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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022096725
(43)【公開日】2022-06-30
(54)【発明の名称】ランドセル
(51)【国際特許分類】
   A45F 3/04 20060101AFI20220623BHJP
【FI】
A45F3/04 400N
A45F3/04 400P
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020209848
(22)【出願日】2020-12-18
(71)【出願人】
【識別番号】393000733
【氏名又は名称】フミオ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129104
【弁理士】
【氏名又は名称】舩曵 崇章
(72)【発明者】
【氏名】竹田 健太
(72)【発明者】
【氏名】大友 隆
【テーマコード(参考)】
3B045
【Fターム(参考)】
3B045AA24
3B045CE07
3B045DA42
3B045EA02
3B045EA06
3B045GA03
3B045GB02
3B045GC02
3B045JA01
3B045JA04
3B045JB01
3B045JC05
(57)【要約】      (修正有)
【課題】副収納部の中に入っている教科書や文房具などを確認等しやすく、また、これらを取り出しやすい、収納性に優れたランドセルを提供する。
【解決手段】主収納部3と、この主収納部3の前方に位置する第一副収納部1と、この第一副収納部1の前方に隣接する第二副収納部2と、を備えたランドセル9であって、前記第一副収納部1は、第一上マチ11と、左右の第一側マチ12と、前記第一上マチ11と前記左右の第一側マチ12によって形成された前方開口を覆う第一蓋14と、前記第一上マチ11および前記第一側マチ12と前記第一蓋14とを継ぎ合わせる第一ファスナー15と、を有し、前記第一ファスナー15を開けた状態において、前記第一蓋14が前方に傾斜自在に構成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
主収納部と、
この主収納部の前方に位置する第一副収納部と、
この第一副収納部の前方に隣接する第二副収納部と、
を備えたランドセルであって、
前記第一副収納部は、
第一上マチと、
左右の第一側マチと、
前記第一上マチと前記左右の第一側マチによって形成された前方開口を覆う第一蓋と、
前記第一上マチおよび前記第一側マチと前記第一蓋とを継ぎ合わせる第一ファスナーと、を有し、
前記第一ファスナーを開けた状態において、前記第一蓋が前方に傾斜自在に構成されている、
ランドセル。
【請求項2】
第二副収納部は、
第二上マチと、
左右の第二側マチと、
前記第二上マチと前記左右の第二側マチによって形成された前方開口を覆う第二蓋と、
前記第二上マチおよび前記第二側マチと前記第二蓋とを継ぎ合わせる第二ファスナーと、を有している、
請求項1に記載のランドセル。
【請求項3】
第一副収納部の第一ファスナーが、
左右の第一側マチの下端部に達している、
請求項1または請求項2に記載のランドセル。
【請求項4】
第一副収納部の上部左右が
正面視においてなだらかな曲線状である、
請求項1~3のいずれか1項に記載のランドセル。
【請求項5】
第一副収納部の厚み寸法が、3~10cmである、
請求項1~4のいずれか1項に記載のランドセル。
【請求項6】
第一副収納部の高さ寸法が、
主収納部の高さ寸法の70~100%である、
請求項1~5のいずれか1項に記載のランドセル。
【請求項7】
第二副収納部の高さ寸法が、
第一副収納部の高さ寸法の60~100%である、
請求項1~6のいずれか1項に記載のランドセル。
【請求項8】
第一副収納部の内部には、
主収納部の外壁面または第一側マチと、第一蓋と、を連結する左右の張出部材と、
この左右の張出部材に架設された仕切部材と、を有する、
請求項1~7のいずれか1項に記載のランドセル。
【請求項9】
仕切部材は、
上方が開口したまたは上方が開口自在な袋状である、
請求項1~8のいずれか1項に記載のランドセル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ランドセルに関する。詳しくは、ランドセル本体の前方に副収納部を備えるランドセルに関する。
【背景技術】
【0002】
ランドセルは、一般的に、上方が開口した主収納部を有するランドセル本体と、主収納部の上方開口を概ね覆う蓋部と、ランドセル本体に取り付けた左右の肩ベルトを備えている。ランドセル本体、蓋部および左右の肩ベルトには、通常、皮革または合成皮革などを用いている。
【0003】
また、多くのランドセルは、ランドセル本体の前方に副収納部を備えている。副収納部の構造としては、ランドセル本体の前方に隣接し、その上方のみが開口した縦長状であることが多い。教科書や筆箱などの物品は、通常、ランドセル本体の主収納部に収納されるが、実際上、縦長状の副収納部に収納されることも多い。
【0004】
このような、ランドセルは、例えば下記特許文献1に記載されている。
【0005】
特許文献1には、「主収納部(5)、副収納部(7)、前ポケット部(10)および蓋板(35)などからなるランドセル本体(2)において、前記前ポケット部(10)は、中央に記名窓部(12)を有した表面板部(11)の上方に設けた開口部(13)にスライドファスナー(15)の一辺を取付け、該スライドファスナーの他辺を帯状に形成したマチ帯片(25)の一辺と縫着して開閉可能に形成し、前記マチ帯片(25)の他辺を上方に折り曲げると共に、該他辺を前記副収納部(7)の前板(8)に表面側から縫着して形成したことを特徴とするランドセル。」が記載されている。そして、特許文献1の図1などにあるように、副収納部(7)は、主収納部(5)の前方に隣接し、その上方のみが開口した縦長状である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実用新案登録第3150262号公報(請求項1、図1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記特許文献1に記載されたような従来のランドセルは、副収納部が上方に開口した縦長状であるため、この副収納部に教科書や文房具などを入れた場合、中に入っているものを確認や視認しにくく、また、これらを取り出しにくいといった課題があった。すなわち、収納性に課題があったのである。
【0008】
本発明は、上述の事柄に留意してなされたものであって、副収納部の中に入っている教科書や文房具などを確認等しやすく、また、これらを取り出しやすい、収納性に優れたランドセルを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明のランドセルは、主収納部と、この主収納部の前方に位置する第一副収納部と、この第一副収納部の前方に隣接する第二副収納部と、を備えたランドセルであって、前記第一副収納部は、第一上マチと、左右の第一側マチと、前記第一上マチと前記左右の第一側マチによって形成された前方開口を覆う第一蓋と、前記第一上マチおよび前記第一側マチと前記第一蓋とを継ぎ合わせる第一ファスナーと、を有し、前記第一ファスナーを開けた状態において、前記第一蓋が前方に傾斜自在に構成されていることとした。
【0010】
このランドセルは、第一副収納部の第一ファスナーを開けた際、第一蓋が前方に傾斜自在に構成されているため、中に入れた教科書や文房具などを確認等しやすく、また、これらを取り出しやすい。このとき、第二副収納部の重みによって、第一蓋が前方に傾斜しやすくなるため、中に入れた教科書や文房具などをより確認等しやすく、また、これらをより取り出しやすくなる。第一副収納部は、さらに第一下マチを備えていてもよい。このとき、第一蓋は、第一上マチと、左右の第一側マチと、第一下マチと、によって形成された前方開口を覆い、通常、第一蓋の下部と第一下マチは連続するように設けられる。
【0011】
第二副収納部は、第二上マチと、左右の第二側マチと、前記第二上マチと前記左右の第二側マチによって形成された前方開口を覆う第二蓋と、前記第二上マチおよび前記第二側マチと前記第二蓋とを継ぎ合わせる第二ファスナーと、を有している、ランドセルとすることができる。
【0012】
このランドセルは、第二副収納部に比較的小さなものを収納することができる。第二副収納部は、さらに第二下マチを備えていてもよい。
【0013】
第一副収納部の第一ファスナーが、左右の第一側マチの下端部に達している、ランドセルとすることもできる。
【0014】
このランドセルは、第一副収納部の第一ファスナーを開けることで、第一蓋が前方に、より傾斜しやすくなる。
【0015】
第一副収納部の上部左右が正面視においてなだらかな曲線状である、ランドセルとすることもできる。
【0016】
このランドセルは、第一副収納部の第一ファスナーを開閉しやすくなるため、例えば、小学校に入学して間もないような幼い児童であっても第一副収納部の開閉が容易になる。第一副収納部の上部左右は、正面視において、最も小さい曲率半径が、好ましくは30~60mm、より好ましくは35~55mm、最も好ましくは40~50mmである。
【0017】
第一副収納部の厚み寸法が、3~10cmである、ランドセルとすることもできる。
【0018】
このランドセルは、厚みのある大きな教科書などを収納することができる。また、第一ファスナーの取付け位置が主収納部等の前方側外壁面から離れることにより、第一ファスナーを開閉しやすくなる。第一副収納部の厚み寸法は、好ましくは4~9cm、より好ましくは6~8cmである。
【0019】
第一副収納部の高さ寸法が、主収納部の高さ寸法の70~100%である、ランドセルとすることもできる。
【0020】
このランドセルは、大きな教科書などを収納することができる。また、第一ファスナーを開けることで、より一層、大きな第一蓋が前方に傾斜しやすくなる。第一副収納部の高さ寸法は、より好ましくは主収納部の高さ寸法の75~90%、さらに好ましくは主収納部の高さ寸法の80~85%である。
【0021】
第二副収納部の高さ寸法が、第一副収納部の高さ寸法の60~100%である、ランドセルとすることもできる。
【0022】
このランドセルは、また、第一副収納部の第一ファスナーを開けた際、第二副収納部の重みによって、より一層、第一蓋が前方に傾斜しやすくなる。また、第一ファスナーを開けた際、上端が大きく開口するため、教科書や文房具などの出し入れが容易となる。第二副収納部の高さ寸法は、より好ましくは第一副収納部の高さ寸法の70~95%、さらに好ましくは第一副収納部の高さ寸法の75~90%である。
【0023】
第一副収納部の内部には、主収納部の前方側外壁面または第一側マチと、第一蓋と、を連結する左右の張出部材と、この左右の張出部材に架設された仕切部材と、を有する、 ランドセルとすることもできる。
【0024】
このランドセルは、張出部材によって第一蓋の傾斜の程度(張出寸法)を規制することができる。また、仕切部材によって教科書などの収納物を整理して収納することができるとともに、中に入れた教科書などを、より一層、取り出しやすくなる。
【0025】
仕切部材は、上方が開口したまたは上方が開口自在な袋状である、ランドセルとすることもできる。
【0026】
このランドセルは、袋状の仕切部材に比較的小さなものを収納することができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明により、副収納部の中に入っている教科書や文房具などを確認等しやすく、また、これらを取り出しやすい、収納性に優れたランドセルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】第一実施形態のランドセルの斜視図(写真)である。
図2】第一実施形態のランドセルの正面図(写真)である。
図3】第一実施形態のランドセルの平面図(写真)である。
図4】第一実施形態のランドセルの底面図(写真)である。
図5】第一実施形態のランドセルの右側面図(写真)である。
図6図1のランドセルの第一副収納部の第一ファスナーを開けて第一蓋を傾斜させた状態を例示する斜視図(写真)である。
図7】主収納部、第一副収納部および第二副収納部の高さ寸法を説明するための右側面図(写真)である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図を用いてランドセルを例示説明する。ランドセルは、主収納部と、第一副収納部と、第二副収納部とを備えている。なお、図1図7において例示するランドセルは左右の肩ベルトを省略表示してある。また、蓋部の下端を主収納部の下面などに係止する金具等も省略してある。さらに説明の都合上、主収納部などが視認しやすいように、蓋部を大きく開けて装着者側に垂下させた状態を表示してある。
以下、実施形態を挙げて例示説明するが、本発明およびその構成要素は、以下の説明に限定されるものではない。本実施形態では、前後に配置された第一副収納部と第二副収納部がともにファスナーで開閉される構造となっている。
【0030】
1.主収納部
主収納部3は、ランドセル本体に設けた収納部であり、上方に向けて開口した箱形の収納スペースである。主収納部3には、教科書や筆箱などの物品が収納される。
【0031】
本実施形態では、主収納部3の高さ寸法h3(図7参照)は概ね29cmであり、幅寸法は概ね24cmである。最近では、A4クリアファイルが入るような大きさ(高さ×幅)の主収納部3とすることが多い。
【0032】
2.第一副収納部
第一副収納部1は主収納部3の前方に位置している。「前方」とは、ランドセル装着者の背中が向く方向(ランドセルの正面側)をいう。
そして、本実施形態では、第一副収納部1は主収納部3と隣接している。具体的には主収納部3の前方側外壁面に第一副収納部1を設けてある(図1中の「前」方向)。
【0033】
そして、第一副収納部は、第一上マチ11と、左右の第一側マチ12と、第一蓋14と、第一ファスナー15とを有している。以下、各要素について例示説明する。
【0034】
[第一上マチ、第一側マチ]
第一上マチ11は、第一副収納部1の上側のマチである。一方、左右の第一側マチ12は、第一副収納部1の左右のマチである。そして、第一上マチ11の左右両端から、左右の第一側マチ12がそれぞれ下方に向けて延びるように設けてあり、第一上マチ11と左右の第一側マチ12は連続している。そして、第一上マチ11と左右の第一側マチ12によって前方に開口した前方開口が形成される。
なお、本実施形態では、第一上マチ11および左右の第一側マチ12は、幅が概ね5cmの帯状部材を用いて一体的に形成されており、第一上マチ11および左右の第一側マチ12の境界部分はなだらかな曲面となっている。第一上マチ11および左右の第一側マチ12の幅は、好ましくは2~8cm、より好ましくは3~7cm、最も好ましくは4~8cmである。また、本実施形態では、第一上マチ11および左右の第一側マチ12に加えて第一下マチ13を有している(図4参照)。
【0035】
[第一蓋]
第一蓋14は、第一上マチ11と左右の第一側マチ12によって形成された前方開口を覆うような形状および大きさである。
本実施形態では、第一蓋14の下端は第一副収納部1の第一下マチ13に取り付けてある。第一蓋14は、その下縁部付近を支点にして、第一蓋14が前方に傾斜自在に構成されている。
【0036】
[第一ファスナー]
第一ファスナー15は、第一上マチ11および第一側マチ12と、第一蓋14とを係脱自在に継ぎ合わせている。第一ファスナー15として、例えば、線ファスナー(ラインファスナー)を用いることができる。
本実施形態においては、第一ファスナー15が、左右の第一側マチ12の下端部に達している。これによって、第一ファスナー15を概ね全開した状態において、第一蓋14が下縁部を支点にして前方に傾斜自在となっている。第一蓋14が傾斜しやすいように、第一ファスナー15が、左右の第一側マチ12の下端にまで達することが好ましく、第一下マチ13の左右両端部にまで達することがより好ましい。
【0037】
本実施形態においては、第一副収納部1の内部に、左右の張出部材16と、仕切部材17と、を有する。以下、左右の張出部材16と仕切部材17を例示説明する。
【0038】
[張出部材]
左右の張出部材16は、主収納部3の外壁面または第一側マチ12と、第一蓋14と、を連結する。
本実施形態では、左右の張出部材16は、第一副収納部1の内部で、主収納部3の外壁面(前方側外壁面または左右側外壁面)と第一蓋14の内側とを連結している。そして、左右の張出部材16の長さは、第一ファスナー15を開けた状態において、第一蓋14が下縁部を支点にして前方に概ね45~80度傾斜した状態になるような長さとしてある。左右の張出部材16の材質は、張り出した第一蓋14を支える程度の強度があれば特に制限されない。例えば、張出部材16として合成繊維からなる生地を用いることができる。張出部材16は、可撓性を有する材料で構成されることが好ましい。
【0039】
[仕切部材]
仕切部材17は、左右の張出部材16に架設されるように設けられる。本実施形態では、仕切部材17は、上方が開口自在な袋状であり、内部に物品を収納することができるように、上端縁にファスナー171を設けてある。このような袋状の仕切部材は、例えば、学校から保護者宛の連絡プリントなどの重要書類や連絡帳、小物などを収納するのに好適である。
仕切部材17は、袋状でなく、例えば、任意の布地であってもよい。本実施形態において、仕切部材は、第一副収納部の内部を前後に区画している。
【0040】
[第一副収納部の高さ、幅、厚み]
本実施形態では、図7に例示するように、第一副収納部1の高さ寸法h1は概ね24cmであり、主収納部3の高さ寸法の概ね83%である。また、本実施形態では、第一副収納部1の幅寸法は概ね24cmであり、図4に例示するように、主収納部3の幅寸法と概ね等しい。さらに、本実施形態では、図5に例示するように、第一副収納部1の厚みw1は概ね7cmである。ここで、厚みは、第一副収納部1の最も厚い部分の厚みである。
【0041】
また、本実施形態では、第一副収納部1の上部左右(第一蓋14の上部左右)が、正面視においてなだらかな曲線状となっている。具体的には、第一副収納部1の上部左右(第一蓋14の上部左右)は、正面視において、最も小さい曲率半径R1が概ね45mmとなっている(図2参照)。
【0042】
3.第二副収納部
第二副収納部2は第一副収納部1の前方に設けてある。そして、第二副収納部2は第一副収納部1と隣接している。具体的には第一副収納部1の第一蓋14の表面に第二副収納部2を設けてある。
【0043】
本実施形態では、第二副収納部2は、第二上マチ21と、左右の第二側マチ22と、第二蓋24と、第二ファスナー25と、を有している。以下、各要素について例示説明する。
【0044】
[第二上マチ、第二側マチ]
第二上マチ21は、第二副収納部2の上側のマチである。左右の第二側マチ22は、第二副収納部2の左右のマチである。そして、第二上マチ2の左右両端から、左右の第二側マチ22が下方に向けて延びるように設けてあり、第二上マチ21と左右の第二側マチ22は連続している。そして、第二上マチ21と左右の第二側マチ22によって前方に開口した前方開口が形成されている。なお、本実施形態では、第二上マチ21と左右の第二側マチ22を幅が概ね2cmの薄い帯状部材を用いて一体的に形成してある。
【0045】
[第二蓋]
本実施形態では、第二蓋24は、第二上マチ21と左右の第二側マチ22によって形成された前方開口を覆うような形状および大きさである。
本実施形態では、第二蓋24は、その下縁部付近を支点にして前方に傾斜自在に構成されている。
【0046】
[第二ファスナー]
第二ファスナー25は、第二上マチ21および第二側マチ22と、第二蓋24とを係脱自在に継ぎ合わせている。
本実施形態においては、第二ファスナー25が、左右の第二側マチ22の中間部下側に達している。
【0047】
[第二副収納部の高さおよび幅]
本実施形態では、図7に例示するように、第二副収納部2の高さ寸法h2は概ね21cmであり、第一副収納部1の高さ寸法の概ね88%である。また、第二副収納部1の幅寸法は概ね24cmであり、第一副収納部1の幅寸法と概ね等しい。
【0048】
4.ランドセル
図6に、上記ランドセル9の第一副収納部1の第一ファスナーを開いて、第一蓋14を傾斜させた状態を例示する。
本実施形態では、第一副収納部1の第一ファスナーを開くことによって、大きな(高さのある)第一蓋14の自重や第二副収納部2の重量によって、第一蓋14が自然に傾斜しているのである。
【0049】
以上、特定の実施形態を参照して本発明を例示説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、当該技術分野における熟練者等により、本出願の願書に添付された特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変更及び修正が可能である。
【0050】
例えば、上記実施形態では、第一副収納部1は、その内部に張出部材16と仕切部材17とを有していたがこれに限定されない。例えば、張出部材16と仕切部材17を設けない構成とすることができるし、張出部材16のみ設けて仕切部材17を設けない構成としてもよい。
【符号の説明】
【0051】
9 ランドセル

1 第一副収納部
R1 曲率半径
h1 高さ
w1 厚み
11 第一上マチ
12 第一側マチ
13 第一下マチ
14 第一蓋
15 第一ファスナー
16 張出部材
17 仕切部材
171 ファスナー

2 第二副収納部
h2 高さ
21 第二上マチ
22 第二側マチ
24 第二蓋
25 第二ファスナー

3 主収納部
h3 高さ

4 蓋部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7