(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022096624
(43)【公開日】2022-06-29
(54)【発明の名称】デジタル学生証変換システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/20 20120101AFI20220622BHJP
B42D 25/485 20140101ALI20220622BHJP
B42D 25/23 20140101ALI20220622BHJP
B42D 25/309 20140101ALI20220622BHJP
【FI】
G06Q50/20
B42D25/485
B42D25/23
B42D25/309
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021201480
(22)【出願日】2021-12-13
(31)【優先権主張番号】P 2020209747
(32)【優先日】2020-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】520499269
【氏名又は名称】日本カード製造株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100204032
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 浩之
(72)【発明者】
【氏名】住谷 一宏
【テーマコード(参考)】
2C005
5L049
【Fターム(参考)】
2C005HA19
2C005HA21
2C005HB02
2C005JB02
5L049CC34
(57)【要約】
【課題】学生証をデジタル化するデジタル学生証変換システムを提供する。
【解決手段】携帯する電子媒体50にデジタル学生証を表示するデジタル学生証変換システム100であって、学校が有する学生又は生徒情報からデジタル学生証に変換するための情報が入力された学校データベース10と、デジタル学生証へと変換するための学生証アプリ20と、学生証アプリ20及び学校データベース10を管理及び運営する運営管理サーバー30と、を備え、学校データベース10は、運営管理サーバー30からデジタル学生証のための学校ごとの学校用アカウント40が割り当てられ、かつ、学生又は生徒ごとのID及びパスワードを有し、携帯する電子媒体50によりダウンロードされた学生証アプリ20によって、前記ID及びパスワードと、携帯する電子媒体50に保存された顔写真をもとに、デジタル学生証に変換することを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯する電子媒体にデジタル学生証を表示させるデジタル学生証変換システムであって、
それぞれの学校が有する学生又は生徒情報から前記デジタル学生証に変換するための情報が入力された学校データベースと、
前記学生又は生徒情報から前記デジタル学生証へと変換するための学生証アプリと、
前記学生証アプリ及び前記学校データベースを管理及び運営する運営管理サーバーと、を備え、
前記学校データベースは、前記運営管理サーバーから前記デジタル学生証のための学校ごとの学校用アカウントが割り当てられ、かつ、前記学生又は生徒ごとのID及びパスワードを有し、
前記学校の学生又は生徒によって、前記携帯する電子媒体によりダウンロードされた前記学生証アプリによって、前記ID及びパスワードと、前記携帯する電子媒体に保存された顔写真をもとに、前記デジタル学生証に変換することを特徴とするデジタル学生証変換システム。
【請求項2】
前記学生証アプリは、
前記ID及びパスワードを用い前記学生又は生徒によってログインされる前記学生証アプリ内のログイン表示画面と、
少なくとも学生証表示機能を含む多機能表示画面と、
前記顔写真の表示、及び前記学生証アプリのログイン時に前記学校データベースから通信される前記学生又は生徒情報の表示画面をもって、前記学校データベースに送信し、前記デジタル学生証を登録申請する学生証登録申請表示画面と、
前記学生証登録申請表示画面からの前記デジタル学生証の登録申請後、前記学校データベースの管理者によってデジタル学生証の登録を承認して表示されるタイムスタンプ表示画面が付された承認済学生証表示画面を、さらに有することを特徴とする請求項1に記載のデジタル学生証変換システム。
【請求項3】
前記学生証アプリは、通学定期券を購入するための通学証明書機能をさらに有し、
前記通学証明書機能は、
前記学生又は生徒によって通学経路が入力表示された通学経路申請表示画面と、
前記通学経路申請表示画面を通じて前記学校データベースに通学証明書登録申請の後、前記通学定期券を購入する場所に設置された通学定期券購入用識別記号を読み取り、前記学校が通学証明書を承認したときに自動的に付されるタイムスタンプ付きの承認済通学証明書表示画面を有し、
前記通学定期券購入用識別記号を読み取ることによって、前記承認済通学証明書表示画面が表示されることを特徴とする請求項1又は2に記載のデジタル学生証変換システム。
【請求項4】
前記運営管理サーバーは、前記通学定期券購入用識別記号を読み取ることによって、過去購入内容履歴を記録するための購入履歴記録用アカウントがさらに設けられていることを特徴とする請求項3に記載のデジタル学生証変換システム。
【請求項5】
前記学校データベースは、前記デジタル学生証のための前記学生又は生徒ごとの個人用アカウントを有し、該個人用アカウントを通じて、前記学校データベースの管理者によって前記デジタル学生証の登録を承認することを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載のデジタル学生証変換システム。
【請求項6】
前記運営管理サーバーが発行する学生証アプリダウンロード用識別記号をさらに有し、
前記学生証アプリダウンロード用識別記号は、前記学校データベースを通じて前記学生又は生徒に配布されることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載のデジタル学生証変換システム。
【請求項7】
前記学生証アプリは、前記学校が発信する情報を受信可能な通知サービス機能を有することを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載のデジタル学生証変換システム。
【請求項8】
前記学生証アプリは、校則及び行事情報を前記学校の学校データベースから閲覧可能なダウンロード機能を有することを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載のデジタル学生証変換システム。
【請求項9】
前記学生証アプリは、図書館用又は食堂用のQRコード(登録商標、以下省略)表示画面又はバーコード表示画面をさらに有し、
前記図書館又は食堂用のQRコード表示画面又はバーコード表示画面により、前記学校の図書館で入館、退館若しくは貸し借り、又は前記学校の食堂で購入、又は前記学校の授業の出欠席確認可能であることを特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載のデジタル学生証変換システム。
【請求項10】
前記携帯する電子媒体に保存された顔写真に代えて、前記学校データベースに既に保存された顔写真をもとに、前記デジタル学生証に変換することを特徴とする請求項1~9のいずれか1項に記載のデジタル学生証変換システム。
【請求項11】
前記学校が発信する前記情報は、学生番号、入学年度、性別、所属、部活名、氏名から選ばれる1以上の項目に基づき、学生又は生徒への発信を選択可能とすることを特徴とする請求項7に記載のデジタル学生証変換システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯する電子媒体にデジタル学生証を表示させるデジタル学生証変換システムに関する。本出願は、2020年12月17日に日本に出願された特願2020-209747号に優先権を主張し、その内容をここに援用する。
【背景技術】
【0002】
学生証や身分証明書はカードや紙媒体であることが通常である。学校のサーバーに学生等の情報を入力し、その学生等の情報をカードや紙媒体に印刷し、学生証を作成する。学生証の作成を容易にする提案が下記になされている。
【0003】
例えば、特許文献1には、入学試験に合格した新入生の学生証を作成して発行する学生証発行システムであって、いくつかのサーバーを用い、インターネットを介してサーバーが学生証発行に必要なデータを収集・一元化して、学生証発行に関する作業負荷を平準化して、学生証を作成することが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記の特許文献1の学生証の発行システムは、カードや紙媒体であり、近年ではプラスチックごみが海洋汚染や生態系への悪影響を引き起こしているとして、世界の関心が高まっている。よって、プラスチックの使用を減少することが望まれている。
【0006】
また、学生証がカードや紙媒体の場合、発行や再発行の手間やコストがかかる。
【0007】
そこで本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、学生証をデジタル化し、プラスチックの使用を減らして環境問題への負荷低減、及び学生証の発行や再発行の手間やコストを解消できるデジタル学生証の変換システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様に係るデジタル学生証変換システムは、携帯する電子媒体にデジタル学生証を表示するデジタル学生証変換システムであって、それぞれの学校が有する学生又は生徒情報から前記デジタル学生証に変換するための情報が入力された学校データベースと、前記学生又は生徒情報から前記デジタル学生証へと変換するための学生証アプリと、前記学生証アプリ及び前記学校データベースを管理及び運営する運営管理サーバーと、を備え、前記学校データベースは、前記運営管理サーバーから前記デジタル学生証のための学校ごとの学校用アカウントが割り当てられ、かつ、前記学生又は生徒ごとのID及びパスワードを有し、前記学校の学生又は生徒によって前記携帯する電子媒体によりダウンロードされた前記学生証アプリによって、前記ID及びパスワードと、前記携帯する電子媒体に保存された顔写真をもとに、前記デジタル学生証に変換することを特徴とする。
【0009】
このようにすれば、学生証をデジタル化し、プラスチックの使用を減らして環境問題への負荷低減、及び学生証の発行や再発行の手間やコストを解消できるデジタル学生証変換システムを提供することができる。
【0010】
このとき、本発明の一態様では、前記学生証アプリは、前記ID及びパスワードを用い前記学生又は生徒によってログインされる前記学生証アプリ内のログイン表示画面と、少なくとも学生証表示機能を含む多機能表示画面と、前記顔写真の表示、及び前記学生証アプリのログイン時に前記学校データベースから通信される前記学生又は生徒情報の表示画面をもって、前記学校データベースに送信し、前記デジタル学生証を登録申請する学生証登録申請表示画面と、前記学生証登録申請表示画面からの前記デジタル学生証の登録申請後、前記学校データベースの管理者によってデジタル学生証の登録を承認して表示されるタイムスタンプ表示画面が付された承認済学生証表示画面を、さらに有することとしてもよい。
【0011】
このようにすれば、効率よくプラスチックの使用を減らして環境問題への負荷低減、及び学生証の発行や再発行の手間やコストを解消できる。
【0012】
このとき、本発明の一態様では、前記学生証アプリは、通学定期券を購入するための通学証明書機能をさらに有し、前記通学証明書機能は、前記学生又は生徒によって通学経路が入力表示された通学経路申請表示画面と、前記通学経路申請表示画面を通じて前記学校データベースに通学証明書登録申請の後、前記通学定期券を購入する場所に設置された通学定期券購入用識別記号を読み取り、前記学校が通学証明書を承認したときに自動的に付されるタイムスタンプ付きの承認済通学証明書表示画面を有し、前記通学定期券購入用識別記号を読み取ることによって、前記承認済通学証明書表示画面が表示されることとしてもよい。
【0013】
このようにすれば、学生又は生徒が携帯する電子媒体によって、デジタル学生証を表示し、通学定期券を購入することができる。
【0014】
このとき、本発明の一態様では、前記運営管理サーバーは、前記通学定期券購入用識別記号を読み取ることによって、過去購入内容履歴を記録するための購入履歴記録用アカウントがさらに設けられているとしてもよい。
【0015】
このようにすれば、定期券販売者側は、過去購入内容履歴を速やかに把握し管理することができる。
【0016】
このとき、本発明の一態様では、前記学校データベースは、前記学生又は生徒ごとの個人用アカウントを有し、該個人用アカウントを通じて、前記学校データベースの管理者によって前記デジタル学生証の登録を承認することとしてもよい。
【0017】
このようにすれば、学校データベースの管理者は、効率よくデジタル学生証の登録を承認することができる。
【0018】
このとき、本発明の一態様では、前記運営管理サーバーが発行する学生証アプリダウンロード用識別記号をさらに有し、前記学生証アプリダウンロード用識別記号は、前記学校データベースを通じて前記学生又は生徒に配布されることとしてもよい。
【0019】
このようにすれば、運営管理サーバーの管理下で、効率よく学生又は生徒が学生証アプリをダウンロードでき、効率よくプラスチックの使用を減らして環境問題への負荷低減、及び学生証の発行や再発行の手間やコストを解消できる。
【0020】
このとき、本発明の一態様では、前記学生証アプリは、前記学校が発信する情報を受信可能な通知サービス機能を有することとしてもよい。
【0021】
このようにすれば、デジタル学生証の機能の他に、電子媒体に多機能を集約でき、学校の情報をいつでも得ることができる。
【0022】
このとき、本発明の一態様では、前記学生証アプリは、校則及び行事情報を前記学校の学校データベースから閲覧可能なダウンロード機能を有することとしてもよい。
【0023】
このようにすれば、校則及び行事情報をいつでも閲覧することができる。
【0024】
このとき、本発明の一態様では、前記学生証アプリは、図書館用又は食堂用のQRコード(登録商標、以下ではこの記載を省略)表示画面又はバーコード表示画面をさらに有し、前記図書館又は食堂用のQRコード表示画面又はバーコード表示画面により、前記学校の図書館で入館、退館若しくは貸し借り、又は前記学校の食堂で購入、又は前記学校の授業の出欠席確認可能であることとしてもよい。
【0025】
このようにすれば、図書館や食堂を利用する上でスムーズな本の貸し借りや、食堂での注文、出欠確認等が可能となるので便利となる。
【0026】
このとき、本発明の一態様では、前記携帯する電子媒体に保存された顔写真に代えて、前記学校データベースに既に保存された顔写真をもとに、前記デジタル学生証に変換することとしてもよい。
【0027】
このようにすれば、学生証の発行や再発行の手間やコストをより解消することができる。
【0028】
このとき、本発明の一態様では、前記学校が発信する前記情報は、学生番号、入学年度、性別、所属、氏名から選ばれる1以上の項目に基づき、学生又は生徒への発信を選択可能とすることとしてもよい。
【0029】
このようにすれば、効率的に校則及び行事情報をいつでも閲覧することができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、学生証をデジタル化し、プラスチックの使用を減らして環境問題への負荷低減、及び学生証の発行や再発行の手間やコストを解消できるデジタル学生証変換システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係るデジタル学生証変換システムの概略図である。
【
図2】
図2は、本発明の一実施形態に係るデジタル学生証変換システムを利用するときの流れについて説明する図である。
【
図3】
図3(A)は、学生証アプリ内のログイン表示画面における学生又は生徒ごとのID入力画面であり、
図3(B)は、学生又は生徒ごとのパスワード入力画面である。
【
図4】
図4は、学生証表示機能及び通学証明書機能を含む多機能表示画面である。
【
図5】
図5(A)は、デジタル学生証登録申請画面におけるデジタル学生証の登録申請のための顔写真を添付する前の表示画面であり、
図5(B)は、顔写真を選択したときの表示画面である。
【
図6】
図6は、学校側が承認する前のデジタル学生証登録申請表示画面である。
【
図7】
図7は、タイムスタンプ表示画面及び学校の承認表示画面が付された承認済学生証表示画面である。
【
図8】
図8(A)は、入力前の通学経路申請表示画面であり、
図8(B)は、入力後の通学経路申請表示画面である。
【
図9】
図9(A)は、通学定期券購入用識別記号(QRコード)の表示画面であり、
図9(B)は、通学証明書の学校の承認、今回購入した通学区間、過去に購入した通学区間、及び学校が通学証明書を承認したときに自動的に付されるタイムスタンプが表示された承認済通学証明書表示画面である。
【
図10】
図10は、運営管理サーバーに過去購入内容履歴を記録するための購入履歴記録用アカウントを設けた図である。
【
図11】
図11は、本発明の一実施形態に係るデジタル学生証変換システムにおける、学校データベースの学生又は生徒ごとの個人用アカウント及び運営管理サーバーの学生又は生徒ごとの個人用アカウントを説明する図である。
【
図12】
図12は、学生アプリダウンロード用QRコードの表示画面である。
【
図13】
図13(A)は図書館用QRコードの表示画面であり、
図13(B)は食堂用のバーコードの表示画面であり、
図13(C)はお問い合わせの表示画面である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、図面を用いて本発明の一実施形態に係るデジタル学生証変換システム100の概略から説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で変更が可能である。また、本実施形態で説明される構成の全てが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。
【0033】
本発明の一実施形態に係るデジタル学生証変換システム100は、携帯する電子媒体にデジタル学生証を表示するためのシステムである。また、本発明の一実施形態に係るデジタル学生証変換システム100は、
図1に示すように、学校データベース10と、学生証アプリ20と、運営管理サーバー30とを備える。学校データベース10は、それぞれの学校が有する学生又は生徒情報からデジタル学生証に変換するための情報が入力されたものである。学生証アプリ20は、学生又は生徒情報からデジタル学生証へと変換するためのアプリ(アプリケーション)である。運営管理サーバー30は、学生証アプリ20及び学校データベース10を管理及び運営するものである。運営管理サーバー30は、学生証アプリ20のアップデートや、後述する学生証アプリダウンロード用識別記号の発行、通学定期券購入用識別記号の発行、図書館用又は食堂用のQRコードの発行等を行う。また、運営管理サーバー30は、学校データベース10のデジタル学生証のための学校用アカウントの割り当てや購入履歴記録用アカウント等を管理及び運営する。
【0034】
学生証アプリ20は、それぞれの学校の学生又は生徒が、携帯する電子媒体50からダウンロードする。限定されるものではないが、電子媒体50としては、スマートフォン、パッド、小型ノートパソコン等が挙げられ、携帯できダウンロードできれば良い。
【0035】
学校は複数でもよく、それぞれの学校に学校データベース10を有する。学校データベース10に入力するそれぞれの学校の学生又は生徒情報としては、氏名、住所、学部、学科、入学日、誕生日等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
【0036】
学校データベース10は、運営管理サーバー30から学校ごとのデジタル学生証のための学校用アカウント40が割り当てられている。また、学校データベース10は、学生又は生徒ごとのID及びパスワードを有する。そして、学校の学生又は生徒によって携帯する電子媒体50によりダウンロードされた学生証アプリ20によって、携帯する電子媒体50により保存された顔写真131と、ID及びパスワードをもとに、デジタル学生証に変換する。学生又は生徒の顔写真131は、事前に携帯する電子媒体50によって撮影し保存することが好ましい。なお、
図1以下において、便宜上、学生又は生徒を単に学生として表現する。
【0037】
以上のようにすれば、学生証をデジタル化し、プラスチックの使用を減らして環境問題への負荷低減、及び学生証の発行や再発行の手間やコストを解消できるデジタル学生証変換システムを提供することができる。
【0038】
なお、上述及び後述する学生証及びデジタル学生証とは、学校が学生や生徒(在籍者)各々に対して交付する在学を証明するものをいう。
【0039】
次に
図2を用いて、本発明の一実施形態に係るデジタル学生証変換システムを利用するときの流れについて説明する。
【0040】
まず、学校側が運営管理サーバー30の運営側(以下、単に運営側という)にデジタル学生証の発行依頼をする。依頼を受けた運営側は、学校データベース10の管理者用のIDを発行する。すなわち、学校ごとにデジタル学生証の発行のためのIDを有する。また、運営側は、学校側に管理者用IDを発行した情報を、運営用管理サーバーにアップデートする。
【0041】
学校側は、学校データベース10の管理者用のIDの発行後、学校データベース10に学生又は生徒情報を入力する。学生又は生徒情報は事前に入力してもよい。また、学校データベース10への学生又は生徒情報は、学生又は生徒情報が既に入力されたCSVやExcelデータをアップロードしてもよい。学校データベース10は入学時には学生又は生徒情報を持っているのが通常であるので、それを利用すればよい。このようにすれば、学校データベース10に学生又は生徒情報を入力する際、手間を省き時間の短縮となる。なお、学校データベース10は、学校が既に有しているパソコンを用いればよい。
【0042】
学校データベース10に学生情報を登録した後、学校側はその学校の学生又は生徒にID及びパスワードを通知する。上記ID及び/又はパスワードは、学校側が決めてもよいし、運営側が決めてもよい。また、上記ID及び/又はパスワードは、自動発行・通信としてもよい。そして、学生又は生徒は、携帯する電子媒体50により学生証アプリ20をダウンロードする。
【0043】
学生又は生徒は、学生証アプリ20のダウンロード後、学校側がその学校の学生又は生徒に通知したID及びパスワードを用いて、学生証アプリ20にログインする。ログイン後、学生情報及び自分の顔写真131によりデジタル学生証を学校側に登録申請する。そして、学校側は学校データベース10で学生又は生徒情報を確認し、学校側が承認する。以上により、デジタル学生証が学校側によって承認され、デジタル学生証となる。このようにして、携帯する電子媒体50にデジタル学生証を表示する。つまり、デジタル学生証が学生証となる。
【0044】
学生証アプリ20は、ログイン表示画面110と、多機能表示画面120と、学生証登録申請表示画面140と、学校データベースの管理者によってデジタル学生証の登録を承認して表示されるタイムスタンプ表示画面が付された承認済学生証表示画面150を、さらに有する。以下にログインからデジタル学生証が承認されるまでを詳述する。
【0045】
図3は、学生証アプリ20のログイン画面である。学生証アプリ20にログインする際、
図3(A)に示すID入力画面111で学生又は生徒ごとのIDを入力する。IDの入力後、
図3(B)に示すパスワード入力画面112で学生又は生徒ごとのパスワードを入力する。学生証アプリ20は、ID及びパスワードを用い学生又は生徒によってログインされる学生証アプリ20内のログイン表示画面110を有する。ID及びパスワードを用いログイン表示画面110からログインすると、学校データベースと通信され、学生情報が学生証アプリ20内に表示される。
【0046】
上記ID及びパスワード入力して学生証アプリ20にログインした後、
図4に示すような多機能表示画面120が表示される。学生証アプリ20は、学生証表示機能121を含む多機能表示画面120を有する。多機能表示画面120内には、学生証表示機能121の他、後述する通学証明書機能160を有することが好ましい。そのほか、学校行事、学校の校則、学割、図書館QRコード、学校の食堂(学食)バーコード、お問い合わせ表示画面又は機能を有することも好ましい。
【0047】
次にデジタル学生証の承認・取得までを詳述する。デジタル学生証の承認・取得は、まず
図4に示す多機能表示画面120内の学生証表示機能121から入る。その後、
図5(A)に示すように、顔写真を添付する前のデジタル学生証登録申請表示画面130が表示される。そして、顔写真131を携帯する電子媒体50よりアップロードし、アップロードする顔写真131を選択すると
図5(B)の様になる。
【0048】
携帯する電子媒体50に保存された顔写真131に代えて、学校データベース10に既に保存された顔写真131をもとに、デジタル学生証に変換することもできる。例えば、
図5(A)に示す画面内に、例えば学校データベース保存済み顔写真アップロードボタンを設け、そのボタンからアップロードする。すなわち、デジタル学生証に変換するときに使用される顔写真は、携帯する電子媒体50に保存された顔写真又は学校データベース10に保存された顔写真のいずれかによって選択される。このようにすれば、学生証の発行や再発行の手間やコストをより解消することができる。
【0049】
なお、学校データベース10に保存された顔写真をアップロードできるよう、学校データベース10の学生又は生徒情報にその学生又は生徒の顔写真を登録しておく。例えば、学校データベース10の管理画面にCSVダウンロードボタン周辺に「顔写真アップロード」ボタンと「顔写真ダウンロード」ボタンを追加する。そして、「顔写真アップロード」ボタンクリックで、圧縮ファイルを選択するウィンドウが開き、圧縮ファイルを選択するとアップロードされ、各学生又は生徒に登録される。これは、学校データベース10に追加される機能である。
【0050】
顔写真が学校データベース10に登録完了した後、学校データベース10には、顔写真の読み込み件数、登録件数、エラー件数及びエラーファイルが表示されてもよい。顔写真をダウンロードしたい学生又は生徒にチェックを付け、「顔写真ダウンロード」ボタンをクリックすると、当該学生又は生徒の顔写真をまとめた圧縮ファイルがダウンロードされてもよい。
【0051】
そして、顔写真131を添付し、決定等を行うと、
図6に示すような学校側が承認する前のデジタル学生証登録申請表示画面140となる。学生証登録申請表示画面140には、顔写真131、学生又は生徒情報の表示画面142が表示される。
【0052】
学生又は生徒情報の表示画面142、学校の押印143は、学生証アプリ20のログイン時に学校データベース10から通信され、学生証登録申請表示画面140に自動的に表示される。表示された顔写真131、及び学生又は生徒情報の表示画面142をもって、学校データベース10に送信し、デジタル学生証を登録申請する。
【0053】
学生証登録申請表示画面140からのデジタル学生証の登録申請をすると、上記情報が学校データベース10に送られる。学校側は、学校データベース10に送られてきた上記情報を確認し、学校データベース10の管理者によってデジタル学生証を承認する。デジタル学生証の登録を承認して表示される画面は、
図7に示すような、承認済学生証表示画面150となる。承認済学生証表示画面150には、学校データベース10の管理者によってデジタル学生証の登録を承認した際、学校の押印143、デジタル学生証の登録を承認して表示されるタイムスタンプ表示画面151、及び学生又は生徒情報142を有し、それらが表示される。登録を承認して表示されるタイムスタンプ表示画面151を表示することで、いつデジタル学生証が承認されたかが容易に把握できる。このようにして、デジタル学生証が承認される。なお、上述した、及び後述するタイムスタンプの時刻は、運営管理サーバー30から参照されることが好ましい。
【0054】
デジタル変換されたデジタル学生証の表示は、
図4に示す多機能表示画面120の学生証表示機能121から入ると、
図7に示すような承認済学生証表示画面150に示すデジタル学生証150となる。学生証の提示が必要な時に上記デジタル学生証150を提示する。
【0055】
以上のようにすれば、学生又は生徒が携帯する電子媒体50によって、学生証をデジタル化することができる。また、デジタル化された学生証の提示によって学生割引された通学定期券を購入することができる。また、顔写真131及び学生証の登録を承認して表示されるタイムスタンプ表示画面151が表示されているので、いわゆるなりすましを防止することができる。
【0056】
学生証アプリ20は、通学証明書機能160を有することが好ましい。これについて説明する。通学証明書機能160は、通学定期券をより容易に購入するためのものであり、下記に説明する承認済通学証明書表示画面170より学生割引された定期券を学生又は生徒が購入できるものである。通学証明書機能160は、
図4に示す多機能表示画面120から入る。通学証明書機能160は、通学経路申請表示画面163と、承認済通学証明書表示画面170を有する。以下に詳述する。
【0057】
図8(A)は、入力前の通学経路申請表示画面であり、
図8(B)は、入力後の通学経路申請表示画面である。
図8(A)に示すように、通学経路申請表示画面の通学経路の入力部162に購入する電車やバスなどの区間を記入する。区間を記入する入力部162は複数でもよい。
【0058】
通学経路を入力すると
図8(B)のように入力後の通学経路申請表示画面163となる。これをあらかじめ入力しておき、入力表示された通学経路申請表示画面163を学校データベース10に送信後、入力表示された通学経路申請表示画面163を通じて通学証明書登録申請の学校承認を得ておく。通学証明書登録申請の学校承認を得たものが、承認済通学証明書表示画面170である。承認済通学証明書表示画面170は、今回購入する通学区間173について学校が承認した際に付される学校の承認表示画面171、学校が通学証明書を承認したときに自動的に付されるタイムスタンプ172が表示される。また、過去に購入履歴があれば、過去に購入した通学区間174も表示される。つまり、承認済通学証明書表示画面170は、通学証明書として機能する。なお、承認済通学証明書表示画面170は、通学区間の他、購入期間も表示可能である。そして、通学定期券の購入場所に行き、
図9(A)に示すような通学定期券購入用識別記号165を読み取る。
図9(A)には識別記号としてQRコードを示してある。そうすると、学校データベースに通学証明書登録申請の後、学校が通学証明書を承認したときに自動的に付されるタイムスタンプ172付きの承認済通学証明書表示画面170(通学証明書)が表示される。定期券販売者は、表示された承認済通学証明書表示画面170(通学証明書)を確認して、通学定期券を学生又は生徒に販売する。
【0059】
また、入力表示された通学経路申請表示画面163を通じて通学証明書登録申請の学校承認を得ていない場合、通学定期券購入用識別記号165を読み取っても承認済通学証明書表示画面170(通学証明書)は表示されない。
【0060】
通学定期券購入用識別記号165は、定期券のそれぞれの発券場所によって異なる。また、通学定期券購入用識別記号165を携帯する電子媒体50から読み取ると、学校データベース10及び/又は運営管理サーバー30に通学定期券の購入履歴が記録されるようになっており、通学定期券の購入履歴記録機能を有する。通学定期券の購入履歴記録機能を有するので、運営側及び/又は学校側は、学生又は生徒がいつどこでどのような通学定期券を購入したか(過去購入内容履歴)を把握し管理することができる。なお、運営管理サーバーから通学定期券購入用識別記号165が発行される。
【0061】
また、
図10に示すように、運営管理サーバー30は、上記過去購入内容履歴を記録するための購入履歴記録用アカウント31がさらに設けられていることが好ましい。購入履歴記録用アカウントは、運営管理サーバーの学生又は生徒ごとの個人用アカウントとは別に設けられている。このようにすれば、運営側は、過去購入内容履歴を速やかに把握し管理することができる。なお、購入履歴記録用アカウント31は、学生又は生徒ごとにさらに細分化されている。
【0062】
デジタル学生証を表示する承認済学生証表示画面150及び/又は学校が承認した通学証明書を表示する承認済通学証明書表示画面170は、所定時間が経過するとアプリ内から自動的に消去され、有効期限を設けることも可能である。所定時間は、例えば1時間~30分、30分未満等である。
【0063】
以上のように、学校はその学生又は生徒のデジタル学生証を証明(承認)しているため、定期券販売者はその証明されたデジタル学生証によって学生割引を適用できる。学生証アプリ20は、通学証明書機能160を有することで、学生又は生徒が携帯する電子媒体50によって、デジタル学生証を表示し、通学定期券を容易に購入することができ、便利である。
【0064】
また、
図11に示すように、学校データベース10は、学生又は生徒ごとの個人用アカウント11を有し、個人用アカウント11を通じて、学校データベース10の管理者によってデジタル学生証の登録を承認することが好ましい。また、学校データベース10の個人用アカウント11に対応するアカウント32(運営管理サーバーの学生又は生徒ごとの個人用アカウント)も運営管理サーバー30に有することが好ましい。このようにすれば、学校データベース10の管理者は、効率よくデジタル学生証の登録を承認することができる。なお、
図11に示したそれぞれのアカウントの数は、便宜上表したものであり、これらの個数がアカウント数を限定するものではない。
【0065】
図12に示すように、デジタル学生証変換システムは、運営管理サーバー30が発行する学生証アプリダウンロード用識別記号180をさらに有し、学生証アプリダウンロード用識別記号180は、学校データベース10を通じて学生又は生徒に配布されることが好ましい。
図12には学生証アプリダウンロード用識別記号180としてQRコードを示している。このようにすれば、運営管理サーバー30の管理下で、効率よく学生又は生徒が学生証アプリ20をダウンロードでき、効率よくプラスチックの使用を減らして環境問題への負荷低減、及び学生証の発行や再発行の手間やコストを解消できる。
【0066】
学生証アプリ20は、学校が発信する情報を受信可能な通知サービス機能を有することが好ましい。通知サービス機能としては、講義の休校、行事日程変更、災害などの緊急時の情報等が挙げられる。通知サービスは、学校データベース10から配信し、学生証アプリ20で自動受信してもよく、あらかじめ情報が入力されてある学校データベース10に学生証アプリ20の多機能表示画面120を通じてアクセスしてもよい。このようにすれば、デジタル学生証の機能の他に、電子媒体50に多機能を集約でき、学校の情報をいつでも得ることができる。
【0067】
上記学校が発信する上記情報は、学生番号、入学年度、性別、所属(学部、学科、研究室名、クラス名等)、部活名(サークル名)、氏名から選ばれる1以上の項目に基づき、学生又は生徒への発信を選択可能とすることが好ましい。このようにすれば、効率的に校則及び行事情報をいつでも閲覧することができる。これは、学校データベース10に追加される機能である。
【0068】
学生番号、入学年度、性別、所属(学部、学科、研究室名等)、氏名から選ばれる1以上の項目に基づき、所定のグループを作成し、そのグループに基づき学生又は生徒への発信を選択可能としてもよい。
【0069】
学生番号は、開始番号と終了番号で指定してもよい。年度は存在する年度を一覧表示可能としてもよい。氏名はテキスト形式によって自由に入力されてもよい。それらは、チェックボックスによって表示されてもよい。選択された学生又は生徒を一覧表示可能としてもよい。
【0070】
上記学校が発信する上記情報は、学生又は生徒への発信を選択可能とするために、学校データベース10に情報を事前に登録する。
【0071】
また、学生証アプリ20は、校則及び行事情報を学校の学校データベース10から閲覧可能なダウンロード機能を有することが好ましい。このようにすれば、校則及び行事情報をいつでも閲覧することができる。校則及び行事情報は、
図4に示す多機能表示画面120を通じて取得すれば良い。
【0072】
また、学生証アプリ20は、
図13(A)、(B)に示すように、図書館用又は食堂用のQRコード表示画面190又はバーコード表示画面191をさらに有し、図書館又は食堂用のQRコード表示画面190又はバーコード表示画面191により、学校の図書館で入館、退館若しくは貸し借り、又は学校の食堂で購入、若しくは前記学校の授業の出欠席確認可能であることが好ましい。また、
図13(C)に示すように、お問い合わせの表示画面192をさらに有しても良い。このようにすれば、図書館や食堂を利用する上でスムーズな本の貸し借りや、食堂での注文、出欠確認等が可能となるので便利となる。また、学校側の問合せ可能となる。よって、学生又は生徒側及び学校側の双方で便利である。
【0073】
上述した通学定期券購入用識別記号165、学生証アプリダウンロード用識別記号180は、例えばQRコード、バーコード等が挙げられる。
【0074】
以上より、デジタル学生証変換システムによれば、学生証をデジタル化し、プラスチックの使用を減らして環境問題への負荷低減、及び学生証の発行や再発行の手間やコストを解消できるデジタル学生証変換システムを提供することができる。
【0075】
なお、上記のように本発明の各実施形態および各実施例について詳細に説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは、当業者には、容易に理解できるであろう。従って、このような変形例は、全て本発明の範囲に含まれるものとする。
【0076】
例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義又は同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。またデジタル学生証変換システムの構成、動作も本発明の各実施形態および各実施例で説明したものに限定されず、種々の変形実施が可能である。
【符号の説明】
【0077】
10 学校データベース、11 (学校データベースの)学生又は生徒ごとの個人用アカウント、20 学生証アプリ、30 運営管理サーバー、31 (運営管理サーバーの)学生又は生徒ごとの個人用アカウント、40 学校用アカウント、50 (それぞれの学生の)電子媒体、
110 (学生証アプリ内の)ログイン表示画面、111 (学生証アプリ内の)ID入力画面、112 (学生証アプリ内の)パスワード入力画面、120 多機能表示画面、121 学生証表示機能、130 顔写真を添付する前で、かつタイムスタンプが付される前の学生証登録申請表示画面、131 顔写真、140 学生証登録申請表示画面、142 学生証アプリのログイン時に学校データベースから通信される学生又は生徒情報の表示画面、143 学校の押印、150 承認済学生証表示画面(デジタル学生証)、151 学生証の登録を承認して表示されるタイムスタンプ表示画面、160 通学証明書機能、161 (入力前の)通学経路申請表示画面、162 通学経路の入力部、163 (入力後の)通学経路申請表示画面、165 通学定期券購入用識別記号、170 承認済通学証明書表示画面、171 (今回購入する通学区間について学校が承認した際に付される)学校の承認表示画面、172 学校が通学証明書を承認したときに自動的に付されるタイムスタンプ、173 今回購入する通学区間、174 過去に購入した通学区間、180 学生証アプリダウンロード用識別記号、190 図書館用QRコードの表示画面、191 食堂用バーコードの表示画面、192 お問い合わせの画面表示