(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022097373
(43)【公開日】2022-06-30
(54)【発明の名称】ドローン及びそのバッテリー部交換システム
(51)【国際特許分類】
B64D 27/26 20060101AFI20220623BHJP
B64D 27/24 20060101ALI20220623BHJP
B64C 39/02 20060101ALI20220623BHJP
B64F 1/36 20170101ALI20220623BHJP
H01M 50/249 20210101ALI20220623BHJP
H01M 50/244 20210101ALI20220623BHJP
H01M 50/296 20210101ALI20220623BHJP
【FI】
B64D27/26
B64D27/24
B64C39/02
B64F1/36
H01M50/249
H01M50/244 A
H01M50/296
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021152492
(22)【出願日】2021-09-17
(31)【優先権主張番号】109145032
(32)【優先日】2020-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】521411851
【氏名又は名称】東友科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】陳鼎鈞
【テーマコード(参考)】
5H040
【Fターム(参考)】
5H040AA12
5H040AA22
5H040AS22
5H040AY03
5H040AY12
5H040CC13
5H040CC15
5H040CC24
5H040CC33
5H040DD22
5H040DD28
5H040DD29
5H040NN03
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ドローン及びバッテリー部交換システムを提供する。
【解決手段】フレーム本体とバッテリー部とを備えるドローンに関するものであり、フレーム本体はバッテリー部収容溝を備える。バッテリー部収容溝は第1位置決め部と第2位置決め部とを備え、第1位置決め部及び第2位置決め部は第1方向にずれるように配置される。バッテリー部はバッテリー部収容溝に収容され、バッテリー部は第1位置決め機構と第2位置決め機構とを備える。第1位置決め機構が第1位置決め部に対応し、第2位置決め機構が第2位置決め部に対応する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレーム本体とバッテリー部とを備えるドローンであって、
前記フレーム本体は、バッテリー部収容溝を備え、前記バッテリー部収容溝は、第1位置決め部と第2位置決め部とを備え、前記第1位置決め部及び前記第2位置決め部は、第1方向に互いに位置ずれるように配置され、
前記バッテリー部は、前記バッテリー部収容溝に収容され、かつ前記バッテリー部は、第1位置決め機構と第2位置決め機構とを備え、前記第1位置決め機構が前記第1位置決め部に対応し、且つ前記第2位置決め機構が前記第2位置決め部に対応する、ことを特徴とするドローン。
【請求項2】
前記第1位置決め機構と前記第2位置決め機構は、前記バッテリー部の中心に対して、点対称または線対称である、ことを特徴とする請求項1に記載のドローン。
【請求項3】
前記バッテリー部は、前記第1方向または前記第1方向と反対の方向に沿って、前記バッテリー部収容溝に置換可能に収容される、ことを特徴とする請求項1に記載のドローン。
【請求項4】
前記フレーム本体はガイドレールを備え、前記ガイドレールは、前記第1方向に沿って前記バッテリー部収容溝内に配置される、ことを特徴とする請求項1に記載のドローン。
【請求項5】
前記第1位置決め部は、第1ばね部材と第1テーパ柱部材とを備え、前記第2位置決め部は、第2ばね部材と第2テーパ柱部材とを備え、前記第1位置決め機構及び前記第2位置決め機構は溝構造であり、前記バッテリー部が前記バッテリー部収容溝に収容されると、前記第1ばね部材が弾性力を提供して前記第1テーパ柱部材を前記第1位置決め機構に収容させ且つ前記第1位置決め機構に当接させる、前記第2ばね部材が弾性力を提供して前記第2テーパ柱部材を前記第2位置決め機構に収容させ且つ前記第2位置決め機構に当接させる、ことを特徴とする請求項1に記載のドローン。
【請求項6】
前記バッテリー部は電極領域を備え、前記電極領域は、少なくとも1つの正極と、少なくとも1つの負極と、少なくとも1つの識別部品とを備え、前記正極と前記負極と前記識別部品は、互いに重なり合うまたは分離するように配置される、ことを特徴とする請求項1に記載のドローン。
【請求項7】
前記バッテリー部収容溝は複数の金属製弾性片部材を備え、前記バッテリー部が前記バッテリー部収容溝に収容されると、前記複数の金属製弾性片部材のそれぞれは前記正極と前記負極と前記識別部品とに当接する、ことを特徴とする請求項6に記載のドローン。
【請求項8】
ドローンのバッテリー部交換システムであって、複数のバッテリー部と少なくとも1つのドローンとバッテリー部交換ステーションとを備え、
前記ドローンは、フレーム本体と前記複数のバッテリー部のうちの1つの前記バッテリー部とを備え、
前記フレーム本体は、バッテリー部収容溝とガイドレールとを備え、前記ガイドレールが前記バッテリー部収容溝内に配置され、
前記バッテリー部は、第1方向または前記第1方向と反対の方向に沿って前記バッテリー部収容溝に置換可能に配置され、
前記バッテリー部交換ステーションには、前記複数のバッテリー部のうちの一部の前記バッテリー部を格納し、前記バッテリー部交換ステーションは搬送レールを備え、前記ドローンが前記バッテリー部交換ステーションに着陸すると、前記搬送レールが前記ガイドレールに突合せ接続し、前記搬送レールは、前記第1方向または前記第1方向と反対の方向に沿って、前記バッテリー部交換ステーションに格納される1つの前記バッテリー部を前記バッテリー部収容溝に搬送する、ことを特徴とするドローンのバッテリー部交換システム。
【請求項9】
前記搬送レールには複数の充電バッテリー保管位置が設けられ、前記バッテリー部交換ステーションに格納される各前記バッテリー部は、前記複数の充電バッテリー保管位置のうちの1つの充電バッテリー保管位置に格納され、前記充電バッテリー保管位置の個数が前記バッテリー部交換ステーションの前記複数のバッテリー部の個数と同じであり、または前記充電バッテリー保管位置の個数が前記バッテリー部交換ステーションに格納される前記複数のバッテリー部の個数の2倍である、ことを特徴とする請求項8に記載のバッテリー部交換システム。
【請求項10】
前記搬送レールと前記ガイドレールが、長手形状または環状の軌道を形成する、ことを特徴とする請求項8に記載のバッテリー部交換システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドローンに関し、より詳しくは、ドローン及びそのバッテリー部交換システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、演算処理チップの進化とモーター駆動力の効率向上に伴い、電気自動車、電気バイク、電気スクーター、ドローンなど多くの輸送機器が開発され、市場に広く応用されるようになった。従来のドローンは、伝統的なガソリン燃料を利用しており、燃料タンクの体積が大きくかつ温度が高いため、危険性および製造コストが高い。にもかかわらず、燃料タンクの体積を減らすことができないので、商業的にも都市的にも適用できない。
【0003】
電動ドローンは、ガソリン燃料駆動エンジンを置き換え、バッテリーを用いて駆動電力を供給している。従来のドローンで使用されていた複雑な動力機構は、電気モーターなどで置き換えることができ、ドローンの体積を効果的に縮小し、都市または商業輸送に適用できるようになった。
【0004】
しかしながら、既存の電動ドローンは航続力が不十分という問題があり、単一のバッテリーで提供される電力エネルギーに依存して短時間しか飛行力を提供できない。バッテリーの貯蔵電力エネルギーを大幅に高めることができない現状では、さらに多くのバッテリーを追加で搭載するとの提案があったが、ドローンの重量配分に影響を与え、ひいては積載量の効率まで下げる場合がある。また、既存のドローンのバッテリーを交換する際、大半手動で交換しなければならず、これに対応するためには、人及び機械を利用できる十分なスペースが必要となり、スペース、時間及び人件費の面で少なからぬ費用がかかる。
【0005】
したがって、従来技術における前述した問題及び欠点を解消することができるドローン及びそのバッテリー部交換システムをどのように開発するかはまだ解決されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の主な目的は、従来技術の欠点を解決できる、ドローン及びバッテリー部交換システムを提供することである。
【0007】
本発明のもう一つの目的は、第1位置決め部及び第2位置決め部は第1方向に位置ずれるように配置され、第1位置決め機構及び第2位置決め機構は、それぞれ、第1位置決め部及び第2位置決め部に対応するように設置されることで、第1方向に沿ってバッテリー部を自動的に交換することを容易にし、スペース、時間及び人件費を効果的に削減することができる、ドローン及びバッテリー部交換システムを提供することである。
【0008】
本発明のもう一つの目的はは、ドローンのバッテリー部の軌道に位置決め機能を付与する設計を用いて、単方向または双方向の迅速バッテリー交換を自動的に実現でき、かつドローン自動作業システムと整合して、ドローンのアイランドホッピング飛行を実現することができ、長距離で継続的な輸送に役立つことができる、ドローン及びそのバッテリー部交換システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、本発明の好ましい実施形態がドローンを提供する。前記ドローンは、フレーム本体とバッテリー部とを備え、前記フレーム本体はバッテリー部収容溝を備え、前記バッテリー部収容溝は第1位置決め部と第2位置決め部とを備え、前記第1位置決め部及び前記第2位置決め部は第1方向に位置ずれるように配置され、前記バッテリー部が前記バッテリー部収容溝に収容され、前記バッテリー部は第1位置決め機構と第2位置決め機構とを備え、前記第1位置決め機構が前記第1位置決め部に対応し、前記第2位置決め機構が前記第2位置決め部に対応する。
【0010】
上記の目的を達成するために、本発明の好ましい実施形態でがドローンのバッテリー部交換システムを提供する。前記ドローンのバッテリー部交換システムは複数のバッテリー部と少なくとも1つのドローンとバッテリー部交換ステーションとを備え、前記ドローンはフレーム本体と前記複数のバッテリー部のうちの1つの前記バッテリー部とを備え、前記フレーム本体は、バッテリー部収容溝とガイドレールとを備え、前記ガイドレールが前記バッテリー部収容溝内に配置され、前記バッテリー部は、第1方向または前記第1方向と反対の方向に沿って前記バッテリー部収容溝に置換可能に配置され、前記バッテリー部交換ステーションには、前記複数のバッテリー部のうちの一部の前記バッテリー部を格納し、前記バッテリー部交換ステーションは搬送レールを備え、前記ドローンが前記バッテリー部交換ステーションに着陸すると、前記搬送レールが前記ガイドレールに突合せ接続し、前記搬送レールは、前記第1方向または前記第1方向と反対の方向に沿って、前記バッテリー部交換ステーションに格納される1つの前記バッテリー部を前記バッテリー部収容溝に搬送する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の実施形態におけるドローンの構造概念図である。
【
図2】本発明に係るドローンのバッテリー部が第1方向に沿って置換可能にバッテリー部収容溝に収容される構造を示す概念図である。
【
図3】本発明の実施形態におけるドローンのバッテリー部の構造概念図である。
【
図4】本発明に係るドローンのバッテリー部が第1方向に沿って置換可能にバッテリー部収容溝に収容される構造を他の角度から見た時の構造概念図である。
【
図5】本発明に係るドローンのフレーム本体に設けられたバッテリー部収容溝及びバッテリー部の詳細な構造を示す図である。
【
図6】本発明の実施形態におけるドローンのバッテリー部交換システムの構造概念図である。
【
図7】
図6に示すドローンのバッテリー部交換システムの平面図及びその局在部を示す図である。
【
図8】
図6に示すドローンのバッテリー部交換システムの側面部分の詳細な構造を示す図である。
【
図9】本発明の実施形態におけるドローンのバッテリー部交換システムを示す図であり、詳しくは、ドローンがバッテリー部の交換ステーションに着陸している状態を示している。
【
図10】本発明の実施形態におけるドローンのバッテリー部交換システムの構造概念図である。
【
図11】
図10に示すドローンのバッテリー部交換システムの平面図である。
【
図12】本発明の実施形態におけるドローンのバッテリー部交換システムを示す図であり、詳しくは、ドローンがバッテリー部の交換ステーションを離れる状態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の特徴及び利点を具現化するいくつかの典型的な実施形態は、以下の内容で詳細に説明する。なお、本発明は、本願特許請求の範囲から逸脱することなく、様々な変更または改良を加えることができる。また、以下の説明及び図面は、本願発明を理解するためのものであり、本願発明を限定するためのものではない。
【0013】
図1は、本発明の実施形態におけるドローンの構造概念図である。
図2は、本発明に係るドローンのバッテリー部が第1方向に沿って置換可能にバッテリー部収容溝に収容される構造を示す概念図である。
図3は、本発明の実施形態におけるドローンのバッテリー部の構造概念図である。
図4は、本発明に係るドローンのバッテリー部が第1方向に沿って置換可能にバッテリー部収容溝に収容される構造を他の角度から見た時の構造概念図である。
図1~
図4に示すように、本発明のある実施形態では、ドローン1はフレーム本体2とバッテリー部3とを備える。フレーム本体2はバッテリー部収容溝21を備える。バッテリー部収容溝21は、第1位置決め部211及び第2位置決め部212を備え、第1位置決め部211と第2位置決め部212とは第1方向d1に位置ずれるように配置される(第1位置決め部211と第2位置決め部212とを結ぶ直線が第1方向d1と平行でない)。換言すれば、第1方向d1に第1位置決め部211及び第2位置決め部212が重なり合わない(第1方向d1に垂直する平面における、第1位置決め部211及び第2位置決め部212の投影が重なり合わない)。また、バッテリー部3は、バッテリー部収容溝21に収容されている。バッテリー部3は、第1位置決め機構31と第2位置決め機構32とを備え、第1位置決め機構31と第2位置決め機構32とは第1方向d1に位置ずれるように配置される(第1位置決め機構31と第2位置決め機構3とを結ぶ直線は、第1方向と平行でない)、すなわち、第1方向d1において互い違いに配置されている。第1位置決め機構31は、第1位置決め部211に対応し、第2位置決め機構32は、第2位置決め部212に対応する。簡単に言えば、第1位置決め部211及び第2位置決め部212は、第1方向d1において互い違い(位置すれる)に配置され、第1位置決め機構31及び第2位置決め機構32は、それぞれ、第1位置決め部211及び第2位置決め部212と位置合わせされることで、第1方向d1に沿った自動バッテリー部交換が容易になり、スペース、時間及び人件費を効果的に削減することができる。
【0014】
本発明によれば、第1位置決め機構31が第1位置決め部211と対応することは、第1位置決め機構31が第1位置決め部211に対応して配置され、かつ第1位置決め機構31と第1位置決め部211は互いに接触して位置決め可能であることを意味している。第2位置決め機構32が第2位置決め部212と対応することは、第2位置決め機構32が第2位置決め部212に対応して配置され、かつ第2位置決め機構32と第2位置決め部212は互いに接触して位置決め可能であることを意味している。
【0015】
他の実施形態では、好ましくは、本発明ドローン1のバッテリー部3が第1方向d1または第1方向d1と反対の方向に沿って置換可能にバッテリー部収容溝21に収容され、かつドローン1のフレーム本体2はガイドレール22を備え、前記ガイドレール22が第1方向d1に沿ってバッテリー部収容溝21に配置されている。この構造によれば、ガイドレール22により、バッテリー部3が第1方向d1に沿ってバッテリー部収容溝21内にスライドしてバッテリー部収容溝21に収容される。ただし、これには限定されない。
【0016】
図1及び
図2を参照されたい。他の実施形態では、本発明に係るドローン1は複数のプロペラ構造4を備え、前記プロペラ構造4がフレーム本体2に取り付けられ、プロペラ構造4が巻き起こす気流で、ドローン1を動かす推進力を提供する。また、他の実施形態では、フレーム本体2は、複数の保護部材23及び複数のスキッド24を備えている。プロペラ構造4を保護するために、保護部材23は、プロペラ構造4よりもドローン1の中心から離れるように、各プロペラ構造4の外側に配置されている。好ましくは、スキッド24がプロペラ構造4を支持するために各プロペラ構造4の下方に配置されている。複数のスキッド24によって、ドローンが飛行中でないときに立ち上がることができる。
【0017】
図3に示すように、バッテリー部3の第1位置決め機構31及び第2位置決め機構32は、バッテリー部3の中心に対して、点対称または線対称するように配置されるのが好ましい。具体的に、点対称の対称点は、バッテリー部3の中心点であり、線対称の対称線は、バッテリー部3の対角線である。他の実施形態では、バッテリー部3は電極領域33を備える。電極領域33は、少なくとも1つの正極331と少なくとも1つの負極332と少なくとも1つの識別部品333とを備え、かつ正極331、負極332及び識別部品333は、互いに重なり合うか、または分離するように配置されている。なお、本願発明はこれに限定されない。
【0018】
以下、本発明に係るドローン1のフレーム本体2に設けられるバッテリー部収容溝21の第1位置決め部211及び第2位置決め部212、並びにバッテリー部3の第1位置決め機構31及び第2位置決め機構32の動作について詳細に説明する。
図5は、本発明に係るドローンのフレーム本体に設けられるバッテリー部収容溝及びバッテリー部の詳細な構造を示す概念図である。
図5に示すように、第1位置決め部211は、第1ばね部材2111及び第1テーパ柱部材2112を備え、第2位置決め部212は、第2ばね部材2121及び第2テーパ柱部材2122を備えている。第1位置決め機構31及び第2位置決め機構32は、溝構造である。バッテリー部3がバッテリー部収容溝21に収容されると、第1ばね部材2111が弾性力を提供し、第1テーパ柱部材2112を第1位置決め機構31に収容させかつ第1位置決め機構31に当接して相互係合及び位置決めを行う。同時に、第2ばね部材2121が弾性力を提供し、第2テーパ柱部材2122を第2位置決め機構32に収容させかつ第2位置決め機構32に当接して相互係合及び位置決めを行う。第1位置決め部211及び第2位置決め部212、並びに第1位置決め機構31及び第2位置決め機構32は、第1方向d1において位置ずれるように配置されているので、バッテリー部3が第1方向d1に沿ってバッテリー部収容溝21に導入されるとき、位置決めミスが生じることがない。また、バッテリー部3の第1位置決め機構31及び第2位置決め機構32の対称関係により、バッテリー部3が第1方向d1またはその反対方向にバッテリー部収容溝21に導入しても、正確な位置に位置決めすることができる。
【0019】
バッテリー部収容溝21は、複数の金属製弾性片部材213を備える。バッテリー部3がバッテリー部収容溝21に収容されると、複数の金属製弾性片部材213は、正極331、負極332及び識別部品333に当接し、バッテリー部3とドローン1の内部回路との間の電気的接続を形成することができる。他の実施形態では、識別部品333は、識別抵抗器または識別チップであるが、これに限定されない。
【0020】
図6、
図7及び
図8を参照されたい。
図6は、本発明の実施形態におけるドローンのバッテリー部交換システムの構造概念図である。
図7は、
図6に示すドローンのバッテリー部交換システムの平面図及びその局在部を示す図である。
図8は、
図6に示すドローンのバッテリー部交換システムの側面部分の詳細な構造を示す図である。
図6~
図8に示すように、本発明の実施形態によって提供されるドローンのバッテリー部交換システム5は、複数のバッテリー部6と、少なくとも1つのドローン7と、バッテリー部交換ステーション9とを備える。各ドローン7は、フレーム本体8と、複数のバッテリー部6にある1つのバッテリー部6とを備える。フレーム本体8は、バッテリー部収容溝81と、ガイドレール82とを備え、ガイドレール82がバッテリー部収容溝81内に配置される。バッテリー部6は、第1方向d1または第1方向d1と反対の方向に沿ってバッテリー部収容溝81に置換可能に収容されている。バッテリー部交換ステーション9には、複数のバッテリー部6のうちの一部のバッテリー部6を格納しており、バッテリー部交換ステーション9は、搬送レール91を備えている。ドローン7がバッテリー部交換ステーション9に着陸すると、搬送レール91がガイドレール82に合わせて接続され、搬送レール91によって、第1方向d1または第1方向d1と反対の方向に沿って、バッテリー部交換ステーション9に格納された1つのバッテリー部6をバッテリー部収容溝81に搬送する。
【0021】
なお、本発明ドローンのバッテリー部交換システム5のドローン7の構造では、交換可能なバッテリー部6と、フレーム本体内に固定して設置された固定バッテリー部(図示せず)とを備えても良い。固定バッテリー部は、飛行制御コンピューターなどの低消費電力システムを提供するために使用され、バッテリー部の迅速な交換時には、交換可能なバッテリー部6の代わりに飛行電力を提供することができる。そのため、飛行任務を中断することなくバッテリー部の交換を完了することができる。
【0022】
本実施形態では、バッテリー部交換ステーション9の搬送レール91と、ドローン7のフレーム本体8のガイドレール82とが突合せ接続し、長い長手形状の軌道を形成する。搬送レール91には複数の充電バッテリー保管位置が設けられ、バッテリー部交換ステーション9に格納された各バッテリー部6が複数の充電バッテリー保管位置のうちの1つの充電バッテリー保管位置に配置されている。充電バッテリー保管位置の個数がバッテリー部交換ステーション9の複数のバッテリー部6の個数の2倍である。これによって、ドローン7のシステムがバッテリー部6の電力がタスクを完了するのに不十分であることを確認すると、ドローン7は、最も近いバッテリー部交換ステーション9に着陸し、バッテリー部交換ステーション9の搬送レール91とドローン7のフレーム本体8のガイドレール82とが突合せ接続して、バッテリー部の交換を行うことができる。この構造は、第1方向d1または第1方向d1と反対の方向に沿ってバッテリー部6を搬送する双方向交換機能を提供できるように、充電バッテリー保管位置の個数はバッテリー部6の個数の2倍に設定している。これによって、バッテリー部交換ステーション9は、格納されるすべてのバッテリー部6が同じ側に搬送された場合、すべてのバッテリー部6を収容し、且つ、格納されるすべてのバッテリー部6を同じに充電することができる。
【0023】
図8を参照されたい。
図8に示すように、バッテリー部6が搬送レール91によって第1方向d1に搬送されると、ドローン7に取り付けられたバッテリー部6が押さえられ、これにより、ガイドレール82の第1位置決め部811の第1テーパ柱部材8112及び第2位置決め部812の第2テーパ柱部材8122が押さえられる。第1ばね部材8111及び第2ばね部材8121が圧力を受けて持ち上げられ、交換すべきバッテリー部6の第1位置決め機構61が第1ばね部材8111及び第1テーパ柱部材8112の直下に位置し、且つ第2位置決め機構62が第2ばね部材8121及び第2テーパ柱部材8122の直下に位置すると、第1ばね部材8111及び第2ばね部材8121の復元力は第1テーパ柱部材8112及び第2テーパ柱部材8122を下方に押し付けて第1位置決め機構61及び第2位置決め機構62に係合させ、バッテリー部の交換を完了する。このとき、バッテリー部収容溝81の金属製弾性片部材813はバッテリー部6の電極領域63に当接する。
【0024】
図9、
図10、
図11及び
図12を参照されたい。
図9は、本発明の実施形態におけるドローンのバッテリー部交換システムのドローンがバッテリー部交換ステーションに着陸した状態を示す図である。
図10は、本発明の実施形態におけるドローンのバッテリー部交換システムの構造概念図である。
図11図は、
図10に示すドローンのバッテリー部交換システムの平面図である。
図12は、本発明の実施形態におけるドローンのバッテリー部交換システムのドローンがバッテリー部交換ステーションを離れる状態を示す図である。
図9~
図12に示すように、本発明の実施形態によって提供されるバッテリー部交換ステーション9の搬送レール91と、ドローン7のフレーム本体8のガイドレール82との接続により、環状の軌道を形成する。搬送レール91には複数の充電バッテリー保管位置が設けられ、且つバッテリー部交換ステーション9に格納された各バッテリー部6は、複数の充電バッテリー保管位置のうちの1つの充電バッテリー保管位置に収容される。
【0025】
ドローン7のシステムがバッテリー部6の電量がタスクを完了するのに不十分であることを確認すると、
図9に示すように、ドローン7は、バッテリー部交換ステーション9に着陸して、バッテリー部交換ステーション9の搬送レール91がドローン7のフレーム本体8のガイドレール82に突合せ接続され、バッテリー部の交換を行う(
図10を参照)。この構造は、単一方向に沿ってバッテリー部6を搬送する単方向交換機能を提供し、ドローン7に交換されたバッテリー部6が搬送レール91によって環状の軌道に沿って一回りした充電時間が最も長いバッテリー部6であることを確保する。この構造における充電バッテリー保管位置の個数がバッテリー部交換ステーション9に格納される複数のバッテリー部6の個数と同じであることが好ましいが、これには限定されない。バッテリー部6の交換を完了した後、ドローン7は、
図12に示すように、バッテリー部交換ステーション9を離れ、飛行タスクを続ける。
【0026】
図6及び
図9を参照されたい。他の実施形態では、バッテリー部交換ステーション9はさらにプラットフォーム92を備え、プラットフォーム92は、複数のスキッド受け部921を備えている。ドローン7がバッテリー部交換ステーション9のプラットフォーム92に着陸すると、ドローン7のフレーム本体8の複数のスキッド84が複数のスキッド受け部921に1つずつ収容されるので、ドローン7の離着陸時により正確にバッテリー部交換ステーション9を位置合わせすることができる。なお、本発明はこの方式に限定されない。
【0027】
本発明の構想によれば、本発明ドローンのバッテリー部交換システム5は、複数のバッテリー部交換ステーション9を備えてもよく、かつバッテリー部交換ステーション9は、上記のいずれかの実施形態としても良い。バッテリー部交換ステーション9の個数が十分でかつ広く分布していれば、本発明ドローンのバッテリー部交換システム5は、ドローンの広範囲なアイランドホッピング飛行を実現でき、長距離輸送に適用することができる。
【0028】
上述したように、本発明は、ドローン及びバッテリー部交換システムを提供する。第1位置決め部及び第2位置決め部は、第1方向に位置ずれるように配置され、かつ第1位置決め機構及び第2位置決め機構のそれぞれが第1位置決め部及び第2位置決め部に対応するように設計することで、第1方向に沿ってバッテリー部を自動的に交換することを容易にし、それにより、スペース、時間及び人件費を効果的に削減することができる。同時に、本発明のバッテリー部交換システムは、ドローンのバッテリー部に位置決め機能を付与する設計によって、完全に自動化された単方向または双方向の迅速なバッテリー交換を実現することができ、且つドローンの自動ディスパッチシステムにより、ドローンの広範囲なアイランドホッピング飛行を実現し、長距離輸送に適用することができる。
【0029】
本発明は、上記の実施形態によって詳細に説明されたが、当業者が多くの方式で変更または改良することができ、その変更または改良のいずれも本願特許請求の範囲に含まれている。
【符号の説明】
【0030】
1:ドローン
2:フレーム本体
21:バッテリー部収容溝
211:第1位置決め部
2111:第1ばね部材
2112:第1テーパ柱部材
212:第2位置決め部
2121:第2ばね部材
2122:第2テーパ柱部材
213:金属製弾性片部材
22:ガイドレール
23:保護部材
24:スキッド
3:バッテリー部
31:第1位置決め機構
32:第2位置決め機構
33:電極領域
331:正極
332:負極
333:識別部品
4:プロペラ構造
5:ドローンのバッテリー部交換システム
6:バッテリー部
61:第1位置決め機構
62:第2位置決め機構
63:電極領域
7:ドローン
8:フレーム本体
81:バッテリー部収容溝
811:第1位置決め部
8111:第1ばね部材
8112:第1テーパ柱部材
812:第2位置決め部
8121:第2ばね部材
8122:第2テーパ柱部材
813:金属製弾性片部材
82:ガイドレール
84:スキッド
9:バッテリー部交換ステーション
91:搬送レール
92:プラットフォーム
921:スキッド受け部
d1:第1方向
【外国語明細書】