(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022096983
(43)【公開日】2022-06-30
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
B60K 35/00 20060101AFI20220623BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20220623BHJP
【FI】
B60K35/00 Z
G09F9/00 362
G09F9/00 336G
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020210305
(22)【出願日】2020-12-18
(71)【出願人】
【識別番号】000231512
【氏名又は名称】日本精機株式会社
(72)【発明者】
【氏名】山口 駿
(72)【発明者】
【氏名】綿貫 和彦
【テーマコード(参考)】
3D344
5G435
【Fターム(参考)】
3D344AA20
3D344AA26
3D344AA27
3D344AB01
3D344AD01
3D344AD13
5G435AA03
5G435BB12
5G435CC09
5G435EE26
5G435FF11
5G435GG22
5G435KK02
5G435LL17
(57)【要約】 (修正有)
【課題】液晶表示パネルの輝度ムラを小さく、且つ、第二の情報を高輝度にて表示することできる表示装置を提供する。
【解決手段】液晶表示パネル10は、第一の情報を表示する第一の画面領域と、第二の情報を表示する第二の画面領域とを有する。第一の回路基板40は、液晶表示パネル10から第一の所定間隔D1を有して配置される。第二の回路基板50は、液晶表示パネル10から第二の所定間隔D2を有して配置される。第一の発光素子45は、第一の回路基板40に搭載され、第一の画面領域を照明する。第二の発光素子55は、第二の回路基板50に搭載され、第二の画面領域を照明する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の情報を表示する第一の画面領域及び第二の情報を表示する第二の画面領域を有する液晶表示パネルと、前記液晶表示パネルから第一の所定間隔を有して配置された第一の回路基板と、前記液晶表示パネルから第二の所定間隔を有して配置された第二の回路基板と、前記第一の回路基板に搭載され前記第一の画面領域を照明する第一の発光素子と、前記第二の回路基板に搭載され前記第二の画面領域を照明する第二の発光素子と、を備えたことを特徴とする表示装置。
【請求項2】
前記第二の情報は警報画像であると共に、前記第二の所定間隔は前記第一の所定間隔よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第二の発光素子の発光色は、前記第一の発光素子の発光色とは異なることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第二の発光素子が発した照明光が前記第一の画面領域に照射されることを防ぐ遮光壁を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の表示装置
【請求項5】
第三の情報を表示する表示部と、前記第一の画面領域及び前記第二の画面領域を視認する窓部と、を有し、前記液晶表示パネルの前方に配置された表示板を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
【請求項6】
前記表示板の前記表示部を照明する第三の発光素子を更に備えたことを特徴とする請求項5に記載の表示装置。
【請求項7】
前記前記第三の発光素子は前記第二の回路基板に搭載されていることを特徴とする請求項6に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種情報を液晶表示パネルにて表示する表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、種々の画像を表示する液晶表示パネルを備えた車両用表示装置が種々提案され、例えば特許文献1,2に開示されている。斯かる車両用表示装置は、液晶表示パネルの画面に、警報画像,車両速度,エンジン回転数等の車両情報を表示するものである。液晶表示パネルの後方には発光素子が配設されており、この発光素子が発した照明光によって、液晶表示パネルが透過照明される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-20686号公報
【特許文献1】特開2016-130104号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の車両用表示装置は、液晶表示パネルの画面の輝度にムラが生じる虞があった。つまり、液晶表示パネルの画面は、液晶表示パネルを照明する発光素子に近い箇所は比較的に輝度が高く、発光素子から遠い箇所は比較的に輝度が低いという問題を有していた。換言すると、真後ろに発光素子が位置している箇所は、比較的に輝度が高くなり、その他の箇所は、比較的に輝度が低くなる。
【0005】
上述の問題を解決するため、液晶表示パネルと発光素子の間隔を大きくすることにより、液晶表示パネルの画面の輝度ムラを緩和することが考えられる。しかし、発光素子から液晶表示パネルまでの間隔を大きくした場合、液晶表示パネルの画面の輝度が低くなってしまうという新たな問題を生じる虞がある。特に、警報画像は高輝度で表示することが望ましいが、液晶表示パネルと発光素子の間隔を大きくすると、警報画像の輝度が所望の輝度よりも低くなる虞がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、第一の情報を表示する第一の画面領域11及び第二の情報を表示する第二の画面領域12A~12E,13A~13Eを有する液晶表示パネル10と、前記液晶表示パネル10から第一の所定間隔D1を有して配置された第一の回路基板40と、前記液晶表示パネル10から第二の所定間隔D2を有して配置された第二の回路基板50と、前記第一の回路基板40に搭載され前記第一の画面領域11を照明する第一の発光素子45と、前記第二の回路基板50に搭載され前記第二の画面領域12A~12E,13A~13Eを照明する第二の発光素子55と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、前記第二の情報は警報画像であると共に、前記第二の所定間隔D2は前記第一の所定間隔D1よりも小さいことを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、前記第二の発光素子55の発光色は、前記第一の発光素子45の発光色とは異なることを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、前記第二の発光素子55が発した照明光が前記第一の画面領域11に照射されることを防ぐ遮光壁62を更に備えたことを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、第三の情報を表示する表示部75A~75C,76A~76Cと、前記第一の画面領域11及び前記第二の画面領域12A~12E,13A~13Eを視認する窓部72aと、を有し、前記液晶表示パネル10の前方に配置された表示板70を更に備えたことを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、前記表示板70の前記表示部75A~75C,76A~76Cを照明する第三の発光素子56を更に備えたことを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、前記前記第三の発光素子56は前記第二の回路基板50に搭載されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
液晶表示パネルの輝度ムラを小さく、且つ、第一の情報または第二の情報を高輝度にて表示することできる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図4】同上実施形態の電気的構成を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面に基づいて、本発明を車両用表示装置1に適用した一実施形態を説明する。車両用表示装置1は、液晶表示パネル10,保護カバー20,ハウジング30,回路基板40,50,中ケース60,表示板70を備えている。
【0016】
液晶表示パネル10は、多数の画素がマトリクス状に配置されたアクティブマトリクス型フルカラーLCDパネルからなるものである。液晶表示パネル10は、第一の画面領域11と、第二の画面領域12A~12E,13A~13Eと、を有している。第一の画面領域11には、車両速度,エンジン回転数,ナビゲーション情報等の車両情報画像が表示される。
【0017】
第二の画面領域12A~12E,13A~13Eには、警報画像が表示される。警報画像としては、残燃料量警報,タイヤ空気圧警報,油圧警報,冷却水警報,シートベルト未装着警報,パーキングブレーキ警報,バッテリー電圧警報等があり、第二の画面領域12A~12E,13A~13Eには、後述するCAN(Controller Area Network)から入力された各種信号に応じて、種々の警報画像が表示される。
【0018】
第二の画面領域12A~12Eは、第一の画面領域11の左側にレイアウトされており、第二の画面領域13A~13Eは、第一の画面領域11の右側にレイアウトされている。液晶表示パネル10は、後述するマイコン100によって表示制御される。なお、第一の画面領域11,第二の画面領域12A~12E,13A~13Eは、液晶表示パネル10の画面の一部であって、各画面領域に11,12,13に構造的な境界があるわけでない。
【0019】
保護カバー20は、アクリルやポリカーボネート等の透光性樹脂からなり、全体が略均一な厚さを有する板状になっている。保護カバー20は、湾曲形状になっており、車両用表示装置1を視認する者から見て凹形状(液晶表示パネル10に向かって凸形状)になっている。保護カバー20は、液晶表示パネル10の前側に配設されており。ハウジング30に固定されている。
【0020】
ハウジング30は、AES等の樹脂からなるものであり、底壁部31及び周壁部32を有している。ハウジング30には、液晶表示パネル10,回路基板40,2枚の回路基板50,中ケース60,表示板70が収納されている。ハウジング30の周壁部32の前面には保護カバー20が固定されている。ハウジング30の底壁部31には、後方に突出する突出部31aが形成されており、この突出部31aに回路基板40が収容されている。
【0021】
回路基板40,50は、ガラスエポキシ樹脂からなる基材に銅箔からなる配線パターンを形成したものである。回路基板40は、液晶表示パネル10と平行な状態で、液晶表示パネル10の後面から所定間隔D1を有して配置されている。回路基板40は、図示しない可撓性配線板によって液晶表示パネル10に電気的に接続されている。
【0022】
回路基板40の前面には、液晶表示パネル10の第一の画面領域11を照明する複数の発光素子45と、後述するコネクタ58に接続されるコネクタ48とが搭載されている。発光素子45は、回路基板40の前面に、マトリクス状に配置されており、夫々、白色の照明光を発する。回路基板40の後面には、マイコン100が搭載されている。
【0023】
回路基板50の前面には、液晶表示パネル10の第二の画面領域12A~12E,13A~13Eを夫々照明する複数の発光素子55と、後述するインジケータ表示部75A~75C,76A~76Cを照明する発光素子56とが搭載されている。発光素子55,56は、赤色の照明光を発する。発光素子45,55,56は、例えば、表面実装型の発光ダイオードからなるものであるが、発光ダイオードに限定されるものではない。回路基板50の後面には、回路基板40のコネクタ48に接続されるコネクタ58が搭載されている。
【0024】
中ケース60は、遮光壁61,62,63を有している。中ケース60の遮光壁61は、発光素子45の照明室66を形成するものであり、第一の画面領域11を照明する発光素子45が発した照明光が、第二の画面領域12A~12E,13A~13Eに照射されることを防いでいる。中ケース60の遮光壁62は、発光素子55の照明室67を形成するものであり、第二の画面領域12A~12E,13A~13Eを照明する発光素子55が発した照明光が第一の画面領域11に照射されることを防いでいる。
【0025】
中ケース60の遮光壁63は、発光素子56の照明室68を形成するものであり、インジケータ表示部75A~75C,76A~76Cを照明する発光素子56の照明光が第二の画面領域12に照射されることを防いでいる。中ケース60の遮光壁63は、各インジケータ表示部75A~75C,76A~76Cに対応する筒状になっている。
【0026】
表示板70は、透光性シートからなる基材71に遮光層72及び反射防止層73を形成したものであり、液晶表示パネル10の前方に配置されている。表示板70の遮光層72は、基材71の後面に形成されており、液晶表示パネル10の第一の画面領域11及び第二の画面領域12A~12E,13A~13Eを視認するための正面視で矩形の窓部72aを有している。表示板70の反射防止層73は、基材71の後面全体に形成されている。本実施形態では、遮光層72の開口が窓部72aであったが、表示板70の窓部は、基材71,遮光層72,反射防止層73の全部を貫通する開口部であっても良い。
【0027】
表示板70は、インジケータ表示部75A~75c,76A~76Cを有している。表示板70のインジケータ表示部75A~75cは、液晶表示パネル10の第二の画面領域12A~12Eの左側にレイアウトされており、インジケータ表示部76A~76Cは、液晶表示パネル10の第二の画面領域13A~13Eの右側にレイアウトされている。
【0028】
図4は、車両用表示装置1の電気的構成を示すブロック図である。マイコン100は、CPU101,ROM102,RAM103を有している。マイコン100は、ROM102に格納されている所定のプログラムに基づいて、液晶表示パネル10と、発光素子45,55,56を駆動する。マイコン100は、CAN(Controller Area Network)から入力された各種信号に基づいて、液晶表示パネル10に画像を表示させると共に、発光素子55,56を適宜点灯させ、警告表示を行う。
【0029】
本実施形態は、第一の画面領域11の輝度ムラを小さくすることができ、且つ、第二の画面領域12A~12E,13A~13Eに警報画像を高輝度で表示できる。なお、発光素子45,55,56が発する照明光は赤色であるため、第二の画面領域12A~12E,13A~13Eは赤色でしか表示できないが、第二の画面領域12A~12E,13A~13Eには、警報画像以外の画像は表示されないため、赤色表示が可能であれば充分である。
【0030】
図5は比較例を示す図である。比較例は、回路基板140を液晶表示パネル10から所定間隔D3を有して配置したものである。所定間隔D3は、所定間隔D1よりも小さく、所定間隔D2よりも大きい。比較例では、発光素子45だけでなく、発光素子55,56も回路基板140に搭載されている。
【0031】
比較例では、発光素子45が搭載された回路基板140から液晶表示パネル10までの所定間隔D3が所定間隔D1よりも小さいため、実施形態に比して、第一の画面領域11の輝度ムラが大きい。且つ、比較例では、発光素子55が搭載された回路基板140から液晶表示パネル10までの所定間隔D3が所定間隔D2よりも大きいため、実施形態に比して、第二の画面領域12A~12E,13A~13Eの輝度が低い。
【0032】
本発明は、本実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、液晶表示パネル10は、アクティブマトリクス型フルカラーLCDパネルであったが、セグメント型LCDパネルであっても良い。また、発光素子55,56の照明光の色は、白色であっても良い。
【符号の説明】
【0033】
10 液晶表示パネル
11 第一の画面領域
12A~12E 第二の画面領域
13A~13E 第二の画面領域
D1 第一の所定間隔
D2 第二の所定間隔
40 回路基板(第一の回路基板)
45 発光素子(第一の発光素子)
50 回路基板(第二の回路基板)
55 発光素子(第二の発光素子)
56 発光素子(第三の発光素子)
62 遮光壁
70 表示板
72a 窓部
75A~75C インジケータ表示部(表示部)
76A~76C インジケータ表示部(表示部)