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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022097041
(43)【公開日】2022-06-30
(54)【発明の名称】プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06T 19/20 20110101AFI20220623BHJP
   A63F 13/55 20140101ALI20220623BHJP
   A63F 13/5258 20140101ALI20220623BHJP
【FI】
G06T19/20
A63F13/55
A63F13/5258
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020210395
(22)【出願日】2020-12-18
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-06-30
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (1)令和2年4月18日に、https://twitter.com/cps_niconico/status/1251443160259063810に掲載。 (2)令和2年4月18日に、https://www.youtube.com/watch?v=ultYjTn394sに掲載。 (3)令和2年4月18日に、▲1▼https://chokaigi.jp/2020/plan/compass.html、及び▲2▼https://live2.nicovideo.jp/watch/lv324393969に掲載。
(71)【出願人】
【識別番号】313011434
【氏名又は名称】エヌエイチエヌ コーポレーション
【住所又は居所原語表記】(Sampyeong-dong),16,Daewangpangyo-ro 645 beon-gil,Bundang-gu,Seongnam-si,Gyeonggi-do Republic of Korea
(71)【出願人】
【識別番号】516164173
【氏名又は名称】NHN PlayArt株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】特許業務法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】稲村 章
【テーマコード(参考)】
5B050
【Fターム(参考)】
5B050AA10
5B050BA09
5B050BA11
5B050CA07
5B050EA09
5B050EA27
5B050FA02
5B050FA05
5B050FA09
5B050FA13
(57)【要約】
【課題】多数のオブジェクトの配置を容易に行うこと
【解決手段】一実施形態におけるプログラムは、仮想空間において移動可能なキャラクタの位置に応じた第1視野領域をディスプレイに表示し、入力された操作に応じて、キャラクタの位置に関連した第1対象位置にオブジェクトを配置し、または、第1対象位置に既に存在するオブジェクトを削除し、キャラクタの位置および第1対象位置に基づいて、第2対象位置を決定し、第2対象位置に応じて、第2視野領域を設定することをコンピュータに実行させる。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想空間において移動可能なキャラクタの位置に応じた第1視野をディスプレイに表示し、
入力された操作に応じて、前記キャラクタの位置に関連した第1対象位置にオブジェクトを配置し、または、前記第1対象位置に既に存在するオブジェクトを削除し、
前記キャラクタの位置および前記第1対象位置に基づいて、第2対象位置を決定し、
前記第2対象位置に応じて、前記ディスプレイに表示する第2視野を設定すること
をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項2】
前記第1視野と前記第2視野とが異なる、請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記第2対象位置を示す画像を前記ディスプレイに表示することをさらに前記コンピュータに実行させることを含む、請求項1または請求項2に記載のプログラム。
【請求項4】
入力された操作に応じて、前記第2対象位置にオブジェクトを配置し、または、前記第2対象位置に既に存在するオブジェクトを削除し、
前記キャラクタの位置および前記第1対象位置および前記第2対象位置に基づいて、第3対象位置を決定し、
前記第3対象位置に応じて、前記ディスプレイに表示する第3視野を設定すること
をさらに前記コンピュータに実行させることを含む、請求項1から請求項3のいずれかに記載のプログラム。
【請求項5】
前記第2対象位置が前記第1対象位置に隣接し、前記第3対象位置が前記第2対象位置に隣接し、前記第1対象位置と前記第3対象位置とが前記第2対象位置を挟むように、前記第2対象位置および前記第3対象位置が決定される、請求項4に記載のプログラム。
【請求項6】
前記第2対象位置が前記第1対象位置に隣接し、前記第3対象位置が前記第1対象位置に隣接し、前記第2対象位置と前記第3対象位置とが前記第1対象位置を挟むように、前記第2対象位置および前記第3対象位置が決定される、請求項4に記載のプログラム。
【請求項7】
前記キャラクタと前記第2対象位置との第2距離は、前記キャラクタと前記第1対象位置との第1距離より長く、前記キャラクタと前記第3対象位置との第3距離より短い、請求項4から請求項6のいずれかに記載のプログラム。
【請求項8】
前記キャラクタと前記第2対象位置との第2距離は、前記キャラクタと前記第1対象位置との第1距離より長い、請求項1から請求項6のいずれかに記載のプログラム。
【請求項9】
前記第2対象位置は、前記第2対象位置と前記キャラクタの位置とで前記第1対象位置が挟まれるように決定される、請求項1から請求項5のいずれかに記載のプログラム。
【請求項10】
前記第2対象位置は、前記キャラクタの位置から見て前記第1対象位置の左右のいずれかに隣接する位置として決定される、請求項1から請求項8のいずれかに記載のプログラム。
【請求項11】
前記第2視野を設定することは、前記ディスプレイの所定範囲に前記第2対象位置が含まれるように前記第2視野を設定する、請求項1から請求項10のいずれかに記載のプログラム。
【請求項12】
前記第2対象位置が決定された後に、入力された操作に応じて前記キャラクタが所定量以上移動した場合に、前記第2対象位置を解除して前記第1対象位置を決定する、請求項1から請求項11のいずれかに記載のプログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仮想空間にオブジェクトを生成する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
仮想空間において立方体形状のオブジェクトを配置することによって、仮想空間に自由に地形を生成する技術がある(例えば、特許文献1)。仮想空間に配置されるキャラクタは、仮想空間の範囲内で地形に応じて移動することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-097567号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
オブジェクトを仮想空間に配置するときには、ユーザが配置すべき位置を特定する。多数のオブジェクトを配置しようとすると、オブジェクトの数に応じてその配置位置を繰り返し特定する必要が生じるため、ユーザの負担が多い。特に、キャラクタが移動しながらオブジェクトを配置していくような構成においては、さらにキャラクタを移動させる必要があり、その負担が増大する。
【0005】
本発明の目的の一つは、多数のオブジェクトの配置を容易に行うことにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態によれば、仮想空間において移動可能なキャラクタの位置に応じた第1視野をディスプレイに表示し、入力された操作に応じて、前記キャラクタの位置に関連した第1対象位置にオブジェクトを配置し、または、前記第1対象位置に既に存在するオブジェクトを削除し、前記キャラクタの位置および前記第1対象位置に基づいて、第2対象位置を決定し、前記第2対象位置に応じて、前記ディスプレイに表示する第2視野を設定することをコンピュータに実行させるためのプログラムが提供される。
【0007】
前記第1視野と前記第2視野とが異なってもよい。
【0008】
前記第2対象位置を示す画像を前記ディスプレイに表示することをさらに前記コンピュータに実行させることを含んでもよい。
【0009】
入力された操作に応じて、前記第2対象位置にオブジェクトを配置し、または、前記第2対象位置に既に存在するオブジェクトを削除し、前記キャラクタの位置および前記第1対象位置および前記第2対象位置に基づいて、第3対象位置を決定し、前記第3対象位置に応じて、前記ディスプレイに表示する第3視野を設定することをさらに前記コンピュータに実行させてもよい。
【0010】
前記第2対象位置が前記第1対象位置に隣接し、前記第3対象位置が前記第2対象位置に隣接し、前記第1対象位置と前記第3対象位置とが前記第2対象位置を挟むように、前記第2対象位置および前記第3対象位置が決定されてもよい。
【0011】
前記第2対象位置が前記第1対象位置に隣接し、前記第3対象位置が前記第1対象位置に隣接し、前記第2対象位置と前記第3対象位置とが前記第1対象位置を挟むように、前記第2対象位置および前記第3対象位置が決定されてもよい。
【0012】
前記キャラクタと前記第2対象位置との第2距離は、前記キャラクタと前記第1対象位置との第1距離より長くてもよい。さらに、前記第2距離は、前記キャラクタと前記第3対象位置との第3距離より短くてもよい。
【0013】
前記第2対象位置は、前記第2対象位置と前記キャラクタの位置とで前記第1対象位置が挟まれるように決定されてもよい。
【0014】
前記第2対象位置は、前記キャラクタの位置から見て前記第1対象位置の左右のいずれかに隣接する位置として決定されてもよい。
【0015】
前記第2視野を設定することは、前記ディスプレイの所定範囲に前記第2対象位置が含まれるように前記第2視野を設定してもよい。
【0016】
前記第2対象位置が決定された後に、入力された操作に応じて前記キャラクタが所定量以上移動した場合に、前記第2対象位置を解除して前記第1対象位置を決定してもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明の一実施形態によれば、多数のオブジェクトの配置を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】一実施形態における通信システムの構成を示すブロック図である。
図2】一実施形態における通信装置の構成を示すブロック図である。
図3】一実施形態におけるサーバの構成を示すブロック図である。
図4】一実施形態におけるゲーム表示機能を示すブロック図である。
図5】一実施形態におけるゲーム制御機能を示すブロック図である。
図6】仮想空間を説明する図である。
図7】仮想空間における視野制御を説明するための図である。
図8】生成モードにおけるゲーム画面の第1例を示す図である。
図9】生成モードにおけるゲーム画面の第2例を示す図である。
図10】ブロックを配置するときの視野制御方法を示すフローチャートである。
図11】ブロックの配置のための最初の対象位置と視野との関係を示す図である。
図12】ブロックの配置後における2番目の対象位置と視野との関係を示す図である。
図13】ブロックの配置後における3番目の対象位置と視野との関係を示す図である。
図14】ブロックの配置後における3番目の対象位置と視野との関係の別の例を示す図である。
図15】4番目以降に決定される対象位置の別の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。以下に示す実施形態は本発明の実施形態の一例であって、本発明はこれらの実施形態に限定されない。本実施形態で参照する図面において、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号または類似の符号(数字の後にA、B等を付しただけの符号)を付し、その繰り返しの説明は省略する場合がある。
【0020】
[通信システムの構成]
図1は、一実施形態における通信システムの構成を示すブロック図である。一実施形態における通信システム1000は、通信装置10およびサーバ50を有するクライアントサーバシステムである。通信装置10およびサーバ50は、インターネット、通信回線などのネットワークNWに接続される。図1において、サーバ50は、単一の装置として記載しているが、互いに協働する複数の装置で構成されていてもよい。
【0021】
クライアントである通信装置10は、例えば、スマートフォンであり、ネットワークNWに接続することによって他の装置と通信することができる。通信装置10は、スマートフォンに限らず、タブレット型端末、携帯ゲーム機等のユーザが保持可能な携帯装置であってもよいし、デスクトップパソコンのような据え置き型の装置であってもよい。
【0022】
通信装置10は、インストールされたゲームプログラムを実行することにより、複数のユーザにより対戦可能なゲームを、サーバ50と連携して通信装置10のユーザに提供する。このゲームは、2つの動作モードのいずれかに設定される。2つの動作モードは、対戦モードおよび生成モードである。
【0023】
対戦モードは、仮想空間に生成されたステージにおいて移動可能なゲームキャラクタをユーザが操作することによって他のゲームキャラクタと戦闘ができるゲームを、ユーザに提供する動作モードである。対戦モードであるときには、複数のゲームキャラクタが対戦するゲームであることから、複数のゲームキャラクタにそれぞれ対応する複数の通信装置10がサーバ50に接続する。
【0024】
生成モードは、対戦モードで用いられるステージを生成するための動作モードである。このステージは、仮想空間において互いに接続された複数のオブジェクトによって実現される。各オブジェクトは、ゲームキャラクタと干渉して、オブジェクトが存在する部分へのゲームキャラクタの侵入を妨げる。例えば、ゲームキャラクタは、オブジェクト上を移動することができる。したがって、ユーザの指示に応じてオブジェクトを接続することによって、様々な形状のステージを生成することができる。
【0025】
仮想空間においては、下方向に向けて重力が発生するように設定されている。オブジェクトが存在しない部分に侵入したゲームキャラクタは、重力の影響により仮想空間下方に落下することになることが想定される。この例では、そのような現象が起きないように、ステージの形状に応じてゲームキャラクタの侵入を禁止する領域が設定されてもよい。生成モードにおいて様々なステージを予め生成しておくことで、対戦モードにおいて用いるステージを生成済みのステージから選択することができる。
【0026】
サーバ50は、通信装置10に対して、アプリケーションプログラムを提供したり、各種のサービスを提供したりする情報処理装置の一例である。各種のサービスには、例えば、通信装置10においてオンラインゲームを実行する際におけるログイン処理、同期処理などのサービスが含まれる。そのほか、各種のサービスには、例えば、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)が含まれていてもよい。
【0027】
アプリケーションプログラムには、例えば、以下に説明するゲームを実行するためのアプリケーションプログラム(ゲームプログラムという)が含まれる。アプリケーションプログラムは、サーバ50が読み取り可能な記録媒体に記録されている。記録媒体は、サーバ50に含まれる記憶装置であってもよいし、サーバ50に接続される記憶装置であってもよいし、サーバ50がネットワークNWを介して接続される記憶装置であってもよい。
【0028】
[通信装置の構成]
図2は、一実施形態における通信装置の構成を示すブロック図である。一実施形態における通信装置10は、制御部11、記憶部12、表示部13、操作部14、センサ部15、撮像部16、位置検出部17および通信部18を含む。通信装置10は、これらの構成のすべてを含むものに限定されない。また、通信装置10は、マイクロフォン、スピーカなど他の構成を含んでもよい。
【0029】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサ(演算処理回路)およびRAM等の記憶装置を備えるコンピュータの一例である。制御部11は、記憶部12に記憶されたプログラムをプロセッサにより実行して、各種機能を通信装置10において実現させる。通信装置10の各要素から出力される信号は、通信装置10において実現される各種機能によって使用される。制御部11は、ゲームプログラムを実行することによって、ゲームをユーザに提供するときに用いるゲーム表示機能を実現する。
【0030】
記憶部12は、不揮発性メモリ、ハードディスクドライブなどの記憶装置である。記憶部12は、プログラムおよび当該プログラムの実行に必要となるパラメータ等の各種データを記憶する。上述したゲームプログラムは、サーバ50または他のサーバからネットワークNW経由でダウンロードされ、記憶部12に記憶されることによって、通信装置10にインストールされる。ゲームプログラムは、磁気記録媒体、光記録媒体、光磁気記録媒体、半導体メモリ等の記録媒体に記録した状態で提供されてもよい。この場合、通信装置10は、この記録媒体を読み取る装置を備えていればよい。記憶部12も記録媒体の一例である。
【0031】
表示部13は、制御部11の制御に応じて、各種の画面(例えば、ゲーム画面等)を表示する表示領域を有するディスプレイである。表示部13は、例えば、液晶ディスプレイまたは有機ELディスプレイ等の表示装置である。
【0032】
操作部14は、ユーザの操作に応じた信号を制御部11に出力する操作装置である。操作部14は、表示部13の表面に配置されたタッチセンサである。操作部14は、表示部13と組み合わせることによってタッチパネルを構成する。ユーザの指またはスタイラスペン等で操作部14に接触することによって、ユーザの操作に応じた命令または情報が通信装置10へ入力される。操作部14は、通信装置10の筐体に配置されたスイッチを含んでもよい。
【0033】
センサ部15は、通信装置10の動き、通信装置10の周囲の環境などに関する情報を収集して信号に変換する機能を備える装置である。センサ部15は、例えば、加速度センサ、ジャイロセンサ等を含む。制御部11は、センサ部15の出力信号に基づいて、通信装置10の挙動(例えば、傾き、振動など)に関する情報を取得する。センサ部15は、照度センサ、温度センサ、磁気センサその他のセンサを含んでもよい。
【0034】
撮像部16は、撮像対象の像を信号に変換する撮像装置である。通信装置10は、撮像部16から出力された撮像信号に基づいて画像データを生成する。画像データは、静止画像のデータであってもよいし、動画像のデータであってもよい。以下の説明において画像といった場合には、特に断りがない限り、静止画像および動画像のいずれも含む。撮像部16は、一次元コードまたは二次元コードなどの識別コードを読み取るスキャナーとしても機能する。
【0035】
位置検出部17は、位置情報に基づいて通信装置10の位置を検出する。本実施形態の位置検出部17は、GNSS(Global Navigation Satellite System)を用いて通信装置10の位置を検出する。
【0036】
通信部18は、制御部11の制御により、ネットワークNWと接続して、ネットワークNWに接続されたサーバ50など他の装置と情報の送信および受信を行う無線通信モジュールである。通信部18は、赤外線通信、近距離無線通信などを行う通信モジュールを含んでいてもよい。
【0037】
[サーバの構成]
図3は、一実施形態におけるサーバの構成を示すブロック図である。一実施形態におけるサーバ50は、制御部51、記憶部52および通信部53を含む。
【0038】
制御部51は、CPUなどのプロセッサ(演算処理回路)およびRAM等の記憶装置を備えるコンピュータの一例である。制御部51は、記憶部52に記憶されたプログラムをプロセッサにより実行して、各種機能をサーバ50において実現させる。サーバ50の各要素から出力される信号は、サーバ50において実現される各種機能によって使用される。制御部51は、ゲーム提供プログラムを実行することによって、通信装置10に提供するゲームを制御するためのゲーム制御機能を実現する。ゲーム制御機能は、対戦モードにおいてゲームを制御するための進行制御機能と、生成モードにおいてゲームを制御するための生成制御機能とを含む。
【0039】
記憶部52は、不揮発性メモリ、ハードディスクドライブなどの記憶装置である。記憶部52は、プログラムおよび当該プログラムの実行に必要となるパラメータ等の情報を記憶する。プログラムにはゲーム提供プログラムも含まれる。ゲーム提供プログラムも、記憶部52に記憶される。ゲームを提供中に通信装置10から受信した各種データについても記憶部52に記憶される。記憶部52は、通信装置10に提供されるゲームプログラムを記憶してもよい。
【0040】
ゲーム提供プログラムは、他のサーバからネットワークNW経由でダウンロードされ、記憶部52に記憶されることによって、サーバ50にインストールされてもよい。ゲーム提供プログラムは、磁気記録媒体、光記録媒体、光磁気記録媒体、半導体メモリなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録した状態で提供されてもよい。この場合、サーバ50は、この記録媒体を読み取る装置を備えていればよい。記憶部52も記録媒体の一例である。
【0041】
通信部53は、制御部51の制御により、ネットワークNWと接続して、ネットワークNWに接続された通信装置10、他のサーバなど、他の装置と情報の送信および受信を行う無線通信モジュールである。他のサーバとしては、例えば、ゲームサーバ、SNSサーバ、メールサーバなどである。
【0042】
[ゲーム表示機能]
ゲームは、ゲーム表示機能およびゲーム制御機能によって、ユーザに提供される。まず、ゲーム表示機能について説明する。ゲーム表示機能は、通信装置10の制御部11がゲームプログラムを実行することによって実現される。以下に説明するゲーム表示機能を実現するための構成の一部または全部がハードウエアによって実現されてもよい。
【0043】
図4は、一実施形態におけるゲーム表示機能を示すブロック図である。一実施形態におけるゲーム表示機能100は、ゲーム操作取得部101、操作データ送信部103、制御データ受信部105、ゲームデータ記憶領域107、および表示データ生成部109を含む。
【0044】
ゲーム操作取得部101は、ユーザによって操作部14に入力された操作のうち、ゲーム操作を取得する。ゲーム操作は、ユーザによって操作部14に入力された操作のうち、ゲームに関する操作であって、例えば、ゲームキャラクタの移動、パラメータの指定等を含む。
【0045】
操作データ送信部103は、ゲーム操作取得部101によって取得されたゲーム操作を示す操作データを生成して、通信部18を介してサーバ50に送信する。
【0046】
制御データ受信部105は、制御データをサーバ50から通信部18を介して受信する。制御データは、各通信装置10から送信された操作データに基づいてサーバ50が生成するデータである。
【0047】
ゲームデータ記憶領域107は、ゲーム画面を表示するために必要なデータ(例えば、画像データ等)を記憶する領域である。
【0048】
表示データ生成部109は、ゲーム操作取得部101によって取得されたゲーム操作および制御データ受信部105によって受信された制御データに基づいて、ゲーム画面を表示部13に表示するための表示データを生成する。このとき、表示データ生成部109は、必要に応じてゲームデータ記憶領域107に記憶されたデータを用いる。
【0049】
ゲーム操作がゲーム画面上に表示される設定画面等における操作のように、ゲームキャラクタを移動させる操作とは別の操作を示す場合などにおいて、表示データ生成部109は、ゲーム操作に基づく表示データを制御データとは関係なく生成する場合もある。
【0050】
[ゲーム制御機能]
続いて、ゲーム制御機能について説明する。ゲーム制御機能は、サーバ50の制御部51がゲーム提供プログラムを実行することによって実現される。以下に説明するゲーム制御機能を実現するための構成の一部または全部がハードウエアによって実現されてもよい。
【0051】
図5は、本発明の一実施形態におけるゲーム進行制御機能を示すブロック図である。一実施形態におけるゲーム制御機能500は、操作データ受信部501、処理実行部503および制御データ送信部505を含む。
【0052】
操作データ受信部501は、複数の通信装置10から送信された操作データを受信する。これらの操作データは、送信元の通信装置10に対応するゲームキャラクタに関連付けられる。通信装置10に対応するゲームキャラクタは、通信装置10を介してログインしたユーザに割り当てられ、ユーザによって操作可能なゲームキャラクタである。
【0053】
処理実行部503は、操作データ受信部501が受信した操作データに基づいて、この操作データに対応するゲームキャラクタの動作を、仮想空間において制御するためのステータスデータを生成する。
【0054】
ステータスデータは、例えば、ゲームキャラクタに関して、仮想空間における座標、向き、動き、その他さまざまな状態を規定する。ゲームキャラクタの動作は、ステータスデータに規定される状態になるように制御される。ステータスデータは、ユーザが操作するゲームキャラクタの状態を規定する場合に限らない。例えば、対戦モードにおけるゲームでは、仮想空間における様々なオブジェクトの状態を規定する場合もある。ここでいうオブジェクトとは、例えば、ゲームの進行(時間経過またはゲームキャラクタの動作の結果)に伴って状態が変化するものを含んでもよいし、ゲームの進行において状態が全く変化しないものを含んでもよい。生成モードにおけるゲームでは、ステージを生成するものであって、ゲームの進行という概念がなければ、オブジェクトの状態は変化しなくてもよい。
【0055】
処理実行部503は、各ゲームキャラクタに対応して生成したステータスデータを制御データ送信部505に提供する。
【0056】
制御データ送信部505は、複数の通信装置10のそれぞれに対して、通信部58を介して、所定時間毎にステータスデータを含む制御データを送信する。
【0057】
このように、ゲーム表示機能100およびゲーム制御機能500によって、ゲームがユーザに提供される。
【0058】
[生成モード]
続いて、ゲームの動作モードが生成モードに設定されている場合の機能、すなわち、ステージを生成するための機能について、さらに詳しく説明する。
【0059】
まず、仮想空間に配置されたステージの例について説明する。
【0060】
図6は、仮想空間を説明する図である。仮想空間VSには、ステージSTが配置されている。仮想空間VSには下方向への重力が設定されている。図6に示すように、仮想空間VSにおける上下方向がz軸として定義され、水平方向が互いに垂直に交わるx軸およびy軸として定義される。仮想空間VSに配置されたステージSTは、上述したように、互いに接続された複数のオブジェクトによって形成されている。ここでは、オブジェクトが立方体の形状を有するブロックBKであるものとして説明する。ブロックBKの各辺は、x軸、y軸およびz軸のいずれかに沿って配置されている。したがって、ブロックBKの上面は、x軸とy軸とを含む水平面に対応する。ブロックBKは、ゲームキャラクタCHと干渉し、ブロックBKが存在する部分への侵入を妨げる。したがって、ゲームキャラクタCHは、ブロックBK上を移動することができる。図6に示す例では、ブロックBKのいずれかに隣接して配置されたブロックBKNも示されている。ブロックBKNは、ユーザの操作によって仮想空間VSに配置されたブロックである。
【0061】
[生成モードにおけるゲーム画面の例]
通信装置10は、ゲームキャラクタCHの後方の視点からの視野を制御することによって、ステージSTをゲーム画面に表示する。生成モードにおいては、ユーザは、このゲーム画面でゲームキャラクタCHを移動させる操作、およびブロックBKを配置したり削除したりする操作を通信装置10に入力する。ここでは、視野の制御方法および生成モードにおけるゲーム画面の例について説明する。
【0062】
図7は、仮想空間における視野制御を説明するための図である。視野VAは、仮想空間VSの一部の領域であって、視点VPから視線方向VDに沿って仮想空間VS内を見たときに、表示部13にゲーム画面として表示される領域に対応する(例えば、図8図9を参照)。ゲームキャラクタCHは、通信装置10のユーザによって操作されるゲームキャラクタである。ここでは、ゲームの動作モードが生成モードである場合について説明しているが、対戦モードである場合は、他のユーザによって操作されるゲームキャラクタまたは所定のアルゴリズムにしたがってサーバ50によって制御されるゲームキャラクタも仮想空間VSに存在する。
【0063】
キャラクタ基準点VCは、通信装置10のユーザによって操作されるゲームキャラクタCHの位置に対して連動する位置として定義される。例えば、キャラクタ基準点VCは、ゲームキャラクタCHの頭部中心であってもよいし、この頭部中心から所定の方向に所定距離ずれることで、ゲームキャラクタCHの外側の位置であってもよい。
【0064】
キャラクタ方向DCは、ゲームキャラクタCHの正面方向に対応する。視点VPは、ゲームキャラクタCHの後方に設定され、詳細には、キャラクタ基準点VCに対してキャラクタ方向DCとは反対側に設定される。視点VPとキャラクタ基準点VCとの距離は予め設定されている。
【0065】
視線方向VDは、視点VPからキャラクタ基準点VCへの方向に対応する。視点VPは、キャラクタ基準点VCを中心に上下左右に移動する。視点VPがD1方向に移動すると、視線方向VDが下側に傾くため視野VAは下側に変化する。視点VPがD2方向に移動すると、視線方向VDが上側に傾くため視野VAは上側に変化する。視点VPがD3方向に移動すると、視線方向VDが右に傾くため視野VAは右側に変化する。視点VPがD4方向に移動すると、視線方向VDが左に傾くため視野VAは左側に変化する。この例では、移動方向に対応するキャラクタ方向DCと視線方向VDとが同じになるように、視点VPが制御される。以上が視野の制御方法についての説明である。
【0066】
図8は、生成モードにおけるゲーム画面の第1例を示す図である。図8に示す生成モードにおけるゲーム画面CDは、仮想空間VSにおける視野VAに対応する領域を含む。上述したように、操作部14に対する操作を受け付ける領域は、表示部13と同じ領域に配置されている。領域TAは、この例では、ゲームキャラクタCHが表示される領域と少なくとも一部が重畳する位置に配置された半円形の領域である。領域TAは、ゲームキャラクタCHに対する制御のための操作を受け付ける領域である。操作の起点が領域TAに含まれていれば、ゲームキャラクタCHの移動制御のための操作として認識される。この例では、領域TAを起点としてスライドさせる操作が入力された場合、スライドさせた方向にゲームキャラクタCHが移動する。領域TAより上側の領域を起点としてスライドさせる操作が入力された場合、スライドさせた方向にゲームキャラクタCHの向き(キャラクタ方向DC)を変えてもよいし、ゲームキャラクタCHの向きを変えずに視線方向VDのみを変えてもよい。
【0067】
この例では、ゲーム画面CDの下端領域EAにおいて、操作ボタンTB1、TB2、TB3、TB4、TCが配置される。
【0068】
操作ボタンTB1、TB2、TB3、TB4は、タップ操作によって仮想空間VSに配置するオブジェクトを選択するための画像である。この例では、仮想空間VSに配置するオブジェクトの例は、ブロックBKであるが、操作ボタンTB1、TB2、TB3、TB4への操作(例えば、長押し、フリックなどの操作)により配置するオブジェクトの種類を変更することもできる。ブロックBK以外のオブジェクトの種類は、例えば、ブロックBKとは異なる形状(例えば、階段状)のオブジェクトであってもよいし、複数のブロックBKを連結したようなオブジェクトであってもよい。
【0069】
操作ボタンTCは、操作ボタンTB1、TB2、TB3、TB4によって設定されたオブジェクトを、タップ操作によって仮想空間VSに配置したり、タップ操作によって既に配置されたオブジェクトを削除したりするための画像である。操作ボタンTCに対するフリック操作により、オブジェクトの配置に用いるか、オブジェクトの削除に用いるかを切り替えて設定することができる。例えば、オブジェクトの配置に用いるように設定されているときに、操作ボタンTCへタップ操作が入力されると、オブジェクト(例えば、ブロックBK)を仮想空間VSに配置することができる。
【0070】
オブジェクトが配置されたり削除されたりする対象の位置(以下、対象位置という場合がある)は、ゲームキャラクタCHの位置および向きに関連して決定され、オブジェクトの形状を模した画像のカーソルCAによって示される。この例では、オブジェクトの配置ができる位置は、既に配置されているオブジェクトに隣接する位置に制限される。図8に示すカーソルCAの例では、配置されるオブジェクト(この例ではブロックBK)の外縁および半透過による面を表示することで、オブジェクトが配置される対象の位置を示している。オブジェクトが削除される対象の位置を示す場合には、その対象の位置は、削除対象のオブジェクトを特定するように表示される。以下の説明では、ブロックBKが配置される場合の例を説明する。
【0071】
図9は、生成モードにおけるゲーム画面の第2例を示す図である。図9は、図8において、操作ボタンTCへの操作により、ブロックBKが配置された後の画面例である。図8において示されていたカーソルCAの位置に、新たなブロックBK1が配置される。カーソルCAは、新たなブロックBK1に隣接する位置のうち予め決められたアルゴリズムにしたがって決定される対象位置に移動する。この対象位置の決定方法の詳細については後述する。図9に示す例では、カーソルCAは、新たなブロックBK1に隣接する位置のうちゲームキャラクタCHの前側かつゲームキャラクタCHに最も近い位置に移動する。このとき、ゲーム画面CDにおいて新たな対象位置を示すカーソルCAが、ゲーム画面CDにおける左右方向の略中央に位置するように、視野VAが制御される。
【0072】
ゲームキャラクタCHを移動させてカーソルCAを図9に示す位置に表示させるためには、その位置の近くにゲームキャラクタCHを移動させる必要がある。一方、この例では、ゲームキャラクタCHを移動させなくても最初に配置したブロックBK1の位置に隣接した位置を対象位置として決定してカーソルCAを表示させることができる。これにより、ゲームキャラクタCHを移動させなくても、ブロックを配置する指示をすれば、次の対象位置にブロックBKを配置することができる。
【0073】
[視野制御方法]
仮想空間VSにおいてブロックBKの配置・削除をするときの視野を制御する方法について説明する。まず操作ボタンTCがオブジェクトの配置に用いられるように設定されている場合における視野制御方法について説明する。
【0074】
図10は、ブロックを配置するときの視野制御方法を示すフローチャートである。図10に示す処理は、例えば、ユーザによってゲームの動作モードが生成モードに設定され、基準となるステージSTを決定すると実行される。基準となるステージSTは、通信装置10の記憶部12に記憶されていてもよいし、サーバ50の記憶部52に記憶されていてもよい。基準となるステージSTは、予めテンプレートとして設定された初期ステージであってもよいし、この生成モードによって既に生成したステージSTであってもよい。以下に説明する各処理は、ゲーム表示機能とゲーム制御機能(特に生成制御機能)との連携によって実現される。したがって、以下の処理は、通信装置10の制御部11によって実行されてもよいし、サーバ50の制御部51によって実行されてもよいし、制御部11と制御部51との双方によって分担して実行されてもよい。
【0075】
まず、ステージST上に配置されたブロックBKに隣接する位置のうち、ゲームキャラクタCHの位置および向きに応じた位置を1番目の対象位置として決定してカーソルCAを表示する(ステップS100)。続いて、生成モードを終了する指示、ゲームキャラクタCHを移動する指示、またはブロックBKを配置する指示のいずれかが入力されるまで待機する(ステップS500;No,ステップS400;No,ステップS200;No)。この状態を待機状態という。待機状態において、生成モードを終了する指示が入力されると(ステップS500;Yes)、図10に示す処理が終了する。
【0076】
待機状態において、ゲームキャラクタCHを所定量以上移動させる指示が入力されると(ステップS400;Yes)、直前に決定した対象位置を解除してカーソルCAを消去し(ステップS430)、その移動指示に基づいてゲームキャラクタCHを仮想空間VSのステージST上で移動させ(ステップS450)、ステップS100の処理に戻る。すなわち、対象位置が解除され、その部分に表示されていたカーソルCAを消去し、ゲームキャラクタCHの位置および向きに応じて改めて1番目の対象位置を決定して、その対象位置にカーソルCAを表示する。所定量以上ゲームキャラクタCHを移動させることは、予め決められた距離以上ゲームキャラクタCHを移動させることであってもよいし、ゲームキャラクタCHの位置を少しでも変化させることであってもよい。
【0077】
このような制御により、具体的にはカーソルは以下のように表示される。例えば、直前に1番目の対象位置が決定されていた場合には、ゲームキャラクタCHの位置の変化に連動して順次1番目の対象位置が決定されてカーソルCAが表示される。そのため、カーソルCAは、ゲームキャラクタCHの位置の変化に連動して移動するように表示される。一方、直前に2番目以降の対象位置が決定されていた場合には、ゲームキャラクタCHから遠く離れた位置にカーソルCAが表示されている。そのため、ゲームキャラクタCHが移動することにより、2番目以降の対象位置が解除されて新たに1番目の対象位置が決定されると、カーソルCAの位置は、ゲームキャラクタCHから遠く離れた位置からゲームキャラクタCHに近い位置に変更されるように表示される。
【0078】
待機状態において、ブロックBKを配置する指示が入力されると(ステップS200;Yes)、カーソルCAが表示された位置(対象位置)にブロックBKを配置する(ステップS230)。その後、配置されたブロックBKの位置とゲームキャラクタCHの位置とに基づいて、次の対象位置(n番目の対象位置;nは2以上の自然数)を決定して、その対象位置にカーソルCAを表示する(ステップS250)。対象位置が決定されると、その対象位置に表示されるカーソルCAがゲーム画面CDにおける左右方向の略中央に表示されるように、視野VAを制御し(ステップS300)、待機状態に戻る。ここで、待機状態において、ゲームキャラクタCHを所定量以上移動させる指示が入力されずに(ステップS400;No)、ブロックBKを配置する指示が入力されると(ステップS200;Yes)、上記の「n番目」のnが大きくなっていく。一方、ゲームキャラクタCHを所定量以上移動させる指示が入力されると(ステップS400;Yes)、ステップS100の処理に戻るため、「n番目」が「2番目」以上であったものが、「1番目」となる。
【0079】
続いて、ステップS250における対象位置の決定方法、およびステップS300における視野VAの制御方法について説明する。
【0080】
図11は、ブロックの配置のための最初の対象位置と視野との関係を示す図である。図12は、ブロックの配置後における2番目の対象位置と視野との関係を示す図である。図13は、ブロックの配置後における3番目の対象位置と視野との関係を示す図である。図11および図12は、それぞれ図8および図9における状況に対応し、ステージSTの上方から見た場合におけるゲームキャラクタCH、対象位置(カーソルCA)および視野VAを示している。
【0081】
図11に示すように、カーソルCAで示される1番目の対象位置は、ゲームキャラクタCHの位置に隣接する位置のうち、キャラクタ方向DCに対応する位置として決められる。図11の状態においてブロックの配置が指示されると、図12に示すようにブロックBK1が配置され、ブロックBK1に隣接した位置が2番目の対象位置として決定されてカーソルCAが表示される。2番目の対象位置は、ブロックBK1に隣接した位置のうち、ゲームキャラクタCHが存在せず、かつゲームキャラクタCHに最も近い位置として決定される。
【0082】
2番目の対象位置が決定されると、2番目の対象位置におけるカーソルCAが視野VAの略中央に位置するように、視野VAが制御される。この例では、キャラクタ方向DCは、図12に示すようにカーソルCAを向くように変更されるが、図11の状態と同じ方向のままブロックBK1を向いていてもよい。
【0083】
ゲームキャラクタCHが移動しないまま、図12の状態においてブロックの配置が指示されると、図13に示すようにブロックBK2が配置され、ブロックBK2に隣接した位置が3番目の対象位置として決定されてカーソルCAが表示される。3番目の対象位置は、ブロックBK2に隣接した位置のうち、ブロックBK1とは反対側の位置として決定される。すなわち、ブロックBK1(1番目の対象位置)に対するブロックBK2(2番目の対象位置)と同じ関係で、ブロックBK2に対する3番目の対象位置が決定される。したがって、2番目の対象位置は、1番目の対象位置と3番目の対象位置とに挟まれた位置であるともいえる。
【0084】
2番目の対象位置が決定されたときと同様に、3番目の対象位置におけるカーソルCAが視野VAの略中央に位置するように、視野VAがさらに制御される。この例では、キャラクタ方向DCが図13に示すようにカーソルCAを向くように変更されるが、上述したように、図11の状態と同じ方向のままブロックBK1を向いていてもよい。このように、ゲームキャラクタCHが移動しないままブロックの配置が指示されることで、この指示がされる度にブロックBKが同一方向に順次並んで配置される。したがって、ゲームキャラクタCHを移動させなくても、ブロックBK1を起点とした1方向に並ぶブロックBKにより壁を形成することができる。この例では、ゲームキャラクタCHの位置と2番目の対象位置との距離は、ゲームキャラクタCHの位置と1番目の対象位置との距離より長く、ゲームキャラクタCHの位置と3番目の対象位置との距離より短い。
【0085】
このとき、次の対象位置として決定された位置が視野VAの略中央に含まれるようになっているため、ゲームキャラクタCHからカーソルCAの位置が遠くなっていっても、次の指示においてブロックBKが配置される位置を、ユーザに対してわかりやすく提示することができる。ユーザの操作によって、ゲームキャラクタCHを移動させたり、向きを変えたりした場合には、ブロックBKが並んで配置される方法が解除され、1番目の対象位置を決定する方法が適用される。
【0086】
ゲームキャラクタCHを移動させずに順次決定される対象位置は、図11から図13に示す例に限られない。以下、対象位置を決定する方法について、別の一例を説明する。
【0087】
図14は、ブロックの配置後における3番目の対象位置と視野との関係の別の例を示す図である。図14に示す例では、上述した例と比べて、3番目以降の対象位置を決定する方法が異なる。ここでは、3番目の対象位置は、ブロックBK2の直前に配置されたブロックBK1に隣接した位置のうち、ブロックBK2とは反対側の位置として決定される。したがって、1番目の対象位置は、2番目の対象位置と3番目の対象位置とに挟まれた位置であるともいえる。
【0088】
これを4番目以降も同じように対象位置を決定すると、図14における2番目の対象位置の左側に4番目の対象位置が決定され、続いて、3番目の対象位置の右側に5番目の対象位置が決定される。これを繰り返すことで、ブロックBK1を中心として並ぶブロックBKにより壁を形成することができる。
【0089】
4番目の対象位置が1番目の対象位置に対してゲームキャラクタCHと反対側に決定されるようにして、ゲームキャラクタCHの正面方向(1番目の対象位置が決定されたときのキャラクタ方向DC)に離れていくようにブロックBKが配置されていくようにしてもよい。この場合の一例について図15を用いて説明する。
【0090】
図15は、4番目以降に決定される対象位置の別の例を示す図である。図15に示す数字は、対象位置として決定される順番を示している。このように、4番目以降の対象位置は、1番目から3番目までの対象位置の決定方法と同じようにしつつも、ゲームキャラクタCHの正面方向に向けて拡がっていくように3つずつブロックBKが配置されていくように決定される。ゲームキャラクタCHの正面方向に向けてブロックBKが配置されていく場合は、3つずつのブロックBKの幅で拡がっていく場合に限らず、その幅がより狭くてもよいし、広くてもよい。このように平面的に拡がっていく対象位置の決定方法によれば、地面および足場といった領域を容易に生成することができるため、例えば、ステージSTの基礎となる部分を生成するのに適している。
【0091】
1つずつのブロックBKで並んで配置される場合には、図11から図13までの例で示したようにブロックBK1を起点とした1方向に並ぶブロックBKを配置するときに、その1方向がキャラクタ方向DCに対応するようにすればよい。これによれば、ゲームキャラクタCHを移動させずに、ブロックBK1を起点として、キャラクタ方向DCの方向に並んでブロックBKを配置することができる。この場合、1番目の対象位置が、ゲームキャラクタCHの位置と2番目の対象位置とで挟まれているともいえる。
【0092】
これらの例のように、ブロックBKが配置された後に次の対象位置を決定する方法は、様々な方法が適用可能である。ユーザの操作によって、いずれかの方法を選択して適用することができるようにしてもよい。どのような方法が適用されたとしても、対象位置は、ゲームキャラクタCHに対する相対的な位置関係が変化していく。その位置関係の変化に応じて、視野VAを制御することで、対象位置が変わっていることをユーザに認識させやすくなる。対象位置がゲームキャラクタCHの正面方向に離れるほど、視点VPが上方に移動するように視野VAを制御することで、ゲームキャラクタCHに近い部分に配置されたブロックBKを避け、上方からの視点VPからの対象位置をゲーム画面CDに表示させるようにしてもよい。
【0093】
図10から図15における説明は、操作ボタンTCがオブジェクトの配置に用いられるように設定されている場合における視野制御方法について説明した。一方、操作ボタンTCがオブジェクトの削除に用いられるように設定されている場合については、対象位置が既に存在するブロックBKの位置から決定され、操作ボタンTCへの操作により対象位置のブロックBKが削除され、削除されたブロックBKに隣接するブロックBKが次の対象位置として決定される。このように、ブロックBKを削除する場合とブロックBKを配置する場合とは、このような一部分だけが異ならせることで同様に処理が実現できるため、ブロックBKを削除する場合については、その詳細の説明を省略する。
【0094】
<変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明の一実施形態は、以下のように様々な形態に変形することもできる。また、上述した実施形態および以下に説明する変形例とは、矛盾を生じない限り、それぞれ互いに組み合わせて適用することもできる。さらに、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【0095】
(1)上述したように、通信装置10において実現されるゲーム表示機能およびサーバ50において実現されるゲーム制御機能によって、ゲームがユーザに提供される。ゲーム表示機能の一部がサーバ50において実現されてもよい。例えば、ゲーム表示機能のうち、制御データ受信部105、ゲームデータ記憶領域107および表示データ生成部109がサーバ50において実現されてもよい。この場合、通信装置10は、サーバ50から表示データを受信して、表示データに基づいて表示部13に表示すればよい。
【0096】
(2)ブロックBK等の仮想空間VSへの配置は、生成モードにおいて実現されていたが、対戦モードにおいても実現されてもよい。例えば、対戦モードにおいてゲームキャラクタCHを操作し、ブロックBKの配置または削除を実行することで、対戦中にステージSTの形状を変化させてもよい。
【0097】
(3)対象位置が決定されると、その対象位置にはカーソルCAが表示されていたが、視野VAの制御によりゲーム画面CDにおける位置関係で対象位置が認識できるため、必ずしもカーソルCAが表示されなくてもよい。
【0098】
(4)2番目以降の対象位置は、1番目の対象位置と同じ水平面において決定される例に限らず、上下方向に決定されるようにしてもよい。例えば、1番目の対象位置から上方に並ぶように2番目以降の対象位置が順次決定されるようにしてもよい。m番目の対象位置にブロックBKが配置された後に、m+1番目の対象位置が1番目の対象位置の上方に隣接する位置として決定されてもよい。その後は、m+n番目の対象位置がn番目の対象位置の上方に隣接する位置として決定されてもよい。例えば、図15に示すように、1段目として12番目の対象位置までブロックBKが配置された後に、2段目に対象位置が移動し、順次、12+n番目の対象位置がn番目の対象位置の上方に隣接する位置として決定されてもよい。
【0099】
上方に対象位置が移動した場合には、視野VAが上方を向くように制御されてもよいし、視野VAが上方に移動するように制御されてもよい。ユーザは、視野VAが変化することで上段に対象位置が移動したことを認識しやすい。上方に対象位置が移動しても、上方に対しては視野VAが変わらないようにしてもよい。図8に示すように、ゲーム画面CDが縦方向に長い場合には、上下方向には視野VAが広く確保されているため、上方に視野VAを制御しなくても、ユーザが認識することができる。
【0100】
(5)新たな対象位置が決定されたときの視野VAの制御方法は、その対象位置がゲーム画面CDにおける略中央に位置するようにする例に限られない。以下、複数の例について説明する。例えば、ブロックBKを配置した位置(直前の対象位置)と、新たに決定された対象位置との間のいずれかの位置がゲーム画面CDにおける略中央に位置するようにして、視野VAの変化量を少なくしてもよい。このとき、直前の対象位置に近い位置(ブロックBKを配置した位置)がゲーム画面CDの略中央に位置するようにする制御するほど、視野VAの変化量が小さくなるが、ユーザは、視野VAが動く方向から、新たに決定された対象位置を認識しやすくなる。
【0101】
1番目の対象位置に配置されたブロックBKから直前に配置されたブロックBKまで、さらに、最後に決定された対象位置のカーソルCAの全てが、ゲーム画面CDに表示されるように視野VAが制御されてもよい。これらを全て表示させるために、視点VPをゲームキャラクタCHから遠ざけることで、ゲーム画面CDに表示される範囲が広くなうように視野VAが制御されてもよい。
【0102】
(6)新たな対象位置がゲーム画面CDのうち所定の範囲にある予め決められた位置に表示されるように、視野VAが制御されてもよい。この所定の範囲は、ゲーム画面CDのうち、操作ボタンTB1、TB2、TB3、TB4、TCが配置される下端領域EAを除いた領域であってもよいし、領域TAを除いた領域であってもよいし、下端領域EAと領域TAとを除いた領域であってもよい。図8および図9の例では、カーソルCAが領域TAに重畳する部分を含んでいる。このように、対象位置とゲーム画面CDとの関係について、対象位置に応じたカーソルCAの少なくとも一部が、この所定の範囲に含まれるように視野VAが制御されればよいが、カーソルCAの全てが、この所定の範囲に含まれるように視野VAが制御されてもよい。このようにすると、ユーザによる操作の入力時においても、ユーザの指でカーソルCAが見えなくなることを防止することができる。
【0103】
(7)図8または図9に示すように、カーソルCAがゲーム画面CDに表示されている状態において、ユーザの操作によりキャラクタ方向DCを変えずに視線方向VDを変更するように視野VAが制御された場合、対象位置がゲーム画面CDに表示される範囲(または変形例(6)に示す所定の範囲)に修正されてもよい。
【0104】
(8)この例ではゲームの動作モードは、対戦モードと生成モードとから選択される。一方、動作モードの選択対象は、対戦モードに代えて他の動作モードを含んでいてもよいし、さらに多くの動作モードを含んでいてもよい。例えば、対戦モード以外の例としては、他のユーザが存在せずに単独のユーザでゲームを楽しむことができるようなモードであってもよい。単独ユーザおよび複数ユーザにかかわらず、ゲームの種類としては、対戦ゲームのほか、レースゲーム、シューティングゲーム、アクションロールプレイングゲーム、およびオープンワールドが例示される。
【符号の説明】
【0105】
10…通信装置、11…制御部、12…記憶部、13…表示部、14…操作部、15…センサ部、16…撮像部、17…位置検出部、18…通信部、50…サーバ、51…制御部、52…記憶部、58…通信部、100…ゲーム表示機能、101ゲーム操作取得部、103…操作データ送信部、105…制御データ受信部、107…ゲームデータ記憶領域、109…表示データ生成部、500…ゲーム制御機能、501…操作データ受信部、503…処理実行部、505…制御データ送信部、1000…通信システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15