(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022096667
(43)【公開日】2022-06-30
(54)【発明の名称】遮蔽装置
(51)【国際特許分類】
E06B 9/42 20060101AFI20220623BHJP
【FI】
E06B9/42 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020209758
(22)【出願日】2020-12-18
(71)【出願人】
【識別番号】000250672
【氏名又は名称】立川ブラインド工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100143568
【弁理士】
【氏名又は名称】英 貢
(72)【発明者】
【氏名】秋山 拓哉
(57)【要約】
【課題】枠体に固定されるガイドレールに沿って昇降する遮蔽材の動作と、当該遮蔽材とは別に設ける下部遮光部材の開閉とを連動させ、下部遮光部材の開閉操作を機構的に自動化する遮蔽装置を提供する。
【解決手段】本発明の一実施形態の遮蔽装置(ロールスクリーン1)は、ガイドレール4に沿って昇降する遮蔽材(スクリーン2)下端の錘部材(ウェイトバー20)の下方に生じる隙間を遮光又は採光できるように枠体の床側WBに対し相対回動可能とする下部遮光部材8を備える。下部遮光部材8には、錘部材の上昇に伴って採光方向に回動し錘部材の下降に伴って遮光方向に回動するよう連動させる連動機構12が設けられる。一実施例の連動機構12は、下部遮光部材8の開閉部8bに一端を取着した下部開閉コード9がガイドレール4の頂部近傍で折り返され、その他端が錘部材の端部に対し磁力により着脱可能、或いは常に着脱不能に取着されることで構成される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
枠体に固定されるガイドレールに沿って遮蔽材を昇降するように構成された遮蔽装置であって、
前記遮蔽材の下端に設けられる錘部材の下方に生じる隙間を遮光又は採光できるように前記枠体の床側に対し相対回動可能とする下部遮光部材を備え、
前記下部遮光部材には、前記錘部材の上昇に伴って採光方向に回動し前記錘部材の下降に伴って遮光方向に回動するよう連動させる連動機構が設けられていることを特徴とする遮蔽装置。
【請求項2】
前記連動機構は、前記遮蔽材の両側端部にそれぞれ設けられた一対のガイドレールのうちいずれか一方、又は双方に、前記下部遮光部材の開閉動作を行う開閉部に一端を取着した下部開閉コードが対応する前記ガイドレールの頂部近傍で折り返されるように配設され、前記下部開閉コードの他端が対応する前記ガイドレール側の前記錘部材の端部に対し磁力により着脱可能、或いは常に着脱不能に取着され、前記下部遮光部材の遮光方向の回動は前記下部開閉コードによる吊り上げ作用により作動し、前記下部遮光部材の採光方向の回動は前記下部遮光部材の自重により作動するように構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の遮蔽装置。
【請求項3】
前記下部開閉コードの他端は、前記錘部材が所定高さ以上にあるときは対応する前記ガイドレール側の前記錘部材の端部に対し磁力により吸着して取着される吸着部が設けられ、前記錘部材が所定高さ未満にあるときは対応する前記ガイドレール側の前記錘部材の端部に対し分離するように構成されていることを特徴とする、請求項2に記載の遮蔽装置。
【請求項4】
前記下部開閉コードの他端に設けられる吸着部は、前記錘部材が所定高さ未満にある状態から前記錘部材が所定高さ以上になる状態に転じるときに、前記吸着部が対応する前記ガイドレール側の前記錘部材の端部に対し磁力により吸着して取着されるよう復帰するのに十分な磁力を有することを特徴とする、請求項3に記載の遮蔽装置。
【請求項5】
前記下部開閉コードの他端に設けられる吸着部は、前記錘部材の降下する力が前記磁力を上回るときに、対応する前記ガイドレール側の前記錘部材の端部に対し分離するように構成されていることを特徴とする、請求項3又は4に記載の遮蔽装置。
【請求項6】
前記下部開閉コードの他端に設けられる吸着部は、対応する前記ガイドレール側の前記錘部材の端部に対し分離した状態においても常に、磁力により吸着する方向に、前記下部開閉コードには常にテンションが生じるように構成されていることを特徴とする、請求項3から5のいずれか一項に記載の遮蔽装置。
【請求項7】
前記下部遮光部材は、前記錘部材が前後方向に重なる位置まで下降できるように遮光方向に回動可能とし、且つ当該遮光方向に回動した状態を前記錘部材により保持させるよう支持可能に構成されていることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の遮蔽装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、枠体に固定されるガイドレールに沿って遮蔽材を昇降するように構成された遮蔽装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、枠体に固定されるガイドレールに沿って遮蔽材を昇降するよう構成されたロールスクリーン、横型ブラインド等の遮蔽装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このようなロールスクリーンでは、巻取軸に巻取られた遮蔽材としてのスクリーンが引出操作によって下降し、また、巻取軸から引き出されたスクリーンが巻取操作によって上昇する。そして、一対のガイドレールがスクリーンの両側に立設されており、巻取軸から引き出されたスクリーンの外縁部が、これらガイドレールの内側に入り込んでいる。
【0004】
これにより、スクリーンが下降及び上昇するときに、スクリーンの外縁部がガイドレールに沿って動き、スクリーンが昇降方向に沿って案内される。
【0005】
また、このような遮蔽装置の一種として、上記の特許文献2には、遮蔽材の下端に設けられる錘部材(ウェイトバー、ボトムフレーム等)の下方に生じる隙間を遮光又は採光できるように手動操作で枠体の床側に対し相対回動可能とする下部遮光部材を、当該遮蔽材とは別に設ける構成が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
これにより、遮蔽装置を設ける窓枠の開口を広いものとし遮蔽材の上昇時(採光時)の視界を広げることができ、一方で、遮蔽材の下降時(遮光時)には下部遮光部材により遮光して、その遮光性を高めることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2015-169027号公報
【特許文献2】特許第6367066号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述したように、枠体に固定されるガイドレールに沿って遮蔽材を昇降するよう構成された遮蔽装置の一種として、上記の特許文献2には、遮蔽材の下端に設けられる錘部材(ウェイトバー、ボトムフレーム等)の下方に生じる隙間を遮光又は採光できるように手動操作で枠体の床側に対し相対回動可能とする下部遮光部材を、当該遮蔽材とは別に設ける構成が知られている。
【0009】
しかし、特許文献2に開示されるような従来技法では、遮蔽材の昇降操作に合わせて下部遮光部材の開閉操作を手動で行う必要があり、その手間が煩わしいという問題がある。
【0010】
そこで、本発明の目的は、上述の問題に鑑みて、昇降する遮蔽材の動作と、当該遮蔽材とは別に設ける下部遮光部材の開閉とを連動させ、下部遮光部材の開閉操作を機構的に自動化する遮蔽装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の遮蔽装置は、枠体に固定されるガイドレールに沿って遮蔽材を昇降するように構成された遮蔽装置であって、前記遮蔽材の下端に設けられる錘部材の下方に生じる隙間を遮光又は採光できるように前記枠体の床側に対し相対回動可能とする下部遮光部材を備え、前記下部遮光部材には、前記錘部材の上昇に伴って採光方向に回動し前記錘部材の下降に伴って遮光方向に回動するよう連動させる連動機構が設けられていることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の遮蔽装置において、前記連動機構は、前記遮蔽材の両側端部にそれぞれ設けられた一対のガイドレールのうちいずれか一方、又は双方に、前記下部遮光部材の開閉動作を行う開閉部に一端を取着した下部開閉コードが対応する前記ガイドレールの頂部近傍で折り返されるように配設され、前記下部開閉コードの他端が対応する前記ガイドレール側の前記錘部材の端部に対し磁力により着脱可能、或いは常に着脱不能に取着され、前記下部遮光部材の遮光方向の回動は前記下部開閉コードによる吊り上げ作用により作動し、前記下部遮光部材の採光方向の回動は前記下部遮光部材の自重により作動するように構成されていることを特徴とする。
【0013】
また、本発明の遮蔽装置において、前記下部開閉コードの他端は、前記錘部材が所定高さ以上にあるときは対応する前記ガイドレール側の前記錘部材の端部に対し磁力により吸着して取着される吸着部が設けられ、前記錘部材が所定高さ未満にあるときは対応する前記ガイドレール側の前記錘部材の端部に対し分離するように構成されていることを特徴とする。
【0014】
また、本発明の遮蔽装置において、前記下部開閉コードの他端に設けられる吸着部は、前記錘部材が所定高さ未満にある状態から前記錘部材が所定高さ以上になる状態に転じるときに、前記吸着部が対応する前記ガイドレール側の前記錘部材の端部に対し磁力により吸着して取着されるよう復帰するのに十分な磁力を有することを特徴とする。
【0015】
また、本発明の遮蔽装置において、前記下部開閉コードの他端に設けられる吸着部は、前記錘部材の降下する力が前記磁力を上回るときに、対応する前記ガイドレール側の前記錘部材の端部に対し分離するように構成されていることを特徴とする。
【0016】
また、本発明の遮蔽装置において、前記下部開閉コードの他端に設けられる吸着部は、対応する前記ガイドレール側の前記錘部材の端部に対し分離した状態においても常に、磁力により吸着する方向に、前記下部開閉コードには常にテンションが生じるように構成されていることを特徴とする。
【0017】
また、本発明の遮蔽装置において、前記下部遮光部材は、前記錘部材が前後方向に重なる位置まで下降できるように遮光方向に回動可能とし、且つ当該遮光方向に回動した状態を前記錘部材により保持させるよう支持可能に構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、枠体に固定されるガイドレールに沿って昇降する遮蔽材の動作と、当該遮蔽材とは別に設ける下部遮光部材の開閉とを連動させ、下部遮光部材の開閉操作を機構的に自動化することができるので、下部遮光部材の開閉操作に係る手間を省略させ、使い勝手を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明による第1実施形態の遮蔽装置として構成されるロールスクリーンの概略構成を示す正面図である。
【
図2】本発明による第1実施形態の遮蔽装置として構成されるロールスクリーンの概略構成を示す断面側面図である。
【
図3】(a)は、本発明による第1実施形態の遮蔽装置として構成されるロールスクリーンにおけるガイドレールに対して、一実施例の下部遮光部材、スクリーンの下端に設けられ磁性バーを有するウェイトバー、及び一端を下部遮光部材に取着した下部開閉コードの他端に取着されるマグネットからなる吸着部の配置関係を概略的に示す平面図(見下げ図)であり、(b)は、連動機構として機能する下部開閉コードについて、その下部開閉コードをガイドレールの頂部近傍で折り返すためのコード折り返し部材、及び下部開閉コードに対する一実施例の下部遮光部材の配置関係を概略的に示す平面図(見下げ図)である。
【
図4】(a),(b)は、それぞれ本発明による第1実施形態の遮蔽装置として構成されるロールスクリーンにおける一実施例の下部遮光部材の構成と、本発明に係る連動機構として機能する下部開閉コードによるその動作について概略的に示す断面側面図である。
【
図5】(a),(b)は、それぞれ本発明による第1実施形態の遮蔽装置として構成されるロールスクリーンにおける下部開閉コードを有する一実施例の連動機構について、本発明に係る連動機構によるその動作に関する第1状態を概略的に示す背面図、及び断面側面図である。
【
図6】(a),(b)は、それぞれ本発明による第1実施形態の遮蔽装置として構成されるロールスクリーンにおける下部開閉コードを有する一実施例の連動機構について、その動作に関する第2状態を概略的に示す背面図、及び断面側面図である。
【
図7】(a),(b)は、それぞれ本発明による第1実施形態の遮蔽装置として構成されるロールスクリーンにおける下部開閉コードを有する一実施例の連動機構について、その動作に関する第3状態を概略的に示す背面図、及び断面側面図である。
【
図8】(a),(b)は、それぞれ本発明による第1実施形態の遮蔽装置として構成されるロールスクリーンにおける下部開閉コードを有する一実施例の連動機構について、その動作に関する第4状態を概略的に示す背面図、及び断面側面図である。
【
図9】本発明による第2実施形態の遮蔽装置として構成されるロールスクリーンの概略構成を示す正面図である。
【
図10】(a)は、本発明による第1又は第2実施形態の遮蔽装置として構成されるロールスクリーンにおけるガイドレールに対して、変形例1の下部遮光部材、スクリーンの下端に設けられ磁性バーを有するウェイトバー、及び一端を下部遮光部材に取着した下部開閉コードの他端に取着されるマグネットからなる吸着部の配置関係を概略的に示す平面図(見下げ図)であり、(b)は、連動機構として機能する下部開閉コードについて、その下部開閉コードをガイドレールの頂部近傍で折り返すためのコード折り返し部材、及び下部開閉コードに対する変形例1の下部遮光部材の配置関係を概略的に示す平面図(見下げ図)である。
【
図11】(a),(b)は、それぞれ本発明による第1又は第2実施形態の遮蔽装置として構成されるロールスクリーンにおける変形例2の下部遮光部材の構成と、本発明に係る連動機構として機能する下部開閉コードによるその動作について概略的に示す断面側面図である。
【
図12】(a),(b)は、それぞれ本発明による第1又は第2実施形態の遮蔽装置として構成されるロールスクリーンにおける変形例3の下部遮光部材の構成と、本発明に係る連動機構によるその動作について概略的に示す断面側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して、本発明による各実施形態の遮蔽装置の例として典型的なロールスクリーン1を説明する。尚、本願明細書中、
図1に示すロールスクリーン1の正面図に対して、図示上方及び図示下方をそれぞれ上方向(又は上側)及び下方向(又は下側)と定義し、図示左方向をロールスクリーン1の左側、及び、図示右方向をロールスクリーン1の右側と定義して説明する。また、以下に説明する例では、
図1に示すロールスクリーン1の正面図に対して、視認する側を前側(又は正面側)、その反対側を後側(又は背面側)とする。
【0021】
〔第1実施形態〕
(全体構成)
図1は、本発明による第1実施形態の遮蔽装置として構成されるロールスクリーン1の概略構成を示す正面図である。また、
図2は、
図2本発明による第1実施形態の遮蔽装置として構成されるロールスクリーン1の概略構成を示す断面側面図である。
【0022】
図1及び
図2に示すロールスクリーン1は、窓枠等の枠体に組み付けられ、
図1に示す枠体は、天井側に位置する上枠体WT、床側に位置する下枠体WB、左側に位置する左枠体WL、及び右側に位置する右枠体WRとして示している。
【0023】
そして、このロールスクリーン1は、
図1に示すように、遮蔽材としてのスクリーン2と、遮蔽機構3と、左右のガイドレール4と、スクリーン2の下端に設けられる錘部材として機能するウェイトバー20の下方に生じる隙間を遮光又は採光できるように枠体の床側の下枠体WBに対し相対回動可能とする下部遮光部材8と、を備えている。尚、本例の下部遮光部材8の詳細については後述するが、下枠体WBには下部フレーム7が配置され、下部遮光部材8は、その下部フレーム7に対して、前後方向に回動可能に軸支されている。
【0024】
遮蔽機構3は、遮蔽材の開閉を作動させるための機構であり、本例では
図1及び
図2に示すように、遮蔽材として構成されるスクリーン2を巻き取り、或いは巻き戻す巻取軸30と、巻取軸30の左右両端をそれぞれ回転可能に支持する左右一対の支持部材33a及びその左右一対の支持部材33aを巻取軸30の背面側で支持する取付フレーム33と、ブラケット34を介して取付フレーム33を着脱可能に支持するとともに、上枠体WTに対してネジ等により固定可能にする略L字板状(
図2参照)の支持フレーム35と、を備える。尚、
図1及び
図2に示す例では、遮蔽機構3における背面及び側面からの防塵性及び意匠性を高めるべく、板状のカバー材31,32が遮蔽機構3における背面及び側面にそれぞれ取着されている。
【0025】
巻取軸30は、スクリーン2を巻き取り、或いは巻き戻すことにより、スクリーン2及びウェイトバー20を昇降可能とし、これによりスクリーン2の開閉を可能としている。
【0026】
また、本例のロールスクリーン1は、手でウェイトバー20を掴持してスクリーン2を昇降操作するように構成され、このため、巻取軸30内には、図示を省略しているが、ウェイトバー20の自重降下を防止するブレーキ機構、スクリーン2の巻き取り方向に巻取軸30を付勢するスプリングモータ、及びその掴持操作に係る負荷を定荷重化する定荷重装置が設けられている。ただし、本発明に関しては、遮蔽機構3の構成自体はこれに限定する必要はなく、種々の形態とすることができる。例えば、手でウェイトバー20を掴持してスクリーン2を昇降操作する形態とする代わりに、ボール・チェーン等の操作コードを用いて巻取軸30の回転操作を行うことによりスクリーン2を昇降操作する形態としてもよいし、外部からの電気信号に基づいて巻取軸30の回転操作を行うことによりスクリーン2を昇降操作する形態としてもよい。
【0027】
左右のガイドレール4の各々は、それぞれ左枠体WL及び右枠体WRに固定され、スクリーン2の左右のそれぞれ対応する外縁部を保持して、スクリーン2を昇降方向に案内する上下方向に長尺な部材である。本例では、左右のガイドレール4の各々は、それぞれガイドレール本体4Aとレールベース4Bとを有しており、左右のガイドレール4の各々におけるレールベース4Bは、それぞれ左枠体WL及び右枠体WRに固定され、ガイドレール本体4Aは、対応するレールベース4Bに組み付けられる構造になっている。尚、レールベース4Bの利用を省略し、ガイドレール本体4Aを直接的に、左枠体WL又は右枠体WRに固定する形態としてもよい。
【0028】
そして、各ガイドレール4の下端部及び上端部には、下キャップ5と上キャップ6が取り付けられている。下キャップ5は、ウェイトバー20とガイドレール4との間の隙間を遮光するための部材であり、下枠体WBに固定される。上キャップ6は、遮蔽機構3から垂下するスクリーン2の外縁部を対応するガイドレール4に誘導するための部材であり、
図2に図示するような傾斜を持つ前側誘導壁61及び後側誘導壁62によって、スクリーン2の外縁部を対応するガイドレール4に誘導する誘導溝63を構成するものとなっている。尚、上キャップ6には、後側誘導壁62の上方に、スクリーン2の破損を防止するための規制壁64が設けられ、前側誘導壁61の高さは、規制壁64の高さに近い値に設定され、後側遮蔽部62の高さは、規制壁64よりも低く設定されている。そして、本例での上キャップ6では、支持フレーム35とガイドレール4の配置関係を位置決めするための位置決め部位65が形成されたものとなっている。
【0029】
そして、各ガイドレール4におけるガイドレール本体4Aは、図示するように、前側ガイド壁41と後側ガイド壁42を有し、これら前側ガイド壁41と後側ガイド壁42との間隙が、スクリーン2の左右方向一方の外縁部を保持するためのガイド通路45を形成している。
【0030】
下枠体WBには、左右のガイドレール4間で下部フレーム7が配置されており、下部遮光部材8の軸部8aが下部フレーム7の軸受部7aに軸支され、下部遮光部材8の開閉部8bが枠体の床側の下枠体WBに対し前後方向に相対回動可能となっている。
【0031】
下部遮光部材8は、スクリーン2の下端に設けられるウェイトバー20の下方に生じる隙間を遮光又は採光できるようにするものである。この下部遮光部材8を前後方向に回動可能に設けることで、ロールスクリーン1を設ける窓枠の開口を広いものとしスクリーン2の上昇時(採光時)の視界を広げることができ、一方で、スクリーン2の下降時(遮光時)には下部遮光部材8により遮光して、その遮光性を高めることができる。
【0032】
特に、本実施形態のロールスクリーン1では、下部遮光部材8には、ウェイトバー20の上昇に伴って採光方向に回動しウェイトバー20の下降に伴って遮光方向に回動するよう連動させる連動機構12が設けられている。
図1及び
図2に示す一実施例の連動機構12は、左右のガイドレール4の各々において、ウェイトバー20の昇降状態に伴って下部遮光部材8を回動させる下部開閉コード9を配設することで構成される。
【0033】
(一実施例の連動機構)
より具体的に、
図1及び
図2に示す一実施例の連動機構12は、下部遮光部材8の開閉部8bの一隅部に設けられるコード取着部8cに一端を取着した下部開閉コード9が対応するガイドレール4の頂部近傍に設けられるコード折り返し部材10で折り返され、その下部開閉コード9の他端が対応するガイドレール4内で移動可能なマグネットからなる吸着部11上部のコード取着部11aに取着され、このマグネットからなる吸着部11がウェイトバー20の各端部に設けられる磁性バー22に対し磁力により着脱可能とすることで構成される。そして、
図1及び
図2に示す一実施例の連動機構12は、下部遮光部材8の遮光方向の回動が下部開閉コード9による吊り上げ作用により作動し、下部遮光部材8の採光方向の回動が下部遮光部材8の自重により作動するようになっている。
【0034】
尚、本例の磁性バー22は、磁性を持つ鉄棒により構成され、ウェイトバー20の各端部に設けられるキャップ部材21により固着されたものとしているが、ウェイトバー20自体の各端部に直接固着したものとしてもよい。
【0035】
また、コード折り返し部材10は、本例ではガイドレール4の頂部近傍の上キャップ6内に設け、2本のコード折り返し軸10a(
図2参照)を有する形状としているが、ガイドレール4の頂部近傍でガイドレール4に対し直接設ける形態としてもよいし、下部開閉コード9を折り返すことができるものであれば任意の形状とすることができる。
【0036】
また、本例では、下部開閉コード9の他端にマグネットからなる吸着部11を設け、ウェイトバー20の各端部に磁性バー22を設けるとしているが、下部開閉コード9の他端に磁性バーを設け、ウェイトバー20の各端部にマグネットを設ける形態としてもよい。
【0037】
また、本例では、下部開閉コード9の他端にマグネットからなる吸着部11を設け、ウェイトバー20の各端部に磁性バー22を設けて磁力による着脱可能とする形態としているが、下部遮光部材8の大きさや形状によっては、この磁力を利用するマグネットからなる吸着部11を省略し、下部開閉コード9の他端を常に着脱不能に、ウェイトバー20の対応する端部に取着する形態としてもよい。
【0038】
また、本例では、左右のガイドレール4の各々において、連動機構12として、ウェイトバー20の昇降状態に伴って下部遮光部材8を回動させる下部開閉コード9を配設する実施形態としているが、下部遮光部材8の重量によっては、左右のガイドレール4のうち一方のみに、当該連動機構12を設ける形態としてもよい。
【0039】
図3(a)は、本発明による第1実施形態の遮蔽装置として構成されるロールスクリーン1におけるガイドレール4に対して、一実施例の下部遮光部材8、スクリーン2の下端に設けられ磁性バー22を有するウェイトバー20、及び一端を下部遮光部材8に取着した下部開閉コード9の他端に取着されるマグネットからなる吸着部11の配置関係を概略的に示す平面図(見下げ図)である。また、
図3(b)は、連動機構12として機能する下部開閉コード9について、その下部開閉コード9をガイドレール4の頂部近傍で折り返すためのコード折り返し部材10、及び下部開閉コード9に対する一実施例の下部遮光部材8の配置関係を概略的に示す平面図(見下げ図)である。
【0040】
図3(a)に示すように、本例のガイドレール4は、ガイドレール本体4Aとレールベース4Bとを有しており、ガイドレール本体4Aの下端部には下キャップ5が配設されている。ガイドレール本体4Aは、図示するように、前側ガイド壁41と後側ガイド壁42を有し、これら前側ガイド壁41と後側ガイド壁42との間隙が、スクリーン2の左右方向一方の外縁部を保持するためのガイド通路45を形成している。より具体的には、ガイドレール本体4Aにおける前側ガイド壁41と後側ガイド壁42との間隙には、スクリーン2の左右方向一方の外縁部を前後から狭持するための略F字断面状の遮蔽材端部保持部43,44が形成され、更に、マグネットからなる吸着部11の上下方向の移動を案内するための前後一対の内側ガイド壁46が形成されたものとなっている。
【0041】
図3(a)にて破線で示すウェイトバー20の端部には、本例では角柱上の鉄棒からなる磁性バー22が設けられ、この磁性バー22は、マグネットからなる吸着部11の上下方向の移動経路上まで延在するように配設されている。従って、マグネットからなる吸着部11がウェイトバー20の各端部に設けられる磁性バー22に対し磁力により着脱可能となっている。
【0042】
また、ウェイトバー20の下方に位置する下部遮光部材8は、下部遮光部材8の軸部8aが下部フレーム7の軸受部7aに軸支され、下部遮光部材8の開閉部8bが枠体の床側の下枠体WBに対し前後方向に相対回動可能となっており、
図3(a)では、採光方向に回動した状態(即ち、後述する
図4(a)に示すように、下部フレーム7に対し下部遮光部材8が閉じた状態)を図示している。
【0043】
マグネットからなる吸着部11の上部にはコード取着部11aが設けられ、下部遮光部材8の開閉部8bの一隅部にはコード取着部8cが設けられている。そして、
図3(b)に示すように、2本のコード折り返し軸10a(
図2参照)を有するコード折り返し部材10は、ガイドレール4の頂部近傍の上キャップ6(
図3では図示略)内に設けられており、下部遮光部材8の開閉部8bの一隅部に設けられるコード取着部8cに一端を取着した下部開閉コード9が対応するガイドレール4の頂部近傍に設けられるコード折り返し部材10で折り返され、その下部開閉コード9の他端が対応するガイドレール4内で移動可能なマグネットからなる吸着部11上部のコード取着部11aに取着される。そして、コード折り返し部材10の他端を取着したマグネットからなる吸着部11がウェイトバー20の各端部に設けられる磁性バー22に対し磁力により着脱可能となっており、下部遮光部材8は、ウェイトバー20の上昇に伴って採光方向に回動しウェイトバー20の下降に伴って遮光方向に回動するよう連動するようになっている。このように、
図1及び
図2に示す一実施例の連動機構12は、ガイドレール4に対して、ウェイトバー20の昇降状態に伴って下部遮光部材8を回動させる下部開閉コード9を配設することで構成される。
【0044】
そして、
図1及び
図2に示す一実施例の連動機構12は、下部遮光部材8の遮光方向の回動が下部開閉コード9による吊り上げ作用により作動し、下部遮光部材8の採光方向の回動が下部遮光部材8の自重により作動するようになっている。
【0045】
図4(a),(b)は、それぞれ本発明による第1実施形態の遮蔽装置として構成されるロールスクリーン1における一実施例の下部遮光部材8の構成と、本発明に係る連動機構12として機能する下部開閉コード9によるその動作について概略的に示す断面側面図である。
【0046】
図4(a)では、ガイドレール4及び下キャップ5を破線により簡易図示しており、下部遮光部材8の自重により、下部遮光部材8が下部フレーム7に対し閉じた状態(採光方向に回動した状態)を示している。下部遮光部材8は、その略C字状に形成される軸部8aが、下部フレーム7における同じく略C字状に形成される軸受部7aに軸支され、下部遮光部材8の開閉部8bが枠体の床側の下枠体WBに対し前後方向に相対回動可能となっている。本例の下部フレーム7及び下部遮光部材8は、アルミ合金素材で成形されている。下部フレーム7は、なるべく軽量化しつつ所定の剛性を満たすものとし、尚且つ下枠体WB及び下部遮光部材8に対する平面性を維持するよう、図示するような凹凸断面形状を有している。そして、下部フレーム7に対する下部遮光部材8の回動のがたつきを抑制しつつ、スムーズに回動し、尚且つ下部遮光部材8が下部フレーム7に対し閉じた状態で安定保持されるように、下部遮光部材8における軸部8aの外面一部には肉厚の高める隆起部81が形成され、この隆起部81が下部フレーム7の軸受部7aの内面に部分形成される狭域部71に当接するようになっている。
【0047】
そして、
図4(a)に示す下部遮光部材8が下部フレーム7に対し閉じた状態(採光方向に回動した状態)から、下部遮光部材8の開閉動作を行う開閉部8bに一端を取着した下部開閉コード9により、下部遮光部材8の開閉部8bが吊り上げられると、
図4(b)に示すように、下部遮光部材8は遮光方向に回動する。下部開閉コード9の他端に設けられるマグネットからなる吸着部11は、ウェイトバー20の降下する力が吸着部11と磁性バー22の磁力を上回るときに、吸着部11が磁性バー22に対し分離(対応するガイドレール4側のウェイトバー20の端部に対し分離)するように構成されている。即ち、吸着部11と磁性バー22の磁力は、下部遮光部材8の開閉部8bを吊り上げ可能とする大きさに設定されている。
【0048】
そして、詳細は後述するが、下部遮光部材8は、ウェイトバー20が前後方向に重なる位置まで下降できるように遮光方向に回動可能となっており、この遮光方向に回動した状態から吸着部11が磁性バー22に対し分離して下部開閉コード9のテンションが失われて下部遮光部材8がその自重により採光方向に回動しようとしても、その遮光方向に回動した状態をウェイトバー20により保持させるよう支持可能に構成されている。ただし、下部開閉コード9の他端に設けられる吸着部11は、対応するガイドレール4側のウェイトバー20の端部に対し分離した状態においても常に、吸着部11と磁性バー22との間の磁力により吸着する方向に、下部開閉コード9には常にテンションが生じるように構成してもよい。また、下部開閉コード9の他端に設けられる吸着部11が対応するガイドレール4側のウェイトバー20の端部に対し分離した状態において、吸着部11の自重により、下部開閉コード9に常にテンションがかかるように構成することもできる。
【0049】
即ち、下部開閉コード9の他端に設けられる吸着部11は、ウェイトバー20が所定高さh未満にあるときは対応するガイドレール4側のウェイトバー20の端部に対し分離するようになっているが、ウェイトバー20が所定高さh未満にある状態からウェイトバー20が所定高さh以上になる状態に転じるときに、その吸着部11が対応するガイドレール4側のウェイトバー20の端部に対し磁力により吸着して取着されるよう復帰するのに十分な磁力を有するものとなっている。
【0050】
以下、より具体的に、
図5乃至
図8を参照して、本発明による第1実施形態の遮蔽装置として構成されるロールスクリーン1における下部開閉コード9を有する一実施例の連動機構12の動作について説明する。
【0051】
(下部遮光部材の連動機構の動作)
図5(a),(b)乃至
図8(a),(b)は、それぞれロールスクリーン1における下部開閉コード9を有する一実施例の連動機構12の動作に関して、それぞれ第1状態乃至第4状態を概略的に示す背面図(各図の(a))及び断面側面図(各図の(b))である。
尚、
図5乃至
図8において、下部遮光部材8の開閉部8bの一隅部に設けられるコード取着部8cに一端を取着した下部開閉コード9が対応するガイドレール4の頂部近傍に設けられるコード折り返し部材10で折り返されて、その下部開閉コード9の他端がマグネットからなる吸着部11に取着されている。
【0052】
まず、
図5(a),(b)に示す第1状態について説明するに、ウェイトバー20が所定高さh以上にある状態では下部遮光部材8の開閉部8bが下部フレーム7に対し閉じた状態(採光方向に回動した状態)にある。この第1状態からウェイトバー20を下降操作すると、吸着部11とウェイトバー20の一端に設けられる磁性バー22とがその磁力により吸着した状態にあるため、下部開閉コード9による吊り上げ作用が生じ、下部遮光部材8の開閉部8bが下部フレーム7に対し開いた状態(遮光方向に回動した状態)に向かうように作動する。
【0053】
続いて、
図6(a),(b)に示す第2状態について説明するに、上述した第1状態からウェイトバー20が下降操作で所定高さhに達する第2状態になると、上述した下部開閉コード9による吊り上げ作用によって、ウェイトバー20が前後方向に重なる位置まで下降できるよう、ウェイトバー20の更なる下降を許容する範囲まで(即ち、下部遮光部材8についてウェイトバー20を前後方向に重なる位置まで下降可能とする範囲まで)、下部遮光部材8の開閉部8bが下部フレーム7に対し開いた状態(遮光方向に回動した状態)になる。
【0054】
続いて、
図7(a),(b)に示す第3状態について説明するに、上述した第2状態からウェイトバー20が下降操作で所定高さh未満になる第3状態になると、吸着部11が磁性バー22に対し分離して下部開閉コード9のテンションが失われて下部遮光部材8がその自重により採光方向に回動しようとしても、その遮光方向に回動した状態をウェイトバー20により保持させるよう支持可能になり、ウェイトバー20の下方に生じる隙間を下部遮光部材8により自動的に遮光できるようになる。ただし、下部開閉コード9の他端に設けられる吸着部11は、対応するガイドレール4側のウェイトバー20の端部に対し分離した状態においても常に、吸着部11と磁性バー22との間の磁力により吸着する方向に、下部開閉コード9には常にテンションが生じるように構成してもよい。また、下部開閉コード9の他端に設けられる吸着部11が対応するガイドレール4側のウェイトバー20の端部に対し分離した状態において、吸着部11の自重により、下部開閉コード9に常にテンションがかかるように構成することもできる。
【0055】
続いて、
図8(a),(b)に示す第4状態について説明するに、上述した第3状態(ウェイトバー20が所定高さh未満にある状態)からウェイトバー20を上昇操作で所定高さh以上にする第4状態に転じると、その上昇操作により磁性バー22が吸着部11を持ち上げるようになり、下部開閉コード9のテンションが抜けて、下部遮光部材8の開閉部8bが下部フレーム7に対し閉じた状態(採光方向に回動した状態)になり、その吸着部11が対応するガイドレール4側のウェイトバー20の端部の磁性バー22に対し磁力により吸着して取着されるよう復帰する。このように、吸着部11は、ウェイトバー20が所定高さh未満にある状態では、対応するガイドレール4側のウェイトバー20の端部に対し磁力により吸着して取着されるよう復帰するのに十分な磁力を有するものとなっている。
【0056】
このように、本発明に係る遮蔽装置として構成されるロールスクリーン1によれば、枠体に固定されるガイドレール4に沿って昇降するスクリーン2及びウェイトバー20の動作と、当該スクリーン2及びウェイトバー20とは別に設ける下部遮光部材8の開閉とを連動させ、下部遮光部材8の開閉操作を機構的に自動化することができるので、下部遮光部材8の開閉操作に係る手間を省略させ、使い勝手を向上させることができる。
【0057】
〔第2実施形態〕
(全体構成)
図9は、本発明による第2実施形態の遮蔽装置として構成されるロールスクリーン1の概略構成を示す正面図である。尚、
図9において、
図1及び
図2に示す第1実施形態と同様の構成要素には同一の参照番号を付している。
図9に示す第2実施形態は、第1実施形態と比較して、遮蔽機構3における一部の構成が相違している点を除き、その他の構成要素は同様である。
【0058】
即ち、
図9に示す第2実施形態における遮蔽機構3は、遮蔽材の開閉を作動させるための機構である点で第1実施形態と同様であるが、第1実施形態ではブラケット34の前方に巻取軸30が配置されるように上枠体WTに対してネジ等により固定可能にする略L字板状(
図2参照)の支持フレーム35を利用するものとしていたのに対し、同一構成のブラケット34及び支持フレーム35を用いて、そのブラケット34の下方に巻取軸30が配置されるように、上枠体WTに対してネジ等により固定可能としている点で相違する。
【0059】
より具体的には、第2実施形態に係る遮蔽機構3は、第1実施形態と同様に、遮蔽材として構成されるスクリーン2を巻き取り、或いは巻き戻す巻取軸30と、巻取軸30の左右両端をそれぞれ回転可能に支持する左右一対の支持部材33a及びその左右一対の支持部材33aを巻取軸30の背面側で支持する取付フレーム33と、ブラケット34を介して取付フレーム33を着脱可能に支持するとともに、上枠体WTに対してネジ等により固定可能にする略L字板状(
図2参照)の支持フレーム35と、を備える。ただし、第2実施形態では、第1実施形態における板状のカバー材31,32の設置を省略し、遮蔽機構3における前面に板状のカバー材35Tを設けており、遮蔽機構3における前面からの防塵性及び意匠性を高めるようにしている。
【0060】
この第2実施形態においても、下部遮光部材8に係る連動機構12の構成は第1実施形態と同様に構成されていることから、第1実施形態と同様に、枠体に固定されるガイドレール4に沿って昇降するスクリーン2及びウェイトバー20の動作と、当該スクリーン2及びウェイトバー20とは別に設ける下部遮光部材8の開閉とを連動させ、下部遮光部材8の開閉操作を機構的に自動化することができるので、下部遮光部材8の開閉操作に係る手間を省略させ、使い勝手を向上させることができる。
【0061】
(変形例1)
図10(a)は、本発明による第1又は第2実施形態の遮蔽装置として構成されるロールスクリーン1におけるガイドレール4に対して、変形例1の下部遮光部材8、スクリーン2の下端に設けられ磁性バー22を有するウェイトバー20、及び一端を下部遮光部材8に取着した下部開閉コード9の他端に取着されるマグネットからなる吸着部11の配置関係を概略的に示す平面図(見下げ図)である。また、
図10(b)は、連動機構12として機能する下部開閉コード9について、その下部開閉コード9をガイドレール4の頂部近傍で折り返すためのコード折り返し部材10、及び下部開閉コード9に対する変形例1の下部遮光部材8の配置関係を概略的に示す平面図(見下げ図)である。尚、
図10において、上述した第1又は第2実施形態と同様の構成要素には同一の参照番号を付しており、
図3と対比可能に図示している。
【0062】
図10に示す変形例1の下部遮光部材8は、
図3に示す一実施例の下部遮光部材8と比較して、ガイドレール本体4Aの内部まで延在するように左右方向により長尺化したものとしている点で相違している。また、
図10に示すガイドレール本体4Aについても、その長尺化した変形例1の下部遮光部材8の回動を許容するように、ガイドレール本体4Aの下方における変形例1の下部遮光部材8の回動領域では、
図3に示すような遮蔽材端部保持部43,44を設けずに切り欠いたものとしている。尚、本例のガイドレール本体4Aにおいて、変形例1の下部遮光部材8の回動領域より上部では、
図3に示すような遮蔽材端部保持部43,44が設けられている。
【0063】
図10(a)に示すように構成した変形例1の下部遮光部材8では、
図3(b)と対比して
図10(b)から理解されるように、下部遮光部材8の開閉部8bの一隅部に設けられるコード取着部8cの位置をガイドレール本体4A内の位置に配設できるので、下部開閉コード9による下部遮光部材8の開閉動作がより安定化するようになる。また、下部開閉コード9がガイドレール本体4Aから外部にはみ出ることをより抑制できるので、意匠性も向上する。尚、
図10に示す例では、下部フレーム7については
図3に示すものと同様の物を用いることを想定して説明したが、下部フレーム7についても、
図10に示す変形例1の下部遮光部材8と同様に、左右方向により長尺化したものとしてもよい。
【0064】
この変形例1の下部遮光部材8のように構成した形態であっても、当該スクリーン2及びウェイトバー20とは別に設ける変形例2の下部遮光部材8の開閉とを連動させ、下部遮光部材8の開閉操作を機構的に自動化することができるので、下部遮光部材8の開閉操作に係る手間を省略させ、使い勝手を向上させることができる。
【0065】
(変形例2)
図11(a),(b)は、それぞれ本発明による第1又は第2実施形態の遮蔽装置として構成されるロールスクリーンにおける変形例2の下部遮光部材8の構成と、本発明に係る連動機構12として機能する下部開閉コード9によるその動作について概略的に示す断面側面図である。尚、
図11において、上述した第1又は第2実施形態と同様の構成要素には同一の参照番号を付しており、
図4と対比可能に図示している。
【0066】
図11に示す変形例2の下部遮光部材8は、
図4に示す一実施例の下部遮光部材8と比較して、下部フレーム7に対して軸支する構成とする代わりに、下部フレーム7を省略し、左右のガイドレール4(破線で概略図示)におけるガイドレール本体4Aに対し回転可能に軸支する丸軸状の軸部8aとしている点で相違している。そし、左右のガイドレール4におけるガイドレール本体4Aには、その丸軸状の軸部8aを軸支する軸受部(図示略)が形成されている。
【0067】
この変形例2の下部遮光部材8のように構成した形態であっても、当該スクリーン2及びウェイトバー20とは別に設ける変形例2の下部遮光部材8の開閉とを連動させ、下部遮光部材8の開閉操作を機構的に自動化することができるので、下部遮光部材8の開閉操作に係る手間を省略させ、使い勝手を向上させることができる。
【0068】
(変形例3)
図12(a),(b)は、それぞれ本発明による第1又は第2実施形態の遮蔽装置として構成されるロールスクリーン1における変形例3の下部遮光部材8の構成と、本発明に係る連動機構12によるその動作について概略的に示す断面側面図である。尚、
図12において、上述した第1又は第2実施形態と同様の構成要素には同一の参照番号を付しており、
図11と対比可能に図示している。
【0069】
図12に示す変形例3の下部遮光部材8は、
図11と対比して理解されるように、より短尺な開閉部8bを有するものとしている。また、
図12に示す変形例3では、下部開閉コード9の他端にマグネットからなる吸着部11を設けずに、下部開閉コード9の他端を常に着脱不能に、ウェイトバー20の対応する端部の磁性又は非磁性を問わない突出バー23に取着する形態としている。尚、この変形例3のような下部遮光部材8における開閉部8bの短尺化は、
図4に示すような下部フレーム7に対して軸支する形態においても適用できる。
【0070】
この変形例3の下部遮光部材8のように構成した形態であっても、当該スクリーン2及びウェイトバー20とは別に設ける変形例3の下部遮光部材8の開閉とを連動させ、下部遮光部材8の開閉操作を機構的に自動化することができるので、下部遮光部材8の開閉操作に係る手間を省略させ、使い勝手を向上させることができる。
【0071】
以上、特定の実施形態の例を挙げて本発明を説明したが、本発明は前述の実施形態の例に限定されるものではなく、その技術思想を逸脱しない範囲で種々変形可能である。例えば、上述した各実施形態では、手でウェイトバー20を操作してスクリーン2を昇降させるロールスクリーン1の例を説明したが、操作コードによる昇降操作とする構成であってもよく、プリーツスクリーンや横型ブラインド等の他の遮蔽材を用いる遮蔽装置としてもよい。従って、本発明に係る遮蔽装置は、上述した実施形態の例に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載によってのみ制限される。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明によれば、昇降する遮蔽材の動作と、当該遮蔽材とは別に設ける下部遮光部材の開閉とを連動させ、昇降する遮蔽材とは別に下部遮光部材を設ける遮蔽装置の用途に有用である。
【符号の説明】
【0073】
1 ロールスクリーン
2 スクリーン
3 遮蔽機構
4 ガイドレール
5 下キャップ
6 上キャップ
7 下部フレーム
8 下部遮光部材
9 下部開閉コード
10 コード折り返し部材
11 吸着部
12 連動機構
20 ウェイトバー
21 キャップ部材
22 磁性バー
23 突出バー