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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022097083
(43)【公開日】2022-06-30
(54)【発明の名称】太陽光発電パネル設置台
(51)【国際特許分類】
   E04D 13/18 20180101AFI20220623BHJP
   H02S 20/24 20140101ALI20220623BHJP
【FI】
E04D13/18 ETD
H02S20/24
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020210457
(22)【出願日】2020-12-18
(71)【出願人】
【識別番号】519127292
【氏名又は名称】武蔵 絵美理
(74)【代理人】
【識別番号】100090044
【弁理士】
【氏名又は名称】大滝 均
(72)【発明者】
【氏名】武蔵 孝昌
【テーマコード(参考)】
2E108
【Fターム(参考)】
2E108KK01
2E108LL01
2E108NN07
(57)【要約】
【課題】
(1)前記横支持金具103は廃止しても、前記架台102が容易に動くことがなく、(2)平坦でないビル屋上であっても、ビル屋上に密着でき、(3)厚さの異なるパネルに対しても容易に固定高さが調整可能で、(4)強い風に対しても風を受け流しやすく、その結果、浮き上がりや横ずれに強い太陽光発電パネル設置台を提供する。
【解決手段】
ビル屋上に複数の最下部架台、その上に太陽方向に向けて傾斜する同数の傾斜金具を積み重ねて、最上面に一又は二以上の太陽光発電パネルを裁置する太陽光発電パネル設置台において、前記傾斜金具が、上部の所定の高さ位置に両側に所定幅に突出する支持持ち梁部が当該傾斜金具の延長方向に形成された断面形状からなる傾斜金具である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビル屋上に複数の最下部架台、その上に太陽方向に向けて傾斜する同数の傾斜金具を積み重ねて、最上面に一又は二以上の太陽光発電パネルを裁置する太陽光発電パネル設置台において、前記傾斜金具が、上部の所定の高さ位置に両側に所定幅に突出する支持持ち梁部が当該傾斜金具の延長方向に形成された断面形状からなる傾斜金具であることを特徴とする太陽光発電パネル設置台。
【請求項2】
前記支持持ち梁部の双方または片方に裁置する太陽光発電パネルの端部がフラットな短辺部又は長辺部が裁置されることを特徴とする請求項1に記載の太陽光発電パネル設置台。
【請求項3】
隣接する前記最下部架台間又は複数の最下部架台間に連続してクロス材が掛け渡されたことを特徴とする請求項1に記載の太陽光発電パネル設置台。
【請求項4】
前記最下部架台と前記傾斜金具の間に角度を可変できる一又は二以上の角度可変柱材を介在させたことを特徴とする請求項1に記載の太陽光発電パネル設置台。
【請求項5】
前記太陽光発電パネルを裁置しない前記支持持ち梁部に反対側に裁置される太陽光発電パネルの高さに適合する高さ調整可能な端部固定金具を配置したことを特徴とする請求項1に記載の太陽光発電パネル設置台。
【請求項6】
端部に位置する前記傾斜金具の上端と同じ高さから当該傾斜金具に接して前記支持持ち梁部まで下降し、当該支持持ち梁部から外方向に延設され、その後、前記最下部架台の上端まで下降し、当該最下部架台厚さで垂直に屋上面まで延設される断面形状の側面カバー材で設置台側面が覆われたことを特徴とする請求項1に記載の太陽光発電パネル設置台。
【請求項7】
前記側面カバー材は、内部に前記傾斜金具の支持持ち梁部上に配置された前記端部固定金具が収容され、当該端部固定金具の太陽光発電パネルの端部位置から当該端部固定金具の外側を通って前記最下部架台の上端まで下降し、当該最下部架台厚さで垂直に屋上面まで延設する断面形状としたことを特徴とする請求項1に記載の太陽光発電パネル設置台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビル屋上に設置可能な太陽光発電パネル設置台の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の太陽光発電パネル設置台については、本願出願人は既に実用新案登録第3186568号を提案している。
図6は、実用新案登録第3186568号公報に開示の考案の実施例1に係る太陽光発電パネル設置台の概略を示す斜視図であり、図7は、同架台2a、2b、2c、2d等の部分概略を示す図である。図6図7において、符号101は、太陽光発電パネル設置台、102、102a、102b、102c、102dは、架台、103、103a、103b、103c、103dは、横支持金具、104は、傾斜支持金具、105、105a~105dは、石板、106は、上部端柱、107は、中間柱、108は、基底具である(なお、符号は、先行技術であることを明らかにするために、本願出願人において、3桁に変更して説明した。)。
【0003】
このように、本願出願人が既に提案する太陽発電パネル設置台は、「中上層階の7階建て以上のビル屋上にも太陽光発電パネルの設置が可能で、作業性の良い太陽光発電パネル設置台を提供する」ことの考案解決課題において(同公報明細書段落番号)0012参照)、「一又は二以上の太陽光発電パネルを設置する太陽光発電パネル設置台において、同設置台は、その設置台を構成する積み重ね骨組み材の最低高さから上方に向けて傾斜し、かつ、周囲に太陽光発電パネルの下への風の吹き込みを防止するカバー壁を形成した」構成等とすることにより(同公報実用新案登録請求の範囲の請求項1の記載等参照)、「(1)本発明によれば、ビル屋上に設置する太陽光発電パネル下に風が吹き込むことがないので、揚力が発生することがなく、これまで困難とされてきた7階建て以上等の中上階建てビル屋上にも太陽光発電パネルの設置が可能となる。(2)揚力が発生しないので、設置台に対して軽い重量の重しを用いるだけで充分であり、屋上の損傷やメンテナンスが容易となる。(3)太陽光発電パネルの設置普及が図れることとなる。」等の効果を奏するものである(同公報明細書段落番号0014参照)。
【0004】
このように構成される太陽光発電パネル設置台101において、実際に太陽光発電パネルを台上に裁置する場合には、長方形状のパネルの長辺を前後側(上下側)に、短辺を左右側にして、パネル長辺の突出部を前記横支持金具103の凹部に挿入させて固定するようにしていたが、当該設置架台の設置の作業性等を勘案すると、前記傾斜支持金具104上に太陽光発電パネルの両短辺がしっかりと前記傾斜支持金具102に固定される限りは、前記横支持金具103は必ずしも必要ないことを見いだした。つまり、前記前記横支持金具103は廃止可能であり、屋上等への部材の持ち運びにも軽量化が図れ、作業性が向上する。
【0005】
また、前記上部端柱106及び前記中間柱107は、前記架台102上において前記傾斜支持金具104の傾斜を確保するためのものであるが、いずれも単に角柱状のものが使用されていた。ところが、太陽光発電パネル設置台101を屋上等に設置する場合には、ビル屋上等は必ずしも平坦ではなく、雨水の水はけのためなだらかな傾斜や湾曲であるのが通常であり、平坦を前提とした前記設置台101を実際に設置する際には、ところどころに浮き沈み等が発生し、ビル屋上に密着した構造をとることができなかった。
【0006】
さらに、裁置する太陽光発電パネルは、各メーカーにより前記長辺形状が、(a)フラットな長辺面、(b)上側に寄った鍔形状、(c)下側に寄った鍔形状、(d)メーカー独自の特殊形状等があり、従来、前記横支持金具103の上部に沿わせた固定では、各メーカーのパネルの長辺形状に合わせた手直し作業が必要となり作業性が悪いものであった。また、近年においては、技術の進歩に応じて厚さの極めて薄い太陽光発電パネルが出現するに至って、長辺で固定するだけでは十分でないことも判明した。
そして、図6図7に示す太陽光発電パネル設置台においては、側部のカバー壁を垂直面で構成されるカバー壁で覆うようにしていたが、強い風に対しては、設置台101の浮き上がりや横ずれの発生もまれにはあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】実用新案登録第3186568号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本願発明は、上述する従来技術上の問題点に鑑み、(1)前記横支持金具103は廃止しても、前記架台102が容易に動くことがなく、(2)平坦でないビル屋上であっても、ビル屋上に密着でき、(3)厚さの異なるパネルに対しても容易に固定高さが調整可能で、(4)強い風に対しても風を受け流しやすく、その結果、浮き上がりや横ずれに強い太陽光発電パネル設置台を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、本願請求項1に係る発明は、ビル屋上に複数の最下部架台、その上に太陽方向に向けて傾斜する同数の傾斜金具を積み重ねて、最上面に一又は二以上の太陽光発電パネルを裁置する太陽光発電パネル設置台において、前記傾斜金具が、上部の所定の高さ位置に両側に所定幅に突出する支持持ち梁部が当該傾斜金具の延長方向に形成された断面形状からなる傾斜金具であることを特徴とする。
また、本願請求項2に係る発明は、前記請求項1に記載の太陽光発電パネル設置台において、前記支持持ち梁部の双方または片方に裁置する太陽光発電パネルの端部がフラットな短辺部又は長辺部が裁置されることを特徴とする。
さらに、本願請求項3に係る発明は、前記請求項1に記載の太陽光発電パネル設置台において、隣接する前記最下部架台間又は複数の最下部架台間に連続してクロス材が掛け渡されたことを特徴とする。
そして、本願請求項4に係る発明は、前記請求項1に記載の太陽光発電パネル設置台において、前記最下部架台と前記傾斜金具の間に角度を可変できる一又は二以上の角度可変柱材を介在させたことを特徴とする。
また、本願請求項5に係る発明は、前記請求項1に記載の太陽光発電パネル設置台において、前記太陽光発電パネルを裁置しない前記支持持ち梁部に反対側に裁置される太陽光発電パネルの高さに適合する高さ調整可能な端部固定金具を配置したことを特徴とする。
そして、本願請求項6に係る発明は、前記請求項1に記載の太陽光発電パネル設置台において、端部に位置する前記傾斜金具の上端と同じ高さから当該傾斜金具に接して前記支持持ち梁部まで下降し、当該支持持ち梁部から外方向に延設され、その後、前記最下部架台の上端まで下降し、当該最下部架台厚さで垂直に屋上面まで延設される断面形状の側面カバー材で設置台側面が覆われたことを特徴とする。
また、本願請求項7に係る発明は、前記請求項1に記載の太陽光発電パネル設置台において、前記側面カバー材は、内部に前記傾斜金具の支持持ち梁部上に配置された前記端部固定金具が収容され、当該端部固定金具の太陽光発電パネルの端部位置から当該端部固定金具の外側を通って前記最下部架台の上端まで下降し、当該最下部架台厚さで垂直に屋上面まで延設する断面形状としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
上記の構成としたので、本発明に係る太陽光発電パネル設置台は、(1)前記横支持金具103は廃止しても、前記架台102が動いたり、変形したりすることがなくなり、また、(2)平坦でないビル屋上であっても、ビル屋上に密着でき、(3)厚さの異なるパネルに対しても容易に固定高さが調整可能で、(4)強い風に対しても風を受け流しやすく、その結果、浮き上がりや横ずれに強い太陽光発電パネル設置台を提供することを目的とする。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1(a)は、本実施例1に係る太陽光発電パネル設置台1に使用する前記傾斜金具の概略図であり、図1(b)はその断面図である。
図2図2(a)は、前記太陽光発電パネル14を長辺部を上下にして縦に2枚を配置する本実施例2に係る太陽光発電パネル設置台1の最下部概略を示す図であり、図2(b)は、図1(a)の矢印方向から見た概略断面図である。
図3図3(a)は、本実施例3に使用する角度調整可能な柱材の分解概略図であり、図3(b)は、中間位置に配置する柱材を前記最下部架台と前記傾斜金具との間に介在例を示す使用概略図である。
図4図4(a)は、本実施例4に係る太陽光発電パネル設置台1に使用する高さ調整可能な端部固定金具の概略を示す図であり、図4(b)は、当該高さ調整可能端部固定金具を前記傾斜金具10への取付概略図である。
図5図5(a)は、本実施例5に係る太陽光発電パネル設置台1において、前記傾斜金具10の上部位置の両側部に支持持ち梁部11a、11bのうち、太陽光発電パネル14が裁置されない端部側面を覆うカバー材の概略を示す簡略断面図、図5(b)は、前記側面カバー材40の外側から、前記端部固定金具30を配置する概略を示す図、図5(c)は、前記端部固定金具30が、前記側面カバー材の内部に収容される側面カバー材形状の概略を示す断面概略図である。
図6図6は、実用新案登録第3186568号公報に開示の考案の実施例1に係る太陽光発電パネル設置台の概略を示す斜視図である。
図7図7は、図6に示す架台2a、2b、2c、2d等の部分概略を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明に係る太陽光発電パネル設置台を実施するための形態として上記の各問題点を解消する各実施例を図面に基づき詳細に説明する。
なお、以下の各実施例に係る太陽光発電パネル設置台1は、本願出願人が既に提案する「一又は二以上の太陽光発電パネルを設置する太陽光発電パネル設置台を構成する積み重ね骨組み材の最低高さから上方に向けて傾斜し、かつ、周囲に太陽光発電パネルの下への風の吹き込みを防止するカバー壁を形成する」構成を前提としている。すなわち、屋上に接着剤等で複数の最下部架台を密着して固定配置し、その上に傾斜金具を配置し、当該傾斜金具上に複数の太陽光発電パネルを設置する台からなることを前提としている。
その上で、種々の工夫改良箇所について、本実施例1-4に係る太陽光発電パネル設置台1としたものである。
【実施例0013】
(傾斜金具の改良)
本実施例1に係る太陽光発電パネル設置台1においては、これまで,横置きにした太陽光発電パネルの長辺部を前記横支持金具103の凹溝内に挿通配置し、固定することしていた。すなわち、太陽光発電パネルを架台に設置するには、通常は、パネルを長辺を上下側に、短辺を左右側にして複数の長方形状のパネルを並べて架台に設置される。この場合、パネルの長辺側に突出する鍔部を横方向に掛け渡した前記横支持金具103の溝内に滑り込ませて固定する。
【0014】
したがって、前記傾斜金具104とパネルの間は、若干の隙間が空いており、構造上堅固な構造ではなかった。また、一般に太陽光発電パネルの長辺部の形状は、突出する鍔部位置が、表面に近かったり、下面に近かったり、あるいは、全く突起のないフラットな形状の長辺部や、さらには、独自の特殊な形状の長辺部等メーカー毎に異なり一定ではなく、太陽光発電パネルの長辺部で固定支持する構造には、強度上限界があった。これに対し、太陽光発電パネルの短辺部は、多くのメーカーは、突起等を設けることのないフラットな形状であった。
【0015】
そこで、本願出願人は、当該フラットな形状のパネル短辺部で支持固定する太陽光発電パネル設置台1とする方が、強度上も優れているし、多くのメーカー製太陽光発電パネルの支持固定に適うものであることを見いだすに至った。すなわち、太陽光発電パネルのフラットな形状の短辺部を前記傾斜金具で支持固定する構造とし、このため、当該傾斜金具について、その金具の延長方向の上部位置の両側部に太陽光発電パネルの短辺部を裁置する支持持ち梁部を設けた断面形状を有するものである。
【0016】
図1(a)は、本実施例1に係る太陽光発電パネル設置台1に使用する前記傾斜金具の概略図であり、図1(b)はその断面図である。図1(a)(b)において、符号10は、傾斜金具であり、11a、11bは、当該傾斜金具10の上端からの所定位置に突出して設けられる支持持ち梁部である。また、符号12は、下部に係合される後述の柱材(図示外)との係合孔、13は、後述の側壁カバー材等の固定孔である。符号14は、裁置される太陽光発電パネルであり、図1(a)(b)に示した例では、その短辺部が、前記支持持ち梁部11a及び/又は支持持ち梁部11bに裁置される。
【0017】
図1(a)(b)に示すように、本実施例1に係る太陽光発電パネル設置台1は、その使用する前記傾斜金具10は、両側又は片側に上端から所定高さ位置に所定幅で突出する前記支持持ち梁部11a、11bを設け、当該支持持ち梁部11a、11bに前記太陽光発電パネル14の端部ががフラットな短辺部/又は長辺部を支持固定するようにした。したがって、図1(a)(b)に示す例では、横置きされる前記太陽光発電パネル14は、最上端に配置されるパネル14の長辺部及び最下端に配置されるパネルの長辺部は、そのまま露出して裁置され、当該露出部分を周囲を囲む前記側壁カバー材で屋上面まで覆われる。なお、この場合、隣接するパネル14、14間においては、パネル14、14の長辺部どうしが直接接する構造としている。
【0018】
なお、図1(a)(b)に示した例では、太陽光発電パネル14の短辺部を前記傾斜金具10の前記支持持ち梁部11a、11bに裁置する例を示したが、これは、必ずしも短辺部だけが裁置されるに限らない。太陽光発電パネルの形状如何によっては、長辺部についても端部がフラットに加工され、前記支持持ち梁部11a、11bに裁置できる場合があり(いわゆる、パネルを縦置きした場合)、そのフラットな端部の長辺部が前記支持持ち梁部11a、11bに裁置されるようにしても良い。
【実施例0019】
(横支持金具の廃止し、代わりに最下部架台間に掛け渡されるクロス材)
上述するように、本実施例1に係る太陽光発電パネル設置台1においては、裁置する太陽光発電パネル14の短辺部を前記傾斜金具10の側部に突出する前記支持持ち梁部11a、11bで支持固定するようにしたので、従来使用される横支持金具を廃止できる。このため、屋上等の設置場所まで全部材を運び込む際には、横支持金具の重量分だけ軽量化され、作業性も良くなる。
しかしながら、横支持金具を廃止したので、構造的に弱さが出てくるので、本実施例2に係る太陽光発電パネル設置台1においては、屋上面に接着剤等で密着固定される最下部の前記架台102間に軽量な断面L字状クロス材を掛け渡すようにしたものである。
【0020】
図2(a)は、前記太陽光発電パネル14を長辺部を上下にして縦に2枚を配置する本実施例2に係る太陽光発電パネル設置台1の最下部概略を示す図であり、図2(b)は、図1(a)の矢印方向から見た概略断面図である。
図2(a)(b)において、符号10,10は、前記傾斜金具、11a、11bは、前記支持持ち梁部、15a、15bは、最下部架台、16a、16b、16cは、これらの最下部架台15a、15b間に掛け渡されるクロス材である。
図2(a)(b)から明らかなように、本実施例2に係る太陽光発電パネル設置台1は、前記最下部架台15a、15b間に複数の前駆クロス材16a-16cを掛け渡したので、従来のように、太陽光発電パネル14の長辺部突出が挿通される前記横支持金具を廃止しても、横方向に広がったり、動いたりすることもなくなる。
【0021】
なお、図2(a)(b)には、上下方向に2枚の太陽光発電パネル14、14を裁置する例として説明したが、これは、この2枚の例に限られず、縦方向・横方向に複数枚の太陽光発電パネル14を裁置する場合であっても、当該太陽光発電パネル14の短辺部が裁置される前記支持持ち梁部11a、11bを有する前記傾斜金具10下に対応して配置される複数の前記最下部架台15a、15b・・間に前記クロス材16a、16b、・・が掛け渡されるようにする。この場合には、複数の最下部架台15a、15b・・間に連続して掛け渡される長尺のクロス材16a、16b・・・であっても良いし、両隣に配置される前記最下部架台15a、15b間だけに掛け渡されるクロス材が、それぞれ複数本配置されるようにしても良い。また、掛け渡し位置としては、図2(a)(b)に示す例においては、前記太陽光発電パネル14の長辺部直下位置に配置される前記最下部架台15a、15b、・・間に掛け渡す例を示したが、パネルの長辺部直下に配置される前記最下部架台15a、15b、・・ではなく、パネルの設置態様により、縦置きパネル等の場合には、パネルの短辺部直下位置に、あるいは、パネルの長辺部・短辺部の位置に限られず、適宜の配置位置(例えば、先後端の均等位置)に配置される前記最下部架台15a、15b、・・間に掛け渡されるクロス材16a、16b・・であっても良い。
【実施例0022】
(角度可変柱材)
上述してきたように、本願出願人が提案した従来の太陽光発電パネル設置台101においては、前記最下部架台102上に前記傾斜金具104が配置され、裁置する太陽光発電パネル14、14・・を太陽方向に向けるために所定の傾斜を保って構成されていた(図6図7参照)。この場合、当該最下部架台102と傾斜金具104間には、前記上部短柱106及び中間柱107及び基底具108(以下、「柱材」という。)を介在させることによりその角度が規定される。しかも、図6図7に示すように、当該柱材と最下部架台102及び傾斜金具104との係合は、柱材が最下部架台102に設けられた開口から垂直に延びて係合され、また、当該柱材と前記傾斜金具104との係合は、当該柱材の内側に前記傾斜金具104が入り込んで係合する構造であるので、その角度を変更することは考慮されてなかった。
【0023】
ところが、上述してきた太陽光発電パネル設置台101は、平坦な屋上面に設置することを前提として組み立てられていたが、設置する屋上面は雨水の処理等のため必ずしも平坦ではないことが判明し、設置に際して、前記傾斜金具の角度を調整して屋上面への密着性を確保しなければならないなどの現場作業を強いられることとなっていた。
そこで、本実施例3に係る太陽光発電パネルにおいては、前記柱材等について、容易に角度調整可能な柱材とすることとした。
【0024】
図3(a)は、本実施例3に使用する角度調整可能な柱材の分解概略図であり、図3(b)は、中間位置に配置する柱材を前記最下部架台と前記傾斜金具との間に介在例を示す使用概略図である。
図3(a)(b)において、符号10、15は、図1,図2で説明した傾斜金具10及び最下部架台15であり、20は、本実施例3に係る太陽光発電パネル設置台1で使用する角度可変柱材、21は、前記角度可変柱材20を構成する最下部架台取付基台、22は、同柱部、23は、同傾斜金具取付部、24は、同基台連結回動孔、25は、同下部連結回動孔、26は、同上部連結回動孔、27は、同傾斜金具連結回動孔、28は、同連結ボルト穴,29は、同傾斜金具接合面である。
【0025】
本実施例3に係る太陽光発電パネル設置台1に使用する角度可変柱材20は、図3(a)に示すように、基本的は、最下部架台取付基台21、柱部22及び傾斜金具取付部23の三つの部材からなり、これらの各部材が前記各回動孔24、25、26、27に回動可能にボルト(図示外)等で回動連結される基本構造を有し、前記最下部架台15と前記傾斜金具10の間の角度が自在に可変し、前記最下部架台15の下の屋上面が波打つ形状であっても、当該形状に適合した角度を保つことができるとするものである。
【0026】
また、図3(b)に示すように、本実施例3に係る太陽光発電パネル設置台1に使用される前記角度可変柱材20は、その前記最下部架台取付基台21が断面凹状の前記最下部架台15内の適宜の位置に係合固定され(係合ボルト等は図示外)、また、前記傾斜金具取付部23も前記傾斜金具接合面29が下方から前記傾斜金具11の下面に接合され、前記連結ボルト穴28に挿通されるボルト等(図示外)で適宜の位置に固定される。
【0027】
本実施例3に係る太陽光発電パネル設置台1において、前記角度可変柱材20を使用することにより、屋上面が平坦でなく凹凸を有していても、それらの凹凸面に応じた場所の面に邸合する角度を調整することにより、裁置する複数の太陽光発電パネルの面を面一にすることができ、また、平坦に欠ける屋上面に沿った前記最下部架台15の配置が可能となる。さらには、屋上面が平坦に欠けることから派生する設置台そのものの変形、破損を避けることができる。
【0028】
なお、この場合に使用する最下部架台15、15・・は、屋上面に容易に密着可能なように柔軟性を有する形状・材質を使用すれば、屋上面への密着がより向上すると共に、平坦に欠ける屋上面であっても、平坦で均一な太陽光発電パネル面を確保することができる。その結果、屋上面への密着度が向上することにより、風による設置台自体の横ずれや吹き上げや、上記変形、破損に対して,より堅固なものとすることができる。
【実施例0029】
(パネル厚さの高さ調整可能な端部固定金具)
本願出願人が既に提案する太陽光発電パネル設置台1は、種々のメーカーの太陽光発電パネルの設置を可能とする汎用性のあるものを目指している。ところが、上述してきたように、設置する太陽光発電パネルは、メーカー毎にその寸法等の仕様や形状が異なり、特にパネルの厚さについても種々異なり、これまでの前記横支持金具103の溝部にパネル長辺部の突起を滑り込ませての支持固定には限界があったし、さらには、近年の太陽光発電パネル自体の技術の発展により、これまでより遙かに薄い厚さの太陽光発電パネルが登場し、その支持固定のためには、高さをその都度合わせた支持固定が必要であり、この点においても作業性が悪いものであった。
【0030】
そこで、上記実施例1に係る太陽光発電パネル設置台1に使用する前記傾斜支持金具10の改良と相まって、当該傾斜金具10の前記支持持ち梁部11a、11bに接合し、厚さの異なる太陽光発電パネルにも対応して高さを調整可能な端部固定金具を案出するに至った。
【0031】
図4(a)は、本実施例4に係る太陽光発電パネル設置台1に使用する高さ調整可能な端部固定金具の概略を示す図であり、図4(b)は、当該高さ調整可能端部固定金具を前記傾斜金具10への取付概略図である。
図4(a)(b)において、符号30は、本実施例4に係る太陽光発電パネル設置台1に使用する高さ調整可能な端部固定金具であり、10は、傾斜金具、14は、太陽光発電パネル、31は、固定グランプ部、32は、差し込みグランプ部、33は、傾斜金具挿通部、34は、高さ調整グランプ部、35は、調整ボルトである。
【0032】
本実施例4に係る態様粉発電パネル設置台に使用する前記端部固定金具30は、前記固定グランプ部31と、当該固定グランプ部31に横方向から差し込み固定される差し込みグランプ部32とからなる。また、図4(b)から明らかなように、前記高さ調整グランプ部34が、反対側の支持持ち梁部11aに裁置される幅と長さ及び前記傾斜金具10の上部高さまでの大きさからなり、前記太陽光発電パネル14の厚さに対応させて、前記傾斜金具10にネジ(図示外)等で接合された前記固定グランプ部31に前記差し込みグランプ部32を横方向(紙面手前方向)から差し込み、また、前記傾斜金具挿通部33は、前記傾斜金具10の凹部に挿通され、当該溝部を下方から押さえ込んだ後に、前記調整ボルト35を回動させて太陽光発電パネル14の端部の高さに適合させつつ、前記高さ調整可能端部固定金具30により、前記太陽光発電パネル14が前記傾斜金具10の前記支持持ち梁部11bとの間で支持固定するようにする。
【0033】
また、当該高さ調整可能な端部固定金具30は、当該太陽光発電パネル設置台1の端部で、かつ、前記傾斜金具10上の前記太陽光発電パネル14の端部位置に配置される。
このような本実施例4に係る態様粉発電パネル設置台に使用する前記端部固定金具30を使用することにより、各々厚さ寸法仕様が異なるどのようなメーカーの太陽光発電パネルであっても、厚さ仕様に合致する適宜の高さに端部を調整することができ、また、太陽光発電パネルの設置台への支持固定が可能となり、さらには、作業性も向上する。
【実施例0034】
(側面カバー壁)
前述してきたように、本実施例1-4に係る太陽光発電パネル設置台1は、前記傾斜金具10の上部位置の両側部に支持持ち梁部11a、11bを設け、設置台の端部において、当該支持持ち梁部11aには太陽光発電パネルの短辺部と、前記支持持ち梁部11bには、前記高さ調整可能な端部固定金具30を設けるようにした。このため、従来の側面カバーと異なり、この部分を考慮した形状とする必要がある。
【0035】
(形状1)
図5(a)は、本実施例5に係る太陽光発電パネル設置台1において、前記傾斜金具10の上部位置の両側部に支持持ち梁部11a、11bのうち、太陽光発電パネル14が裁置されない端部側面を覆うカバー材の概略を示す簡略断面図である。図5(a)において、符号40は、側面カバー材、41は、上部固定ネジ、42は、下部固定ネジであり、その余の符号は図1ー4において示した同じ部材は同じ符号で示す。すなわち、符号10は、前記傾斜金具、11a、11bは、前記支持持ち梁部、14は、前記態様粉発電パネル、15は、前記最下部架台、20は、前記角度可変柱材であり、その形状、機能等は既に説明した。
【0036】
本実施例5に係る太陽光発電パネル設置台1に使用される前記側面カバー材40は、図5(a)から明らかなように、端部に位置する前記傾斜金具10の上端と同じ高さで当該傾斜金具10の上側に接して下降し、前記支持持ち梁部11bに接して外方向に延設され、さらに、前記最下部架台15の上端まで下降し、当該最下部架台15厚さで垂直に屋上面まで延設される断面形状とした。
【0037】
また、本実施例5に係る太陽光発電パネル設置台1に使用される前記側面カバー材40においては、前記最下部架台15の端部は、前記傾斜金具10より外側に延設され、その結果、当該側面カバー材40は、下方に向かって裾広がりに形成され、前記上部固定ネジ41、下部固定ネジ42により、それぞれ前記傾斜金具10及び前記最下部架台15に固定される。
【0038】
なお、このように形成された前記側面カバー材40の外側から、前記端部固定金具30を配置して、前記太陽光発電パネル14の厚さに適合した高さを調節しつつ固定するようにする。
図5(b)は、前記側面カバー材40の外側から、前記端部固定金具30を配置する概略を示す図であり、符号は、図5(a)で使用する同じ部材は同じ符号を付した。
【0039】
(形状2)
なお、変形例として、前記端部固定金具30が、前記側面カバー材の内部に収容されるように形成されても良く、図5(c)は、前記端部固定金具30が、前記側面カバー材の内部に収容される側面カバー材形状の概略を示す断面概略図である。
【0040】
図5(c)に示す側面カバー材45では、前記端部固定金具30が、直接前記傾斜金具10の支持持ち梁部11b上に配置されているので、太陽光発電パネル14の端部位置から当該端部固定金具30の外側を通って前記差し込みグランプ部32まで延び、さらに、前記最下部架台15の上端まで下降し、当該最下部架台15厚さで垂直に屋上面まで延設される断面形状としたものである。なお、当該側面カバー45は、前記ボルト35でパネルの厚さに対応する高さ位置の調整と共に、当該側面カバー材45を固定するようにする。
【0041】
本実施例5に係る太陽光発電パネル設置台1に使用される前記側面カバー材40、45は、いずれも下方に向かって裾広がりに形成されるので、風を受け流しが容易となり、設置台の横ずれや浮き上がりを効率的に防止できる。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明は、ビル屋上に設置可能な太陽光発電パネル設置台に利用される。
【符号の説明】
【0043】
1 太陽光発電パネル設置台
10 傾斜金具
11a,11b 支持持ち梁部
14 太陽光発電パネル
15a、15b 最下部架台
16a、16b、16c クロス材
20 角度可変柱材
21 最下部架台取付基台
22 柱部
23 傾斜金具取付部
24 基台連結回動孔
25 下部連結回動孔
26 上部連結回動孔
27 傾斜金具連結回動孔
28 連結ボルト穴
29 傾斜金具接合面
30 端部固定金具
31 固定グランプ部
32 グランプ部
33 傾斜金具挿通部
34 調整グランプ部
35 調整ボルト
40 側面カバー材
41 上部固定ネジ
42 下部固定ネジ
45 側面カバー材
101 太陽光発電パネル設置台
102 最下部架台
103 横支持金具
104 傾斜金具
105、105a~105d 石板
106 上部端柱
107 中間柱
108 基底具
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7