局(つまり基地局e2,i5,i6)を見つけてよい。その後基地局e1は、基地局e2,i4~i6を含む基地局群G2を確立し、図4Dに示されているように基地局群G2に対応する群のリストGL2を生成する。群のリストGL2では、基地局e1は、端部基地局のいずれか1つ(たとえば基地局e2)を、基地局群G2を管理するマネージャ基地局として設定してよい。しかし本開示はそれに限定されない。
【0093】
その後基地局e1は、対応する更新メッセージ(つまりメッセージ3)と共に群のリストGL1を、基地局群G1に属する基地局i1,i2へ送ることで、基地局i1,i2はそれに対応して自身の群のリストを更新してよい。それに加えて、基地局e1は、対応する更新メッセージ(つまりメッセージ3)と共に群のリストGL2を、基地局群G2に属する基地局e2とi4~i6へ送ることで、基地局e2とi4~i6はそれに対応して自身の群のリストを更新してよい。
【0094】
図4Eでは、基地局群G1を管理する基地局e1は、メンバー追跡メッセージ(つまりメッセージ1)を、基地局群G1に属する基地局i1,i2へ送ってよく、かつ、それに対応して基地局i1,i2は基地局e1へメンバー追跡応答(つまりメッセージ2)を送ってよい。同様に基地局群G2を管理する基地局e2は、メンバー追跡メッセージを、基地局群G2に属する基地局i4~i6へ送ってよく、かつ、それに対応して基地局i4~i6は基地局e2へメンバー追跡応答(つまりメッセージ2)を送ってよい。
【0095】
図4Fでは、基地局群G1内の基地局e1,i1,i2は、先に教示した様々な機構に従って動作し続けてよい。たとえば基地局e1は、出力制御メッセージ(つまりメッセージ7)を介して送信出力を増大させるよう基地局i1,i2に要求することで、より多くのUEを網羅しようとしてよい。それに加えて、基地局群G1内の基地局e2とi4~i6もまた、先に教示した様々な機構に従って動作し続けてよい。たとえば基地局e2は、出力制御メッセージ(つまりメッセージ7)を介して送信出力を増大させるよう基地局i4~i6に要求することで、より多くのUEを網羅しようとしてよい。図4Fのシナリオでは、基地局e2と基地局i5との間で干渉が起こっていると推定される。続いて基地局e2と基地局i5も、上記の教示に従って干渉制御メッセージ(つまりメッセージ9)を介して出力を減少させる(たとえば基地局i5は送信出力を6dbmから5dbmへ減少させ得る。)ことで干渉を減少させ得る。しかし本開示はそれに限定されない。
【0096】
図5A図5Eを参照すると、図5A図5Eは、内部基地局が本開示の第2実施形態に従って追加される用途のシナリオを示す図である。第2実施形態では、図5Aのシナリオは図4F後に現れるシナリオと解され得るが、本開示はそれに限定されない。
【0097】
図5Aでは、ネットワーク管理者499は内部基地局のカテゴリーに属する基地局i7を図示された位置に設定し、基地局i7を起動する。その後図5Bに示されているように、基地局i7は基地局i5に配属されるUE511によって検出され、かつ、基地局i5は、UE511によって供される測定レポートを介して基地局i7が存在することを学び、基地局i5の隣接基地局のリスト内に基地局i7を記録すると推定される。
【0098】
図5Cでは、基地局e2は、メンバー追跡メッセージ(つまりメッセージ1)を、基地局e2によって管理される基地局i4~i6へ送り得る。その後基地局e2は、基地局i5によって送られるメンバー追跡応答(つまりメッセージ2)内の隣接基地局のリストから基地局i7が存在することを学び得る。
【0099】
図5Dでは、基地局e2は、メンバー追跡メッセージ(つまりメッセージ1)を基地局i7へ送り得る。その後基地局e2は、基地局i7によって送られるメンバー追跡応答(つまりメッセージ2)内の空の群のリストから基地局i7がどの基地局群にも属していないことを学び得る。従って基地局e2は、基地局i7を基地局群G2へ追加し、かつ、それに対応して基地局群G2の群のリストGL2を更新し得る。
【0100】
図5Eでは、基地局e2は、基地局i4~i7へ更新メッセージ(つまりメッセージ3)を介して更新された群のリストGL2を送り、かつ、それに対応して基地局i4~i7はその群のリストを群のリストGL2の内容に更新し得る。
【0101】
図6A図6Dを参照すると、図6A図6Dは、内部基地局が本開示の第3実施形態に従って動かされる用途のシナリオを示す図である。第3実施形態では、図6Aのシナリオは図5E後に現れるシナリオと解され得るが、本開示はそれに限定されない。
【0102】
図6Aでは、ネットワーク管理者499は、内部基地局のカテゴリーに属する基地局i7を図示された位置へ移動させようと意図していると推定される。この場合、ネットワーク管理者499は、基地局i7を移動状態に設定し、基地局i7を図6Aに示された位置へ動かし、かつ、基地局i7を起動する。移動状態に接待された後、基地局i7は、群のリストと、干渉リストと、基地局i7の隣接基地局のリストを消去し、かつ、基地局i7の送信出力を所定の値(たとえば0dbm)に復元し得る。
【0103】
図6Bでは、基地局e2は、基地局e2によって管理されるメンバー追跡メッセージ(つまりメッセージ1)を基地局i4~i7へ送り得る。第3実施形態では、基地局e2は、基地局i7によって送られるメンバー追跡応答(つまりメッセージ2)から基地局i7が移動状態であることを学び得る。
【0104】
この場合、基地局e2は、基地局群G2の外へ移動し、それに対応して群のリストGL2を図6Cに示された内容に更新し得る。その後基地局e2は、基地局i4~i6へ更新メッセージ(つまりメッセージ3)を介して更新された群のリストGL2を送り、かつ、それに対応して基地局i4~i6はその群のリストを群のリストGL2の内容に更新し得る。
【0105】
次に図6Dでは、基地局i7は基地局基地局i2に配属されるUE(記されていない)によって検出されると推定される。続いて基地局e1は、上記の教示に従って基地局i7を基地局群G1へ追加し得る。その詳細についてはここでは繰り返さない。
【0106】
図7A図7Cを参照すると、図7A図7Cは、端部基地局が本開示の第4実施形態に従ってシャットダウンされる用途のシナリオを示す図である。第4実施形態では、図7Aのシナリオは図6D後に現れるシナリオと解され得るが、本開示はそれに限定されない。
【0107】
図7Aでは、ネットワーク管理者499が、端部基地局のカテゴリーに属する基地局e1へシャットダウン命令を与えていると推定される。それに対応して基地局e1は、基地局e1によって管理される基地局群G1が他の任意のマネージャ基地局を含むのか否かをチェックし得る。基地局群G1が他の任意のマネージャ基地局を含むことを示唆する結果の場合、基地局e1は、バックアップマネージャ基地局をマネージャ基地局に設定し得る。
【0108】
他方基地局群G1が他の任意のバックアップマネージャ基地局を含まない場合(つまり図7Aのシナリオ)、基地局e1は、図示されているように、更新メッセージ(つまりメッセージ3)を介して基地局e1によって管理される基地局i1,i2,i7へ空の群のリストGLEを送ることで、基地局i1,i2,i7はそれに対応してそれらの群のリストを消去する。その後図7Cでは、基地局e1はシャットダウンされ得て、かつ、それに対応して基地局群G1は消える。
【0109】
図8A図8Hを参照すると、図8A図8Hは、端部基地局が本開示の第5実施形態に従って追加される用途のシナリオを示す図である。第5実施形態では、図8Aのシナリオは図7C後に現れるシナリオと解され得るが、本開示はそれに限定されない。
【0110】
図8Aでは、ネットワーク管理者499は、端部基地局のカテゴリーに属する基地局e3を図示された位置に設定して基地局e3を起動し、かつ、基地局e3は自身を、基地局群G3を管理するマネージ基地局に事前設定して対応する群のリストGL3を生成し得る。
【0111】
図8Bでは、基地局i7は基地局e3に配属されるUE(記されていない)によって検出され、かつ、基地局e3はUEによって供される測定レポートを介して基地局i7が存在することを学び、基地局e3の隣接基地局のリスト内に基地局i7を記録すると推定される。
【0112】
図8Cでは、基地局e3はメンバー追跡メッセージ(つまりメッセージ1)を基地局i7へ送り、かつ、基地局i7によって送られるメンバー追跡応答(つまりメッセージ2)内の空の群のリストに基づいて基地局i7がどの基地局群にも属していないことを学び得る。それに対応して基地局e3は、基地局i7を基地局群G3へ加えてよい。それに加えて基地局e3は、基地局i7によって送られるメンバー追跡応答(つまりメッセージ2)内の隣接基地局のリストに基づいて基地局i2が存在することも学び、かつ、それに対応してメンバー追跡メッセージ(つまりメッセージ1)を基地局i2へ送ってよい。
【0113】
その後基地局e3は、基地局i2によって送られるメンバー追跡応答(つまりメッセージ2)内の空の群のリストに基づいて基地局i2がどの基地局群にも属していないことを学んでよい。それに対応して基地局e3は、図8Dに示されているように、基地局i2を基地局群G3へ追加し、かつ、群のリストGL3を更新してよい。
【0114】
図8Eでは、基地局e3は更新メッセージ(つまりメッセージ3)を介して更新された群のリストGL3を基地局i2とi7へ送り、かつ、それに対応して基地局i2とi7は自身の群のリストを群のリストGL3の内容に更新してよい。
【0115】
図8Fでは、基地局e3は、出力制御メッセージ(つまりメッセージ7)を介して送信出力を増大させるように基地局群G3のメンバー基地局(つまり基地局i2,i7)に要求することで、基地局群G3内により多くの端部基地局/内部基地局を含めようとしてよい。
【0116】
図8Gでは、基地局i4は基地局i7に配属されるUE(記されていない)によって検出され、かつ、基地局i7はUEによって供される測定レポートを介して基地局i4が存在することを学び、基地局i7の隣接基地局のリスト内に基地局i4を記録すると推定される。
【0117】
その後基地局e3は、メンバー追跡メッセージ(つまりメッセージ1)を基地局i7へ送り、かつ、基地局i7によって送られるメンバー追跡応答(つまりメッセージ2)内の隣接基地局のリストに基づいて基地局i4が存在することも学んでよい。
【0118】
次に、それに対応して基地局e3は、メンバー追跡メッセージ(つまりメッセージ1)を基地局i7へ送り、かつ、基地局e3は、基地局i4によって送られるメンバー追跡応答(つまりメッセージ2)内の群のリストGL2に基づいて基地局i4が基地局e2によって管理される基地局群G2に属することを学んでよい。それに対応して基地局e3は、基地局e2へ群併合要求(つまりメッセージ5)を送ることで基地局群G2とG3を基地局群G4へ併合しようとしてよい。
【0119】
図8Gのシナリオでは、基地局群G2内の基地局の数(つまり4)が基地局群G3内の基地局の数(つまり3)より多いので、図8Hに示されているように、基地局群G4内のマネージャ基地局は本来基地局群G3を管理する基地局e2で、かつ、本来基地局群G3を管理する基地局e3は基地局群G4のバックアップマネージャ基地局であってよい。しかし本開示は上記に限定されない。
【0120】
その後基地局e2は、基地局群G4に対応する群のリストGL4を生成し、更新メッセージ(つまりメッセージ3)を介して基地局e2によって管理される基地局e3,i2,i4~i7へ更新された群のリストGL4を送り、かつ、それに対応して基地局e3,i2,i4~i7は、自身の群のリストを群のリストGL4の内容に更新してよい。
【0121】
図9A図9Hを参照すると、図9A図9Hは、端部基地局が本開示の第6実施形態に従って動かされる用途のシナリオを示す図である。第6実施形態では、図9Aのシナリオは図8H後に現れるシナリオと解され得るが、本開示はそれに限定されない。
【0122】
図9Aでは、ネットワーク管理者499は基地局e2を他の位置へ移動させることを意図し、かつ、それに対応してネットワーク管理者499は基地局e2を移動状態に修正してよい。その後基地局e2は、先に教示した幅優先探索アルゴリズムに従って、基地局e3に依然として接続されている他の基地局を見つけてよい。
【0123】
図9Bでは、基地局e2は、基地局i6を除く他の基地局i2,i4,i5,i7が依然として基地局e3に接続されていることを判断してよい。この場合、基地局e2は、基地局e3,i2,i4,i5,i7を含む基地局群G5を確立し、かつ、本来バックアップマネージャ基地局である基地局e3を基地局群G5のマネージャ基地局として特定してよい。それに加えて基地局e2は、基地局群G5に基づいて対応する群のリストGL5を生成してよい。
【0124】
その後基地局e2は、更新メッセージ(つまりメッセージ3)を介して群のリストGL5を基地局群G5に属する基地局e3とi2,i4,i5,i7へ送り、かつ、基地局e3とi2,i4,i5,i7はそれに対応して自身の群のリストを群のリストGL5の内容に更新してよい。
【0125】
他方どの端部基地局とも接続されない基地局i6については、基地局e2は、更新メッセージ(つまりメッセージ3)を介して空の群のリストGLEを基地局i6へ送り、かつ、それに対応して基地局i6は自身の群のリストを消去してよい。その後基地局e2は、群のリスト、干渉リスト、及び隣接基地局のリストを消去してシャットダウンしてよい。
【0126】
図9Dでは、基地局e2は図示された位置へ動かされて起動され、かつ、基地局e2は基地局群G6を管理するマネージャ基地局に自身を事前設定し、対応する群のリストGL6を生成し得ると推定される。
【0127】
図9Eでは、基地局e2は基地局e3に配属されるUE(記されていない)によって検出され、かつ、基地局e3はUEによって供される測定レポートを介して基地局e2が存在することを学び、基地局e3の隣接基地局のリスト内に基地局e2を記録すると推定される。その後基地局e3は、メンバー追跡メッセージ(つまりメッセージ1)を基地局e2へ送り、かつ、基地局e2によって送られるメンバー追跡応答(つまりメッセージ2)内の群のリストGL6に基づいて基地局e2が基地局群G6に属することを学んでよい。
【0128】
それに対応して基地局e3は、図9Gに示されているように、基地局e2へ群併合要求(つまりメッセージ5)を送ることで基地局群G5とG6を基地局群G7へ併合しようとしてよい。
【0129】
図9Fのシナリオでは、基地局群G5内の基地局の数(つまり5)が基地局群G6内の基地局の数(つまり1)より多いので、図9Gに示されているように、基地局群G7内のマネージャ基地局は本来基地局群G5を管理する基地局e3で、かつ、本来基地局群G6を管理する基地局e2は基地局群G7のバックアップマネージャ基地局であってよい。しかし本開示は上記に限定されない。
【0130】
その後基地局e3は、基地局群G7に対応する群のリストGL7を生成し、更新メッセージ(つまりメッセージ3)を介して基地局e3によって管理される基地局e2,i2,i4,i5,i7へ群のリストGL7を送り、かつ、それに対応して基地局e2,i2,i4,i5,i7は、自身の群のリストを群のリストGL7の内容に更新してよい。
【0131】
図9Hでは、基地局e3は、出力制御メッセージ(つまりメッセージ7)を介して送信出力を増大させるように基地局群G7のメンバー基地局(つまり基地局i2,i4,i5,i7)に要求することで、基地局群G7内により多くの端部基地局/内部基地局を含めようとしてよい。
【0132】
基地局e2と干渉するため、基地局i5は本来送信出力を制限されていることに留意して欲しい。しかし基地局e2の移動後、基地局i5と基地局e2はもはや隣接関係ではない。従って基地局i5はそれに対応して、干渉リストから基地局e2を除去して、送信出力を増大するように基地局e3によって制御されてよい。
【0133】
一部の実施形態では、基地局e2が所定の期間で基地局e3からメンバー追跡メッセージを受け取っていないと基地局e2(つまり基地局群G7のバックアップマネージャ基地局)が判断するということは、何らかの理由で基地局e3はもはや基地局群G7を管理し得ないことを意味する。この場合、基地局e3は、自身を基地局群G7のマネージャ基地局に設定し、基地局群G7の管理を開始してよい。
【0134】
一部の実施形態では、ある基地局群が複数の端部基地局を含み、かつ、その基地局群を管理するマネージャ基地局は、何らの理由でその基地局群を複数の部分基地局群に分割すると推定される。この場合、各端部基地局は、部分基地局群の中で自身が属する特定の部分基地局群を探し、その特定の部分基地局群が特定の条件を満たしているのか否かを判断してよい。様々な実施形態では、上述した特定の条件は、設計者の要求に従って決定されてよい。たとえば端部基地局は、自身のCGIが同一の部分基地局群内の端部基地局の中で最小であるのか否かを判断してよい。結果が最小であることを示唆する場合、端部基地局は、自身が上述した特定の条件を満たしていると判断してよい。しかし本開示は上記に限定されない。
【0135】
ある実施形態では、端部基地局は、自身が上述した特定の条件を満たしていると判断した後、自身が属する特定の部分基地局群の管理を開始してよい。さもなければ端部基地局は、特定の部分基地局群の管理を開始してはならない。しかし本開示は上記に限定されない。
【0136】
さらに本開示の様々な手段の実施を容易にするため、各基地局は、下の表13に示されているように様々なパラメータを維持してよい。
【表13-1】
【表13-2】
【0137】
図10を参照すると、図10は、本開示の実施形態による基地局の機能ブロック図である。様々な実施形態では、図10の基地局100は、上述の様々な基地局―たとえば端部基地局又は内部基地局―の実装に適用可能である。しかし本開示は上記に限定されない。
【0138】
図10に示されているように、基地局100は送受信器101、記憶回路102、及び処理装置104を備える。送受信器101は、たとえば携帯通信用全球システム(GSM)、個人端末システム(PHS)、符号分割多元接続(CDMA)システム、ワイファイ(Wi-Fi)システム又はワイマックス(WiMAX)の信号送信を維持するプロトコル部のような構成要素であってよい。
【0139】
送受信器101は、図10の基地局100に無線アクセスを供する、送信回路、受信回路、アナログ・デジタル(A/D)変換器、デジタル・アナログ(D/A)変換器、低雑音増幅器(LNA)、混合器、フィルタ、整合回路、送信線、出力増幅器(PA)、1つ以上のアンテナ部、及び局所記憶媒体を少なくとも含む構成要素であってよいがこれらに限定されない。それに加えて送受信器101はまた、上述のネットワークプロトコル管理接続を介して他の基地局とのデータのやり取りをしてもよい。しかし本開示は上記に限定されない。
【0140】
記憶回路102は例えば、複数のプログラムコード又はモジュールを記録する任意の型の固定又は可動ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、フラッシュメモリ、ハードディスク若しくは他の同様の装置、又はこれらの装置の組み合わせであってよい。
【0141】
処理装置104は、送受信器101と記録回路102に結合され、かつ、汎用処理装置、特殊用途向け処理装置、従来の処理装置、デジタル信号処理装置、複数のマイクロプロセッサ、デジタル信号処理装置コアと結合した1つ以上のマイクロプロセッサ、制御装置、マイクロコントローラ、用途特定集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、他の任意の型の集積回路、状態機械、アドバンスト・リスク・マシン(ARM)系処理装置等であってよい。
【0142】
本開示の他の実施形態では、処理装置104は、記憶回路102内に記録されるモジュールとプログラムコードにアクセスして、本開示の自己定義ネットワークカバレッジ最適化法を実施してよい。
【0143】
ある実施形態では、基地局100が基地局群を管理するマネージャ基地局を実装するように構成されるとき、対応する動作は、これまでの実施形態の説明で見つけることができるので、ここでは繰り返さない。
【0144】
それに加えて、基地局100がある基地局群に属するメンバー基地局(端部基地局であっても内部基地局であってもよい)を実装するように構成されるとき、基地局100は、図11に示された自己定義ネットワークカバレッジ最適化法を実行してよい。
【0145】
図11を参照すると、図11は本開示の実施形態による自己定義ネットワークのカバレッジを最適化する方法を示すフローチャートである。本実施形態の方法は、メンバー基地局として実装される基地局100によって実行されてよい。図11の段階は図10の構成要素を参照しながら以降で説明する。
【0146】
段階S1101では、処理装置104は、送受信器101を制御することで特定の基地局からのメンバー追跡メッセージを受け取ってよい。様々な実施形態では、基地局100は、特定の基地局によって管理される基地局群に属してもよいし、あるいは属していなくてもよい。
【0147】
続いて段階S1102では、処理装置104は、送受信器101を制御して、メンバー追跡メッセージに応じてメンバー追跡応答を特定の基地局へ送ってよい。
【0148】
上の各段階の詳細は、これまでの実施形態の説明で見つけることができるので、ここでは繰り返さない。
【0149】
まとめると、本開示の方法は、各マネージャ基地局に、基地局の位置とUEの位置を知ることなく分散型の方法でUEによって供される測定レポートに基づいて各メンバー基地局の伝送出力を徐々に調節させることを可能にする。その結果生成される全体のカバレッジは、カバレッジホールと干渉の少ない状態でサービス範囲を良好に網羅する。このようにしてユーザー機器には良好な送信経験が低コストで供される。
【0150】
本開示の技術的範囲や技術的思想から逸脱することなく本開示の実施形態についての様々な修正型及び変化型をなし得ることは当業者には明らかである。上記観点から、本開示の修正型及び変化型が以下の特許請求の範囲及びその均等物の範囲内に属していれば、本開示はそれらの正型及び変化型を網羅することが意図されている。
【産業上の利用可能性】
【0151】
本開示による自己定義ネットワークのカバレッジを最適化する基地局及び方法は、信号カバレッジ最適化を行う通信システムに適用可能である。
【符号の説明】
【0152】
100, e1, e2, e3, e4, i1, i2, i3, i4, i5, i6, i7 基地局101 送受信器102 記憶回路104 処理装置199 サービス範囲311, 312, 313, 314, 315, 511 ユーザー機器499 ネットワーク管理者G1, G2, G3, G4, G5, G6, G7, G99 基地局群GL1, GL2, GL3, GL4, GL5, GL6, GL7, GL99, GLE 群のリスト
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
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図3D
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図3G
図3H
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図3Q
図3R
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図3T
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図3V
図4A
図4B
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図4D
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図4F
図5A
図5B
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図6A
図6B
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図6D
図7A
図7B
図7C
図8A
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図8D
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図8G
図8H
図9A
図9B
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図9E
図9F
図9G
図9H
図10
図11
【外国語明細書】