(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022096958
(43)【公開日】2022-06-30
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
H01L 25/07 20060101AFI20220623BHJP
H01L 23/28 20060101ALI20220623BHJP
【FI】
H01L25/04 C
H01L23/28 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020210261
(22)【出願日】2020-12-18
(71)【出願人】
【識別番号】000144393
【氏名又は名称】株式会社三社電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110000970
【氏名又は名称】弁理士法人 楓国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】牧本 陽一
【テーマコード(参考)】
4M109
【Fターム(参考)】
4M109AA01
4M109BA03
4M109CA02
4M109DA10
4M109DB10
(57)【要約】 (修正有)
【課題】半導体装置の小型化と、組み立て性の向上を図ることができる半導体装置を提供する。
【解決手段】半同位体装置10において、支持基板12と、支持基板の上に配置されている半導体チップと、半導体チップに電気的に接続される外部端子と、支持基板、半導体チップ及び外部端子を収容する樹脂ケース16と、を備える。外部端子は、雌ネジが設けられている外部端子固定部20を、含んでいる、雌ネジには、半導体装置の外部から接続される配線を外部端子に固定するためのボルトが取り付けられる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持基板と、
前記支持基板の上に配置されている半導体チップと、
前記半導体チップに電気的に接続される外部端子と、
前記支持基板、前記半導体チップ及び前記外部端子を収容している樹脂ケースと、
を備えており、
前記外部端子の先端は、前記樹脂ケース上に引き出されて、前記樹脂ケースに向けて折り曲げられており、
前記外部端子の先端に、取付穴と当該取付穴から前記樹脂ケースに対面する方向に向けて突出している円筒形状の突出部とで構成されている外部端子固定部が、設けられている、
半導体装置。
【請求項2】
前記樹脂ケースは、固定具収容孔を有し、前記外部端子固定部は、前記樹脂ケースに向けて折り曲げられている状態で、前記固定具収容孔に収容されている
請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記外部端子固定部は、前記外部端子の先端に、穴フランジ加工により形成されている、
請求項1又は2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記外部端子固定部の突出部の内側に、雌ネジが形成されている、
請求項1乃至3のいずれかに記載の半導体装置。
【請求項5】
前記外部端子固定部には、前記半導体装置の外部から接続される配線を前記外部端子に固定するためのボルトが取り付けられる、
請求項1乃至4のいずれかに記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体チップを備える半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の半導体装置に関する発明としては、例えば、特許文献1に記載の半導体装置が知られている。この半導体装置は、樹脂ケースに収容される、支持基板、半導体チップ、外部端子、ナットを備えている。外部端子及び半導体チップは、支持基板の上に設けられている。また、外部端子は、樹脂ケースに設けられている端子孔から引き出され、上方向に延びている。外部端子の上端部には、貫通孔が設けられている。また、ナットは、樹脂ケースのナット収容孔に収納されている。外部端子の上端部は、貫通孔がナット収容孔の上に配置されるように折り曲げられている。ナットの孔は、上下方向に見て、外部端子の貫通孔と一致している。
【0003】
以上のような半導体装置では、配線が外部端子に接続される。この際、配線は、ボルトをナットに取り付けることにより、外部端子に固定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に記載の半導体装置の分野において、半導体装置の小型化を図りたいという要望がある。
【0006】
そこで、本発明の目的は、半導体装置の小型化を図ることができる半導体装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一形態に係る半導体装置は、
支持基板と、
前記支持基板の上に配置されている半導体チップと、
前記半導体チップに電気的に接続される外部端子と、
前記支持基板、前記半導体チップ及び前記外部端子を収容している樹脂ケースと、
を備えており、
前記外部端子の先端は、前記樹脂ケース上に引き出されて、前記樹脂ケースに向けて折り曲げられており、
前記外部端子の先端に、取付穴と当該取付穴から前記樹脂ケースに対面する方向に向けて突出している円筒形状の突出部とで構成されている外部端子固定部が、設けられている。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る半導体装置によれば、半導体装置の小型化と、組み立て性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図4】半導体装置10の組み立て工程を示す、
図1のB-Bにおける断面図である。
【
図5】半導体装置10の組み立て工程を示す、
図1のB-Bにおける断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(実施形態)
以下に、本発明の一実施形態に係る半導体装置10について図面を参照しながら説明する。
【0011】
以下、本明細書において、前後方向、左右方向及び上下方向を
図1に示すように定義して説明する。
【0012】
図1及び
図2の半導体装置10は、例えば、電力の制御や供給を行うパワー半導体である。半導体装置10は、半導体チップが搭載された支持基板12、樹脂ケース16及び外部端子18を備えている。
【0013】
支持基板12は、半導体装置10の下面に配置されている。支持基板12は、配線パターンを有する回路基板を含んでいる。
【0014】
外部端子18は、支持基板12の回路基板に取り付けられている。樹脂ケース16の上面には、外部端子18の先端が引き出される端子孔26が形成されている。また樹脂ケース16には、後述する外部端子固定部20が収容される、固定具収容孔24が形成されている。
【0015】
外部端子18の先端には、外部端子固定部20が形成されている。外部端子固定部20につき、
図3を用いてその加工工程を述べる。まず、外部端子の先端に、穴フランジ加工を施す。具体的には、外部端子18の先端の上面に円柱状の加工治具40を押し当てて外部端子18を打ち抜き、先端に取付穴21を形成する。この取付穴21の形成の際に、外部端子18の下面側に板厚が厚くなり、円筒形状に突出した突出部22が形成される。このようにして、外部端子18の先端に、取付穴21と突出部22とで構成された、外部端子固定部20を形成する。
【0016】
外部端子固定部20は、突出部22の内面に、雌ネジ23が設けられている。雌ネジ23は、前述のようにして形成した外部端子固定部20の円筒形状の突出部22の内側に、タップでネジ切りすることにより形成される。このようにして、雌ネジ23を含めて、外部端子固定部20として用いることもできる。なお、突出部22の内側に雌ネジ23を形成せずに、貫通孔のままとしてもよい。その場合には、取付穴21に、取付穴21の直径よりも少し大きなボルト32を無理締めることによって、突出部22の内側にネジが切られて、ボルト32をネジ止めすることもできる。このように、外部端子固定部20の取付穴21には、半導体装置10の外部から接続される配線30を外部端子18に固定するためのボルト32が取り付けられる。
【0017】
図3、4、5にも示すように、樹脂ケース16の端子孔26から半導体装置10の上面方向に、外部端子18がひきだされていて、外部端子18の先端が折り曲げられている。その外部端子18の先端には、前述のような外部端子固定部20が設けられている。外部端子固定部20の突出部22は、折り曲げられたときに、半導体装置10の上面に対向する位置に設けられている。樹脂ケース16には、固定具収容孔24が形成されている。外部端子18の先端に形成された外部端子固定部20は、その突出部22が固定具収容孔24内に収容された状態になっている。固定具収容孔24は、ボルト32を収容可能な深さであればよい。従来は、固定具収容孔24に対応する構成として、内部にナットを収容していたため、ナットの厚みよりも長いボルトが収容可能深さのナット収容孔を要していたが、本願によれば、ナットの深さ分、固定具収容孔24のサイズを低くすることができる。また、従来はナット収容孔の全てにナットを収容した後で、ナット収容孔の上を覆うように、外部端子18を折り曲げていた。そのため。ナット収容孔の一部にナットを入れ忘れると、不良品となってしまい、ナットを収容する工数と工賃が必要であった。しかし、本願によれば、外部端子18を固定具収容孔24に向けて折り曲げるだけで良く、ナットという部材の削減ができ、工数も低減でき、製造コストを削減することができる。
【0018】
[効果]
以上のような半導体装置10によれば、半導体装置10の小型化を図ることができる。より詳細には、特許文献1に記載の半導体装置では、樹脂ケース16の内部にナットを配置するためのスペースが必要であった。また、ナットの厚みの分だけ、長いボルトが必要で、樹脂ケース16の内部には、長いボルトも収容できる深さのスペースも必要であった。
【0019】
一方、半導体装置10では、外部端子18において、外部端子固定部20には、取付穴21と突出部22が設けられている。そして、突出部22がナットと同等の機能を有している。これにより、半導体装置10は、ナットを備えなくてもよい。従って、外部端子固定部20の下にナットを配置するスペースが不要となる。また、使用するボルトも短いもので良くなり、樹脂ケース16内にボルトが収容されるスペースも浅くできる。その結果、半導体装置10によれば、半導体装置10の小型化を図ることができる。特に、半導体装置10の低背化を図ることができる。
【0020】
(その他の実施形態)
本発明に係る半導体装置は、前記実施形態に係る半導体装置10に限らず、その要旨の範囲内において変更可能である。
【符号の説明】
【0021】
10:半導体装置
12:支持基板
16:樹脂ケース
20:外部端子固定部