(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022096590
(43)【公開日】2022-06-29
(54)【発明の名称】前方車体構造
(51)【国際特許分類】
B62D 25/08 20060101AFI20220622BHJP
【FI】
B62D25/08 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021116748
(22)【出願日】2021-07-14
(31)【優先権主張番号】10-2020-0177100
(32)【優先日】2020-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】591251636
【氏名又は名称】現代自動車株式会社
【氏名又は名称原語表記】HYUNDAI MOTOR COMPANY
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(71)【出願人】
【識別番号】500518050
【氏名又は名称】起亞株式会社
【住所又は居所原語表記】12, Heolleung-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】特許業務法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】宋 元 基
【テーマコード(参考)】
3D203
【Fターム(参考)】
3D203BB16
3D203BB34
3D203BB38
3D203BB54
3D203BB55
3D203BB56
3D203CA23
3D203CA53
3D203CB09
3D203DA37
3D203DB05
(57)【要約】
【課題】車体前方側の骨格剛性を増大させ、前方衝突性能を増大化させることができるようにした前方車体構造を提供する。
【解決手段】本発明の例示的な一実施形態による前方車体構造は、アンダーボディーと、アンダーボディーに結合されるアッパーボディーを含む車両の前方車体構造であって、i)アッパーボディーの前方に配置されるフロントカウルと、 ii)アッパーボディーのフロントピラーおよびフロントサイドメンバーを通じてフロントカウルと連結されるカウル支持ユニットを含むことができる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンダーボディーと、前記アンダーボディーに結合されるアッパーボディーと、を含む車両の前方車体構造であって、
前記アッパーボディーの前方に配置されるフロントカウルと、
前記アッパーボディーのフロントピラーおよびフロントサイドメンバーを通じて前記フロントカウルと連結されるカウル支持ユニットと、を含む、ことを特徴とする前方車体構造。
【請求項2】
前記カウル支持ユニットは、
前方から入力される荷重を前記フロントピラーに伝達するためのロアロードパス、アッパーロードパス、そしてトップロードパスを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の前方車体構造。
【請求項3】
前記カウル支持ユニットは、
前記フロントサイドメンバーの前方に車幅方向に沿って連結されるカウルロアクロスメンバーと、
前記カウルロアクロスメンバーと前記フロントカウルと連結されるカウルロアサポートと、
前記フロントピラーの上部と前記フロントカウルを連結するカウルアッパーサイドサポートと、を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の前方車体構造。
【請求項4】
前記カウル支持ユニットは、
前記カウルアッパーサイドサポートの下部と前記フロントピラーに連結されるカウルロアサイドサポートと、
前記カウルロアサポートと前記フロントピラーに連結されるフェンダエプロンアッパーメンバーと、をさらに含む、ことを特徴とする請求項3に記載の前方車体構造。
【請求項5】
前記アッパーボディーに装着されるフロントフロアパネルと、
前記フロントフロアパネルに結合されるフロアアッパーと、
前記フロアアッパーに前後方向に沿って結合される少なくとも一つのフロアリーインフォースフレームと、をさらに含む、ことを特徴とする請求項4に記載の前方車体構造。
【請求項6】
前記カウル支持ユニットは、
前記フロアリーインフォースフレームに車幅方向に沿って結合されるカウルクロスバーアッシーをさらに含む、ことを特徴とする請求項5に記載の前方車体構造。
【請求項7】
前記カウルクロスバーアッシーは、
前記フェンダエプロンアッパーメンバーと前記フロントピラーに連結されるリーインフォースメンバーと、
両端を通じて前記リーインフォースメンバーに結合される一対のカウルクロスバーと、を含む、ことを特徴とする請求項6に記載の前方車体構造。
【請求項8】
前記カウルクロスバーアッシーは、
前記フェンダエプロンアッパーメンバーと前記リーインフォースメンバーの間でこれらに締結されるスペーサメンバーをさらに含む、ことを特徴とする請求項7に記載の前方車体構造。
【請求項9】
前記カウルクロスバーアッシーは、
前記フロアリーインフォースフレームに締結され、前記一対のカウルクロスバーと結合されるカウルクロスバーエクステンションをさらに含む、ことを特徴とする請求項7に記載の前方車体構造。
【請求項10】
前記一対のカウルクロスバーは、互いに異なる形状の閉断面を含む、ことを特徴とする請求項7に記載の前方車体構造。
【請求項11】
前記リーインフォースメンバーは、
前記アッパーボディーのホイールハウスおよび前記フロントサイドメンバーに結合されたボディーマウンティングサポートと連結される、ことを特徴とする請求項7に記載の前方車体構造。
【請求項12】
前記フロントサイドメンバーの前端部には前記カウルロアクロスメンバーおよび前記カウルロアサポートに対応する位置に第1装着点が形成され、
前記第1装着点には第1締結部が設けられる、ことを特徴とする請求項3に記載の前方車体構造。
【請求項13】
前記第1締結部は、前記アンダーボディーの第1マウンティング部に締結され、
前記第1マウンティング部は、フロントバックビーム組立体のフロントクラッシュボックスに備えられる、ことを特徴とする請求項12に記載の前方車体構造。
【請求項14】
前記フロントサイドメンバーの前端部と後端部の間には前記アッパーボディーのホイールハウスに結合されたボディーマウンティングサポートに対応する位置に第2装着点が形成され、
前記第2装着点には第2締結部が設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載の前方車体構造。
【請求項15】
前記第2締結部は、前記アンダーボディーの第2マウンティング部に締結され、
前記第2マウンティング部は、フロントバックビーム組立体後方側のフロントシャーシーフレームに備えられる、ことを特徴とする請求項14に記載の前方車体構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、車体に係り、より詳細には、PBV(Purpose Built Vehicle)車両の前方車体構造に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、自動車業界では人間中心の躍動的な未来都市具現のための新概念の未来のモビリティービジョンを紹介している。このような未来のモビリティーソリューションの一つが目的ベースのモビリティーとしてのPBV(Purpose Built Vehicle)車両である。
PBV車両は、地上で目的地まで移動する時間の間に搭乗客に必要な注文型サービスを提供する環境にやさしい移動ソリューションであり、電気自動車ベースの、人工知能を活用して状況別に最適経路設定および群集走行も行うことができる。
【0003】
例えば、PBV車両は、広い室内空間を有するボックス型デザイン車両で、広い室内空間を提供するためにウインドシールドガラスを車体の最前方に構成している。
このようなPBV車両の車体は、アンダーボディー(当業界ではローリングシャーシーまたはスケートボードともいう)と、そのアンダーボディー上に装着されるアッパーボディーと、から構成される。ここで、アンダーボディーには、バッテリーモジュールなどが装着される。そして、アッパーボディーは、鋼板やパイプを溶接して骨格を構成したスペースフレームであり得る。
【0004】
しかし、このようなPBV車両は、前方車体をボックス形態にデザインすることによって、前方骨格剛性が弱く、前方衝突時の衝撃吸収性能が脆弱であるという問題を抱えている。
この背景技術の部分に記載された事項は発明の背景に対する理解を増進させるために作成されたものであって、当該技術が属する分野における通常の知識を有する者にすでに知られている従来技術ではない事項を含むことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の実施形態は、車体前方側の骨格剛性を増大させ、前方衝突性能を増大化させることができるようにした前方車体構造を提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施形態による前方車体構造は、アンダーボディーと、前記アンダーボディーに結合されるアッパーボディーとを含む車両の前方車体構造であって、前記アッパーボディーの前方に配置されるフロントカウルと、前記アッパーボディーのフロントピラーおよびフロントサイドメンバーを通じて前記フロントカウルと連結されるカウル支持ユニットとを含むことができる。
【0008】
前記カウル支持ユニットは、前方から入力される荷重を前記フロントピラーに伝達するためのロアロードパス、アッパーロードパス、そしてトップロードパスを含むことができる。
【0009】
前記カウル支持ユニットは、前記フロントサイドメンバーの前方に車幅方向に沿って連結されるカウルロアクロスメンバー、前記カウルロアクロスメンバーと前記フロントカウルと連結されるカウルロアサポート、および前記フロントピラーの上部と前記フロントカウルを連結するカウルアッパーサイドサポートを含むことができる。
【0010】
前記カウル支持ユニットは、前記カウルアッパーサイドサポートの下部と前記フロントピラーに連結されるカウルロアサイドサポート、および前記カウルロアサポートと前記フロントピラーに連結されるフェンダエプロンアッパーメンバーをさらに含むことができる。
【0011】
本発明の実施形態による前方車体構造は、前記アッパーボディーに装着されるフロントフロアパネル、前記フロントフロアパネルに結合されるフロアアッパー、および前記フロアアッパーに前後方向に沿って結合される少なくとも一つのフロアリーインフォースフレームをさらに含むことができる。
【0012】
前記カウル支持ユニットは、前記フロアリーインフォースフレームに車幅方向に沿って結合されるカウルクロスバーアッシーをさらに含むことができる。
【0013】
前記カウルクロスバーアッシーは、前記フェンダエプロンアッパーメンバーと前記フロントピラーに連結されるリーインフォースメンバーと、両端を通じて前記リーインフォースメンバーに結合される一対のカウルクロスバーを含むことができる。
【0014】
前記カウルクロスバーアッシーは、前記フェンダエプロンアッパーメンバーと前記リーインフォースメンバーの間でこれらに締結されるスペーサメンバーをさらに含むことができる。
【0015】
前記カウルクロスバーアッシーは、前記フロアリーインフォースフレームに締結され、前記一対のカウルクロスバーと結合されるカウルクロスバーエクステンションをさらに含むことができる。
【0016】
前記一対のカウルクロスバーは、互いに異なる形状の閉断面を含むことができる。
【0017】
前記リーインフォースメンバーは、前記アッパーボディーのホイールハウスおよび前記フロントサイドメンバーに結合されたボディーマウンティングサポートと連結され得る。
【0018】
前記フロントサイドメンバーの前端部には前記カウルロアクロスメンバーおよび前記カウルロアサポートに対応する位置に第1装着点が形成され、前記第1装着点には第1締結部が設けられ得る。
【0019】
前記第1締結部は、前記アンダーボディーの第1マウンティング部に締結され、前記第1マウンティング部は、フロントバックビーム組立体のフロントクラッシュボックスに備えられ得る。
【0020】
前記フロントサイドメンバーの前端部と後端部の間には前記アッパーボディーのホイールハウスに結合されたボディーマウンティングサポートに対応する位置に第2装着点が形成され、前記第2装着点には第2締結部が設けられ得る。
【0021】
前記第2締結部は、前記アンダーボディーの第2マウンティング部に締結され、前記第2マウンティング部は、フロントバックビーム組立体後方側のフロントシャーシーフレームに備えられ得る。
【発明の効果】
【0022】
本発明の実施形態は、アンダーボディーとアッパーボディーの前方側骨格剛性を増大させることができ、車両の前方衝突性能を向上させることができる。
それ以外に本発明の実施形態によって得られるか予測される効果については、本発明の実施形態に対する詳細な説明で直接的または暗示的に開示する。つまり、本発明の実施形態により予測される多様な効果については後述する詳細な説明内で開示する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図面は、本発明の例示的な実施形態を説明するに当たり参照するためのものであり、本発明の技術的な思想を添付した図面に限定して解釈してはならない。
【
図1】本発明の実施形態による前方車体構造が適用され得る車両の一例を示した図面である。
【
図2】本発明の実施形態による前方車体構造を示した図面である。
【
図3】本発明の実施形態による前方車体構造を示した図面である。
【
図4】本発明の実施形態による前方車体構造を示した図面である。
【
図5】本発明の実施形態による前方車体構造に適用されるカウル支持ユニットのカウルクロスバーアッシーを示した図面である。
【
図6】本発明の実施形態による前方車体構造に適用されるカウル支持ユニットのカウルクロスバーアッシーを示した図面である。
【
図7A】本発明の実施形態による前方車体構造に適用されるカウル支持ユニットのカウルクロスバーアッシーを示した図面である。
【
図7B】本発明の実施形態による前方車体構造に適用されるカウル支持ユニットのカウルクロスバーアッシーを示した図面であり、
図7Aのスペーサメンバーの連結構成を拡大した図面である。
【
図8】本発明の実施形態による前方車体構造に適用されるカウル支持ユニットのカウルクロスバーアッシーを示した図面である。
【
図9】本発明の実施形態による前方車体構造のマウンティング部を示した図面である。
【
図10】本発明の実施形態による前方車体構造の作用効果を説明するための図面である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、添付した図面を参照して本発明の実施形態について本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施することができるように詳細に説明する。しかし、本発明は、多様な異なる形態に具現することができ、ここで説明する実施形態に限定されない。
【0025】
本発明を明確に説明するために、説明と関係ない部分は省略し、明細書全体にわたって同一または類似する構成要素に対しては同一の参照符号を付した。
図面に示した各構成の大きさおよび厚さは、説明の便宜のために任意に示したため、本発明は必ずしも図面に示されたものに限定されず、複数の部分および領域を明確に表現するために厚さを拡大して表示した。
【0026】
下記の詳細な説明において、構成の名称を第1、第2などに区分したことはその構成が同一で、これを区分するためのものであり、下記の説明で必ずしもその順序に限定されるのではない。
明細書全体において、ある部分がある構成要素を含むという時、これは特に反対になる記載がない限り、他の構成要素を除外せず、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
また、明細書に記載された「…部」、「…手段」などの用語は、少なくとも一つの機能や動作を行う包括的な構成の単位を意味する。
【0027】
図1は、本発明の実施形態による前方車体構造が適用され得る車両の一例を示した図面である。
図1を参照すれば、本発明の実施形態による前方車体構造100は、例えば、目的ベースのモビリティー(Purpose Built Vehicle:以下、PBVという)車両1に適用され得る。
【0028】
PBV車両1は、地上で目的地まで移動する時間の間に搭乗客に必要な注文型サービスを提供する電気自動車ベースの環境にやさしい移動車両である。なお、PBV車両1は、広い室内空間を有するボックス型デザイン車両であり得る。前記ボックス型デザインのPBV車両1は、ウインドシールドガラス(図示せず)を車体の最前方に構成している。
【0029】
このようなPBV車両1は、スケートボードタイプのアンダーボディー10(当業界ではローリングシャーシーともいう)と、そのアンダーボディー10に装着されるアッパーボディー20を含んでいる。
アンダーボディー10には、バッテリーアセンブリー3が搭載される。アンダーボディー10は、車体前後方向に沿って互いに連結されたフロントシャーシーフレーム11、センターシャーシーフレーム12、そしてリアシャーシーフレーム13を含んでいる。このようなフロントシャーシーフレーム11、センターシャーシーフレーム12、およびリアシャーシーフレーム13は、クロスメンバーを含んでいる。
【0030】
ここで、フロントシャーシーフレーム11の前方側には、フロントバックビーム組立体14が連結される。そして、リアシャーシーフレーム13の後方側には、リアバックビーム組立体15が連結される。
フロントバックビーム組立体14は、フロントクラッシュボックス16とフロントバックビーム17を含んでいる。フロントクラッシュボックス16は、フロントバックビーム17とフロントシャーシーフレーム11を連結する。
【0031】
一方、アッパーボディー20は、アンダーボディー10に結合されるボディーであって、前方部および後方部の間のセンター部にキャビンを含むが、例えば鋼板やパイプを連結して骨格を構成したスペースフレームであり得る。
アッパーボディー20は、前方部の両側に備えられるフロントサイドメンバー21と、フロントサイドメンバー21と車体前後方向に沿って連結されるサイドアッシー22を含んでいる。このようなフロントサイドメンバー21とサイドアッシー22はアンダーボディー10と結合される。
【0032】
ここで、サイドアッシー22は、車体前方に配置されるフロントピラー23、車体後方に配置されるリアフィラー24、およびフロントピラー23とリアフィラー24の間に配置されるセンターフィラー25を含む。
そして、サイドアッシー22は、前方部両側に備えられるフロントクォーター部26を含む。また、フロントクォーター部26には、ホイールハウス27が形成される。アッパーボディー20で両側フロントクォーター部26の間にはフロントフロアパネル28が設けられる。
【0033】
当業界では車幅方向をL方向、車体長手方向(車体前後方向)をT方向、そして車体の高さ方向をH方向という。しかし、本発明の実施形態では、基準方向として前記のようなLTH方向に設定する代わりに、車幅方向、車体前後方向および上下方向と設定して下記での構成要素を説明する。
【0034】
また、下記での端(一方/一側端または他の一方/一側端)はいずれか一方の端と定義され得、その端を含む一定部分(一方/一側端部または他の一方/一側端部)と定義されることもできる。
本発明の実施形態による前方車体構造100は、車体前方側の骨格剛性を向上させ、車体の前方衝突による衝突荷重の吸収性能を増大させることができる構造からなる。
【0035】
図2乃至
図4は、本発明の実施形態による前方車体構造を示した図面である。
図2乃至
図4を参照すれば、本発明の実施形態による前方車体構造100は、フロントカウル30とカウル支持ユニット40を含んでいる。
【0036】
本発明の実施形態で、フロントカウル30は、アッパーボディー20の前方構造物であり、そのアッパーボディー20の最前方に配置される。フロントカウル30は、アッパーボディー20の最前方に車幅方向に沿って配置される。
このようなフロントカウル30は、後でカウル支持ユニット40を通じてフロントサイドメンバー21とフロントピラー23に連結され得る。
【0037】
本発明の実施形態で、カウル支持ユニット40は、フロントカウル30を支持し、フロントカウル30とアンダーボディー10の車体前後方向、車幅方向および上下方向剛性、および前方衝突性能を向上させることができる。
カウル支持ユニット40は、アッパーボディー20のフロントサイドメンバー21およびフロントピラー23を通じてフロントカウル30と連結される。
【0038】
このようなカウル支持ユニット40は、カウルロアクロスメンバー41、カウルロアサポート43、カウルアッパーサイドサポート45、カウルロアサイドサポート47、フェンダエプロンアッパーメンバー49、そしてカウルクロスバーアッシー61を含んでいる。
【0039】
カウルロアクロスメンバー41は、カウルロアサポート43の車幅方向剛性を向上させるためのものであり、フロントサイドメンバー21の前方に車幅方向に沿って連結される。
【0040】
カウルロアサポート43は、フロントカウル30の上下方向剛性を向上させるためのものであり、フロントカウル30とカウルロアクロスメンバー41の間に上下方向に配置される。カウルロアサポート43は、対をなして備えられ得るが、これに限定されるのではない。カウルロアサポート43は、その下部がカウルロアクロスメンバー41に連結され、その上部がフロントカウル30と連結される。
【0041】
カウルアッパーサイドサポート45は、フロントカウル30の車体前後方向および上下方向剛性を向上させるためのものであり、フロントピラー23の上部とフロントカウル30にアーチ形態で連結される。
【0042】
カウルロアサイドサポート47は、フロントカウル30の車体前後方向剛性を向上させるためのものであり、カウルアッパーサイドサポート45の下部とフロントピラー23に連結される。
【0043】
フェンダエプロンアッパーメンバー49には、アッパーボディー20の前方側のフェンダパネル29が装着され、フェンダエプロンアッパーメンバー49は、カウルロアサポート43の車体前後方向剛性を向上させるためのものである。フェンダエプロンアッパーメンバー49は、カウルロアサポート43とフロントピラー23に連結される。
【0044】
図5乃至
図8は、本発明の実施形態による前方車体構造に適用されるカウル支持ユニットのカウルクロスバーアッシーを示した図面である。
図5乃至
図8を参照すれば、アッパーボディー20でフロントフロアパネル28にはフロアアッパー51が結合される。フロアアッパー51は、車両のステアリング装置(図示せず)を装着するためのものであり、フロントサイドメンバー21と連結される。
【0045】
フロアアッパー51の上面には、車体前後方向に沿って少なくとも一つ、例えば一対のフロアリーインフォースフレーム53が車幅方向に沿って互いに離隔して結合される。
アッパーボディー20の前方フロア構造で、本発明の実施形態によるカウルクロスバーアッシー61は、フロアアッパー51上にステアリング装置を安着させるためのものである。なお、カウルクロスバーアッシー61は、フェンダエプロンアッパーメンバー49の車体前後方向および車幅方向剛性を向上させる機能もする。
【0046】
カウルクロスバーアッシー61は、カウルロアサポート43、フェンダエプロンアッパーメンバー49、そしてフロントピラー23を連結する。カウルクロスバーアッシー61は、フロアリーインフォースフレーム53に車幅方向に沿って結合する。
【0047】
このようなカウルクロスバーアッシー61は、本発明の実施形態でリーインフォースメンバー63、スペーサメンバー65、一対のカウルクロスバー67、69、そしてカウルクロスバーエクステンション71を含んでいる。
リーインフォースメンバー63は、カウルクロスバー67、69の強度および剛性を補強するためのものである。リーインフォースメンバー63は、パネル形状を有し、フェンダエプロンアッパーメンバー49とフロントピラー23に連結される。
【0048】
リーインフォースメンバー63は、フェンダエプロンアッパーメンバー49とフロントピラー23の断面を共有し、前方衝突および耐久荷重に対する剛性/強度を向上させる機能もする。
リーインフォースメンバー63は、アッパーボディー20のホイールハウス27およびフロントサイドメンバー21に結合されたボディーマウンティングサポート64と連結される。ボディーマウンティングサポート64の一側はリーインフォースメンバー63に結合され、他の一側はフロントフロアパネル28を通じてフロントサイドメンバー21に結合される。
【0049】
スペーサメンバー65は、フェンダエプロンアッパーメンバー49とリーインフォースメンバー63の間でこれらの剛性を補強するリーインフォースで備えられる。スペーサメンバー65は、フェンダエプロンアッパーメンバー49とリーインフォースメンバー63に締結される。
【0050】
図7Bは、
図7Aのスペーサメンバー65の連結構成を拡大した図面である。
図7Bを参照すれば、スペーサメンバー65は、ボルト66aとナット66bを通じてフェンダエプロンアッパーメンバー49とリーインフォースメンバー63に締結される。このようなスペーサメンバー65は、一対のボルト66aがそれぞれ挿入され得るパイプ形状を有するブラケットで備えられ得る。
【0051】
一対のカウルクロスバー67、69は、ステアリング装置が安着できるデュアルカウルクロスバーであり得る。一対のカウルクロスバー67、69は、フロアリーインフォースフレーム53上で車幅方向に沿って配置され、リーインフォースメンバー63に結合される。カウルクロスバー67、69の両端は、リーインフォースメンバー63を貫通し、リーインフォースメンバー63に溶接され得る。
【0052】
一対のカウルクロスバー67、69は、車体前後方向に沿って互いに離隔して配置されるが、以下では前方に位置するカウルクロスバーをフロントカウルクロスバー67といい、後方に位置するカウルクロスバーをリアカウルクロスバー69という。
ここで、フロントカウルクロスバー67、およびリアカウルクロスバー69は、互いに異なる形状の閉断面を有するパイプ形態で備えられる。例えば、フロントカウルクロスバー67は、円形の閉断面67aで形成され得る。そして、リアカウルクロスバー69は、四角形の閉断面69aで形成され得る。
【0053】
カウルクロスバーエクステンション71は、フロアリーインフォースフレーム53を通じてフロントカウルクロスバー67、およびリアカウルクロスバー69を一体化させるためのものである。カウルクロスバーエクステンション71は、ボルト73を通じてフロントフロアパネル28と共にフロアリーインフォースフレーム53に締結される。そして、カウルクロスバーエクステンション71は、フロントカウルクロスバー67、およびリアカウルクロスバー69と溶接で接合される。
【0054】
図9は、本発明の実施形態による前方車体構造のマウンティング部を示した図面である。
図4および
図9を参照すれば、本発明の実施形態でフロントサイドメンバー21の前方にはカウルロアクロスメンバー41およびカウルロアサポート43と連結される部分に第1装着点81が形成される。
【0055】
第1装着点81には、第1締結部83が設けられる。第1締結部83は、例えば、第1装着点81に上下方向に挿入され、マウンティングブラケットを通じて固定された第1マウンティングボルト85を含む。
このような第1締結部83は、アンダーボディー10の第1マウンティング部87に締結される。第1マウンティング部87は、前述したフロントバックビーム組立体14のフロントクラッシュボックス16に備えられる。第1マウンティング部87は、例えば、第1マウンティングボルト85と締結される第1ウェルドナット89を含む。
【0056】
また、本発明の実施形態でフロントサイドメンバー21の前方および後方の間にはボディーマウンティングサポート64(
図4乃至
図6および
図9参照)と連結される第2装着点91が形成される。
第2装着点91には、第2締結部93が設けられる。第2締結部93は、例えば、第2装着点91に上下方向に挿入され、マウンティングブラケットを通じて固定された第2マウンティングボルト95を含む。
【0057】
このような第2締結部93は、アンダーボディー10の第2マウンティング部97に締結される。第2マウンティング部97は、フロントバックビーム組立体14の後方側のフロントシャーシーフレーム11に備えられる。第2マウンティング部97は、例えば、第2マウンティングボルト95と締結される第2ウェルドナット99を含む。
【0058】
以下、前述のように構成される本発明の実施形態による前方車体構造100の作用効果を先に開示した図面および添付した図面を参照して詳細に説明する。
【0059】
本発明の実施形態による前方車体構造100は、アッパーボディー20の最前方に位置するフロントカウル30を支持するためのカウル支持ユニット40を含む。
カウル支持ユニット40は、アッパーボディー20のフロントサイドメンバー21、およびフロントピラー23を通じてフロントカウル30と連結され、フロントカウル30の前方構造物を支持する。
【0060】
カウル支持ユニット40は、カウルロアクロスメンバー41、カウルロアサポート43、カウルアッパーサイドサポート45、カウルロアサイドサポート47、フェンダエプロンアッパーメンバー49、そしてカウルクロスバーアッシー61を含むことができる。
【0061】
図10は、本発明の実施形態による前方車体構造の作用効果を説明するための図面である。
図10を参照してカウル支持ユニット40の作用を具体的に説明すれば、本発明の実施形態では路面荷重などがフロントサイドメンバー21に伝達され得、フェンダエプロンアッパーメンバー49を通じて路面荷重がフロントピラー23に伝達されるロアロードパス101が形成される。
【0062】
図5および
図10を参照すれば、フロアリーインフォースフレーム53に入力される荷重がカウルクロスバーアッシー61およびカウルロアサイドサポート47を通じてフロントピラー23に伝達されるアッパーロードパス103が形成される。
【0063】
また、
図10を参照すれば、カウルロアクロスメンバー41およびカウルロアサポート43に入力される荷重がカウルアッパーサイドサポート45を通じてフロントピラー23に伝達されるトップロードパス105が形成される。
したがって、本発明の実施形態では、車体前方でフロントカウル30、カウル支持ユニット40、そしてアンダーボディー10間の車体前後方向、車幅方向および上下方向剛性、つまり、横/縦方向曲げ、ねじり剛性を向上させることができる。
【0064】
一方、本発明の実施形態では、カウルロアクロスメンバー41およびカウルロアサポート43と連結される第1装着点81がフロントサイドメンバー21に形成される。そして、本発明の実施形態では、第1装着点81に締結される第1マウンティング部87がアンダーボディー10のフロントバックビーム組立体14でフロントクラッシュボックス16に形成される。
【0065】
なお、本発明の実施形態では、ホイールハウス27に結合されたボディーマウンティングサポート64、フェンダエプロンアッパーメンバー49、そしてカウルクロスバーアッシー61と連結される第2装着点91がフロントサイドメンバー21に形成される。また、本発明の実施形態では、第2装着点91が締結される第2マウンティング部97がアンダーボディー10のフロントシャーシーフレーム11に形成される。
【0066】
これによって、本発明の実施形態では、第1装着点81が結合された第1マウンティング部87の結合剛性が第2装着点91が結合された第2マウンティング部97の結合剛性より小さくてもよい。
したがって、本発明の実施形態では、車両の正面衝突時、衝突荷重によって第1マウンティング部87で変形が先に発生するようになり、第2マウンティング部97では変形が発生しないことができる。
これによって、本発明の実施形態では、車両の正面衝突による衝突荷重を前記第1および第2マウンティング部87、97を通じて吸収および分散させることによって、車両の前方衝突性能を向上させることができる。
【0067】
以上で本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるのではなく、特許請求の範囲と発明の詳細な説明および添付した図面の範囲内で多様に変形して実施することが可能であり、これも本発明の範囲に属することは当然である。
【符号の説明】
【0068】
1 車両
3 バッテリーアセンブリー
10 アンダーボディー
11 フロントシャーシーフレーム
12 センターシャーシーフレーム
13 リアシャーシーフレーム
14 フロントバックビーム組立体
15 リアバックビーム組立体
16 フロントクラッシュボックス
17 フロントバックビーム
20 アッパーボディー
21 フロントサイドメンバー
22 サイドアッシー
23 フロントピラー
24 リアフィラー
25 センターフィラー
26 フロントクォーター部
27 ホイールハウス
28 フロントフロアパネル
29 フェンダパネル
30 フロントカウル
40 カウル支持ユニット
41 カウルロアクロスメンバー
43 カウルロアサポート
45 カウルアッパーサイドサポート
47 カウルロアサイドサポート
49 フェンダエプロンアッパーメンバー
51 フロアアッパー
53 フロアリーインフォースフレーム
61 カウルクロスバーアッシー
63 リーインフォースメンバー
64 ボディーマウンティングサポート
65 スペーサメンバー
66a、73 ボルト
66b ナット
67 フロントカウルクロスバー
67a、69a 閉断面
69 リアカウルクロスバー
71 カウルクロスバーエクステンション
81 第1装着点
83 第1締結部
85 第1マウンティングボルト
87 第1マウンティング部
89 第1ウェルドナット
91 第2装着点
93 第2締結部
95 第2マウンティングボルト
97 第2マウンティング部
99 第2ウェルドナット
100 前方車体構造
101 ロアロードパス
103 アッパーロードパス
105 トップロードパス