IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ミサワホーム株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-非居室構造及び室内環境調整システム 図1
  • 特開-非居室構造及び室内環境調整システム 図2
  • 特開-非居室構造及び室内環境調整システム 図3
  • 特開-非居室構造及び室内環境調整システム 図4
  • 特開-非居室構造及び室内環境調整システム 図5
  • 特開-非居室構造及び室内環境調整システム 図6
  • 特開-非居室構造及び室内環境調整システム 図7
  • 特開-非居室構造及び室内環境調整システム 図8
  • 特開-非居室構造及び室内環境調整システム 図9
  • 特開-非居室構造及び室内環境調整システム 図10
  • 特開-非居室構造及び室内環境調整システム 図11
  • 特開-非居室構造及び室内環境調整システム 図12
  • 特開-非居室構造及び室内環境調整システム 図13
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022096691
(43)【公開日】2022-06-30
(54)【発明の名称】非居室構造及び室内環境調整システム
(51)【国際特許分類】
   E04H 1/12 20060101AFI20220623BHJP
   A47K 4/00 20060101ALI20220623BHJP
   E04H 1/02 20060101ALI20220623BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20220623BHJP
   H05B 47/105 20200101ALI20220623BHJP
   H05B 47/19 20200101ALI20220623BHJP
   F24F 5/00 20060101ALI20220623BHJP
   F24F 7/007 20060101ALI20220623BHJP
【FI】
E04H1/12 302A
A47K4/00
E04H1/02
H04Q9/00 301D
H05B47/105
H05B47/19
F24F5/00 101Z
F24F7/007 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020209791
(22)【出願日】2020-12-18
(71)【出願人】
【識別番号】307042385
【氏名又は名称】ミサワホーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(72)【発明者】
【氏名】太田 勇
(72)【発明者】
【氏名】水野 敬太
【テーマコード(参考)】
2D132
2E025
3K273
3L054
3L056
5K048
【Fターム(参考)】
2D132GA00
2E025AA03
2E025AA23
2E025AA25
3K273PA03
3K273QA01
3K273RA02
3K273RA05
3K273TA03
3K273TA22
3K273TA27
3K273TA28
3K273TA54
3K273TA57
3K273UA16
3K273UA17
3K273UA21
3K273VA01
3K273VA04
3L054BE03
3L056BF06
5K048AA13
5K048BA07
5K048BA08
5K048BA12
5K048DB01
5K048DC01
5K048EB02
5K048FC03
5K048FC05
5K048HA01
5K048HA02
5K048HA03
(57)【要約】
【課題】住宅内の間取りを変更することなく、住宅内に、個室空間として利用可能で、ユーザが仕事に集中しやすい環境のテレワーク室を確保する。
【解決手段】床10a,20a,30aと、複数の壁10b,20b,30bと、天井10c,20c,30cと、によって囲まれて個室空間とされた非居室10,20,30に、専用の機能を付加する専用設備11,21,31が、床10a,20a,30a又は壁10b,20b,30bに固定されて備え付けられており、非居室10,20,30は、専用設備11,21,31と共に用いられて非居室10,20,30を一時的なテレワーク室として利用可能な状態にするためのテレワーク用設備を備えており、専用設備11,21,31とテレワーク用設備のうち、少なくとも一方は、腰掛部として使用可能に構成され、少なくとも他方は、机として使用可能に構成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
床と、複数の壁と、天井と、によって囲まれて個室空間とされた非居室に、当該非居室に対して専用の機能を付加する専用設備が、前記床又は前記壁に固定されて備え付けられており、
前記非居室は、前記専用設備と共に用いられて前記非居室を一時的なテレワーク室として利用可能な状態にするためのテレワーク用設備を備えており、
前記専用設備と前記テレワーク用設備のうち、少なくとも一方は、腰掛部として使用可能に構成され、少なくとも他方は、机として使用可能に構成されていることを特徴とする非居室構造。
【請求項2】
請求項1に記載の非居室構造において、
前記非居室は、前記専用設備として洋式便器が備え付けられたトイレであり、
前記洋式便器は、前記腰掛部として使用可能に構成されており、
前記テレワーク用設備は、
非テレワーク時において前記壁又は前記天井に寄せられて収納状態とされる天板と、
前記天板を前記収納状態から前記机として使用可能な状態に移動させる移動機構と、を有することを特徴とする非居室構造。
【請求項3】
請求項2に記載の非居室構造において、
前記洋式便器は、
便器本体と、
前記便器本体の上に設けられた便座と、
前記便座の上に設けられた便器蓋部と、を有しており、
前記便器蓋部は、前記洋式便器を前記腰掛部として機能させるための座面部を備えることを特徴とする非居室構造。
【請求項4】
請求項1に記載の非居室構造において、
前記非居室は、前記専用設備として浴槽が備え付けられた浴室であり、
前記テレワーク用設備は、前記浴槽の開口の一部を被覆可能に構成されて非テレワーク時において前記浴槽の蓋として機能し、テレワーク時において前記机として使用される浴槽蓋部であり、
前記浴槽は、前記腰掛部として使用可能に構成されるとともに、前記浴槽蓋部を支持して前記机の一部として機能することを特徴とする非居室構造。
【請求項5】
請求項1に記載の非居室構造において、
前記非居室は、前記専用設備として浴槽が備え付けられた浴室であり、
前記テレワーク用設備は、
前記浴槽の開口の一部を被覆可能に構成されて非テレワーク時において前記浴槽の蓋として機能し、テレワーク時において前記腰掛部として使用される第一浴槽蓋部と、
前記浴槽の開口の他の一部を被覆可能に構成されて非テレワーク時において前記浴槽の蓋として機能し、テレワーク時において前記机として使用される第二浴槽蓋部と、
を有しており、
前記浴槽は、前記第一浴槽蓋部及び前記第二浴槽蓋部を支持して前記腰掛部の一部及び前記机の一部として機能することを特徴とする非居室構造。
【請求項6】
請求項1に記載の非居室構造において、
前記非居室は、前記専用設備として洗面台が備え付けられた洗面所であり、
前記テレワーク用設備は、
非テレワーク時において前記壁又は前記天井に寄せられて収納状態とされ、テレワーク時において前記洗面台の前方に配置されて前記腰掛部として使用される第一板部と、
前記第一板部を、前記収納状態から前記腰掛部として使用可能な状態に移動させる第一移動機構と、
非テレワーク時において前記壁又は前記天井に寄せられて収納状態とされ、テレワーク時において前記洗面台の洗面ボウルを被覆して前記机として使用される第二板部と、
前記第二板部を、前記収納状態から前記机として使用可能な状態に移動させる第二移動機構と、
を有しており、
前記洗面台は、前記第二板部を支持して前記机の一部として機能することを特徴とする非居室構造。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載の非居室構造において、
前記非居室は、テレワーク室用に室内環境を調整する室内環境調整手段として、照明装置を更に備えており、
前記照明装置は、調光機能及び/又は調色機能を有する光源部と、前記光源部の位置を調整する位置調整部と、前記光源部の角度を調整する角度調整部と、を有することを特徴とする非居室構造。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載の非居室構造において、
前記非居室は、テレワーク室用に室内環境を調整する室内環境調整手段として、冷暖房装置を更に備えており、
前記冷暖房装置は、内部の管材に高温又は低温の流体を流通させて表面から熱放射する放射冷暖房装置であることを特徴とする非居室構造。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載の非居室構造において、
前記非居室は、テレワーク室用に室内環境を調整する室内環境調整手段として、換気装置を更に備えており、
前記換気装置は、通常運転モードと、強運転モードと、を選択可能に構成されており、
前記強運転モードで稼働する場合の前記換気装置による換気量は、前記通常運転モードで稼働する場合の前記換気装置による換気量よりも多く設定されていることを特徴とする非居室構造。
【請求項10】
請求項7から9のいずれか一項に記載の非居室構造における前記非居室の室内環境を調整するための室内環境調整システムであって、
前記室内環境調整手段と、
前記室内環境調整手段と通信可能に接続されて前記室内環境調整手段の動作を制御する制御装置と、
前記制御装置と通信可能に接続され、ユーザによる操作を受け付けて前記室内環境調整手段を操作する操作端末と、を備えており、
前記制御装置は、
前記室内環境調整手段の運転スケジュールを設定するスケジュール設定部を有することを特徴とする室内環境調整システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非居室構造及び室内環境調整システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、省エネやワークライフバランス等を目的とし、様々な企業においても、また社会的にもテレワークが推奨されている。また、住宅内に、花粉や黄砂、ウイルス等を極力持ち込まないようにするためにもテレワークの需要が高まっている。
例えば特許文献1には、オフィス機器の他、テレワークを補助するシステムを導入することで、サテライトオフィスとして機能するワーキングゾーンが設けられた住宅が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-113616号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、テレワーク需要の高まりに応じ、住宅内でテレワーク室の創出の必要性が増している。しかしながら、マンションや部屋数が少ない住宅においては、作業スペースは何とか確保できたとしても、個室空間を確保することが難しい場合がある。
また、個室空間を確保するにあたって、住宅内の間取りを変更するとなると多大なコストがかかるため、住宅内の間取りを変更せずに、テレワーク室として利用できる個室空間を確保することが望まれている。加えて、テレワーク室は、ユーザが仕事に集中しやすい環境であることが求められている。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その課題は、住宅内の間取りを変更することなく、住宅内に、個室空間として利用可能で、ユーザが仕事に集中しやすい環境のテレワーク室を確保することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、例えば図1図13に示すように、床10a,20a,30aと、複数の壁10b,20b,30bと、天井10c,20c,30cと、によって囲まれて個室空間とされた非居室10,20,30に、当該非居室10,20,30に対して専用の機能を付加する専用設備11,21,31が、前記床10a,20a,30a又は前記壁10b,20b,30bに固定されて備え付けられており、
前記非居室10,20,30は、前記専用設備11,21,31と共に用いられて前記非居室10,20,30を一時的なテレワーク室として利用可能な状態にするためのテレワーク用設備を備えており、
前記専用設備11,21,31と前記テレワーク用設備のうち、少なくとも一方は、腰掛部として使用可能に構成され、少なくとも他方は、机として使用可能に構成されていることを特徴とする。
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、専用設備11,21,31が備え付けられて専用の機能が付加された非居室10,20,30が、専用設備11,21,31と共に用いられて非居室10,20,30を一時的なテレワーク室として利用可能な状態にするためのテレワーク用設備を備えており、専用設備11,21,31とテレワーク用設備のうち、少なくとも一方は、腰掛部として使用可能に構成され、少なくとも他方は、机として使用可能に構成されているので、腰掛部及び机を確保でき、住宅内の間取りを変更することなく、非居室10,20,30をテレワーク室として利用することができる。そして、このように腰掛部及び机が確保された非居室10,20,30は、床10a,20a,30aと、複数の壁10b,20b,30bと、天井10c,20c,30cと、によって囲まれて個室空間とされているので、住宅内に、個室空間として利用可能で、ユーザが仕事に集中しやすい環境のテレワーク室を確保することができる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、例えば図1図7に示すように、請求項1に記載の非居室構造において、
前記非居室は、前記専用設備として洋式便器11が備え付けられたトイレ10であり、
前記洋式便器11は、前記腰掛部として使用可能に構成されており、
前記テレワーク用設備は、
非テレワーク時において前記壁10b又は前記天井10cに寄せられて収納状態とされる天板13と、
前記天板13を前記収納状態から前記机として使用可能な状態に移動させる移動機構14と、を有することを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明によれば、腰掛部として使用可能に構成された専用設備としての洋式便器11が備え付けられたトイレ10を、住宅内の間取りを変更することなく、テレワーク室として利用することができる。
さらに、テレワーク用設備は、非テレワーク時において壁10b又は天井10cに寄せられて収納状態とされる天板13と、天板13を収納状態から机として使用可能な状態に移動させる移動機構14と、を有するので、テレワーク時には机を確保できてユーザが仕事に集中しやすい環境を形成でき、非テレワーク時には天板13を収納できてトイレ10で用を足す際の妨げにならない。
【0010】
請求項3に記載の発明は、例えば図1図7に示すように、請求項2に記載の非居室構造において、
前記洋式便器11は、
便器本体11aと、
前記便器本体11aの上に設けられた便座11bと、
前記便座11bの上に設けられた便器蓋部12と、を有しており、
前記便器蓋部12は、前記洋式便器11を前記腰掛部として機能させるための座面部(座面部12a)を備えることを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明によれば、便座11bの上に設けられた便器蓋部12は、洋式便器11を腰掛部として機能させるための座面部(座面部12a)を備えるので、テレワーク時に着座しやすく、椅子などの腰掛けを別途用意せずに済む。
【0012】
請求項4に記載の発明は、例えば図9図11に示すように、請求項1に記載の非居室構造において、
前記非居室は、前記専用設備として浴槽21が備え付けられた浴室20であり、
前記テレワーク用設備は、前記浴槽21の開口の一部を被覆可能に構成されて非テレワーク時において前記浴槽21の蓋として機能し、テレワーク時において前記机として使用される浴槽蓋部23であり、
前記浴槽21は、前記腰掛部として使用可能に構成されるとともに、前記浴槽蓋部23を支持して前記机の一部として機能することを特徴とする。
【0013】
請求項4に記載の発明によれば、腰掛部として使用可能に構成されるとともに、浴槽蓋部23を支持して机の一部として機能する専用設備としての浴槽21が備え付けられた浴室20を、住宅内の間取りを変更することなく、テレワーク室として利用することができる。
さらに、テレワーク用設備は、浴槽21の開口の一部を被覆可能に構成されて非テレワーク時において浴槽の蓋として機能し、テレワーク時において机として使用される浴槽蓋部23であるため、テレワーク時には机を確保できてユーザが仕事に集中しやすい環境を形成でき、非テレワーク時には、浴槽21の開口を被覆することができる。
【0014】
請求項5に記載の発明は、例えば図12に示すように、請求項1に記載の非居室構造において、
前記非居室は、前記専用設備として浴槽21Dが備え付けられた浴室20Dであり、
前記テレワーク用設備は、
前記浴槽21Dの開口の一部を被覆可能に構成されて非テレワーク時において前記浴槽21Dの蓋として機能し、テレワーク時において前記腰掛部として使用される第一浴槽蓋部23D1と、
前記浴槽21Dの開口の他の一部を被覆可能に構成されて非テレワーク時において前記浴槽の蓋として機能し、テレワーク時において前記机として使用される第二浴槽蓋部23D2と、
を有しており、
前記浴槽21Dは、前記第一浴槽蓋部23D1及び前記第二浴槽蓋部23D2を支持して前記腰掛部の一部及び前記机の一部として機能することを特徴とする。
【0015】
請求項5に記載の発明によれば、第一浴槽蓋部23D1及び第二浴槽蓋部23D2を支持して腰掛部の一部及び机の一部として機能する専用設備としての浴槽21Dが備え付けられた浴室20Dを、住宅内の間取りを変更することなく、テレワーク室として利用することができる。
さらに、テレワーク用設備は、浴槽21Dの開口の一部を被覆可能に構成されて非テレワーク時において浴槽の蓋として機能し、テレワーク時において腰掛部として使用される第一浴槽蓋部23D1と、浴槽21Dの開口の他の一部を被覆可能に構成されて非テレワーク時において浴槽の蓋として機能し、テレワーク時において机として使用される第二浴槽蓋部23D2と、を有するので、テレワーク時には腰掛部及び机を確保できてユーザが仕事に集中しやすい環境を形成でき、非テレワーク時には、浴槽21Dの開口を被覆することができる。
【0016】
請求項6に記載の発明は、例えば図13に示すように、請求項1に記載の非居室構造において、
前記非居室は、前記専用設備として洗面台31が備え付けられた洗面所30であり、
前記テレワーク用設備は、
非テレワーク時において前記壁30b又は前記天井30cに寄せられて収納状態とされ、テレワーク時において前記洗面台31の前方に配置されて前記腰掛部として使用される第一板部33と、
前記第一板部33を、前記収納状態から前記腰掛部として使用可能な状態に移動させる第一移動機構34と、
非テレワーク時において前記壁30b又は前記天井30cに寄せられて収納状態とされ、テレワーク時において前記洗面台31の洗面ボウル31bを被覆して前記机として使用される第二板部35と、
前記第二板部35を、前記収納状態から前記机として使用可能な状態に移動させる第二移動機構36と、
を有しており、
前記洗面台31は、前記第二板部35を支持して前記机の一部として機能することを特徴とする。
【0017】
請求項6に記載の発明によれば、第二板部35を支持して机の一部として機能する専用設備としての洗面台31が備え付けられた洗面所30を、住宅内の間取りを変更することなく、テレワーク室として利用することができる。
さらに、テレワーク用設備は、非テレワーク時において壁30b又は天井30cに寄せられて収納状態とされ、テレワーク時において洗面台31の前方に配置されて腰掛部として使用される第一板部33と、第一板部33を、収納状態から腰掛部として使用可能な状態に移動させる第一移動機構34と、非テレワーク時において壁30b又は天井30cに寄せられて収納状態とされ、テレワーク時において洗面台31の洗面ボウル31bを被覆して机として使用される第二板部35と、第二板部35を、収納状態から机として使用可能な状態に移動させる第二移動機構36と、を有するので、テレワーク時には腰掛部及び机を確保できてユーザが仕事に集中しやすい環境を形成でき、非テレワーク時には、第一板部33及び第二板部35を収納できて洗面台31の使用が妨げられない。
【0018】
請求項7に記載の発明は、例えば図7図8に示すように、請求項1から6のいずれか一項に記載の非居室構造において、
前記非居室10,20,30は、テレワーク室用に室内環境を調整する室内環境調整手段として、照明装置16を更に備えており、
前記照明装置16は、調光機能及び/又は調色機能を有する光源部16aと、前記光源部16aの位置を調整する位置調整部16bと、前記光源部16aの角度を調整する角度調整部16cと、を有する。
【0019】
請求項7に記載の発明によれば、照明装置16は、調光機能及び/又は調色機能を有する光源部16aと、光源部16aの位置を調整する位置調整部16bと、光源部16aの角度を調整する角度調整部16cと、を有するので、光源部16aを調光・調色したり、光源部16aの位置を調整したり、光源部16aの角度を調整することで、非居室10,20,30における光環境をテレワーク室用に調整でき、ユーザが仕事に集中しやすい環境を形成することができる。
さらに、照明装置16における光源部16aの位置や角度を調整するとともに、調光機能や調色機能によって光の具合を適宜調整することにより、例えば非居室10,20,30内でテレビ会議を行う際に、テレビ会議の相手が見るユーザの顔の見映えを良くすることができる。
【0020】
請求項8に記載の発明は、例えば図7図8に示すように、請求項1から7のいずれか一項に記載の非居室構造において、
前記非居室10,20,30は、テレワーク室用に室内環境を調整する室内環境調整手段として、冷暖房装置17を更に備えており、
前記冷暖房装置17は、内部の管材17aに高温又は低温の流体を流通させて表面から熱放射する放射冷暖房装置であることを特徴とする。
【0021】
請求項8に記載の発明によれば、冷暖房装置17は、内部の管材17aに高温又は低温の流体を流通させて表面から熱放射する放射冷暖房装置であるため、放射冷暖房装置から暖気や冷気を放射することで、非居室10,20,30における温熱環境をテレワーク室用に調整でき、ユーザが仕事に集中しやすい環境を形成することができる。
さらに、冷暖房装置17が壁放射冷暖房装置であるため、気流が発生せず、例えばウイルスや菌、埃などが拡散しにくくなる。これにより、非居室10,20,30における空気環境を清浄に保つことができる。
【0022】
請求項9に記載の発明は、例えば図7図8に示すように、請求項1から8のいずれか一項に記載の非居室構造において、
前記非居室10,20,30は、テレワーク室用に室内環境を調整する室内環境調整手段として、換気装置18を更に備えており、
前記換気装置18は、通常運転モードと、強運転モードと、を選択可能に構成されており、
前記強運転モードで稼働する場合の前記換気装置18による換気量は、前記通常運転モードで稼働する場合の前記換気装置18による換気量よりも多く設定されていることを特徴とする。
【0023】
請求項9に記載の発明によれば、換気装置18は、通常運転モードと、強運転モードと、を選択可能に構成されており、強運転モードで稼働する場合の換気装置18による換気量は、通常運転モードで稼働する場合の換気装置18による換気量よりも多く設定されているので、強運転モードで換気装置18を稼働させれば、例えば花粉や黄砂、臭気、湿気、埃、ウイルス等を効果的に屋外に効果的に排出でき、非居室10,20,30における空気環境をテレワーク室用に調整でき、ユーザが仕事に集中しやすい環境を形成することができる。
非居室10,20,30に対しては、一時的なテレワーク室として利用しても問題ない空気環境にすることが求められるが、仮に、強運転モードで稼働する場合の換気装置18による換気量を、テレワーク室に求められる換気量の基準を満たす値に設定すれば、このような換気装置18によって、非居室10,20,30を、一時的なテレワーク室として利用しても問題ない空気環境にすることができる。
【0024】
請求項10に記載の発明は、例えば図8に示すように、請求項7から9のいずれか一項に記載の非居室構造における前記非居室10,20,30の室内環境を調整するための室内環境調整システムであって、
前記室内環境調整手段16,17,18と、
前記室内環境調整手段16,17,18と通信可能に接続されて前記室内環境調整手段16,17,18の動作を制御する制御装置40と、
前記制御装置40と通信可能に接続され、ユーザによる操作を受け付けて前記室内環境調整手段16,17,18を操作する操作端末SPと、を備えており、
前記制御装置40は、
前記室内環境調整手段16,17,18の運転スケジュールを設定するスケジュール設定部43を有することを特徴とする。
【0025】
請求項10に記載の発明によれば、室内環境調整手段16,17,18と通信可能に接続されて室内環境調整手段16,17,18の動作を制御する制御装置40と、制御装置40と通信可能に接続され、ユーザによる操作を受け付けて室内環境調整手段16,17,18を操作する操作端末SPを有するので、ユーザは、操作端末SPからの操作によって、室内環境調整手段16,17,18を任意に操作することができる。
さらに、このような制御装置40は、室内環境調整手段16,17,18の運転スケジュールを設定するスケジュール設定部43を有するので、スケジュール設定部43から設定した運転スケジュールに基づいて室内環境調整手段16,17,18の運転を制御できる。これにより、事前に設定した運転スケジュールに基づいて、非居室10,20,30の室内環境をテレワーク室用に調整できるので、ユーザが仕事に集中しやすい環境を事前に形成しておくことができる。したがって、スケジュール設定部43から事前に運転スケジュールを設定しておけば、ユーザは、仕事に集中しやすい環境でテレワークを行うことができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、住宅内の間取りを変更することなく、住宅内に、個室空間として利用可能で、ユーザが仕事に集中しやすい環境のテレワーク室を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】トイレをテレワーク室として利用する例を説明する図である。
図2】トイレをテレワーク室として利用する例を説明する図である。
図3】トイレをテレワーク室として利用する例を説明する図である。
図4】トイレをテレワーク室として利用する例を説明する図である。
図5】腰掛部として機能する洋式便器の例を説明する図である。
図6】腰掛部として機能する洋式便器の例を説明する図である。
図7】トイレに設けられた室内環境調整手段の例を説明する図である。
図8】室内環境調整システムの例を説明する図である。
図9】浴室をテレワーク室として利用する例を説明する図である。
図10】浴室をテレワーク室として利用する例を説明する図である。
図11】浴室をテレワーク室として利用する例を説明する図である。
図12】浴室をテレワーク室として利用する例を説明する図である。
図13】洗面所をテレワーク室として利用する例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。ただし、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の技術的範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。また、以下に挙げる実施形態及び図示例は可能な限り組み合わせてもよい。
また、以下の説明においては、共通する要素については共通の符号を付し、重複する説明を省略又は簡略する。
【0029】
〔第1実施形態〕
本実施形態における非居室は、トイレ10である。トイレ10は、図1図6に示すように、床10aと、複数の壁10bと、天井10cと、によって囲まれて個室空間とされている。トイレ10には、当該トイレ10に対して専用の機能を付加する専用設備が、床10a又は壁10bに固定されて備え付けられている。
すなわち、床10aと壁10bと天井10cとで囲まれた個室空間を、トイレ10たらしめるものとして、専用設備が備え付けの状態で設けられている。そして、その専用設備は、洋式便器11とされている。
【0030】
トイレ10は、専用設備である洋式便器11と共に用いられて、トイレ10を一時的なテレワーク室として利用可能な状態にするためのテレワーク用設備を備える。すなわち、トイレ10は、専用設備とテレワーク用設備とを備えている。
そして、専用設備である洋式便器11とテレワーク用設備のうち、少なくとも一方は、腰掛部として使用可能に構成され、少なくとも他方は、机として使用可能に構成されている。
【0031】
専用設備である洋式便器11は、元来、座るためのものであるから腰掛部として使用可能に構成されている。
洋式便器11は、本実施形態においてはタンクレスタイプが採用されており、便器本体11aと、便器本体11aの上に設けられた便座11bと、便座11bの上に設けられた便器蓋部12と、を有している。
そして、便座11bの上面又は便器蓋部12の上面が、テレワーク時にユーザが着座する座面部とされるが、テレワーク時にユーザが着座するのに適した専用の座面部を備えていてもよい(図5図6の便器蓋部12E,12F参照)。
なお、便器蓋部12の上面を、テレワーク時にユーザが着座する座面部とする場合は、便器蓋部12における内側(便座11b側)の面に、例えばリブやビード等の補強構造を設けたり、厚みのある木製の板材を使用したりするなどして便器蓋部12の補強を行うことが望ましい。
【0032】
テレワーク用設備は、天板13と、移動機構14と、を少なくとも有する。
天板13は、非テレワーク時において壁10b又は天井10cに寄せられて収納状態とされる。
移動機構14は、天板13を収納状態から机として使用可能な状態に移動させるための機構であり、天板13を回転させる回転機構や、天板13を昇降させる昇降機構、天板13をスライドさせるスライド機構が適宜採用される。
なお、移動機構14は、天板13を動かせるようにするための機構であるため、可動機構と称してもよい。
【0033】
天板13は、テレワーク時においては、移動機構14によって移動させられ、洋式便器11の前方であって、かつ洋式便器11よりも上方の位置に配置される。
より詳細には、通常の机と椅子のような位置関係となるように、天板13は、洋式便器11の座面部の高さ位置に合わせてその高さ位置が決められていることが望ましい。
なお、本実施形態においては、床10aから天板13の上面までの高さが700ミリメートル程度に設定されている。
【0034】
天板13の上面には、例えば軽量かつ小型の持ち歩きに適したノートパソコンが載せられ、更にユーザの手(腕)も載せられることが少なくとも想定される。そのため、移動機構14に対し、天板13に載せられるものの重さを想定した剛性に優れる機構が採用されるか、移動機構14と共に天板13を支持し得る支持手段(図3図4の脚部15C,15Dを参照)が併用されるものとする。
【0035】
トイレ10を構成する複数の壁10bのうち、いずれか一つの壁10bには出入口が形成され、その出入口には、当該出入口を開閉する建具が設けられている。そのため、天板13及び移動機構14は、出入口の人の通過や建具の開閉動作を妨害しない位置に設けられている。なお、建具は、トイレ10内に向かって開閉動作するものではなく、トイレ10外に向かって開閉動作するものである。
【0036】
非テレワーク時においては天板13が、移動機構14に基づく動作によって移動され、壁10b又は天井10cに寄せられて収納状態とされる。このとき、洋式便器11は、天板13によって妨げられずに通常使用することができる。
テレワーク時においては天板13が、移動機構14に基づく動作によって移動され、収納状態から机として使用可能な状態となる。そして、ユーザは、洋式便器11を腰掛部として使用し、天板13の上面を使用してテレワーク(仕事)を行う。
これにより、個室空間の非居室であるトイレ10を、一時的なテレワーク室として利用することができる。
【0037】
また、本実施形態においては腰掛部として、上記のように、タンクレスの洋式便器11が採用されている。そのため、天板13の上面にノートパソコンを置き、ノートパソコンに内蔵されたカメラを用いてテレビ会議を行う際に、タンクが映り込むことがない。これにより、ユーザがどのような場所(すなわち、トイレ10)でテレワークを行っているかを、テレビ会議の相手が判別することが難しくなるという利点がある。
【0038】
さらに、トイレ10は、テレワーク室用に室内環境を調整するための室内環境調整手段として、照明装置16や冷暖房装置17、換気装置18を備えていてもよい(図7図8の照明装置16G、冷暖房装置17G、換気装置18Gを参照)。
【0039】
なお、ユーザとは、専用設備が備え付けられて個室空間とされた非居室を、一時的なテレワーク室として利用する人を指しており、仕事を行う人を指すのはもちろんのこと、広義には、各種学校や資格スクール等のオンライン授業を受けたり、その他のオンライン講座を受けたりする人も指すものとする。したがって、ユーザには、大人も子供も含まれるものとする。
【0040】
図1に示す実施例)
図1のトイレ10(10A)は、専用設備である洋式便器11と共に用いられるテレワーク用設備を備えている。このテレワーク用設備は、天板13(13A)と、移動機構14(14A)を有する。
【0041】
天板13Aは、矩形板状に形成されており、非テレワーク時において、洋式便器11横に位置する壁10bに寄せられて収納状態とされる。
移動機構14Aは、天板13Aをその収納状態から机として使用可能な状態に移動させる回転機構であり、この回転機構14Aは、トイレットペーパーホルダー141の棚上面に対し、上面が面一な状態で設けられた棚部140の縁部に設けられている。棚部140及びトイレットペーパーホルダー141は、洋式便器11横に位置する壁10bに取り付けられている。
【0042】
本実施形態における回転機構14Aとしては、例えば蝶番が採用されるが、これに限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0043】
すなわち、天板13Aは、棚部140側の側端部が、回転機構14Aを介して棚部140の縁部に回転可能に取り付けられており、テレワーク時には、上方に向かって回転移動させられて水平に配置される。
また、図示はしないが、天板13Aの水平状態を維持するため、移動機構14Aと共に天板13Aを支持し得る支持手段が併用されている。
【0044】
本実施形態における支持手段としては、床10a上に設けられる脚部(図3図4の脚部15C,15Dを参照)を採用してもよいし、壁10bから張り出して天板13Aを下方から支持するブラケット(持ち送り)でもよい。ブラケットは壁10b側に折りたたんで寄せて収納状態とすることが可能な構成となっている。
【0045】
天板13Aは、収納状態から机として使用可能な状態(水平に配置された状態)に移動させられたときの上面が、棚部140の上面と面一になる。
【0046】
また、図1のトイレ10Aは、洋式便器11の正面に位置する壁10bに設けられたモニター100を備えている。モニター100は、ノートパソコンと通信可能に接続できるものであり、ノートパソコンの表示部に表示された画像を映し出せるようになっている。
なお、このモニター100に代えて、プロジェクターから投射された画面を投影するスクリーンを設けてもよい。
【0047】
図2に示す実施例)
図2のトイレ10(10B)は、専用設備である洋式便器11と共に用いられるテレワーク用設備を備えている。このテレワーク用設備は、天板13(13B)と、移動機構を有する。
【0048】
天板13Bは、矩形板状に形成されており、非テレワーク時において天井10cに寄せられて収納状態とされる。
移動機構は、図示はしないが、天板13Bをその収納状態から机として使用可能な状態に移動させる昇降機構であり、この昇降機構は、洋式便器11横の壁10bに対し、上下方向に長尺に設けられている。
【0049】
本実施形態における昇降機構としては、例えば、天板13Bの側端部に固定されたスライダー部と、このスライダー部が走行可能に設けられたガイドレール部と、を備えるものが採用されるが、これに限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
なお、スライダー部は、ガイドレール部の長さ方向における任意の位置で一時的に固定できるようにしてもよいし、ガイドレール部の上端部と下端部でのみ停止できる構成としてもよい。
【0050】
すなわち、天板13Bは、テレワーク時には、昇降機構によって天井10cから下方に降ろされて所定の高さ位置で水平に配置される。
また、図示はしないが、天板13Bの水平状態を維持するため、移動機構と共に天板13Bを支持し得る支持手段が併用されている。
【0051】
トイレ10Bの天井10cには照明装置16(16B)が設けられており、天井10cに寄せられて収納状態とされる天板13Bには、照明装置16Bの位置に対応して貫通孔13aが形成されている。照明装置16Bの光は、貫通孔13aを通過してトイレ10B内に注がれることになる。
天板13Bを、昇降機構によって天井10cから下方に降ろした際は、貫通孔13aをドリンクホルダーとして利用することが可能となっている。
【0052】
図3に示す実施例)
図3のトイレ10(10C)は、専用設備である洋式便器11と共に用いられるテレワーク用設備を備えている。このテレワーク用設備は、天板13(13C)と、移動機構を有する。
【0053】
天板13Cは、矩形板状に形成されており、非テレワーク時において壁10b又は天井10cに寄せられて収納状態とされる。
移動機構は、特に限定されるものではなく、回転機構や昇降機構、スライド機構が適宜採用される。
【0054】
天板13Cは、テレワーク時には、移動機構によって壁10b又は天井10cから移動させられて水平に配置される。
そして、本実施例おいて、天板13Cは、洋式便器11横に位置する一方の壁10bに取り付けられた棚部140と、他方の壁10b付近に設けられた脚部15Cと、に架け渡されて下方から支持されている。
脚部15Cは、図示のように、出入口の人の通過や建具の開閉動作を妨害しない位置に設けられているか、天板13Cの下面に取り付けられた状態とされていてもよい。
【0055】
図4に示す実施例)
図4のトイレ10(10D)は、専用設備である洋式便器11と共に用いられるテレワーク用設備を備えている。このテレワーク用設備は、天板13(13D)と、移動機構14(14D)を有する。
【0056】
天板13Dは、矩形板状に形成されており、非テレワーク時において、洋式便器11正面に位置する壁10bに寄せられて収納状態とされる。
移動機構14Dは、天板13Dをその収納状態から机として使用可能な状態に移動させる回転機構であり、この回転機構14Dは、洋式便器11正面に位置する壁10bに取り付けられている。
【0057】
天板13Dは、洋式便器11正面に位置する壁10b側の端部が、回転機構14Dを介して壁10bに回転可能に取り付けられている。
また、天板13Dのうち洋式便器11側の端部における下面には、回転軸部を介して回転可能に連結された脚部15(15D)が設けられている。
【0058】
本実施形態における回転機構14Dは、例えば、壁10bに取り付けられて回転軸を有し、この回転軸を介して、天板13Dにおける壁10b側端部に連結された構成となっている。ただし、このような構成に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0059】
天板13Dは、下面に脚部15Dが設けられているため、非テレワーク時においては上方に向かって回転移動させられ、壁10bに寄せられて収納状態とされる。一方、テレワーク時には、壁10bから下方に向かって回転移動させられて水平に配置される。
また、脚部15Dは、非テレワーク時においては、天板13Dの下面(天板13Dが収納状態とされたときの洋式便器11側面)に接するように折りたたまれる。そして、テレワーク時においては回転して展開し、床10a上に立設される。
【0060】
洋式便器11における便器蓋部12の上面を座面部とする場合、ユーザは、便座11bに座るときよりも上方に座る状態となり、テレワーク時においては足が床10aに届きにくい場合がある。
そのため、脚部15Dはユーザの足を置くことができる足置き部15aを備える。より詳細に説明すると、脚部15Dは複数本からなり、当該複数本の脚部15D間に足置き部15aが設けられた構成となっている。足置き部15aは、トイレ10Dをテレワーク室として利用する頻度の高いユーザの足の高さ位置に合わせて複数の脚部15D間に設けられるものとするが、これに限られるものではなく、複数のユーザ(大人と子供)の足の高さ位置に合わせられるようにしてもよい。すなわち、複数の足置き部15aをあたかも梯子状に設けるようにしてもよいし、足置き部15aの高さを調整する高さ調整機構が複数の脚部15Dに備えられてもよい。
ユーザは、洋式便器11における便器蓋部12の上面を座面部とする場合は、足置き部15aに足を乗せてテレワークを行うことができる。
【0061】
図5に示す実施例)
図5の洋式便器11(11E)は、タンクレスタイプであり、便器本体11aと、便器本体11aの上に設けられた便座11bと、便座11bの上に設けられた便器蓋部12(12E)と、を有している。
【0062】
ところで、便座11bの上に設けられる便器蓋部12は、通常、人が着座することを想定していない。そのため、便器蓋部12の上面を座面部にして一時的にテレワークを行うことは可能ではあるものの、便器蓋部12の上面を恒常的に座面部とすることは避けたいという要望がある。
そこで、本実施例における便器蓋部12Eは、洋式便器11Eを腰掛部として機能させるための座面部12aと、この座面部12aの上に設けられた補助蓋部12bと、を備えている。
【0063】
座面部12aは、便器蓋部12Eの本体部として機能するとともに、上面が平らに形成されて座面を構成している。すなわち、座面部12aには、便座11bのように開口部が形成されていない。このような座面部12aの上面には、クッション性のある部材を設けてもよいし、臀部の形状に合わせて凹凸が形成されてもよい。
また、座面部12aは、便器本体11aに対し、基端部が回転可能に連結されており、補助蓋部12bごと回転移動できるようになっている。
【0064】
補助蓋部12bは、座面部12aの基端部に対して回転可能に連結されており、開くことによって座面部12aを露出させたり、閉じることによって座面部12aを被覆したりすることができる。
このような補助蓋部12bは、開いて座面部12aを露出させたときに、背もたれとして機能させてもよい。
【0065】
本実施例における洋式便器11Eは、便器蓋部12Eが、洋式便器11Eを腰掛部として機能させるための座面部12aを備えるので、便器蓋部12の上面(本実施例では補助蓋部12bの上面)を座面として用いることを避けることができる。
【0066】
図6に示す実施例)
図6の洋式便器11(11F)は、タンクレスタイプであり、便器本体11aと、便器本体11aの上に設けられた便座11bと、便座11bの上に設けられた便器蓋部12(12F)と、背もたれ部120と、を有している。
【0067】
ところで、便座11bの上に設けられる便器蓋部12は、通常、人が着座することを想定していない。そのため、便器蓋部12の上面における座り心地を向上させたいという要望がある。
そこで、本実施例における便器蓋部12Fは、上面が、水平か、若しくは水平に近い状態に形成されている。さらに、便器本体11aの後端部上面に、上記の背もたれ部120が設けられている。
【0068】
便器蓋部12Fは、当該便器蓋部12Fにおける内側(便座11b側)の面に、例えばリブやビード等の補強構造を設けられるなどして補強されている。すなわち、このように補強構造が設けられることで便器蓋部12Fの剛性を向上できるので、着座したときの安定感が増し、座り心地を向上させることができる。
【0069】
そして、このような便器蓋部12Fの上面は、洋式便器11Fを腰掛部として機能させるための座面部とされており、かつ、上記のように水平か、若しくは水平に近い状態に形成されているので、傾斜角度が急な場合に比して座り心地が良い。
【0070】
背もたれ部120は、便器本体11aの後端部上面に立設されて上下方向に長尺な背もたれ部本体121と、この背もたれ部本体121の前面に設けられたクッション部122と、を備える。
【0071】
テレワーク時において洋式便器11Fを使用するユーザは、便器蓋部12Fの上面を座面部として着座し、必要に応じて背もたれ部120を使用する。これにより、便器蓋部12Fの上面における座り心地を向上させることができる。
【0072】
なお、非テレワーク時においては、図6(a)の二点鎖線で示すように、便器蓋部12Fを上げて用を足すことになるが、その際に、便器蓋部12Fの前端部がクッション部122に当たってしまうと、便器蓋部12Fを後方に向かって十分に傾けられない場合がある。そのような問題を解決するため、クッション部122には、図6(b)に示すように、便器蓋部12Fの前端部が収まる凹部122aが形成されている。
凹部122aは、図6(b)のように、便器蓋部12Fの前端部の形状に合わせて切り欠かれた形状となっていてもよいし、後方に向かって凹んだ(窪んだ)状態に形成されてもよい。
また、本実施形態においては、クッション部122のみが凹部122aを備えるものとしたが、背もたれ部本体121にも凹部が形成されてもよいし、背もたれ部120自体が、上にあげられた便器蓋部12Fが収まるようなアーチ状に形成されてもよい。
【0073】
(室内環境調整手段)
図7のトイレ10(10G)は、テレワーク室用に室内環境を調整するための室内環境調整手段として、照明装置16(16G)と、冷暖房装置17(17G)と、換気装置18(18G)と、を備えている。本実施形態におけるトイレ10Gは、これら三つの装置16G,17G,18Gを備えているが、少なくともいずれか一つの装置を備えるものとしてもよい。
【0074】
まず、照明装置16Gについて説明する。
照明装置16Gは、トイレ10Gの天井10cに設けられており、調光機能及び/又は調色機能を有する光源部16aと、光源部16aの位置を調整する位置調整部16bと、光源部16aの角度を調整する角度調整部16cと、を有する。
【0075】
光源部16aは、調光機能及び/又は調色機能を有するが、調光機能や調色機能の操作は、光源部16aと通信可能に接続(無線又は有線)されたリモコンや、無線接続されたスマートフォンによって行うことができる。
このような光源部16aは、天井10cの中央が通常時(非テレワーク時)の配置位置とされている。
【0076】
位置調整部16bは、光源部16aを保持するスライダー部と、このスライダー部が走行可能に設けられたガイドレール部と、を備えている。
ガイドレール部は、光源部16aを、通常時(非テレワーク時)の配置位置から、洋式便器11に着座するユーザの顔に向かって光を照射しやすい位置に光源部16aの位置を調整できるように構成されている。より具体的に説明すると、光源部16aの通常時の配置位置は上記のように天井10cの中央とされており、光源部16aは、この通常時の配置位置から、洋式便器11と反対側の方向(洋式便器11から遠ざかる方向)に移動される。
なお、スライダー部は、当該スライダー部をガイドレール部に沿って走行させるための駆動部(図示省略)を備えており、この駆動部に通信可能に接続(無線又は有線)されたリモコンやスマートフォンから操作できるようになっている。
【0077】
角度調整部16cは、本実施形態においては位置調整部16bのスライダー部に設けられているものとする。光源部16aは、角度調整部16cによって角度を調整することができるので、光の照射方向を調整することができる。
なお、角度調整部16cも、当該角度調整部16cを作動させるための駆動部(図示省略)を備えており、この駆動部に通信可能に接続(無線又は有線)されたリモコンやスマートフォンから操作できるようになっている。
【0078】
なお、光源部16aは、本実施形態においては、調光機能及び/又は調色機能を有するものとしたが、調光機能及び/又は調色機能を有しない通常の光源部であってもよい。
また、本実施形態における照明装置16Gは、光源部16aの他に、位置調整部16bと角度調整部16cを有するものとしたが、いずれか一方を備えないものとしてもよい。
さらに、光源部16aの通常時の配置位置は、天井10cの中央であるとしたが、天井10cの中央でなくてもよいし、壁10bに設けられるものとしてもよい。壁10bに光源部16aが設けられる場合は、位置調整部16bによって光源部16aを上下及び/又は左右に位置調整できるようになっている。
加えて、光源部16aを調整するためのリモコンや、位置調整部16bを動作させるためのリモコン、角度調整部16cを動作させるためのリモコンは、同一のものであってもよい。
【0079】
照明装置16Gは、位置調整部16b及び角度調整部16cを備えることにより、光源部16aの位置と角度を調整でき、ユーザの顔に向かって光を照射しやすくすることができる。また、光源部16aは、調光機能及び/又は調色機能を有するので、ユーザの顔に向かって照射される光の具合を調整することができる。これにより、例えばトイレ10G内でテレビ会議を行う際に、テレビ会議の相手が見るユーザの顔の見映えを良くすることができる。
【0080】
次に、冷暖房装置17Gについて説明する。
冷暖房装置17Gは、内部の管材17aに高温又は低温の流体を流通させて表面から熱放射する放射冷暖房装置とされており、洋式便器11正面の壁10bに接して設けられている。
流体としては、例えば、水又は不凍液(例えば、エチレングリコールなど)が用いられている。水は加熱冷却が容易であり、配管などのメンテナンスにおいても好適な流体である。
【0081】
冷暖房装置17Gは、洋式便器11正面の壁10bに対して固定されて一体的な状態となっている。
より詳細に説明すると、本実施形態における冷暖房装置17Gは、テレワーク用設備を構成する天板13よりも下方に位置するように設けられている。このような冷暖房装置17Gが設けられることにより、テレワーク時や非テレワーク時にかかわらず、トイレ10G内の温熱環境を適宜調整できるとともに、例えば冬期には、テレワーク時においてユーザの足元を温めることができる。
ただし、これに限られるものではなく、洋式便器11正面の壁10bの全面に亘って冷暖房装置17Gが設けられてもよいし、その他の壁10bに沿って冷暖房装置17Gが設けられてもよい。
【0082】
また、冷暖房装置17Gは、内部の管材に流体を流通させたり、流体の温度を調整したりする等の動作を制御するための制御部(図示省略)を備えている。以上のような冷暖房装置17Gの動作は、当該制御部と通信可能に接続(無線又は有線)されたリモコンや、無線接続されたスマートフォンによって操作することができる。
【0083】
次に、換気装置18Gについて説明する。
換気装置18Gは、トイレ10G内の空気を屋外に排出するための装置であり、壁10bに設けられている。より詳細に説明すると、壁10bに排気用のダクト18aが配管されており、ダクト18aにおけるトイレ10G側端部の位置に合わせて換気装置18Gが設けられている。
【0084】
このような換気装置18Gは、トイレ10Gからダクト18a側に空気を送出する方向に回転するファンを備えており、ファンの回転速度を調整できるように構成されている。換言すれば、換気装置18Gは、通常運転モードと、強運転モードと、を選択可能に構成されており、強運転モードで稼働する場合の換気装置18Gによる換気量は、通常運転モードで稼働する場合の換気装置18Gによる換気量よりも多く設定されている。
より具体的に説明すると、上記の強運転モードで稼働する場合の換気装置18Gによる換気量は、テレワーク室に求められる換気量の基準を満たす値に設定されている。ここで、テレワーク室に求められる換気量の基準とは、例えば、事務室あるいは書斎といった用途の居室(建築基準法上の居室)に求められる換気量の基準を指すものとしてもよいし、室内からウイルスや菌を排出するのに必要な換気量(例えば一人当たり30m/h)の基準を指すものとしてもよいし、その他の換気量の基準を指すものとしてもよい。
【0085】
また、換気装置18Gは、ファンのオンオフや、回転速度の上げ下げ等の動作を制御するファン制御部(図示省略)を備えている。以上のような換気装置18Gの動作は、当該ファン制御部と通信可能に接続(無線又は有線)されたリモコンや、無線接続されたスマートフォンによって操作することができる。
【0086】
なお、本実施形態における換気装置18Gは、トイレ10Gの壁10bに設けられるものとしたが、これに限られるものではなく、天井10cに設けられていてもよい。天井10cに換気装置18Gが設けられる場合、ダクト18aは天井裏に設けられる。
【0087】
トイレ10Gを一時的なテレワーク室として利用する場合、ユーザは、上記の各リモコン又はスマートフォンによる操作によって、各室内環境調整手段を動作させて、トイレ10Gの室内環境をテレワーク室用に調整することができる。
なお、スマートフォンによる操作によって各室内環境調整手段を動作させる場合は、遠隔操作が可能となる。
【0088】
(室内環境調整システム)
本実施形態におけるトイレ10Gには、室内環境を調整するための室内環境調整システムが導入されている。
トイレ10Gに導入された室内環境調整システムは、図8に示すように、上記の室内環境調整手段(照明装置16G、冷暖房装置17G、換気装置18G)と、各室内環境調整手段と通信可能に接続されて室内環境調整手段の動作を制御する制御装置40と、制御装置40と通信可能に接続され、ユーザによる操作を受け付けて各室内環境調整手段を操作する操作端末SPと、を備えている。
【0089】
制御装置40は、制御部と、通信部と、記憶部41と、を備えている。
また、操作端末SPは、本実施形態においては、ユーザが所持するスマートフォンが採用されているが、これに限られるものではなく、タブレット端末やパソコン等のその他の情報端末を採用してもよい。テレワークで使用するノートパソコンを採用してもよい。
なお、操作端末SPにおける表示部には、各室内環境調整手段の操作に必要なボタン等のオブジェクトが表示されることとなる。
【0090】
さらに、制御装置40と操作端末SPは、通信ネットワークNを介して通信可能に接続されている。
また、制御装置40と各室内環境調整手段は、通信線を介して接続されているか、WiFi(Wireless Fidelity)等により無線接続されているものとするが、操作端末SPと同様に通信ネットワークNを介して接続されてもよい。
【0091】
なお、通信ネットワークNは、電話回線網、ISDN回線網、光ファイバー、移動体通信網、通信衛星回線、CATV回線網、その他の専用線等の各種通信回線網と、それらを接続するインターネットサービスプロバイダ(すなわち、インターネット)等を含んでいてもよい。また、LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)、WiFi、Bluetooth(登録商標)、NFC(Near Field Communication)等の様々な通信網が互いに通信可能に接続された集合的な通信網であってもよい。また、接続の形態について、有線、無線及び有線と無線の混在を問わない。
【0092】
制御部は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)等により構成されている。
そして、制御部のCPUは、記憶部に記憶されている各種プログラムを読出してRAM内に展開し、展開されたプログラムに従って各種処理を実行し、各室内環境調整手段の動作を集中制御するようになっている。
【0093】
通信部は、通信モジュール等で構成されている。
そして、通信部は、通信ネットワークNを介して接続された操作端末SPとの間で各種信号や各種データを送受信するようになっている。
【0094】
記憶部41は、不揮発性の半導体メモリーやハードディスク等により構成されている。
また、記憶部41は、制御部が実行する各種プログラムや、各室内環境調整手段の操作に必要な各種データを記憶している。
各種プログラムには、機器操作プログラム42と、スケジュール設定プログラム43と、通知プログラム44と、が含まれている。記憶部41に記憶される各種プログラムは、必要に応じて連動させることができる。
【0095】
機器操作プログラム42(機器操作部42)は、操作端末SPから受信した操作信号に応じて各室内環境調整手段の機器を操作するためのものである。
すなわち、各室内環境調整手段の機器の操作は、制御装置40(制御部)が、操作端末SPからの操作信号を受信して機器操作プログラム42を実行することで行われる。
【0096】
スケジュール設定プログラム43(スケジュール設定部43)は、各室内環境調整手段の運転スケジュールを設定するためのものである。
スケジュール設定の操作は、記憶部41に記憶された各種データのうちカレンダーデータ(日付及び時間)に基づいて行うことができる。すなわち、スケジュール設定を行う場合は、各室内環境調整手段のうち、いずれの室内環境調整手段を操作するのかを選択し、選択した室内環境調整手段を、いつ(何年何月何日何時何分に)稼働させるのか又は停止させるのかを選択することで行うことができる。
なお、各室内環境調整手段の運転開始や停止は、連動する機器操作プログラム42によって行われる。
【0097】
通知プログラム44(通知部44)は、室内環境の状況を操作端末SPに通知するためのものである。
通知プログラム44は、スケジュール設定プログラム43と連動しており、設定したスケジュールに基づいて通知を操作端末SPに送信することができる。すなわち、スケジュール設定時に選択した室内環境調整手段の運転が開始又は停止されたタイミングで通知を行うことができる。
また、トイレ10G内に、例えば温度センサーや臭気センサーを設置しておき、冷暖房装置17Gによってトイレ10G内が所定の温度になったとき、換気装置18Gによってトイレ10G内の臭気が取り除かれたとき等に通知を行うようにしてもよい。その場合、記憶部41には、各センサーの数値を監視するセンサー監視プログラムが格納される。
なお、通知を行うか否かの選択は、操作端末SP上でユーザによって行われる。
【0098】
ユーザは、操作端末SP上で行う操作によって、制御装置40を介して各室内環境調整手段(照明装置16G、冷暖房装置17G、換気装置18G)の動作を制御することができる。すなわち、照明装置16Gにおける光源部16a、位置調整部16b、角度調整部16cの動作や、冷暖房装置17Gのオンオフ及び温度設定、換気装置18Gのオンオフ及びモード選択、これら室内環境調整手段16G,17G,18Gのスケジュール設定、通知のオンオフ及び確認を、操作端末SP上で行うことができる。
【0099】
(第1実施形態の効果)
以上のような第1実施形態によれば、専用設備として洋式便器11が備え付けられた非居室であるトイレ10が、洋式便器11と共に用いられてトイレ10を一時的なテレワーク室として利用可能な状態にするためのテレワーク用設備を備えており、洋式便器11とテレワーク用設備のうち、少なくとも一方は、腰掛部として使用可能に構成され、少なくとも他方は、机として使用可能に構成されているので、腰掛部及び机を確保でき、住宅内の間取りを変更することなく、トイレ10をテレワーク室として利用することができる。そして、このように腰掛部及び机が確保されたトイレ10は、床10aと、複数の壁10bと、天井10cと、によって囲まれて個室空間とされているので、住宅内に、個室空間として利用可能で、ユーザが仕事に集中しやすい環境のテレワーク室を確保することができる。
【0100】
さらに、テレワーク用設備は、非テレワーク時において壁10b又は天井10cに寄せられて収納状態とされる天板13と、天板13を収納状態から机として使用可能な状態に移動させる移動機構14と、を有するので、テレワーク時には机を確保できてユーザが仕事に集中しやすい環境を形成でき、非テレワーク時には天板13を収納できてトイレ10で用を足す際の妨げにならない。
【0101】
また、便座11bの上に設けられた便器蓋部12は、洋式便器11を腰掛部として機能させるための座面部12aを備えるので、テレワーク時に着座しやすく、椅子などの腰掛けを別途用意せずに済む。
【0102】
また、照明装置16Gは、調光機能及び/又は調色機能を有する光源部16aと、光源部16aの位置を調整する位置調整部16bと、光源部16aの角度を調整する角度調整部16cと、を有するので、光源部16aを調光・調色したり、光源部16aの位置を調整したり、光源部16aの角度を調整することで、トイレ10Gにおける光環境をテレワーク室用に調整でき、ユーザが仕事に集中しやすい環境を形成することができる。
さらに、照明装置16Gにおける光源部16aの位置や角度を調整するとともに、調光機能や調色機能によって光の具合を適宜調整することにより、例えばトイレ10G内でテレビ会議を行う際に、テレビ会議の相手が見るユーザの顔の見映えを良くすることができる。
【0103】
また、冷暖房装置17Gは、内部の管材17aに高温又は低温の流体を流通させて表面から熱放射する放射冷暖房装置であるため、放射冷暖房装置17Gから暖気や冷気を放射することで、トイレ10Gにおける温熱環境をテレワーク室用に調整でき、ユーザが仕事に集中しやすい環境を形成することができる。
さらに、冷暖房装置17Gが壁放射冷暖房装置であるため、気流が発生せず、例えばウイルスや菌、埃などが拡散しにくくなる。これにより、トイレ10Gにおける空気環境を清浄に保つことができる。
【0104】
また、換気装置18Gは、通常運転モードと、強運転モードと、を選択可能に構成されており、強運転モードで稼働する場合の換気装置18Gによる換気量は、通常運転モードで稼働する場合の換気装置18Gによる換気量よりも多く設定されているので、強運転モードで換気装置18Gを稼働させれば、例えば花粉や黄砂、臭気、湿気、埃、ウイルス等を効果的に屋外に効果的に排出でき、トイレ10Gにおける空気環境をテレワーク室用に調整でき、ユーザが仕事に集中しやすい環境を形成することができる。
さらに、強運転モードで稼働する場合の換気装置18Gによる換気量が、テレワーク室に求められる換気量の基準を満たす値に設定されているので、このような換気装置18Gによって、トイレ10Gを、一時的なテレワーク室として利用しても問題ない空気環境にすることができる。
【0105】
また、室内環境調整手段16G,17G,18Gと通信可能に接続されて室内環境調整手段16G,17G,18Gの動作を制御する制御装置40と、制御装置40と通信可能に接続され、ユーザによる操作を受け付けて室内環境調整手段16G,17G,18Gを操作する操作端末SPを有するので、ユーザは、操作端末SPからの操作によって、室内環境調整手段16G,17G,18Gを任意に操作することができる。
さらに、このような制御装置40は、室内環境調整手段16G,17G,18Gの運転スケジュールを設定するスケジュール設定部43を有するので、スケジュール設定部43から設定した運転スケジュールに基づいて室内環境調整手段16G,17G,18Gの運転を制御できる。これにより、事前に設定した運転スケジュールに基づいて、トイレ10Gの室内環境をテレワーク室用に調整できるので、ユーザが仕事に集中しやすい環境を事前に形成しておくことができる。したがって、スケジュール設定部43から事前に運転スケジュールを設定しておけば、ユーザは、仕事に集中しやすい環境でテレワークを行うことができる。
【0106】
〔第2実施形態〕
本実施形態における非居室は、浴室20である。浴室20は、図9図12に示すように、床20aと、複数の壁20bと、天井20cと、によって囲まれて個室空間とされている。浴室20には、当該浴室20に対して専用の機能を付加する専用設備が、床20a又は壁20bに固定されて備え付けられている。
すなわち、床20aと壁20bと天井20cとで囲まれた個室空間を、浴室20たらしめるものとして、専用設備が備え付けの状態で設けられている。そして、その専用設備は、浴槽21とされている。
【0107】
浴室20は、専用設備である浴槽21と共に用いられて、浴室20を一時的なテレワーク室として利用可能な状態にするためのテレワーク用設備を備える。すなわち、浴室20は、専用設備とテレワーク用設備とを備えている。
そして、専用設備である浴槽21とテレワーク用設備のうち、少なくとも一方は、腰掛部として使用可能に構成され、少なくとも他方は、机として使用可能に構成されている。
【0108】
専用設備である浴槽21は、上面の開口を形成する側壁部21aと、底部21bと、底部21bよりも一段高く形成された段差部21cと、を有する。浴槽21は、元来、座るための機能を有したものであるから腰掛部(又は腰掛部の一部)として使用可能に構成されている。
【0109】
浴室20には、浴槽21の他にも、シャワー設備やカラン設備、壁20bのうち浴槽21上方に位置する部位に設けられた棚部22が設けられている。
また、浴室20を構成する複数の壁20bのうち、いずれか一つの壁20bには出入口が形成され、その出入口には、当該出入口を開閉する建具が設けられている。
【0110】
テレワーク用設備は、浴槽21の開口の一部を被覆可能に構成されて非テレワーク時において浴槽21の蓋として機能し、テレワーク時において机として使用される浴槽蓋部23を少なくとも有する。
浴槽蓋部23は、テレワーク時においては浴槽21の側壁部21aに架け渡されて使用される。したがって、浴槽21は、浴槽蓋部23を支持して机の一部としても機能することになる。つまり、浴槽21は、浴槽蓋部23を支持し得る支持手段とされている。
なお、浴槽蓋部23は、例えばFRP(Fiber Reinforced Plastics)のように剛性や防水性に優れる材料によって構成されている。
【0111】
ユーザは、浴槽21の側壁部21aに架け渡された浴槽蓋部23の上面を使用してテレワーク(仕事)を行う。
浴槽蓋部23の上面には、テレワーク時においては、例えば軽量かつ小型の持ち歩きに適したノートパソコンが載せられ、更にユーザの手(腕)も載せられることが少なくとも想定される。
【0112】
浴室20は、図示はしないが、テレワーク室用に室内環境を調整する室内環境調整手段として、照明装置や冷暖房装置、換気装置を備えている。
これら室内環境調整手段は、浴室20の壁20b又は天井20cに設けられている。
冷暖房装置としては、上記の冷暖房装置17と同様の放射冷暖房装置を採用してもよいし、温風や冷風を吹き出す構成の冷暖房装置を採用してもよい。
【0113】
また、浴室20には、室内環境を調整するための室内環境調整システムが導入されている。本実施形態における室内環境調整システムは、上記の室内環境調整手段と、室内環境調整手段と通信可能に接続されて室内環境調整手段の動作を制御する制御装置と、制御装置と通信可能に接続され、ユーザによる操作を受け付けて室内環境調整手段を操作する操作端末と、を備えている。
さらに、制御装置における記憶部には、上記の制御装置40における記憶部と同様に、機器操作プログラムと、スケジュール設定プログラムと、通知プログラムと、センサー監視プログラムと、が少なくとも記憶されている。
【0114】
本実施形態においては、浴室20内に、例えば温湿度センサーを設置しておき、浴室20内が所定の温度や所定の湿度になったときに、冷暖房装置や換気装置によって浴室20内の温熱環境を調整できるようになっている。すなわち、浴室20は、濡れている場合が多いため、乾燥を促すような室内環境調整が行われる。
【0115】
また、浴室20をテレワーク室として利用する場合、乾燥状態となるように室内環境を行う必要がある。そのため、スケジュール設定プログラムを実行してスケジュール設定を行う際は、設定した時間までに浴室20内を乾燥状態にするために、操作端末に対して通知を行うことが望ましい。すなわち、通知プログラムによって、何時間前までに入浴すればテレワーク時に浴室20が乾燥状態となるかを通知することができる。
【0116】
図9に示す実施例)
図9の浴室20(20A)は、専用設備である浴槽21(21A)と共に用いられるテレワーク用設備を備えている。このテレワーク用設備は、矩形板状の浴槽蓋部23(23A)を有する。
【0117】
専用設備である浴槽21Aは、上面の開口を形成する側壁部21aと、底部21bと、底部21bよりも一段高く形成された段差部21cと、を有する。
段差部21cは、半身浴用の腰掛として利用されたり、枕として利用されたり、入浴中に足を載せたり、浴槽21Aに出入りする際のステップとして形成されている。この段差部21cは、元来、座るための機能を有したものであるから腰掛部として使用可能に構成されている。
【0118】
浴槽蓋部23Aは、矩形板状に形成されており、テレワーク時においては浴槽21Aの側壁部21aに架け渡されて使用される。したがって、浴槽21Aは、段差部21cを有して腰掛部として使用可能に構成されるとともに、浴槽蓋部23Aを支持して机の一部としても機能することになる。つまり、浴槽21Aは、浴槽蓋部23Aを支持する支持手段とされている。
また、浴槽蓋部23Aは、浴槽21Aの側壁部21aに架け渡された状態を維持している限り、その位置を適宜変更できる。
【0119】
ユーザは、段差部21cを腰掛部として使用し、浴槽21Aの側壁部21aに架け渡された浴槽蓋部23Aの上面を使用してテレワーク(仕事)を行う。
浴槽蓋部23Aの上面には、テレワーク時においては、例えば軽量かつ小型の持ち歩きに適したノートパソコンが載せられ、更にユーザの手(腕)も載せられることが少なくとも想定される。
【0120】
また、図9の浴室20Aは、壁20bのうち浴槽21よりも上方に位置する部位に設けられたモニター200を備えている。モニター200は、ノートパソコンと通信可能に接続できるものであり、ノートパソコンの表示部に表示された画像を映し出せるようになっている。
なお、このモニター200に代えて、プロジェクターから投射された画面を投影するスクリーンを設けてもよい。
【0121】
図10に示す実施例)
図10の浴室20(20B)は、専用設備である浴槽21(21B)と、テレワーク用設備である浴槽蓋部23(23B)を有する。
さらに、図10の浴室20Bは、壁20bのうち浴槽21Bよりも上方に位置する部位に設けられたモニター200と音声パネル201を備えている。
モニター200は、上記のように画像を映し出すものである。
音声パネル201は、筐体内にスピーカーやマイクがひとまとめに収納されたものとされている。マイクのみとし、スピーカーは、モニター200が備えるものとしてもよい。
【0122】
ところで、浴室20は内線規程に準拠して施工されており、基本的に浴室20にはコンセントの施設ができない。そのため、モニター200及び音声パネル201は、浴室20に露出した状態で設置することができない。
そこで、モニター200及び音声パネル201は、壁20bに埋め込まれて設けられるとともに、水密性を確保した防水カバー200a,201aによって被覆されている。モニター200の防水カバー200aは透明である。
【0123】
また、モニター200及び音声パネル201は、壁20bの裏側で機器制御装置202に接続されていることが望ましい。
機器制御装置202は、ユーザが所持する操作端末と通信ネットワーク(例えばWiFi)を介して通信可能に接続されており、操作端末から操作できるようになっている。また、この機器制御装置202は、リモコンとして浴室20外の脱衣所に設けられてもよいし、防水カバー等の防水加工が施されたうえで、リモコンとして浴室20内に設けられてもよい。
【0124】
図11に示す実施例)
図11の浴室20(20C)は、専用設備である浴槽21(21C)と、テレワーク用設備である浴槽蓋部23(23C)を有する。
さらに、図11の浴室20Cには、壁20bのうち浴槽21上方に位置する部位に設けられた棚部22が設けられている。
【0125】
ところで、浴槽21の段差部21cを腰掛部として利用し、浴槽21の側壁部21aに浴槽蓋部23を架け渡して机として利用すると、浴槽蓋部23の上面の高さ位置が低く感じられる場合がある。
そこで、図1の浴槽蓋部23Cは、浴槽21の側壁部21aに接地される脚部23aを備えている。この脚部23aは、上下方向の長さが、浴槽21の側壁部21aの上面から棚部22Cの上面までの高さと略等しく設定されている。
そして、このような浴槽蓋部23Cは、テレワーク時においては、一端部が棚部22Cの上面に載置されるとともに、他端部の脚部23aが浴槽21の側壁部21aに載せられた状態で、机として利用される。
これにより、浴槽蓋部23の上面の高さ位置を高くすることができる。
【0126】
なお、脚部23aは、浴槽蓋部23Cに対して折り畳み可能に設けられてもよいし、浴槽蓋部23Cに対して着脱可能に設けられてもよい。
【0127】
図12に示す実施例)
図12の浴室20(20D)は、専用設備である浴槽21(21D)と共に用いられるテレワーク用設備を備えている。このテレワーク用設備は、第一浴槽蓋部23(23D1)と、第二浴槽蓋部23(23D2)と、を有している。
【0128】
第一浴槽蓋部23D1は、浴槽21Dの開口の一部を被覆可能に構成されて、非テレワーク時において浴槽21Dの蓋として機能し、テレワーク時において腰掛部として使用される。
また、第一浴槽蓋部23D1は、浴槽21の側壁部21aに架け渡されて腰掛部として使用される。この第一浴槽蓋部23D1は、上端部が棚部22(22D)に立てかけられるか、若しくは引っ掛けられる背もたれ部23bを有している。背もたれ部23bは、第一浴槽蓋部23D1の縁部に対して回転自在に設けられている。
【0129】
第二浴槽蓋部23D2は、浴槽21Dの開口の他の一部を被覆可能に構成されて、非テレワーク時において浴槽21Dの蓋として機能し、テレワーク時において机として使用される。
また、第二浴槽蓋部23D2は、浴槽21の側壁部21aに架け渡されて机として使用される。この第二浴槽蓋部23D2は、浴槽21の側壁部21aに接地される複数の脚部23aを備えている。脚部23aは、浴槽蓋部23Cに対して折り畳み可能に設けられてもよいし、浴槽蓋部23Cに対して着脱可能に設けられてもよい。
【0130】
第一浴槽蓋部23D1及び第二浴槽蓋部23D2は、いずれも、非テレワーク時においては浴槽21Dの蓋として利用されるが、テレワーク時においては、第一浴槽蓋部23D1が腰掛部として、第二浴槽蓋部23D2が机として使用される。
浴槽21Dは、第一浴槽蓋部23D1及び第二浴槽蓋部23D2を支持して腰掛部の一部及び机の一部として機能することになる。
【0131】
なお、第一浴槽蓋部23D1と第二浴槽蓋部23D2のうち、少なくとも第一浴槽蓋部23D1は、ユーザが直接腰掛けることになるため、材料自体の強度を向上させるか、構造的な強度を確保できるような構成(例えばハニカム構造、モノコック構造)を採用することが望ましい。単純に厚みを増してもよい。
【0132】
(第2実施形態の効果)
以上のような第2実施形態によれば、専用設備として浴槽21が備え付けられた非居室である浴室20が、浴槽21と共に用いられて浴室20を一時的なテレワーク室として利用可能な状態にするためのテレワーク用設備を備えており、浴槽21とテレワーク用設備のうち、少なくとも一方は、腰掛部として使用可能に構成され、少なくとも他方は、机として使用可能に構成されているので、腰掛部及び机を確保でき、住宅内の間取りを変更することなく、浴室20をテレワーク室として利用することができる。そして、このように腰掛部及び机が確保された浴室20は、床20aと、複数の壁20bと、天井20cと、によって囲まれて個室空間とされているので、住宅内に、個室空間として利用可能で、ユーザが仕事に集中しやすい環境のテレワーク室を確保することができる。
【0133】
さらに、テレワーク用設備は、浴槽21の開口の一部を被覆可能に構成されて非テレワーク時において浴槽の蓋として機能し、テレワーク時において机として使用される浴槽蓋部23であるため、テレワーク時には机を確保できてユーザが仕事に集中しやすい環境を形成でき、非テレワーク時には、浴槽21の開口を被覆することができる。
【0134】
さらに、テレワーク用設備は、浴槽21の開口の一部を被覆可能に構成されて非テレワーク時において浴槽の蓋として機能し、テレワーク時において腰掛部として使用される第一浴槽蓋部23D1と、浴槽21の開口の他の一部を被覆可能に構成されて非テレワーク時において浴槽の蓋として機能し、テレワーク時において机として使用される第二浴槽蓋部23D2と、を有するので、テレワーク時には腰掛部及び机を確保できてユーザが仕事に集中しやすい環境を形成でき、非テレワーク時には、浴槽21の開口を被覆することができる。
【0135】
〔第3実施形態〕
本実施形態における非居室は、洗面所30である。この洗面所30は、図13に示すように、床30aと、複数の壁30bと、天井30cと、によって囲まれて個室空間とされている。洗面所30には、当該洗面所30に対して専用の機能を付加する専用設備が、床30a又は壁30bに固定されて備え付けられている。
すなわち、床30aと壁30bと天井30cとで囲まれた個室空間を、洗面所30たらしめるものとして、専用設備が備え付けの状態で設けられている。そして、その専用設備は、洗面台31とされている。
【0136】
洗面所30は、専用設備である洗面台31と共に用いられて、洗面所30を一時的なテレワーク室として利用可能な状態にするためのテレワーク用設備を備える。すなわち、洗面所30は、専用設備とテレワーク用設備とを備えている。
そして、専用設備である洗面台31とテレワーク用設備のうち、少なくとも一方は、腰掛部として使用可能に構成され、少なくとも他方は、机として使用可能に構成されている。
【0137】
専用設備である洗面台31は、床30aに設置固定された台本体31aと、台本体31aの上端部に設けられた洗面ボウル31bと、台本体31aの上端部に設けられて壁30bに固定された鏡付きの壁側収納部31cと、を有する。
洗面台31は、台としての機能を有したものであるから机(又は机の一部)として使用可能に構成されている。
【0138】
洗面所30は、図示はしないが、洗面台31の他に洗濯機パンが設けられてもよく、これにより、洗面所30は脱衣所としても機能する。
また、洗面所30を構成する複数の壁30bのうち、いずれか一つの壁30bには出入口が形成され、その出入口には、当該出入口を開閉する建具が設けられている。
【0139】
テレワーク用設備は、第一板部33と、第一移動機構34と、第二板部35と、第二移動機構36と、を有している。
【0140】
第一板部33は、矩形板状に形成されており、非テレワーク時において壁30b又は天井30cに寄せられて収納状態とされ、テレワーク時において洗面台31の前方に配置されて腰掛部として使用される。
なお、この第一板部33は、本実施形態においては、洗面台31横に位置する壁30bに寄せられて収納状態とされる。壁30bには、第一板部33の板厚分の窪みが形成されており、収納状態において、第一板部33は当該窪みに収納される。また、窪みに収納された第一板部33の表面と壁30bの壁面は略面一となる。
【0141】
第一移動機構34は、第一板部33を、収納状態から腰掛部として使用可能な状態に移動させるものであり、本実施形態においては、壁30bと第一板部33とを回転自在に連結する蝶番による回転機構が採用されている。
そして、第一板部33は、テレワーク時には、下方に向かって回転移動させられて水平に配置される。
また、第一板部33の水平状態を維持するため、第一板部33を床30a上に支持し得る支持手段が併用されている。支持手段は、第一板部33に対して着脱自在に構成された複数の脚部(図示省略)が採用されている。当該脚部の上端部にはボルトが上方に突出して設けられており、第一板部33に形成されたネジ穴33aにねじ込んで設けることができる。これにより、第一板部33を腰掛部として使用することができる。
【0142】
第二板部35は、矩形板状に形成されており、非テレワーク時において壁30b又は天井30cに寄せられて収納状態とされ、テレワーク時において洗面台31の洗面ボウル31bを被覆して机として使用される。
なお、この第二板部35は、本実施形態においては、洗面台31横に位置する壁30bに寄せられて収納状態とされる。壁30bには、第二板部35の板厚分の窪みが形成されており、収納状態において、第二板部35は当該窪みに収納される。また、窪みに収納された第二板部35の表面と壁30bの壁面は略面一となる。
【0143】
第二移動機構36は、第二板部35を、収納状態から机として使用可能な状態に移動させるものであり、本実施形態においては、壁30bと第二板部35とを回転自在に連結する蝶番による回転機構が採用されている。
そして、第二板部35は、テレワーク時には、下方に向かって回転移動させられ、洗面ボウル31bの周縁部に架け渡されて支持されて水平に配置される。そのため、洗面台31は、第二板部35を支持して机の一部として機能することになる。
【0144】
第一板部33及び第二板部35は、例えば構造用合板やパーティクルボード等のような剛性に優れる材料によって構成されている。
第二板部35の上面には、テレワーク時においては、例えば軽量かつ小型の持ち歩きに適したノートパソコンが載せられ、更にユーザの手(腕)も載せられることが少なくとも想定される。
【0145】
洗面所30は、図示はしないが、テレワーク室用に室内環境を調整する室内環境調整手段として、照明装置や冷暖房装置、換気装置を備えている。
これら室内環境調整手段は、洗面所30の壁30b又は天井30cに設けられている。
冷暖房装置としては、上記の冷暖房装置17と同様の放射冷暖房装置を採用してもよいし、温風や冷風を吹き出す構成の冷暖房装置を採用してもよい。
【0146】
また、洗面所30には、室内環境を調整するための室内環境調整システムが導入されている。本実施形態における室内環境調整システムは、上記の室内環境調整手段と、室内環境調整手段と通信可能に接続されて室内環境調整手段の動作を制御する制御装置と、制御装置と通信可能に接続され、ユーザによる操作を受け付けて室内環境調整手段を操作する操作端末と、を備えている。
さらに、制御装置における記憶部には、上記の制御装置40における記憶部と同様に、機器操作プログラムと、スケジュール設定プログラムと、通知プログラムと、センサー監視プログラムと、が少なくとも記憶されている。
【0147】
本実施形態においては、洗面所30内に、例えば温湿度センサーを設置しておき、洗面所30内が所定の温度や所定の湿度になったときに、冷暖房装置や換気装置によって洗面所30内の温熱環境を調整できるようになっている。すなわち、洗面所30は、湿度が高い場合が多く、濡れていることもあるため、乾燥を促すような室内環境調整が行われる。
【0148】
また、洗面台31の鏡としてハーフミラーを採用し、その背面側に、ノートパソコンと通信可能に接続できるモニターを設けるようにしてもよい。ハーフミラーは、鏡の取付位置における面積の全面に亘って設けられてもよいし、部分的に設けられるものとしてもよい。
【0149】
(第3実施形態の効果)
以上のような第3実施形態によれば、第二板部35を支持して机の一部として機能する専用設備としての洗面台31が備え付けられた洗面所30を、住宅内の間取りを変更することなく、テレワーク室として利用することができる。
さらに、テレワーク用設備は、非テレワーク時において壁30b又は天井30cに寄せられて収納状態とされ、テレワーク時において洗面台31の前方に配置されて腰掛部として使用される第一板部33と、第一板部33を、収納状態から腰掛部として使用可能な状態に移動させる第一移動機構34と、非テレワーク時において壁30b又は天井30cに寄せられて収納状態とされ、テレワーク時において洗面台31の洗面ボウル31bを被覆して机として使用される第二板部35と、第二板部35を、収納状態から机として使用可能な状態に移動させる第二移動機構36と、を有するので、テレワーク時には腰掛部及び机を確保できてユーザが仕事に集中しやすい環境を形成でき、非テレワーク時には、第一板部33及び第二板部35を収納できて洗面台31の使用が妨げられない。
【符号の説明】
【0150】
10 トイレ
10a 床
10b 壁
10c 天井
11 洋式便器
11a 便器本体
11b 便座
12 便器蓋部
13 天板
14 移動機構
16 照明装置
17 冷暖房装置
18 換気装置
20 浴室
20a 床
20b 壁
20c 天井
21 浴槽
21a 側壁部
21c 段差部
23 浴槽蓋部
30 洗面所
30a 床
30b 壁
30c 天井
31 洗面台
31b 洗面ボウル
33 第一板部
34 第一移動機構
35 第二板部
36 第二移動機構
40 制御装置
SP 操作端末
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13