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特開2022-96620フラッドイルミネータ用のコリメーションおよびディフューザ結合レンズ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022096620
(43)【公開日】2022-06-29
(54)【発明の名称】フラッドイルミネータ用のコリメーションおよびディフューザ結合レンズ
(51)【国際特許分類】
   G01S 7/481 20060101AFI20220622BHJP
   G01S 7/484 20060101ALI20220622BHJP
   G02B 27/09 20060101ALI20220622BHJP
   G02B 3/08 20060101ALI20220622BHJP
【FI】
G01S7/481 A
G01S7/484
G02B27/09
G02B3/08
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021199421
(22)【出願日】2021-12-08
(31)【優先権主張番号】17/125,140
(32)【優先日】2020-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】317015065
【氏名又は名称】ウェイモ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100126480
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 睦
(72)【発明者】
【氏名】ブリックナー,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ソン,フイ
(72)【発明者】
【氏名】カカニ,チャンドラ
(72)【発明者】
【氏名】エッパード,エリン
【テーマコード(参考)】
5J084
【Fターム(参考)】
5J084AA05
5J084AC02
5J084AC06
5J084AC07
5J084AD01
5J084AD03
5J084AD09
5J084BA04
5J084BA05
5J084BA20
5J084BA48
5J084BB04
5J084BB06
5J084BB13
5J084BB28
5J084BB40
5J084CA03
5J084CA10
(57)【要約】
【課題】本開示は、ライダーセンサを組み込み得る光学システムおよび車両に関する。
【解決手段】例示的な光学システムは、放出光を放出するように構成された発光デバイスを含む。光学システムは、第1の表面および対向する第2の表面を含む光学要素をさらに含む。第1の表面は、放出光を拡散して拡散光を形成するように構成された拡散表面を含む。第2の表面は、集束表面を含む。第1の表面および第2の表面の結合は、光学システムの視野内に放出される光強度プロファイルを提供するように構成されている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学システムであって、
放出光を放出するように構成された発光デバイスと、
第1の表面および対向する第2の表面を含む光学要素であって、前記第1の表面が、前記放出光を拡散して拡散光を形成するように構成された拡散表面を含み、前記第2の表面が、集束表面を含み、前記第1の表面および前記第2の表面の結合が、前記光学システムの視野内に放出される光強度プロファイルを提供するように構成されている、光学要素と、を含む、光学システム。
【請求項2】
前記集束表面がフレネルレンズ表面を含む、請求項1に記載の光学システム。
【請求項3】
前記拡散表面および前記フレネルレンズ表面が、法線軸に対して26度~30度の速軸発散を提供する、請求項2に記載の光学システム。
【請求項4】
前記拡散表面および前記フレネルレンズ表面が、法線軸に対して6.5度~8.5度の遅軸発散を提供する、請求項2に記載の光学システム。
【請求項5】
前記光学要素が、遅軸に沿って少なくとも10ミリメートル、速軸に沿って少なくとも40ミリメートルの開放口を含む、請求項1に記載の光学システム。
【請求項6】
前記第1の表面または前記第2の表面のうちの少なくとも1つが、40ミリメートル~50ミリメートルの後方焦点距離を提供するように構成されている、請求項1に記載の光学システム。
【請求項7】
前記強度プロファイルが、前記光学システムの前記視野内に放出された光の均一な強度分布を含む、請求項1に記載の光学システム。
【請求項8】
前記光学要素が、圧縮成形ガラス、環状オレフィン共重合体(COCまたはCOP)材料、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリプロピレン、またはポリエチレンのうちの少なくとも1つから形成される、請求項1に記載の光学システム。
【請求項9】
前記第1の表面または前記第2の表面のうちの少なくとも1つが、反射防止コーティングによってコーティングされている、請求項1に記載の光学システム。
【請求項10】
前記光学要素が、900ナノメートル~930ナノメートルの波長範囲内の光を透過するように構成されている、請求項1に記載の光学システム。
【請求項11】
前記光学システムが、-40℃~85℃の動作温度範囲内で動作するように構成されている、請求項1に記載の光学システム。
【請求項12】
前記発光デバイスが、少なくとも1つのレーザダイオードデバイスを含む、請求項1に記載の光学システム。
【請求項13】
ライダー視野内の距離データを提供するように構成されたライダーシステムをさらに備え、前記光学システムの前記視野が前記ライダー視野と重なる、請求項1に記載の光学システム。
【請求項14】
前記ライダーシステムが筐体を含み、前記発光デバイスおよび前記光学要素が前記筐体内に配置されている、請求項13に記載の光学システム。
【請求項15】
光学システムであって、
ライダー視野内の距離データを提供するように構成されたライダーシステムと、
放出光を放出するように構成された発光デバイスと、
第1の表面および対向する第2の表面を含む光学要素であって、前記第1の表面が、前記放出光を拡散して拡散光を形成するように構成された拡散表面を含み、前記第2の表面が、集束表面を含み、前記第1の表面および前記第2の表面の結合が、前記光学システムの視野内に放出される光強度プロファイルを提供するように構成されている、光学要素と、を含む、光学システム、を備える、車両。
【請求項16】
前記強度プロファイルが、前記光学システムの前記視野内に放出された光の均一な強度分布を含む、請求項15に記載の車両
【請求項17】
前記光学システムの前記視野が、前記ライダー視野と重なる、請求項15に記載の車両。
【請求項18】
前記ライダーシステムが、筐体を備え、前記発光デバイスおよび前記光学要素が前記筐体内に配置されている、請求項15に記載の車両。
【請求項19】
前記光学システムが、-40℃~85℃の動作温度範囲内で動作するように構成されている、請求項15に記載の車両。
【請求項20】
前記発光デバイスが、少なくとも1つのレーザダイオードデバイスを含む、請求項15に記載の車両。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
フラッドイルミネータシステムは、視野に光を放出し、放出された光が角度制御されたトップハット強度プロファイルを有するように構成され得る。従来の照明器システムは、光源、第1の光学要素、および第2の光学要素を含み得る。
【0002】
そのようなシナリオでは、光源は、放出光をコリメートしてコリメートされた光を形成するように、第1の光学要素と相互作用する放出光を放出し得る。コリメートされた光は、その後、コリメートされた光を拡散させて拡散光を形成するように、第2の光学要素と相互作用し得る。いくつかの従来の例では、第1の光学要素は、平坦な(例えば、平面の)表面および集束表面(例えば、フレネルレンズ表面)を含み得る。第2の光学要素は、平坦な(例えば、平面の)表面および拡散表面を含み得る。一例として、小売店のディスプレイ照明で利用される従来のシステムは、レンズおよびディフューザに個別の光学要素を必要とする。
【発明の概要】
【0003】
本開示では、拡散表面および集束表面を含み得る単一の光学要素を含む場合の、光学システムおよび車両が、説明される。そのような実施形態は、2つの別個のレンズを単一の結合レンズ要素で置き換え得る。
【0004】
第1の態様では、光学システムが提供される。光学システムは、放出光を放出するように構成された発光デバイスと、光学要素とを含む。光学要素は、第1の表面と、対向する第2の表面とを含む。第1の表面は、放出光を拡散して拡散光を形成するように構成された拡散表面を含む。第2の表面は、集束表面を含む。第1の表面および第2の表面の結合は、光学システムの視野内に放出される光強度プロファイルを提供するように構成される。
【0005】
第2の態様では、車両が提供される。車両は、光学システムを含む。光学システムは、ライダー視野内の距離データを提供するように構成されたライダーシステムを含む。光学システムはまた、放出光を放出するように構成された発光デバイスを含む。光学システムは、第1の表面および対向する第2の表面を有する光学要素をさらに含む。第1の表面は、放出光を拡散して拡散光を形成するように構成された拡散表面を含む。第2の表面は、集束表面を含む。第1の表面および第2の表面の結合は、光学システムの視野内に放出される光強度プロファイルを提供するように構成される。
【0006】
他の態様、実施形態、および実装形態は、当業者には、以下の詳細な説明を添付の図面を適宜参照して読み取ることにより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】例示的な実施形態による光学システムを示す。
図2】従来技術の光学システムを示す。
図3】例示的な実施形態による、図1の光学システムを示す。
図4A】例示的な実施形態による車両を示す。
図4B】例示的な実施形態による車両を示す。
図4C】例示的な実施形態による車両を示す。
図4D】例示的な実施形態による車両を示す。
図4E】例示的な実施形態による車両を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
例示的な方法、デバイス、およびシステムが、本明細書に記載される。「例」および「例示的」という語は、本明細書においては、「例、事例、または例示としての役割を果たす」ことを意味するために使用されることを理解されたい。本明細書において「例」または「例示的」であるとして説明されるいずれの実施形態または特徴も、他の実施形態または特徴よりも好ましい、または有利であると必ずしも解釈されるべきではない。本明細書に提示されている主題の範囲から逸脱することなく、他の実施形態を利用することができ、他の変更を行うことができる。
【0009】
したがって、本明細書に記載される例示的な実施形態は、限定的であることを意味するものではない。本開示の態様は、本明細書に概して記載され、図に例示されているように、多種多様な異なる構成で配列、置き換え、結合、分離、および設計することができ、それらのすべてが、本明細書で想定されている。
【0010】
さらに、文脈上特段の示唆がある場合を除き、各図において例示された特徴は、互いに組み合わせて使用され得る。したがって、図は、概して、図示された特徴のすべてが、必ずしも各実施形態に必要であるとは限らないという理解のもとで、1つ以上の実施形態全体のうちの部分的な態様として見なされるべきである。
【0011】
I.概要
本開示では、例示的な実施形態は、拡散表面および集束表面(例えば、フレネルレンズ表面)を含み得る、単一の光学要素を含む。そのような実施形態は、2つの別個のレンズを単一の結合レンズ要素で置き換え得る。いくつかの例では、単一の結合レンズ要素は、光学的および位置合わせの簡便性、コストの削減、および機械的部品数の削減を提供し得る。さらに、レーザの安全性は、単一レンズの実施形態によっても改善され得、これにより、故障する可能性のある潜在的な部材の数が減少する。
【0012】
いくつかの実施形態では、結合レンズ要素は、射出成形され得る。たとえば、両面射出成形型は、レンズ射出成形ツールで利用され得る。
【0013】
結合レンズ要素は、結像および非結像用途で利用され得る。いくつかの実施形態では、結合レンズ要素を備えた照明器システムが、カメラシステムおよび/またはライダーシステムを支援する所望の強度プロファイルを提供するために、利用され得る。照明器システムは、赤外波長または他の光学波長の所望の光強度プロファイルを提供するために、利用され得る。追加的または代替的に、照明器システムは、自律型または半自律型車両などの車両に取り付けられ得る。
【0014】
II.例示的な光学システム
図1は、例示的な実施形態による光学システム100を示している。いくつかの実施形態では、光学システム100は、ライダーシステムおよび/またはカメラシステム用のフラッドイルミネータを含み得る。光学システム100は、放出光を放出するように構成された発光デバイス110を含む。例えば、発光デバイス110は、少なくとも1つのレーザダイオードデバイス(例えば、4~10個の高出力半導体レーザおよび/または発光ダイオード)を含み得る。
【0015】
いくつかの例では、発光デバイス110は、マルチバーレーザダイオードデバイスを含み得る。そのようなシナリオでは、マルチバーレーザダイオードデバイスは、複数の半導体レーザバーを含み得る。例えば、マルチバーレーザダイオードデバイスは、赤外光パルスを放出するように構成され得る。そのようなシナリオでは、赤外光パルスは、約905ナノメートルの波長を有する光を含み得る(例えば、900~910ナノメートル、895~915ナノメートル、885~925ナノメートルなど)。他の赤外波長(例えば、700ナノメートル~1ミリメートル)を有する光を放出するように構成された発光デバイスが可能であり、想定されていることが理解されよう。
【0016】
光学システム100は、光学要素120をさらに含む。光学要素120は、第1の表面130および対向する第2の表面140を含む。第1の表面130は、放出光を拡散して拡散光を形成するように構成された拡散表面132を含む。第2の表面140は、光学システム100の所望の視野150内に放出される光の所望の強度プロファイル152を提供するために、拡散光を集束させるように構成された集束表面142を備える。そのようなシナリオでは、発光デバイス110と光学要素120との結合は、ライダーシステムまたはカメラシステム用のフラッドイルミネーション光源を提供し得る。
【0017】
様々な実施形態において、光学要素120は、圧縮成形ガラス、環状オレフィン共重合体(COCまたはCOP)材料、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリカーボネート(PC)、ポリプロピレン(PP)、またはポリエチレン(PE)のうちの少なくとも1つから形成され得る。そのようなシナリオでは、光学要素120は、成形可能な光学材料から形成され得る。他の例では、光学要素120は、硬化性接着剤(例えば、熱硬化性エポキシ)で形成され得る。さらに、光学要素120は、フォトリソグラフィーおよびエッチング技術を使用して光学材料をパターニングすることなどによる、半導体製造技術を使用して加工され得る。光学要素120を形成する際に、他の材料および製造技術が、想定され、可能であることが理解されよう。
【0018】
いくつかの実施形態では、集束表面142は、フレネルレンズ表面を含み得る。本開示の範囲内で光を拡散および/または集束させるために、他のタイプの光学要素を利用できることが理解されよう。他の集束表面142の例には、回折光学要素および/またはホログラフィック要素が含まれ得る。
【0019】
いくつかの実施形態では、第1の表面130は、第1の表面コーティング134でコーティングされ得る。追加的または代替的に、第2の表面140は、第2の表面コーティング144でコーティングされ得る。一例として、第1の表面130または第2の表面140のうちの少なくとも1つは、単層反射防止コーティングまたは多層反射防止コーティングによってコーティングされ得る。
【0020】
例示的な実施形態では、光学システム100は、ライダーシステム160を含み得る。ライダーシステム160は、ライダー視野162内の距離データを提供するように構成され得る。そのようなシナリオでは、所望の視野150は、ライダー視野162と重なり得る。追加的または任意選択で、ライダーシステム160は、筐体164を含み得る。そのようなシナリオでは、発光デバイス110および光学要素120は、筐体164の内部に配置され得る。
【0021】
いくつかの実施形態では、光学システム100は、-40℃~85℃の動作温度範囲内で動作するように構成され得る。しかしながら、他の動作温度範囲が、可能であり、想定されている。
【0022】
図2は、従来技術の光学システム200を示している。図2に示されているように、従来技術の光学システム200は、レーザ源210およびフレネルレンズ要素220を含み得る。従来技術の光学システム200は、操作されたディフューザ230をさらに含み得る。レーザ源210は、放出された光をコリメートし、コリメートされた光222を提供するように、フレネルレンズ要素220に向かって光212を放出するように構成され得る。コリメートされた光222は、角度制御されたトップハット強度プロファイル240を提供するように、操作されたディフューザ230と相互作用し得る。
【0023】
追加的または代替的に、集束表面142は、フレネルレンズ表面を含み得る。いくつかの実施形態では、フレネルレンズ表面は、従来の屈折レンズ要素よりも実質的に薄いことがあるレンズを含み得る。すなわち、球面のフレネルレンズ表面の断面は、同等の屈折力の従来の球面平凸レンズの断面よりも実質的に薄くなり得る。
【0024】
いくつかの実施形態では、フレネルレンズ表面は、結像(例えば、球面または円筒形)レンズ表面または非結像(例えば、スポットまたは線形)レンズ表面を含み得る。様々な例において、フレネルレンズ表面は、複数の溝付きおよび/または階段状の同心曲面を含み得る。
【0025】
様々な例において、光学要素120は、長軸および短軸を有する長方形の中実の形状を有し得る。そのようなシナリオでは、拡散表面132および集束表面142(例えば、フレネルレンズ表面)を含む光学要素120は、法線軸に対して26度~30度の「速軸」角度発散を提供し得る。
【0026】
いくつかの実施形態では、拡散表面132および集束表面142(例えば、回折光学、ホログラフィック要素、またはフレネルレンズ表面)は、法線軸に対して6.5度~8.5度の「遅軸」角度発散を提供するように構成され得る。
【0027】
例示的な実施形態では、光学要素120は、開放口を含み得る。すなわち、開放口は、少なくとも10ミリメートルの遅軸開放口および少なくとも40ミリメートルの速軸開放口を含み得る。開放口の他の寸法が可能であり、想定されることが理解されよう。
【0028】
いくつかの例では、第1の表面130または第2の表面140のうちの少なくとも1つは、40ミリメートル~50ミリメートルの後方焦点距離を提供するように構成され得る。しかしながら、他の後方焦点距離も可能である。いくつかの実施形態では、発光デバイス110は、後方焦点距離でまたはその近くで法線軸に沿った位置から光学要素120に向かって光を放出するように配置され得る。発光デバイス110を法線軸に沿って位置決めおよび/または配列する際に、センタリングされた放出パターンが提供され得る。追加的または代替的に、発光デバイス110が、軸外の向きに位置決めまたは配列されている場合、放出パターンは、法線軸に対して角度的に変位され得るが、放出パターンは、角度制御されたトップハット強度プロファイルを依然として保持し得る。そのようなシナリオでは、光学システムの性能は、発光デバイス110の位置に比較的無感応であり得る。
【0029】
いくつかの実施形態では、拡散表面132および集束表面142(例えば、フレネルレンズ表面)は、900ナノメートル~930ナノメートルの波長範囲内の光を透過するように構成され得る。光学要素120は、他の波長を有する光を透過するように構成され得ることが理解されよう。
【0030】
いくつかの実施形態では、所望の強度プロファイル152は、所望の視野150全体にわたる光の、実質的に均一な強度分布を含み得る。一例として、強度分布は、光学システム100に関して、遠視野領域(例えば、1メートル離れた、10メートル離れた、または30メートル離れた)にわたって均一な光の分布を含み得る。
【0031】
図3は、例示的な実施形態による、図1の光学システム100を示している。図3に示されているように、光学システム100は、レーザ源などの発光デバイス110を含み得る。いくつかの実施形態では、発光デバイス110は、光学要素120に対して後方焦点距離400に配置され得る。
【0032】
III.例示的車両
図4A図4B図4C図4D、および図4Eは、例示的な実施形態による、車両500を示している。いくつかの実施形態では、車両500は、半自律型または完全自律型車両であり得る。図4A図4B図4C図4D、および図4Eは、車両500を自動車(例えば、乗客用バン)として示しているが、車両500は、センサおよびその環境に関する他の情報を使用して、その環境内で誘導し得る別のタイプの自律型車両、ロボット、またはドローンを含み得ることが理解されよう。
【0033】
車両500は、1つ以上のセンサシステム502、504、506、508、および510を含み得る。いくつかの実施形態では、センサシステム502、504、506、508、および510は、図1に関連して図示され説明されている光学システム100を含み得る。言い換えれば、本明細書の他の場所で説明される光学システムおよびライダーシステムは、車両500に結合され得、かつ/または車両500の様々な動作と組み合わせて利用され得る。一例として、本明細書に記載の光学システム100および/またはライダーシステムは、車両500の自動運転もしくは他のタイプのナビゲーション、計画、知覚、および/またはマッピング操作で利用され得る。
【0034】
1つ以上のセンサシステム502、504、506、508、および510が、車両500の特定の位置に示されているが、より多くのまたはより少ないセンサシステムが車両500に利用され得ることが理解されよう。さらに、そのようなセンサシステムの位置は、図4A図4B図4C図4D、および図4Eに示されているセンサシステムの位置と比較して、調整、修正、または別のやり方で変更され得る。
【0035】
いくつかの実施形態では、センサシステム502、504、506、508、および510は、所与の平面(例えば、x-y平面)に対して様々な角度にわたって配置された、かつ/または車両500の環境内の異なる方向に向かって光を放出するように配置された、複数の発光デバイスを含み得る。例えば、センサシステム502、504、506、508、および510のうちの1つ以上は、車両500の周囲の環境を光パルスで照明するように、所与の平面に垂直な軸(例えば、z軸)を中心に回転するように構成され得る。反射光パルスの様々な態様(例えば、経過飛行時間、偏光、強度など)を検出することに基づいて、環境に関する情報が決定され得る。
【0036】
例示的な実施形態では、センサシステム502、504、506、508、および510は、車両500の環境内の物理的物体に関し得るそれぞれの点群情報を提供するように構成され得る。車両500ならびにセンサシステム502、504、506、508、および510は、特定の特徴を含むものとして示されているが、他のタイプのシステムが本開示の範囲内で想定されることが理解されよう。
【0037】
単一または複数の発光デバイスを備えたライダーシステムも想定される。例えば、1つ以上のレーザダイオードによって放出される光パルスは、システムの環境の辺りに制御可能に向けられ得る。光パルスの放出の角度は、例えば、機械式走査ミラーおよび/または回転モータなどの走査デバイスによって調整され得る。例えば、走査デバイスは、所与の軸の周りを往復運動で回転し得る、かつ/または垂直軸の周りを回転し得る。別の実施形態では、発光デバイスは、各光パルスと相互作用するときのプリズムミラー角度の角度に基づいて光パルスが環境に放出されるようにし得る、回転するプリズムミラーに向けて光パルスを放出し得る。追加的にまたは代替的に、走査光学系および/または他のタイプの電気光学機械的デバイスは、環境の辺りの光パルスを走査することが可能である。図4A図4Eは、車両500に取り付けられた様々なライダーセンサを示しているが、車両500は、カメラ、レーダなどのような他のタイプのセンサを組み込み得ることが理解されよう。
【0038】
様々な実施形態では、車両500は、光学システム(例えば、図1を参照して図示および説明されるような光学システム100)を含み得る。そのようなシナリオでは、光学システムは、ライダー視野(例えば、ライダー視野162)内の距離データを提供するように構成され得るライダーシステム(例えば、ライダーシステム160)を含み得る。光学システムは、放出光を放出するように構成された発光デバイス(例えば、発光デバイス110)を含む。いくつかの実施形態では、発光デバイスは、本明細書の他の場所で説明されるように、マルチバーレーザダイオードデバイスを含み得る。
【0039】
光学システムは、光学要素(例えば、光学要素120)をさらに含む。光学要素は、第1の表面(例えば、第1の表面130)および対向する第2の表面(例えば、第2の表面140)を含む。第1の表面は、放出光を拡散して拡散光を形成するように構成された拡散表面(例えば、拡散表面132)を含む。第2の表面は、光学システムの所望の視野(例えば、所望の視野150)内に放出される光の所望の強度プロファイル(例えば、所望の強度プロファイル152)を提供するために、拡散光を集束させるように構成された集束表面(例えば、集束表面142)を含む。
【0040】
いくつかの実施形態では、所望の強度プロファイルは、ライダー視野全体にわたる光の均一な角度分布を含む。
【0041】
追加的または代替的に、いくつかの実施形態では、光学要素の所望の視野は、ライダー視野と重なる。一例として、発光デバイスと光学要素との結合は、所望の視野に対応する照明領域を提供し得る。
【0042】
様々な実施形態では、ライダーシステムは、筐体(例えば、筐体164)を含み得る。このようなシナリオでは、発光デバイスと光学要素が、筐体内に配置され得る。
【0043】
例示的な実施形態では、光学システムは、-40℃~85℃の動作温度範囲内で動作するように構成され得る。他の動作温度範囲も可能であり、想定されている。
【0044】
図に示されている特定の配置は、限定していると見なされるべきではない。他の実施形態が、所与の図に示されている各要素をより多く、またはより少なく含み得ることを理解されたい。さらに、図示されている要素のうちのいくつかは、組み合わされ、または省略され得る。さらにまた、図示された実施形態は、図内に示されていない要素を含み得る。
【0045】
様々な実施例および実施形態が開示されてきたが、他の実施例および実施形態が当業者にとって明らかであろう。様々な開示された実施例および実施形態は、例示の目的のためであり、限定することを意図するものではなく、その真の範囲は、以下の特許請求の範囲により示される。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
【外国語明細書】