(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022009737
(43)【公開日】2022-01-14
(54)【発明の名称】半導体レーザおよびそのような半導体レーザの製造方法
(51)【国際特許分類】
H01S 5/183 20060101AFI20220106BHJP
【FI】
H01S5/183
【審査請求】有
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021177494
(22)【出願日】2021-10-29
(62)【分割の表示】P 2019527306の分割
【原出願日】2018-01-09
(31)【優先権主張番号】102017100997.3
(32)【優先日】2017-01-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】599133716
【氏名又は名称】オスラム オプト セミコンダクターズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Osram Opto Semiconductors GmbH
【住所又は居所原語表記】Leibnizstrasse 4, D-93055 Regensburg, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】特許業務法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハルブリッター フーベルト
(72)【発明者】
【氏名】プルーセル アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】エンツマン ローラント ハインリヒ
(72)【発明者】
【氏名】ベリンガー マルチン ルドルフ
【テーマコード(参考)】
5F173
【Fターム(参考)】
5F173AC03
5F173AC13
5F173AC36
5F173AD30
5F173AR94
5F173AR99
(57)【要約】 (修正有)
【課題】目に安全であり、かつ効率的に製造することのできる半導体レーザを提供する。
【解決手段】レーザ放射(L)を生成するための活性ゾーン(41)を有する半導体積層体(40)と、半導体積層体(40)の成長方向(G)に垂直な向きにある光出口面、を有する面発光型半導体レーザチップ(4)、を備えた半導体レーザ(1)、に関する。半導体レーザは、半導体レーザが好ましくは、レーザ放射を広げて分散させるように設計されている回折光学素子(3)、を備えている。回折光学素子の光学的に有効な構造は、少なくとも1.65ないし2.0の屈折率を有する材料からなる。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体レーザ(1)であって、
- レーザ放射(L)を生成するための少なくとも1つの活性ゾーンを有する半導体積層体(40)を備えており、かつ、前記半導体積層体(40)の成長方向(G)に垂直な向きにある光出口面(44)を備えている、少なくとも1個の面発光型半導体レーザチップ(4)と、
- 前記レーザ放射(L)を広げて分散させるように構成されている回折光学素子(3)と、
を備えており、
- 前記回折光学素子(3)の光学的に有効な構造(33)が、前記レーザ放射(L)の最大強度の波長に対して少なくとも1.65の屈折率を有する材料からなり、
- 前記回折光学素子(3)の光学的に有効な構造(33)が、前記半導体レーザチップ(4)側の前記回折光学素子の面に位置しており、
- 前記回折光学素子(3)のための結合手段(5)が、前記光出口面(44)に存在しないように、かつ、前記回折光学素子(3)と前記光出口面(44)との間に少なくとも部分的に隙間(6)が形成されるように、前記回折光学素子(3)の縁部に配置されている、
半導体レーザ(1)。
【請求項2】
前記結合手段(5)が枠状に形成されている、
請求項1に記載の半導体レーザ(1)。
【請求項3】
レーザ放射を生成するように構成されている、前記活性ゾーン(41)の真上の前記光出口面(44)の領域には、前記結合手段(5)が存在しない、
請求項1または2に記載の半導体レーザ(1)。
【請求項4】
前記隙間(6)は、気体で満たされる、または空である、
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の半導体レーザ(1)。
【請求項5】
前記結合手段(5)は、金属または金属合金である
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の半導体レーザ(1)。
【請求項6】
前記回折光学素子(3)が、前記光出口面(44)の上に領域全体にわたり位置している、
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の半導体レーザ(1)。
【請求項7】
前記回折光学素子(3)がキャリア基板(32)を備えており、
前記光学的に有効な構造(33)が、前記光出口面(44)の側の前記キャリア基板(32)の面に位置している、
請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の半導体レーザ(1)。
【請求項8】
前記光学的に有効な構造(33)が半導体材料からなり、
前記キャリア基板(32)が、前記光学的に有効な構造(33)の前記半導体材料のための成長基板である、
請求項7に記載の半導体レーザ(1)。
【請求項9】
前記回折光学素子(3)は、前記半導体レーザチップ(4)を超えて横方向に突き出している、
請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の半導体レーザ(1)。
【請求項10】
前記結合手段(5)が、前記光出口面(44)上に枠状に配置されている、
請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の半導体レーザ(1)。
【請求項11】
前記結合手段(5)が、平面視において見たとき、前記半導体レーザチップ(4)の横のみに延在しておりかつ前記半導体レーザチップ(4)に接触していないように、前記半導体レーザチップ(4)と、前記回折光学素子(3)のための前記結合手段(5)とが、共通の実装支持体(8)の上に配置されており、
前記結合手段(5)が、前記実装支持体(8)および前記回折光学素子(3)に直接接触しており、前記回折光学素子(3)が前記半導体レーザチップ(4)を完全に覆っている、
請求項1に記載の半導体レーザ(1)。
【請求項12】
複数の前記半導体レーザチップ(4)を備えており、
前記半導体レーザチップ(4)が、連続的かつ一体に形成されている前記回折光学素子(3)によって一緒にかつ完全に覆われている、
請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の半導体レーザ(1)。
【請求項13】
前記回折光学素子(3)と前記半導体レーザチップ(4)との間の距離が、前記レーザ放射(L)の最大強度の波長の最大で10倍である、
請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の半導体レーザ(1)。
【請求項14】
前記回折光学素子(3)が少なくとも部分的に注型材(7)によって直接囲まれており、
前記注型材(7)が前記光学的に有効な構造(33)に接触している、
請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の半導体レーザ(1)。
【請求項15】
前記回折光学素子(3)の前記光学的に有効な構造(33)が、少なくとも2.0の屈折率を有する材料からなる、
請求項1から請求項14のいずれか1項に記載の半導体レーザ(1)。
【請求項16】
前記半導体積層体(40)が少なくとも1つのブラッグミラー(46a,46b)を備えており、
前記ブラッグミラー(46a,46b)が電気的貫通接続部(95)によって貫かれており、前記半導体レーザ(1)を表面実装することができるように前記活性ゾーン(41)の共通の側に電気的接続面が形成されており、
動作時に電流狭窄部(48)の少なくとも1つの電流伝達領域においてのみ前記活性ゾーン(41)に電流が供給されるように、前記ブラッグミラー(46a,46b)に前記電流狭窄部(48)が作製されている、
請求項1から請求項15のいずれか1項に記載の半導体レーザ(1)。
【請求項17】
前記活性ゾーン(41)の相異なる側に位置する2つの前記ブラッグミラー(46a,46b)を備えており、
前記ブラッグミラー(46a,46b)それぞれが、前記貫通接続部(95)によって貫かれている、
請求項16に記載の半導体レーザ(1)。
【請求項18】
前記光出口面(44)が、前記回折光学素子(3)に面する側において、平面視において見たとき、アノードコンタクト(91)の材料またはカソードコンタクト(92)の材料によって完全に囲まれているように、前記半導体積層体(40)と前記回折光学素子(3)との間にアノードコンタクト(91)またはカソードコンタクト(92)が延在しており、
前記アノードコンタクト(91)または前記カソードコンタクト(92)が、前記生成されるレーザ放射(L)に対して不透過性であり、かつ金属性である、
請求項1から請求項17のいずれか1項に記載の半導体レーザ(1)。
【請求項19】
請求項1から請求項18のいずれか1項に記載の半導体レーザ(1)を製造する方法であって、以下のステップ、すなわち、
- 前記半導体レーザチップ(4)を設けるステップと、
- 前記半導体レーザチップ(4)に前記回折光学素子(3)を結合するステップと、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
半導体レーザを提供する。さらに、そのような半導体レーザの製造方法を提供する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
達成すべき目的は、目に安全であり、かつ効率的に製造することのできる半導体レーザを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0003】
この目的は、特に、独立特許請求項の特徴を有する半導体レーザおよび方法によって、達成される。好ましい発展形態は、従属請求項の主題である。
【0004】
少なくとも一実施形態によれば、本半導体レーザは、1個または複数の半導体レーザチップを備えている。これら少なくとも1個の半導体レーザチップは、半導体積層体を備えている。半導体積層体は、レーザ放射を生成するための1つまたは複数の活性ゾーンを備えている。これに加えて、半導体レーザチップは、光出口面を有する。レーザ放射は、光出口面において放出される。
【0005】
少なくとも一実施形態によれば、少なくとも1個の半導体レーザチップは、面発光体(surface emitter)である。すなわち、特に、半導体レーザチップは、動作時に生成されるレーザ放射を、比較的大きい面において放出する。この面(すなわち半導体レーザチップがレーザ放射を放出する光出口面)は、半導体積層体の成長方向に垂直またはほぼ垂直な向きにあることが好ましく、したがって共振器の方向は成長方向に平行またはほぼ平行に延びる。この場合および以下では、「ほぼ」とは、特に、最大で15゜ないし5゜ないし2゜の公差を有することを意味する。これに対してエッジエミッタ(edge emitter)は、面発光体とは対照的に、成長方向に垂直な方向における放出方向および共振器方向を有する。
【0006】
半導体積層体は、13~15族の化合物半導体材料系であることが好ましい。半導体材料は、例えば、AlnIn1-n-mGamNなどの窒化物化合物半導体材料、またはAlnIn1-n-mGamPなどのリン化物化合物半導体材料、さらにはAlnIn1-n-mGamAsなどまたはAlnGamIn1-n-mAskP1-kなどのヒ化物化合物半導体材料(各場合において0≦n≦1、0≦m≦1、n+m≦1、0≦k<1)である。半導体積層体の少なくとも1層またはすべての層に、以下、すなわち、0<n≦0.8、0.4≦m<1、n+m≦0.95、0<k≦0.5、があてはまることが好ましい。半導体積層体は、ドーパントおよび追加の成分を有することができる。しかしながら簡潔さを目的として、半導体積層体の結晶格子の本質的な構成成分(すなわちAl、As、Ga、In、N、またはP)のみを示してあり、これらの構成成分は、その一部分を少量のさらなる物質に置き換える、または少量のさらなる物質によって補うことができる。
【0007】
少なくとも一実施形態によれば、本半導体レーザは、少なくとも1つの回折光学素子(略してDOE)を備えている。1つまたは複数の回折光学素子は、レーザ放射を広げる、および分散させる、特に、より大きい立体角範囲にわたりレーザ放射を分散させるために、配置されている。回折光学素子により、それに関連してレーザ放射が発散する理由で、半導体レーザが人の目に特に危険ではなく、したがって本半導体レーザは、さらなる方策なしに目に安全であり、この目的のために要求される法規制を満たす。
【0008】
回折光学素子に代えて、一般的にはビーム拡張光学素子を存在させることもできる。ビーム拡張光学素子は、例えば、マイクロレンズアレイ(略してMLA)である。マイクロレンズアレイは、好ましくは高い密度で配置されている複数の個々のレンズを有する。生成されるレーザ放射は、好ましくは少なくとも10個ないし30個ないし100個のマイクロレンズによって覆われている光出口面の領域を通過する。これに代えて、またはこれに加えて、ビーム拡張光学素子は、散乱層(拡散体とも称する)を有する、または散乱層からなることができる。散乱層は、特に、レーザ放射が散乱される粗面化部、および/または、レーザ放射に対して透過性であるマトリックス材料の中の散乱粒子、を備えている。回折光学素子に関する以下の説明は、ビーム拡張光学素子にも等しくあてはまる。
【0009】
少なくとも一実施形態によれば、回折光学素子の光学的に有効な構造(optically effective structure)は、高い屈折率を有する材料から形成されている。特に、この材料の屈折率は、少なくとも1.65ないし1.75ないし1.8ないし2.0ないし2.2である。屈折率の上記の値は、本半導体レーザの動作温度および動作時に生成されるレーザ放射の最大強度の波長においてあてはまることが好ましい。屈折率は、エポキシドの屈折率より高いことがさらに好ましい。高屈折率のエポキシドは、およそ最大で1.6の値に達する。
【0010】
光学的に有効な構造は、特に、レーザ放射に対して回折格子および/またはホログラムに類似して作用する格子状の構造である。光学的に有効な構造によって、レーザ放射が広がって分散され、この拡幅および分散は、好ましくは大部分または完全に光回折に基づく。
【0011】
光学的に活性な構造は、例えば、13~15族の化合物半導体材料から作製される。ZnO、ZnS、ZnTe、Ga2O3、またはIn2O3など12~16族の半導体を使用することもできる。さらには、単結晶の半導体層(有機金属化学気相堆積法によって作製される)の代わりに、別の半導体層を使用することもできる。特に、ZnO、SnO2、またはTa2O5など高い屈折率を有する金属酸化物の非晶質層を、光学的に活性な構造に使用することができる。
【0012】
光学的に有効な構造の材料のさらなる例は、特に、光学的に有効な構造がレーザの成長基板または半導体積層体の成長基板にエッチングされる場合(
図6)、(特にサファイア結晶としての)Al
2O
3、GaAs、またはGaNである。光学的に有効な構造が、レーザディスク(laser disk)の上に堆積された層から作製される場合、酸化アルミニウムまたは窒化珪素(それぞれが必ずしも化学量論的に正確に結合していない、および/または、大部分が非晶質)などの誘電体の層も実用的であり得る。
【0013】
少なくとも一実施形態においては、本半導体レーザは、少なくとも1個の面発光型半導体レーザチップを備えており、この面発光型半導体レーザチップは、レーザ放射を生成するための少なくとも1つの活性ゾーンを有する半導体積層体と光出口面とを備えており、光出口面は、半導体積層体の成長方向に垂直な向きにある。本半導体レーザは回折光学素子をさらに備えており、回折光学素子は、本半導体レーザが好ましくは目に対して安全(eye-proof)であるようにレーザ放射を広げて分散させるように構成されている。回折光学素子の光学的に有効な構造は、レーザ放射の最大強度の波長に対して少なくとも1.65ないし2.0の屈折率を有する材料から作製されている。
【0014】
少なくとも一実施形態においては、本半導体レーザは、少なくとも1個の面発光型半導体レーザチップを備えており、この面発光型半導体レーザチップは、レーザ放射を生成するための少なくとも1つの活性ゾーンを有する半導体積層体と光出口面とを備えており、光出口面は、半導体積層体の成長方向に垂直な向きにある。本半導体レーザはビーム拡張光学素子をさらに備えており、ビーム拡張光学素子は、半導体レーザが目に安全であるようにレーザ放射を広げて分散させるように構成されている。ビーム拡張光学素子の光学的に有効な構造は、高い屈折率を有する材料から作製することができる。半導体積層体は、少なくとも1つの電気的貫通接続部によって貫かれている少なくとも1つのブラッグミラー、を備えていることが好ましい。光出口面の周囲に電気コンタクトを配置することができる。このコンタクトは、ビーム拡張光学素子と、関連付けられるブラッグミラー(このコンタクトを接続するために貫通接続部によって貫かれている)との間に位置していることが好ましい。
【0015】
多くの用途の場合、光源が人間の目に対して安全である必要がある。半導体レーザの場合、この目的のために追加の方策がとられる。特に、回折光学素子によってレーザ放射を広げて分散させることができる。したがって、このような回折光学素子が比較的低い屈折率を有する材料から形成されている場合、環境条件によっては目の保護が制限されることがある。
【0016】
例えば、回折光学素子上に露または凝縮水が形成される、または水分が凝結する場合、周囲と光学的に有効な構造との間の屈折率の差が小さくなることにより、回折光学素子のビーム拡張効果が失われることがある。本明細書に記載されている半導体レーザの場合には、この問題が排除され、なぜならたとえ回折光学素子上に露が形成される場合にも、回折光学素子によって生じるビーム整形によって目の安全性を確保する目的で、十分に大きい屈折率差が存在するためである。
【0017】
さらには、本明細書に記載されている回折光学素子を半導体レーザチップに結合手段によって固定することが可能である。この場合、接着剤として、例えば、比較的低い屈折率を有する有機プラスチックまたはSiO2などの無機材料を使用することができる。このような材料は、光学的に有効な構造に侵入することができ、例えば格子状の、光学的に有効な構造を満たすことができ、なぜなら、大きな屈折率差が依然として存在する理由で回折光学素子が依然としてそれまでのように機能するためである。
【0018】
適切な材料を使用することによって、回折光学素子を、まだ個片化されていない半導体レーザチップにウェハレベルにおいて、または、すでに個片化された半導体レーザチップに(一緒に、またはグループごとに)、適切な接合プロセスを使用して貼り付けることも可能である。このような方法は、高い屈折率を有する光学的に有効な構造によって、効率的に可能になる。
【0019】
少なくとも一実施形態によれば、本半導体レーザは、表面実装することができる。すなわち本半導体レーザは、表面実装技術(略してSMT)の鉛フリーはんだ付け工程または接着工程において、好ましく使用可能である。本半導体レーザは、回路基板などの実装支持体上に、特に貫通なしに機械的および/または電気的に実装することができる。
【0020】
少なくとも一実施形態によれば、回折光学素子は、光出口面の上に位置している。回折光学素子と光出口面との間には、結合手段のみが存在していることが好ましく、この結合手段によって回折光学素子が半導体レーザチップに結合されている。結合手段は、特に、光出口面と回折光学素子との間の領域全体にわたり位置している。したがって、光出口面全体が結合手段および回折光学素子によって覆われていることが可能である。この場合、結合手段は透過性である、特に、生成されるレーザ放射に対して透明であることが好ましい。
【0021】
少なくとも一実施形態によれば、回折光学素子の光学的に有効な構造は、半導体レーザの側の回折光学素子の面に位置している。特に、光学的に有効な構造は、部分的に、または領域全体にわたり、結合手段に直接接触している、および/または、光学的に有効な構造は、部分的または完全に結合手段によって満たされている、および/または、結合手段によって平坦化されている。
【0022】
少なくとも一実施形態によれば、半導体レーザチップと回折光学素子との間に、回折光学素子の縁部にのみ結合手段が位置している。特に、光出口面には、結合手段が存在しない、または大部分にわたり存在しない。光出口面と回折光学素子との間、光出口面の上に部分的に、または領域全体にわたり、隙間を形成することができる。この文脈において「隙間」とは、例えば、固体材料または液体が存在しないことを意味する。隙間は、1種類または複数種類の気体で満たすことができる、または空にすることができる。この場合、結合手段は、生成されるレーザ放射に対して不透過性とすることもでき、例えば、金属または金属合金である。
【0023】
少なくとも一実施形態によれば、回折光学素子は、光出口面の上に直接位置している。このことは、光出口面全体の領域全体に適用されることが好ましい。光学的に活性な構造は、光出口面の側の回折光学素子の面に、または、光出口面とは反対側の回折光学素子の面に、位置していることができる。
【0024】
少なくとも一実施形態によれば、回折光学素子は、キャリア基板を有する。キャリア基板は、例えば半導体基板、例えばガリウム窒化物またはガリウムヒ素の半導体基板である、または、サファイアもしくは炭化ケイ素などの透明材料である。キャリア基板は、動作時に生成されるレーザ放射に対して透過性であることが好ましい。
【0025】
少なくとも一実施形態によれば、光学的に有効な構造は、キャリア基板に形成される。一例として、フォトリソグラフィ法でキャリア基板を構造化することができる。
【0026】
少なくとも一実施形態によれば、光学的に有効な構造は、キャリア基板に形成されている原料層から形成されている。言い換えれば、この場合には、キャリア基板自体は構造化されておらず、原料層が、例えばフォトリソグラフィによって、またはナノインプリント法によって、構造化されている。
【0027】
少なくとも一実施形態によれば、光学的に活性な構造は、回折光学素子に部分的にのみ侵入している。特に、キャリア基板および/または原料層は、連続的な、途切れのない層として得られる。言い換えれば、光学的に有効な構造は、キャリア基板および/または原料層の中に不完全にのみ延びている。これに代えて、光学的に有効な構造が回折光学素子における連続的な孔または開口部を形成するように、光学的に有効な構造が回折光学素子の全体に侵入していることが可能である。
【0028】
少なくとも一実施形態によれば、光学的に活性な構造は、1種類または複数種類の半導体材料を有する、あるいは、1種類または複数種類の半導体材料からなる。光学的に有効な構造が、半導体レーザチップの半導体積層体と同じ半導体材料からなる、または、別の半導体材料から作製されていることが可能である。したがって、光学的に活性な構造が少なくとも1種類の半導体材料を含む、または少なくとも1種類の半導体材料からなる場合、回折光学素子のキャリア基板は、光学的に有効な構造のその半導体材料のための成長基板に相当することが好ましい。
【0029】
少なくとも一実施形態によれば、半導体レーザチップは、半導体積層体のための成長基板を備えている。半導体積層体は、成長基板上にエピタキシャルに成長していることが好ましく、成長基板は、完成した半導体レーザに依然として存在していることが好ましい。
【0030】
少なくとも一実施形態によれば、回折光学素子は、半導体レーザチップの成長基板に形成されている。この場合、回折光学素子、特にその光学的に活性な構造は、活性ゾーンを有する半導体積層体とは反対側の成長基板の面に位置していることが好ましい。
【0031】
少なくとも一実施形態によれば、回折光学素子は、半導体レーザチップの光出口面を形成している。言い換えれば、生成されたレーザ放射は、回折光学素子において、特に光学的に活性な構造において、半導体レーザチップから放出される。
【0032】
少なくとも一実施形態によれば、回折光学素子および半導体レーザチップは、一体に形成されている。すなわち例えば、半導体レーザチップと回折光学素子との間に接合ゾーンまたは結合剤層が存在しない。特に、半導体レーザチップおよび回折光学素子は、共通の構成要素(具体的には半導体積層体の成長基板によって形成されている)を有する。
【0033】
少なくとも一実施形態によれば、半導体レーザチップと、回折光学素子のための結合手段とが、共通の実装支持体の上に取り付けられている。結合手段は、光出口面の平面視において、半導体積層体の横のみに、および/または、半導体レーザチップの横のみに、および/または、活性ゾーンの横のみに、位置していることが好ましい。特に、結合手段と半導体レーザチップは、互いに接触していない。
【0034】
少なくとも一実施形態によれば、結合手段は、実装支持体および/または回折光学素子に直接接触している。この場合、結合手段は、回折光学素子の光学的に有効な構造に係合していることができ、かつ光学的に有効な構造を部分的に満たしていることができる。
【0035】
少なくとも一実施形態によれば、回折光学素子は、光出口面および/または半導体積層体および/または半導体レーザチップを、完全に覆っている。このことは、特に、平面視においてあてはまる。
【0036】
少なくとも一実施形態によれば、本半導体レーザは、複数の半導体レーザチップを有する。半導体レーザチップは、互いに構造的に同一とすることができ、かつ同じ波長の放射を放出することができる、または、互いに異なる構造に設計することができる。
【0037】
少なくとも一実施形態によれば、半導体レーザチップ、または半導体レーザチップの少なくとも1個は、複数のレーザ領域を有する。この場合、本半導体レーザは、ただ1個の半導体レーザチップを備えていることが好ましい。特に、VCSEL(垂直共振器型面発光レーザ)タイプのレーザの場合、半導体レーザチップは複数のレーザ領域(個々のレーザとも称する)を含み、これらのレーザ領域は、互いに平行な向きにあることが好ましい、および/または、半導体積層体の成長方向に平行な向きにある共振器軸を備えている。関連する半導体レーザチップがVCSELアレイに相当するように、個々のレーザが個々のVCSELを形成することができる。このようなVCSELアレイによって、十分に高い、または特に高い光出力を達成することができる。個々のレーザは、半導体レーザチップにおいて行列の形に配置されていることが好ましく、並列に動作させ得ることが好ましい。個々のレーザは、互いに並列に電気的に接続することができる、および/または、一緒にのみ動作させることができる。同様に、個々のレーザを、互いに独立して個別またはグループごとに制御可能とすることができる。
【0038】
回折光学素子が複数の半導体レーザチップを覆っている、および/または、複数の個々のレーザを一緒に覆っており、これらを結合して1つの部品を形成することが可能である。
【0039】
少なくとも一実施形態によれば、本半導体レーザの半導体レーザチップは、一緒に、かつ好ましくは完全に、回折光学素子によって覆われている。特に、半導体レーザチップのすべての光出口面それぞれを回折光学素子によって完全に覆うことができる。この場合、回折光学素子は、すべての半導体レーザチップにわたり、連続的に、一体に、および/または、隙間なしに、延在していることが好ましい。
【0040】
少なくとも一実施形態によれば、回折光学素子は、半導体レーザチップの近くに、および/または、光出口面に、位置している。回折光学素子と半導体レーザチップとの間の距離は、レーザ放射の最大強度の波長の最大で20倍ないし10倍ないし5倍、および/または、少なくとも1倍ないし2倍ないし4倍、であることが好ましい。これに代えて、またはこれに加えて、半導体レーザチップと回折光学素子との間の距離は、最大で0.5mmないし0.2mmないし0.05mmないし20μmである。すなわち、回折光学素子と半導体レーザチップとの間には空間的隔たりが存在しない、または大きな空間的隔たりが存在しない。
【0041】
少なくとも一実施形態によれば、回折光学素子および/または少なくとも1個の半導体レーザチップは、部分的に、または領域全体にわたり、注型材(casting material)によって直接囲まれている。注型材は、比較的低い屈折率を有するプラスチック(例えばシリコーンまたはエポキシドまたはアクリレートまたはポリカーボネート)から形成されていることが好ましい。注型材は、生成されるレーザ放射に対して透明であることが好ましい。
【0042】
少なくとも一実施形態によれば、注型材は、光学的に有効な構造に接触している。注型材は、光学的に有効な構造に縁部においてのみ接触していることができる、または、光出口面の全体にわたり延在していることができる。
【0043】
少なくとも一実施形態によれば、半導体積層体は、1つまたは複数のブラッグミラーを備えている。これら少なくとも1つのブラッグミラーは、レーザ放射を反射するように設計されている。
【0044】
少なくとも一実施形態によれば、ブラッグミラーは、少なくとも1つの電気的貫通接続部によって貫かれている。貫通接続部は、金属性であることが好ましい。特に、貫通接続部は、自身が中を延びるブラッグミラーから電気的に絶縁されている。
【0045】
少なくとも一実施形態によれば、活性ゾーンの共通の側に、本半導体レーザの外部との電気接触のための電気接続面が設けられている。したがって本半導体レーザを表面実装可能とすることができる。
【0046】
少なくとも一実施形態によれば、少なくとも1つのブラッグミラーに、またはブラッグミラーのいくつかに、少なくとも1つの電流狭窄部が形成されている。結果として、動作時、電流狭窄部の1つまたは複数の電流伝達領域のみにおいて活性ゾーンが通電される。電流狭窄部は、半導体積層体の成長方向に沿って、関連するブラッグミラーの内側に存在しておりブラッグミラーの縁部には存在していないことが好ましい。
【0047】
少なくとも一実施形態によれば、本半導体レーザは、2つのブラッグミラーを備えている。これらは、活性ゾーンの相異なる側に存在する。この場合、ブラッグミラーそれぞれが、貫通接続部によって、または貫通接続部の1つまたは複数によって、貫かれていることが可能である。
【0048】
少なくとも一実施形態によれば、本半導体レーザは、アノードコンタクトおよび/またはカソードコンタクトを備えている。これらのコンタクトは、金属コンタクトであることが好ましい。電流印加は、これらのコンタクトを介して半導体積層体内に直接行われることが好ましい。
【0049】
少なくとも一実施形態によれば、アノードコンタクトおよび/またはカソードコンタクトは、半導体積層体と回折光学素子との間に延在している。したがって回折光学素子に面する側において、平面視において見たとき、光出口面を周囲全体にわたりアノードコンタクトおよび/またはカソードコンタクトの材料によって囲むことができる。この場合、アノードコンタクトおよび/またはカソードコンタクトは、生成されるレーザ放射に対して不透過性および/または金属性である。
【0050】
さらには、半導体レーザを製造する方法を提供する。本方法は、上述した実施形態の1つまたは複数に関連して開示されている半導体レーザを製造することが好ましい。したがって、本方法の特徴は、本半導体レーザに関しても開示され、この逆も同様である。
【0051】
少なくとも一実施形態においては、本方法は、以下のステップを、好ましくは開示した順序で含む。
- 半導体レーザチップを設けるステップ、および、
- 回折光学素子を半導体レーザチップに結合する、および/または、半導体レーザチップにおいて回折光学素子を形成する、ステップ。
【0052】
本明細書に記載されている方法および本明細書に記載されている半導体レーザでは、コストのかかる、および/または、多くの材料を要する、構成要素の高さに関する能動的な調整を省くことができる。半導体プロセスを使用する理由で、特に、ウェハレベルにおける受動的な調整によって、製造時にさらにコスト削減を達成することができる。例えば、顧客側でのさらなる処理が単純であるように平行化された放射を可能にする目的で、例えば、顧客に固有な特定の放出特性のための半導体レーザの構成要素の製造物をすでにウェハレベルで提供することが可能である。
【0053】
さらには、高い屈折率を有する層または材料は、通常では、半導体製造において利用可能なプロセスを使用して、効率的に構造化することができる。特に、回折光学素子をすでにウェハレベルにおいて半導体レーザチップと結合することができる。これにより、回折光学素子および半導体レーザチップを互いに対して正確に調整することが可能になる(調整が必要な場合)。この場合、実装作業が大幅に低減される。これに加えて、本半導体レーザをすでにウェハレベルにおいて試験することができ、たとえウェハレベルでも回折光学素子の効果を分析およびチェックすることができる。
【0054】
本明細書に記載されている回折光学素子(半導体レーザチップに密接に結合されている)では、以降に半導体レーザチップを個別の回折光学素子によって覆う必要がない。これに加えて、回折光学素子は、本明細書に記載されている半導体レーザにおいて半導体レーザチップの保護層としての役割を果たすことができる。例えば、回折光学素子が半導体レーザチップに接着接合されている場合、回折光学素子のキャリア基板によって、半導体レーザのための十分な機械的保護をすでに確保することができる。光学的に有効な構造の高い屈折率ゆえに、さらなる保護を達成する目的で、光学的に活性な構造が半導体レーザチップとは反対側の回折光学素子の面に位置し、回折光学素子がハウジングのプラスチックによって被覆されることも可能である。
【0055】
以下では、ここまでに記載した半導体レーザと、ここまでに記載した方法を、例示的な実施形態に基づいて図面を参照しながらさらに詳しく説明する。個々の図において、同じ参照符号は同じ要素を示している。しかしながら、縮尺との関係は示しておらず、より深く理解できるようにする目的で、個々の要素が誇張した大きさで表現されていることがある。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【
図1】本明細書に記載されている方法の例示的な実施形態の方法ステップの概略断面図を示している。
【
図2】本明細書に記載されている方法の例示的な実施形態の方法ステップの概略断面図を示している。
【
図3】本明細書に記載されている方法の例示的な実施形態の方法ステップの概略断面図を示している。
【
図4】本明細書に記載されている方法の例示的な実施形態の方法ステップの概略断面図を示している。
【
図5】本明細書に記載されている半導体レーザの例示的な実施形態の概略断面図を示している。
【
図6】本明細書に記載されている半導体レーザの例示的な実施形態の概略断面図を示している。
【
図7】本明細書に記載されている半導体レーザの例示的な実施形態の概略断面図を示している。
【
図8】本明細書に記載されている半導体レーザの例示的な実施形態の概略断面図を示している。
【
図9】本明細書に記載されている半導体レーザの例示的な実施形態の概略断面図を示している。
【
図10】本明細書に記載されている半導体レーザの例示的な実施形態の概略断面図を示している。
【
図11】本明細書に記載されている半導体レーザの例示的な実施形態の概略断面図を示している。
【
図12】本明細書に記載されている半導体レーザの例示的な実施形態の概略断面図を示している。
【
図13】本明細書に記載されている半導体レーザの例示的な実施形態の概略断面図を示している。
【
図14】A)は本明細書に記載されている半導体レーザの例示的な実施形態の概略平面図を示しており、B)は本明細書に記載されている半導体レーザの例示的な実施形態の概略断面図を示している。
【
図15】本明細書に記載されている方法の例示的な実施形態の方法ステップの概略断面図を示している。
【
図16】本明細書に記載されている方法の例示的な実施形態の方法ステップの概略断面図を示している。
【
図17】本明細書に記載されている半導体レーザの例示的な実施形態の概略断面図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0057】
図1は、本明細書に記載されている表面実装可能な半導体レーザ1の製造方法の例示的な実施形態を示している。
図1Aによれば、回折光学素子3のためのキャリア基板32を設ける。キャリア基板32は、例えばサファイア基板である。
【0058】
例えばキャリア基板32の上へのエピタキシャル成長によって、分離層34を設ける。分離層34は、例えばGaN層である。さらに、分離層34の上に、例えばエピタキシャルに、またはスパッタリングによって、原料層35を堆積させる。原料層35は、例えば酸化アルミニウムからなる。
【0059】
図1Bの方法ステップにおいては、原料層35に、光学的に有効な構造33を形成する。光学的に有効な構造33は、例えばリソグラフィおよびエッチングによって作製される。例えば、光学的に有効な構造33(
図1では斜線によって表してある)は、平面視において見たとき、格子状の形状を有する。平面視において見たときの、光学的に有効な構造33の構造サイズは、例えば、完成した半導体レーザの動作時に生成されるレーザ放射Lの波長のほぼ1/4ないし1/2である。同じことは、光学的に有効な構造33の厚さにもあてはまり、厚さは、これに代えて、またはこれに加えて、2μmないし1μmより小さいかまたは等しい。光学的に有効な構造33は、原料層35に部分的にのみ侵入している。この場合および以下において、光学的に有効な構造33は、極めて単純に図解してあるにすぎない。
【0060】
光学的に有効な構造33は、平面視において、少なくとも0.5μm~1μmの平均サイズを有する構造要素を有することが好ましい。構造要素の高さは、光学的に有効な構造33と周囲との間の計画された屈折率差に依存し、位相シフトによって所望の光路差をもたらす目的で、十分に大きいべきである。
【0061】
図1Cの方法ステップにおいては、半導体レーザチップ4を設ける。半導体レーザチップ4は、面発光レーザである。半導体レーザチップ4は、半導体積層体40のための成長基板2を有する。半導体積層体40は、成長基板2から離れる方向に成長方向Gを有する。さらに、半導体積層体40は、レーザ放射Lを生成するための少なくとも1つの活性ゾーン41を備えている。半導体レーザチップ4の光出口面44は、半導体積層体40によって形成され、成長方向Gに垂直な向きにある。
【0062】
成長基板2は、例えばGaAs基板である。半導体積層体40は、特に、材料系AlInGaAsに基づく。
図1の図解から逸脱するが、成長基板2の代わりに差し替え基板を使用することが可能であり、成長後に差し替え基板に半導体積層体40を貼り付ける。この場合、成長基板2は除去される。
【0063】
図1Dの方法ステップにおいては、
図1Bからの構成要素を、
図1Cからの半導体レーザチップ4に貼り付ける。このステップは、結合手段5の層を介して行われる。レーザ放射Lに対して透過性である結合手段5は、半導体レーザチップ4と、
図1Bからの構成要素との間の領域全体にわたり連続的に延在している。結合手段5は、例えば有機系接着剤である。結合手段5が、高い屈性率の材料からなる光学的に有効な構造33を満たすことが可能である。光学的に有効な構造33の高い屈性率の理由で、結合手段5に対する十分に大きい屈折率差が維持され、したがって光学的に有効な構造33が所望の効果を達成する。
【0064】
図1Eによれば、光学的に有効な構造33のみを半導体レーザ4の上に残す。このステップは、特に、キャリア基板32を通じてのレーザリフトプロセスを介して行われる。特に、キャリア基板32を剥離させることができるように、レーザ放射をキャリア基板32を通じて照射し、このレーザ放射が分離層34を分解する。レーザリフト法に代えて、または加えて、エッチングおよび/または研削および/または研磨を実行することもできる。オプションとして、光学的に有効な構造33から分離層34の残留物を除去する。オプションとして、余分な原料層35も完全に除去する。
【0065】
分離層34は、最終的には、レーザリフト法などのリフト法によってキャリア基板32を除去する役割を果たす。この目的のため、分離層34は、説明したように半導体層とすることができるが、これは絶対的には必要ではない。分離層34は、キャリア基板32を除去する目的で、レーザ分解やエッチングなどの方法によって部分的または完全に分解可能であればよい。分離層34には、誘電体材料、および/または、重合ビスベンゾシクロブテン(略してBCB)(bisbenzocyclobutene)などの有機材料、を使用することができる。
【0066】
図1Fの方法ステップには、半導体積層体40を部分的に露出させ、結合手段5およびオプションとして光学的に有効な構造33(回折光学素子3を形成している)を部分的に除去することを示してある。活性ゾーン41に通電する目的で、半導体積層体40の露出した領域に電気コンタクト91,92を配置することができる(
図1Fには極めて単純化して示してあるにすぎない)。
【0067】
図1に示した方法の代替として、
図1Dの方法ステップの直前に(例えば
図1Bのステップにおいて)、回折光学素子3が、
図1Fに示した電気コンタクト91,92のための凹部を有することができる。同じことはすべての他の例示的な実施形態にもあてはまる。
【0068】
図2の方法においては、最初に半導体レーザチップ4を設ける(
図2Aを参照)。次いで、光出口面44に原料層35を堆積させる(
図2Bを参照)。原料層35は、例えば、堆積された非晶質酸化アルミニウムからなる。
【0069】
その後(
図2Cを参照)、原料層35に光学的に有効な構造33を作製する。光学的に有効な構造33は、光出口面44には達しない。これに代えて、
図2Cに示した形態とは異なり、光学的に有効な構造33が半導体積層体40に達することもできる。
【0070】
図2Dは、
図1Fと同様に、電気的接触を可能にする目的で、半導体積層体40を部分的に露出させることを示している。
【0071】
図3Aにおいては、半導体レーザチップ4を、さらなる例示的な製造方法において設ける。さらに、キャリア基板32の上に光学的に有効な構造33を設ける。光学的に有効な構造33は、2つの部分構造33a,33b(
図3では異なる斜線によって表してある)からなることができる。複数の部分構造を有するこのような光学的に有効な構造33は、すべての他の例示的な実施形態においても使用することができる。3つ以上の部分構造を存在させることが可能である。
【0072】
図3Bは、
図3Aからの2つの構成要素を結合手段5によって互いに結合し、電気コンタクトを作製するために半導体積層体40の一部を露出させることを示している。
【0073】
図3の完成した半導体レーザ1における回折光学素子3は、
図1および
図2とは異なり、残っている原料層35、分離層34(これはオプションである)、およびキャリア基板32を依然として有する。レーザ放射Lは、結合手段5、光学的に有効な構造33、原料層35、およびオプションの半導体層34を備えた層を透過し、さらにキャリア基板32を透過する。キャリア基板32は、サファイアの基板または炭化ケイ素の基板であることが好ましい。すべての他の例示的な実施形態において、完成した半導体レーザ1にキャリア基板32が依然として存在していることも原理的には可能である。
【0074】
図4の方法においては、キャリア基板32の上に原料層35を直接形成する。キャリア基板32は、例えばGaAsであり、原料層35は、例えばAlPからなる。
【0075】
図4Bによれば、原料層35に、光学的に有効な構造33を作製する。
【0076】
図4Cは、光学的に有効な構造33を平坦化する目的で、平坦化層37を形成することを示している。平坦化層37,5aは、
図4Dにおいて設けられる半導体レーザチップ4に次いで結合するために必要である。回折光学素子3の上と半導体レーザチップ4の上の2つの層5a,5bは、例えばSiO
2からなり、スパーキング(sparking)を実行する前に例えば電気化学的に研磨されることが好ましい(
図4Eを参照)。このようにして、層5a,5bが一緒に結合剤層5を形成する。
【0077】
オプションとして(
図4Fを参照)、キャリア基板32を除去する。
図1Fと同様に、電気コンタクトを作製するために半導体積層体40を部分的に露出させる。
【0078】
図4によれば、特にAlP層が、このようにGaAs基板の上で直接構造化され、次いで平坦化され、直接接合などのプロセスを介して半導体レーザチップ4に結合される。すべての他の例示的な実施形態においても同様であるが、結合手段5の材料として例えば流動性酸化物(略してFOX)(flowable oxide)を使用することができる。架橋ジベンゾシクロブテン(crosslinked dibenzocyclobuthen)層などの有機材料を使用することもできる。
【0079】
図1~
図4には、ただ1つの半導体レーザチップ4にただ1つの回折光学素子3を貼り付ける状況を示してある。これから逸脱するが、複数の回折光学素子を複数の半導体レーザチップに同時に貼り付ける目的で、
図1~
図4においてウェハ-ウェハプロセス(wafer-to-wafer process)を使用することもできる。したがって、
図1~
図4のそれぞれの方法は、ウェハ-ウェハプロセスおよびチップ-ウェハプロセス(chip-to-wafer process)の両方において、またはチップ-チッププロセス(chip-to-chip process)において、実行することができる。しかしながら、効率の理由でウェハ-ウェハプロセスが好ましい。
【0080】
さらには、
図4Cおよび
図4Dからの2つの構成要素を互いに結合する目的で、
図4とは異なり、
図1に類似する方法において、直接接合の代わりに接着剤を使用することが可能である。この場合、結合手段5を有する層は、単一層によって実施されることが好ましい。2つの構成要素を互いに結合するための代替方法として、すべての他の例示的な実施形態において、接着接合またはスパーキングまたは直接接合を使用することもできる。
【0081】
図4の方法のさらなる代替方法として、最初に半導体レーザチップ4の上の原料層35をキャリア基板32に貼り付けて(
図4Gを参照)、キャリア基板32を取り除いた直後に、光学的に有効な構造33を作製することが可能である(
図4Hを参照)。光学的に有効な構造33は半導体チップ4の上で作製されるのみであるため、半導体レーザ4に対する、
図4Gからの構成要素の比較的粗い事前調整のみが必要である。
【0082】
図5の例示的な実施形態には、複数の半導体レーザチップ4が存在することを示してある。回折光学素子3は、これら半導体レーザチップ4の全体にわたり一体に延在している。例えば、回折光学素子3と半導体レーザチップ4は、ウェハ複合体(wafer composite)においてウェハ接合によって依然として互いに接触しており、したがって接合領域が形成されている。この場合、回折光学素子3は、半導体積層体40とは反対側の成長基板2の面に位置している。電気コンタクト91,92は、活性ゾーン41を備えた半導体積層体40の横方向に並んで位置している。オプションとして、それぞれ1個または複数個の半導体レーザチップ4を有する半導体レーザ1を分離するための個片化を実行することができる(図示していない)。
【0083】
オプションとして、半導体積層体40とは反対側の回折光学素子3の面に平坦化層37が存在し、これは光学的に有効な構造33が外側に位置するすべての他の例示的な実施形態においても可能である。
【0084】
図6および
図7は、光学的に有効な構造33が成長基板2に直接形成されていることを示している。
図6によれば、電気コンタクト91,92は、その一部が半導体積層体40の中に延びるように設計されており、一方のコンタクト92が、活性ゾーン41を有する平面を貫通している。すべての他の例示的な実施形態においても同様であるが、活性ゾーン41を有する領域と成長基板2との間にブラッグミラー46が位置していることが可能である。オプションとして、この場合にも平坦化層37が存在する。
【0085】
窒化珪素の屈折率は、しばしば2を超える。プラズマ化学気相成長法においては、より低い屈折率(例えば633nmにおいて約1.85)を有するSiN:H層を作製することができる。
図6の光学的に有効な構造33は、特に、SiN:Hから、またはサファイアからなる。
【0086】
図7においては、例えば
図1、
図3、
図4、または
図5を参照しながら説明したように個別の回折光学素子を使用する代わりに、成長基板2と回折光学素子3とがモノリシックに集積化されている。
【0087】
図8は、電気コンタクト91,92が成長基板2の相異なる側に位置していることを示している。対応する設計は、すべての他の例示的な実施形態においても使用することができる。
【0088】
図9は、回折光学素子3が、半導体積層体40を有する側に貼り付けられていることを示している。この場合、回折光学素子3が、それぞれに関連付けられる半導体積層体40を横方向に(すなわち成長方向Gに垂直な方向に)囲む、または、図とは異なり、半導体積層体40と端面が揃っている、ことが可能である。さらには、すべての他の例示的な実施形態においても同様であるが、一方の電気コンタクト92が平面状に形成されることが可能である。
【0089】
図10の例示的な実施形態においては、注型材7がさらに存在している。この場合、回折光学素子3は、主として結合手段5(例えば接着剤または流動性酸化物である)によって固定されている。注型材7は、半導体レーザチップ4の側の回折光学素子3の面に部分的に延在しており、光学的に有効な構造33に部分的に直接接触している。
【0090】
これに対して、
図10Bによれば、回折光学素子3は注型材7によって固定されており、注型材7は、同時に結合手段5に相当する。注型材7によって、半導体レーザ1を外部の影響に対して保護することができる。光学的に有効な構造33の高い屈折率の理由で、注型材7が光学的に有効な構造33を覆っている、および/または満たしているときにも、注型材による悪影響はない。
【0091】
図10Aおよび
図10Bにおいては、光学的に有効な構造33は、半導体レーザチップ4とは反対側である、または半導体レーザチップ4から離れている。光学的に有効な構造33の両方の可能な配置形態は、類似する方法で使用することができる。
【0092】
図11Aは、結合手段5が光出口面44に枠状に形成されており、活性ゾーン41(レーザ放射を生成するように構成されている)の真上の領域には結合手段5が存在しないことが好ましいことを示している。回折光学素子3が例えばはんだ付け(特に、共晶凝固、擬共晶凝固、または等温凝固)によって半導体レーザチップ4に接合されるように、結合手段5は例えば金属層である。結合手段5は、複数の部分層から構成することができる。
【0093】
図11Aにおいては、結合手段5が、光学的に有効な構造33に部分的に係合している。これとは異なり、
図11Bによれば、光学的に有効な構造33は、活性ゾーン41の上方の領域に限定されている。したがって結合手段5は、光学的に有効な構造33から隔てられている。
【0094】
図11A、さらに
図11Bにおいては、隙間6が、回折光学素子3と半導体レーザチップ4との間に位置している。隙間6は、比較的薄く、例えば空気によって満たされている。
【0095】
図11によれば、結合手段5(特に金属枠として設計されている)に回折光学素子3を正確に合わせる目的で、比較的正確な調整が行われる。
【0096】
図12は、結合手段5が半導体積層体40から隔てられていることを示している。結合手段5(例えば金属プラットフォーム(metal platform)からなる)は、成長基板2と回折光学素子3とに直接接触している。
【0097】
これとは異なり(
図12Bを参照)、結合手段5は、実装支持体8に取り付けられており、半導体レーザチップ4に直接接触していない。回折光学素子3は半導体レーザチップ4を完全に覆っている。一方で結合手段5と半導体レーザチップ4との間、他方で半導体レーザチップ4と回折光学素子3との間に、隙間6が形成されている。
【0098】
図13Aによれば、複数の半導体レーザチップ4が実装支持体8に実装されている。半導体レーザチップ4は、一体の連続的な回折光学素子3によって一緒に囲まれている。この場合、回折光学素子3は、半導体レーザチップ4を超えて横方向に突き出していることができる。
【0099】
これとは異なり、
図13Bによれば、回折光学素子3自体が半導体レーザチップ4のためのキャリアを形成している。この目的のため、回折光学素子3に、電気的接触構造(図示していない)を設けることができる。
【0100】
図13によれば、半導体レーザ1は、複数の半導体レーザチップ4を有し、すべての他の例示的な実施形態でも同様とすることができる。同じように、例示的な実施形態それぞれにおいて、1つのみまたは複数の半導体レーザチップ4が存在することが可能であり、これらのレーザチップ4は、複数のレーザ領域または個々のレーザ47(例えば垂直共振器型面発光レーザのアレイ(VCSELアレイとも称する))を有することができる(
図14Aの上面図および
図14Bの断面図を参照)。個々のレーザ47は、平面視において例えば六角形または長方形または正方形のパターンに配置されており、個別に制御可能とする、またはこれらのすべてを一緒にのみ動作させることができる。
【0101】
図15の製造方法においては、半導体レーザ1は、透明なキャリア基板32(例えばガラス、BF33、またはサファイアからなる)の上のフリップチップとして使用される。平面状の回折光学素子3がキャリア基板32に形成される。
【0102】
図15Aによれば、成長基板2(例えばGaAsからなる)の上に半導体積層体40をエピタキシャル成長させる。半導体積層体40は、成長基板2に近い方から、第1のブラッグミラー46a、活性ゾーン41を有する領域、および第2のブラッグミラー46b、を備えている。両方のブラッグミラー46a,46bは、導電性であることが好ましく、高い屈折率と低い屈折率を有する交互層を備えている。
【0103】
図15Bは、第2のブラッグミラー46bの上に接合層93およびアノードコンタクト91を作製することを示している。接合層93は例えばSiO
2からなり、アノードコンタクト91は、1層または複数の金属層からなることが好ましい。アノードコンタクト91と接合層93は、第2のブラッグミラー46bから離れる方向において、互いに同じ高さにある。
【0104】
図15Cのステップにおいては、接合層93にウェハ接合によって透明なキャリア基板32を貼り付ける。このステップでは、光学的に有効な構造33をキャリア基板32の上にすでに位置させることができ、または光学的に有効な構造33は、後からキャリア基板32に結合される。
【0105】
ウェハ接合は、例えば、SiO2-SiO2による直接接合である。光学的に有効な構造33は、特に成長基板2が除去された後、かつウェハ接合の後に、リソグラフィによって形成することができ、この結果として高い精度を達成することができる。平坦化層37は、光学的に有効な構造33が埋め込まれて外側に露出しないように、光学的に有効な構造33に形成されることが好ましい。
【0106】
図15Dにおいては、活性ゾーン41を有する半導体積層体40の領域が露出するように、第1のブラッグミラー46aを部分的に除去する。さらに電流狭窄部48が、例えば酸化によって作製されることが好ましい。したがって、電流狭窄部48の領域のみにおいて活性ゾーン41に電流が供給され、なぜなら半導体積層体40は、活性ゾーン41に平行な方向には活性ゾーン41の領域において低い導電率のみを有するためである。
【0107】
最後に、
図15Eに示したように、充填材94を塗布し、充填材94の中に第1のブラッグミラー46aが埋め込まれる。充填材94は、電気絶縁性であり、例えば、スピンオンガラス、またはベンゾシクロブテン(略してBCB)などの有機材料である。
【0108】
次に、充填材94を貫き、かつ第2のブラッグミラー46bを貫通する好ましくは金属の貫通接続部95を作製する。接合層93におけるアノードコンタクト91の領域は、貫通接続部95に電気的に接続される。同様に、第1のブラッグミラー46aは、メタライゼーションを介して電気的に接触される。第1のブラッグミラー46aのこの接触部は、動作時に生成されるレーザ放射に対して反射性であることが好ましい。したがって第1のブラッグミラー46aは、この接触部とともに金属のハイブリッドブラッグミラーである。結果として、第1のブラッグミラー46aは、より少ない層の対(最大で12対の層ないし最大で6対の層)を有することができる。
【0109】
最後に、2つのコンタクト91,92の電気接続面を作製する。接続面は、大きな面積にわたり充填材を覆うことができる。半導体レーザ1が表面実装(SMT)部品であり、したがって面接触させることができるように、接続面は共通の平面内に存在する。
【0110】
【0111】
しかしながら
図16Bにおいては、
図15Bとは異なり、活性ゾーン41を有する半導体積層体40の領域が、成長基板2とは反対側の面から露出するように、第2のブラッグミラー46bを構造化する。これに加えて、第2のブラッグミラー46bに電流狭窄部48を作製する。
【0112】
次にオプションとして、充填材94を平面状に塗布する。次に
図15Bおよび
図15Cと同様に、アノードコンタクト91および接合層93を作製し、回折光学素子3を取り付ける。
【0113】
【0114】
図16Eによれば、貫通接続部95を、第1のブラッグミラー46aを貫通しかつ充填材94を貫いて接合層93におけるアノードコンタクト91まで導く。この目的のため、貫通接続部95を第1のブラッグミラー46aから電気的に絶縁するためにさらなる充填材94を使用することができる。
【0115】
最後に、コンタクト91,92の接続面を作製する。これは、
図15Eに関連して上に説明したように行うことが好ましい。
【0116】
したがって
図15の方法と
図16の方法は、主として電流狭窄部48の位置が異なる。したがって、第1のブラッグミラー46aのみ、または第2のブラッグミラー46bのみのいずれかが、貫通接続部95によって貫かれる。
【0117】
これとは異なり、
図17の例示的な実施形態では、貫通接続部95は、両方のブラッグミラー46a,46bを貫いて導かれる。この場合、2つのブラッグミラー46a,46bのそれぞれに電流狭窄部48の一方が存在することが好ましい。この目的のため、2つのブラッグミラー46a,46bを構造化する。活性ゾーン41を有する半導体積層体40の領域のみが、貫通接続部95を有する範囲を除いて領域全体にわたり残る。言い換えれば、
図17の例示的な実施形態は、
図15の方法と
図16の方法の組み合わせに相当する。
【0118】
すべての他の例示的な実施形態においても同様であるが、アノードコンタクト91およびカソードコンタクト92を、電気極性に関して互いに交換することもできる。
【0119】
本明細書に記載されている半導体レーザ1における回折光学素子によって、より高い集積密度を達成することができる。さらに、VCSEL 4と光学系3をウェハレベルで集積化することによって、コスト削減も達成することができる。正確に適合する光学系を取り付けることができ、本質的に目に対して安全な部品が達成される。良好な熱結合を有するフリップチップを達成することができる。したがって全体として、ウェハレベルの調整によるVCSELチップ4と光学システム3の間の高い調整精度と、同時にコスト削減が達成される。
【0120】
さらに、VCSELチップ4と光学システム3の複合体は、さらなる処理(例えばポッティングによる処理、および/または、別の材料内に埋め込む処理)に適している。このことは特に、キャリア基板32内の平面状の集積化された光学的に有効な構造33にあてはまる。
【0121】
図に示した構成要素は、特に指示がない限り、開示されている順序で互いに上下に直接配置されていることが好ましい。図において接触していない層は、互いに隔てられている。線が互いに平行に描かれている場合、対応する面も同様に互いに平行な向きにある。描かれている構成要素の互いに対する相対的な厚さの比、長さの比、および位置は、特に指示がない限り、図において正しく再現されている。
【0122】
本明細書に記載されている本発明は、例示的な実施形態に基づく説明によって制限されない。むしろ本発明は、任意の新規の特徴および特徴の任意の組合せ(特に特許請求項における特徴の任意の組合せを含む)を包含しており、これらの特徴または特徴の組合せは、それ自体が特許請求項あるいは例示的な実施形態に明示的に開示されていない場合であっても、本発明に含まれる。
【0123】
[関連出願]
本特許出願は、独国特許出願第102017100997.3号の優先権を主張し、この文書の開示内容は参照により本明細書に組み込まれている。
【符号の説明】
【0124】
1 半導体レーザ
2 成長基板
3 回折光学素子
32 キャリア基板
33 光学的に活性な構造
34 半導体層
35 原料層
37 平坦化層
39 接合領域
4 半導体レーザチップ
40 半導体積層体
41 活性ゾーン
44 光出口面
46 ブラッグミラー
47 個々のレーザ
48 電流狭窄部
5 結合手段
6 隙間
7 注型材
8 実装支持体
91 アノードコンタクト
92 カソードコンタクト
93 接合層
94 充填材
95 貫通接続部
G 成長方向
L レーザ放射