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特開2022-96645光コヒーレンストモグラフィー走査プローブ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022096645
(43)【公開日】2022-06-29
(54)【発明の名称】光コヒーレンストモグラフィー走査プローブ
(51)【国際特許分類】
   A61N 1/05 20060101AFI20220622BHJP
   A61N 1/36 20060101ALI20220622BHJP
【FI】
A61N1/05
A61N1/36
【審査請求】有
【請求項の数】17
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021204302
(22)【出願日】2021-12-16
(31)【優先権主張番号】109144597
(32)【優先日】2020-12-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】390023582
【氏名又は名称】財團法人工業技術研究院
【氏名又は名称原語表記】INDUSTRIAL TECHNOLOGY RESEARCH INSTITUTE
【住所又は居所原語表記】No.195,Sec.4,ChungHsingRd.,Chutung,Hsinchu,Taiwan 31040
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】特許業務法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】チョウ デイー
(72)【発明者】
【氏名】チェン カイシャン
(72)【発明者】
【氏名】チャン チシェン
【テーマコード(参考)】
4C053
【Fターム(参考)】
4C053CC10
4C053JJ11
4C053JJ21
(57)【要約】      (修正有)
【課題】脳深部刺激療法(DBS)に適した光コヒーレンストモグラフィープローブを提供する。
【解決手段】OCT走査プローブは、管状ハウジングと、少なくとも1つの電極と、光ファイバー走査装置と、補助位置特定コンポーネントと、を含む。電極は、管状ハウジングの外面に配置される。光ファイバー走査装置は、管状ハウジング内に配置され、光ファイバーおよび光学素子を含む。光学素子は、光ファイバーの出射端に配置され、管状ハウジングの光透過部に対応する位置に配置される。補助位置特定コンポーネントは、管状ハウジングに配置され、光透過部の一部と重畳する。光ファイバー走査装置から出射された光ビームは、光透過部を通過して、断層画像が取得される。光ビームと補助位置特定コンポーネントとの相互作用により、断層画像に特徴が生じ、その特徴は補助位置特定コンポーネントに対応している。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管状ハウジングと、
前記管状ハウジングの外面に配置される少なくとも1つの電極と、
前記管状ハウジング内に配置される光ファイバー走査装置と、
前記管状ハウジングに配置される補助位置特定コンポーネントと、を含み、
前記光ファイバー走査装置は、光ファイバーおよび光学素子を含み、
前記光学素子は、前記光ファイバーの出射端に配置され、
前記光学素子は、前記管状ハウジングの光透過部に対応する位置にあり、
前記補助位置特定コンポーネントは、前記光透過部の一部と重畳し、
前記光ファイバー走査装置から出射された光ビームは、前記光透過部を通過して、断層画像が取得され、
前記光ビームの一部と前記補助位置特定コンポーネントとの相互作用により、前記断層画像に特徴が生じ、
前記特徴は前記補助位置特定コンポーネントに対応している、OCT走査プローブ。
【請求項2】
前記特徴は、前記断層画像中の暗ゾーンであり、
前記光ビームと前記補助位置特定コンポーネントとの相互作用は、前記補助位置特定コンポーネントが前記光ビームを遮断することである、請求項1に記載のOCT走査プローブ。
【請求項3】
前記特徴は、前記断層画像中の明ゾーンであり、
前記光ビームと前記補助位置特定コンポーネントとの相互作用は、前記補助位置特定コンポーネントが前記光ビームを反射することである、請求項1に記載のOCT走査プローブ。
【請求項4】
前記光ファイバー走査装置は、さらに、ベースを含み、
前記光ファイバーは、前記ベース上に配置され、
前記ベースは、前記管状ハウジング内に回転可能に配置されて、前記光ファイバーを一緒に回転させる、請求項1に記載のOCT走査プローブ。
【請求項5】
前記光ファイバー走査装置は、さらにベースを含み、
前記光ファイバーは、前記ベース内に配置されて、前記ベースに対して回転可能である、請求項1に記載のOCT走査プローブ。
【請求項6】
前記補助位置特定コンポーネントは、前記少なくとも1つの電極と電気的に接続された導電線である、請求項1に記載のOCT走査プローブ。
【請求項7】
前記少なくとも1つの電極は、前記管状ハウジングの前記外面に配置された電極リングを含む、請求項1に記載のOCT走査プローブ。
【請求項8】
前記少なくとも1つの電極は、前記管状ハウジングの半球状の閉端に配置され、
前記少なくとも1つの電極は、前記管状ハウジングの前記外面から延びる先端である、請求項1に記載のOCT走査プローブ。
【請求項9】
さらに、前記管状ハウジングの前記外面に配置された指示コンポーネントを含み、
前記指示コンポーネントは、前記補助位置特定コンポーネントに対応する方向にマークを有する、請求項1に記載のOCT走査プローブ。
【請求項10】
前記補助位置特定コンポーネントの大きさは、前記光ファイバー走査装置の光学分解能以上である、請求項1に記載のOCT走査プローブ。
【請求項11】
前記光透過部は、前記管状ハウジングの側壁に位置し、
前記補助位置特定コンポーネントは、前記管状ハウジングの側壁内に位置し、
前記光学素子は、反射器である、請求項1に記載のOCT走査プローブ。
【請求項12】
前記管状ハウジングは、テーパー状の端部を有し、
前記少なくとも1つの電極は、前記テーパー状の端部に配置されている、請求項11に記載のOCT走査プローブ。
【請求項13】
前記光透過部は、前記管状ハウジングの閉端に位置し、
前記光学素子は、集束レンズである、請求項1に記載のOCT走査プローブ。
【請求項14】
前記管状ハウジングは、第1の光透過部および第2の光透過部を含み、
前記第1の光透過部は、前記管状ハウジングの側壁に位置し、
前記第2の光透過部は、前記管状ハウジングの閉端に位置し、
前記光学素子は、ビームスプリッタであり、
前記ビームスプリッタは、前記第1の光透過部および前記第2の光透過部に対応している、請求項1に記載のOCT走査プローブ。
【請求項15】
前記補助位置特定コンポーネントは、第1の位置特定部材および第2の位置特定部材を含み、
前記第1の位置特定部材は、前記第1の光透過部と重畳し、
前記第2の位置特定部材は、前記第2の光透過部と重畳し、
前記光学素子は、前記光ファイバー走査装置から出射された前記光ビームを、第1のサブビームおよび第2のサブビームに分割し、
前記第1のサブビームが前記第1の光透過部を通過して、第1の断層画像が取得され、
前記第1のサブビームの一部と前記第1の位置特定部材との相互作用により、前記第1の断層画像に第1の特徴を生じ、
前記第1の特徴は、前記第1の位置特定部材に対応し、
前記第2のサブビームが前記第2の光透過部を通過して、第2の断層画像が取得され、
前記第2のサブビームの一部と前記第2の位置特定部材との相互作用により、前記第2の断層画像に第2の特徴を生じ、
前記第2の特徴は、前記第2の位置特定部材に対応している、請求項14に記載のOCT走査プローブ。
【請求項16】
前記光ファイバー走査装置は、前記管状ハウジング内に着脱自在に配置されている、請求項1に記載のOCT走査プローブ。
【請求項17】
前記少なくとも1つの電極は、ヒト神経細胞と実質的に同じ大きさを有する、請求項1に記載のOCT走査プローブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、光コヒーレンストモグラフィー(OCT)走査プローブに関する。
【背景技術】
【0002】
医療技術の発展に伴い、パーキンソン病の治療は、初期におけるレボドパの投与から、中期または後期における手術による脳活動の調節まで発展し、薬物療法の限界および副作用を補っている。現在、パーキンソン病の主な手術は、脳深部刺激療法(DBS)である。DBSは、視床下核(STN)または淡蒼球内節などの特定の対象に電極を有する細いリードを埋め込み、電流を流して脳細胞および神経伝達物質の生理機能に影響を与える医療機器を装着することによって、運動障害をうまく制御し、患者の手足の動きを改善するものである。
【0003】
DBSは、一般に、(1)DBS対象位置特定手順、および(2)DBS電極埋め込み手順を含む。DBS対象位置特定手順では、手術経路を計画するために、まず患者の頭部の磁気共鳴画像診断(MRI)が実行され、次に、微小電極記録(MER)プローブを所定の手術経路に沿って患者の頭部に挿入して脳細胞の生理信号を検出し、手術対象の位置を決定する。DBS電極埋め込み手順では、手術対象の位置に合わせて、永続的なDBSリードが埋め込まれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のDBSは、対象位置特定手順において、不正確な位置特定に関連するいくつかの問題を抱えている。MRIとMERは、手術対象の位置を確認するのに役立つが、手術対象の大きさが小さいため、外科医がMRI画像から手術対象(STNまたは淡蒼球内節)を特定することは困難である。また、脳脊髄液の漏出および頭蓋内圧によって引き起こされる脳の移動は避けられず、手術対象の位置が変わる場合がある。さらに、MERは、一次元空間情報(例えば、微小電極の挿入方向に沿った情報)を提供するだけである。三次元空間情報が不足していると、脳細胞の電気生理学的記録から電極の先端を追跡することができるとしても、外科医が手術対象に対する電極の位置や、電極の先端が予想される授乳期にあるかどうかを確認できないという問題点が発生し、それゆえ、外科医は、その後の手術経路の調整のための参考となる十分な情報を得ることができない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記問題に鑑み、DBSの脳内位置決め手法を改良する必要がある。本開示は、DBSに適した光コヒーレンストモグラフィープローブを提供し、これは、手術前に対象を正確に位置決めできない、または手術中に電極位置を正確に特定できないという問題を解決するのに役立つ。
【発明の効果】
【0006】
本開示の一態様によれば、OCT走査プローブは、管状ハウジングと、少なくとも1つの電極と、光ファイバー走査装置と、補助位置特定コンポーネントと、を含む。電極は、管状ハウジングの外面に配置される。光ファイバー走査装置は、管状ハウジング内に配置されている。光ファイバー走査装置は、光ファイバーおよび光学素子を含む。光学素子は、光ファイバーの出射端に配置され、光学素子は管状ハウジングの光透過部に対応する位置にある。補助位置特定コンポーネントは管状ハウジングに配置され、補助位置特定コンポーネントは光透過部の一部と重畳する。光ファイバー走査装置から出射された光ビームは、光透過部を通過して、断層画像が取得される。光ビームの一部と補助位置特定コンポーネントとの相互作用により、断層画像に特徴が生じ、その特徴は補助位置特定コンポーネントに対応している。
【0007】
以上の説明は、本開示の内容、以下の例示的な実施形態および本開示の原理および精神を説明するための実施形態の説明、ならびに本開示のさらなる説明を提供するための特許出願の範囲に基づくものである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本開示の第1の実施形態に係るOCT走査プローブの概略図である。
図2】本開示の第2の実施形態に係るOCT走査プローブの概略図である。
図3】本開示の第3の実施形態に係るOCT走査プローブの概略図である。
図4】本開示の第4の実施形態に係るOCT走査プローブの概略図である。
図5】本開示の第5の実施形態に係るOCT走査プローブの概略図である。
図6】本開示の第6の実施形態に係るOCT走査プローブの概略図である。
図7】本開示の第7の実施形態に係るOCT走査プローブの概略図である。
図8図3のOCT走査プローブによって特定される手術対象の位置を示す概略図である。
図9図1のOCT走査プローブによる電極の埋め込みを示す概略図である。
図10図9のOCT走査プローブによって得られる断層画像である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の詳細な説明では、便宜上、開示された実施形態の完全な理解を提供するために、多数の特定の詳細が示されている。しかしながら、これらの特定の詳細なしに、1つまたは複数の実施形態が実施され得ることは明らかである。他の例では、図面を簡略化するために、よく知られた構造およびデバイスが概略的に示されている。
【0010】
本開示によれば、補助位置特定コンポーネントは、管状ハウジングの光透過部と重畳し、その結果、光ファイバー走査装置から出射された光ビームは、光透過部を通過するときに補助位置特定コンポーネントによって遮断または反射され、それにより、断層画像に特徴(暗ゾーンまたは明ゾーン)が生じる。この特徴により、手術対象に対するOCT走査プローブの位置を決定することができる。したがって、OCT走査プローブは、対象を位置決めし、または電極が対象の中心領域にあるかどうかを判断するのに役立つ。電極と対象の中心領域との間にオフセットがあると、外科医は断層画像に従ってDBSリードの埋め込み経路を調整することができ、これはDBSの治療効果を向上させることに有用である。
【0011】
本開示の一実施形態によれば、OCT走査プローブは、管状ハウジング、電極、光ファイバー走査装置、および補助位置特定コンポーネントを含む。本開示の第1の実施形態に係るOCT走査プローブの概略図である図1を参照する。本実施形態では、OCT走査プローブ1aは、管状ハウジング10、電極20、光ファイバー走査装置30、および補助位置特定コンポーネント40を含む。
【0012】
例えば、管状ハウジング10は、光透過部110および不透明部120を含むガラス管であるが、本開示はこれに限定されず、いくつかの実施形態では、管状ハウジング10は、管状ハウジング10のあらゆる部分が光透過性を有するように、ガラスなどの光透過性材料でできていてもよい。本実施形態では、光透過部110は、管状ハウジング10の側壁に位置しているが、本開示は、光透過部110の特定の位置に限定されない。
【0013】
例えば、電極20は、管状ハウジング10の外面に配置された電極リングである。管状ハウジング10および電極20は、ともにDBS電極を構成する。電極20は、OCT走査プローブ1aの外側で、脳組織などの組織を活性化するための外部電源(図示せず)と電気的に接続することができる。図1では、管状ハウジング10に複数の電極20が存在するが、本開示は、電極20の数に限定されず、いくつかの実施形態では、単一の電極20が測定のために設けられていてもよい。電極20をオンにして、脳組織を活性化し、または脳細胞の電気生理学的記録を測定することができる。
【0014】
光ファイバー走査装置30は、管状ハウジング10内に配置され、光ファイバー走査装置30は、ベース310、光ファイバー320、および光学素子330aを含む。光ファイバー320はベース310上に配置され、光学素子330aは、管状ハウジング10の光透過部110に対応する位置にある。一実施形態では、ベース310は、管状ハウジング10内に回転可能に配置される。したがって、ベース310は、管状ハウジング10に対してベース310の中心軸を中心に、光ファイバー320を一緒に回転させる。いくつかの実施形態では、光ファイバー320は、ベース310内に回転可能に配置され、光ファイバー320は、ベース310に対する回転による走査として使用することができる。本実施形態では、光ファイバー320は、光ファイバー320の出射端321をさらに含み、光学素子330aは、出射端321に配置されている。光透過部110は管状ハウジング10の側壁に位置しているので、本実施形態の光学素子330aは、光ファイバー320から出射される光ビームの進行方向を変えるための反射器であってもよい。光ファイバー320からの光ビームは、光学素子330aによって反射され、次いで、光透過部110を通過して、OCT走査プローブ1aの外側へと進むことができる。したがって、光ビームは、OCT走査プローブ1aの外側の組織に到達し、光ビームは、光ファイバー320の端部に接続されたイメージセンサ(図示せず)によって受信されるように組織によって反射される。したがって、イメージセンサは1つまたは複数の断層画像を生成する。本開示は、本実施形態における光学素子330aとして働く反射器に限定されず、いくつかの実施形態では、光透過部の位置に応じて適切な光学コンポーネントを光学素子330aとして選択することができ、本開示は、上述の例に限定されない。
【0015】
さらに、本実施形態では、光ファイバー走査装置30は、管状ハウジング10から取り外し可能であるように、管状ハウジング10内で着脱自在にスリーブ化され、光ファイバー走査装置30は、管状ハウジング10の中心軸に沿って移動可能であるが、本開示はこれに限定されず、いくつかの実施形態では、光ファイバー走査装置30は、管状ハウジング10の内部に固定されていてもよい。
【0016】
本実施形態および他のいくつかの実施形態において、管状ハウジングの「光透過部」は、光ファイバーから出射される光ビームに対して透過可能である部分を指す。例えば、光ファイバーから出射される光ビームが可視光であると、光透過部は可視光波長を有する光に対して透過可能であり、光ファイバーから出射される光ビームが赤外光であると、光透過部は赤外光波長の光に対して透過可能である。
【0017】
補助位置特定コンポーネント40は、管状ハウジング10に配置され、補助位置特定コンポーネント40は、光透過部110の一部と重畳する。本実施形態では、例えば、補助位置特定コンポーネント40は、管状ハウジング10の側壁の内部の導電線であり、導電線は、電極20に電気的に接続されている。補助位置特定コンポーネント40は、外部電源(図示する)と電気的に接続されて電極20に電気を供給し、それにより、OCT走査プローブ1aの外側の組織を活性化することができる。本開示は、補助位置特定コンポーネント40と電極20との間の電気的接続に限定されない。いくつかの実施形態では、補助位置特定コンポーネント40は非導電性であって電極20から絶縁されており、電極20と電気的に接続されるように追加の導電線が設けられている。
【0018】
光ファイバー320から出射された光ビームが管状ハウジング10の光透過部110を通過するとき、補助位置特定コンポーネント40が光透過部110の一部と重畳するので、光ビーム中のある量の光が補助位置特定コンポーネント40と相互作用し、それによって、前述の断層画像に特徴が生じ、その特徴は補助位置特定コンポーネント40に対応している。補助位置特定コンポーネントの相互作用および断層画像の特徴についての詳細は後述する。
【0019】
本実施形態では、OCT走査プローブ1aは、管状ハウジング10の外面に配置された指示コンポーネント50をさらに含み、指示コンポーネント50は、補助位置特定コンポーネント40に対応する方向にマーク510を有する。詳細には、指示コンポーネント50は、管状ハウジング10の外面に取り付けられる環状ブロックであってよく、マーク510は、突起、くぼみ、文字記号、パターン、またはそれらの組み合わせであってもよい。管状ハウジング10の軸方向において、補助位置特定コンポーネント40とマーク510とが位置合わせされ、その結果、マーク510を見ることによって補助位置特定コンポーネント40の方向を判断することができる。
【0020】
本開示は、図1に示されるOCT走査プローブに限定されない。本開示の第2の実施形態に係るOCT走査プローブの概略図を示す図2を参照する。本実施形態では、OCT走査プローブ1bは、管状ハウジング10b、複数の電極20、光ファイバー走査装置30b、補助位置特定コンポーネント40b、および指示コンポーネント50を含む。図2の電極20および指示コンポーネント50については、図1の対応する構成の前述の説明を参照することができ、以下では、電極20および指示コンポーネント50に関する詳細な説明を省略する。
【0021】
管状ハウジング10bは、光透過部110bおよび不透明部120を含む。本実施形態では、管状ハウジング100bの光透過部110bは、管状ハウジング100bの閉端に位置している。光透過部110bの大きさは、走査する光ファイバーの仕様に依存し、本開示は、図面中の光透過部110bに限定されない。光透過部110bの位置に応じて、光ファイバー走査装置30bの光学素子330bは、光ファイバー320から出射された光ビームを集束するように構成された集束レンズであってもよく、集束した光ビームは、光透過部110bを介してOCT走査プローブの外側に到達する。補助位置特定コンポーネント40bは、管状ハウジング10b上に配置され、補助位置特定コンポーネント40bは、光透過部110bの一部と重畳する。一実施形態では、補助位置特定コンポーネント40bは、例えば、電極20に電気的に接続された導電線であり、管状ハウジング100bの閉端まで延在し、それにより、光透過部110bの一部が覆われる。他の実施形態では、補助位置特定コンポーネント40bは、非導電性ラインマークであってもよく、光透過部110bの一部を覆う。
【0022】
本開示の第3の実施形態に係るOCT走査プローブの概略図を示す図3を参照する。本実施形態では、OCT走査プローブ1cは、管状ハウジング10c、電極20、光ファイバー走査装置30c、および補助位置特定コンポーネント40cを含む。図3の電極20については、図1の対応する構成の前述の説明を参照することができ、以下では、電極20に関する詳細な説明を省略する。説明の便宜上、図3では、管状ハウジングの外面に配置された指示コンポーネントが省略されている。
【0023】
管状ハウジング10cは、第1の光透過部110cおよび第2の光透過部110c’を含む。第1の光透過部110cは、管状ハウジング10cの側壁に位置し、第2の光透過部110c’は、管状ハウジング10cの閉端に位置する。第1の光透過部110cおよび第2の光透過部110c’は光透過可能であるように設計され、管状ハウジング10の残りの部分は、光透過可能であっても、不透明であってもよい。
【0024】
光ファイバー走査装置30cは、ベース310、光ファイバー320、および光学素子330cを含む。ベース310は、管状ハウジング10c内に回転可能に配置され、光ファイバー320は、ベース310上に配置されている。光学素子330cは、光ファイバー320の出射端321に配置されている。第1の光透過部110cおよび第2の光透過部110c’が、それぞれ、管状ハウジング10cの側壁および閉端にある構成であるため、本実施形態では、光学素子330cは、ビームスプリッタであってもよい。光学素子330cは、第1の光透過部110cおよび第2の光透過部110c’と対応する。光学素子330cは、光ファイバー320から出射された光ビームを、第1の光透過部110cに向かって進む第1のサブビームと、第2の光透過部110c’に向かって進む第2のサブビームとに分割するように構成される。2つのサブビームは、それぞれ、第1の光透過部110cおよび第2の光透過部110c’を通過して、OCT走査プローブ1cの外側に到達する。2つのサブビームは、OCT走査プローブ1cの外側の組織の異なる領域を照らすことができ、イメージセンサ(図示せず)は、第1および第2のサブビームを受信して、1つまたは複数の断層画像を取得することができる。
【0025】
補助位置特定コンポーネント40cは、管状ハウジング10cに配置され、第1の位置特定部材410cおよび第2の位置特定部材420cを含む。第1の位置特定部材410cは、第1の光透過部110cの一部と重畳し、第2の位置特定部材420cは、第2の光透過部110c’の一部と重畳する。本実施形態では、例えば、第1の位置特定部材410cは、管状ハウジング10cの側壁内に配置され、電極20に電気的に接続される導電線である。第1の位置特定部材410cは、電極20に電力を供給するために外部電源(図示せず)と電気的に接続されていてもよい。第2の位置特定部材420cは、管状ハウジング10cの閉端に配置され、電極20と電気的に接続される。いくつかの実施形態では、補助位置特定コンポーネント40cの第1の位置特定部材410cおよび第2の位置特定部材420cのそれぞれは、第1の光透過部110cの一部および第2の光透過部110c’の一部を覆う非導電性ラインマークであってもよい。
【0026】
光ファイバー320から出射された光ビームが第1の光透過部110cおよび第2の光透過部110c’を通過するとき、第1の位置特定部材410cが第1の光透過部の一部と重畳し、第2の光透過部110c’が第2の位置特定部材420cの一部と重畳しているため、光ビーム中のある量の光が補助位置特定コンポーネント40cと相互作用し、それによって、断層画像に特徴が生じ、一方の特徴は第1の位置特定部材410cに対応し、他方の特徴は第2の位置特定部材420cに対応している。
【0027】
本開示の第4の実施形態に係るOCT走査プローブの概略図を示す図4を参照する。本実施形態では、OCT走査プローブ1dは、管状ハウジング10c、複数の電極20d、光ファイバー走査装置30c、および補助位置特定コンポーネント40dを含む。図4の管状ハウジング10cおよび光ファイバー走査装置30cについては、図3の対応する構成の前述の説明を参照することができ、以下では、管状ハウジング10cおよび光ファイバー走査装置30cに関する詳細な説明を省略する。説明の便宜上、図4では、管状ハウジングの外面に配置された指示コンポーネントが省略されている。
【0028】
例えば、電極20dの各々は、管状ハウジング10cの外面に配置された環状の電極リングである。補助位置特定コンポーネント40dは、管状ハウジング10cの異なる位置にある複数の位置特定部材を含む。詳細には、補助位置特定コンポーネント40dは、複数の第1の位置特定部材410dおよび第2の位置特定部材420dを含む。図4は、第1の位置特定部材410dのうちの1つを例示的に示している。
【0029】
第1の位置特定部材410dは、管状ハウジング10cの第1の光透過部110cの一部と重畳し、第2の位置特定部材420dは、第2の光透過部110c’の一部と重畳している。本実施形態では、例えば、第1の位置特定部材410dの各々は、管状ハウジング10cの側壁内に配置され、それぞれの電極20dに電気的に接続された導電線である。第1の位置特定部材410dは、外部電源(図示する)と電気的に接続されて電極20dに電気を供給することができる。第2の位置特定部材420dは、管状ハウジング10cの閉端に配置され、電極20dと電気的に接続されている。それぞれが電極20dと電気的に接続された導電線が存在するが、すべての導電線が補助位置特定コンポーネント40dの第1の位置特定部材410dまたは第2の位置特定部材420dとしてみなすことができるわけではないことに留意する。補助位置特定コンポーネント40dの部材とみなすことができる導電線については、少なくとも第1の光透過部110cの一部および第2の光透過部110c’の一部を覆う必要がある。いくつかの実施形態では、補助位置特定コンポーネント40dの第1の位置特定部材410dおよび第2の位置特定部材420dの両方は、第1の光透過部110cの一部および第2の光透過部110c’の一部を覆う非導電性ラインマークまたは印刷パターンであってもよい。
【0030】
本開示の第5の実施形態に係るOCT走査プローブの概略図を示す図5を参照する。本実施形態では、OCT走査プローブ1eは、管状ハウジング10e、電極20e、光ファイバー走査装置30、および補助位置特定コンポーネント40eを含む。図5の光ファイバー走査装置30については、図1の対応する構成の前述の説明を参照することができ、以下では、光ファイバー走査装置30に関する詳細な説明を省略する。説明の便宜上、図5では、管状ハウジングの外面に配置された指示コンポーネントが省略されている。
【0031】
例えば、管状ハウジング10eは、その側壁に光透過部110を含む透明なガラス管である。また、管状ハウジング10eは、テーパー状の端部130をさらに含む。電極20eは、管状ハウジング10eのテーパー状の端部130に配置され、電極20eは、管状ハウジング10eの外面に位置している。一実施形態では、管状ハウジング10eおよび電極20eは、脳細胞の電気生理学的記録を測定するためのプローブとして一緒に機能することができ、電極20eは、実質的にヒト神経細胞と同じ大きさを有する。
【0032】
補助位置特定コンポーネント40eは、管状ハウジング10eに配置され、補助位置特定コンポーネント40は、光透過部110の一部と重畳している。本実施形態では、補助位置特定コンポーネント40eは、例えば、管状ハウジング10eの側壁内に配置され、電極20eと電気的に接続された導電線である。補助位置特定コンポーネント40eは、外部電源(図示する)と電気的に接続されて電極20eに電気を供給することができる。
【0033】
本開示の第6の実施形態に係るOCT走査プローブの概略図を示す図6を参照する。本実施形態では、OCT走査プローブ1fは、管状ハウジング10e、複数の電極20f、光ファイバー走査装置30、および補助位置特定コンポーネント40fを含む。図6の管状ハウジング10eおよび光ファイバー走査装置30については、図1および図5の対応する構成の前述の説明を参照することができ、以下では、管状ハウジング10eおよび光ファイバー走査装置30に関する詳細な説明を省略する。説明の便宜上、図6では、管状ハウジングの外面に配置された指示コンポーネントはが省略されている。
【0034】
電極20fは、第1の電極210fおよび第2の電極220fを含む。例えば、第1の電極210fは、管状ハウジング10eの外面に配置された環状の電極リングである。第2の電極220fは、管状ハウジング10eのテーパー状の端部130に配置され、第2の電極220fは、管状ハウジング10eの外面に配置されている。補助位置特定コンポーネント40fは、管状ハウジング10eに配置され、補助位置特定コンポーネント40fは、第1の位置特定部材410fおよび第2の位置特定部材420fを含む。第1の位置特定部材410fおよび第2の位置特定部材420fは、管状ハウジング10eの光透過部110の一部と重畳している。第1の位置特定部材410fは、管状ハウジング10eの側壁内に配置され、第1の電極210fと電気的に接続されている。第2の位置特定部材420fは、管状ハウジング10eの側壁内に配置され、第2の電極220fと電気的に接続されている。第1の位置特定部材410fおよび第2の位置特定部材420fは、それぞれ、第1の電極210fおよび第2の電極220fに電気を供給することができる。一実施形態では、第1の位置特定部材410fおよび第2の位置特定部材420fの両方が、管状ハウジング10eの軸に対して180度の角度を取り囲み、別の実施形態では、第1の位置特定部材410fおよび第2の位置特定部材420fの両方は、管状ハウジング10eの軸に対して90度の角度を取り囲む。本開示は、位置特定部材と管状ハウジングの軸との間の前述の角度の値に限定されない。
【0035】
本開示の第7の実施形態に係るOCT走査プローブの概略図を示す図7を参照する。OCT走査プローブ1gは、管状ハウジング10c、複数の電極20g、光ファイバー走査装置30c、および補助位置特定コンポーネント40gを含む。図7の管状ハウジング10cおよび光ファイバー走査装置30cについては、図4の対応する構成の前述の説明を参照することができ、以下では、管状ハウジング10cおよび光ファイバー走査装置30cに関する詳細な説明を省略する。説明の便宜上、図7では、管状ハウジングの外面に配置された指示コンポーネントが省略されている。
【0036】
電極20gは、複数の第1の電極210gおよび第2の電極220gを含む。例えば、第1の電極210gの各々は、管状ハウジング10cの外面に配置された電極リングである。第1の電極210gは、図4の電極20dと同一であり、以下では、詳細を省略する。第2の電極220gは、管状ハウジング10cの半球状の閉端に配置され、第2の電極220gは、管状ハウジング10cの外面に位置している。本実施形態では、第2の電極220gは、管状ハウジング10cの外面から外向きに延びる電極20gの先端であり、先端は実質的にヒト神経細胞と同じ大きさを有する。
【0037】
補助位置特定コンポーネント40gは、複数の第1の位置特定部材410gおよび第2の位置特定部材420gを含む。第1の位置特定部材410gは、管状ハウジング10cの一部と重畳し、第2の位置特定部材420gは、管状ハウジング10cの一部と重畳している。第1の位置特定部材410gは、管状ハウジング10cの側壁内に配置され、第1の位置特定部材410gは、それぞれ、第1の電極210gと電気的に接続されている。図7は、第1の位置特定部材410gのうちの1つを例示的に示している。第2の位置特定部材420gは、管状ハウジング10cの側壁内に配置され、第2の位置特定部材420gは、第2の電極220gと電気的に接続されている。一実施形態では、第1の位置特定部材410gおよび第2の位置特定部材420gの両方が、管状ハウジング10cの軸に対して180度の角度を取り囲み、別の実施形態では、第1の位置特定部材410gおよび第2の位置特定部材420gの両方が、管状ハウジング10cの軸に対して90度の角度を取り囲む。本開示は、位置特定部材と管状ハウジングの軸との間の前述の角度の値に限定されない。
【0038】
それぞれが電極20gと電気的に接続された複数の導電線が存在するが、すべての導電線が補助位置特定コンポーネント40gとしてみなすことができるわけではないことに留意する。補助位置特定コンポーネント40gの部材とみなすことができる導電線については、少なくとも第1の光透過部110cの一部および第2の光透過部110c’の一部を覆う必要がある。いくつかの実施形態では、補助位置特定コンポーネント40gの第1の位置特定部材410gおよび第2の位置特定部材420gの両方は、第1の光透過部110cの一部および第2の光透過部110c’の一部を覆う非導電性ラインマークまたは印刷パターンであってもよい。
【0039】
以下の説明は、DBSにおけるOCT走査プローブの適用に関するものである。本開示によれば、OCT走査プローブは、DBS対象位置特定手順において手術対象を特定するために適用可能である。図3および図8を参照する。図8は、図3のOCT走査プローブによって特定される手術対象の位置を示す概略図である。図8では、対象Oは、ヒトSTNであってもよい。
【0040】
OCT走査プローブ1cがヒトの脳に挿入され、電気生理学的記録を測定するために電極20に電気が供給される。光ファイバー走査装置30cが回転し、光学素子330cが、光ファイバー320から出射された光ビームを第1のサブビームL1と第2のサブビームL2とに分割する。第1のサブビームL1が管状ハウジング10cの第1の光透過部110cを通過して、第1の断層画像が取得される。補助位置特定コンポーネント40cの第1の位置特定部材410cは、光ファイバー走査装置30cの光ファイバー320の光学分解能以上の大きさを有するので、第1のサブビームL1中のある量の光は、第1の位置特定部材410cと相互作用し、それにより、第1の断層画像に第1の特徴が生じるが、第1の特徴は、第1の位置特定部材410cに対応している。同様に、第2のサブビームL2が管状ハウジング10cの第2の光透過部110c’を通過して、第2の断層画像が取得される。補助位置特定コンポーネント40cの第2の位置特定部材420cもまた、光ファイバー320の光学分解能以上の大きさを有するので、第2のサブビームL2中のある量の光は、第2の位置特定部材420cと相互作用し、それにより、第2の断層画像に第2の特徴が生じるが、第2の特徴は、第2の位置特定部材420cに対応している。電極20によって測定された電気生理学的記録および前述の断層画像によれば、対象Oに対するOCT走査プローブ1cの特定の位置(例えば、ヒトSTNの中央、右側、または左側)を正確に決定することできる。
【0041】
以下の説明は、DBS電極埋め込み手順におけるOCT走査プローブの適用に関するものであり、本開示は、正しい部位へのDBS電極の埋め込みに役立つ。図1および図9を参照する。図9は、図1のOCT走査プローブによる電極の埋め込みを示す概略図である。
【0042】
OCT走査プローブ1aがヒトの脳に挿入され、光ファイバー320から光ビームを出射しつつ光ファイバー走査装置30が回転する(図9参照)。光ビームが管状ハウジング10の光透過部110を通過するとき、補助位置特定コンポーネント40は、光ファイバー走査装置30の光ファイバー320の光学分解能以上の大きさを有するので、補助位置特定コンポーネント40と相互作用した光ビームは、断層画像を生成し、断層画像は、補助位置特定コンポーネント40に対応する特徴を含んでいる。上述の断層画像によれば、対象Oに対するOCT走査プローブ1aの具体的な位置を正確に決定することができる。したがって、OCT走査プローブ1aの電極20が対象Oの中心領域にあるかどうかを推測することができる。電極20が正しい領域にあると決定されると、光ファイバー走査装置30を管状ハウジング10から取り外すことができる。管状ハウジング10および電極20などの、ヒトの脳内の残留要素は、脳細胞および神経伝達物質の生理機能に影響を与えるためにオンにすることができる永久的なDBSリードとして機能する。
【0043】
断層画像における前述の特徴は、補助位置特定コンポーネントの性質によって異なる。一実施形態では、補助位置特定コンポーネントは不透明な材料でできており、光ビームが光透過部を通過するときに、補助位置特定コンポーネントによってある量の光が遮断される。したがって、断層画像に補助位置特定コンポーネントに対応する暗ゾーンが形成される。別の実施形態では、補助位置特定コンポーネントは、金属材料でできているか、または金属コーティングを含み、光ビームが光透過部を通過するときに、補助位置特定コンポーネントによってある量の光が反射される。したがって、断層画像に補助位置特定コンポーネントに対応する明ゾーンが形成される。「光ビームが補助位置特定コンポーネントと相互作用する」または「光ビームと補助位置特定コンポーネントとの相互作用」は、補助位置特定コンポーネントが光を遮断して暗ゾーンを引き起こすか、または補助位置特定コンポーネントが光を反射して明ゾーンを引き起こすことを意味する。
【0044】
以下の説明は、断層画像に従って対象に対するOCT走査プローブの位置を決定することに関する。図10は、図9のOCT走査プローブによって得られた断層画像である。管状ハウジング10の光透過部110を通過する光ビーム中のある量の光は、補助位置特定コンポーネント40によって遮断され、図10の断層画像中に補助位置特定コンポーネントに対応する暗ゾーンD(特徴)が形成される。断層画像中の暗ゾーンD近傍の領域によれば、OCT走査プローブ1aが対象Oに挿入されているか、またはOCT走査プローブ1aが対象Oに挿入された後、現在OCT走査プローブ1aが対象Oの中心領域にあるか、中心領域から外れているかどうかを決定することができる。したがって、電極を再移植する必要があるかどうかは、ある者(人または装置)が決定することができる。
【0045】
いくつかの実施形態では、DBS用のOCT走査プローブは脳の深部に埋め込まれているので、DBS中にある者(例えば、外科医)が補助位置特定コンポーネントを見つけることが困難な場合がある。簡便な操作のため、指示コンポーネント50を管状ハウジング10に選択的に配置することができ、指示コンポーネント50は、補助位置特定コンポーネント40に対応するマーク510を含む。したがって、補助位置特定コンポーネント40の方向は、マーク510によって決定することができる。
【0046】
本開示によれば、OCT走査プローブは、光透過部と重畳する補助位置特定コンポーネントを含む。光ファイバー走査装置から出射された光ビームは、光透過部を通過するときに補助位置特定コンポーネントによって遮断または反射され、それによって、断層画像中に特徴(暗ゾーンまたは明ゾーン)を生じる。この特徴により、手術対象に対するOCT走査プローブの位置を決定することができる。したがって、OCT走査プローブは、対象の位置決め、または電極が対象の中心領域にあるかどうかを判断するのに役立ち、それによって脳細胞および神経伝達物質の生理機能への影響を改善することができる。
【0047】
本開示に対して様々な修正および変形を行うことができることは、当業者にとって明らかである。本明細書および実施例は、例示的な実施形態としてのみ考慮されることが意図されており、本開示の範囲は、以下の特許請求の範囲およびその等価物によって示される。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本開示のOCT走査プローブは、DBSシステムにおいて適用されてもよい。
【符号の説明】
【0049】
1a、1b、1c、1d、1e、1f、1g:OCT走査プローブ
10、10b、10c、10e:管状ハウジング
110、110b:光透過部
110c:第1の光透過部
110c’:第2の光透過部
120:不透明部
130:テーパー状の端部
20、20d、20e、20f、20g:電極
210f:第1の電極
220f:第2の電極
210g:第1の電極
220g:第2の電極
30、30b、30c:光ファイバー走査装置
310:ベース
320:光ファイバー
321:出射端
330a、330b、330c:光学素子
40、40c、40d、40e、40f、40g:補助位置特定コンポーネント
410c、410d、410f、410g:第1の位置特定部材
420c、420d、420f、420g:第2の位置特定部材
50:指示コンポーネント
510:マーク
O:対象
L1:第1のサブビーム
L2:第2のサブビーム
D:暗ゾーン
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【外国語明細書】