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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022096682
(43)【公開日】2022-06-30
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   H05B 33/02 20060101AFI20220623BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20220623BHJP
   G09G 3/3233 20160101ALI20220623BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20220623BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20220623BHJP
   H01L 27/32 20060101ALI20220623BHJP
【FI】
H05B33/02
G09F9/30 365
G09F9/30 338
G09G3/3233
G09G3/20 642K
G09G3/20 642A
G09G3/20 611F
G09G3/20 680G
G09G3/20 621M
H05B33/14 A
H01L27/32
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020209779
(22)【出願日】2020-12-18
(71)【出願人】
【識別番号】514188173
【氏名又は名称】株式会社JOLED
(74)【代理人】
【識別番号】100189430
【弁理士】
【氏名又は名称】吉川 修一
(74)【代理人】
【識別番号】100190805
【弁理士】
【氏名又は名称】傍島 正朗
(72)【発明者】
【氏名】小原 将紀
【テーマコード(参考)】
3K107
5C080
5C094
5C380
【Fターム(参考)】
3K107AA01
3K107BB01
3K107CC02
3K107DD21
3K107DD26
3K107DD39
3K107DD90
3K107EE03
3K107EE57
3K107HH05
5C080BB05
5C080CC03
5C080DD01
5C080DD05
5C080DD23
5C080FF11
5C080JJ02
5C080JJ03
5C080JJ04
5C080JJ05
5C080JJ06
5C080KK02
5C080KK07
5C080KK43
5C094AA07
5C094BA03
5C094BA27
5C094CA19
5C094DA14
5C094DB01
5C094DB02
5C094FA01
5C094FA02
5C094HA08
5C380AA01
5C380AB06
5C380AB18
5C380AB34
5C380AB41
5C380AB42
5C380AB46
5C380AC07
5C380AC08
5C380AC11
5C380BA12
5C380BA19
5C380BA20
5C380BA39
5C380BB05
5C380BB22
5C380CA11
5C380CB26
5C380CB27
5C380CB37
5C380CC04
5C380CC07
5C380CC26
5C380CC33
5C380CC64
5C380CC77
5C380CD012
5C380CD014
5C380CE01
5C380CE11
5C380CF07
5C380CF10
5C380DA02
5C380DA06
(57)【要約】
【課題】画素回路の発光輝度が低下することを抑制する表示装置を提供する。
【解決手段】表示装置1は、第1方向d1および第1方向d1に交差する第2方向d2に沿って配置された複数の画素回路10と、複数の画素回路10のそれぞれに接続され、複数の画素回路10に電圧を供給する複数の電圧供給線Vs1、Vs2と、を備える。複数の画素回路10のそれぞれは、発光素子EL、EL、ELと発光素子EL、EL、ELを発光させるために駆動するトランジスタ(例えば駆動トランジスタTD、TD、TD)とを有する複数のサブ画素回路11R、11G、11Bを有し、複数のサブ画素回路11R、11G、11Bは、画素回路10内において第1方向d1に沿って配列され、複数の電圧供給線Vs1、Vs2は、第1方向d1に沿って延在し、第2方向d2に間隔をあけて配置されている。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向および前記第1方向に交差する第2方向に沿って配置された複数の画素回路と、
前記複数の画素回路のそれぞれに接続され、前記複数の画素回路に電圧を供給する複数の電圧供給線と、
を備え、
前記複数の画素回路のそれぞれは、発光素子と前記発光素子を発光させるために駆動するトランジスタとを有する複数のサブ画素回路を有し、
前記複数のサブ画素回路は、前記画素回路内において前記第1方向に沿って配列され、
前記複数の電圧供給線は、前記第1方向に沿って延在し、前記第2方向に間隔をあけて配置されている
表示装置。
【請求項2】
前記電圧供給線は、前記第1方向および前記第2方向の両方に垂直な方向から見て、前記第1方向に沿って配列された前記複数のサブ画素回路のそれぞれに重なっている
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記電圧供給線は、前記トランジスタを介して前記発光素子の陽極に接続され、前記トランジスタを介して前記発光素子に電圧を供給する
請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記電圧供給線は、前記発光素子の陰極に接続され、前記発光素子に電圧を供給する
請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項5】
前記複数の電圧供給線は、第1の電圧供給線および前記第1の電圧供給線と異なる第2の電圧供給線を含み、
前記第1の電圧供給線は、前記トランジスタを介して前記発光素子の陽極に接続され、
前記第2の電圧供給線は、前記発光素子の陰極に接続されている
請求項1または2に記載の表示装置。
【請求項6】
前記発光素子は、陽極層、発光層および陰極層を有するEL(Electro-Luminescence)層によって形成され、
前記電圧供給線は、前記発光層の光出射側とは反対側において、前記EL層に対して絶縁層を介して設けられている
請求項1~5のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項7】
前記トランジスタは、チャネル領域を有する半導体層、ゲート電極を構成する第1配線層、ならびに、ドレイン電極およびソース電極を構成する第2配線層を有するTFT(Thin Film Transistor)層によって形成され、
前記電圧供給線は、前記TFT層と前記EL層との間に設けられている
請求項6に記載の表示装置。
【請求項8】
前記第1方向は、前記複数の画素回路によって構成される表示パネルの画面垂直方向であり、
前記複数の電圧供給線のそれぞれは、前記画面垂直方向に沿って延在している
請求項1~7のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項9】
前記第1方向は、前記複数の画素回路によって構成される表示パネルの画面水平方向であり、
前記複数の電圧供給線のそれぞれは、前記画面水平方向に沿って延在している
請求項1~7のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項10】
さらに、
前記複数の画素回路を駆動制御するドライバと、
前記複数の電圧供給線を用いて電圧を供給する電源と、
を備える請求項1~9のいずれか1項に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、複数の画素回路を備える表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、有機EL(Electro-Luminescence)素子を用いたアクティブマトリクス型の表示装置が実用化されている(例えば、特許文献1など参照)。表示装置は、発光色がそれぞれ赤(R)、緑(G)、青(B)の発光素子を搭載した3つのサブ画素回路から構成される画素回路を、複数個マトリクス状に配置して構成される。表示装置は、サブ画素回路ごとに発光輝度を制御することにより、カラー画像を表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-73499号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
表示装置では、画素回路に供給する電圧の電圧降下を抑制するため、補助用の電圧を供給する電圧供給線を設けることがある。しかし、補助用の電圧供給線の厚みによって発光素子を構成するEL層に段差が生じ、画素回路の発光輝度が低下するという問題がある。
【0005】
そこで、本開示は、画素回路の発光輝度が低下することを抑制する表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、開示される一態様に係る表示装置は、第1方向および前記第1方向に交差する第2方向に沿って配置された複数の画素回路と、前記複数の画素回路のそれぞれに接続され、前記複数の画素回路に電圧を供給する複数の電圧供給線と、を備え、前記複数の画素回路のそれぞれは、発光素子と前記発光素子を発光させるために駆動するトランジスタとを有する複数のサブ画素回路を有し、前記複数のサブ画素回路は、前記画素回路内において前記第1方向に沿って配列され、前記複数の電圧供給線は、前記第1方向に沿って延在し、前記第2方向に間隔をあけて配置されている。
【発明の効果】
【0007】
本開示に係る表示装置によれば、画素回路の発光輝度が低下することを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】比較例1の表示装置の機能的な構成を示すブロック図である。
図2】比較例1の表示装置が備える画素回路を模式的に示す平面図である。
図3】比較例1の画素回路の一部の断面および輝度分布を模式的に示す図である。
図4】比較例2の表示装置が備える画素回路を模式的に示す平面図である。
図5】比較例2の表示装置のサブ画素回路の寿命を示す図である。
図6】実施の形態1に係る表示装置の機能的な構成を示すブロック図である。
図7】実施の形態1に係る表示装置が備える画素回路の回路図である。
図8】実施の形態1の画素回路を模式的に示す平面図である。
図9】実施の形態1の画素回路の一部の断面を模式的に示す図である。
図10】実施の形態1の表示パネルの端部における配線を示す図である。
図11】実施の形態1の変形例に係る表示装置の画素回路およびゲートドライバの配線を示す図である。
図12】実施の形態1の画素回路の駆動方法を示すタイミングチャートである。
図13】実施の形態1に係る表示装置の駆動方法を示すタイミングチャートである。
図14】実施の形態2に係る表示装置の機能的な構成を示すブロック図である。
図15】実施の形態2に係る表示装置が備える画素回路の回路図である。
図16】実施の形態2の画素回路を模式的に示す平面図である。
図17】実施の形態3に係る表示装置の表示パネルを模式的に示す平面図である。
図18】実施の形態3の変形例に係る表示装置の表示パネルを模式的に示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(本開示に至る経緯)
本開示に至る経緯について、図1図5に示す比較例を参照しながら説明する。
【0010】
図1は、比較例1の表示装置9の機能的な構成を示すブロック図である。以下の説明では、簡潔のため、信号と信号を伝達する配線とを同一の符号で参照し、電圧と電圧を供給する配線とを同一の符号で参照することがある。また、回路と回路が形成される領域とを同一の符号で参照することがある。
【0011】
図1に示されるように、比較例1の表示装置9は、表示パネル92、ゲートドライバ93、データドライバ95、コントローラ96、および、電源97を備える。
【0012】
表示パネル92は、マトリクス状に配置された複数の画素回路90を有している。複数の画素回路90は、第1方向d1、および、第1方向d1に直交する第2方向d2に沿って配置されている。各画素回路90は、R、G、Bの発光色にそれぞれ対応する3つのサブ画素回路91R、91G、91Bによって構成されている。比較例1における第1方向d1は画面水平方向であり、第2方向d2は画面垂直方向である。
【0013】
表示パネル92には、画素回路90に接続される初期化信号線INI、参照信号線REFおよび書き込み信号線WSが設けられる。また、表示パネル92には、各画素回路90に接続される3本のデータ信号線Vdat、Vdat、Vdatが設けられる。
【0014】
コントローラ96は、外部から映像信号を受信し、当該映像信号の各フレームの画像を表示パネル92で表示するための制御信号を、ゲートドライバ93およびデータドライバ95へ供給する。
【0015】
電源97は、表示パネル92、ゲートドライバ93、データドライバ95、およびコントローラ96へ電圧を供給する。表示パネル92には、初期化電圧VINI、参照電圧VREF、正電源電圧VCCおよび負電源電圧VCATHが、電源97から供給される。
【0016】
図2は、比較例1の表示装置9が備える画素回路90を模式的に示す平面図である。
【0017】
図2に示されるように、各サブ画素回路91R、91G、91Bは、画素回路90内において第1方向d1に沿って配列されている。サブ画素回路91R、91G、91Bは、有機ELの発光素子EL、EL、EL、駆動トランジスタTD、TD、TD、および、保持容量CS、CS、CS等を有している。
【0018】
画素回路90の各サブ画素回路91R、91G、91Bには、正電源電圧線VCCが接続されている。各サブ画素回路91R、91G、91Bに接続されている各正電源電圧線VCCは、第2方向d2に沿って延在している。また、画素回路90には、発光素子EL、EL、ELを発光させるための電圧である正電源電圧VCCおよび負電源電圧VCATHが供給される。なお、図2には、第2方向d2に沿う電圧中継線VCCrも示されている。電圧中継線VCCrは、正電源電圧線VCCに接続されている。
【0019】
画素回路90では、サブ画素回路91R、91G、91Bが高密度でレイアウトされており、正電源電圧線VCCは、配線幅を広く取ることができず、配線抵抗が高くなりやすい。また、負電源電圧線VCATHは、面状の透明電極で構成されるため、材料や膜厚の制限から、抵抗が高くなりやすい。つまり、画素回路90では、電源配線の配線抵抗が高く、そのため電源配線における電圧降下が生じやすい。
【0020】
そこで、表示装置9では、画素回路90の配線抵抗による電圧降下を抑制するため、正電源電圧VCCおよび負電源電圧VCATHを補助するための電圧を供給する複数の電圧供給線Vs91、Vs92が設けられる。サブ画素回路91Rに接続される電圧供給線Vs91、Vs92は、サブ画素回路91Rの領域に重なるように第2方向d2に沿って設けられている。サブ画素回路91Gに接続される電圧供給線Vs91、Vs92は、サブ画素回路91Gの領域に重なるように第2方向d2に沿って設けられている。サブ画素回路91Bに接続される電圧供給線Vs91、Vs92は、サブ画素回路91Bの領域に重なるように第2方向d2に沿って設けられている。しかし、この表示装置9では、電圧供給線Vs91、Vs92が設けられることによって、電圧供給線Vs91、Vs92を設けた箇所に段差が形成される。
【0021】
図3は、比較例1の画素回路90の一部の断面および輝度分布を模式的に示す図である。図3の(a)には、画素回路90の輝度分布が示され、図3の(b)には、図2に示す画素回路90のIII-III線における断面図が示されている。
【0022】
図3の(b)に示されるように、画素回路90は、基板50上のTFT(Thin Film Transistor)層51上に絶縁層65が形成され、絶縁層65上に所定の厚みを有する電圧供給線Vs91、Vs92が形成される。そして、電圧供給線Vs91、Vs92を覆うように絶縁層65上に絶縁層66が形成され、絶縁層66上に陽極層54、発光層55および陰極層56からなるEL層53が形成される。このような積層構造を有する表示装置9では、EL層53に平坦領域および段差領域が形成される。そのため、図3の(a)に示すように、段差領域における発光輝度が平坦領域における発光輝度よりも低くなり、画素回路90の平均の発光輝度が低下するという問題がある。
【0023】
この問題を解決するため、補助用の電圧供給線Vs91、Vs92の本数を減らすことで、発光輝度の低下を抑制することが考えられる。
【0024】
図4は、比較例2の表示装置9aが備える画素回路90aを模式的に示す平面図である。図5は、比較例2の表示装置9aのサブ画素回路91R、91G、91Bの寿命を示す図である。
【0025】
図4に示されるように、この画素回路90aでは、補助用の電圧供給線Vs91、Vs92が、サブ画素回路91Rのみに重なるように設けられている。そのため比較例2では、電圧供給線Vs91、Vs92の本数が2本となり、比較例1よりも少なくなっている。これにより、画素回路90の平均の発光輝度が低下することを抑制できる。
【0026】
しかしながら、比較例2のように電圧供給線Vs91、Vs92が、サブ画素回路91Rの領域のみに設けられていると、サブ画素回路91Rの発光輝度が他のサブ画素回路91G、91Bよりも低下する。サブ画素回路91Rの発光輝度の低下を補うために、サブ画素回路91Rに流す画素電流を増加させると、図5に示すように、サブ画素回路91Rの寿命が、他のサブ画素回路91G、91Bよりも短くなる。そのため、表示装置9aの寿命が短くなるという問題がある。
【0027】
それに対し本開示の表示装置は、画素回路の発光輝度が低下すること等を抑制するために、以下に示す構成を有している。
【0028】
以下、本開示の実施の形態について、図面を用いて説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本開示における一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される、数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、工程、並びに、工程の順序などは、一例であって本開示を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本開示における最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0029】
また、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。したがって、各図において縮尺などは必ずしも一致していない。なお、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
【0030】
また、本明細書において、「上」及び「下」という用語は、絶対的な空間認識における上方向(鉛直上方)及び下方向(鉛直下方)を指すものではなく、積層構成における積層順を基に相対的な位置関係により規定される用語として用いる。また、「上」及び「下」という用語は、2つの構成要素が互いに接する状態で配置される場合のみならず、2つの構成要素が互いに間隔をあけて配置されて2つの構成要素の間に別の構成要素が存在する場合にも適用される。
【0031】
(実施の形態1)
[1-1.表示装置の構成]
実施の形態1に係る表示装置1について説明する。
【0032】
図6は、実施の形態1に係る表示装置1の機能的な構成を示すブロック図である。以下の説明では、簡潔のため、信号と信号を伝達する配線とを同一の符号で参照し、電圧と電圧を供給する配線とを同一の符号で参照することがある。また、回路と回路が形成される領域とを同一の符号で参照することがある。
【0033】
図6に示されるように、実施の形態1に係る表示装置1は、表示パネル12、ゲートドライバ13、データドライバ15、コントローラ16、および、電源17を備える。
【0034】
表示パネル12は、マトリクス状に配置された複数の画素回路10を有している。複数の画素回路10は、第1方向d1、および、第1方向d1に交差する第2方向d2に沿って配置されている。第1方向d1および第2方向d2は、互いに直交している。本実施の形態における第1方向d1は画面垂直方向であり、第2方向d2は画面水平方向である。
【0035】
各画素回路10は、R、G、Bの発光色にそれぞれ対応する3つのサブ画素回路11R、11G、11Bを有している。各サブ画素回路11R、11G、11Bは、有機ELの発光素子EL、EL、EL、および、発光素子EL、EL、ELを発光させるために駆動する複数のトランジスタを有している。
【0036】
サブ画素回路11R、11G、11Bは、画素回路10内において第1方向d1に沿って配列されている。すなわち、サブ画素回路11R、11G、11Bは、複数の画素回路10によって形成される表示パネル12の画面垂直方向に沿って配置されている。
【0037】
表示パネル12には、画素回路10に接続される初期化信号線INI、参照信号線REF、書き込み信号線WSが設けられる。初期化信号線INI、参照信号線REF、書き込み信号線WSは、ゲートドライバ13から供給される初期化信号INI、参照信号REF、書き込み信号WSを、画素回路10へ、それぞれ伝達する。
【0038】
表示パネル12には、各画素回路10に接続されるデータ信号線Vdatが設けられる。データ信号線Vdatは、データドライバ15から供給されるR、G、Bの発光輝度に関連するデータ信号Vdatを、画素回路10へ、それぞれ伝達する。
【0039】
コントローラ16は、外部から映像信号を受信し、当該映像信号の各フレームの画像を表示パネル12で表示するための制御信号を、ゲートドライバ13およびデータドライバ15へ供給する。
【0040】
電源17は、表示パネル12、ゲートドライバ13、データドライバ15、およびコントローラ16へ電圧を供給する。表示パネル12には、初期化電圧VINI、参照電圧VREF、正電源電圧VCCおよび負電源電圧VCATHが、電源17から供給される。
【0041】
図7は、表示装置1が備える画素回路10の回路図である。なお、図7では、後述する第1の電圧供給線Vs1および第2の電圧供給線Vs2の図示を省略している。
【0042】
図7に示されるように、画素回路10を構成するサブ画素回路11R、11G、11Bは、互いに同一の構成を有している。以下、画素回路10の構成について、サブ画素回路11Rに着目して説明する。
【0043】
サブ画素回路11Rは、初期化トランジスタT1、電圧補償トランジスタT2、書き込みトランジスタT3、駆動トランジスタTD、保持容量CS、発光素子ELを有している。
【0044】
初期化トランジスタT1は、初期化信号INIに従ってオン状態となり、駆動トランジスタTDのソースノードを初期化電圧VINIに設定する。電圧補償トランジスタT2は、参照信号REFに従ってオン状態となり、駆動トランジスタTDのゲートノードを参照電圧VREFに設定する。書き込みトランジスタT3は、書き込み信号WSに従ってオン状態となり、データ信号Vdatの電圧を保持容量CSに保持する。駆動トランジスタTDは、保持容量CSに保持された電圧に応じて、発光素子ELに電流を供給する。これにより、発光素子ELは、データ信号Vdatの電圧に応じた輝度で発光する。
【0045】
サブ画素回路11G、11Bも、サブ画素回路11Rと同様に構成される。そのため、サブ画素回路11G、11Bにおいても、初期化信号INI、参照信号REF、書き込み信号WSに従ってデータ信号Vdatが保持され、保持されたデータ信号の電圧に応じた輝度で発光素子EL、ELが発光する。
【0046】
図8は、画素回路10を模式的に示す平面図である。
【0047】
図8に示されるように、画素回路10に接続される初期化信号線INI、参照信号線REFおよび書き込み信号線WSのそれぞれは、第2方向d2に沿って延在している。初期化信号線INI、参照信号線REFおよび書き込み信号線WSは、サブ画素回路11R、11G、11Bごとに設けられている。
【0048】
画素回路10に接続されるデータ信号線Vdat、参照電圧線VREFおよび初期化電圧線VINIは、第1方向d1に沿って延在している。データ信号線Vdat、参照電圧線VREFおよび初期化電圧線VINIは、サブ画素回路11R、11G、11Bごとでなく、画素回路10ごとに設けられている。
【0049】
表示装置1は、複数の画素回路10に電圧を供給する複数の第1の電圧供給線Vs1および複数の第2の電圧供給線Vs2を有している。第1の電圧供給線Vs1および第2の電圧供給線Vs2のそれぞれは、複数の画素回路10のそれぞれに接続されている。なお、図8では、第1の電圧供給線Vs1および第2の電圧供給線Vs2をハッチング無しで示している。以下において、第1の電圧供給線Vs1を電圧供給線Vs1と呼び、第2の電圧供給線Vs2を電圧供給線Vs2と呼ぶ場合がある。
【0050】
画素回路10には、発光素子EL、EL、ELを発光させるための電圧である正電源電圧VCCが供給されるが、本実施の形態では、この正電源電圧VCCが、1本の電圧供給線Vs1を用いて供給される。また、画素回路10には、発光素子EL、EL、ELを発光させるための電圧である負電源電圧VCATHが、後述する陰極層56によって供給されるが、本実施の形態では、この負電源電圧VCATHを補助するための電圧が、1本の電圧供給線Vs2を用いて供給される。
【0051】
電圧供給線Vs1は、駆動トランジスタTDを介して発光素子ELの陽極に接続され、駆動トランジスタTDを介して発光素子ELに電圧を供給する。また、電圧供給線Vs1は、駆動トランジスタTDを介して発光素子ELの陽極に接続され、駆動トランジスタTD介して発光素子ELに電圧を供給する。また、電圧供給線Vs1は、駆動トランジスタTDを介して発光素子ELの陽極に接続され、駆動トランジスタTDを介して発光素子ELに電圧を供給する。なお、図8に示す各電圧供給線Vs1は、サブ画素回路11R、11G、11Bに設けられた電圧中継線VCCrを介して駆動トランジスタTD、TD、TDに接続され、各駆動トランジスタTD、TD、TDに電圧を供給している。
【0052】
電圧供給線Vs2は、発光素子ELの陰極に接続され、発光素子ELに電圧を供給する。また、電圧供給線Vs2は、発光素子ELの陰極に接続され、発光素子ELに電圧を供給する。また、電圧供給線Vs2は、発光素子ELの陰極に接続され、発光素子ELに電圧を供給する。
【0053】
各電圧供給線Vs1、Vs2は、第1方向d1である画面垂直方向に沿って延在している。つまり、電圧供給線Vs1、Vs2は、画素回路10内におけるサブ画素回路11R、11G、11Bの配列方向に沿って設けられている。また、複数の電圧供給線Vs1、Vs2は、第2方向d2に間隔をあけて並んで配置されている。画素回路10における電圧供給線Vs1、Vs2の本数は合計2本であり、比較例1の電圧供給線Vs91、Vs92の本数(6本)に比べて少ない。
【0054】
また、各電圧供給線Vs1、Vs2は、第1方向d1および第2方向d2の両方に垂直な方向から見て(画面を平面視して)、サブ画素回路11R、11G、11Bの領域のそれぞれに均等に重なっている。これにより、電圧供給線Vs1、Vs2を起因として形成される段差領域は、サブ画素回路11R、11G、11Bの領域のそれぞれに均等に設けられる。
【0055】
ここで、画素回路10に形成される段差領域について説明する。なお、段差領域とは、高い平坦領域と低い平坦領域との間の領域である。
【0056】
図9は、画素回路10の一部の断面を模式的に示す図である。図9には、図8に示す画素回路10のIX-IX線における断面図が示されている。
【0057】
表示パネル12は、トップエミッション構造を有する有機EL表示パネルである。表示パネル12の画素回路10では、基板50上にトランジスタを構成するTFT層51が形成され、TFT層51の上方に層間絶縁層である絶縁層65が形成され、絶縁層65の上方に発光素子EL、EL、ELを構成するEL層53が形成される。なお、EL層53上に、保護膜、封止樹脂および封止基板がこの順で積層されてもよい(図示省略)。
【0058】
基板50は、平坦な基台であり、例えば、ガラス基板またはガラスフィルムである。
【0059】
TFT層51は、半導体層L0、ゲート電極71を構成する第1配線層L1、ドレイン電極72およびソース電極73を構成する第2配線層L2、ならびに、絶縁層61、62、63および64等を有している。
【0060】
例えば、絶縁層61は、基板50の表面を覆うように設けられている。絶縁層61上には、チャネル領域76、ドレイン半導体77およびソース半導体78を有する半導体層L0が形成されている。そして、この半導体層L0を覆うように、絶縁層61上に絶縁層62が形成され、さらに、絶縁層62上に絶縁層63が形成されている。ゲート電極71を構成する第1配線層L1は、チャネル領域76の上方に位置するように、絶縁層63の内部に形成されている。絶縁層63上には、ドレイン電極72およびソース電極73を構成する第2配線層L2が形成されている。ドレイン電極72は、一方のビア導体を介してドレイン半導体77に接続され、ソース電極73は、他方のビア導体を介してソース半導体78に接続されている。そして、第2配線層L2および絶縁層63を覆うように、絶縁層64が形成されている。
【0061】
層間絶縁層である絶縁層65は、絶縁層64の全面を覆うように設けられている。電圧供給線Vs1、Vs2は、絶縁層65上に設けられ、絶縁層66によって覆われている。
【0062】
EL層53は、絶縁層66上に設けられている。EL層53は、発光素子EL、EL、ELの陽極を構成する陽極層54、所定の電圧が印加されることで発光する発光層55、および、発光素子EL、EL、ELの陰極を構成する陰極層56が、この順で積層されることで形成されている。なお、陽極層54は、各発光素子EL、EL、ELに対応して複数設けられる。陰極層56は、表示パネル92の全体でつながった1枚の透明かつ面状の電極である負電源電圧線VCATHを構成する。
【0063】
図9に示すように、電圧供給線Vs1、Vs2は、TFT層51とEL層53との間に設けられている。具体的には、電圧供給線Vs1、Vs2は、発光層55の光出射側とは反対側において、EL層53に対して絶縁層66を介して設けられている。このように、画素回路10では、所定の厚みを有する電圧供給線Vs1、Vs2上に絶縁層66およびEL層53が設けられることで、EL層53に平坦領域および段差領域が形成される。
【0064】
この段差領域は、画素回路10の発光輝度の低下につながるが、本実施の形態では、比較例1に比べて電圧供給線Vs1、Vs2の本数が少ないので、段差領域の面積が少なくなっている。そのため、本実施の形態では、比較例1よりも発光輝度が低下することを抑制できる。
【0065】
また、表示装置1では、電圧供給線Vs1、Vs2が、第1方向d1に延びており、第1方向d1に配列されたサブ画素回路11R、11G、11Bの領域に対して均等に重なるように配置されている。そのため、各サブ画素回路11R、11G、11Bの領域に均等に段差領域が形成される。これにより、各サブ画素回路11R、11G、11Bの発光輝度のばらつきを抑制することができる。
【0066】
また、本実施の形態の表示装置1では、各電圧供給線Vs1が、各電圧中継線VCCrを介して駆動トランジスタTD、TD、TDに接続されている。そのため、発光素子EL、EL、ELに供給する電圧の配線経路を、比較例2の表示装置9aの配線経路に比べて短くすることができる。これにより、配線抵抗による電圧降下を抑制することができ、発光輝度が低下することを抑制できる。
【0067】
また、本実施の形態の表示装置1では、表示パネル12とデータドライバ15との距離を短くし、表示装置1を小型化することが可能である。
【0068】
図10は、実施の形態1の表示パネル12の端部における配線を示す図である。図10の(a)には、実施の形態1の表示パネル12の端部における配線が示され、図10の(b)には、比較例2の表示パネル92の端部における配線が示されている。
【0069】
図10の(a)に示すように、表示パネル12の端部である額縁領域の一辺には、複数の中継配線85が設けられる。中継配線85は、表示パネル12のデータ信号線Vdat、初期化電圧線VINIおよび参照電圧線VREFと、データドライバ15および電源17とを接続する配線である。第2方向d2において、データ信号線Vdat、初期化電圧線VINIおよび参照電圧線VREFは、データドライバ15または電源17の幅よりも広い範囲で配置されるため、各中継配線85は、データドライバ15または電源17からデータ信号線Vdat、初期化電圧線VINIおよび参照電圧線VREFに向かって斜めに引き出される。
【0070】
例えば、図10の(b)に示す比較例2の表示パネル92の場合、データドライバ95および電源97と、3本のデータ信号線Vdat、Vdat、Vdatおよび3本の正電源電圧線VCCとを接続するため、中継配線85が6本必要である。この6本の中継配線85は斜めに引き出されるため、比較例2では、表示パネル92の端部の距離(第1方向d1の長さ)が長くなってしまう。
【0071】
それに対し、図10の(a)に示す実施の形態の表示パネル12では、データドライバ15と、データ信号線Vdat、初期化電圧線VINIおよび参照電圧線VREFとを接続する中継配線85が3本でよい。そのため実施の形態では、表示パネル12の端部の距離(第1方向d1の長さ)を、比較例2よりも短くすることができる。これにより、表示装置1を小型化することができる。
【0072】
[1-2.実施の形態1の変形例]
実施の形態1の変形例に係る表示装置1について説明する。この変形例では、表示装置1の画素回路10とゲートドライバ13とを繋ぐ配線の一部が、共通化されている例について説明する。
【0073】
図11は、変形例に係る表示装置1の画素回路10およびゲートドライバ13の配線を示す図である。
【0074】
図11に示すように、変形例の画素回路10は、画素回路10に繋がる3本の初期化信号線INIと、3本の初期化信号線INIに繋がる1本の共通初期化信号線INIcとを介してゲートドライバ13に接続されている。共通初期化信号線INIcは、3本の初期化信号線INIが束ねられ共通化された配線である。ゲートドライバ13は、これらの共通初期化信号線INIcおよび初期化信号線INIを用いて、各サブ画素回路11R、11G、11Bへ同時に初期化信号INIを伝達する。
【0075】
また、変形例の画素回路10は、画素回路10に繋がる3本の参照信号線REFと、3本の参照信号線REFに繋がる1本の共通参照信号線REFcとを介してゲートドライバ13に接続されている。共通参照信号線REFcは、3本の参照信号線REFが束ねられ共通化された配線である。ゲートドライバ13は、これらの共通参照信号線REFcおよび参照信号線REFを用いて、各サブ画素回路11R、11G、11Bへ同時に参照信号REFを伝達する。
【0076】
実施の形態の表示装置1では、比較例1の表示装置9に比べて、初期化信号線INIおよび参照信号線REFの本数が多くなり、ゲートドライバ13の出力数が増える。しかしながら、変形例に係る表示装置1では、配線の一部を共通化しているので、実施の形態に比べてゲートドライバ13の出力数を減らすことができる。これにより、ゲートドライバ13を小型化することができる。
【0077】
[1-3.画素回路および表示装置の駆動方法]
次に、画素回路10および表示装置1の駆動方法について説明する。
【0078】
図12は、実施の形態1の画素回路10の駆動方法を示すタイミングチャートである。画素回路10では、発光色R、G、Bにそれぞれ対応する次の動作が行われる。
【0079】
まず、消灯期間で駆動トランジスタTD、TD、TDのゲートノードに参照電圧VREFが供給され、サブ画素回路11R、11G、11Bが消灯する。次に初期化期間で、駆動トランジスタTD、TD、TDのソースノードに初期化電圧VINIが供給される。次に電圧補償期間で、駆動トランジスタTD、TD、TDのゲートノードに参照電圧VREFが供給され、保持容量CS、CS、CSに駆動トランジスタTD、TD、TDの閾値電圧Vth相当の電荷が保持される(Vth補償動作)。次に、書込み信号WSに応じて発光輝度に関連するデータ信号Vdatが、保持容量CS、CS、CSに保持され、各データ信号Vdatに応じた電流が、駆動トランジスタTD、TD、TDから出力される。駆動トランジスタTD、TD、TDから出力された電流は、発光素子EL、EL、ELに供給される。これにより各発光素子EL、EL、ELは発光する。
【0080】
なお、消灯期間は、サブ画素回路11R、11G、11Bが点灯していない期間であり、例えば、画素行をn列、水平期間をHとした場合、n×Hで規定される。
【0081】
図13は、実施の形態1に係る表示装置1の駆動方法を示すタイミングチャートである。図13において、信号名に付したかっこ書きの数字は、信号が供給される行を示している。図13に示されるように、画素回路10の動作は、表示装置1のすべての行0~nの画素回路において、行順次に行われる。
【0082】
[1-4.効果等]
本実施の形態に係る表示装置1は、第1方向d1および第1方向d1に交差する第2方向d2に沿って配置された複数の画素回路10と、複数の画素回路10のそれぞれに接続され、複数の画素回路10に電圧を供給する複数の電圧供給線と、を備える。複数の画素回路10のそれぞれは、発光素子EL、EL、ELと発光素子EL、EL、ELを発光させるために駆動するトランジスタ(例えば駆動トランジスタTD、TD、TD)とを有する複数のサブ画素回路11R、11G、11Bを有し、複数のサブ画素回路11R、11G、11Bは、画素回路10内において第1方向d1に沿って配列され、複数の電圧供給線は、第1方向d1に沿って延在し、第2方向d2に間隔をあけて配置されている。
【0083】
このように、サブ画素回路11R、11G、11Bを第1方向d1に沿って配列し、電圧供給線を同じ第1方向d1に沿って延在することで、比較例1に比べて、電圧供給線の本数を減らすことが可能となる。これにより、電圧供給線に起因する段差領域の数を減らすことができ、画素回路10の発光輝度が低下することを抑制できる。また、サブ画素回路11R、11G、11Bの配列方向と同じ方向に電圧供給線を延在させることで、1つのサブ画素回路のみに偏らずに、サブ画素回路11R、11G、11Bのそれぞれに電圧供給線を配置することができる。これにより、サブ画素回路11R、11G、11Bのそれぞれに段差領域を形成することができ、サブ画素回路11R、11G、11Bの発光輝度のばらつきを抑制することができる。
【0084】
なお、複数の電圧供給線は、複数の電圧供給線Vs1および複数の電圧供給線Vs2の少なくとも一方である。すなわち複数の電圧供給線は、複数の電圧供給線Vs1であってもよいし、複数の電圧供給線Vs2であってもよいし、複数の電圧供給線Vs1およびVs2であってもよい。
【0085】
また、電圧供給線Vs1(またはVs2)は、第1方向d1および第2方向d2の両方に垂直な方向から見て、第1方向d1に沿って配列された複数のサブ画素回路11R、11G、11Bのそれぞれに重なっていてもよい。
【0086】
このように、サブ画素回路11R、11G、11Bのそれぞれに電圧供給線Vs1(またはVs2)が重なっていることで、サブ画素回路11R、11G、11Bの領域のそれぞれに電圧供給線Vs1(またはVs2)を均等に配置することが可能となる。これにより、サブ画素回路11R、11G、11Bの領域のそれぞれに均等に段差領域を形成することができ、サブ画素回路11R、11G、11Bの発光輝度のばらつきを抑制することができる。
【0087】
また、電圧供給線Vs1は、トランジスタ(例えば駆動トランジスタTD、TD、TD)を介して発光素子EL、EL、ELの陽極に接続され、上記トランジスタを介して発光素子EL、EL、ELに電圧を供給してもよい。
【0088】
これによれば、発光素子EL、EL、ELに供給する電圧が降下することを抑制できる。これにより、画素回路10の発光輝度が低下することを抑制できる。
【0089】
また、電圧供給線Vs2は、発光素子EL、EL、ELの陰極に接続され、発光素子EL、EL、ELに電圧を供給してもよい。
【0090】
これによれば、発光素子EL、EL、ELに供給する電圧が降下することを抑制できる。これにより、画素回路10の発光輝度が低下することを抑制できる。
【0091】
また、複数の電圧供給線は、第1の電圧供給線Vs1および第1の電圧供給線Vs1と異なる第2の電圧供給線Vs2を含み、第1の電圧供給線Vs1は、トランジスタ(例えば駆動トランジスタTD、TD、TD)を介して発光素子EL、EL、ELの陽極に接続され、第2の電圧供給線Vs2は、発光素子EL、EL、ELの陰極に接続されていてもよい。
【0092】
これによれば、発光素子EL、EL、ELに供給する電圧が降下することを抑制できる。これにより、画素回路10の発光輝度が低下することを抑制できる。
【0093】
また、発光素子EL、EL、ELは、陽極層54、発光層55および陰極層56を有するEL層53によって形成され、電圧供給線Vs1(またはVs2)は、発光層55の光出射側とは反対側において、EL層53に対して絶縁層66を介して設けられていてもよい。
【0094】
本実施の形態の表示装置1によれば、上記の構成によってEL層53に段差領域が形成される場合であっても、比較例1に比べて、電圧供給線Vs1(またはVs2)の本数を減らすことができるので、段差領域の数を減らすことができる。これにより、画素回路10の発光輝度が低下することを抑制できる。また、この表示装置1によれば、段差領域を1つのサブ画素回路に偏らせるのでなく、サブ画素回路11R、11G、11Bのそれぞれに設けるので、比較例2に比べて、サブ画素回路11R、11G、11Bの発光輝度のばらつきを抑制することができる。
【0095】
また、トランジスタは、チャネル領域76を有する半導体層L0、ゲート電極71を構成する第1配線層L1、ならびに、ドレイン電極72およびソース電極73を構成する第2配線層L2を有するTFT層51によって形成され、電圧供給線Vs1(またはVs2)は、TFT層51とEL層53との間に設けられていてもよい。
【0096】
本実施の形態の表示装置1によれば、上記の構成によってEL層53に段差領域が形成される場合であっても、比較例1に比べて、電圧供給線Vs1(またはVs2)の本数を減らすことができるので、段差領域の数を減らすことができる。これにより、画素回路10の発光輝度が低下することを抑制できる。また、この表示装置1によれば、段差領域を1つのサブ画素回路に偏らせるのでなく、サブ画素回路11R、11G、11Bのそれぞれに設けるので、比較例2に比べて、サブ画素回路11R、11G、11Bの発光輝度のばらつきを抑制することができる。
【0097】
また、第1方向d1は、複数の画素回路10によって構成される表示パネル12の画面垂直方向であり、複数の電圧供給線のそれぞれは、当該画面垂直方向に沿って延在している。
【0098】
このように、サブ画素回路11R、11G、11Bを画面垂直方向に沿って配列し、電圧供給線を同じ画面垂直方向に沿って延在することで、画面水平方向に並ぶ、電圧供給線の本数を減らすことが可能となる。これにより、画素回路10の発光輝度が低下することを抑制できる。また、画面垂直方向における画素回路10の発光輝度のばらつきを抑制することができる。
【0099】
また、表示装置1は、さらに、複数の画素回路10を駆動制御するドライバ(例えばゲートドライバ13、データドライバ15)と、複数の電圧供給線を用いて電圧を供給する電源17と、を備えていてもよい。
【0100】
このように、電圧供給線を用いて電圧を供給する電源17を備えることで、発光素子EL、EL、ELに供給する電圧が降下することを抑制し、発光素子EL、EL、ELを適切に発光させることができる。
【0101】
(実施の形態2)
実施の形態2に係る表示装置1aについて説明する。実施の形態2では、サブ画素回路11R、11G、11Bの配列方向、および、電圧供給線Vs1、Vs2の延びる方向が、実施の形態1と90°異なる例について説明する。実施の形態2では、実施の形態1と異なり、表示パネル12aの画面水平方向を第1方向d1と呼び、画面垂直方向を第2方向d2と呼ぶ。
【0102】
図14は、実施の形態2に係る表示装置1aの機能的な構成を示すブロック図である。
【0103】
図14に示されるように、実施の形態2に係る表示装置1aは、表示パネル12a、ゲートドライバ13、データドライバ15、コントローラ16、および、電源17を備える。
【0104】
表示パネル12aは、マトリクス状に配置された複数の画素回路10aを有している。複数の画素回路10aは、第1方向d1、および、第1方向d1に交差する第2方向d2に沿って配置されている。第1方向d1および第2方向d2は、互いに直交している。
【0105】
各画素回路10aは、R、G、Bの発光色にそれぞれ対応する3つのサブ画素回路11R、11G、11Bを有している。各サブ画素回路11R、11G、11Bは、有機ELの発光素子EL、EL、EL、および、発光素子EL、EL、ELを発光させるために駆動する複数のトランジスタを有している。
【0106】
サブ画素回路11R、11G、11Bは、画素回路10a内において第1方向d1に沿って配列されている。実施の形態2のサブ画素回路11R、11G、11Bは、複数の画素回路10aによって形成される表示パネル12aの画面水平方向に沿って配置されている。
【0107】
表示パネル12aには、画素回路10aに接続される初期化信号線INI、参照信号線REF、書き込み信号線WSが設けられる。初期化信号線INI、参照信号線REF、書き込み信号線WSは、ゲートドライバ13から供給される初期化信号INI、参照信号REF、書き込み信号WSを、画素回路10aへ、それぞれ伝達する。
【0108】
表示パネル12aには、画素回路10aに接続されるデータ信号線Vdat、Vdat、Vdatが設けられる。データ信号線Vdat、Vdat、Vdatは、データドライバ15から供給されるR、G、Bの発光輝度に関連するデータ信号Vdat、Vdat、Vdatを、画素回路10aへ、それぞれ伝達する。
【0109】
コントローラ16は、外部から映像信号を受信し、当該映像信号の各フレームの画像を表示パネル12aで表示するための制御信号を、ゲートドライバ13およびデータドライバ15へ供給する。
【0110】
電源17は、表示パネル12a、ゲートドライバ13、データドライバ15、およびコントローラ16へ電圧を供給する。表示パネル12aには、初期化電圧VINI、参照電圧VREF、正電源電圧VCCおよび負電源電圧VCATHが、電源17から供給される。
【0111】
図15は、表示装置1aが備える画素回路10aの回路図である。なお、電源17は、表示パネル12aの横(第1方向d1)に配置されていてもよい。
【0112】
図15に示されるように、画素回路10aを構成するサブ画素回路11R、11G、11Bは、互いに同一の構成を有している。以下、画素回路10aの構成について、サブ画素回路11Rに着目して説明する。
【0113】
サブ画素回路11Rは、初期化トランジスタT1、電圧補償トランジスタT2、書き込みトランジスタT3、駆動トランジスタTD、保持容量CS、発光素子ELを有している。
【0114】
初期化トランジスタT1は、初期化信号INIに従ってオン状態となり、駆動トランジスタTDのソースノードを初期化電圧VINIに設定する。電圧補償トランジスタT2は、参照信号REFに従ってオン状態となり、駆動トランジスタTDのゲートノードを参照電圧VREFに設定する。書き込みトランジスタT3は、書き込み信号WSに従ってオン状態となり、データ信号Vdatの電圧を保持容量CSに保持する。駆動トランジスタTDは、保持容量CSに保持された電圧に応じて、発光素子ELに電流を供給する。これにより、発光素子ELは、データ信号Vdatの電圧に応じた輝度で発光する。
【0115】
サブ画素回路11G、11Bも、サブ画素回路11Rと同様に構成される。そのため、サブ画素回路11G、11Bにおいても、初期化信号INI、参照信号REF、書き込み信号WSに従って同じタイミングでデータ信号Vdat、Vdatが保持され、保持されたデータ信号の電圧に応じた輝度で発光素子EL、ELが発光する。
【0116】
図16は、画素回路10aを模式的に示す平面図である。
【0117】
図16に示されるように、画素回路10aに接続されるデータ信号線Vdat、Vdat、Vdatのそれぞれは、第2方向d2に沿って延在している。
【0118】
画素回路10aに接続される初期化信号線INI、参照信号線REFおよび書き込み信号線WSのそれぞれは、第1方向d1に沿って延在している。画素回路10aに接続される参照電圧線VREF、初期化電圧線VINIは、第1方向d1に沿って延在している。なお、電圧中継線VCCr(図16にて不図示)が、第1方向d1に沿って延在していてもよい。
【0119】
表示装置1aは、複数の画素回路10aに電圧を供給する複数の第1の電圧供給線Vs1および複数の第2の電圧供給線Vs2を有している。第1の電圧供給線Vs1および第2の電圧供給線Vs2のそれぞれは、複数の画素回路10aのそれぞれに接続されている。なお、図16では、第1の電圧供給線Vs1および第2の電圧供給線Vs2をハッチング無しで示している。
【0120】
画素回路10aには、発光素子EL、EL、ELを発光させるための電圧である正電源電圧VCCが第1方向d1に沿って延在している。実施の形態2では、さらに、正電源電圧VCCを補助するための電圧が、1本の電圧供給線Vs1を用いて供給される。電圧供給線Vs1は、ビアを介して正電源電圧VCCに接続されている。また、画素回路10aには、発光素子EL、EL、ELを発光させるための電圧である負電源電圧VCATHが、陰極層56によって供給されるが、実施の形態2では、この負電源電圧VCATHを補助するための電圧が、1本の電圧供給線Vs2を用いて供給される。
【0121】
電圧供給線Vs1およびサブ画素回路11Rの正電源電圧線VCCは、駆動トランジスタTDを介して発光素子ELの陽極に接続され、駆動トランジスタTDを介して発光素子ELに電圧を供給する。また、電圧供給線Vs1およびサブ画素回路11Gの正電源電圧線VCCは、駆動トランジスタTDを介して発光素子ELの陽極に接続され、駆動トランジスタTD介して発光素子ELに電圧を供給する。また、電圧供給線Vs1およびサブ画素回路11Bの正電源電圧線VCCは、駆動トランジスタTDを介して発光素子ELの陽極に接続され、駆動トランジスタTDを介して発光素子ELに電圧を供給する。
【0122】
電圧供給線Vs2は、発光素子ELの陰極に接続され、発光素子ELに電圧を供給する。また、電圧供給線Vs2は、発光素子ELの陰極に接続され、発光素子ELに電圧を供給する。また、電圧供給線Vs2は、発光素子ELの陰極に接続され、発光素子ELに電圧を供給する。
【0123】
各電圧供給線Vs1、Vs2は、第1方向d1である画面水平方向に沿って延在している。つまり、電圧供給線Vs1、Vs2は、画素回路10a内におけるサブ画素回路11R、11G、11Bの配列方向に沿って設けられている。また、複数の電圧供給線Vs1、Vs2は、第2方向d2に間隔をあけて並んで配置されている。画素回路10aにおける電圧供給線Vs1、Vs2の本数は合計2本であり、比較例1の電圧供給線Vs91、Vs92の本数(6本)に比べて少ない。
【0124】
また、各電圧供給線Vs1、Vs2は、第1方向d1および第2方向d2の両方に垂直な方向から見て、サブ画素回路11R、11G、11Bのそれぞれの領域に均等に重なっている。これにより、電圧供給線Vs1、Vs2を起因として形成される段差領域は、サブ画素回路11R、11G、11Bの領域のそれぞれに均等に設けられる。
【0125】
実施の形態2に係る表示装置1aも、第1方向d1および第1方向d1に交差する第2方向d2に沿って配置された複数の画素回路10aと、複数の画素回路10aのそれぞれに接続され、複数の画素回路10aに電圧を供給する複数の電圧供給線と、を備える。複数の画素回路10aのそれぞれは、発光素子EL、EL、ELと発光素子EL、EL、ELを発光させるために駆動するトランジスタとを有する複数のサブ画素回路11R、11G、11Bを有し、複数のサブ画素回路11R、11G、11Bは、画素回路10a内において第1方向d1に沿って配列され、複数の電圧供給線は、第1方向d1に沿って延在し、第2方向d2に間隔をあけて配置されている。
【0126】
このように、サブ画素回路11R、11G、11Bを第1方向d1に沿って配列し、電圧供給線を同じ第1方向d1に沿って延在することで、比較例1に比べて、電圧供給線の本数を減らすことが可能となる。これにより、電圧供給線に起因する段差領域の数を減らすことができ、画素回路10aの発光輝度が低下することを抑制できる。また、サブ画素回路11R、11G、11Bの配列方向と同じ方向に電圧供給線を延在させることで、1つのサブ画素回路のみに偏らずに、サブ画素回路11R、11G、11Bのそれぞれに電圧供給線を配置することができる。これにより、サブ画素回路11R、11G、11Bのそれぞれに段差領域を形成することができ、サブ画素回路11R、11G、11Bの発光輝度のばらつきを抑制することができる。
【0127】
また、第1方向d1は、複数の画素回路10aによって構成される表示パネル12aの画面水平方向であり、複数の電圧供給線のそれぞれは、当該画面水平方向に沿って延在していてもよい。
【0128】
このように、サブ画素回路11R、11G、11Bを画面水平方向に沿って配列し、電圧供給線を同じ画面水平方向に沿って延在することで、画面垂直方向に並ぶ、電圧供給線の本数を減らすことが可能となる。これにより、画素回路10aの発光輝度が低下することを抑制できる。また、画面水平方向における画素回路10aの発光輝度のばらつきを抑制することができる。
【0129】
(実施の形態3)
実施の形態3に係る表示装置1bについて説明する。実施の形態3では、サブ画素回路11R、11G、11Bが、ペンタイル方式で配列されている例について説明する。実施の形態3では、実施の形態1と同様に、表示パネル12bの画面垂直方向を第1方向d1と呼び、画面水平方向を第2方向d2と呼ぶ。
【0130】
図17は、実施の形態3に係る表示装置1bの表示パネル12bを模式的に示す平面図である。なお、図17には、画素配線レイアウト領域が破線で示されている。
【0131】
図17に示されるように、表示パネル12bは、複数の画素回路10bを有している。複数の画素回路10bは、第1方向d1および第1方向d1に交差する第2方向d2に沿って配置されている。
【0132】
各画素回路10bは、R、B、G、Gの発光色にそれぞれ対応するサブ画素回路11R、11B、11G、11Gを有している。各サブ画素回路11R、11B、11G、11Gは、有機ELの発光素子EL、EL、EL、EL、および、発光素子EL、EL、EL、ELを発光させるために駆動する複数のトランジスタを有している(図示省略)。
【0133】
サブ画素回路11R、11Bは、画素回路10b内において第1方向d1に沿って配列され、サブ画素回路11G、11Gは、画素回路10b内において第1方向d1に沿って配列されている。
【0134】
画素回路10bには、正電源電圧VCCを補助するための電圧が、電圧供給線Vs1を用いて供給される。また、画素回路10bには、負電源電圧VCATHを補助するための電圧が、電圧供給線Vs2を用いて供給される。
【0135】
各電圧供給線Vs1、Vs2は、第1方向d1である画面垂直方向に沿って延在している。電圧供給線Vs1、Vs2のうち、電圧供給線Vs2は、画素回路10b内におけるサブ画素回路11R、11Bの配列方向に沿って設けられている。また、電圧供給線Vs1は、画素回路10b内におけるサブ画素回路11G、11Gの配列方向に沿って設けられている。複数の電圧供給線Vs2、Vs1は、第2方向d2に間隔をあけて並んで配置されている。画素回路10bにおける電圧供給線Vs2、Vs1の本数は2本であり、比較例1の電圧供給線Vs91、Vs92の本数(6本)に比べて少ない。そのため、実施の形態3の表示装置1bでは、比較例1の表示装置9に比べて画素回路10bの発光輝度が低下することを抑制できる。
【0136】
また、第1方向d1および第2方向d2の両方に垂直な方向から見て、電圧供給線Vs2は、サブ画素回路11R、11Bの発光領域に均等に重なり、電圧供給線Vs1は、サブ画素回路11G、11Gの発光領域に均等に重なっている。これにより、電圧供給線Vs2、Vs1を起因として形成される段差領域は、サブ画素回路11R、11Bまたはサブ画素回路11G、11Gの発光領域のそれぞれに均等に設けられる。そのため、実施の形態3の表示装置1bでは、比較例2の表示装置9aに比べて、サブ画素回路11R、11B、11G、11Gの発光輝度のばらつきを抑制できる。
【0137】
次に、実施の形態3の変形例に係る表示装置1bについて説明する。変形例では、電圧供給線Vs2、Vs1がジグザグに設けられている例について説明する
図18は、実施の形態3の変形例に係る表示装置1bの表示パネル12bを模式的に示す平面図である。
【0138】
この変形例における表示装置1bの各電圧供給線Vs2、Vs1は、第1方向d1である画面垂直方向に沿って三角波状に、すなわちジグザグに延在している。電圧供給線Vs2は、画素回路10b内においてサブ画素回路11R、11Bの発光領域とサブ画素回路11G、11Gの発光領域との間を通るように配置されている。また、電圧供給線Vs1は、画素回路10b内においてサブ画素回路11G、11Gの発光領域とサブ画素回路11R、11Bの発光領域との間を通るように配置されている。変形例の画素回路10bにおける電圧供給線Vs2、Vs1の本数は2本であり、比較例1の電圧供給線Vs91、Vs92の本数(6本)に比べて少ない。そのため、変形例の表示装置1bでは、比較例1の表示装置9に比べて画素回路10bの発光輝度が低下することを抑制できる。
【0139】
また、第1方向d1および第2方向d2の両方に垂直な方向から見て(画面を平面視して)、電圧供給線Vs2、Vs1は、サブ画素回路11R、11B、11G、11Gの発光領域を回避するように配置されている。これにより、電圧供給線Vs2、Vs1を起因として形成される段差領域は、サブ画素回路11R、11B、11G、11Gの発光領域を回避した位置に設けられる。そのため、変形例では、実施の形態3に比べて、サブ画素回路11R、11B、11G、11Gの発光輝度が低下することをさらに抑制できる。
【0140】
(その他の実施の形態)
以上、本開示の各実施の形態に係る表示装置について説明したが、本開示は、個々の実施の形態には限定されない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本開示の一つまたは複数の態様の範囲内に含まれてもよい。
【0141】
例えば、上記説明では、画素回路10は、発光素子を発光させる表示装置として、駆動トランジスタと、初期化トランジスタと、電圧補償トランジスタと、書き込みトランジスタと、保持容量とを有する、いわゆる4Tr1Cの構成について説明した。しかし、画素回路10の構成は、これに限らず、例えば、駆動トランジスタ回路と、書き込みトランジスタと、保持容量とを有する、いわゆる2Tr1Cの構成であってもよい。
【0142】
また、各トランジスタは、例えばN型チャネルのTFT素子であるが、それに限られず、P型チャネルのTFT素子であってもよい。また、複数のトランジスタのうちの一部のトランジスタがN型チャネルのTFT素子であって、他のトランジスタがP型チャネルのTFT素子であってもよい。
【0143】
例えば、ゲートドライバ13は、図6では、表示パネル12の片側に配置されているが、両側に配置されていてもよい。ゲートドライバ13は、フリップフロップ回路を多段に接続したシフトレジスタで構成されてもよい。また、ゲートドライバ13は、CMOSトランジスタ、N型チャネルトランジスタ、およびP型チャネルトランジスタのいずれのトランジスタで構成されてもよい。
【0144】
また、データドライバ15は、表示パネル12にCOG(Chip on Glass)で実装されてもよく、COF(Chip On Film)で実装されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0145】
本開示は、表示装置として、携帯情報端末、パーソナルコンピュータ、テレビジョン受信機などの様々な映像表示装置に広く利用できる。
【符号の説明】
【0146】
1、1a、1b 表示装置
10、10a、10b 画素回路
11R、11G、11B サブ画素回路
12、12a、12b 表示パネル
13 ゲートドライバ
15 データドライバ
16 コントローラ
17 電源
50 基板
51 TFT層
53 EL層
54 陽極層
55 発光層
56 陰極層
61、62、63、64、65、66 絶縁層
71 ゲート電極
72 ドレイン電極
73 ソース電極
76 チャネル領域
77 ドレイン半導体
78 ソース半導体
85 中継配線
CS、CS、CS 保持容量
d1 第1方向
d2 第2方向
EL、EL、EL 発光素子
L0 半導体層
L1 第1配線層
L2 第2配線層
INI 初期化信号線(初期化信号)
INIc 共通初期化信号線
REF 参照信号線(参照信号)
REFc 共通参照信号線
T1、T1、T1 初期化トランジスタ
T2、T2、T2 電圧補償トランジスタ
T3、T3、T3 書き込みトランジスタ
TD、TD、TD 駆動トランジスタ
VCATH 負電源電圧線(負電源電圧)
VCC 正電源電圧線(正電源電圧)
VCCr 電圧中継線
Vdat、Vdat、Vdat、Vdat データ信号線(データ信号)
VINI 初期化電圧線(初期化電圧)
VREF 参照電圧線(参照電圧)
Vs1、Vs2 電圧供給線
WS 書き込み信号線(書き込み信号)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
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図16
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図18