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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022097029
(43)【公開日】2022-06-30
(54)【発明の名称】食器洗い機
(51)【国際特許分類】
   A47L 15/50 20060101AFI20220623BHJP
【FI】
A47L15/50
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020210377
(22)【出願日】2020-12-18
(71)【出願人】
【識別番号】504157024
【氏名又は名称】国立大学法人東北大学
(71)【出願人】
【識別番号】000005821
【氏名又は名称】パナソニックホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123102
【弁理士】
【氏名又は名称】宗田 悟志
(72)【発明者】
【氏名】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】衣川 潤
(72)【発明者】
【氏名】栗原 洸樹
(72)【発明者】
【氏名】澁谷 昌樹
(72)【発明者】
【氏名】菊川 智之
【テーマコード(参考)】
3B082
【Fターム(参考)】
3B082FF07
(57)【要約】      (修正有)
【課題】食器洗い機の利便性を向上させるための技術を提供する。
【解決手段】食器洗い機は、開口部を有した洗浄槽と、洗浄槽内に収納され、被洗浄物8を載置するかご14と、かご14を移動させる移動部と、かご14に設けられ、かご14に載置された被洗浄物8を支持する複数の支持部41と、移動部によりかご14が移動されたときに、支持部41間の間隔を変化させる間隔変更部42と、を備える。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を有した洗浄槽と、
前記洗浄槽内に収納され、被洗浄物を載置するかごと、
前記かごを移動させる移動部と、
前記かごに設けられ、前記かごに載置された被洗浄物を支持する複数の支持部と、
前記移動部により前記かごが移動されたときに、前記支持部間の間隔を変化させる間隔変更部と、
を備える食器洗い機。
【請求項2】
前記開口部は、前記洗浄槽の上方に設けられ、
前記移動部は、前記かごを上下方向に昇降させ、
前記間隔変更部は、前記移動部による前記かごの昇降動作に連動して、前記支持部を水平方向または上下方向に移動させる
請求項1に記載の食器洗い機。
【請求項3】
前記複数の支持部の少なくとも一部は、前記間隔変更部により、前記洗浄槽の上方から見て前記洗浄槽の開口部の外部に移動する
請求項2に記載の食器洗い機。
【請求項4】
前記移動部と前記間隔変更部の少なくとも1つを制御する制御部を備え、
前記制御部は、前記かごを前記移動部により自動で移動させ、または、前記支持部を前記間隔変更部により自動で移動させる
請求項1から3のいずれかに記載の食器洗い機。
【請求項5】
前記移動部は、前記かごを手動で移動させ、または、前記間隔変更部は、前記支持部を手動で移動させる
請求項1から4のいずれかに記載の食器洗い機。
【請求項6】
前記洗浄槽は、前方に前方開口部を有する筐体から前後に出し入れ可能に設けられる
請求項1から5のいずれかに記載の食器洗い機。
【請求項7】
前記洗浄槽の開閉扉が前記洗浄槽の上方に設けられる
請求項1から5のいずれかに記載の食器洗い機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、食器などの被洗浄物を洗浄するための食器洗い機に関する。
【背景技術】
【0002】
システムキッチンのキャビネットなどに組み込まれる食器洗い機が提供されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載された食器洗い乾燥機は、洗浄槽の上面に開閉扉が設けられており、上面の開閉扉から食器の出し入れを行うように構成されている。また、2段の洗いカゴが、食器カゴ昇降手段によって洗浄槽内で昇降するように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8-112231号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
食器洗い機に収納可能な食器の点数を多くすると、一度に多くの食器を洗浄することができるので、使用者の利便性を向上させることができる。しかし、食器洗い機に多数の食器が収納されると、食器同士の間隔が狭くなるため、食器を出し入れしにくくなる。
【0005】
本開示は、食器洗い機の利便性を向上させるための技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の食器洗い機は、開口部を有した洗浄槽と、洗浄槽内に収納され、被洗浄物を載置するかごと、かごを移動させる移動部と、かごに設けられ、かごに載置された被洗浄物を支持する複数の支持部と、移動部によりかごが移動されたときに、支持部間の間隔を変化させる間隔変更部と、を備える。
【0007】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、食器洗い機の利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態1に係る食器洗い機が設置されたシステムキッチンの外観を示す図
図2】実施の形態1に係る食器洗い機の断面を概略的に示す図
図3】実施の形態1に係る食器洗い機の断面を概略的に示す図
図4A】実施の形態1に係る食器洗い機のかごの例を示す図
図4B】実施の形態1に係る食器洗い機のかごの例を示す図
図4C】実施の形態1に係る食器洗い機のかごの例を示す図
図5A】複数の支持部間の間隔が変更される様子を示す図
図5B】複数の支持部間の間隔が変更される様子を示す図
図6】複数の支持部間の間隔が拡大された状態を示す図
図7A】間隔変更部の構造を示す図
図7B】間隔変更部の構造を示す図
図8】実施の形態1に係る食器洗い機を制御するための制御部の構成を示す図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しながら実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明、または、実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。
【0011】
なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図していない。
【0012】
(実施の形態1)
以下、図1~8を用いて、実施の形態1を説明する。
【0013】
実施の形態1に係る食器洗い機は、食器などの被洗浄物を出し入れする際に、被洗浄物同士の間隔を拡大する機構を有する。これにより、食器などの被洗浄物を出し入れしやすくすることができるので、使用者の利便性を向上させることができる。また、被洗浄物を食器洗い機に収納して洗浄する際には、被洗浄物同士の間隔を縮小する。これにより、食器洗い機に収納可能な被洗浄物の点数を多くすることができるので、一度に多くの被洗浄物をまとめて洗浄することができる。
【0014】
[1-1.構成]
図1は、実施の形態1に係る食器洗い機が設置されたシステムキッチンの外観を示す。食器洗い機40は、システムキッチン50の内部に収納される。システムキッチン50には、ロボットアーム52およびカメラ53が設置される。ロボットアーム52は、カメラ53により撮像された画像に基づいて、図示しない制御装置により制御される。ロボットアーム52は、システムキッチン50のワークトップ上やシンク上に置かれた被洗浄物8を自動で食器洗い機40の内部に載置する。また、ロボットアーム52は、食器洗い機40の内部に載置された被洗浄物8を自動で取り出す。ロボットアーム52は、食器洗い機40に設置されてもよい。
【0015】
図2および図3は、実施の形態1に係る食器洗い機40の断面を概略的に示す。食器洗い機40の本体1は、前方開口部を有する筐体であり、内部に洗浄槽2を備える。洗浄槽2は、引き出しレール等の手段(図示せず)により、本体1の前方開口部から前後に引き出し可能に支持される。洗浄槽2は、上方に開口部を有し、開口部から食器等の被洗浄物8の出し入れが可能となっている。洗浄槽2の中には、かご14が設置されている。本図の例では、1段のかご14が設置されているが、2段以上のかごが設置されてもよい。
【0016】
被洗浄物8を洗浄する際には、給水弁3を介して外部から洗浄槽2内に水または湯が供給される。洗浄槽2内に供給された洗浄水は、洗浄槽2の底部に設けられた排水孔4から排水された後、排水孔4に連通する洗浄ポンプ5により洗浄ノズル7から被洗浄物8へ噴射されて、洗浄槽2の内部を循環する。洗浄ノズル7と洗浄槽2の底部との間には、洗浄水加熱用のヒータ9が設けられる。排水孔4には、残さいを捕集するための残さいフィルタ6が設けられる。制御部12は、給水弁3や洗浄ポンプ5等の電装部品を制御する。
【0017】
かご14は、洗浄槽2が本体1から引き出された状態において、昇降手段により昇降可能に構成される。昇降手段は、洗浄槽2の底部に固着された固定プレートと、Xの字形状の昇降リンク18、19とを備える。昇降リンク18、19は、同じ長さを有し、中央の軸17にて交差するように設置される。昇降リンク18、19の少なくとも一方の下端は、固定プレートの左右端に設けられた長穴に枢支される。昇降リンク18または19の下端が長穴を摺動することにより、昇降リンク18、19の上端が昇降し、昇降リンク18、19の上に載置支持されたかご14が昇降する。図2は、かご14が降下された状態を示し、図3は、かご14が上昇された状態を示す。昇降手段として、ボールねじやベルト、エアシリンダのようなアクチュエータを用いてかご14を昇降させてもよい。
【0018】
かご14は、自動的に昇降可能に設けられてもよい。この場合、昇降手段は、昇降リンク18、19を昇降させるためのモータなどの駆動手段と、駆動手段を制御するための制御部とを備える。制御部は、使用者によるボタン操作などに応じてかご14を昇降させてもよいし、洗浄槽2が本体1から引き出されたことがセンサなどにより検知されたときに自動的にかご14を昇降させてもよい。かご14は、使用者により手動で昇降可能に設けられてもよい。この場合、昇降手段は、昇降リンク18、19を昇降させるための回転軸などの昇降機構と、昇降機構を動作させるためのハンドルなどの操作手段とを備える。昇降機構は、洗浄槽2が本体1から引き出されたときにバネなどにより昇降リンク18、19を昇降させる機構であってもよい。
【0019】
図4A図4B、および図4Cは、実施の形態1に係る食器洗い機40のかご14の例を示す。図4Aは、かご14に載置された被洗浄物8を支持する複数の支持部41を示す。図4Bは、複数の支持部41の間の間隔を変化させる間隔変更部42を示す。図4Cは、支持部41、間隔変更部42、および被洗浄物8の荷重を保持する荷重保持部43を示す。間隔変更部42は、水平方向に伸縮可能な構造を有し、間隔変更部42の伸縮に連動して複数の支持部41間の間隔が増減するように構成される。間隔変更部42を構成する部材の多くをかご14の側面に設けることにより、間隔変更部42の構成により塞がれる底面側の面積を小さくすることができるので、洗浄ノズル7から効率良く被洗浄物8に洗浄水を噴射することができる。なお、間隔変更部42は、複数の支持部41の水平方向の間隔を変化させるために、複数の支持部41を水平方向に移動させてもよいし、斜め上下方向に移動させてもよい。要は、複数の支持部41の移動方向が水平方向の成分を有していればよい。また、間隔変更部42は、複数の支持部41の水平方向の間隔を変化させてもよいし、垂直方向の間隔を変化させてもよいし、斜め方向の間隔を変化させてもよい。
【0020】
図5Aおよび図5Bは、複数の支持部41間の間隔が変更される様子を示す。図5Aは、かご14が洗浄槽2の内部に収納されて被洗浄物8が洗浄されるときに、複数の支持部41間の間隔が収縮された状態を示す。この収縮時において、隣接する支持部41同士の間隔は、隣接する被洗浄物8同士の隙間に洗浄水が入り込める程度であればよい。図5Bは、かご14が昇降手段により上昇されたときに、複数の支持部41間の間隔が拡大された状態を示す。この展開時において、隣接する支持部41同士の間隔は、隣接する被洗浄物8同士の隙間に使用者の指やロボットアーム52の指部が容易に入る程度であればよい。これにより、被洗浄物8を手動で出し入れする場合も、ロボットアーム52により自動で出し入れする場合も、出し入れを容易にすることができる。また、被洗浄物8を出し入れするときに別の被洗浄物8に接触して被洗浄物8が破損したり汚れたりするのを抑えることができる。
【0021】
図6は、複数の支持部41間の間隔が拡大された状態を示す。間隔変更部42は、かご14が昇降手段により上昇されたときに、支持部41間の間隔を拡大する。図6に示すように、複数の支持部41の少なくとも一部は、洗浄槽2の上方から見て洗浄槽2の開口部の外部に移動してもよい。これにより、システムキッチン50のワークトップなどとの間で被洗浄物8を出し入れするのを容易にすることができる。
【0022】
図7Aおよび図7Bは、間隔変更部42の構造を示す。本実施の形態の間隔変更部42は、スロット穴45およびスライダ46を有するプレート44と、スロット穴48およびスライダ49を有するプレート47を互い違いに接続した伸縮機構を有する。プレート44bのスライダ46bは、プレート47bのスロット穴48bを摺動する。プレート47cのスライダ49cは、プレート44bのスロット穴45bを摺動する。図7Aに示す最大収縮時には、プレート47のスライダ49はプレート44のスロット穴45の最も左に位置し、プレート44のスライダ46はプレート47のスロット穴48の最も左に位置する。図7Bに示す最大展開時には、プレート47のスライダ49はプレート44のスロット穴45の最も右に位置し、プレート44のスライダ46はプレート47のスロット穴48の最も右に位置する。
【0023】
間隔変更部42は、昇降手段による昇降動作に連動して支持部41間の間隔を変更する機構であってもよい。間隔変更部42は、昇降動作に連動して自動的に支持部41間の間隔を変更してもよい。この場合、間隔変更部42は、支持部41を移動させるためのモータなどの駆動手段と、駆動手段を制御するための制御部とを備えてもよい。
【0024】
間隔変更部42は、複数の支持部41の全ての間隔を同時に変更してもよい。これにより、作業時間を短縮することができる。間隔変更部42は、複数の支持部41の一部ずつを変更可能としてもよい。これにより、被洗浄物8を出し入れするために必要な領域の支持部41のみの間隔を変更することができるので、作業時の占有面積を抑えることができる。
【0025】
図8は、実施の形態1に係る食器洗い機を制御するための制御部の構成を示す。制御部12は、マイクロコンピュータ、マイクロコントローラ、集積回路などのハードウェアにより実現される。本図は、昇降手段と間隔変更部42のうち少なくとも一方が自動制御される場合の制御部12の構成を示す。
【0026】
制御部12は、工程制御部23、駆動制御部24、およびメモリ25を備える。これらの構成は、ハードウエア的には、任意のコンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIなどにより実現され、ソフトウエア的にはメモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、またはハードウエアとソフトウエアの組合せなど、いろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0027】
工程制御部23は、食器洗い機40による洗浄運転を制御する。工程制御部23は、食器洗い機40の本体1に設けられたボタンやスイッチなどにより構成される操作部22から使用者による指示を受け付け、指示にしたがって洗浄運転を制御する。工程制御部23は、洗浄工程、すすぎ工程、および乾燥工程を連続的に実行してもよいし、いずれかの工程のみを実行してもよいし、いずれか2以上の工程の組合せを任意の順序で実行してもよい。
【0028】
駆動制御部24は、かご14を昇降させるための昇降手段を制御する。駆動制御部24は、昇降手段によるかご14の昇降動作に連動して、間隔変更部42により支持部41の間隔を変更する。駆動制御部24は、昇降手段によりかご14を昇降させるのと同時に支持部41の間隔を変更してもよいし、かご14が所定位置まで移動したときに支持部41の間隔を変更してもよい。例えば、被洗浄物8の少なくとも一部が洗浄槽2の開口部の外部に移動される場合、駆動制御部24は、かご14の底面が洗浄槽2の開口部よりも高い位置まで移動されたときに、支持部41の間隔を拡大させてもよい。また、被洗浄物8の少なくとも一部がシステムキッチン50のワークトップ上に移動される場合、駆動制御部24は、かご14の底面がワークトップよりも高い位置まで移動されたときに、支持部41の間隔を拡大させてもよい。
【0029】
支持部41を移動させる方向、量、タイミング、いずれの支持部41を移動させるかなどは、使用者により設定可能としてもよい。この場合、操作部22を介して使用者により設定された内容は、メモリ25に記憶される。駆動制御部24は、昇降手段を制御してかご14を昇降させるときに、メモリ25に記憶されている設定内容を読み出し、設定内容にしたがって間隔変更部42を制御して、支持部41の間隔を変更させる。
【0030】
支持部41を移動させる方向、量、タイミング、いずれの支持部41を移動させるかなどは、被洗浄物8同士の間隔や載置状態などに応じて、駆動制御部24が決定してもよい。被洗浄物8同士の間隔や載置状態などは、カメラやセンサなどを用いて検知されてもよい。駆動制御部24は、被洗浄物8同士の間隔が、標準的な人の指またはロボットアーム52の指部のサイズを基準として予め設定された閾値よりも狭い場合に、被洗浄物8同士の間隔が閾値よりも広くなるように支持部41を移動させてもよい。駆動制御部24は、被洗浄物8同士の間隔が閾値よりも広い場合は、支持部41を移動させなくてもよい。
【0031】
[1-2.動作]
以上のように構成された食器洗い機40について、以下その動作、作用を説明する。
【0032】
使用者が洗浄槽2を食器洗い機40の本体1から前方に引き出し、かご14を上方に移動させると、それに連動して、間隔変更部42が支持部41の間隔を拡大する。使用者またはロボットアーム52がかご14に被洗浄物8を載置し、かご14を下方に移動させると、それに連動して、間隔変更部42が支持部41の間隔を縮小する。使用者は、洗浄槽2内に洗剤を投入し、洗浄槽2を本体1に収納して洗浄を開始させる。
【0033】
制御部12は、給水弁3を開いて洗浄槽2内に水または湯を供給する。洗浄槽2内に供給された洗浄水は、残さいフィルタ6を通過して排水孔4から洗浄ポンプ5に吸い込まれ、洗浄ポンプ5より洗浄槽2の内底部に設けられた洗浄ノズル7に供給される。洗浄ノズル7から噴射された洗浄水は、被洗浄物8を洗浄した後、再び排水孔4に戻るという経路で循環する。この際、被洗浄物8から脱落した残さい等は、洗浄水とともに残さいフィルタ6に流入し、この残さいフィルタ6を通過できない大きさの残さいは、残さいフィルタ6に捕集される。
【0034】
洗浄後に被洗浄物8を取り出す際には、使用者が洗浄槽2を食器洗い機の本体1から前方に引き出し、かご14を上方に移動させると、それに連動して、間隔変更部42が支持部41の間隔を拡大する。使用者がかご14から被洗浄物8を取り出し、かご14を下方に移動させると、それに連動して、間隔変更部42が支持部41の間隔を縮小する。
【0035】
[1-3.効果等]
以上のように、本実施の形態において、食器洗い機40は、開口部を有した洗浄槽2と、洗浄槽2内に収納され、被洗浄物8を載置するかご14と、かご14を昇降させる昇降手段と、かご14に設けられ、かご14に載置された被洗浄物8を支持する複数の支持部41と、昇降手段によりかご14が昇降されたときに、支持部41間の間隔を変化させる間隔変更部42と、を備える。これにより、被洗浄物8の出し入れをしやすくすることができるので、使用者の利便性を向上させることができる。
【0036】
また、本実施の形態において、開口部は、洗浄槽2の上方に設けられ、昇降手段は、かご14を上下方向に昇降させ、間隔変更部42は、昇降手段によるかご14の昇降動作に連動して、支持部41を水平方向または上下方向に移動させる。これにより、被洗浄物8の出し入れをしやすくすることができるので、使用者の利便性を向上させることができる。
【0037】
また、本実施の形態において、複数の支持部41の少なくとも一部は、間隔変更部42により、洗浄槽2の上方から見て洗浄槽2の開口部の外部に移動する。これにより、被洗浄物8の出し入れをしやすくすることができるので、使用者の利便性を向上させることができる。
【0038】
また、本実施の形態において、食器洗い機40は、昇降手段と間隔変更部42の少なくとも1つを制御する制御部12を備え、制御部12は、かご14を昇降手段により自動で昇降させ、または、支持部41を間隔変更部42により自動で移動させる。これにより、被洗浄物8の出し入れをしやすくすることができるので、使用者の利便性を向上させることができる。
【0039】
また、本実施の形態において、昇降手段は、かご14を手動で移動させ、または、間隔変更部42は、支持部41を手動で移動させる。これにより、被洗浄物8の出し入れをしやすくすることができるので、使用者の利便性を向上させることができる。
【0040】
また、本実施の形態において、洗浄槽2は、前方に前方開口部を有する筐体から前後に出し入れ可能に設けられる。これにより、被洗浄物8の出し入れをしやすくすることができるので、使用者の利便性を向上させることができる。
【0041】
また、本実施の形態において、洗浄槽2の開閉扉が洗浄槽2の上方に設けられる。これにより、被洗浄物8の出し入れをしやすくすることができるので、使用者の利便性を向上させることができる。
【0042】
(他の実施の形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態1を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施の形態にも適用できる。また、上記実施の形態1で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。
【0043】
そこで、以下、他の実施の形態を例示する。
【0044】
実施の形態1では、上方に開口部を有する洗浄槽2が、前方に前方開口部を有する本体1から前後に出し入れ可能に設けられる例を示したが、別の例では、洗浄槽2の開閉扉が洗浄槽2の上方に設けられていてもよい。この場合、洗浄槽2は本体1から前後に出し入れ可能に設けられてもよいし、本体1の内部に固定的に収納されてもよい。
【0045】
実施の形態1では、かご14が昇降手段により昇降される例を示したが、別の例では、かご14は水平方向に移動可能に設けられてもよいし、水平方向および垂直方向に移動可能に設けられてもよい。
【0046】
実施の形態では、食器洗い機40がシステムキッチン50の内部に収納される例を示したが、別の例では、食器洗い機40は独立した装置として構成されてもよい。
【0047】
なお、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明は、食器などの被洗浄物を洗浄するための食器洗い機に利用可能である。
【符号の説明】
【0049】
1 本体、2 洗浄槽、3 給水弁、4 排水孔、5 洗浄ポンプ、6 フィルタ、7 洗浄ノズル、8 被洗浄物、9 ヒータ、12 制御部、17 軸、18 昇降リンク、22 操作部、23 工程制御部、24 駆動制御部、25 メモリ、40 食器洗い機、41 支持部、42 間隔変更部、43 荷重保持部、44 プレート、45 スロット穴、46 スライダ、47 プレート、48 スロット穴、49 スライダ、50 システムキッチン、52 ロボットアーム。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図6
図7A
図7B
図8