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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022096678
(43)【公開日】2022-06-30
(54)【発明の名称】危険度判定装置
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20220623BHJP
   G08G 1/00 20060101ALI20220623BHJP
【FI】
G08G1/16 A
G08G1/00 D
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020209773
(22)【出願日】2020-12-18
(71)【出願人】
【識別番号】501418498
【氏名又は名称】矢崎エナジーシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】特許業務法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】松宮 昌彦
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181BB04
5H181CC04
5H181FF04
5H181FF10
5H181FF13
5H181FF23
5H181FF25
5H181FF27
5H181FF33
5H181FF35
5H181LL01
5H181LL02
5H181LL07
5H181LL08
5H181LL15
5H181MC27
(57)【要約】
【課題】慌てた操作について、事前にエリアごとの危険度を認識できることで、道路利用者に対して事前の注意喚起や危険エリアの意識付けができる危険度判定装置を提供すること。
【解決手段】前方車両を検出している状態から検出していない状態に移行し、かつ道路形状が前方車両を検出不可な道路形状であると道路形状判定機能2l2が判定し、かつブレーキが操作されたこと及び、アクセル開度が0よりも大きいことを判定すると、警報出力を行う警報判定機能2l4とを有し、警報出力された警報情報とGPS受信部2eにより取得された位置情報とを関連付けて記憶する記憶部5eと、位置情報に対応するエリア内の警報出力回数と交通量データとに基づいてエリア内の危険度レベルを判定する危険度レベル判定機能5f1と、エリア毎の危険度レベルデータを含むエリア毎危険度レベルデータを生成するデータ生成機能5f2と、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前方車両検出手段と、ブレーキ操作状態を取得するブレーキ操作取得手段と、アクセル開度状態を取得するアクセル開度取得手段と、道路形状取得手段と、道路形状判定手段と、道路情報取得手段と、を有し、
前記前方車両検出手段が前方車両を検出している状態から検出していない状態に移行し、
かつ前記道路形状取得手段により取得された道路形状が前記前方車両を検出不可な道路形状であると前記道路形状判定手段が判定し、
かつ取得されたブレーキ操作状態に基づいてブレーキが操作されたこと及び、
取得されたアクセル開度状態に基づいてアクセル開度が0よりも大きいことを判定すると、警報出力を行う警報判定手段をさらに有し、

前記警報出力された警報情報と前記道路情報取得手段により取得された位置情報とを関連付けて記憶する記憶手段と、
交通量データを取得する交通量データ取得手段と、
前記位置情報に対応するエリア内の警報出力回数と前記交通量データとに基づいて前記エリア内の危険度レベルを判定する危険度レベル判定手段と、
前記エリア毎の危険度レベルデータを含むエリア毎危険度レベルデータを生成するデータ生成手段と、
を有することを特徴とする危険度判定装置。
【請求項2】
請求項1に記載の危険度判定装置において、
自車両の速度取得手段とをさらに有し、
前記前方車両検出手段が前記前方車両を検出している状態から検出していない状態に移行し、
かつ前記道路形状取得手段により取得された道路形状が前記前方車両を検出不可な道路形状であると前記道路形状判定手段が判定し、
前記速度取得手段により取得された現在速度が前回取得された前回速度よりも増加していると速度増加判定手段が判定し、
かつ取得されたブレーキ操作状態に基づいてブレーキが操作されたこと及び、
取得されたアクセル開度状態に基づいてアクセル開度が0よりも大きいことを判定すると、
前記警報判定手段により前記警報出力をする危険度判定装置。
【請求項3】
請求項1に記載の危険度判定装置により生成される前記エリア内の危険度レベルを含むエリア毎危険度レベルデータである、
エリア毎危険度レベルデータ。
【請求項4】
請求項1に記載の危険度判定装置において、
車載機と、
前記車載機からの情報に基づいてデータを生成するサーバと、
を有し、
前記車載機は、
前記前方車両検出手段と、前記ブレーキ操作取得手段と、前記アクセル開度取得手段と、前記道路形状取得手段と、前記道路形状判定手段と、道路情報取得手段と、前記警報判定手段とを有し、
前記サーバは、
前記記憶手段と、前記交通量データ取得手段と、前記危険度レベル判定手段と、前記データ生成手段とを有する、
警報判定システム。
【請求項5】
自車両が前方車両を検出している状態から検出していない状態に移行し、かつ車両前方の道路形状が前記前方車両を検出不可な道路形状であり、かつ自車両のブレーキ操作及びアクセル操作が検出されたときに警報出力が行われ、
前記警報出力された警報情報と位置情報とを関連付けて記憶させる工程と、
交通量データを取得する工程と、
前記位置情報に対応するエリア内の警報出力回数と前記交通量データとに基づいて前記エリア内の危険度レベルを判定する工程と、
前記エリア毎の危険度レベルデータを含むエリア毎危険度レベルデータを生成する工程と、
少なくとも各工程をコンピュータに実行させる警報プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、危険度判定装置、エリア毎危険度レベルデータ及び警報判定システム、並びに警報判定プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両走行中において、カーブもしくは坂道など前方が視認しづらい道路形状では、突然前方に車両が現れる場合がある。その際、運転手は、通常ブレーキを操作することとなるが、誤ってブレーキ及びアクセルを同時に操作してしまう慌てた操作を行うことがある。車両に搭載された車載機においては、上記の状態となった場合に、警報出力を行い、運転者に注意喚起することが考えらえる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-190232号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
任意の車両に搭載された車載器により警報出力が行われたエリアは、他の車両の運転者も慌てた操作を行うことが考えられる。また、慌てた操作は、道路形状に起因するが、他の要素を考慮することで自車両の危険度が変化する。したがって、事前に、エリアごとの危険度を認識できることが要望されている。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、慌てた操作について、事前にエリアごとの危険度を認識できることで、道路利用者に対して事前の注意喚起や危険エリアの意識付けができることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、前方車両検出手段と、ブレーキ操作状態を取得するブレーキ操作取得手段と、アクセル開度状態を取得するアクセル開度取得手段と、道路形状取得手段と、道路形状判定手段と、道路情報取得手段と、を有し、前記前方車両検出手段が前方車両を検出している状態から検出していない状態に移行し、かつ前記道路形状取得手段により取得された道路形状が前記前方車両を検出不可な道路形状であると前記道路形状判定手段が判定し、かつ取得されたブレーキ操作状態に基づいてブレーキが操作されたこと及び、得されたアクセル開度状態に基づいてアクセル開度が0よりも大きいことを判定すると、警報出力を行う警報判定手段とを有し、前記警報出力された警報情報と前記道路情報取得手段により取得された位置情報とを関連付けて記憶する記憶手段と、交通量データを取得する交通量データ取得手段と、前記位置情報に対応するエリア内の警報出力回数と前記交通量データとに基づいて前記エリア内の危険度レベルを判定する危険度レベル判定手段と、前記エリア毎の危険度レベルデータを含むエリア毎危険度レベルデータを生成するデータ生成手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明にかかる危険度判定装置は、慌てた操作について、事前にエリアごとの危険度を認識できることで、道路利用者に対して事前の注意喚起や危険エリアの意識付けができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、危険度判定装置を示すブロック図である。
図2図2は、車載機の処理フローチャートを示す図である。
図3図3は、サーバの処理フローチャートを示す図である。
図4図4は、警報イベントポイントを示す図である。
図5図5は、危険度判定条件を示す図である。
図6図6は、エリア毎危険度レベルデータを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明にかかる危険度判定装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
【0010】
図1に示すように、本実施形態の危険度判定装置1は、車載器2、アンテナ3、カメラ4、サーバ5を有する。車載器2は、車両V1に搭載されており、車両V1の走行制御装置と電気的に接続されている。
【0011】
車載器2は、例えば、運行状況を記録するデジタルタコグラフである。車載器2は、速度インタフェース2a、エンジンインタフェース2b、アナログインタフェース2c、画像インタフェース2d、GPS受信部2e、角速度センサ2f、広域通信2g、記憶部2h、カードインタフェース2i、表示部2j、音声インタフェース2k、CPU2lを有する。
【0012】
速度インタフェース2aは、速度取得手段であり、車両V1の図示しない速度センサが検出した走行速度を取得してCPU2lに出力する。なお、本実施形態における車載器2は、逐一走行速度を検出している。エンジンインタフェース2bは、車両V1に搭載された図示しないエンジンの回転速度を取得してCPU2lに出力する。アナログインタフェース2cは、ブレーキ操作取得手段及びアクセル開度取得手段であり、車両V1の図示しないブレーキに対する操作であるブレーキ操作、及び図示しないアクセルに対する操作であるアクセル操作、すなわちアクセル開度を取得してCPU2lに出力する。画像インタフェース2dは、カメラ4と接続されており、カメラ4からの画像情報を取得してCPU2lに出力する。GPS受信部2eは、GPSアンテナを含む受信回路であり、GPS衛星から送信される信号を受信し、車両V1の現在位置を位置情報として算出する。GPS受信部2eは、道路情報取得手段であり、例えば、車両V1の走行する道路情報を取得してCPU2lに出力する。角速度センサ2fは、道路形状取得手段であり、両V1の前方道路形状を取得しCPU2lに出力する。広域通信2gは、CPU2lの指令に従い、アンテナ3を介して無線基地局100と無線通信を行う通信モジュールである。
【0013】
ここで、無線基地局100は、広域の無線通信を行なう基地局である。無線基地局100は、例えば、移動体無線通信サービスを提供する通信事業者の設備である。
【0014】
記憶部2hは、CPU2lによって実行される処理プログラムや各種データを記録している。また、記憶部2hは、警報情報と時刻情報、位置情報と時刻情報を関連付けて記憶している。カードインタフェース2iは、メモリカードが挿抜されるスロットである。運転手は、車両V1を運転するときに、例えば所持するメモリカードをカードインタフェース2iに差し込む。カードインタフェース2iに挿入されたメモリカードには、運行状況等のデータが記録される。表示部2jは、LCD(Liquid CrySal Display)等の表示装置である。表示部2jは、CPU2lからの指令に応じて、車載器2の動作状態、通信状態、時刻、運行状況、注意、警告等を表示する。音声インタフェース2kは、車載器2に設けられたスピーカに接続されている。音声インタフェース2kは、CPU2lからの指令に応じて警報等の音声を内蔵のスピーカから出力させる。
【0015】
カメラ4は、前方車両検出手段であり、車両V1に搭載された撮像部である。カメラ4は、車載器2の一部であってもよい。カメラ4は、車両V1の外部を撮像するものである。本実施形態のカメラ4は、車両V1の前方車両を撮像できるように配置されている。カメラ4によって撮像された画像データは、CPU2lに出力される。
【0016】
CPU2lは、前方車両検出機能2l1、道路形状判定機能2l2、速度増加判定機能2l3、警報判定機能2l4を有する。前方車両検出機能2l1、道路形状判定機能2l2、速度増加判定機能2l3、警報判定機能2l4は、記憶部2hからCPU2lに読み込んだプログラムによって実現される。
【0017】
前方車両検出機能2l1は、カメラ4によって撮像された撮像データから、所定画像を検出する機能である。所定画像は、例えば、前方車両V2である。道路形状判定機能2l2は、道路形状判定手段であり、角速度センサ2fによって取得された角速度に基づいて、前方を検出不可な道路形状、すなわち車両V1の走行する所定道路形状であるか否かを判定する機能である。所定道路形状は、例えば、坂道もしくはカーブであり、角速度センサ2fによって取得された角速度が車両V1の上下方向において上下所定値を超えると坂道であると判定し、車両V1の左右方向において左右所定値を超えるとカーブであると判定する。速度増加判定機能2l3は、速度インタフェース2aによって取得された車両V1の走行速度に基づいて速度増加があるか否か、すなわち取得された走行速度と前回走行速度との速度差がプラスであるか否かを判定する機能である。警報判定機能2l4は、警報判定手段であり、アナログインタフェース2cによって取得される車両V1のブレーキ操作及びアクセル開度から、ブレーキ操作判定とアクセル開度判定を行う機能である。また、CPU2lは、時間を計測する時間計測機能と、警報フラグFを持つ。警報フラグFは、一定の条件を満たした場合に立てられる、すなわちON(F=1)となる。本実施形態では、カメラ4が前方車両を検出している状態から検出していない状態に移行し、道路形状判定機能2l2が前方を検出不可な道路形状であると判定し、かつ警報判定機能2l4が、アナログインタフェース2cにより取得されたブレーキ操作状態に基づいてブレーキが操作されたこと及び、アナログインタフェース2cにより取得されたアクセル開度状態に基づいてアクセル開度が0よりも大きいことを判定した場合、警報フラグFが立てられる。
【0018】
サーバ5は、例えば、車両情報を管理する企業が所有するコンピュータ装置で構成される。サーバ5は、管理対象の各車両の運行状況を管理する機能、および危険個所を管理する機能を有している。サーバ5は、例えば、記憶部5eからCPU5fに読み込んだプログラムに従って、危険箇所の管理を実行する。サーバ5は、通信部5aと、RTC5bと、操作部5cと、表示部5dと、記憶部5eと、CPU5fを有する。サーバ5は、通信部5a及びネットワーク網(インターネット網)を介して無線基地局100と通信を行う。
【0019】
通信部5aは、警報情報取得手段であり、位置情報取得手段であり、交通量データ取得手段である。通信部5aは、車載器2により行われた警報出力を時刻情報が関連付けられた警報情報として取得する。また、通信部5aは、車載器2により取得された時刻情報が関連付けられた位置情報を取得する。また、通信部5aは、外部に設置された道路における車両の交通量を収集する図示しない交通量収集サーバから交通量データを取得する。
【0020】
RTC5bは、REAL-TIME CLOCKであり、現在の時刻を計時するものである。RTC5bは、CPU5fに接続され、計時した現在の時刻をCPU5fに出力する。操作部5cは、サーバ5を操作するための操作機能を有し、例えば、キーボード、マウス、タッチパネル等である。操作部5cは、CPU5fに接続されており、例えば、表示部5dによる表示の切り替え指示等を行うものである。表示部5dは、サーバ5を利用するユーザに向けて画像情報(可視情報)を表示する表示機能を有し、LCD、有機ELディスプレイ等で構成される。表示部5dは、CPU5fに接続されており、CPU5fからの画像情報を表示する。
【0021】
記憶部5eは、記憶手段であり、警報情報と位置情報と関連付けて警報出力時位置情報として記憶する。記憶部5eは、具体的には、警報情報と、当該警報情報に関連付けた時刻情報と同一の時刻情報に関連付けられた位置情報とを関連付けて、警報出力時位置情報として記憶する。記憶部5eは、交通量データ5e1、エリア毎危険度レベルデータ5e2、警報プログラム5e3を有する。交通量データ5e1は、交通量データ取得手段によって取得されるデータである。エリア毎危険度レベルデータ5e2は、CPU5fのデータ生成機能5f2によって生成されるデータである。
【0022】
警報プログラム5e3は、記憶部5eに警報出力時位置情報を記憶させ、CPU5fに警報出力時位置情報に対応するエリア内の警報出力回数Xと交通量データ5e1とに基づき、エリア内の危険度レベルを判定させ、CPU5fにエリア内の危険度レベルを含むエリア毎危険度レベルデータ5e2を生成させることを記憶部5e及びCPU5fに実行させるプログラムである。
【0023】
CPU5fは、危険度レベル判定機能5f1、データ生成機能5f2を有する。危険度レベル判定機能5f1は、警報イベント毎ポイント算出機能5f3、エリア毎ポイント集計機能5f4を有する。
【0024】
危険度レベル判定機能5f1は、警報イベント毎ポイント算出機能5f3により集計された警報イベント毎のポイントに基づき、警報イベント毎の危険度レベルを判定する。危険度レベル判定機能5f1は、例えば、交通量データ5e1のうち、図4に示すように警報出力時位置情報に対応するエリアのエリア交通量データ5e1′が路上車両走行速度=10km/h以下の場合は危険イベント、10~20km/hの場合は警告イベント、20km/h以上の場合は注意イベントと判定する。危険度レベル判定機能5f1は、エリア毎ポイント集計機能5f4により集計されたエリア内の集計ポイントに基づき、エリア内の危険度レベルを判定する。危険度レベル判定機能5f1は、例えば、図5に示すようにエリア内の集計ポイントが91以上である場合危険度レベルが高、61~90であれば中、0~60であれば低、と判定する。
【0025】
データ生成機能5f2は、エリア毎の危険度レベルデータを含むエリア毎危険度レベルデータ5e2を生成する。
【0026】
警報イベント毎ポイント算出機能5f3は、警報出力時位置情報とエリア交通量データ5e1′から警報イベント毎のポイントを集計する。警報イベント毎ポイント算出機能5f3は、危険度レベル判定機能5f1により判定されたエリア交通量データ5e1′に基づきポイントを算出する。例えば、危険イベントであればポイントを5、警告イベントであればポイントを3、注意イベントであればポイントを1と算出する。
【0027】
エリア毎ポイント集計機能5f4は、エリア内の警報出力回数Xと警報イベント毎のポイントからエリア毎ポイントを集計する。
【0028】
図2を参照して、車載器2における処理の詳細について説明する。なお、図2のフローのスタートのタイミングでは前方車両V2を検出していることを前提とする。
【0029】
まず、CPU2lの前方車両検出機能2l1は、カメラ4により前方車両V2を補足し続けているか判定(ステップS101)する。
【0030】
次に、CPU2lの道路形状判定機能2l2は、前方車両検出機能2l1により、カメラ4が前方車両V2を補足しなかったと判定される(ステップS101=NO)と、角速度に基づいて車両V1の走行する道路形状がカーブまたは坂道であるかを判定(ステップS102)する。
【0031】
次に、CPU2lの速度増加判定機能2l3は、道路形状判定機能2l2により角速度に基づいてカーブもしくは坂道であると判定される(ステップS102=YES)と、速度インタフェース2aにより取得された車両V1の走行速度に基づいて速度増加があるか否か、すなわち取得された走行速度と前回走行速度との速度差がプラスであるか否かを判定(ステップS103)する。
【0032】
次に、CPU2lの警報判定機能2l4は、速度増加判定機能2l3により前回速度との速度差がプラスであると判定される(ステップS103=YES)と、アナログインタフェース2cを介して取得されたブレーキ操作に基づいてブレーキの操作が行われている否かを判定(ステップS104)する。
【0033】
次に、警報判定機能2l4は、ブレーキ操作が行われていると判定する(ステップS104=YES)と、アナログインタフェース2cを介して取得されたアクセル開度に基づいてアクセルの操作が行われているか否か、すなわちアクセル開度が0を超えるか否か判定(ステップS105)する。
【0034】
次に、警報判定機能2l4は、アクセル操作があったと判定する(ステップS105=YES)と、警報フラグFをON、すなわちF=1(ステップS106)とする。
【0035】
次に、警報判定機能2l4は、時間計測機能によりフラグF=1になってから一定時間経過したかを判定(ステップS107)する。なお、本実施形態における一定時間は2秒である。
【0036】
次に、警報判定機能2l4は、フラグF=1になってから一定時間経過したと判定する(ステップS107=YES)と、警報判定として、警報出力を行う、例えば音声I/Fを介してスピーカから警告音を発する(ステップS108)。ステップS108が実行されると、1回の制御周期を終了し、次の制御周期に移行する。
【0037】
また、警報判定機能2l4は、フラグF=1になってから一定時間経過していないと判定する(ステップS107=NO)と、警報フラグFがON状態を維持(ステップS109)する。ステップS109が実行されると、1回の制御周期を終了し、次の制御周期に移行する。
【0038】
また、CPU2lは、カメラ4が前方車両V2を検出し続けていると判定する(ステップS101=YES)、角速度に基づいてカーブもしくは坂道でないと判定する(ステップS102=NO)、前回速度との速度差がプラスでないと判定する(ステップS103=NO)、ブレーキが操作されないと判定する(ステップS104=NO)、アクセルが操作されないと判定する(ステップS105=NO)のいずれか1つの場合には、警報フラグFをOFF、すなわちF=0(ステップS110)とする。ステップS110が実行されると、1回の制御周期を終了し、次の制御周期に移行する。
【0039】
図3を参照して、サーバ5における処理の詳細について説明する。
【0040】
まず、記憶部5eは、警報出力された警報情報と位置情報を時刻情報に基づいて関連付け、警報出力時位置情報として記憶(ステップS201)する。
【0041】
次に、通信部5aは、ネットワークを介して外部の交通量を収集するサーバよりエリア交通量データ5e1′を取得(ステップS202)する。
【0042】
次に、警報イベント毎ポイント算出機能5f3は、警報出力時位置情報とエリア交通量データ5e1′から警報イベント毎のポイントを算出(ステップS203)する。本実施形態における警報イベント毎ポイント算出機能5f3は、エリア交通量データ5e1′が路上車両走行速度<10km/hの場合にポイントを5として算出(ステップS204)し、路上車両走行速度が10~20km/hの場合にポイントを3として算出(ステップS205)し、路上車両走行速度>20km/hの場合にポイントを1として算出(ステップS206)する。
【0043】
次に、エリア毎ポイント集計機能5f4は、エリア内の警報出力回数Xと警報イベント毎のポイントからエリア毎のポイントを集計(ステップS207)する。
【0044】
次に、危険度レベル判定機能5f1は、エリア毎ポイント集計機能5f4により集計されたエリア毎のポイントから、エリア毎の危険度レベルを判定(ステップS208)する。本実施形態における危険度レベル判定機能5f1は、エリア毎のポイント≧91の場合に危険度レベル高と判定(ステップS209)し、エリア毎のポイントが61~90の場合に危険度レベル中と判定(ステップS210)し、エリア毎のポイントが0~60の場合に危険度レベル低と判定(ステップS211)する。
【0045】
最後に、データ生成機能5f2は、危険度レベル判定機能5f1により判定されたエリア毎の危険度レベルを集約することで、エリア毎危険度レベルデータ5e2を生成(ステップS212)する。
【0046】
本実施形態のエリア毎危険度レベルデータ5e2は、図6に示すように、危険度レベルが分かるようエリアごとの色分けで表示される。例えば、危険度レベルが高いエリアでは赤色(図6では塗りつぶし)で表示され、中くらいのエリアでは黄色(図6では斜線)で表示され、低いエリアでは青色(図6では塗りつぶしなし)で表示される。これにより、慌てた操作について、事前にエリアごとの危険度を認識できることで、道路利用者に対して事前の注意喚起や危険エリアの意識付けができる。
【0047】
なお、本実施形態では、道路形状取得手段2fに角速度センサを用いたが、GPS受信部2eが取得した位置情報から道路形状を取得してもよい。この場合、道路形状判定機能2l2は、GPS受信部2eが取得した位置情報と予め記憶部2hに記憶された地図情報に基づいて、前方を検出不可な道路形状、すなわち車両V1の走行する所定道路形状であるか否かを判定することとなる。
【0048】
また、本実施形態では、警報出力時位置情報と交通量データを比較し、都度、危険度レベルを算出し、集計してエリア毎の危険度レベルを判定するが、エリア毎の警報出力回数を集計した上で、集計した警報出力回数とエリア毎の交通量データと比較し、エリア毎の危険度レベルを判定しても良い。
【0049】
また、本実施形態では、車載器2の警報情報及び位置情報はネットワーク網NWを介してサーバ5に提供されるが、警報情報及び位置情報は車載器2の記憶部2hに記憶されたのち、図示しないカードリーダに挿入されている記録媒体を、サーバ5と接続されている端末に読み込ませ、サーバ5が警報情報及び位置情報を取得しても良い。
【符号の説明】
【0050】
1 危険度判定装置
2 車載器
2a 速度インタフェース(速度取得手段)
2c アナログインタフェース(ブレーキ操作取得手段、アクセル開度取得手段)
2e GPS受信部(道路情報取得手段)
2f 角速度センサ(道路形状取得手段)
2l CPU
2l1 前方車両検出機能(前方車両検出手段)
2l2 道路形状判定機能(道路形状判定手段)
2l3 速度増加判定機能(速度増加判定手段)
2l4 警報判定機能(警報判定手段)
3 アンテナ
4 カメラ
5 サーバ
5a 通信部(交通量データ取得手段)
5e 記憶部(記憶手段)
5e1 交通量データ
5e1′ エリア交通量データ
5e2 エリア毎危険度レベルデータ
5e3 警報プログラム
5f CPU
5f1 危険度レベル判定機能(危険度レベル判定手段)
5f2 データ生成機能(データ生成手段)
5f3 警報イベント毎ポイント算出機能
5f4 エリア毎ポイント集計機能
V1 自車両
V2 前方車両
100 無線基地局
図1
図2
図3
図4
図5
図6