(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022097346
(43)【公開日】2022-06-30
(54)【発明の名称】地図データ処理システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G09B 29/00 20060101AFI20220623BHJP
G06T 11/60 20060101ALI20220623BHJP
【FI】
G09B29/00 F
G06T11/60 300
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021047350
(22)【出願日】2021-03-22
(62)【分割の表示】P 2020209881の分割
【原出願日】2020-12-18
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-11-10
(71)【出願人】
【識別番号】597151563
【氏名又は名称】株式会社ゼンリン
(72)【発明者】
【氏名】村上 ひろこ
(72)【発明者】
【氏名】山城 昌伸
【テーマコード(参考)】
2C032
5B050
【Fターム(参考)】
2C032HB11
5B050AA01
5B050BA17
5B050EA05
5B050EA12
5B050EA13
5B050EA18
(57)【要約】
【課題】 地番データを含む地番地図データにおいて、それぞれの地番に対して緯度経度の座標を効率的に付与する。
【解決手段】 公図などの地番地図データと、測量して作成された住居地図データとを用意し、両者で同じ点を表す基準点を自動的に選択した上で、地番地図データを住居地図データに合わせるよう座標変換を行う。座標変換結果に基づいて、地番地図データの各地番に対して、住居地図データの座標値を付与する。さらに、地番と座標値との対応関係を用いて、住居地図データまたは地番地図データのデータ整備、高低差の整理など、データの追加・補充に活用する。また、複数年代にわたる分析を行ったり、飛行体の航路設定に活用することもできる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図データを処理する地図データ処理システムであって、
第1の地図データと、地番データを含み第1の地図データより低精度の第2の地図データとを用いて、所定の基準で選択された少なくとも3つの基準点が一致するように前記第2の地図データを2次元座標変換して、前記地番データに対して前記第1の地図データの座標値を付与する座標付与部を備える地図データ処理システム。
【請求項2】
地図データを処理する地図データ処理システムであって、
第1の地図データと、地番データを含み第1の地図データより低精度の第2の地図データとを用いて、複数の方法で前記第2の地図データを2次元座標変換して得られる複数の結果に基づいて、前記地番データに対して前記第1の地図データの座標値を付与する座標付与部を備える地図データ処理システム。
【請求項3】
地図データを処理する地図データ処理システムであって、
第1の地図データと、地番データを含み第1の地図データより低精度の第2の地図データとを用いて、前記第2の地図データの2次元座標変換を、前記第1の地図データとの誤差についての所定の精度基準を満たすまで繰り返し実行して前記第1の地図データの座標値を付与する座標付与部を備える地図データ処理システム。
【請求項4】
地図データを処理する地図データ処理システムであって、
第1の地図データと、地番データを含み第1の地図データより低精度の第2の地図データとを用いて設定された、前記地番データと前記第1の地図データの座標値との対応関係に基づいて、
前記第1の地図データの座標値と対応づけてデータを記憶する第1のデータベースと、前記地番データと対応づけてデータを記憶する第2のデータベースとの間で、少なくとも一方から他方のデータを参照可能とするデータ参照部を備える地図データ処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データ及びデータを利用した装置に関する。
【背景技術】
【0002】
住居表示および地番表示の座標系および単位を変換して重ね合わせて表示などする技術が存在する(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、地図データを適切に処理することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施形態において、
地図データを処理する地図データ処理システムであって、
第1の地図データと、地番データを含み第1の地図データより低精度の第2の地図データとを用いて、所定の基準で選択された少なくとも3つの基準点が一致するように前記第2の地図データを2次元座標変換して、前記地番データに対して前記第1の地図データの座標値を付与する座標付与部を備える地図データ処理システムとすることができる。
【0006】
また本発明の一実施形態において、
地図データを処理する地図データ処理システムであって、
第1の地図データと、地番データを含み第1の地図データより低精度の第2の地図データとを用いて、複数の方法で前記第2の地図データを2次元座標変換して得られる複数の結果に基づいて、前記地番データに対して前記第1の地図データの座標値を付与する座標付与部を備える地図データ処理システムとすることもできる。
【0007】
また本発明の一実施形態において、
地図データを処理する地図データ処理システムであって、
第1の地図データと、地番データを含み第1の地図データより低精度の第2の地図データとを用いて、前記第2の地図データの2次元座標変換を、前記第1の地図データとの誤差についての所定の精度基準を満たすまで繰り返し実行して前記第1の地図データの座標値を付与する座標付与部を備える地図データ処理システムとすることもできる。
【0008】
また本発明の一実施形態において、
地図データを処理する地図データ処理システムであって、
第1の地図データと、地番データを含み第1の地図データより低精度の第2の地図データとを用いて設定された、前記地番データと前記第1の地図データの座標値との対応関係に基づいて、
前記第1の地図データの座標値と対応づけてデータを記憶する第1のデータベースと、前記地番データと対応づけてデータを記憶する第2のデータベースとの間で、少なくとも一方から他方のデータを参照可能とするデータ参照部を備える地図データ処理システムとすることもできる。
【0009】
本発明の一実施形態において、上述の地図データシステムとしての態様の他、コンピュータによって地図データを処理する地図データ処理方法として構成してもよい。また、かかる処理を実現するコンピュータプログラム、および該コンピュータプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体として構成することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】地図データ処理システムの構成を示す説明図である。
【
図2】地番地図データおよび住居地図データの概要を示す説明図である。
【
図4】座標付与処理の例を示す説明図(1)である。
【
図5】座標付与処理の例を示す説明図(2)である。
【
図8】変形例1としての座標付与処理のフローチャートである。
【
図9】変形例2としての座標付与処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施例として、緯度経度などの座標値が不明な地番に対して、これらの座標値を付与するシステム、およびこうして付与された座標値を活用するシステムを例にとって以下の順序で説明する。
A.システム構成:
B.データベースの概要:
C.座標付与の処理例:
D.座標付与処理:
E.データ整備処理:
F.複数年代処理:
G.高低差整備処理:
H.航路設定処理:
【0012】
A.システム構成:
図1は、地図データ処理システムの構成を示す説明図である。実施例の地図データ処理システムは、コンピュータに図示する機能を実現するコンピュータプログラムをインストールすることによってソフトウェア的に構成した。これらの一部または全部をハードウェア的に構成することもできる。また、本実施例では、スタンドアロンのシステムとしての構成を示すが、図示する各機能を複数台のコンピュータまたはサーバによって提供するものとし、これらをインターネットその他のネットワークで接続したシステムとして構成することもできる。
【0013】
実施例の各データベースについて説明する。
住居地図データ記憶部50は、住居地図データを記憶する。住居地図データは、都市計画図等の測量に基づいて作成された第1の地図データに相当し、地図データを構成する各地物(例えば、道路や建物等)の正確な緯度経度を保持している。なお、座標値は、緯度経度に限らず地上でそれぞれの土地、地物などの位置及び住所表示(住居表示地区及び地番地区における住所をいう。)を特定できる種々の絶対的な座標系を用いることができる。住居地図データの具体例は後で示す。
【0014】
地番地図データ記憶部51は、地番地図データを記憶する。地番地図データは、地番データを含み第1の地図データである住居地図データより低精度の第2の地図データに相当する。ここで低精度とは、測量を行わずに作成されたために、地物の位置及び形状が住居地図データの地物の位置及び形状よりも相対的に低いことをいう。いわゆる地図に準ずる図面と呼ばれるものが含まれる。本実施例では、地番地図データとして、公図の地図データを用いた。地番地図データの座標系は、緯度経度とは必ずしも対応づけられてはおらず、地番地図の図枠ごとに設定された直交座標系(互いに直行するX軸、Y軸の2軸から構成される座標系)が利用されている。また、地番地図データには、道路、土地区画などが描かれてはいるものの、地番を表すために描かれたものであり、その形状等について住居地図データほどの正確性は保証されていない。地番地図データの具体例は後で示す。
【0015】
農地ピンデータ記憶部52は、農地ピンデータを記憶する。農地ピンデータとは、農地の概ね重心付近の緯度経度を表すデータである。ここで重心とは、農地の概ね中心のことをいい、例えば矩形であれば、対向する頂点間を結ぶ交点をいう。本実施例では、各市町村または農業委員会によって整備された農地ピンデータを用いている。ただし、農地ピンデータと、地番地図データとは別個のデータベースであるため、両者の地番は必ずしも全てが整合しているとは限らない。農地ピンデータの具体例は後で示す。なお、図示されていないが、農地ポリゴンデータ記憶部は、農地ポリゴンデータを記憶する。農地ポリゴンデータとは、農林水産省によって作成されたデータであって、航空写真等をもとに作成された農地の形状を表すデータであり、構成点の座標値が格納されている。即ち、農地ポリゴンデータと農地ピンデータとは、別個に作成されたデータである。
【0016】
地番座標データ記憶部53は、地番座標データを記憶する。地番座標データとは、本実施例のシステムにおける座標付与処理によって、地番地図データの各地番に付与された緯度経度の座標値を対応づけたデータベースである。座標付与処理によって、地番地図データにおける各地番に対して座標を追加してもよいが、本実施例では、地番座標データとして別個のデータベースを生成するものとした。
【0017】
農地台帳データ記憶部54は、農地の地番に対して、その属性などを記憶するデータである。属性の例としては、次の通りである。地目(登記地目、現況地目などを含む)、面積(登記面積、耕地面積などを含む)、地域区分・都市計画法区分、耕作者整理番号、賃借権等権利設定の内容(権利の種類、存続期間などを含む)、農地中間管理権の状況、遊休農地情報(遊休農地か否か、利用状況調査日、所有者等の確知の状況、所有者等を確知できない旨の公示を行った日などの情報を含む)、利用意向調査情報(遊休農地の所有者等の意向、利用意向調査日、農地中間管理機構との協議の勧告日、農地中間管理権を設定すべき旨の知事裁定日などの情報を含む)、周辺地域への支障の除去等の措置(措置命令日、所有者等を確知できない場合に市町村長が措置を行う旨の公示を行った日などの情報を含む)、所管農業委員会等名、所有者情報(所有者名、居住所、生年月日を含む)、作期、作物名、品種名、新規開田年月、転換畑該当年月などの情報が挙げられる。さらに多くの属性を利用可能としてもよい。
【0018】
地番データベース記憶部55は、農地台帳データとは別に、地番に関連づけて種々の属性等を記憶するデータである。例えば、土地の所有者等に関する情報、利用に関する規制情報、建物の有無などの情報など種々のデータが含まれる。地番データベース記憶部55に記憶されるデータは、単一のデータベースである必要はなく、これらの情報ごとに個別のデータベースであってもよい。
【0019】
次に、地図データ処理システムに備えられている各機能について説明する。
主制御部10は、全体の機能を制御し、座標付与処理その他の地図データの処理を実行する。
座標付与部20は、地番地図データを座標変換して住居地図データに位置合わせする処理を通じて、各地番に対して緯度経度の座標値を付与する。これらの機能を実現するために、座標付与部20は、図示する各機能部を有している。
【0020】
表記統一部21は、地番地図データおよび住居地図データにおける住所、地番の表記のゆれを統一する。表記のゆれとしては、例えば、漢数字と数字、全角と半角、「大字」や「字」などの文字列の有無、「丁目」や「番地」などの文字列の有無などがあげられる。表記のゆれは、例えば、標準的な表記方法を記憶したデータベースを用意し、これに表記を統一するようにしてもよい。また、別の方法として、地番地図データと住居地図データのうち、部分的には表記が一致しているものの全体としては表記が異なるものを抽出し、異なっている箇所が表記のゆれに該当すると判断される場合には、一方の表記を他方の表記に合わせるようにしてもよい。
【0021】
基準点選択部22は、地番地図データを座標変換する際の基準点を選択する。座標変換は、地番地図データ上の基準点を、住居地図データ上の対応する基準点に一致させるように行われるのである。基準点選択部22が選択する基準点の数は、座標変換の方法に応じて定まる。例えば、平行移動であれば1点で良い。拡大縮小を伴う場合は2点が必要となる。アフィン変換の場合は3点以上が必要となる。
【0022】
本実施例では、基準点の選択として3通りの方法をとることができる。
第1は、地番地図データと住居地図データにおいて、地番表示および住所表示が一致している地点を対応点とし、その中から基準点を選択する方法である。
第2は、地番地図データと農地ピンデータにおいて、地番表示が一致している地点を対応点とし、その中から基準点を選択する方法である。
第3は、地番地図データおよび住居地図データにおける特徴点を対応点とし、その中から基準点を選択する方法である。特徴点としては、処理対象となる地域の輪郭形状における凹凸の頂点、処理対象内の交差点、曲がり角などとすることができる。これらの特徴点を特定する方法は、公知の種々の画像解析方法を適用可能である。
基準点は、上述の第1~第3のいずれか一つの方法で選択してもよいし、これらの方法を併用してもよい。
【0023】
また、対応点から基準点を選択する場合、種々の規則を適用することができる。例えば、処理対象となる図枠の周辺付近で基準点を選択するようにしてもよい。こうすることにより、周辺付近で地番地図データと住居地図データを合わせるように座標変換することができ、図枠内の広い範囲で両者の適合性を向上させることが可能となる。基準点の選択は、この他、対応点間の距離など、種々の要素を考慮して選択することができる。
基準点選択部22は、上述のように自動的に基準点を選択する他、オペレータが手動で指定する基準点を読み込むようにしてもよい。
【0024】
座標変換部23は、地番地図データと住居地図データの基準点同士を合わせるよう地番地図データの座標変換を行う。座標変換は、移動、拡大縮小、回転、アフィン変換など種々の方法で行うことができる。いずれか一つの方法を選択してもよいし、複数の方法を使い分けたり、併用してもよい。1回の座標変換で処理を完了してもよいし、複数回の座標変換を行うようにしてもよい。複数回の変換を行う場合、第1の方法として、座標変換を施した後の地番地図データに対して、さらに別の座標変換を施すというように複数回を重ねて適用してもよい。また、第2の方法として、変換前の地番地図データに対して、複数通りの座標変換を施して、得られる複数の変換結果に基づいて最終的な座標変換結果を得るものとしてもよい。
【0025】
地番座標データ生成部24は、座標変換の結果に基づいて地番地図データ上の地番に対して座標値を与える。地番地図データにおいて「地番」が表示されている地点の座標値を住居地図データの対応する地点から読み取って座標値としてもよい。また、地番地図データにおいて「地番」が表示されている地点を包含する土地区画を住居地図データの画像処理によって特定し、その土地区画の重心位置の座標を付与してもよい。座標値は、種々の方法で付与することができる。
地番データに対して座標を付与する形式としては、地番地図データに座標値を直接追加してもよい。本実施例では、地番と座標とを対応づける地番座標データを生成し、地番座標データ記憶部53に格納する形式を採用した。
座標付与部20における上述の各機能部は、図示するように個別の機能部として分けて用意してもよいし、一部または全部を統合して備えるものとしてもよい。また上述した以外の機能部を追加することも可能である。
【0026】
地図データ処理システムは、以下に説明する通り、地番と座標との対応結果を活用する種々の機能部が用意されている。
データ整備部30は、地番と座標との対応関係に基づいて地番地図データ、住居地図データの一方または双方の内容を整備または補充する。
【0027】
第1の態様として、例えば、農地ポリゴンの形状データを、住居地図データに関連づけてもよい。関連づけとは、農地ポリゴンの形状データを住居地図データに追加する態様、または農地ポリゴンの形状データを参照できるようリンク、パスなどの情報を住居地図データに追加する態様などが挙げられる。一般に、住居地図データには、地番が付された農地に対する農地ポリゴンが備えられていないことがあり、第1の態様によれば、地番と座標との対応関係を利用することで農地ピンデータを住居地図データに反映させることができ、さらに、農地ポリゴンデータの座標値と住居地図データの座標値との対応関係を利用することで農地ポリゴンデータに含まれる形状データを住居地図データに反映させることにより農地ポリゴンデータを住居地図データ上に表すことができ、住居地図データの情報量向上、利便性の向上を図ることが可能となる。
【0028】
第2の態様として、例えば、地番と対応づけられた農地台帳データを住居地図データに関連づけてもよい。こうすることにより、農地台帳データに格納された豊富な情報を住居地図データで利用可能となる。かかる情報の例は、農地台帳データ記憶部54に対する説明で述べた通りである。
【0029】
第3の態様として、地番と種々の情報が対応づけて管理されている地番データベースに対して、座標値を付与してもよい。こうすることで、地番データベースに対応する場所を住居地図データ上で確認することが可能となり利便性が向上する。
【0030】
高低差整備部31は、地番と座標との対応関係に基づいて住居地図データから得られる土地間の高低差に関する情報を、地番地図データに関連づける。住居地図データが土地の高さ情報を有している場合には、それを地番地図データに反映させたり、地番地図データから参照可能とすればよい。また、住居地図データが土地の高さ情報を有していない場合には、住居地図データ中の種々の表記、例えば、切取盛土、斜面の法面、コンクリートなどの被覆、石垣、河川などの表記から、隣接する土地区画の高低差を判断し、その結果を活用してもよい。
【0031】
複数年代処理部32は、地番と座標との対応関係に基づいて地番地図データ、住居地図データの一方または双方の内容を整備または補充する。
複数年代の地番地図データに対して、それぞれ座標を付与することにより、同一または近傍の座標値が付与された地番地図を複数年代にわたって参照することが可能となり、地番の変遷、土地の利用履歴の変遷などを確認することが可能となる。例えば、過去に建築物または工場(一例として、製品原材料に重金属等を含む工場や製品の製造過程において使用される有機溶剤等が揮発性有機化合物である工場)が存在していた否かを確認すれば、土壌汚染の可能性を判断できる。また、過去にどのような作物が栽培されていたかを確認すれば、地質の判断や栽培に適した作物の選択に活用することができる。
【0032】
航路設定部33は、地番と座標との対応関係に基づいて土地の所有者の情報を提供することにより、飛行体の航路の設定を支援する。飛行体としては、航空機、ドローン、ヘリコプター、グライダー、パラグライダー、気球、飛行船など飛行する種々の移動体が挙げられる。これらの飛行体の航路が、公道や河川から外れて土地の上を飛行する場合、土地の所有者の許可を得なくてはならないことがある。かかる場合に、それぞれの土地の所有者の連絡先、または飛行の許可/拒否に対する所有者の意向などの情報を提供すれば、航路設定を支援することが可能となる。
【0033】
入出力部34は、上述した各機能を実現するために必要な種々の情報の入出力を行う。即ちオペレータから必要事項を入力したり、結果を出力したりする。入出力には、ネットワークを経由して行う他のコンピュータ、サーバとの間での入出力も含まれる。
【0034】
B.データベースの概要:
図2は、地番地図データおよび住居地図データの概要を示す説明図である。
図2(a)には、地番地図データの概要を示した。地番地図データは、図示するように、通常の地図のように土地形状、土地区画、道路などを描画可能なデータである。ただし、これらの形状データは、緯度経度のような地上の絶対的な位置を特定可能な座標ではなく、図枠ごとに設定された任意の直交座標系(互いに直行するX軸、Y軸の2軸から構成される座標系)で用意されている。従って、地番地図データのみでは、地上の絶対的な位置を特定できず、通常の地図との対応づけも一義的に特定することは困難な状態である。
また、地番地図データにおける土地形状、土地区画、道路などの形状は、測量などに基づいて整備されたものではないため、精度が劣る点も地番地図データの特徴の一つである。
【0035】
図2(b)には、住居地図データの概要を示した。住居地図データは、都市計画図等の測量に基づいて、土地形状、道路、建物その他の地物の形状を整備したデータである。それぞれの地物の形状は、緯度経度など絶対的な座標によって特定されている。また、住居地図データは住所表示(住居表示地区及び地番地区における住所をいう。)を特定することができる。
図2(b)中には表れていないが、建物が存在する土地においては、航空写真などから把握できる範囲および精度で建物の平面形状を表すデータも格納されている。なお、土地区画については、一つ一つポリゴンで表されている訳ではない。
【0036】
図3は、農地ピンデータの概要を示す説明図である。
図3(a)には、農地ピンを表した状態を示した。それぞれの農地の概ね重心当たりに設定された「農地ピン」に対して、地番および緯度経度の座標値が対応づけられている。
図3(a)において文字を表示した小さな四角形が、それぞれ農地ピンを表している。
【0037】
図3(b)には、農地ポリゴンを表した。農地ポリゴンは、農地の形状を表すポリゴンデータであり、構成点の座標値が格納されている。
農地ピンデータは、このように農地について位置を特定可能な情報を格納している。しかし、農地ピンデータと地番地図データは、別個のデータベースであるため、両者の地番は必ずしも一致するとは限らず整合がとれていない問題がある。従って、農地ピンデータに基づいて地番地図データの全ての地番の座標値を特定することは困難となっている。
【0038】
このように、地番地図データに格納されている地番の座標値が容易に特定できないというのが現状におけるデータベースの整備状況である。
特許文献1は、住居地図データ、地番地図データでそれぞれ2カ所の基準点をオペレータが指定し、これが一致するように拡大縮小および平行移動する技術を開示している。しかし、地番地図データは、住居地図データと方角すら一致していないというのが実情であり、かかる変換では両者を一致させることができない。また、オペレータが対応する基準点を指定しようにも、対応する点を特定すること自体が困難というのが実情であり、とても精度よく、また効率良く地番地図データの座標変換を行うことはできないのである。
本実施例では、こうした点を以下に説明する処理によって解決している。
【0039】
C.座標付与の処理例:
本実施例における座標付与の具体的なフローチャートを説明する前に、その概要を以下に説明する。
図4は、座標付与処理の例を示す説明図(1)である。
図4(a)には処理対象となる地番地図データを示した。まず、地番地図データにおいて、特定点(一例では、土地区画の凹凸形状をあらわす任意の一点をいう)を1点選択する。特定点とは、以下の座標変換処理において、常に基準点として使用される点である。本実施例では、処理対象となる地域(
図4(a)に表されている地域)において、地番地図データにおける地番表示と住居地図データにおける住所表示が一致している点を抽出し、その中で最も端にある点を選択している。そして、第1段階の座標変換として、この特定点を一致させるよう地番地図データを平行移動する。
【0040】
図4(b)には、平行移動の結果を示した。住居地図データ上に地番地図データが描かれている。ただし、両者の形状は全く一致していないことがわかる。
そこで、さらに座標変換をするための基準点を選択する。図中に黒丸で示した点が地番地図データ上の基準点を表している。本実施例では、道路が交差する交差点を選択した。一方、住居地図データにおいても、これらの基準点に対応する点が存在する。それぞれの基準点から描かれている矢印の先端が、基準点に対応する地点である。第2段階の座標変換としては、特定点およびこれらの基準点が一致するように地番地図データに対してアフィン変換を施す。
【0041】
図5は、座標付与処理の例を示す説明図(2)である。
図5(a)には、アフィン変換を施した結果を示した。
図4(b)に比べて地番地図データが住居地図データに一致していることが判る。ただし、この段階では、領域a、bなどを見ると、まだ道路位置などに若干のずれがあることが確認される。
そこで、さらに座標変換を行うべく、基準点を選択する。
図5(a)中の黒丸で示した点が基準点である。
図4(b)で選択した基準点とは異なる点を選択する。本実施例では、やはり交差点から基準点を選択した。地番地図データ上の基準点から描かれている矢印の先端が、住居地図データ上で対応する点である。第3の座標変換では、これらの特定点および基準点が一致するように地番地図データに対してアフィン変換を施す。
図5(b)には、このアフィン変換の結果を示した。地番地図データが住居地図データによく一致していることが確認できる。こうして座標変換を完了すると、この結果に基づいて、地番地図データの各地番の位置に対応する住居地図データに含まれる座標値を付与することが可能となる。
【0042】
なお、
図4、5で説明した座標変換は一例に過ぎない。例えば、
図4(a)で特定点を合わせるように平行移動を行ったが、この処理を省略してもよい。また、全部で3段階の座標変換を施しているが、いずれか一つの座標変換だけを行うようにしてもよい。さらに、特定点、基準点は自動で選択するものとしたが、これらをオペレータが手動で選択するものとしてもよい。
【0043】
D.座標付与処理:
図6は、座標付与処理のフローチャートである。地図データ処理システム(以下、単に「システム」と言うことがある)が実行する処理である。
処理を開始すると、システムは、処理対象となる住居地図データおよび地番地図データを読み込む(ステップS10)。処理対象は、地番地図データの図枠単位などでオペレータが適宜指定すればよい。地番地図データから未処理のものを選択するなど、所定の規則に基づいて自動的に指定されるようにしてもよい。
【0044】
そして、システムは、基準点選択処理を実行する(ステップS11)。
図4および
図5で示したように座標変換に用いる基準点を自動的に選択する処理である。本実施例では、地番表示と住所表示(住居表示地区及び地番地区における住所をいう。)が一致している点など、地番地図データと住居地図データとで同一地点と判断される点を対応点として抽出し、その中から座標変換に用いる点を基準点として選択している。処理の詳細な内容は後述する。基準点を自動的に選択する処理に代えて、オペレータが手動で指定するようにしてもよい。
【0045】
基準点が選択されると、システムは、その中の一つを特定点として選択する(ステップS12)。選択は種々の基準で行うことができる。例えば、
図4(a)に示したように処理対象となる領域のうち最も端にある特定点を選択してもよい。
そして、システムは、選択された特定点を一致させるよう地番地図データを平行移動する(ステップS13)。この処理は、省略しても差し支えないが、実行することにより、座標変換の精度向上を図ることができる。基準点を2点選択し、平行移動の他、拡大縮小を伴うようにしてもよい。
【0046】
次に、システムは、特定点および基準点に基づき地番地図データをアフィン変換する(ステップS14)。アフィン変換は、移動、拡大縮小、回転を組み合わせた2次元座標変換処理である。アフィン変換に代えて、移動、拡大縮小、回転の1つまたは2つ以上を選択して行うようにしてもよい。
【0047】
アフィン変換を行うと、システムはその結果を評価するため、基準点以外の対応点の誤差に基づき評価値を求める(ステップS15)。図中に誤差の算出方法の概要を示した。座標変換を行った後、地番地図データと住居地図データに未だずれが残っている状態を示している。このとき、基準点では誤差は生じていないものの、その他の対応点では誤差が生じている。図中では、黒丸が地番地図データの対応点、×が住居地図データの対応点を表しており、2つの対応点の誤差がそれぞれe1,e2となっている。
例えば、誤差の総和を評価値とするときは、評価値は「e1+e2」となる。実際には、対応点は、もっと多く存在するから、それらの誤差の総和を算出することになる。こうすることで、全体の誤差を評価することができる。
別の態様として、評価値は、誤差の分布を用いてもよい。こうすることで、誤差のばらつきを評価することができる。
評価値は、その他、種々の定義をとることができる。
【0048】
そして、この指標である誤差の総和が所定の基準を満たしているか否かで精度が十分(OK)か否かを判断する(ステップS16)。例えば、精度が予め設定した所定の閾値を下回ったときは十分と判断してもよい。また、別の態様として、前回の実施時からの精度の変化が所定範囲内に収束しているときに、精度十分と判断するようにしてもよい。
【0049】
精度が不十分と判断される場合には、基準点を変更し(ステップS17)、アフィン変換(ステップS14)以降の処理を繰り返す。ただし、特定点は常にアフィン変換に利用される。換言すれば、アフィン変換のうち平行移動の要素を除外していることになる。このようにアフィン変換の自由度を低減させることにより、座標変換の精度を向上させることが可能となる。
もっとも、かかる態様に限定されるものではなく、特定点を外してアフィン変換を行うものとしてもよい。
【0050】
精度が十分と判断されるときは(ステップS16)、システムは、地番地図データの各地番に対して座標を付与し、その対応関係に基づいて地番座標データを生成して(ステップS18)、座標付与処理を終了する。地番に対する座標の付与方法は、
図1の地番座標データ生成部24の説明で述べた通りである。
【0051】
図7は、基準点選択処理のフローチャートである。座標付与処理(
図6)のステップS11に相当する処理である。
この処理を開始すると、システムは、住居地図データ、地番地図データおよび農地ピンデータを読み込む(ステップS20)。
そして、それぞれの表記を統一する(ステップS21)。図中に表記のゆれの例を示した。それぞれ下線を付した部分が表記のゆれに相当する。表記のゆれの第1の態様は、「-」や「-」に示されるように、全角と半角の相違である。第2の態様は、「4丁目」や「四丁目」に示されるように漢数字と数字の相違である。第3の態様は、「三ヶ森」と「三ケ森」のように、ヶの小書きと全角の相違である。第4の態様は、「大字」「字」などの文字列の有無である。第5の態様は、「ノ」と「之」の相違である。第6の態様は、「27」と「27番地」などの「番地」の文字列の有無である。処理対象となる表記のゆれは任意に決めることができ、上述の態様の一部を対象外としてもよいし、上述の態様の他にも、種々のゆれを対象としてもよい。
本実施例では、上述のそれぞれの態様に対して、標準的な表記を定めておき、住居地図データ、地番地図データおよび農地ピンデータのそれぞれの表記を標準的な表記に統一するようにした。
かかる処理の他、住居地図データ、地番地図データおよび農地ピンデータのうち、表記のゆれが生じているものを抽出し、いずれかの表記に修正する形で処理を行うものとしてもよい。
【0052】
次に、システムは、表記が一致している地点を対応点として抽出する(ステップS22)。この一致は、地番地図データを基準として行う。即ち、地番地図データと住居地図データとを対比して両者の表記が一致している点、即ち住所表示と地番とが一致している点を抽出する。また、地番地図データと農地ピンデータとを対比して、両者の地番の表記が一致している点を抽出する。必ずしも、地番地図データ、住居地図データ、農地ピンデータの三者が一致している必要はない。本実施例では、地番地図データに格納された地番に対して座標を付与することを目的としているので、地番地図データ上の地番に対応する点が、住居地図データまたは農地ピンデータで特定できれば足りるからである。
【0053】
システムは、住居地図データ、地番地図データの形状解析に基づき特徴点をそれぞれ特定する(ステップS23)。特徴点としては、交差点や土地の2次元的な土地区画の凹凸の頂点などを挙げることができる。これらの特徴点を特定する解析には、公知の種々の方法を採用することができる。例えば、交差点については、道路に該当する線分またはポリゴンをそれぞれの地図データから抽出し、これらをベクトル化した上で、その交点を抽出するようにすればよい。また、土地の平面形状の凹凸の頂点については、閉図形の輪郭を抽出した後、輪郭をベクトル化し、その方向が鋭角的に変化している点を抽出する方法をとることができる。その他、種々の方法を採用可能である。
こうして特徴点が特定できると、システムは、特定した特徴点のうち住所表示等に基づき、対応関係が特定できるものを対応点として抽出する(ステップS24)。
【0054】
こうして対応点がいくつか抽出されると、システムは、対応点のうち座標変換に用いる基準点を選択する(ステップS25)。基準点の選択は、種々の基準により行うことができる。図中に本実施例における基準の例を示した。
まず、対応点に対して、優先度を設定しておく。本実施例では、交差点、住居地図データとの一致点、農地ピンとの一致点、土地の凹凸形状の順に選択の優先度を定めた。優先度は、任意に決めることができるが、本実施例では、対応点自体の位置の精度、対応関係の精度が良いと思われる順に定めている。
また、対応点と図枠との位置関係も考慮するものとした。図中の左側に示す通り、図枠に対して対応点(図中の黒丸)は種々の位置に存在している。この図枠全体に対する誤差をできる限り抑えて座標変換を行うことを考えた場合、基準点は図枠に近い端の方に存在し、かつ選択された基準点の重心が図枠の重心CGに近いことが好ましいと考えられる。そこで、まず対応点p1に対して図枠の2辺までの距離L1、L2の和で対応点と図枠の位置関係を表す指標値となる。この指標値が小さいほど、図枠に近い対応点であることになる。こうして各対応点の指標値が所定値よりも小さいものに絞り込む。まず優先度が最も高い交差点を対象に絞り込み、所定数以上の対応点が確保できないときは、次の優先度である住居地図との一致点を加えて絞り込みを行う、というように優先度を段階的に緩めて候補点の絞り込みを行うようにしてもよい。こうして対応点を絞り込んだ上で、基準点の重心が図枠の重心CGに近くなるように、基準点を選択すればよい。こうして選択された基準点は、既に説明した通り地番地図データの座標変換に用いられることとなる。
【0055】
なお、基準点の選択は、上述の方法に限定されるものではない。対応点のうち、オペレータが手動で指示してもよい。
また、本実施例では、対応点を、表記が一致している点、形状解析などで抽出したが、いずれか一方のみで抽出するようにしてもよい。本実施例では、農地ピンデータを利用しているが、これを省略してもよい。
【0056】
図6、7で説明した座標付与処理によれば、地番地図データについて、住居地図データに合わせるための座標変換を、基準点を自動的に選択することで効率的に行うことができる。また、特定点を一致させる平行移動を最初に行うことにより座標変換の精度を向上することができる。さらに、ステップS14~S17で説明した通り座標変換を重ねて適用することにより、精度を一層、向上させることが可能となる。この結果、地番地図データ上の地番に対して、座標値を効率的に割り当てることが可能となる。
もっとも、
図6、7で説明した座標付与処理は、一例であり、上述した処理の全てを必ずしも実行する必要はなく、その一部を適宜、省略したり組み合わせたりして実行してもよい。
【0057】
また、座標付与処理については、
図6、7で説明した以外にも種々の変形例を構成することができる。以下、この変形例について説明する。
図8は、変形例1としての座標付与処理のフローチャートである。
処理を開始すると、システムは、住居地図データ、地番地図データを読み込み(ステップS30)、地番地図データの座標変換を行う(ステップS31)。座標変換のための基準点は、基準点選択処理(
図7)を用いることができる。座標変換は、平行移動、回転、拡大縮小、アフィン変換など種々の方法で行うことができる。
変形例では、複数通りの座標変換を行う。同一の座標変換方法でも、用いる基準点が異なれば異なる座標変換として扱う。システムは、予め設定した所定の座標変換が完了するまで(ステップS32)、一つずつ繰り返し座標変換を実施する(ステップS31)。
【0058】
次に、システムは、得られたそれぞれの変換結果に対して、基準点以外の対応点の誤差に基づき評価値を求める(ステップS33)。この処理は、
図6のステップS15で説明したのと同じである。そして、複数の座標変換の結果のうち評価値が最良となる変換結果を選択する(ステップS34)。そして、選択された座標変換の結果に基づいて、地番地図データの各地番に対して座標付与し、地番座標データを生成する(ステップS35)。
以上の変形例によれば、評価値の定義に応じて、全体として誤差が最小となる結果を選択したり、誤差のばらつきが最小となる結果を選択することができる。
【0059】
図9は、変形例2としての座標付与処理のフローチャートである。
処理を開始すると、システムは、住居地図データ、地番地図データを読み込み(ステップS40)、複数通りの座標変換が完了するまで地番地図データの座標変換を繰り返し行う(ステップS41、S42)。これらの処理は、
図8のステップS30~S32と同様である。
【0060】
次に、システムは、ぞれぞれの変換結果に基づき、地番地図データの各地番に対して座標付与する(ステップS43)。座標付与の方法は、
図6のステップS18で説明した通りである。
そして、システムは得られた座標変換の結果に基づき、各地番の座標を決定し、地番座標データを生成する(ステップS44)。図中に座標の決定方法を示した。
図中の黒丸で示したr1~r5が、5通りの座標変換で得られた結果を表している。システムは、5通りの結果のうち、まず点r1を選択する。そして、点r1からその他の点r2~r5に対する誤差を算出する。図中に示した矢印e12~e15がそれぞれの誤差である。従って、点r1を選択したとき誤差の総和は、「e12+e13+e14+e15」で求めることができる。同様に点r2~r5のそれぞれを選択したときの誤差の総和も求めることができる。そして、システムは、これらの結果に基づき、誤差の総和が最小となる点を最も良好な結果として選択する。以上の方法が、「(1)各結果に対する誤差の総和が最小となるものを選択」という方法である。
別の態様として、「(2)凸図形を求め、その重心を選択する」方法をとってもよい。図の例では、凸図形、即ち、点r2、r3、r5、r4を結ぶ図形を求める。複数の点を包含する凸図形を求める方法は、公知の種々の方法を採用することができる。そして、その重心を計算し、それを地番の座標として用いるのである。この方法によれば、得られた結果に基づき、全体のバランスが得られる点を得ることができる。
上記2つの方法は、適宜、いずれかを選択して行えばよい。また、両者を併用して2点を求め、その中点を最終的な結果としてもよい。
【0061】
変形例1、2の座標付与処理によれば、複数通りの座標変換を用いることにより、座標の付与精度を向上させることができる。
【0062】
E.データ整備処理:
本実施例の地図データ処理システムは、地番に対して座標を付与した結果、即ち地番座標データを活用して、種々のデータ処理を実行することができる。以下に、この処理の例を示す。なお、以下の処理は、座標付与処理と一連の処理として提供する必要はない。以下の処理を実行するためのシステムを、座標付与処理とは別のシステムとして構築することも可能である。
【0063】
図10は、データ整備処理のフローチャートである。地番座標データを活用して、住居地図データ他の内容を充実させるための処理である。
処理を開始すると、システムは、住居地図データおよび地番座標データを読み込む(ステップS50)。
【0064】
システムは、処理対象のデータベース(地番データを含むもの)の指定を受け付ける(ステップS51)。このデータベースとしては、地番と農地ポリゴンの形状とを対応づけた農地ポリゴンデータベース、地番と圃場の属性とを対応づけた農地台帳データベース、地番と任意のデータとを対応づけた地番データベースなどとすることができる。いずれか一つを指定してもよいし、複数を指定してもよい。
そして、システムは、処理対象のデータベースを利用してデータ整備を行う(ステップS52)。
第1の態様としては、処理対象データベースから、住居地図データにデータを取り込む態様が挙げられる。例えば、農地ポリゴンデータベースから農地ポリゴンの形状を住居地図データに取り込むことが該当する。または、地番座標データ記憶部53に記憶された情報を利用して地番データを住居地図データに取り込むことが該当する。こうすることにより、住居地図データの内容を充実化させることができる。データの取り込みは、住居地図データに直接追加する方法、農地ポリゴンまたは地番データを参照するためのリンクまたはパスの情報を住居地図データに追加する方法など、種々の方法で行うことができる。
第2の態様としては、処理対象データベースを住居地図データから参照するための関連データを作成する態様が挙げられる。例えば、農地台帳データベースを参照するためのリンクやパスを、住居地図データの住居表示に対応づけて追加する方法が挙げられる。
第3の態様としては、処理対象データベースに地番の座標値を付与する態様が挙げられる。地番座標データを参照して、処理対象データベースに直接に座標値を追加してもよいし、処理対象データベースに対して地番座標データに対するリンクまたはパスを追加してもよい。
【0065】
以上で説明したデータ整備処理によれば、地番と座標とを関連づけることにより、他のデータベースに記憶された情報を効率的に有効活用することが可能となる。
【0066】
F.複数年代処理:
図11は、複数年代処理のフローチャートである。
処理を開始すると、システムは住居地図データを読み込む(ステップS60)。また、地番地図データを読み込み(ステップS61)、地番座標付与処理を実行する(ステップS62)。この処理内容は既に説明した通りである。以上の処理を全年代にわたって終了するまで繰り返す(ステップS63)。なお、既に複数年代にわたって、座標の付与が完了している場合には、ステップS61~S63の処理に代えて、座標の付与結果を読み込むものとしてもよい。
【0067】
次にシステムは、複数年代にわたる地番データベースを読み込む(ステップS64)。そして、複数年代の分析を行って(ステップS65)、結果を出力する(ステップS66)。図中に分析の例を示した。
図中のy1~y4は、それぞれ年代が異なる地番地図データを表している。縦に引いた直線は、地番地図データに対して座標値が概ね同一となる地点を表している。地番地図データ上では、それぞれの地番が特定できることになる。
一方、図の右側に示すように、y1~y4の各年代に対して、地番と属性とを対応づけた地番データベースが備えられている。地番に基づいて地番データベースを参照すれば、対象となる地番が、いつ頃、どのように利用されていたかなど種々の属性を知ることができる。
システムは、これらのデータに基づいて、以下に示す分析を行う。
第1の内容は、地番の変遷である。地番地図データを複数年代にわたって分析することにより、座標値が概ね同一の地点に対する地番の変遷を確認することができる。
第2の内容は、土壌汚染の可能性の判断である。地番データベースを複数年代にわたって分析することにより、対象となる地番の土地に、以前は、工場が存在していたことなどの変遷を知ることができる。従って、土壌汚染の可能性についても判断することが可能となる。
第3の内容は、土地の地質調査である。地番データベースを複数年代にわたって分析することにより、当該土地に対して、どのような作物が育成されてきたかという変遷を知ることができる。この結果、当該土地は、育成されてきた作物の栽培に適した地質を有することなどを得ることが可能となる。
複数年代にわたる分析は、地番データベースの内容に応じて種々の分析が可能である。
【0068】
G.高低差整備処理:
図12は、高低差整備処理のフローチャートである。
処理を開始すると、システムは、地番地図データ、住居地図データおよび地番座標データを読み込む(ステップS70)。そして、住居地図データから切取盛土の記号を抽出する(ステップS71)。切取盛土とは、土地の一部を切り取ったり盛り土をしたりして人工的に整備された斜面を言う。図中に切取盛土の記号を例示した。これらの記号は、斜面が存在することだけでなく、その形状によって図中の右下側が高いことを表している。即ち、これらの記号は、土地の高低差を表す情報の一つである。ここでは、切取盛土を例示したが、住居地図データには、法面の記号、河川など、他にも種々の高低差を表すまたは推測可能な記号が表示されているから、これらの記号を併用してもよい。
また、住居地図データが、土地の高さ情報を備えているときは、それを利用してもよい。
【0069】
システムは、処理モードに応じて2通りの処理を実行する。
反映処理の場合(ステップS72)、システムは、地番地図データに切取盛土を反映し(ステップS73)、データを格納する(ステップS74)。データの反映は、種々の態様をとることができる。例えば、切取盛土を挟んで存在する地番に対して、切取盛土の記号に応じて、地番○○よりも高い/低いという情報を付与してもよい。
【0070】
地点間処理の場合(ステップS72)、システムは、判断対象となる2つの地番を入力し、指定された地点間における切取盛土の有無を判断し(ステップS75)、結果を出力する(ステップS76)。図中に処理の例を示した。領域Aには、切取盛土が存在する。この状態で、地番1、地番2が指定されたとき、両者の間には切取盛土が存在するから、システムは、切取盛土が存在する旨を出力するのである。地番2と地番3が指定されたときは、システムは、切取盛土が存在しない旨を出力する。
【0071】
以上の高低差整備処理によれば、地番地図データにおいて、2つの地番の間の高低差の有無、切取盛土の有無などを判断することが可能となる。従って、2つの地番の合筆の可否を判断したり、土地の整備計画に利用することが可能となる。また、切取盛土が存在する場合(上記の例では地番1の土地区画と地番2の土地区画の間)では車両の通行が困難になる可能性があると判断することができる。
【0072】
H.航路設定処理:
図13は、航路設定処理のフローチャートである。飛行体の航路の設定を支援する処理である。
処理を開始すると、システムは、住居地図データ、地番座標データを読み込み、合わせて飛行許否データも読み込む(ステップS90)。飛行許否データとは、地番データベースの一種であり、各地番の所有者が、その土地上を飛行体が飛行することを許諾しているか、許否しているかを表すデータである。
【0073】
システムは、次に出発地、目的地の情報を読み込み(ステップS91)、航路探索を行って(ステップS92)、結果の航路を表示し(ステップS93)、許諾が必要な地番リストを出力する(ステップS94)。
【0074】
本実施例では、許諾済みの土地を優先する探索、最短となる航路の探索の2つのモードを用意した。
図の右側に、航路探索の様子を示した。右側の図は、住居地図データによる地図である。図中のハッチングを付した土地は、所有者が飛行体の飛行を許諾しているところである。クロスハッチを付した土地は、所有者が飛行体の飛行を拒否しているところである。いずれも付していない土地は、許否が確認できていないところである。
出発地から目的地に向かう最短の航路は、直線航路R1となる。ただし、この航路は、クロスハッチの土地上を通るため、その土地上を飛行体が飛行することは許容されない。そこで、システムは、この航路から、クロスハッチの土地上を回避する航路R2を最短航路として設定する。航路R2は、最短ではあるものの、許否が確認できていない土地を4カ所(地番381、380、379-1、377)通過する必要がある。航路R2に対しては、これら4カ所の地番が、許諾が必要な地番リストとして出力されることになる。
一方、システムは、許諾済みの土地を優先する航路を探索することもできる。図の例では、ハッチングを付した土地を通行する航路R3である。この航路の場合、若干、移動距離は長くなるものの、許否が確認できていない土地の通過は2カ所(地番370-1、377)で済むことになる。航路R3に対しては、これら2カ所の地番が、許諾が必要な地番リストとして出力されることになる。
【0075】
上記態様によれば、既に許諾を受けている土地、飛行が禁止されている土地を視覚的に認識可能となり、飛行体の航路の設定に役立てることができる。また、飛行の許諾を受ける必要がある地番リストを得ることができ、航路設定の効率向上を図ることができる。なお、飛行体が実際に通行した土地の所有者に対して、経済的メリット(例えば、その土地における飛行体の通行回数に応じてポイントを付与する)を与えたり、あるいは飛行体が通行中に撮影した土地の画像(一例では、その土地における農作物の生育状況を表す画像を提供する)を与えたりすることもできる。こうすることにより、土地の所有者に飛行体の通行を許諾するインセンティブが働き、より柔軟な飛行体の航路を設定することが可能となる。
【0076】
上記の他、顧客の保有している地番表示リストの地番と地番座標データ53の地番とを照合し、地番表示リストの地番に座標値を付与するサービスを提供することも可能となる。
照合する際に地番表示リストに表記ゆれがあった場合は、それを修正して顧客に提供することも可能となる。更に、地番座標データ53を複数世代保有していれば、顧客の地番表示リストの地番が古い場合でも、最新の地番に修正するサービスを提供することができる。
【0077】
以上、本発明の実施例について説明した。
以上の実施形態の全部又は一部に記載された態様は、地図データの適切な処理、処理速度の向上、処理精度の向上、使い勝手の向上、データを利用した機能の向上又は適切な機能の提供その他の機能向上または適切な機能の提供、データ及び/又はプログラムの容量の削減、装置及び/又はシステムの小型化等の適切なデータ、プログラム、記録媒体、装置及び/又はシステムの提供、並びにデータ、プログラム、装置又はシステムの制作・製造コストの削減、制作・製造の容易化、制作・製造時間の短縮等のデータ、プログラム、記録媒体、装置及び/又はシステムの制作・製造の適切化のいずれか一つの課題を解決する。
【符号の説明】
【0078】
10 主制御部
20 座標付与部
21 表記統一部
22 基準点選択部
23 座標変換部
24 地番座標データ生成部
30 データ整備部
31 高低差整備部
32 複数年代処理部
33 航路設定部
34 入出力部
50 住居地図データ記憶部
51 地番地図データ記憶部
52 農地ピンデータ記憶部
53 地番座標データ記憶部
54 農地台帳データ記憶部
55 地番データベース記憶部
【手続補正書】
【提出日】2021-03-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の地図データと、地番データを含み前記第1の地図データより低精度の第2の地図データとを用いて、所定の基準で選択された基準点が一致するように前記第2の地図データを2次元座標変換して、前記地番データに対して前記第1の地図データの座標値を付与する座標付与部を備える地図データ処理システムであって、
前記所定の基準は、前記第1の地図データの住所表示と前記第2の地図データの地番表示が一致していることである地図データ処理システム。
【請求項2】
第1の地図データと、地番データを含み前記第1の地図データより低精度の第2の地図データとを用いて、所定の基準で選択された基準点が一致するように前記第2の地図データを2次元座標変換して、前記地番データに対して前記第1の地図データの座標値を付与する座標付与部を備える地図データ処理システムであって、
前記第1の地図データは農地ピンデータであり、
前記所定の基準は、前記農地ピンデータの地番表示と前記第2の地図データの地番表示が一致していることである地図データ処理システム。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の地図データ処理システムであって、
前記所定の基準は、さらに、前記第1の地図データと前記第2の地図データにおける特徴点であり、
前記特徴点は、前記第1の地図データと前記第2の地図データの地域の輪郭形状における凹凸の頂点、交差点、曲がり角の少なくとも1つである地図データ処理システム。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の地図データ処理システムであって、
前記第2の地図データの地番データを前記第1の地図データに取り込むデータ整備部を備える地図データ処理システム。
【請求項5】
コンピュータに、第1の地図データと、地番データを含み前記第1の地図データより低精度の第2の地図データとを用いて、所定の基準で選択された基準点が一致するように前記第2の地図データを2次元座標変換して、前記地番データに対して前記第1の地図データの座標値を付与する機能を実現させるためのプログラムであって、
前記所定の基準は、前記第1の地図データの住所表示と前記第2の地図データの地番表示が一致していることであるプログラム。
【請求項6】
コンピュータに、第1の地図データと、地番データを含み前記第1の地図データより低精度の第2の地図データとを用いて、所定の基準で選択された基準点が一致するように前記第2の地図データを2次元座標変換して、前記地番データに対して前記第1の地図データの座標値を付与する機能を実現させるためのプログラムであって、
前記第1の地図データは農地ピンデータであり、
前記所定の基準は、前記農地ピンデータの地番表示と前記第2の地図データの地番表示が一致していることであるプログラム。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
本発明の一実施形態において、第1の地図データと、地番データを含み第1の地図データより低精度の第2の地図データとを用いて、所定の基準で選択された基準点が一致するように第2の地図データを2次元座標変換して、地番データに対して第1の地図データの座標値を付与する座標付与部を備える地図データ処理システムであって、所定の基準は、第1の地図データの住所表示と第2の地図データの地番表示が一致していることである地図データ処理システムとすることができる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
また本発明の一実施形態において、第1の地図データと、地番データを含み第1の地図データより低精度の第2の地図データとを用いて、所定の基準で選択された基準点が一致するように第2の地図データを2次元座標変換して、地番データに対して第1の地図データの座標値を付与する座標付与部を備える地図データ処理システムであって、第1の地図データは農地ピンデータであり、所定の基準は、農地ピンデータの地番表示と第2の地図データの地番表示が一致していることである地図データ処理システムとすることもできる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
また本発明の一実施形態において、所定の基準は、さらに、第1の地図データと第2の地図データにおける特徴点であり、特徴点は、第1の地図データと第2の地図データの地域の輪郭形状における凹凸の頂点、交差点、曲がり角の少なくとも1つである地図データ処理システムとすることもできる。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
また本発明の一実施形態において、第2の地図データの地番データを第1の地図データに取り込むデータ整備部を備える地図データ処理システムとすることもできる。
また本発明の一実施形態において、コンピュータに、第1の地図データと、地番データを含み第1の地図データより低精度の第2の地図データとを用いて、所定の基準で選択された基準点が一致するように第2の地図データを2次元座標変換して、地番データに対して第1の地図データの座標値を付与する機能を実現させるためのプログラムであって、所定の基準は、第1の地図データの住所表示と第2の地図データの地番表示が一致していることであるプログラムとすることもできる。
また本発明の一実施形態において、コンピュータに、第1の地図データと、地番データを含み第1の地図データより低精度の第2の地図データとを用いて、所定の基準で選択された基準点が一致するように第2の地図データを2次元座標変換して、地番データに対して第1の地図データの座標値を付与する機能を実現させるためのプログラムであって、第1の地図データは農地ピンデータであり、所定の基準は、農地ピンデータの地番表示と第2の地図データの地番表示が一致していることであるプログラムとすることもできる。
【手続補正書】
【提出日】2021-08-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
緯度経度の座標系で作成された、住所表示を含む第1の地図データと、図枠ごとに直交座標系で作成された、地番表示を含む第2の地図データのそれぞれから所定の基準で選択された基準点の位置が一致するように、前記第2の地図データを2次元座標変換して位置合わせし、前記地番表示に対して前記第1の地図データの緯度経度の座標値を付与する座標付与部を備える地図データ処理システムであって、
前記第1の地図データの住所表示と前記第2の地図データの地番表示の表記のゆれを統一し、前記住所表示と前記地番表示の表記の一致を前記所定の基準として、位置合わせのための基準点を選択する地図データ処理システム。
【請求項2】
緯度経度の座標系で作成された、地番表示を含む第1の地図データと、図枠ごとに直交座標系で作成された、地番表示を含む第2の地図データのそれぞれから所定の基準で選択された基準点の位置が一致するように、前記第2の地図データを2次元座標変換して位置合わせし、前記第2の地図データの地番表示に対して前記第1の地図データの緯度経度の座標値を付与する座標付与部を備える地図データ処理システムであって、
前記第1の地図データは農地ピンデータであり、
前記農地ピンデータの地番表示と前記第2の地図データの地番表示の表記のゆれを統一し、前記農地ピンデータの地番表示と前記第2の地図データの地番表示の表記の一致を前記所定の基準として、位置合わせのための基準点を選択する地図データ処理システム。
【請求項3】
コンピュータに、緯度経度の座標系で作成された、住所表示を含む第1の地図データと、図枠ごとに直交座標系で作成された、地番表示を含む第2の地図データのそれぞれから所定の基準で選択された基準点の位置が一致するように、前記第2の地図データを2次元座標変換して位置合わせし、前記地番表示に対して前記第1の地図データの緯度経度の座標値を付与する機能を実現させるためのプログラムであって、
前記第1の地図データの住所表示と前記第2の地図データの地番表示の表記のゆれを統一し、前記住所表示と前記地番表示の表記の一致を前記所定の基準として、位置合わせのための基準点を選択するプログラム。
【請求項4】
コンピュータに、緯度経度の座標系で作成された、地番表示を含む第1の地図データと、図枠ごとに直交座標系で作成された、地番表示を含む第2の地図データのそれぞれから所定の基準で選択された基準点の位置が一致するように、前記第2の地図データを2次元座標変換して位置合わせし、前記第2の地図データの地番表示に対して前記第1の地図データの緯度経度の座標値を付与する機能を実現させるためのプログラムであって、
前記第1の地図データは農地ピンデータであり、
前記農地ピンデータの地番表示と前記第2の地図データの地番表示の表記のゆれを統一し、前記農地ピンデータの地番表示と前記第2の地図データの地番表示の表記の一致を前記所定の基準として、位置合わせのための基準点を選択するプログラム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0005】
本発明の一実施形態において、緯度経度の座標系で作成された、住所表示を含む第1の地図データと、図枠ごとに直交座標系で作成された、地番表示を含む第2の地図データのそれぞれから所定の基準で選択された基準点の位置が一致するように、第2の地図データを2次元座標変換して位置合わせし、地番表示に対して第1の地図データの緯度経度の座標値を付与する座標付与部を備える地図データ処理システムであって、第1の地図データの住所表示と第2の地図データの地番表示の表記のゆれを統一し、住所表示と地番表示の表記の一致を所定の基準として、位置合わせのための基準点を選択する地図データ処理システムとすることができる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
また本発明の一実施形態において、緯度経度の座標系で作成された、地番表示を含む第1の地図データと、図枠ごとに直交座標系で作成された、地番表示を含む第2の地図データのそれぞれから所定の基準で選択された基準点の位置が一致するように、第2の地図データを2次元座標変換して位置合わせし、第2の地図データの地番表示に対して第1の地図データの緯度経度の座標値を付与する座標付与部を備える地図データ処理システムであって、第1の地図データは農地ピンデータであり、農地ピンデータの地番表示と第2の地図データの地番表示の表記のゆれを統一し、農地ピンデータの地番表示と第2の地図データの地番表示の表記の一致を所定の基準として、位置合わせのための基準点を選択する地図データ処理システムとすることもできる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
また本発明の一実施形態において、コンピュータに、緯度経度の座標系で作成された、住所表示を含む第1の地図データと、図枠ごとに直交座標系で作成された、地番表示を含む第2の地図データのそれぞれから所定の基準で選択された基準点の位置が一致するように、第2の地図データを2次元座標変換して位置合わせし、地番表示に対して第1の地図データの緯度経度の座標値を付与する機能を実現させるためのプログラムであって、第1の地図データの住所表示と第2の地図データの地番表示の表記のゆれを統一し、住所表示と地番表示の表記の一致を所定の基準として、位置合わせのための基準点を選択するプログラムとすることもできる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
また本発明の一実施形態において、コンピュータに、緯度経度の座標系で作成された、地番表示を含む第1の地図データと、図枠ごとに直交座標系で作成された、地番表示を含む第2の地図データのそれぞれから所定の基準で選択された基準点の位置が一致するように、第2の地図データを2次元座標変換して位置合わせし、第2の地図データの地番表示に対して第1の地図データの緯度経度の座標値を付与する機能を実現させるためのプログラムであって、第1の地図データは農地ピンデータであり、農地ピンデータの地番表示と第2の地図データの地番表示の表記のゆれを統一し、農地ピンデータの地番表示と第2の地図データの地番表示の表記の一致を所定の基準として、位置合わせのための基準点を選択するプログラムとすることもできる。