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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022096695
(43)【公開日】2022-06-30
(54)【発明の名称】電源システムおよび電源ユニット
(51)【国際特許分類】
   H02J 3/38 20060101AFI20220623BHJP
   H02J 3/32 20060101ALI20220623BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20220623BHJP
   H02J 7/34 20060101ALI20220623BHJP
   H01M 10/44 20060101ALI20220623BHJP
【FI】
H02J3/38 110
H02J3/32
H02J7/00 301A
H02J7/34 B
H01M10/44 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020209798
(22)【出願日】2020-12-18
(71)【出願人】
【識別番号】000102692
【氏名又は名称】NTN株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小野 広平
【テーマコード(参考)】
5G066
5G503
5H030
【Fターム(参考)】
5G066HB02
5G066HB06
5G066HB09
5G066JB03
5G503AA06
5G503AA07
5G503BA04
5G503BB01
5G503FA01
5G503GB03
5H030BB07
5H030BB10
5H030FF41
(57)【要約】
【課題】移動性を担保しつつ大容量の電力を蓄積可能な蓄電装置を含む電源システムおよび電源ユニットを提供する。
【解決手段】電源ユニット2001と電源ユニット2002とを備える電源システム500であって、電源ユニット2001は、発電する発電装置151と、発電装置151が発電した電力を貯蓄するバッテリ161とを有し、電源ユニット2002は、発電する発電装置152と、発電装置152が発電した電力を貯蓄するバッテリ162とを有し、バッテリ161とバッテリ162とはバッテリ161が貯蓄している電力をバッテリ162に供給可能でありかつバッテリ161とバッテリ162とが着脱可能となるように接続される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電源ユニットと第2電源ユニットとを備える電源システムであって、
前記第1電源ユニットは、
電力を取得する第1取得装置と、
前記第1取得装置が取得した電力を貯蓄する第1蓄電装置とを有し、
前記第2電源ユニットは、
電力を取得する第2取得装置と、
前記第2取得装置が取得した電力を貯蓄する第2蓄電装置とを有し、
前記第1蓄電装置と前記第2蓄電装置とは、前記第1蓄電装置が貯蓄している電力を前記第2蓄電装置に供給可能でありかつ前記第1蓄電装置と前記第2蓄電装置とが着脱可能となるように接続される、電源システム。
【請求項2】
前記第1蓄電装置から前記第2蓄電装置に供給される電力量を制御する第1処理装置をさらに備える、請求項1に記載の電源システム。
【請求項3】
前記第1処理装置はDCDCコンバータにより構成される、請求項2に記載の電源システム。
【請求項4】
前記第1蓄電装置と前記第2蓄電装置とは、前記第2蓄電装置が貯蓄している電力を前記第1蓄電装置に供給可能となるように接続される、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の電源システム。
【請求項5】
前記第2蓄電装置から前記第1蓄電装置に供給される電力量を制御する第2処理装置をさらに備える、請求項4に記載の電源システム。
【請求項6】
前記第2処理装置はDCDCコンバータにより構成される、請求項5に記載の電源システム。
【請求項7】
前記第1蓄電装置から前記第2蓄電装置に供給される電力量の入力を受け付ける制御装置をさらに備え、
前記第1蓄電装置は、前記制御装置に入力された電力量の電力を前記第2蓄電装置に供給する、請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の電源システム。
【請求項8】
電力を取得する取得装置と、
前記取得装置が取得した電力を貯蓄する蓄電装置とを備える電源ユニットであって、
前記蓄電装置は、該蓄電装置が貯蓄している電力を、他の電源ユニットが備える蓄電装置に供給可能でありかつ前記蓄電装置と前記他の電源ユニットの蓄電装置とが着脱可能となるように接続される、電源ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電源システムおよび電源ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば、特許第4840030号公報(特許文献1)には、電力を生成する発電装置と、発電装置が生成した電力を貯蓄する蓄電装置とを備える電源システムが開示されている。生成装置は、たとえば、風力発電装置または太陽光発電装置である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4840030号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の電源システムの蓄電装置の蓄電容量を大きくする場合がある。この場合には、蓄電装置のサイズが大きくする必要がある。また、電力が蓄電された蓄電装置を、電源システムから取り外し、ユーザなどが蓄電装置を搬送したい場合がある。ここで、サイズが大きい帯電装置については、ユーザが搬送し難くなる、つまり、帯電装置の移動性が損なわれてしまうという問題が生じ得る。
【0005】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、移動性を担保しつつ大容量の電力を貯蓄可能な蓄電装置を含む電源システムおよび電源ユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のある局面に従うと、電源システムは、第1電源ユニットと第2電源ユニットとを備える。第1電源ユニットは、電力を取得する第1取得装置と、第1取得装置が取得した電力を貯蓄する第1蓄電装置とを有する。第2電源ユニットは、電力を取得する第2取得装置と、第2取得装置が取得した電力を貯蓄する第2蓄電装置とを有する。また、第1蓄電装置と第2蓄電装置とは、第1蓄電装置が貯蓄している電力を第2蓄電装置に供給可能でありかつ第1蓄電装置と第2蓄電装置とが着脱可能となるように接続される。
【0007】
本開示の別の局面に従うと、電源ユニットは、電力を取得する取得装置と、第1取得装置が取得した電力を貯蓄する蓄電装置とを備える。蓄電装置は、該蓄電装置が貯蓄している電力を、他の電源ユニットが備える蓄電装置に供給可能でありかつ蓄電装置と他の電源ユニットの蓄電装置とが着脱可能となるように接続される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、電源システムでは、第1電源ユニットの第1蓄電装置が蓄電した電力を第2蓄電装置に供給可能である。したがって、第1取得装置が取得した電力を第1蓄電装置および第2蓄電装置に蓄電できることから、大容量の電力を蓄電できる。さらに、第1蓄電装置および第2蓄電装置は、着脱可能であることから、ユーザは、第1蓄電装置と第2蓄電装置とを切り離して、該第1蓄電装置または第2蓄電装置を搬送できる。したがって、第1蓄電装置と第2蓄電装置との移動性を担保できる。
【0009】
また、電源ユニットでは、該電源ユニットの蓄電装置が貯蓄した電力を他の電源ユニットの蓄電装置に供給可能である。したがって、取得装置が取得した電力を蓄電装置および他の電源ユニットの蓄電装置に貯蓄できることから、大容量の電力を貯蓄できる。さらに、蓄電装置および他の電源ユニットの蓄電装置は、着脱可能であることから、ユーザは、蓄電装置および他の電源ユニットの蓄電装置を切り離して、該蓄電装置または他の電源ユニットの蓄電装置を搬送できる。したがって、蓄電装置の移動性を担保できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施形態の電源システムの構成例を示す図である。
図2】制御装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3】処理装置の構成例を示す図である。
図4】DCDCコンバータの構成の一例を示す図である。
図5】表示装置の表示画面の一例である。
図6】比較例の電源システムの構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において同一または相当する装置分には同一の参照番号を付しその説明は繰返さない。
【0012】
[電源システムの構成]
図1は、本実施形態の電源システム500の構成例を示す図である。電源システム500は、N個(Nは2以上の整数)の電源ユニットと、N-1個の処理装置と、該N-1個の処理装置を制御する制御装置300とを備える。図1の例では、9個の電源ユニット2001、2002、...、2008、2009が示されている(つまり、N=9である)。
【0013】
電源ユニット2001は、発電装置151と、バッテリ161と、を備える。また、発電装置151は、風車101と、主軸111と、発電機121と、電力制御部141とを有する。風車101は、風の運動エネルギーにより回転する。風車101の回転に伴って、主軸111は回転する。発電機121は、主軸111の回転を電気に変換する。また、典型的には、発電機121は永久磁石が使用された三相同期発電機であり、主軸111にカップリング等で締結されている。必要に応じて主軸111と発電機121の間に増速機が設けられてもよい。電力制御部141は、発電機121により発生された電力をバッテリ161に供給できるように電力変換を行うことによりバッテリ161に電力を貯蓄する。なお、バッテリ161と並列に負荷回路を設けてもよく、貯蓄に合わせて負荷への電力供給が可能となっている。負荷への電力の供給において、適宜、インバータなどを設けることにより、バッテリは、AC電源とすることができる。
【0014】
他の電源ユニット2002~電源ユニット2009も、それぞれ、発電装置152~発電装置159と、バッテリ162~バッテリ169を備える。発電装置152~発電装置159は、それぞれ、風車102~109と、主軸112~119と、発電機122~129と、電力制御部142~149とを有する。
【0015】
互いに対応する2つのバッテリは、着脱可能となるように処理装置に接続される。図1の例では、電源ユニット2001のバッテリ161と、電源ユニット2002のバッテリ162(バッテリ161に対応するバッテリ)とが、着脱可能となるように処理装置201に接続される。なお、バッテリ161は、接続端子201Aにより処理装置201に接続され、バッテリ162は、接続端子201Bにより処理装置201に接続される。また、バッテリ161は、バッテリ161が貯蓄している電力をバッテリ162(バッテリ161に対応するバッテリ)に供給可能である。処理装置201は、バッテリ161から、該バッテリ161に対応するバッテリに供給される電力を制御する。処理装置201の制御により、バッテリ161からバッテリ162に単位時間当たりに供給される平均電力値が、所定電力値A1となる。さらに、バッテリ162は、バッテリ162が貯蓄している電力をバッテリ161(バッテリ162に対応するバッテリ)に供給可能である。処理装置201は、バッテリ162からバッテリ161に供給される電力を制御する。処理装置201の制御によりバッテリ162からバッテリ161に単位時間当たりに供給される平均電力値が、所定電力値A2となる。
【0016】
また、図1の例では、他のバッテリ(たとえば、電源ユニット2008のバッテリ168と、電源ユニット2009のバッテリ169)とが、着脱可能となるように処理装置208に接続される。なお、バッテリ168は、接続端子208Aにより処理装置208に接続され、バッテリ169は、接続端子208Bにより処理装置208に接続される。また、バッテリ168は、バッテリ168が貯蓄している電力をバッテリ169に供給可能である。処理装置201は、バッテリ168からバッテリ169に供給される電力を制御する。処理装置208の制御によりバッテリ168からバッテリ169に単位時間当たりに供給される平均電力値が、所定電力値A8となる。さらに、バッテリ169は、バッテリ169が貯蓄している電力をバッテリ168に供給可能である。処理装置208は、バッテリ169からバッテリ168に供給される電力を制御する。処理装置208の制御によりバッテリ169からバッテリ168に単位時間当たりに供給される平均電力値が、所定電力値A9となる。
【0017】
また、所定電力値A1、所定電力値A2、所定電力値A8、所定電力値A9、および他のバッテリ間の所定電力値は、それぞれ同一の値としてもよく、異なる値としてもよい。また、制御装置300が、これらの所定電力値を変更可能であるとしてもよく、これらの所定電力値は固定値であるとしてもよい。また、制御装置300が各処理装置を制御することにより、各バッテリに貯蓄させる電力量を制御するようにしてもよい(図5参照)。
【0018】
また、本実施形態の電源ユニット2001が、本開示の「第1電源システム」に対応する。本開示の電源ユニット2002が、本開示の「第2電源システム」または「他の電源システム」に対応する。本開示の発電装置151が、「第1取得装置」に対応する。本開示のバッテリ161が、「第1蓄電装置」に対応する。本開示の発電装置152が、「第2取得装置」に対応する。本開示のバッテリ162が、「第2蓄電装置」に対応する。
【0019】
また、発電装置は、電力を取得できる取得装置であれば、他の装置であってもよい。該取得装置は、たとえば、水車により発電する装置、太陽光により発電する装置としてもよい。また、該取得装置は、他の配電線網から供給される系統電源としてもよい。
【0020】
図2は、制御装置300のハードウェア構成の一例を示す図である。制御装置300は、主たる構成要素として、CPU(Central Processing Unit)360と、ROM(Read Only Memory)362と、RAM(Random Access Memory)364と、HDD(Hard Disk Drive)366と、通信I/F(Interface)368と、表示I/F370と、入力I/F372とを有する。各構成要素はデータバスによって相互に接続されている。
【0021】
通信I/F368は、処理装置201~208と通信するためのインターフェースである。表示I/F370は、表示装置26と通信するためのインターフェースである。入力I/F372は、入力装置28と通信するためのインターフェースである。なお、図1では、表示装置26と入力装置28とは省略されている。
【0022】
ROM362は、CPU360にて実行されるプログラムを格納する。RAM364は、CPU360におけるプログラムの実行により生成されるデータ、および通信I/F368を経由して入力されたデータを一時的に格納することができる。RAM364は、作業領域として利用される一時的なデータメモリとして機能できる。HDD366は、不揮発性の記憶装置である。また、HDD366に代えて、フラッシュメモリなどの半導体記憶装置を採用してもよい。
【0023】
また、ROM362に格納されているプログラムは、記憶媒体に格納されて、プログラムプロダクトとして流通されてもよい。または、プログラムは、情報提供事業者によって、いわゆるインターネットなどによりダウンロード可能なプログラムプロダクトとして提供されてもよい。制御装置300は、記憶媒体またはインターネットなどにより提供されたプログラムを読み取る。制御装置300は、読み取ったプログラムを所定の記憶領域(たとえば、ROM362)に記憶する。CPU360は、該記憶されたプログラムを実行することにより上述の表示処理を実行する。
【0024】
記憶媒体は、DVD-ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)、CD-ROM(compact disc read-only memory)、FD(Flexible Disk)、ハードディスクに限られず、磁気テープ、カセットテープ、光ディスク(MO(Magnetic Optical Disc)/MD(Mini Disc)/DVD(Digital Versatile Disc)、光カード、マスクROM、EPROM(Electronically Programmable Read-Only Memory)、EEPROM(Electronically Erasable Programmable Read-Only Memory)、フラッシュROMなどの半導体メモリなどの固定的にプログラムを担持する媒体としてもよい。また、記録媒体は、プログラムなどをコンピュータが読取可能な非一時的な媒体である。
【0025】
図3は、処理装置201の構成例を示す図である。処理装置201は、第1処理装置2051と、第2処理装置2052とを備える。第1処理装置2051は、DC(Direct Current)DCコンバータ2011と、ダイオード2021と、を有する。第2処理装置2052は、DCコンバータ2012と、ダイオード2022とを備える。また、処理装置201には、バッテリ161と、バッテリ162とが接続されている。バッテリ161は、起電力部2031と、内部抵抗2041とを含む。また、バッテリ162は、起電力部2032と、内部抵抗2042とを含む。
【0026】
DCDCコンバータ2011は、バッテリ161からバッテリ162に単位時間当たりに供給される平均電力値が、所定電力値A1となるように、バッテリ161からバッテリ162に流れる電力を制限する。また、ダイオード2021は、DCDCコンバータ2011からの電力をバッテリ162に供給する。ダイオード2021により、バッテリ162からの電力がバッテリ161に逆流することを防止できる。
【0027】
DCDCコンバータ2012は、バッテリ162からバッテリ161に単位時間当たりに供給される平均電力値が、所定電力値A2となるように、バッテリ161からバッテリ162に流れる電力を制限する。また、ダイオード2022は、DCDCコンバータ2012からの電力をバッテリ161に供給する。ダイオード2022により、バッテリ161からの電力がバッテリ162に逆流することを防止できる。
【0028】
なお、他の処理装置(処理装置208など)も図5に記載の構成と同様である。
【0029】
図4は、DCDCコンバータ2011の構成の一例を示す図である。図4の例では、絶縁型のフォワード式のDCDCコンバータの構成が示されている。図4に示すDCDCコンバータ2011は、FET(Field effect transistor)2024と、ダイオード2028と、コイル2030と、ダイオード2033と、コンデンサ2034と、トランス2026とを有する。また、DCDCコンバータ2011は、入力電圧が与えられる入力端子IN1と、固定電圧が与えられる入力端子IN2と、出力端子OUT1と、出力端子OUT2とを有する。
【0030】
トランス2026の中心には、一次コイルと二次コイルが配置されている。一次コイルと二次コイルとには共通のコアが設けられている。FET2024は、入力端子IN2と、トランス2026の一次コイルが有する一方の端子との間の接続を制御している。具体的には、FET2024の第1端子が入力端子IN2に接続されており、FET2024の第2端子が、トランス2026の一次コイルが有する一方の端子に接続されている。また、トランス2026の一次コイルが有する他方の端子は、入力端子IN1に接続されている。
【0031】
また、トランス2026が有する二次コイルは、一対の端子のうち一方の端子がダイオード2028の陽極に接続されており、他方の端子が出力端子OUT2に接続されている。ダイオード2028の陰極は、ダイオード2033の陰極およびコイル2030の一方の端子に接続されている。ダイオード2033の陽極は、出力端子OUT2に接続されている。コイル2030の他方の端子は、出力端子OUT1に接続されている。コンデンサ2034が有する一対の電極のうち一方の電極が出力端子OUT1に接続されており、他方の電極が出力端子OUT2に接続されている。
【0032】
また、制御装置300から出力される制限信号がFET2024に入力される。この制限信号は、バッテリ161からバッテリ162への電流および電圧を制限するための信号である。たとえば、この制限信号は、FET2024をオンにする信号である。FET2024にこの制限信号が入力されている場合には、FET2024はオン状態になり、FET2024にこの制限信号が入力されていない場合には、FET2024はオフ状態になる。制御装置300は、FET2024をオンにするデューティー比を制御することにより、バッテリ161からバッテリ162に単位時間当たりに供給される平均電力値を所定電力値A1とする。なお、他のDCDCコンバータも図4と同様の構成である。
【0033】
図5は、制御装置300が有する表示装置26(図2参照)の表示画面の一例である。この画面は、表示装置26の表示領域26Aに表示される。この表示画面においては、情報262と、情報264とが表示される。情報262は、バッテリ161~バッテリ169に貯蓄されている合計電力量を示す情報である。情報264は、バッテリ161~バッテリ169の各々に貯蓄させる電力を、ユーザ(たとえば、電源システム500の管理者)に入力させる情報である。情報264には、バッテリ161~バッテリ169の各々に貯蓄させる電力量を入力する入力領域(図5の例では矩形状の領域)が含まれる。
【0034】
ユーザは、情報262を視認することにより、バッテリ161~バッテリ169の合計電力量を認識できる。また、ユーザは、バッテリ161~バッテリ169の各々に貯蓄させる電力量を、該バッテリに対応する入力領域に入力装置28を用いて入力する。たとえば、バッテリ162に対応する入力領域に入力された電力量が該バッテリ162に貯蓄される。たとえば、バッテリ162の電力量が該入力された電力量になるように、バッテリ161からバッテリ162に電力が供給される。つまり、バッテリ161からバッテリ162に供給される電力量の入力を、制御装置300の表示装置26および入力装置28がユーザから受け付ける。そして、制御装置300は、各処理装置を制御することにより、バッテリ161は、入力された電力量の電力をバッテリ162に供給する。
【0035】
図6は、比較例の電源システムの構成例を示す図である。図6の例では、電力を生成する発電装置151Aと、発電装置151Aが生成した電力をバッテリ161Aとを備える電源システムが開示されている。この電源システムのバッテリ161Aの蓄電容量を大きくする場合がある。この場合には、バッテリ161Aのサイズが大きくなる。また、電力が貯蓄されたバッテリ161Aを、電源システムから取り外し、ユーザなどがバッテリ161Aを搬送したい場合がある。ここで、サイズが大きいバッテリ161Aについては、ユーザが搬送し難くなる、つまり、帯電装置の移動性が損なわれてしまうという問題が生じ得る。
【0036】
これに対し、本開示の電源システム500では、電源ユニット2001のバッテリ161が貯蓄した電力をバッテリ162に供給可能である。したがって、発電装置151が取得した電力をバッテリ161およびバッテリ162に貯蓄できることから、各バッテリ(バッテリ161およびバッテリ162など)が小型化可能となるとともに大容量の電力を貯蓄できる。また、電源ユニット2002のバッテリ162が貯蓄した電力をバッテリ161に供給可能である。したがって、発電装置152が取得した電力をバッテリ161およびバッテリ162に貯蓄できることから、各バッテリ(バッテリ161およびバッテリ162など)が小型化可能となるとともに大容量の電力を貯蓄できる。さらに、バッテリ161およびバッテリ162は、着脱可能であることから、ユーザは、小型化されたバッテリ161とバッテリ162とを切り離して、該小型化されたバッテリ161または該バッテリ162を搬送できる。したがって、バッテリ161とバッテリ162との移動性を担保できる。さらに、ユーザは、2以上のバッテリを切り離して搬送するようにしてもよい。
【0037】
また、バッテリ161の蓄電量がバッテリ162の蓄電量よりも極めて多い場合には、バッテリ161からバッテリ162に急激に電力が流れ込み、その結果、バッテリの故障などが生じる場合がある。また、バッテリ162の蓄電量がバッテリ161の蓄電量よりも極めて多い場合には、バッテリ162からバッテリ161に急激に電力が流れ込み、その結果、バッテリの故障などが生じる場合がある。そこで、本実施の形態では、処理装置201を備える。処理装置201は、バッテリ161からバッテリ162に単位時間当たりに供給される平均電力量を制御し、かつバッテリ162からバッテリ161に単位時間当たりに供給される平均電力量を制御する。つまり、処理装置201は、バッテリ161からバッテリ162に供給される電力量およびバッテリ162からバッテリ161に供給される電力量を制限できる。したがって、バッテリ162からバッテリ161に急激に電力が流れ込むこと、およびバッテリ161からバッテリ162に急激に電力が流れ込むことを防止できる。平均電力量は、たとえば、「所定期間においてバッテリ161からバッテリ162に供給される電力量」を、該所定期間で除算した値である。なお、「単位時間当たりに供給される平均電力量」については、「単位時間当たりに供給される電力量」としてもよい。つまり、処理装置201は、バッテリ161からバッテリ162に単位時間当たりに供給される電力量を制御し、かつバッテリ162からバッテリ161に単位時間当たりに供給される電力量を制御するようにしてもよい。
【0038】
また、第1処理装置2051は、DCDCコンバータ2011により構成され、第2処理装置2052は、DCDCコンバータ2012により構成される。したがって、既存の装置を用いて、第1処理装置2051および第2処理装置2052を構成される。
【0039】
また、ユーザは、表示装置26が表示した表示画面(図5参照)により、バッテリ161~169に貯蓄させる電力量を決定することができる。つまり、制御装置300は、バッテリ161からバッテリ162に供給される電力量の入力を受け付ける。さらに、バッテリ161は、制御装置300に入力された電力量の電力をバッテリ162に供給する。また、バッテリ162は、制御装置300に入力された電力量の電力をバッテリ161に供給する。このように、ユーザは、バッテリ161~169に貯蓄させる電力量を決定することができることから、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0040】
なお、電源システム500は、図1で記載した制御装置300を備えていなくてもよい。この場合には、上述の所定電力値(所定電力値A1など)は固定値とされる。
【0041】
以上のように本発明の実施の形態について説明を行ったが、上述の実施の形態を様々に変形することも可能である。また、本発明の範囲は上述の実施の形態に限定されるものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むことが意図される。
【符号の説明】
【0042】
26A 表示領域、28 入力装置、101,102,109 風車、111,112,119 主軸、121,122,129 発電機、141,142,149 電力制御部、151,152,159 発電装置、161,162,168,169 バッテリ、201,208 処理装置、201A,201B,208A,208B 接続端子、300 制御装置、362 ROM、364 RAM、500 電源システム、2001,2002,2008,2009 電源ユニット、2011,2012 コンバータ、2021,2022,2028,2033 ダイオード、2026 トランス、2030 コイル、2031,2032 起電力部、2034 コンデンサ、2041,2042 内部抵抗、2051 第1処理装置、2052 第2処理装置。
図1
図2
図3
図4
図5
図6