(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022097312
(43)【公開日】2022-06-30
(54)【発明の名称】段階減圧式水路型集水型水力発電装置
(51)【国際特許分類】
F03B 7/00 20060101AFI20220623BHJP
E02B 9/00 20060101ALI20220623BHJP
F03B 11/02 20060101ALI20220623BHJP
【FI】
F03B7/00
E02B9/00 Z
F03B11/02
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020210838
(22)【出願日】2020-12-18
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-03-10
(71)【出願人】
【識別番号】594126377
【氏名又は名称】土橋 義英
(72)【発明者】
【氏名】土橋 義英
【テーマコード(参考)】
3H072
【Fターム(参考)】
3H072AA09
3H072AA13
3H072AA26
3H072BB01
3H072BB02
3H072BB07
3H072BB31
3H072CC01
3H072CC71
(57)【要約】
【課題】壁を用い流体を集める水力発電装置の壁の外側に新たな壁を設け水路を作り、その水路を流れる水圧を用い水力発電装置の壁に掛かる圧力を、外側を流れる流体に対して段階的に下げることで、壁の強度が小さくてすむ集水型水力発電装置を提供するものである。
【解決手段】流体の流れの中に壁を用いて水路を作り、その水路の取水口より断面積を徐々に小さくした先に水力発電機の水車を設け、また、水力発電用の水路の壁の外側に新たな壁を設けて水路を作るが、その水路も取水口より断面積を徐々に小さくし、且つ、その水路は各部分で、水力発電機へ流れる水路の流体の圧力より低く、また、新たな壁の外側を流れる流体の圧力より高くなるように作られることを特徴とするものである。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体の流れの中に壁を用いて水路を作り、その水路において、取水口より断面積を徐々に小さくし、且つ、その先に水力発電機の水車を設け、また、水力発電用の水路の壁の外側に新たな壁を設けて水路を作るが、その水路も取水口より断面積を徐々に小さくし、且つ、その水路は各部分で、水力発電機へ流れる水路の流体の圧力より低く、また、新たな壁の外側を流れる流体の圧力より高くなるように作られた段階減圧式水路型集水型水力発電装置。
【請求項2】
四角形状の取水口において、対面する2辺より取水口前方に向けて、三角柱をなすように網の面を張り、網の面にはそれぞれ、流体の流入量を調整する開閉幕を複数以上設け、三角柱の2つの底面に防水幕を設けた請求項1の段階減圧式水路型集水型水力発電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、壁を用いて流体を集める集水型水力発電装置において、その外側に新たな壁を設けることで、壁に掛かる圧力の低減を目的とした段階減圧式水路型集水型水力発電装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の集水型水力発電装置において、流体の圧力に抗するためケーブルを用いる技術があったが、ケーブルの接続点に力が集中するため、局所的に非常な強度が要求されるものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6143315号
【特許文献2】特許第6172830号
【特許文献3】特許第6257120号
【特許文献4】特許第6366155号
【特許文献5】特許第6393893号
【特許文献6】特許第6418623号
【特許文献7】特許第6478362号
【特許文献8】特許第6578552号
【特許文献9】特願2020-180048
【特許文献10】特願2020-180968
【特許文献11】特開2014-234759
【特許文献12】特開2011-74921
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、流体の流れの中で壁を用い、流体を集める集水型水力発電装置において、その壁の外側に新たな壁を設け水路を作り、その水路を用い水力発電装置の壁に掛かる圧力を、外側を流れる流体に対して段階的に下げることで、壁の強度を低くする手段を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、段階減圧式水路型集水型水力発電装置において、請求項1に係るものは、流体の流れの中に壁を用いて水路を作り、その水路において、取水口より断面積を徐々に小さくし、且つ、その先に水力発電機の水車を設ける。発電機本体はその水路の中にあってもよいし、なくてもよい。そして、水力発電用の水路の壁の外側に新たな壁を設けて水路を作る。ただし、その水路も取水口より断面積を徐々に小さくし、且つ、その水路は各部分で、水力発電機へ流れる水路の流体の圧力より低くなるようにし、また、新たな壁の外側を流れる流体の圧力より高くなるように設けられたものである。
【0006】
請求項2に係るものは、請求項1に係るものにおいて、四角形状の取水口の対面する2辺より取水口前方に向けて、三角柱をなすように網の面を張る。また、網の面にはそれぞれ、流体の流入量を調整する開閉幕を複数以上設け、三角柱の2つの底面に防水幕を設けたものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、以上説明したように構成されており、以下に記載されるような効果を有する。 請求項1に係る仕組みを用いた場合、流体の流れの中に壁を用いて水路を作り、その水路において、取水口より断面積を徐々に小さくした先の部分に水力発電機の水車を設けることで、集水型水力発電装置が構成される。発電機本体はその水路の中にあってもよいし、水車からの動力を伝えることで、別の場所で発電してもよい。次に水力発電用の水路の壁の外側に新たな壁を設けることで、水力発電用の水路の壁と新たな壁の間に流体が流れる水路を作る。ただし、その水路も取水口より断面積を徐々に小さくすることで、圧力が高まるようにする。さらにその水路は各部分で、水力発電機へ流れる水路の流体の圧力より低くなるようにし、また、新たな壁の外側を流れる流体の圧力より高くなるように設ける。「その水路は各部分で」と述べたのは、集水型水力発電装置の水路はハの字のように取水口が広く、発電機手前は狭くなり、水流の圧力は取水口から発電機に向けて徐々に高くなってゆくので、それに応じて、新たな壁と発電装置用の壁との間の水路に流れる水流も徐々に絞り込み、水流の圧力を上げて行くようにしなければならない。こうすることによって、集水型水力発電装置の壁に掛かる圧力の何割かを外側の水路に流れる流体の圧力で支えることになり、集水型水力発電装置の壁の耐圧性能を下げることができる。またケーブルで局所的に支える場合と異なり、全体的に支えるので装置を大型化しやすい。
【0008】
壁は直線状でも曲線状でもかまわない。また、外側の壁は複数以上設けても構わないが、複数以上の壁によって作られた各水路の水圧は、集水型水力発電装置の中心線から直交方向の断面で見た場合、集水型水力発電装置側から外側の水路に移るにしたがって段階的に低くなるようにする。
【0009】
請求項2に係る仕組みを用いた場合、請求項1に係る仕組みを用いた場合に加え、四角形状の取水口の対面する2辺より取水口前方に向けて、三角柱をなすように網の面を張る。また、網の面にはそれぞれ、流体の流入量を調整する開閉幕を複数以上設け、三角柱の2つの底面に防水幕を設ける。こうすることで流体の流入方向に対して鋭角の網面が設けられ、流体中の異物を受け流すことができる。流体の流入量を調整する開閉幕を複数以上設ける理由は、段階減圧式水路型集水型水力発電装置の設置時やメンテナンス時など、取水を止めたいときに、各水路に流れる水圧のバランスを極力保つための措置である。集水型水力発電装置の壁に掛かる圧力の何割かを外側の水路に流れる流体の圧力で支えているので、外側の水路に流れる流体の圧力が相対的に低くなりすぎると集水型水力発電装置の壁が壊れてしまう。三角柱の底面は上下方向でも左右方向でも、どちら側に形成してもよい。
【0010】
各壁に比較的強度の弱い箇所を設け、圧力異常が起きた際に破損する箇所を限定し、装置全体が倒壊しないようにするのもよい。また、各方形壁内に圧力センサーと流量調整装置を設置し、各方形壁内の圧力をコントロールできるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】発明を実施するための形態を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
左右の水力発電用の壁の中心線方向を内側、または内方向、そして、中心線の反対側を外側、または外方向と呼称する。水力発電用の壁の外側に設けられた壁を段階減圧水路の壁と呼称する。
【0013】
本発明を実施するための形態を
図1に基づいて説明する。流体の流れの中に水力発電用の壁(1)が2つ設けられ水路を形成している。左右の水力発電用の壁(1)の間に水力発電機(4)が備えられている。左右の水力発電用の壁(1)の間隔は水流の流入口側で広く、水力発電機(4)の方向に向かうにつれて狭くなっている。左右の水力発電用の壁(1)の外側には、それぞれ、段階減圧水路の壁(2)が設けられており、水力発電用の壁(1)と段階減圧水路の壁(2)の間にも流体が流れることが可能であり、これを段階減圧水路(3)と呼称する。段階減圧水路(3)は取水口が広く、排水口は狭くなっているので、排水口に向かうにしたがって水圧が高くなる。ただしその水圧は、水路の各所において、水力発電用の壁で形成される水路内の水圧より低く、且つ、段階減圧水路の壁(2)の外側を流れる流体の水圧より高くなるようにする。各水路の高い圧力が部分は、水底が削られないようにモルタルで固めたり、シート敷くなどの対処が必要になる。
【実施例0014】
図2は実施例1を示す斜視図である。段階減圧式水路の壁を上下方向にも備えたもので、上下左右の壁が四角形をなしていることから方形壁と呼称する。水力発電用の方形壁(5)の外側に第一減圧水路の方形壁(6)を設け、第一減圧水路の方形壁(6)の外側に、第二減圧水路の方形壁(7)を設けている。各方形壁は等脚台形四角柱の上底に四角柱を取り付けたような形状をしている。ただし、水力発電用の方形壁(5)は、第一減圧水路の方形壁(6)の排水口から突き出ており、さらに排水口側にも等脚台形四角柱が取り付けられたような形状になっている。そして、各方形壁は中空構造であり、内部に流体を流すことができる。まず、このような立体的な構造にすることで、水流で水底を削られなくなるというメリットが生じる。また、水面下に設置できるため、台風などの強風対策をする必要がなくなる。円形でもよいがこの装置で実用的な発電をするためには、取水口の高さや幅を数十m以上にする必要があると思われるので、直線状の構造にした方が、コストが低く抑えられる。鉄骨に幕を張るといった手法を取れば、工期も短くなり、重量も軽くなる。各方形壁は隙間を一定に保つため、支柱などによって固定しなければならない。集水部の形状は長方形にしてもよい。
【0015】
第一減圧水路の方形壁(6)と第二減圧水路の方形壁(7)の排水口側が、水力発電用の方形壁(5)より短くなっているのは、水力発電用の方形壁(5)内部に設置された水力発電機の水車の位置に準じている。流体は流速や水圧といったエネルギーで水力発電機の水車を回して発電するのだが、水車通過後のエネルギーを失った流体は流速や圧力が低くなるので、減圧水路による補助はそれほど必要なくなる。また、水力発電用の方形壁(5)の排水口側にも等脚台形四角柱が取り付けられたような形状になっているのは、排水口から出る流体の速度を、装置の外を流れる流体の速度以下にするためである。もし、排水口から出る流体の速度が速すぎると、装置の外を流れる流体が壁のように働き、流れが悪くなり、水力発電用の方形壁(5)の取水口からの流体の流入量が少なくなる。水力発電機の発電効率が高いほど、排水口の大きさは小さくてよい。効率の悪い水力発電機を使用する場合、水流から十分エネルギーを取り出せず、水力発電用の方形壁(5)内部の圧力もそれなりに高いので、必要に応じて第一減圧水路の方形壁(6)や第二減圧水路の方形壁(7)の排水口の位置を調整する。
【0016】
図3、
図4は実施例2を示す斜視図である。
図2の取水口の前方に、三角柱をなすように流量を調整する装置を設けたものである。三角柱の側面の一つは第二減圧水路の方形壁(7)の取水口に接続され、他の二つの側面は網(8)で覆われ、流量調整装置の巻き軸(10)がそれぞれ二つずつ取り付けられている。また、上下の面は異物流入防止カバー(9)で覆われている。
図14は流量調整装置の幕(11)の展開中を示している。先端を鋭角にすることで網に異物が張り付くのを防ぎ、また、流量調整装置の幕(11)を展開した時に掛かる流体の圧力を受け流す。
【0017】
図5は実施例3を示す横面図である。実施例2を海底(13)に設置した図である。装置各所は支柱(12)で支えられ、装置全体は海面(14)より下に設置されている。この装置は海底に沈めることを想定している。海に設置する場合は、干潮時においても海面より上に出ないことが望ましい。
【0018】
図6は実施例4を示す段階減圧式方形水路型集水型水力発電装置の断面図である。第二減圧水路の方形壁(7)の内側に第一減圧水路の方形壁(6)があり、第一減圧水路の方形壁(6)の内側に水力発電用の方形壁(5)がある。第二減圧水路の方形壁(7)と第一減圧水路の方形壁(6)の間は流体の流れる隙間があり、これを第二減圧水路(16)と呼称し、一減圧水路の方形壁(6)と水力発電用の方形壁(5)の間にも流体の流れる隙間があり、これを第一減圧水路(15)と呼称する。第一減圧水路(15)内の各箇所の水圧は、隣接する箇所の、水力発電用の方形壁(5)内の流体の圧力より低く、第二減圧水路(16)内の流体の圧力より高い。同様に第二減圧水路(16)内の各箇所の水圧は、隣接する箇所の、第一減圧水路(15)内の流体の圧力より低く、装置外を流れる流体の圧力より高い。水力発電用の方形壁(5)の内側には水力発電機(4)が備えられている。水力発電用の方形壁(5)の断面は四角形なので、水力発電機(4)の水車が効率よく発電が行えるように、水路の断面を円形になるようにしてもよい。各方形壁や水力発電機(4)は支持部によって内部の隙間を保つように固定されているが、図では省略している。また、段階減圧式方形水路型集水型水力発電装置は海底(13)に沈められ支柱(12)によって保持されている。
【0019】
図7は実施例5を示す水平方向の断面図である。この水力発電装置を海底に設置することを先に述べた。ただ海流は河と違い、流れは常に一定方向であるとは限らない。海流の流れる方向の変化に対して流量調整装置の幕(11)を、片面のみ展開することにより、海流の流れる方向が変化しても海流を取り込み、発電量を減らさないようにすることができる。流体の圧力を受け流すだけであれば取水口の前方に備えられた流量を調整する装置の鋭角の辺が水平方向になっていてもよいが、海流の流れる方向の変化に対応するためには、流量を調整する装置の鋭角の辺が垂直方向になっていたほうがよい。また、第二減圧水路の方形壁(7)が間口を広げることなく平行に張り出して第二減圧水路の方形壁(7b)を形成しており、水力発電用の方形壁(5)と第一減圧水路の方形壁の集水部(6)より前方に伸びているが、これは海流の圧力の偏りを減らすためである。また、第二減圧水路の方形壁(7b)の部分に網(8)や流量調整装置の幕(11)を設けてもよい。
【0020】
図8は実施例6を示す斜視図である。段階減圧式方形水路型集水型水力発電装置を骨組み(19)で補強したものである。
図5のように海中に備え付けようとした場合、構造物を海中で組み立てるには多大なコストがかかる。そこで、陸上で骨組み(19)を組んでその中に段階減圧式方形水路型集水型水力発電装置を組み上げ、海に輸送して設置した方がよい。土台(20)は事前に海底に設置してもよいし、海底の形状に合わせて陸上で調整してもよい。また、骨組み(19)が大きくなりすぎるのであれば、骨組み全体を幾つかのパーツに分けて製造し、ブロックのように積み上げるようにしてもよい。発電機は比較的メンテナンスが必要になるため、その部分だけ取り外しができるようにすると、引上げや設置が楽になるし、取り外し時に代替品を持って行き入れ替えて設置すれば、稼働率を上げることができる。
【0021】
図9は実施例7を示す横面図である。クレーン船(21)を用いて、海底(13)に骨組み内に格納された段階減圧式方形水路型集水型水力発電装置(24)を設置しようとしている図である。海流は海底だと流れが遅くなるのが一般的なので、骨組み内に格納された段階減圧式方形水路型集水型水力発電装置(24)の足を高くしている。ただし、骨組み内に格納された段階減圧式方形水路型集水型水力発電装置(24)は干潮でも海面に露出しない方が望ましい。メンテナンスするときは海上に引き上げた方が楽なので、連結部(23)や本体側のケーブルは引き上げる時に装着する手間を省くためそのまま海中に沈めておけばよい。
【0022】
図10は実施例8を示す断面図である。水力発電用の方形壁(5)の外側に第一減圧水路の方形壁(6)を設け、さらにその外側に第二減圧水路の方形壁(7)を設けたものであるが、水力発電用の方形壁(5)の先には接続部(25)が設けられ、円筒形耐圧管(26)に接続されている。段階減圧式の水路で、
図6のような入れ子状にした場合、発電装置などの設置やメンテナンスに手間がかかる。水流を数mまで絞り込むことができるのであれば、耐圧性の高い鋼管を用いた方が良い場合もある。円筒形耐圧管(26)を用いると、段階減圧式水路は不要になるので、第一減圧水路(15)の排水口と第二減圧水路(16)の排水口を接続部(25)あたりに配置して、不要となった水路の水流を放出する。また、取水口付近の水圧は低く、減圧水路による補助が不要であれば、水力発電用の方形壁(5)と第一減圧水路の方形壁(6)第二減圧水路の方形壁(7)の取水口は同じ位置にしなくてもよい。円筒形耐圧管(26)を用いることができれば、設置できる水力発電機の選択肢が広がる。
【0023】
図11は実施例9を示す横面図である。発電機格納部(31)は海上の台(32)の上に設置され、海上の台は支柱(12)によって支えられている。発電機格納部(31)から回転軸(27)が海中に伸びており、海中の台に設置された水車格納部(28)に接続されている。水車格納部(28)からは円筒耐圧管(26)が伸びており、骨組み内に格納された段階減圧式方形集水器(30)に連結されている。骨組み内に格納された段階減圧式方形集水器(30)が海流を集め、その力で水車格納部(28)の水車を回し、水車格納部(28)の水車は回転軸(27)を回して、発電機格納部(31)の中の発電機に発電をさせる。発電機は海中に沈めないことで、既存の設計の発電機が流用でき、開発費を押さえることができる。回転軸(27)は直接波風にさらさないように円筒内に格納してもよい。
【0024】
図12、
図13を基に実施例10を基に説明する。骨組み全体を幾つかのパーツに分けて製造し、ブロックのように積み上げてもよいと先述したが、その実施例である。
図12は取水口部分を7個からなる骨組み(19a~19g)で組み立てた図で、
図13は7個の骨組み(19a~19g)を分解した図である。本発明は海流の流れの弱い海域に設置することを想定しており、そのため取水口は可能な限り大きい方が望ましい。しかし、装置全体が大きくなると、建造場所が限られ、また搬送や設置も難しくなる。もし、当装置を10m四方程度のブロックに分けることができたならば、コストが抑えられ製造期間も早くなると思われる。
流体の流れの中に壁を用いて水路を作り、その水路において、取水口より断面積を徐々に小さくし、且つ、その先に水力発電機の水車を設け、また、水力発電用の水路の壁の外側に新たな壁を設けて水路を作るが、その水路も取水口より断面積を徐々に小さくし、且つ、その水路における流体の圧力は各部分で、水力発電機へ流れる水路の流体の圧力より低く、また、新たな壁の外側を流れる流体の圧力より高くなるように作られた段階減圧式水路型集水型水力発電装置。
四角形状の取水口において、対面する2辺より取水口前方に向けて、三角柱をなすように網の面を張り、網の面にはそれぞれ、流体の流入量を調整する開閉幕を複数以上設け、三角柱の2つの底面に防水幕を設けた請求項1の段階減圧式水路型集水型水力発電装置。