特開 2022-96676 鋼橋の桁間カバー構造およびこれを備えた鋼橋

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公開特許公報(A)

(11)【公開番号】P2022096676

(43)【公開日】2022-06-30

(54)【発明の名称】鋼橋の桁間カバー構造およびこれを備えた鋼橋

(51)【国際特許分類】

   E01D 19/08 20060101AFI20220623BHJP

   E01D 22/00 20060101ALI20220623BHJP

【ＦＩ】

E01D19/08

E01D22/00 Z

【審査請求】未請求

【請求項の数】7

【出願形態】ＯＬ

(21)【出願番号】P 2020209771

(22)【出願日】2020-12-18

(71)【出願人】

【識別番号】000001258

【氏名又は名称】ＪＦＥスチール株式会社

(74)【代理人】

【識別番号】100184859

【弁理士】

【氏名又は名称】磯村 哲朗

(74)【代理人】

【識別番号】100123386

【弁理士】

【氏名又は名称】熊坂 晃

(74)【代理人】

【識別番号】100196667

【弁理士】

【氏名又は名称】坂井 哲也

(74)【代理人】

【識別番号】100130834

【弁理士】

【氏名又は名称】森 和弘

(72)【発明者】

【氏名】栗原 康行

【テーマコード（参考）】

2D059

【Ｆターム（参考）】

2D059AA07

2D059EE10

2D059GG21

2D059GG25

2D059GG39

(57)【要約】

【課題】安価で簡単に設置可能な構造を有するとともに、鋼桁の疲労き裂の発生要因となることがない、鋼橋の桁間カバー構造およびこれを備えた鋼橋を提供する。
【解決手段】鋼橋に設けられる互いに平行な二以上の鋼桁の間にかけ渡されるように、該鋼桁の補剛材に接合される支持材と、前記支持材に接合されるタイトフレームと、前記タイトフレームに接合され、前記鋼桁の間の空間を覆うように設けられ、前記タイトフレームに固定される折板とを有する、鋼橋の桁間カバー構造。
【選択図】図１

【特許請求の範囲】

【請求項1】

鋼橋に設けられる互いに平行な二以上の鋼桁の間にかけ渡されるように、該鋼桁の補剛材に接合される支持材と、
前記支持材に接合されるタイトフレームと、
前記鋼桁の間の空間を覆うように設けられ、前記タイトフレームに固定される折板と
を有することを特徴とする、鋼橋の桁間カバー構造。

【請求項2】

前記鋼桁は、前記鋼橋の主桁であって、Ｉ形の断面を有するとともに、前記補剛材は、前記主桁の上下フランジ間を接続するようにウェブの横に設けられる垂直補剛材であることを特徴とする、請求項１に記載の鋼橋の桁間カバー構造。

【請求項3】

前記支持材は、互いに平行な二以上の前記鋼桁の各々に沿うように、該鋼桁の前記補剛材に取り付けられる第一の支持材と、互いに平行な二以上の前記鋼桁の間にかけ渡されるように前記第一の支持材に取り付けられる第二の支持材とを含み、
前記タイトフレームは前記第二の支持材に接合されること
を特徴とする、請求項１または２に記載の鋼橋の桁間カバー構造。

【請求項4】

前記折板の上に調湿材が設けられていることを特徴とする、請求項１～３のいずれかに記載の鋼橋の桁間カバー構造。

【請求項5】

前記折板の上に防音材が設けられていることを特徴とする、請求項１～４のいずれかに記載の鋼橋の桁間カバー構造。

【請求項6】

前記折板には、直径１～５０ｍｍの多数の孔が、前記折板の面積の１～２０％を占めるように分散して形成されていることを特徴とする、請求項１～５のいずれかに記載の鋼橋の桁間カバー構造。

【請求項7】

請求項１～６のいずれかに記載の鋼橋の桁間カバー構造を備えたことを特徴とする鋼橋。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、鋼橋の腐食防止、外観向上、点検の利便性向上等を図るために、鋼橋の鋼桁の間の空間を覆うように設けられる、鋼橋の桁間カバー構造およびこれを備えた鋼橋に関する。

【背景技術】

【0002】

鋼桁を有する橋梁（以下、鋼橋という）は、飛来塩分やＳＯｘを含む大気中や湿潤環境等、鋼材が腐食しやすい環境に設置されることがある。そのため、鋼橋の鋼桁全体を塗装したり、鋼桁に耐候性鋼材を用いたりすることにより、防食を図っている。しかし、例えば図６に示すように、鋼橋８の鋼桁８１の間の内部空間Ｓには、腐食の要因となる飛来塩分等が付着しやすいため、この内部空間Ｓに面する鋼桁８１の腐食を防ぐ配慮を行う必要がある。また、塗装により防食を図る場合には、定期的に（例えば１０年間隔で）、塗装の全面塗り替えを実施する必要があり、その度に鋼橋８の鋼桁８１の間の内部空間Ｓに吊り足場等を設けることが行われている。このような状況に鑑み、特許文献１や特許文献２には、鋼橋の鋼桁の間の空間を覆うように、パネル状の足場兼用横構やパネルカバーを設けて、鋼橋の防食性、外観を向上したり、点検・補修時の足場として使用したりする技術が開示されている。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0003】

【特許文献1】特開２０１５－０２８２４６号公報

【特許文献2】特開２００４－３２４２３０号公報

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0004】

ここで、特許文献１に開示される技術では、鋼桁の下フランジに挿通または溶接されたボルトに固定部材を締結し、この固定部材に足場兼用横構を固定している。また、特許文献２に開示される技術では、鋼桁の下フランジを把持するクランプによりパネルカバーを固定している。よって、上記のようにパネル状の足場兼用横構やパネルカバーが設けられた鋼橋を長期間使用すると、鋼桁の下フランジに設けられたボルト挿通孔やボルト溶接部、固定部材やクランプとの接触部に応力が集中して、鋼桁の下フランジに疲労き裂が発生する恐れがある。鋼橋の構造上、鋼桁の下フランジには引張力が支配的に作用するため、上記疲労き裂が下フランジで進展して、鋼橋の主要構造部材である鋼桁が破壊に至る恐れもある。

【0005】

本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、安価かつ簡単に設置可能な構造を有するとともに、鋼桁の疲労き裂の発生要因となることがない、鋼橋の桁間カバー構造およびこれを備えた鋼橋を提供するものである。

【課題を解決するための手段】

【0006】

上記課題を解決するため、本発明は以下の特徴を有する。

【0007】

［１］ 鋼橋に設けられる互いに平行な二以上の鋼桁の間にかけ渡されるように、該鋼桁の補剛材に接合される支持材と、前記支持材に接合されるタイトフレームと、前記タイトフレームに接合され、前記鋼桁の間の空間を覆うように設けられ、前記タイトフレームに固定される折板とを有することを特徴とする、鋼橋の桁間カバー構造。

【0008】

［２］ 前記鋼桁は、前記鋼橋の主桁であって、Ｉ形の断面を有するとともに、前記補剛材は、前記主桁の上下フランジ間を接続するようにウェブの横に設けられる垂直補剛材であることを特徴とする、［１］に記載の鋼橋の桁間カバー構造。

【0009】

［３］ 前記支持材は、互いに平行な二以上の前記鋼桁の各々に沿うように、該鋼桁の前記補剛材に取り付けられる第一の支持材と、互いに平行な二以上の前記鋼桁の間にかけ渡されるように前記第一の支持材に取り付けられる第二の支持材とを含み、前記タイトフレームは前記第二の支持材に接合されることを特徴とする、［１］または［２］に記載の鋼橋の桁間カバー構造。

【0010】

［４］ 前記折板の上に調湿材が設けられていることを特徴とする、［１］～［３］のいずれかに記載の鋼橋の桁間カバー構造。

【0011】

［５］ 前記折板の上に防音材が設けられていることを特徴とする、［１］～［４］のいずれかに記載の鋼橋の桁間カバー構造。

【0012】

［６］ 前記折板には、直径１～５０ｍｍの多数の孔が、前記折板の面積の１～２０％を占めるように分散して形成されていることを特徴とする、［１］～［５］のいずれかに記載の鋼橋の桁間カバー構造。

【0013】

［７］ 請求項１～６のいずれかに記載の鋼橋の桁間カバー構造を備えたことを特徴とする鋼橋。

【発明の効果】

【0014】

本発明の鋼橋の桁間カバー構造は、鋼橋に設けられる互いに平行な二以上の鋼桁の間にかけ渡されるように、鋼桁の補剛材に支持材が接合され、この支持材にタイトフレームが接合され、さらに鋼桁の間の空間を覆うようにタイトフレームに折板が接合されてなる簡単な構造を有するので、鋼橋の鋼桁の間の空間を覆うように桁間カバー構造を安価かつ簡単に、かつ強固に設置することができる。タイトフレームや折板には、屋根部材として一般に流通しているものを利用できるので、これらの部材の入手が容易であり、鋼橋の桁間カバー構造を安価かつ簡単に設置することができる。

【0015】

また、鋼桁の間の空間を覆うように折板が設けられるので、鋼橋の鋼桁の間の内部空間が、飛来塩分やＳＯｘを含む大気や湿潤環境等、鋼材が腐食しやすい環境に直接晒されるのを防ぎ、鋼桁の腐食を抑制できる。さらに、鋼桁の間の空間を覆うように設けられる折板を足場として用いることで、鋼橋の点検・補修が容易となる。

【0016】

また、本発明の鋼橋の桁間カバー構造のうち、鋼橋の鋼桁に直接接合される部位となる支持材は、鋼桁の下フランジに接合されるのではなく、鋼桁においてウェブを補剛するために設けられる補剛材に接合される。よって、鋼橋に桁間カバー構造を設置しても、鋼桁において引張力が支配的に作用する下フランジの疲労き裂の発生を招くことがない。

【0017】

さらに、鋼桁の間の空間を覆うように設けられる折板により、鋼橋の防食性、外観が向上するとともに、この折板の形状や塗装を選択することにより、鋼橋の意匠性の向上を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

【0018】

【図1】（ａ）～（ｃ）は、本発明の鋼橋の桁間カバー構造およびこれを備えた鋼橋の一例を示す図である。

【図2】本発明の鋼橋の桁間カバー構造およびこれを備えた鋼橋の他の一例を示す図である。

【図3】本発明の鋼橋の桁間カバー構造およびこれを備えた鋼橋のさらに他の一例を示す図である。

【図4】本発明の鋼橋の桁間カバー構造およびこれを備えた鋼橋のさらに他の一例を示す図である。

【図5】本発明の鋼橋の桁間カバー構造およびこれを備えた鋼橋のさらに他の一例を示す図である。

【図6】鋼橋の一般的な構造を示す斜視図である。

【発明を実施するための形態】

【0019】

以下、図面を参照して、本発明の鋼橋の桁間カバー構造およびこれを備えた鋼橋の実施形態を詳細に説明する。

【0020】

図１（ａ）に、本発明の実施形態１の鋼橋の桁間カバー構造１およびこれを備えた鋼橋８の縦断面図を示す。また、図１（ａ）における鋼橋の桁間カバー構造１およびこれを備えた鋼橋８の切断線Ｂ－Ｂに沿う水平断面図を、図１（ｂ）に示す。

【0021】

本実施形態の鋼橋の桁間カバー構造１は、既設の鋼橋８に後付けされるものであって、支持材１１と、タイトフレーム１５と、折板１６とを有している。

【0022】

鋼橋８には、二以上の主桁（鋼桁）８１が互いに平行に設けられている。各主桁８１はＩ形の断面を有し、主桁８１の上下フランジ８２、８３間を接続するように主桁８１のウェブ８４の横に垂直補剛材（補剛材）８５が設けられている。

【0023】

支持材１１は、図１（ｃ）に示すような断面形状を有する溝形鋼から構成されており、この溝形鋼のウェブ上に、支持材１１の長さ方向に沿って、帯状の鋼材を折板１６の断面形状に沿うように折り曲げた形状を有するタイトフレーム１５が予め溶接（図示せず）により接合されている。この支持材１１を、高所作業車等により、図１（ａ）に示すように、タイトフレーム１５が支持材１１の上側になる向きにして、互いに平行な二以上の主桁８１の間にかけ渡すように、主桁８１の垂直補剛材８５に溶接１４により接合する。なお、主桁８１の垂直補剛材８５の全てでなく一部のみに支持材１１を接合しても良い。

【0024】

さらに、主桁８１の垂直補剛材８５に接合された支持材１１に予め接合されたタイトフレーム１５の上に、主桁８１の間の空間を覆うように折板１６を載せ、タイトフレーム１５の上に設けられた剣先ボルト（図示せず）に緊結して固定する。

【0025】

タイトフレーム１５および折板１６は、屋根部材として一般に流通しているものであって、例えば、日本産業規格ＪＩＳＡ６５１４「金属製折板１６屋根構成材」に規定されるものを利用できる。

【0026】

折板１６、タイトフレーム１５および支持材１１は、１００ｋｇ／ｍ^２以上の積載荷重に耐えることのできる断面性能を有しており、折板１６の上に作業者が乗って鋼橋８の点検・補修を行うのに十分な強度が確保されている。

【0027】

図２に、本発明の実施形態２の鋼橋の桁間カバー構造２およびこれを備えた鋼橋８の縦断面図を示す。

【0028】

本実施形態の鋼橋の桁間カバー構造２では、図２に示すように、タイトフレーム１５が予め溶接された支持材１１を、タイトフレーム１５が支持材１１の下側になる向きにして、主桁８１の垂直補剛材８５に溶接１４により接合する。そして、主桁８１の垂直補剛材８５に接合された支持材１１に予め接合されたタイトフレーム１５の下に、主桁８１の間の空間を覆うように折板１６を当て、タイトフレーム１５の下に設けられた剣先ボルト（図示せず）に緊結して固定する。

【0029】

その他の点については、実施形態２の鋼橋の桁間カバー構造２は、実施形態１の鋼橋の桁間カバー構造１と同様に構成されている。

【0030】

本実施形態においては、折板１６およびタイトフレーム１５は、支持材１１の下面に接合されているが、折板１６、タイトフレーム１５、支持材１１相互間の接合強度や、折板１６、タイトフレーム１５、支持材１１の各々の断面性能、支持材１１の間隔（すなわちタイトフレーム１５の間隔）等を適切に調整することにより、折板１６の上に作業者が乗って鋼橋８の点検・補修を行うのに十分な強度が確保されている。

【0031】

実施形態２の鋼橋の桁間カバー構造２およびこれを備えた鋼橋８では、タイトフレーム１５および折板１６が支持材１１の下側に配置されることにより、実施形態１の鋼橋の桁間カバー構造２よりも、主桁８１の間の内部空間の密閉性および鋼橋の桁間カバー構造２の下面の意匠性が高められる。

【0032】

図３に、本発明の実施形態３の鋼橋の桁間カバー構造３およびこれを備えた鋼橋８の縦断面図を示す。

【0033】

本実施形態の鋼橋の桁間カバー構造３では、互いに平行な二以上の主桁８１の間にかけ渡される支持材が、第一の支持材１２と第二の支持材１３とから構成されている。図３に示すように、第一の支持材１２は山形鋼から構成され、互いに平行な二以上の主桁８１の各々に沿うように、主桁８１の垂直補剛材８５に取り付けられた固定部材（図示せず）を介して、垂直補剛材８５に取り付けられている。また、第二の支持材１３は溝形鋼から構成され、図３に示すように、互いに平行な二以上の主桁８１の間にかけ渡されるように、第一の支持材１２に取り付けられている。

【0034】

第二の支持材１３を構成する溝形鋼のウェブ上には、第二の支持材１３の長さ方向に沿って、タイトフレーム１５が予め溶接（図示せず）により接合されている。

【0035】

その他の点については、実施形態３の鋼橋の桁間カバー構造３は、実施形態２の鋼橋の桁間カバー構造２と同様に構成されている。

【0036】

実施形態３の鋼橋の桁間カバー構造３およびこれを備えた鋼橋８では、タイトフレーム１５が予め接合される第二の支持材１３が、垂直補剛材８５に直接接合されるのではなく、主桁８１に沿うように設けられる第一の支持材１２に接合されるため、タイトフレーム１５の配置が垂直補剛材８５の位置に制限されることがない。

【0037】

図４に、本発明の実施形態４の鋼橋の桁間カバー構造４およびこれを備えた鋼橋８の縦断面図を示す。

【0038】

本実施形態の鋼橋の桁間カバー構造４では、図４に示すように、折板１６の上に調湿材１８と防音材１９の一方または両方が設けられている。

【0039】

その他の点については、実施形態４の鋼橋の桁間カバー構造４は、実施形態１の鋼橋の桁間カバー構造１と同様に構成されている。

【0040】

実施形態４の鋼橋の桁間カバー構造４およびこれを備えた鋼橋８では、折板１６の上に調湿材１８または防音材１９が設けられているので、主桁８１の間の内部空間の湿度を下げて防食性を向上させたり、鋼橋８上の車両等の走行に起因する騒音を抑制したりすることができ、鋼橋８に付加的な機能を備えることができる。

【0041】

図５に、本発明の実施形態５の鋼橋の桁間カバー構造５およびこれを備えた鋼橋の縦断面図を示す。

【0042】

本実施形態の鋼橋の桁間カバー構造５では、図５に示すように、折板１６に、直径１～５０ｍｍの多数の孔１７が、折板１６の面積の１～１０％を占めるように分散して形成されている。

【0043】

上記孔１７は、屋根部材として一般に流通している折板１６に孔あけ加工を施すことにより形成する。あるいは、パンチングメタル等を折板の形状に曲げ加工して折板１６として用いることにより、折板１６に孔１７を備えるようにしても良い。

【0044】

その他の点については、実施形態５の鋼橋の桁間カバー構造５は、実施形態１の鋼橋の桁間カバー構造１と同様に構成されている。

【0045】

実施形態５の鋼橋の桁間カバー構造５およびこれを備えた鋼橋８では、折板１６に、直径１～５０ｍｍの多数の孔１７が、折板１６の面積の１～１０％を占めるように分散して形成されているので、折板１６に孔１７を形成することにより折板１６の断面性能に与える影響を抑えつつ、孔１７から外気や光を導入でき、主桁８１の間の内部空間での作業性を向上できる。日中時間帯には、主桁８１の間の内部空間で作業を行うために十分な採光が、孔１７から得られる。また、折板１６上に滞水することを防止できる。

【0046】

なお、上記各実施形態では、本発明の鋼橋の桁間カバー構造が、既設の鋼橋に後付けされる例について説明したが、本発明の鋼橋の桁間カバー構造は、鋼橋の新設時から設置されるものであっても良い。

【0047】

また、上記各実施形態では、鋼橋の桁間カバー構造が、主桁の垂直補剛材に接合される例について説明したが、本発明の鋼橋の桁間カバー構造およびこれを備えた鋼橋はこれに限られず、鋼橋の横桁等、主桁以外の鋼桁の補剛材に接合されても良く、鋼桁の垂直補剛材以外の補剛材（例えば、鋼桁の上下フランジ間の中央部のウェブに、上下フランジに平行に設けられる水平補剛材や、主桁の下フランジをその下面側から補剛する補剛材が設けられる場合には、この補剛材等）に接合されても良い。

【0048】

また、上記各実施形態では、支持材または第二の支持材が溝形鋼から構成される例について説明したが、山形鋼やＨ形鋼等の他の断面形状を有する鋼材を支持材として用いても良い。また、上記実施形態３では、第一の支持材が山形鋼から構成される例について説明したが、溝形鋼やＨ形鋼等の他の断面形状を有する鋼材を第一の支持材として用いても良い。

【0049】

また、上記各実施形態では、鋼橋の主桁の垂直補剛材に支持材が溶接により接合される例について説明したが、溶接に代えてボルト接合やクランプ等により接合されても良い。

【0050】

また、上記各実施形態では、タイトフレームが予め接合された支持材を、主桁の垂直補剛材に接合した後、その上に、主桁の間の空間を覆うようにして折板を載せて固定する例について説明したが、本発明の鋼橋の桁間カバー構造はこれに限られない。例えば、支持材上のタイトフレームに、さらに折板を緊結して接合された状態まで、地上において桁間カバー構造を組み上げて、これを鋼橋の主桁の間の空間まで持ち上げて、鋼橋の鋼桁の補剛材に接合しても良い。

【符号の説明】

【0051】

１～５ 桁間カバー構造
１１ 支持材
１２ （第一の）支持材
１３ （第二の）支持材
１４ 溶接
１５ タイトフレーム
１６ 折板
１７ 孔
１８ 調湿材
１９ 防音材
８ 鋼橋
８１ 主桁（鋼桁）
８２ 上フランジ
８３ 下フランジ
８４ ウェブ
８５ （垂直）補剛材

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】