(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022096771
(43)【公開日】2022-06-30
(54)【発明の名称】対象物を挟みこむクリップに装着されるクリップ用パッド
(51)【国際特許分類】
B42F 1/02 20060101AFI20220623BHJP
【FI】
B42F1/02 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020209936
(22)【出願日】2020-12-18
(71)【出願人】
【識別番号】313008939
【氏名又は名称】有限会社 サンコーエンジニア
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 晴敏
【テーマコード(参考)】
2C017
【Fターム(参考)】
2C017BA03
(57)【要約】
【課題】対象物を挟みこむクリップに装着されるクリップ用パッドであって、クリップ用パッドを提供すること。
【解決手段】本発明のクリップ用パッドは、クリップからの応力を受ける一対のシート状本体部であって、一対のシート状本体部は、相互に対して延設部を介して延設されており、一対のシート状本体部は、各々、延設部と長手方向端部との間に、クリップを通すための開口部を備える、一対のシート状本体部と、一対のシート状本体部から延設される少なくとも1つの拡張部とを備える。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物を挟みこむクリップに装着されるクリップ用パッドであって、前記クリップ用パッドは、
前記クリップからの応力を受ける一対のシート状本体部であって、前記一対のシート状本体部は、相互に対して延設部を介して延設されており、前記一対のシート状本体部は、各々、前記延設部と長手方向端部との間に、前記クリップを通すための開口部を備える、一対のシート状本体部と、
前記一対のシート状本体部から延設される少なくとも1つの拡張部と
を備える、クリップ用パッド。
【請求項2】
前記少なくとも1つの拡張部は、前記一対のシート状本体部の各々から延設される一対の拡張部を含み、前記一対の拡張部は、前記一対のシート状本体部を重ね合わせた状態で相互に重なり合う位置に設けられており、
前記一対のシート状本体部は、前記延設部から前記開口部の周囲まで相互に張り合わせられている、請求項1に記載のクリップ用パッド。
【請求項3】
前記一対の拡張部は、前記開口部と前記長手方向端部との間の縁部から延設されており、前記一対の拡張部は、相互に張り合わせられていない、請求項2に記載のクリップ用パッド。
【請求項4】
前記一対の拡張部は、前記延設部と前記開口部との間の縁部から延設されている、請求項2に記載のクリップ用パッド。
【請求項5】
前記一対のシート状本体部の各々の前記開口部は、前記一対のシート状本体部を重ね合わせた状態で相互に重なり合わないように、前記クリップ用パッドの長手方向軸に沿って相互に離間されて設けられている、請求項1~4のいずれかに記載のクリップ用パッド。
【請求項6】
前記クリップは、第1のクリップであり、
前記一対のシート状本体部は、第1の一対のシート状本体部であり、
前記少なくとも1つの拡張部は、前記延設部から延設されており、かつ、第2のクリップからの応力を受ける第2の一対のシート状本体部であり、
前記第2の一対のシート状本体部は、各々、前記第2のクリップを通すための開口部を備える、請求項1に記載のクリップ用パッド。
【請求項7】
前記クリップ用パッドは、前記第1の一対のシート状本体部から前記第2の一対のシート状本体部にわたって、張り合わせ部をさらに備え、前記第1の一対のシート状本体部の各々の開口部は、前記張り合わせ部の外側に設けられており、前記第2の一対のシート状本体部の各々の開口部は、前記張り合わせ部の内側に設けられており、
前記第1の一対のシート状本体部は、前記第2の一対のシート状本体部の展開方向と反対の方向に展開可能である、請求項6に記載のクリップ用パッド。
【請求項8】
前記クリップは、第1のクリップであり、
前記一対のシート状本体部は、第1の一対のシート状本体部であり、
前記少なくとも1つの拡張部は、第2のクリップからの応力を受ける第2の一対のシート状本体部、および、第3のクリップからの応力を受ける第3の一対のシート状本体部であり、
前記第2の一対のシート状本体部および前記第3の一対のシート状本体部は、前記第1の一対のシート状本体部と前記第2の一対のシート状本体部と前記第3の一対のシート状本体部が相互に並列して配置されるように、前記第1の一対のシート状本体部から延設されている、請求項1に記載のクリップ用パッド。
【請求項9】
前記少なくとも1つの拡張部は、前記延設部から延設されており、かつ、前記クリップ用パッドを引っ掛けるための引っ掛け機構をさらに備える、請求項1に記載のクリップ用パッド。
【請求項10】
前記少なくとも1つの拡張部には、折り曲げおよび/または切り離し可能なようにスリットまたはミシン目のいずれかが形成されている、請求項1~9のいずれかに記載のクリップ用パッド。
【請求項11】
対象物を挟み込むクリップに装着されるクリップ用パッドであって、前記クリップ用パッドは、
前記クリップからの応力を受ける一対のシート状本体部であって、前記一対のシート状本体部は、相互に対して延設部を介して延設されており、前記一対のシート状本体部は、各々、前記クリップを通すための開口部を備える、一対のシート状本体部と、
前記クリップの変位を制限するための少なくとも1つの変位制限部材と
を備え、
前記少なくとも1つの変位制限部材の表面は、前記開口部および前記クリップを覆うように構成される空間部を備え、
前記少なくとも1つの変位制限部材の表面は、前記空間部を除き、前記クリップの変位を制限するように前記一対のシート状本体部に張り合わせられている、クリップ用パッド。
【請求項12】
前記少なくとも1つの変位制限部材は、前記少なくとも1つの変位制限部材が前記一対のシート状本体部に張り合わせられた状態で前記クリップを前記一対のシート状本体部から着脱するための孔をさらに備える、請求項11に記載のクリップ用パッド。
【請求項13】
前記一対のシート状本体部の各々の対応する長手方向端部は、前記一対のシート状本体部を重ね合わせた状態で凹部を形成するように構成されている、請求項1~12のいずれかに記載のクリップ用パッド。
【請求項14】
対象物を挟み込むクリップに装着されるクリップ用パッドであって、前記クリップ用パッドは、
長手方向に所定の間隔だけ離間して配置される複数の第1の開口部を有する第1のシートと、
長手方向の長さが前記第1のシートよりも短い複数の第2のシートであって、前記複数の第2のシートの各々は、第2の開口部を備える、複数の第2のシートと
を備え、
前記複数の第2のシートの各々の少なくとも一部は、前記第1のシートに張り合わされており、
前記複数の第1の開口部および前記第2の開口部は、クリップが挿入可能なように構成されている、クリップ用パッド。
【請求項15】
前記第1のシート上の前記複数の第1の開口部間には、折り曲げおよび/または切り離しを可能にするスリットまたはミシン目のいずれかが、所定の間隔で形成されている、請求項14に記載のクリップ用パッド。
【請求項16】
前記第1のシートと前記複数の第2のシートのうちの1つとに延設される拡張部をさらに備える、請求項14または請求項15に記載のクリップ用パッド。
【請求項17】
前記拡張部は、前記クリップ用パッドを引っ掛けるための引っ掛け機構を備える、請求項16に記載のクリップ用パッド。
【請求項18】
前記拡張部と前記第1のシートおよび前記複数の第2のシートのうちの1つとの間には、折り曲げおよび/または切り離しを可能にするスリットまたはミシン目のいずれかが形成されている、請求項16または請求項17に記載のクリップ用パッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象物を挟みこむクリップに装着されるクリップ用パッドに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、対象物(例えば、複数枚の紙)を挟みこむクリップ(例えば、2重渦巻状の金属線材によって形成される扁平なクリップ(所謂、ゼムクリップ))が知られている。
【0003】
また、扁平なクリップに装着することにより、紙等に傷つきや挟み跡が生じるのを防止したクリップ用パッドとして、扁平な袋状の第1装着部とこの第1装着部の一端に連結された扁平な袋状の第2装着部とで構成され、第1装着部には、第2装着部が連結されている端部に、扁平クリップの第1巻き部を挿入する第1開口部が形成され、第2装着部には、扁平クリップの第2巻き部を挿入する第2開口部が第1開口部に隣接して形成されているものが知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のクリップ用パッドは、一対のシートを張り合わせる際に袋状の第1装着部および第2装着部を形成するように空間を設けるようにしなければならず、製造するのが難しかった。
【0006】
また、従来のゼムクリップを使用するときには、ゼムクリップの金属線材の先端が露出していることにより対象物が傷ついたり、ゼムクリップの挟み込みによる応力が対象物に印加されることによって対象物に挟み跡が残ったりする場合があった。
【0007】
また、従来のゼムクリップは、栞として、書類の束の間に挟みこまれて使用され得るが、そのゼムクリップが何のために挟みこまれたものであるのか分からなくなる場合があった。
【0008】
また、従来のゼムクリップは、ゼムクリップの長手方向に対して横方向に力が加わると簡単に回転し、これにより、ゼムクリップが対象物から外れてしまう場合があった。
【0009】
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、製造が簡単で安価なクリップ用パッドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の1つの局面において、本発明のクリップ用パッドは、対象物を挟みこむクリップに装着されるクリップ用パッドであり、前記クリップ用パッドは、前記クリップからの応力を受ける一対のシート状本体部であって、前記一対のシート状本体部は、相互に対して延設部を介して延設されており、前記一対のシート状本体部は、各々、前記延設部と長手方向端部との間に、前記クリップを通すための開口部を備える、一対のシート状本体部と、前記一対のシート状本体部から延設される少なくとも1つの拡張部とを備える。
【0011】
本発明の1つの実施形態では、前記少なくとも1つの拡張部は、前記一対のシート状本体部の各々から延設される一対の拡張部を含み、前記一対の拡張部は、前記一対のシート状本体部を重ね合わせた状態で相互に重なり合う位置に設けられており、前記一対のシート状本体部は、前記延設部から前記開口部の周囲まで相互に張り合わせられていてもよい。
【0012】
本発明の1つの実施形態では、前記一対の拡張部は、前記開口部と前記長手方向端部との間の縁部から延設されており、前記一対の拡張部は、相互に張り合わせられていなくてもよい。
【0013】
本発明の1つの実施形態では、前記一対の拡張部は、前記延設部と前記開口部との間の縁部から延設されていてもよい。
【0014】
本発明の1つの実施形態では、前記一対のシート状本体部の各々の前記開口部は、前記一対のシート状本体部を重ね合わせた状態で相互に重なり合わないように、前記クリップ用パッドの長手方向軸に沿って相互に離間されて設けられていてもよい。
【0015】
本発明の1つの実施形態では、前記クリップは、第1のクリップであり、前記一対のシート状本体部は、第1の一対のシート状本体部であり、前記少なくとも1つの拡張部は、前記延設部から延設されており、かつ、第2のクリップからの応力を受ける第2の一対のシート状本体部であり、前記第2の一対のシート状本体部は、各々、前記第2のクリップを通すための開口部を備えてもよい。
【0016】
本発明の1つの実施形態では、前記クリップ用パッドは、前記第1の一対のシート状本体部から前記第2の一対のシート状本体部にわたって、張り合わせ部をさらに備え、前記第1の一対のシート状本体部の各々の開口部は、前記張り合わせ部の外側に設けられており、前記第2の一対のシート状本体部の各々の開口部は、前記張り合わせ部の内側に設けられており、前記第1の一対のシート状本体部は、前記第2の一対のシート状本体部の展開方向と反対の方向に展開可能であってもよい。
【0017】
本発明の1つの実施形態では、前記クリップは、第1のクリップであり、前記一対のシート状本体部は、第1の一対のシート状本体部であり、前記少なくとも1つの拡張部は、第2のクリップからの応力を受ける第2の一対のシート状本体部、および、第3のクリップからの応力を受ける第3の一対のシート状本体部であり、前記第2の一対のシート状本体部および前記第3の一対のシート状本体部は、前記第1の一対のシート状本体部と前記第2の一対のシート状本体部と前記第3の一対のシート状本体部が相互に並列して配置されるように、前記第1の一対のシート状本体部から延設されていてもよい。
【0018】
本発明の1つの実施形態では、前記少なくとも1つの拡張部は、前記延設部から延設されており、かつ、前記クリップ用パッドを引っ掛けるための引っ掛け機構をさらに備えていてもよい。
【0019】
本発明の1つの実施形態では、前記少なくとも1つの拡張部には、折り曲げおよび/または切り離し可能なようにスリットまたはミシン目のいずれかが形成されていてもよい。
【0020】
本発明の1つの局面において、本発明のクリップ用パッドは、対象物を挟み込むクリップに装着されるクリップ用パッドであり、前記クリップ用パッドは、前記クリップからの応力を受ける一対のシート状本体部であって、前記一対のシート状本体部は、相互に対して延設部を介して延設されており、前記一対のシート状本体部は、各々、前記クリップを通すための開口部を備える、一対のシート状本体部と、前記クリップの変位を制限するための少なくとも1つの変位制限部材とを備え、前記少なくとも1つの変位制限部材の表面は、前記開口部および前記クリップを覆うように構成される空間部を備え、前記少なくとも1つの変位制限部材の表面は、前記空間部を除き、前記クリップの変位を制限するように前記一対のシート状本体部に張り合わせられている。
【0021】
本発明の1つの実施形態では、前記少なくとも1つの変位制限部材は、前記少なくとも1つの変位制限部材が前記一対のシート状本体部に張り合わせられた状態で前記クリップを前記一対のシート状本体部から着脱するための孔をさらに備えていてもよい。
【0022】
本発明の1つの実施形態では、前記一対のシート状本体部の各々の対応する長手方向端部は、前記一対のシート状本体部を重ね合わせた状態で凹部を形成するように構成されていてもよい。
【0023】
本発明の1つの局面において、本発明のクリップ用パッドは、対象物を挟み込むクリップに装着されるクリップ用パッドであり、前記クリップ用パッドは、長手方向に所定の間隔だけ離間して配置される複数の第1の開口部を有する第1のシートと、長手方向の長さが前記第1のシートよりも短い複数の第2のシートであって、前記複数の第2のシートの各々は、第2の開口部を備える、複数の第2のシートとを備え、前記複数の第2のシートの各々の少なくとも一部は、前記第1のシートに張り合わされており、前記複数の第1の開口部および前記第2の開口部は、クリップが挿入可能なように構成されている。
【0024】
本発明の1つの実施形態では、前記第1のシート上の前記複数の第1の開口部間には、折り曲げおよび/または切り離しを可能にするスリットまたはミシン目のいずれかが、所定の間隔で形成されていてもよい。
【0025】
本発明の1つの実施形態では、前記第1のシートと前記複数の第2のシートのうちの1つとに延設される拡張部をさらに備えていてもよい。
【0026】
本発明の1つの実施形態では、前記拡張部は、前記クリップ用パッドを引っ掛けるための引っ掛け機構を備えていてもよい。
【0027】
本発明の1つの実施形態では、前記拡張部と前記第1のシートおよび前記複数の第2のシートのうちの1つとの間には、折り曲げおよび/または切り離しを可能にするスリットまたはミシン目のいずれかが形成されていてもよい。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、クリップの変位防止機能等の付加的な機能を有するクリップ用パッドを提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1A】本発明のクリップ用パッドの構造の一例を示す図
【
図1B】本発明のクリップ用パッドの構造の他の一例を示す図
【
図1C】本発明のクリップ用パッドの構造の他の一例を示す図
【
図1D】本発明のクリップ用パッドの構造の他の一例を示す図
【
図1E】本発明のクリップ用パッドの構造の他の一例を示す図
【
図1F】本発明のクリップ用パッドの構造の他の一例を示す図
【
図1G】本発明のクリップ用パッドの構造の他の一例を示す図。
【
図1H】本発明のクリップ用パッドの構造の他の一例を示す図
【
図1I】本発明のクリップ用パッドの構造の他の一例を示す図
【
図1J】本発明のクリップ用パッドの構造の他の一例を示す図
【
図1K】本発明のクリップ用パッドの構造の他の一例を示す図
【
図2A】本発明のクリップ用パッドの構造の一例を示す図
【
図2B】本発明のクリップ用パッドの構造の他の一例を示す図
【
図3】本発明のクリップ用パッドの構造の他の一例を示す図
【
図4A】本発明のクリップ用パッドの構造の一例を示す図
【
図4B】本発明のクリップ用パッドの構造の他の一例を示す図
【
図4C】本発明のクリップ用パッドの構造の他の一例を示す図
【
図5】本発明のクリップ用パッドの構造の他の一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
【0031】
図1Aは、本発明のクリップ用パッドの構造の一例を示す。
図1A(a)は、対象物(例えば、紙)を挟みこむクリップXに装着されるクリップ用パッド100の展開図を示し、
図1A(b)は、重ね合わせ状態におけるクリップ用パッド100の正面図と側面図と平面図とを示す。
図1Aに示される実施形態では、クリップ用パッド100は、クリップXからの応力を受ける一対のシート状本体部110(すなわち、シート状本体部110aおよびシート状本体部110b)を備える。
【0032】
図1Aに示される実施形態では、シート状本体部110aおよびシート状本体部110bは、各々、略矩形形状を有するが、本発明はこれに限定されない。シート状本体部110aおよびシート状本体部110bは、各々、クリップXからの応力を受けることができる限りにおいて、任意の形状を有する。例えば、シート状本体部110aおよびシート状本体部110bは、各々、略円形状(楕円形状を含む)を有していてもよいし、多角形状(三角、四角形など)を有していてもよい。また、シート状本体部110aは、
図1Aに示されるようにシート状本体部110bと同じ形状および/または同じ大きさであってもよいし、シート状本体部110bと異なる大きさであってもよいし、異なる形状であってもよい。本発明のクリップ用パッドは、1枚のシートで形成することが可能であり、簡単で安価に製造することが可能である。
【0033】
図1Aに示される実施形態では、シート状本体部110aとシート状本体部110bは略矩形形状で同じ形状であるが、シート状本体部110aの長手方向長さが、シート状本体部110bの長手方向長さより短く設計されている。このようにすることにより、クリップXによって挟まれる対象物(例えば、紙)をクリップ用パッド100に(すなわち、シート状本体部110aとシート状本体部110bとの間に)容易に差し込むことが可能となる。他の実施形態では、シート状本体部110aの長手方向長さは、シート状本体部110bの長手方向長さより長く設計されていてよいし、シート状本体部110bの長手方向長さと同じになるように設計されていてもよい。
【0034】
一対のシート状本体部110の材料は、クリップXからの応力に耐えることができる程の耐力を有する限りにおいて、任意であり得、一対のシート状本体部110は、製造が容易で安価に製造できる点で紙製(合成紙を含む)であることが好ましいが、耐久性などの理由からプラスチック(樹脂)製であってもよい。また、一対のシート状本体部110は、紙製の表面に樹脂などをコーティング(例えば、ラミネート加工)したものであってもよい。
【0035】
シート状本体部110aおよびシート状本体部110bは、相互に対して延設部120を介して延設されている。
図1Aに示される実施形態では、シート状本体部110aおよびシート状本体部110bは、1つの部材によって構成されており(すなわち、シート状本体部110aとシート状本体部110bとの両方を備えるように1つの部材から作製されており)、延設部120を境界として略対称に構成されている。あるいは、シート状本体部110aおよびシート状本体部110bは、各々が別個の部材によって構成され、延設部120を介して相互に連接されていてもよい。
【0036】
図1Aに示される実施形態では、シート状本体部110aおよびシート状本体部110bは、各々、延設部120と長手方向端部111(111a、111b)との間に、クリップXを通すための開口部130(130a、130b)を備える。
図1Aに示される実施形態では、シート状本体部110aの開口部130aは、一対のシート状本体部110を相互に重ね合わせた状態においてシート状本体部110bの開口部130bと相互に重なり合う位置に設けられている。しかしながら本発明はこれに限定されない。例えば、、シート状本体部110aの開口部130aは、より詳細に後述されるように、一対のシート状本体部110を相互に重ね合わせた状態でシート状本体部110bの開口部130bと重なり合わないようにずらして設けられていてもよい。このように、開口部130aと130bとの位置をずらすことにより、クリップを挿入した場合に、シート状本体部110aと、シート状本体部110bとで固定されるクリップの軸方向の位置が異なるようになるため、クリップの左右の移動を防止することが可能となる。また、
図1Aに示される実施形態では、シート状本体部110aの開口部130aおよびシート状本体部110bの開口部130bは、両方とも楕円形状を有している。また、シート状本体部110aの開口部130aとシート状本体部110bの開口部130bとの大きさは、同じ大きさであってもよいし、異なる大きさであってもよい。例えば、クリップXが挿入される側の開口部の大きさを大きくすることにより、クリップXの挿入が容易に行うことが可能となる。より詳細に後述されるように、シート状本体部110aの開口部130およびシート状本体部110bの開口部130は、同じ形状を有していてもよいし、異なる形状を有していてもよい。さらに、より詳細に後述されるように、シート状本体部110aの開口部130aおよびシート状本体部110bの開口部130bは、クリップXを通すことができる限りにおいて、楕円形状以外の形状(スリットなど)を有していてもよい。
【0037】
クリップ用パッド100は、一対のシート状本体部110から延設される少なくとも1つの拡張部をさらに備える。
図1Aに示される実施形態では、クリップ用パッド100は、一対のシート状本体部110(より具体的には、シート状本体部110a)から延設される拡張部140aをさらに備える。ユーザは、この拡張部140aにイラストおよび/またはテキストを印刷および/または書き込むことが可能であり、これにより、拡張部140aをメモパッドまたは案内板(広告や宣伝)/標識として使用することが可能である。
図1Aに示される実施形態では、拡張部140aは、延設部120と開口部130aとの間の縁部から延設されている。しかしながら本発明はこれに限定されない。例えば、拡張部140aは、開口部130aと長手方向端部111aとの間の縁部から延設させてもよい。
【0038】
図1Aに示される実施形態では、拡張部140aは、略矩形形状を有するが、本発明はこれに限定されない。拡張部140aの形状は、例えば、略円形状(楕円形状を含む)であってもよいし、多角形状(三角形状、四角形状、五角形状など)であってもよい。拡張部140aの材料は、一対のシート状本体部110の材料と同じであり得る。拡張部140aはシート状本体部110(110aおよび/または110b)と同じ1枚のシートから形成されてもよい。拡張部140aは、製造が容易で安価に製造できる点で紙製(合成紙を含む)であることが好ましいが、プラスチック(樹脂)製であってもよい。また、紙製の表面に樹脂などをコーティング(例えば、ラミネート加工)したものであってもよい。あるいは、拡張部140aには、一対のシート状本体部110の材料と異なる材料が使用されていてもよい。
【0039】
図1Bは、本発明のクリップ用パッドの構造の他の一例を示す。
図1Bには、クリップ用パッド100の他の一例の正面図と側面図と平面図とが示されている。
【0040】
図1Bに示される実施形態では、クリップ用パッド100は、一対のシート状本体部110を相互に張り合わせた張り合わせ部150を備える。
図1Bにおいても、張り合わせ部150の領域/範囲が、斜線を用いて示されている。
図1Bに示される実施形態では、張り合わせ部150は、クリップ用パッド100の延設部120から開口部130の周囲まで設けられている。しかしながら本発明はこれに限定されない。開口部130は、張り合わせ部150の内側(内部)に包含されるように設けられていてもよいし、張り合わせ部150の境界線を横断するように設けられていてもよいし、張り合わせ部150の外側(外部)に位置するように設けられていてもよい。このような張り合わせ部150を備えることにより、クリップ用パッド100の強度を高めることが可能である。なお、張り合わせ部150は、一対のシート状本体部110の開口部130と長手方向端部111との間の全て領域に設けることはなく、一対のシート状本体部110は、少なくとも長手方向端部111から所定距離分だけは張り合わせ部150ではない部分を有する。
図1Bに示される実施形態では、一対のシート状本体部110の開口部130と長手方向端部111との間は相互に張り合わせられていないので、クリップXの非装着時、
図2Bに示されるクリップ用パッド100の側面図において破線で示されるように展開可能である。このように開口部130と長手方向端部111との間の領域に張り合わせ部150を有していないために、挟み込む対象となる紙などをクリップ用パッド100の内部に挿入することが可能となる。
【0041】
図1Bに示される実施形態では、クリップ用パッド100は、一対のシート状本体部110から延設される一対の拡張部140(すなわち、シート状本体部110aから延設される拡張部140a、および、シート状本体部110bから延設される拡張部140b)を備える。
図1Bに示される実施形態では、一対の拡張部140は、相互に張り合わせられていない。これにより、一対の拡張部140は、
図1Bに示されるクリップ用パッド100の平面図において破線で示されるように展開可能であり、ユーザは、拡張部140aおよび拡張部140bの各々の両面をメモパッドまたは案内板(広告や宣伝)/標識として使用することが可能である。
図1Bに示される実施形態では、一対の拡張部140は、延設部120と開口部130との間の縁部から延設されている。
【0042】
図1Cは、本発明のクリップ用パッドの構造の他の一例を示す。
【0043】
図1Cにおいても、張り合わせ部150の領域/範囲が、斜線を用いて示されている。クリップ用パッド100の一対の拡張部140は、
図1Bに示されるように、相互に張り合わせられていなくてもよいし、
図1Cに示されるように、相互に張り合わせられていてもよい。この場合においても、拡張部140aおよび拡張部140bの両面をメモパッドまたは案内板(広告や宣伝)/標識として使用することが可能である。
【0044】
図1Dは、本発明のクリップ用パッドの構造の他の一例を示す。
【0045】
図1Dに示される実施形態では、クリップ用パッド100は、
図1Bに示されるような一対の拡張部140に加えて、一対のシート状本体部110から延設される一対の拡張部140’(すなわち、シート状本体部110aから延設される拡張部140a’、および、シート状本体部110bから延設される拡張部140b’)を備える。
図1Dに示される実施形態では、一対の拡張部140’は、延設部120と開口部130との間の対向縁部から延設されている。
図1Dにおいても、張り合わせ部150の領域/範囲が、斜線を用いて示されている。
図1Dに示される実施形態では、張り合わせ部150は、一対のシート状本体部110の延設部120と開口部130の周囲との間、および、一対の拡張部140’にわたって設けられており、一対の拡張部140は、相互に張り合わせられていない。このように、クリップ用パッド100は、拡張部の用途の違い等に応じて、相互に張り合わせられていない一対の拡張部140と、相互に張り合わせられている一対の拡張部140’との組み合わせを備えていてもよい。
【0046】
図1Eは、本発明のクリップ用パッドの構造の他の一例を示す。
図1Eに示されるクリップ用パッド100は、
図1Dに示されるクリップ用パッド100の変形例である。
【0047】
図1Eに示されるクリップ用パッド100は、一対の拡張部140および一対の拡張部140’の位置を除き、
図1Dに示されるクリップ用パッド100と同様の構成を有する。
図1Eに示される実施形態では、クリップ用パッド100の一対の拡張部140は、クリップ用パッド100の一対のシート状本体部110の開口部130と長手方向端部111との間の縁部から延設されており、クリップ用パッド100の一対の拡張部140’は、クリップ用パッド100の一対のシート状本体部110の開口部130と長手方向端部111との間の対向縁部から延設されている。開口部130と長手方向端部111との間の縁部から延設されている一対の拡張部140、および、開口部130と長手方向端部111との間の対向縁部から延設されている一対の拡張部140’は、相互に張り合わせられない。このように、開口部130から長手方向端部111(111a、111b)までの領域に張り合わせ部150を有していないために、挟み込む対象となる紙などをクリップ用パッド100の内部に挿入することが可能となる。
【0048】
図1Fは、本発明のクリップ用パッドの構造の他の一例を示す。
図1Fに示されるクリップ用パッド100は、
図1Cに示されるクリップ用パッド100の変形例である。
【0049】
図1Fに示されるクリップ用パッド100は、拡張部の位置を除き、
図1Cに示されるクリップ用パッド100と同様の構成を有する。
図1Fに示される実施形態では、クリップ用パッド100の拡張部140”は、クリップ用パッド100の延設部120から延設されている。
図1Fに示される実施形態では、張り合わせられた拡張部140”の幅方向長さは、一対のシート状本体部110の幅方向長さより長くサイズ決めされている。
【0050】
図1Gは、本発明のクリップ用パッドの構造の他の一例を示す。
図1Gに示されるクリップ用パッド100は、
図1Fに示されるクリップ用パッド100の変形例である。
【0051】
図1Gに示されるクリップ用パッド100は、拡張部の態様を除き、
図1Fに示されるクリップ用パッド100と同様の構成を有する。
図1Gに示される実施形態では、クリップ用パッド100の延設部120から延設されている拡張部140”は、クリップ用パッド100を突起物(図示せず)または棒状部材(図示せず)などに引っ掛けるための引っ掛け機構160を備える。拡張部140”の形状は、クリップ用パッド100を突起物(図示せず)または棒状部材(図示せず)などに引っ掛けることが可能であれば任意の形状であり得る。引っ掛け機構160の形状の一例として、
図1G(a)に示される実施形態では、引っ掛け機構160は、突起物およびフックなどに引っ掛けることを可能にする孔161である。引っ掛け機構160の形状の他の一例として、
図1G(b)に示される実施形態では、引っ掛け機構160は、棒状部材などに引っ掛けることを可能にするフック状部材162である。しかしながら、本発明はこれらに限定されない。例えば、引っ掛け機構160の形状は、T字形状などであってもよい。
【0052】
図1Hは、本発明のクリップ用パッドの構造の他の一例を示す。
図1Hに示されるクリップ用パッド100は、
図1Fに示されるクリップ用パッド100の変形例である。
【0053】
図1Hに示されるクリップ用パッド100は、拡張部の態様を除き、
図1Fに示されるクリップ用パッド100と同様の構成を有する。
図1Hに示される実施形態では、クリップ用パッド100の延設部120から延設されている拡張部140”は、クリップYからの応力を受ける一対のシート状本体部110’(すなわち、シート状本体部110a’およびシート状本体部110b’)を備える。一対のシート状本体部110’は、クリップYを通すための開口部130’を備える。シート状本体部110b’に対するシート状本体部110a’の展開方向は、シート状本体部110bに対するシート状本体部110aの展開方向と反対の方向である。
図1Hに示される一対のシート状本体部110’は、
図1Aに示される一対のシート状本体部110と同様の構成を有するため、ここではその詳細な説明を省略する。
【0054】
図1Hに示される実施形態では、クリップ用パッド100は、一対のシート状本体部110から一対のシート状本体部110’にわたって、張り合わせ部150を備える。
図1Hに示される実施形態では、一対のシート状本体部110の開口部130は、張り合わせ部150の外側に設けられており、一対のシート状本体部110’の開口部130’は、張り合わせ部150の内側に設けられている。このように張り合わせ部150の中心を延設部120からずらすことにより、一対のシート状本体部110と一対のシート状本体部110’とに違いをもたらすことが可能であり、ひいては、一対のシート状本体部110および一対のシート状本体部110’を、用途等に応じて異なる態様で使用することが可能である。また、一対のシート状本体部110と一対のシート状本体部110’とを1つの一対のシート状本体部で形成した場合には、シート状本体部に、一対のシート状本体部110と一対のシート状本体部110’との間で折り曲げおよび/または分離可能なように、スリットまたはミシン目を設けることが好ましい。別の実施形態では、一対のシート状本体部110の開口部130は、張り合わせ部150の内側に設けられており、一対のシート状本体部110’の開口部130’は、張り合わせ部150の外側に設けられていてもよい。さらに別の実施形態では、一対のシート状本体部110の開口部130および一対のシート状本体部110’の開口部130’は、両方とも、張り合わせ部150の境界線を横断するように設けられていてもよい。
【0055】
図1Iは、本発明のクリップ用パッドの構造の他の一例を示す。
図1Iに示されるクリップ用パッド100は、
図1Fに示されるクリップ用パッド100の変形例である。
【0056】
図1Iに示されるクリップ用パッド100は、拡張部の態様を除き、
図1Fに示されるクリップ用パッド100と同様の構成を有する。
図1Iにおいても、張り合わせ部150の領域/範囲が、斜線を用いて示されている。
図1Iに示される実施形態では、クリップ用パッド100の延設部120から延設されている拡張部140”は、張り合わせ部150を介してL字状に相互に接続された一対のシート状本体部110L
1および一対のシート状本体部110L
2であり、これにより、
図1Iに示されるクリップ用パッド100は、その全体がT字形状を有している。あるいは、張り合わせ部150を介して相互に接続されたL字形状の一対のシート状本体部110L
1および一対のシート状本体部110L
2によって、クリップ用パッド100は、その全体がY字形状を有していてもよい。
【0057】
図1Hに示される実施形態と同様に、一対のシート状本体部110の開口部130、および、一対のシート状本体部110L
1の開口部、および、一対のシート状本体部110L
2の開口部は、いずれも、張り合わせ部150の内側に設けられていてもよいし、張り合わせ部150の境界線を横断するように設けられていてもよいし、張り合わせ部150の外側に設けられていてもよい。
【0058】
図1Jは、本発明のクリップ用パッドの構造の他の一例を示す。
図1Jに示されるクリップ用パッド100は、
図1Fに示されるクリップ用パッド100の変形例である。
【0059】
図1Jに示されるクリップ用パッド100は、拡張部の態様を除き、
図1Fに示されるクリップ用パッド100と同様の構成を有する。
図1Jにおいても、張り合わせ部150の領域/範囲が、斜線を用いて示されている。
図1Jに示される実施形態では、クリップ用パッド100の延設部120から延設されている拡張部140”は、クリップYからの応力を受ける一対のシート状本体部110P
1、および、クリップZからの応力を受ける一対のシート状本体部110P
2であり、一対のシート状本体部110P
1および一対のシート状本体部110P
2は、一対のシート状本体部110と一対のシート状本体部110P
1と一対のシート状本体部110P
2とが相互に並列して配置されるように、一対のシート状本体部110から延設されている。
【0060】
図1Hに示される実施形態と同様に、一対のシート状本体部110の開口部130、および、一対のシート状本体部110P
1の開口部、および、一対のシート状本体部110P
2の開口部は、いずれも、張り合わせ部150の内側に設けられていてもよいし、張り合わせ部150の境界線を横断するように設けられていてもよいし、張り合わせ部150の外側に設けられていてもよい。
【0061】
図1Kは、本発明のクリップ用パッドの構造の他の一例を示す。
図1Kに示される実施形態では、クリップ用パッド100の拡張部140には(例えば、一対のシート状本体部110と拡張部140との間には)、
図1K(a)~
図1K(f)に示されるように、折り曲げおよび/または切り離し可能なようにスリットまたはミシン目170が形成されている。これにより、
図1K(a)~
図1K(b)に示されるように、対象物に略垂直になるように拡張部140を折り曲げ、拡張部140に提示されている内容を容易に視認可能にすることが可能である。また、スリットまたはミシン目170のおかげで、一対のシート状本体部110から拡張部140をより容易に引き千切ることが可能であり、これにより、用済みとなった拡張部140を簡単に処分することが可能である。
【0062】
また、スリットまたはミシン目170は、
図1K(e)~
図1K(f)に示されるように、一対のシート状本体部110L
1および一対のシート状本体部110L
2の各々にも設けられていてもよいし、一対のシート状本体部110P
1および一対のシート状本体部110P
2の各々にも設けられていてもよいし、一対のシート状本体部110と一対のシート状本体部110P
1との間にも設けられていてもよいし、一対のシート状本体部110P
1と一対のシート状本体部110P
2との間にも設けられていてもよい。
【0063】
図2Aは、本発明のクリップ用パッドの構造の一例を示す。
図2Aに示される実施形態では、対象物を挟み込むクリップに装着されるクリップ用パッド200は、クリップXからの応力を受ける一対のシート状本体部210(すなわち、シート状本体部210aおよびシート状本体部210b)と、クリップXの変位を制限するための少なくとも1つの変位制限部材220とを備える。一対のシート状本体部210は、
図1Aを参照して説明される一対のシート状本体部110と同様の構成を有するため、ここではその詳細な説明を省略する。
【0064】
変位制限部材220は、一対のシート状本体部210の開口部およびクリップXを覆うように構成される空間部230を備える。
図2Aに示される実施形態では、変位制限部材220は、空間部230を除き、クリップXの変位を制限するように、一対のシート状本体部210に(より具体的には、一対のシート状本体部210の開口部およびクリップXの周囲に)張り合わせられている。これにより、クリップXは、空間部230内でのみ自由に移動することが可能であり、クリップXの回転および変位が制限され、クリップXが対象物から外れてしまうことを避けることが可能である。
【0065】
図2Aに示される実施形態では、シート状本体部210a上に第1の変位制限部材220が設けられており、シート状本体部210b上に第2の変位制限部材220が設けられている。
図2Aに示される実施形態では、2つの変位制限部材220が示されているが、本発明はこれに限定されない。例えば、変位制限部材220は、クリップXの変位を制限することが可能である限り、シート状本体部210a上またはシート状本体部210b上のいずれか一方にのみ設けられていてもよい。また、
図2Aに示される実施形態では、変位制限部材220は、一対のシート状本体部210上で、一対のシート状本体部210の開口部およびクリップXの周囲のみに張り合わせられているが、本発明はこれに限定されない。例えば、変位制限部材220は、空間部230を備える限り、一対のシート状本体部210上で、一対のシート状本体部210の表面全体にわたって張り合わせられていてもよい。
【0066】
図2Bは、本発明のクリップ用パッドの構造の他の一例を示す。
図2Bに示される実施形態では、クリップ用パッド200の変位制限部材220は、変位制限部材220が一対のシート状本体部210に張り合わせられた状態でクリップXを一対のシート状本体部210から着脱するための孔240を備える。これにより、ユーザは、変位制限部材220を一対のシート状本体部210に張り合わせた後であっても、所望のタイミングでクリップXを一対のシート状本体部210から着脱することが可能である。好ましくは、孔240はシート状本体部の開口部よりも大きいものである。そのようにすることにより、より簡単にクリップXを一対のシート状本体部210から着脱することが可能となる。
【0067】
なお、
図1A~
図1Kおよび
図2A~
図2Bに示される実施形態では、クリップ用パッド100の一対のシート状本体部110の長手方向端部111、および、クリップ用パッド200の一対のシート状本体部210の長手方向端部は、長手方向に対して垂直に水平に切断されたような端部形状を有しているが、本発明はこれに限定されない。
図3は、本発明のクリップ用パッドの構造の他の一例を示す。クリップ用パッド100の一対のシート状本体部110の長手方向端部111は、
図3に示されるように、シート状本体部110aとシート状本体部110bとを重ね合わせた状態で略V字形状を形成するように構成されていてもよい。クリップ用パッド200の一対のシート状本体部210の長手方向端部もまた、
図3に示される構成と同様に、一対のシート状本体部210を重ね合わせた状態で略V字形状を形成するように構成されていてもよい。
図3に示す実施形態において略V字形状を説示したが、挟み込む対象物(紙)などを挿入しやすいように、一対のシート状本体部を重ね合わせた状態でシート状本体部端部の両端が突出して凹部(谷部)を形成していれば、任意の形状であり得、例えば、略U字形状または略コ字形状であってもよい。
【0068】
図4Aは、本発明のクリップ用パッドの構造の一例を示す。
図4Aに示される実施形態では、対象物を挟み込むクリップに装着されるクリップ用パッド400は、長手方向に所定の間隔だけ離間して配置される複数の第1の開口部を有する第1のシート410と、長手方向の長さが第1のシート410よりも短い複数の第2のシート420とを備える。
図4Aに示される実施形態では、複数の第2のシート420は、3枚の第2のシート420
1、420
2、420
3である。
図4Aに示される実施形態では、クリップ用パッド400は、
図1B~
図1Eに示されるような一対のシート状本体部110が3個連なったように構成される3連のクリップ用パッドの構成を有している。
【0069】
複数の第2のシート420の各々もまた、複数の第1の開口部の各々に対応する第2の開口部を有する。第1のシート410の複数の第1の開口部、および、複数の第2のシート420の各々の第2の開口部は、クリップを通すためのものである。
図4Aに示される実施形態では、第1のシート410の複数の第1の開口部、および、複数の第2のシート420の各々の第2の開口部は、第1のシート410と第2のシート420とを重ね合わせた状態で相互に重なり合う位置に設けられている。
【0070】
複数の第2のシート420の各々の少なくとも一部は、第1のシート410に張り合わせられている。
図2Aにおいて、第1のシート410と第2のシート420との間の張り合わせ部の領域/範囲が、斜線を用いて示されている。第1のシート410の複数の第1の開口部、および、複数の第2のシート420の各々の第2の開口部は、いずれも、張り合わせ部の内側に設けられていてもよいし、張り合わせ部の境界線を横断するように設けられていてもよいし、張り合わせ部の外側に設けられていてもよい。
【0071】
図4Bは、本発明のクリップ用パッドの構造の他の一例を示す。
図4Bに示される実施形態では、クリップ用パッド400は、第1のシート410と複数の第2のシート420のうちの1つ(より具体的には、第2のシート420
3)とに延設される拡張部430をさらに備える。
【0072】
図4Bに示される拡張部430は、
図1A~
図2Bを参照して説明される拡張部(例えば、拡張部140、拡張部140”)と同様の構成を有するため、ここではその詳細な説明を省略する。
図4Bに示される実施形態では、拡張部430は、クリップ用パッド400を突起物(図示せず)または棒状部材(図示せず)などに引っ掛けるための引っ掛け機構を備える。
図4Bに示される実施形態では、引っ掛け機構は、突起物およびフックなどに引っ掛けることを可能にする孔であるが、他の実施形態では、引っ掛け機構は、棒状部材などに引っ掛けることを可能にするフック状部材であってもよいし、T字形状などであってもよい。
【0073】
図4Cは、本発明のクリップ用パッドの構造の他の一例を示す。
図4Cに示される実施形態では、クリップ用パッド400は、第1のシート410上の複数の第1の開口部間に、折り曲げおよび/または切り離しを可能にするスリットまたはミシン目440が、所定の間隔で(例えば、複数の第1の開口部間の間隔と同じ間隔で)形成されている。これにより、ユーザは、スリットまたはミシン目440に沿って、クリップ用パッド400を部分的により容易に引き千切ることが可能である。また、引き千切られた部分的なクリップ用パッド400は、単体でクリップ用パッドとして使用することも可能である。
【0074】
図4Cに示される実施形態では、クリップ用パッド400は、拡張部430と第1のシート410および複数の第2のシート420のうちの1つ(より具体的には、第2のシート420
3)との間に、折り曲げおよび/または切り離しを可能にするスリットまたはミシン目440が、形成されている。これにより、ユーザは、拡張部430をクリップ用パッド400からより容易に引き千切ることが可能である。
【0075】
図4A~
図4Cに示される実施形態では、一対のシート状本体部110が3個連なったように構成される3連のクリップ用パッド400が説明されたが、本発明はこれに限定されない。一対のシート状本体部110が2つ以上連なったように構成される2連以上のクリップ用パッドもまた、本発明の範囲内である。
【0076】
図1A~
図4Cを参照して説明された実施形態では、シート状本体部110の開口部(または、第1のシート410および複数の第2のシート420の開口部)が相互に重なり合う位置に設けられている例を説明したが、本発明はこれに限定されない。
図5は、本発明のクリップ用パッドの構造の他の一例を示す。
図5に示されるクリップ用パッド500は、
図1Bに示されるクリップ用パッド100の変形例である。
図5(a)は、クリップ用パッド500の正面図および断面図を示し、
図5(b)は、クリップ用パッド500においてクリップXの変位が制限されていることを示す。
【0077】
図5に示されるクリップ用パッド500は、開口部の態様を除き、
図1Bに示されるクリップ用パッド100と同様の構成を有するため、ここではその詳細な説明を省略する。
図5に示される実施形態では、対象物(例えば、紙)を挟みこむクリップ用パッド500は、クリップXからの応力を受ける一対のシート状本体部510(すなわち、シート状本体部510aおよびシート状本体部510b)を備える。シート状本体部510aには、クリップXを通すための開口部520aが形成されており、シート状本体部510bには、クリップXを通すための開口部520bが形成されている。
図5に示される実施形態では、シート状本体部510a上の開口部520a、および、シート状本体部510bの開口部520bは、一対のシート状本体部510を重ね合わせた状態で相互に重なり合わないように、クリップ用パッド500の長手方向軸に沿って相互に離間されて設けられている。これにより、
図5(b)に示されるように、シート状本体部510bの開口部520bが、クリップXの変位を制限し、クリップXが対象物から外れてしまうことを避けることが可能である。
【0078】
図5に示される実施形態では、シート状本体部510a上の開口部520a、および、シート状本体部510bの開口部520bは、両方とも、楕円形状を有する。なお、シート状本体部510a上の開口部520aおよびシート状本体部510bの開口部520bは、同じ形状を有していてもよいし、異なる形状を有していてもよい。さらに、シート状本体部510a上の開口部520aおよびシート状本体部510bの開口部520bは、クリップXを通すことができる限りにおいて、楕円形状以外の形状(例えば、水平スリット、V字スリット、U字スリット)を有していてもよい。シート状本体部510a上の開口部520aおよびシート状本体部510bの開口部520bの形状の組み合わせの一例が、以下に示される。
【化1】
【0079】
図5に示される実施形態では、
図1Bに示されるクリップ用パッド100をベースにして、長手方向軸に沿った開口部の位置ズレの特徴を説明したが、本発明はこれに限定されない。長手方向軸に沿った開口部の位置ズレの特徴は、
図1A~
図4Cを参照して説明された他のクリップ用パッドにも適用可能である。
【0080】
以上のように、本発明の好ましい実施形態を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、この実施形態に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明は、製造が簡単で安価なクリップ用パッド等を提供するものとして有用である。
【符号の説明】
【0082】
100 クリップ用パッド
110 一対のシート状本体部
120 延設部
130 開口部
140 拡張部
150 張り合わせ部
160 引っ掛け機構
170 スリットまたはミシン目