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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022097402
(43)【公開日】2022-06-30
(54)【発明の名称】扉開閉判定装置、及び施解錠制御装置
(51)【国際特許分類】
   E05F 7/00 20060101AFI20220623BHJP
   E05B 47/00 20060101ALI20220623BHJP
【FI】
E05F7/00 F
E05B47/00 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021197536
(22)【出願日】2021-12-06
(31)【優先権主張番号】P 2020210859
(32)【優先日】2020-12-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000130433
【氏名又は名称】株式会社ゴール
(71)【出願人】
【識別番号】390000594
【氏名又は名称】株式会社レクザム
(74)【代理人】
【識別番号】100180644
【弁理士】
【氏名又は名称】▲崎▼山 博教
(72)【発明者】
【氏名】北村 俊康
(72)【発明者】
【氏名】梅谷 昌弘
(72)【発明者】
【氏名】水野 翔太
(72)【発明者】
【氏名】横内 靖典
(72)【発明者】
【氏名】榎本 羊太
(57)【要約】
【課題】扉側への施工のみで設置可能であり、施工性や意匠性の面において優れ、扉側以外に別途部品を設けることによるコストアップを抑制可能な扉開閉判定装置、及び施解錠制御装置の提供を目的とした。
【解決手段】扉開閉判定部30は、移動経路に含まれる所定の基準位置から移動経路の一方側へ向かう方向を正方向とし、正方向とは逆方向を負方向として扉Dの位置情報を取得する位置取得部32と、位置取得部32から出力される位置情報に基づいて扉Dの開閉状態を判定する判定部34と、を有し、扉Dが閉状態であるときに位置取得部32によって取得される扉Dの位置情報の範囲が閉判定基準として規定され、判定部34は、位置取得部32により取得される扉Dの位置情報が、閉判定基準を外れた位置であることを条件として扉Dが開状態、閉判定基準と合致することを条件として、扉Dが閉状態であるとの判定を行う。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の移動経路による往復動により開閉する扉の開閉状態を判定する扉開閉判定装置であって、
扉に対して直接的あるいは間接的に取り付けられ、前記移動経路に含まれる所定の基準位置から前記移動経路の一方側へ向かう方向を正方向とし、当該正方向とは逆方向を負方向として前記扉の位置情報を取得する位置取得部と、
前記位置取得部から出力される位置情報に基づいて扉の開閉状態を判定する判定部と、を有し、
前記扉が閉状態であるときに前記位置取得部によって取得されると想定される前記扉の位置情報の範囲が閉判定基準として規定され、
前記判定部は、
前記位置取得部により取得される扉の位置情報が、前記閉判定基準を外れた位置であることを条件として、前記扉が開状態であるとの判定を行い、
前記位置取得部により取得される扉の位置情報が、前記閉判定基準と合致することを条件として、前記扉が閉状態であるとの判定を行うこと、を特徴とする扉開閉判定装置。
【請求項2】
前記位置取得部が、慣性センサを備えていること、を特徴とする請求項1に記載の扉開閉判定装置。
【請求項3】
前記扉が、開き戸であり、
前記位置取得部が、ジャイロセンサを備えており、当該ジャイロセンサにより検出される角速度に基づき、前記扉の回動方向及び前記扉の位置を取得可能であること、を特徴とする請求項1又は2に記載の扉開閉判定装置。
【請求項4】
前記ジャイロセンサが、複数の基準軸を中心とする回転に伴う向きの変化を角速度として検知可能なものであり、
前記位置取得部が、前記複数の基準軸のうちの一つを前記扉の回動検知のための回動基準軸とし、前記回動基準軸を前記扉の回動軸線に沿うように前記ジャイロセンサを前記扉に対して配することにより、前記ジャイロセンサから出力信号のうち、前記回動基準軸を中心とする回転に関する角速度に基づき、前記扉の回動方向及び前記扉の位置を取得可能であること、を特徴とする請求項3に記載の扉開閉判定装置。
【請求項5】
前記判定部は、
前記ジャイロセンサからの出力の積分値が所定の閾値以上になるなることを条件として前記扉が開状態であると判定し、
前記ジャイロセンサからの出力の積分値が所定の閾値未満となることを条件として前記扉が閉状態であると判定すること、
を特徴とする請求項3又は4に記載の扉開閉判定装置。
【請求項6】
前記判定部は、
前記ジャイロセンサからの出力の積分値が所定の閾値未満となった状態で所定時間、所定誤差内に維持されることを条件として、前記扉が閉状態であると判定すること、
を特徴とする請求項5に記載の扉開閉判定装置。
【請求項7】
前記基準位置が、前記扉を閉状態とした位置とされること、を特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の扉開閉判定装置。
【請求項8】
前記扉が閉状態である時点を基準として前記位置取得部の検知誤差に関する補正が行われること、を特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の扉開閉判定装置。
【請求項9】
所定の移動経路による往復動により開閉する扉の施解錠を制御する施解錠制御装置であって、
前記扉を施解錠する施解錠装置の制御を行う施解錠制御部と、
請求項1~8のいずれか1項に記載の扉開閉判定装置と、を備えており、
前記施解錠制御部が、前記扉開閉判定装置による判定結果に基づいて前記施解錠装置を制御可能であること、を特徴とする施解錠制御装置。
【請求項10】
前記施解錠制御部により前記扉を閉状態から開状態に切り替える制御が行われる時点を基準として前記位置取得部により検知される前記扉の位置情報の検知誤差に関する補正が行われること、を特徴とする請求項9に記載の施解錠制御装置。
【請求項11】
前記施解錠制御装置を構成する筐体の内部に、前記扉開閉判定装置が内包されていること、を特徴とする請求項9又は10に記載の施解錠制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、扉開閉判定装置、及び施解錠制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、下記特許文献1に開示されている電気錠システムのように、扉枠側のストライクと扉側の錠本体との間の位置関係に係る情報を取得し、錠前を施解錠する装置が提供されている。下記特許文献1の電気錠システムは、扉枠側には磁石を設け、扉側に備えた錠本体内に磁石に対向して磁気センサを設けたものとされている。磁気センサは、扉の開閉に伴う磁石による磁界の大きさを検知可能とされている。また、下記特許文献1の電気錠システムは、磁気演算部を備えており、磁気センサが検知した磁界の大きさと、閉扉や錠前の施錠可能状態に応じて予め初期設定された設定磁界の大きさとを比較し、その大小比較結果に応じて閉扉状態や錠前の施錠可能状態を示す判別信号を主制御部に出力可能なものとされている。下記特許文献1の電気錠システムは、磁気演算部からの判別信号によって主制御部が扉枠のストライクと錠本体との位置関係を示す情報を取得し、外部から施解錠操作が正常に行われたとき、磁気演算部からの現在の扉及び錠前の状態を示す判別信号に基づいて錠前を施解錠制御するものとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-198053号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、上述した特許文献1に開示されている電気錠システムのような構成とする場合には、扉枠側及び扉側の双方に部品を配置する必要があり、施工に手間を要するという問題がある。また、特許文献1のような構成とした場合には、扉側だけでなく、扉枠側に部品を配する必要があるため、その分だけ意匠性が低下してしまったり、部品点数が多い分だけ製造コストの増加に繋がったりする懸念がある。
【0005】
そこで本発明は、扉側への施工のみで設置可能であり、施工性や意匠性の面において優れ、扉側以外に別途部品を設けることによるコストアップを抑制可能な扉開閉判定装置、及び施解錠制御装置の提供を目的とした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)上述した課題を解決すべく提供される本発明の扉開閉判定装置は、所定の移動経路による往復動により開閉する扉の開閉状態を判定するものであって、扉に対して直接的あるいは間接的に取り付けられ、前記移動経路に含まれる所定の基準位置から前記移動経路の一方側へ向かう方向を正方向とし、当該正方向とは逆方向を負方向として前記扉の位置情報を取得する位置取得部と、前記位置取得部から出力される位置情報に基づいて扉の開閉状態を判定する判定部と、を有し、前記扉が閉状態であるときに前記位置取得部によって取得される前記扉の位置情報の範囲が閉判定基準として規定され、前記判定部は、前記位置取得部により取得される扉の位置情報が、前記閉判定基準を外れた位置であることを条件として、前記扉が開状態であるとの判定を行い、前記位置取得部により取得される扉の位置情報が、前記閉判定基準と合致することを条件として、前記扉が閉状態であるとの判定を行うこと、を特徴とするものである。
【0007】
本発明の扉開閉判定装置は、扉の開閉に伴う移動経路に含まれる所定の基準位置に対して移動経路の一方側に向かう方向を正方向、他方側(逆側)に向かう方向を負方向として扉の位置情報を取得する位置取得部を備えている。また、本発明の扉開閉判定装置は、位置取得部から出力される位置情報に基づいて扉の開閉状態を判定する判定部を備えている。本発明の扉開閉判定装置は、扉が閉状態であるときに位置取得部によって取得される位置情報の範囲を閉判定基準として規定しておき、位置取得部により取得される扉の位置情報が閉判定基準から外れていることを条件として扉が開状態であり、扉の位置情報が閉判定基準と合致することを条件として扉が閉状態であると判定することができる。このように、本発明の扉開閉判定装置は、扉に対して直接的あるいは間接的に取り付けられた位置取得部を用いて、扉が開状態であるのか閉状態であるのかを判定できるため、扉側への施工のみで設置可能であり、施工性や意匠性の面において優れている。また、本発明の扉開閉判定装置は、扉側以外に別途部品を設けることによるコストアップを抑制することができる。
【0008】
(2)上述した扉開閉判定装置は、前記位置取得部が、慣性センサを備えていること、を特徴とするものであると良い。
【0009】
かかる構成によれば、位置取得部が備えている慣性センサにより得られる検知データに基づき、扉の開閉状態を精度良く判定できる。
【0010】
(3)上述した扉開閉判定装置は、前記扉が、開き戸であり、前記位置取得部が、ジャイロセンサを備えており、当該ジャイロセンサにより検出される角速度に基づき、前記扉の回動方向及び前記扉の位置を取得可能であること、を特徴とするものであると良い。
【0011】
かかる構成によれば、位置取得部が備えるジャイロセンサからの出力により、扉の回動方向及び扉の位置を取得し、扉が開状態にあるのか閉状態にあるのかを精度良く判定することができる。
【0012】
(4)上述した扉開閉判定装置は、前記ジャイロセンサが、複数の基準軸を中心とする回転に伴う向きの変化を角速度として検知可能なものであり、前記位置取得部が、前記複数の基準軸のうちの一つを前記扉の回動検知のための回動基準軸とし、前記回動基準軸を前記扉の回動軸線に沿うように前記ジャイロセンサを前記扉に対して配することにより、前記ジャイロセンサから出力信号のうち、前記回動基準軸を中心とする回転に関する角速度に基づき、前記扉の回動方向及び前記扉の位置を取得可能であること、を特徴とするものであると良い。
【0013】
かかる構成によれば、ジャイロセンサから出力される出力信号のうち、扉の回動軸線に沿う方向に延びる回動基準軸を中心とする回転に関する角速度に基づき、扉の回動方向及び扉の位置を取得することができる。そのため、上述した構成によれば、ジャイロセンサから出力される出力信号のうち、回動基準軸とは異なる他の基準軸を中心とする回転についての出力信号を用いなくても扉の回動方向及び扉の位置を取得することができる。従って、上述した構成によれば、扉の回動方向や扉の位置を取得するために要する演算処理を最小限に抑制でき、その分だけ演算処理に要する負荷を低減させることができる。
【0014】
(5)上述した扉開閉判定装置において、前記判定部は、前記ジャイロセンサからの出力の積分値が所定の閾値以上になることを条件として前記扉が開状態であると判定し、前記ジャイロセンサからの出力の積分値が所定の閾値未満となることを条件として前記扉が閉状態であると判定するものであると良い。
【0015】
本発明の扉開閉判定装置は、上述した構成とすることにより、ジャイロセンサからの出力の積分値に基づいて、扉の開閉状態を判定することができる。また、上述したように扉の開閉の判定基準として所定の閾値を設定することにより、扉のバタつきによる誤検知を抑制できる。
【0016】
(6)上述した扉開閉判定装置において、前記判定部は、前記ジャイロセンサからの出力の積分値が所定の閾値未満となった状態で所定時間、所定誤差内に維持されることを条件として、前記扉が閉状態であると判定するものであると良い。
【0017】
本発明の扉開閉判定装置は、上述した構成とすることにより、扉が閉状態にあるか否か、かつ停止しているか否かを判定可能とし、扉が閉状態であると誤検知されるのを抑制できる。従って、本発明の扉判定装置によれば、扉が閉状態であるか否かの判定精度をより一層向上させることができる。
【0018】
(7)上述した扉開閉判定装置は、前記基準位置が、前記扉を閉状態とした位置とされること、を特徴とするものであると良い。
【0019】
かかる構成によれば、基準位置を正確に設定することが可能となり、例えば扉の開閉に伴う移動経路の中間位置を基準位置とした場合等に比べて、扉の開閉状態についての判定精度を向上させることができる。
【0020】
(8)上述した扉開閉判定装置は、前記扉が閉状態である時点を基準として前記位置取得部の検知誤差に関する補正が行われること、を特徴とするものであると良い。
【0021】
かかる構成によれば、扉の位置情報の検知精度を向上させることができ、その分だけ扉の開閉状態についての判定精度を向上させることができる。
【0022】
(9)上述した課題を解決すべく提供される本発明の施解錠制御装置は、所定の移動経路による往復動により開閉する扉の施解錠を制御する施解錠制御装置であって、前記扉を施解錠する施解錠装置の制御を行う施解錠制御部と、上述した扉開閉判定装置と、を備えており、前記施解錠制御部が、前記扉開閉判定装置による判定結果に基づいて前記施解錠装置を制御可能であること、を特徴とするものである。
【0023】
本発明の施解錠制御装置は、上述した扉開閉判定装置を備えている。そのため、本発明の施解錠制御装置は、扉の開閉を判定するための構成を、扉側への施工のみで設置可能であり、施工性や意匠性の面において優れ、扉側以外に別途部品を設けることによるコストアップを抑制可能なものとすることができる。
【0024】
(10)上述した施解錠制御装置は、前記施解錠制御部により前記扉を閉状態から開状態に切り替える制御が行われる時点を基準として前記位置取得部により検知される前記扉の位置情報の検知誤差に関する補正が行われること、を特徴とするものであると良い。
【0025】
かかる構成によれば、扉の位置情報の検知精度を高精度なものとし、その分だけ扉の開閉状態についての判定を精度良く行うことができる。
【0026】
(11)上述した施解錠制御装置は、当該施解錠制御装置を構成する筐体の内部に、前記扉開閉判定装置が内包されていること、を特徴とするものであると良い。
【0027】
かかる構成によれば、施解錠制御装置の筐体を扉に取り付けることにより、扉開閉判定装置を設置することができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、扉側への施工のみで設置可能であり、施工性や意匠性の面において優れ、扉側以外に別途部品を設けることによるコストアップを抑制可能な扉開閉判定装置、及び施解錠制御装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明の実施形態に係る施解錠制御装置及び扉開閉判定装置を扉に設けた構成を例示した説明図である。
図2】本発明の実施形態に係る施解錠制御装置、扉開閉判定装置、及びこれに付随して使用される機器類の構成を示すブロック図である。
図3図1の施解錠制御装置及び扉開閉判定装置の動作の一例を示したフローチャートである。
図4図1の施解錠制御装置及び扉開閉判定装置において行われる扉の位置情報の検知誤差に関する補正について説明するためのグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の一実施形態に係る施解錠制御装置10、及び扉開閉判定部30について、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の説明においては、施解錠制御装置10、及び扉開閉判定部30が設けられる扉D、及び扉Dに設けられた施解錠装置1について説明を行った後、施解錠制御装置10、及び扉開閉判定部30について詳細に説明する。
【0031】
≪扉D及び施解錠装置1の構成について≫
図1図2に示すように、施解錠装置1は、扉Dに設けられるロック機構部2を備えている。扉Dは、例えば、家屋等の建物や各種の機械、器具、装置等に設けられるものである。本実施形態では、扉Dは、例えば家屋の玄関等において建物の内外(屋内外)を隔てるように設けられたものとされている。扉Dは、いわゆる開き戸とされており、幅方向一方側に設けられた蝶番等を支軸として回動させることにより、所定の移動経路による往復動により開閉可能とされている。また、扉Dは、ハンドル3を備えている。扉Dは、ハンドル3を操作することにより開閉可能とされている。具体的には、ハンドル3は、後に詳述するロック機構部2の動作機構部2bに対して動力を入力することにより、ラッチ2dを扉Dの内側に向けて退入させ、扉Dを開閉することができる。
【0032】
ロック機構部2は、扉Dに対して取り付けられている。ロック機構部2は、アクチュエータ2a、動作機構部2b、デッドボルト2c、及びラッチ2dを備えている。ロック機構部2は、アクチュエータ2aにおいて発生した動力を、動作機構部2bを介してデッドボルト2cに伝達することによりデッドボルト2cを作動させることにより、扉Dを施解錠する動作(施解錠動作)を行うことができる。
【0033】
アクチュエータ2aは、例えばモータや電動シリンダ等によって構成されており、電気的に作動可能なものとされている。動作機構部2bは、アクチュエータ2a及びデッドボルト2cを動力伝達可能に繋ぐ機構を備えている。また、動作機構部2bは、ハンドル3から入力された動力をラッチ2dに伝達する機構を備えている。
【0034】
デッドボルト2cは、動作機構部2bを介してアクチュエータ2aから動力を受けることにより、扉Dの側面から突出、退入可能とされている。ロック機構部2は、デッドボルト2cを扉枠(図示せず)に設けられた受け金具(ストライク)に向けて突出させることにより扉Dを施錠状態とし、デッドボルト2cを扉D側に退入させることにより、扉Dを開錠状態とすることができる。
【0035】
ラッチ2dは、ロック機構部2に設けられたバネ等の付勢部材(図示せず)により、扉Dの側面から突出するように付勢されている。ラッチ2dは、動作機構部2bを介してハンドル3から動力を受けることにより、前述したバネの付勢力に反して扉Dの内側に向けて退入可能とされている。ラッチ2dは、扉枠(図示せず)に設けられた受け金具(ストライク)に向けて突出することにより、扉Dを閉じた状態に維持することができる。また、ハンドル3の操作によりラッチ2dを受け金具(ストライク)から退出させることにより、扉Dを開閉可能な状態とすることができる。
【0036】
施解錠制御装置10は、上述したように、所定の移動経路による往復動により開閉する扉Dの施解錠を制御するためのものである。施解錠制御装置10は、施解錠制御部20と、扉開閉判定部30(扉開閉判定装置)とを備えている。
【0037】
施解錠制御部20は、扉Dを施解錠するための施解錠装置1の制御を行うものである。施解錠制御部20は、扉開閉判定部30による判定結果等に基づいて施解錠装置1を制御可能とされている。施解錠制御部20は、認証情報入力部22、認証制御部24、扉開閉情報入力部26、及びロック機構制御部28を備えている。
【0038】
認証情報入力部22は、ユーザ操作による情報の入力を受け付ける部分である。認証情報入力部22は、例えば、扉Dの正面側(室外側)に取り付けられる操作部22aを有し、施解錠を行うための認証情報をユーザーが入力するための入力デバイスとして機能する部分である。
【0039】
認証制御部24は、認証情報入力部22に入力された情報と、別途準備された照合用認証情報とに基づいて、施解錠装置1の動作制御(施解錠に係る制御)についての認証制御を行うものである。認証制御部24は、認証情報入力部22に入力された情報が、照合用認証情報に符合(対応)するものであることを条件として、施解錠装置1の動作制御を許容するものである。
【0040】
扉開閉情報入力部26は、扉開閉判定部30から出力される扉Dの開閉状態を示す情報(扉開閉情報)を受け付ける部分である。
【0041】
ロック機構制御部28は、ロック機構部2の動作制御を行うものである。ロック機構制御部28は、アクチュエータ2aに対して電気的に接続されている。ロック機構制御部28は、制御信号を発信してアクチュエータ2aを作動制御を行うことにより、デッドボルト2cの進退を制御し、施解錠を行う。
【0042】
扉開閉判定部30は、所定の移動経路による往復動により開閉する扉Dの開閉状態を判定するものである。扉開閉判定部30は、施解錠制御装置10とは別の装置として独立した装置とすることも可能であるが、本実施形態では、施解錠制御装置10の一部をなすものとして、施解錠制御装置10の筐体に内包されている。扉開閉判定部30は、施解錠制御装置10とは別の装置として設けることも可能であるが、本実施形態では施解錠制御装置10を構成するものとして、施解錠制御装置10の筐体の内部に組み込まれている。扉開閉判定部30は、位置取得部32、及び判定部34を備えている。
【0043】
位置取得部32は、扉Dに対して直接的あるいは間接的に取り付けられることにより、扉Dと共に所定の移動経路で移動可能とされている。位置取得部32は、扉Dの移動経路に含まれる所定の基準位置に対して移動経路の一方側に向かう方向を正方向、正方向とは逆方向を負方向として扉Dの位置情報を取得可能とされている。本実施形態では、位置取得部32は、扉Dが閉状態である位置を基準位置とし、扉Dを開く方向を正方向及び負方向のうちのいずれか一方、扉Dを閉じる方向を正方向あるいは負方向の他方として扉Dの位置情報を取得可能とされている。
【0044】
位置取得部32は、慣性センサを備えている。具体的には、位置取得部32は、ジャイロセンサ32aを具備したものとされている。ジャイロセンサ32aは、複数の基準軸を中心とする回転に伴う向きの変化を角速度として検知可能なものである。位置取得部32は、ジャイロセンサ32aにより検出される角速度に基づき、扉Dの回動方向及び扉Dの位置を取得することができる。
【0045】
具体的には、ジャイロセンサ32aは、互いに直交するX軸、Y軸、及びZ軸からなる基準軸を中心とする回転に関する角速度を出力可能とされている。本実施形態では、施解錠制御装置10(扉開閉判定部30)を扉Dに対して所定の姿勢で取り付けることにより、複数(本実施形態では3つ)の基準軸のうちの一つが扉Dの回動軸線に沿うようにジャイロセンサ32aを配することができる。位置取得部32は、扉Dの回転軸線に沿うように延びる基準軸を扉Dの回動検知のための回動基準軸とし、ジャイロセンサ32aから出力信号のうち、回動基準軸を中心とする回転に関する角速度に係る信号に基づき、扉Dの回動方向及び扉の位置情報を取得することができる。
【0046】
位置取得部32は、所定のタイミングで、ジャイロセンサ32aによって検知される扉Dの検知誤差に関する補正を行うことができる。本実施形態では、位置取得部32は、扉Dが閉状態である時点を基準として所定のタイミングでジャイロセンサ32aから出力される検知信号に基づいて位置情報の補正を行う。さらに具体的には、位置取得部32は、扉Dが閉状態である状態において、施解錠制御部20により施解錠装置1を解錠状態とする制御信号が出力されることを条件として、ジャイロセンサ32aから出力される検知情報が、扉Dが閉状態である位置を示す情報となるように、位置情報の補正を行う。
【0047】
判定部34は、位置取得部32から出力される位置情報に基づいて扉Dの開閉状態を判定するものである。具体的には、扉Dが閉状態であるときに位置取得部32によって取得される扉Dの位置情報の範囲を閉判定基準として規定しておくことにより、判定部34は、閉判定基準を基準として、位置取得部32から取得した回動基準軸を中心とする回転に関する角速度に係る信号に基づき、扉Dの開閉状態を判定することができる。すなわち、位置取得部32から取得した扉Dの位置情報が閉判定基準を外れた位置にある場合に扉Dが開状態であるとの判定を行い、閉判定基準の範囲内にある場合に扉Dが閉状態であるとの判定を行う。さらに具体的には、本実施形態では、扉Dが閉状態であるときの扉Dの角度(位置情報)を0度とし、扉Dの角度の検知誤差を考慮して閉判定基準を0度が含まれる所定の角度範囲に規定する。判定部34は、位置取得部32により取得される扉Dの角度が扉Dが閉判定基準の範囲内であることを条件として扉Dが閉状態であると判定する。また、判定部34は、位置取得部32により取得される扉Dの角度が扉Dが閉判定基準の範囲外であることを条件として扉Dが開状態であると判定する。
【0048】
続いて、施解錠制御装置10、及び扉開閉判定部30の動作について、図3に示すフローチャート、及び図4に示すグラフを参照しつつ、詳細に説明する。
【0049】
(ステップ1)
ステップ1において、施解錠制御装置10から施解錠装置1に対して解錠状態であることを示す信号(解錠状態信号)が出力されているか否かが確認される。ここで、解錠指令信号が出力されたことが確認されると、制御フローがステップ2に進められる。
【0050】
(ステップ2)
ステップ2において、扉開閉判定部30は、位置取得部32のジャイロセンサ32aをオン状態とする。これにより、扉Dを開閉することに伴う角速度の変化をジャイロセンサ32aにおいて捉えて出力可能な状態になる。その後、制御フローがステップ3に進められる。
【0051】
(ステップ3)
ステップ3において、扉開閉判定部30は、ステップ2でジャイロセンサ32aがオン状態になった直後にジャイロセンサ32aから出力された検知信号(初期信号)にもとづき、ジャイロセンサ32aの測定誤差を補正する処理(測定誤差補正処理)を行う。具体的には、扉Dが閉状態から開状態に変化しはじめる段階においては、扉Dの角速度はゼロである。そのため、扉Dの開閉に伴ってジャイロセンサ32aによって検知される角速度は、扉Dが開く動作を行っている間にゼロから正方向あるいは負方向(図示例では負方向)に経時変化し、扉Dが最も開いた状態から戻る間に開く動作を行っている間とは逆方向(図示例では正方向)に経時変化する。また、ジャイロセンサ32aから出力された角速度に係るグラフを積分することにより、扉Dの角度(位置情報)を導出することができる。
【0052】
ここで、ジャイロセンサ32aは、初期位置が経時的に変位する特性を有する。このような特性により、ジャイロセンサ32aから出力される角速度は、図4のグラフにおいて破線で示すように、扉Dが閉状態から開状態に変化しはじめる段階においてゼロから外れる。扉Dが閉状態である際には角速度がゼロであることを利用し、ステップ4においては、ジャイロセンサ32aがオン状態になった直後にジャイロセンサ32aから出力された検知信号にもとづいて、ジャイロセンサ32aの測定誤差を補正する処理を行う。これにより、図中において破線で示すように出力される角速度の変化を、同図において実線で示すような角速度の変化として捉えることができるようになる。このような補正処理が行われると、制御フローがステップ4に進められる。
【0053】
(ステップ4)
ステップ4において、扉開閉判定部30は、ジャイロセンサ32aからの出力に基づき、扉Dを開く動作がなされたか否かを確認する。なお、本実施形態では、扉開閉判定部30は、扉Dのバタつきを考慮し、ジャイロセンサ32aからの出力の積分値が一定の閾値以上になることを条件として開と判定する。ここで、扉Dの開閉がなされたことが確認されると、制御フローがステップ5に進められる。
【0054】
(ステップ5)
ステップ5において、扉開閉判定部30は、位置取得部32により取得される扉Dの角度(位置)の検出を行う。扉Dの角度(位置)の検出は、上述したように、ジャイロセンサ32aから出力される角速度についてのデータを積分することにより行うことができる。
【0055】
(ステップ6)
ステップ6において、扉開閉判定部30は、扉Dが初期位置に戻ったか否か、すなわち開状態とされた扉Dの角度がゼロになり、閉状態に戻ったか否かの判定を判定部34に行わせる。本実施形態では、扉開閉判定部30は、扉Dのバタつきを考慮し、ジャイロセンサ32aからの出力の積分値が所定の閾値未満となることを条件として閉と判定する。そのため、扉開閉判定部30は、ジャイロセンサ32aからの出力の積分値が一定の閾値未満となったか否かにより、閉状態に戻ったか否かの判定を判定部34に行わせる。ここで、扉Dが未だ開状態であると判定された場合には、制御フローがステップ5に戻され、扉Dの角度の検出が継続される。一方、扉Dが閉状態に戻ったとの判定がなされた場合には、一連の制御フローが完了する。
【0056】
続いて、本実施形態に例示した施解錠制御装置10、及び扉開閉判定部30による効果、及び変形例等について説明する。
【0057】
上述したように、本実施形態の施解錠制御装置10が備える扉開閉判定部30(扉開閉判定装置)は、位置取得部32を備えており、扉Dの開閉に伴う移動経路に含まれる所定の基準位置(本実施形態では扉Dが閉止された位置)に対して移動経路の一方側へ向かう方向を正方向、逆方向を負方向として扉Dの位置情報を取得することができる。また、扉開閉判定部30は判定部34を備えており、これにより位置取得部32から出力される位置情報に基づいて、扉Dの開閉状態を判定することができる。扉開閉判定部30は、扉Dが閉状態であるときに位置取得部32によって取得される位置情報の範囲を閉判定基準として規定しておくことにより、位置取得部32により取得される扉Dの位置情報が閉判定基準から外れていることを条件として扉Dが閉状態であり、扉Dの位置情報が閉判定基準と合致することを条件として扉Dが開状態であると判定することができる。このように、本実施形態の扉開閉判定部30は、扉Dに対して取り付けられた位置取得部32を用いて、扉Dが開状態であるのか閉状態であるのかを判定できるため、扉D側への施工のみで設置可能であり、施工性や意匠性の面において優れている。また、本実施形態の扉開閉判定部30は、扉D側以外に別途部品を設けることによるコストアップを抑制することができる。
【0058】
なお、本実施形態では、扉開閉判定部30を施解錠制御装置10を構成するものとされており、施解錠制御装置10を扉Dに取り付けることにより、扉Dに対して間接的に取り付けられる構成を例示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、扉開閉判定部30を単体の装置(扉開閉判定装置)とし、扉Dに対して直接的に取り付ける構成としても良い。
【0059】
上述した扉開閉判定部30は、位置取得部32が、慣性センサを備えたものとされている。さらに詳細には、上述した扉開閉判定部30は、扉Dが、開き戸であり、位置取得部32が、ジャイロセンサ32aを備えており、当該ジャイロセンサ32aにより検出される角速度に基づき、扉Dの回動方向及び扉Dの位置を取得可能とされている。そのため、扉開閉判定部30は、位置取得部32が備えるジャイロセンサ32aからの出力により、扉Dの回動方向及び扉Dの位置を取得し、扉Dが開状態にあるのか閉状態にあるのかを精度良く判定することができる。
【0060】
なお、本実施形態では、扉Dがいわゆる開き戸であり、蝶番等によって構成される回動軸を中心として回動すること等を考慮し、慣性センサとしてジャイロセンサ32aを採用した例を示したが、本発明はこれに限定されない。扉開閉判定部30は、例えば、傾きセンサ等の他のセンサや、加速度センサ等の他の慣性センサを備えたものとしたり、これらのセンサから選ばれる複数のセンサを複合的に備えたもの等としても良い。
【0061】
上述した扉開閉判定部30は、複数の基準軸を中心とする回転に伴う向きの変化を角速度として検知可能なジャイロセンサ32aを備えており、複数の基準軸のうちの一つを扉Dの回動検知のための回動基準軸とし、回動基準軸を扉Dの回動軸線に沿うようにジャイロセンサ32aを扉Dに対して配するものとされている。また、扉開閉判定部30は、ジャイロセンサ32aから出力信号のうち、回動基準軸を中心とする回転に関する角速度に係る信号に基づき、扉Dの回動方向及び扉Dの位置(角度)を取得可能とされている。このような構成とされているため、ジャイロセンサ32aから出力される出力信号のうち、回動基準軸とは異なる他の基準軸を中心とする回転についての出力信号を用いなくても扉Dの回動方向及び扉Dの位置を取得することができる。従って、上述した構成によれば、扉Dの回動方向や扉Dの位置を取得するために要する演算処理を最小限に抑制でき、その分だけ演算処理に要する負荷を低減させることができる。
【0062】
なお、本実施形態では、ジャイロセンサ32aの基準軸のうちの一つを回動基準軸とし、回動基準軸を中心とする回転に関する角速度に基づいて扉Dの回動方向や位置(角度)を導出可能とした例を示したが、本発明はこれに限定されない。ジャイロセンサ32aの基準軸と扉Dの回動軸線とを略平行とせず、各基準軸を中心とする回転についての角速度を求め、これに基づいて扉Dの回動方向や位置を導出するようにしても良い。
【0063】
また、上述した扉開閉判定部30では、判定部34は、ジャイロセンサ32aからの出力の積分値が所定の閾値以上になることを条件として扉Dが開状態であると判定し、ジャイロセンサ32aからの出力の積分値が所定の閾値未満となることを条件として扉Dが閉状態であると判定するものとされている。具体的には、本実施形態では、上述した制御フローのステップ4~ステップ6において、ジャイロセンサ32aからの出力の積分値に基づいて、扉Dの開閉状態を判定することとしている。このような構成とされているため、扉開閉判定部30は、ジャイロセンサ32aからの出力値を活用して、扉Dの開閉状態を適正に判定できる。また、扉Dの開閉の判定基準として所定の閾値を設定することにより、扉Dのバタつきによる誤検知を抑制できる。
【0064】
なお、本実施形態では、判定部34は、ステップ6において、ジャイロセンサ32aからの出力の積分値が所定の閾値になれば扉Dが閉状態になったものと判定する事としているが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、判定部34は、ジャイロセンサ32aからの出力の積分値が所定の閾値未満であるだけでなく、ジャイロセンサ32aからの出力の積分値が所定の閾値未満となった状態で所定時間、所定誤差内に維持されることを条件として、扉Dが閉状態であると判定するようにしても良い。このような構成とすることにより、扉が閉状態にあるか否か、かつ停止しているか否かを判定可能とし、扉Dが閉状態であると誤検知されるのを抑制でき、扉Dが閉状態であるか否かの判定精度をより一層向上させることができる。
【0065】
上述した扉開閉判定部30は、扉Dを閉状態とした位置を基準位置として扉Dの位置情報を導出するものとされている。これにより、扉開閉判定部30は、基準位置を正確に設定することが可能となり、扉Dの開閉状態についての判定精度を向上させることができる。なお、本実施形態では、扉Dを閉状態とした位置を基準位置とした例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば扉Dの開閉に伴う移動経路の中間位置や、扉Dを全開とした位置等を基準位置としても良い。
【0066】
上述した扉開閉判定部30は、扉Dが閉状態である時点を基準として位置取得部32の検知誤差に関する補正が行われる。これにより、扉Dの位置情報の検知精度を向上させることができ、その分だけ扉Dの開閉状態についての判定精度を向上させることができる。なお、本実施形態では、扉Dが閉状態である時点を基準として位置取得部32の検知誤差に関する補正を行う例を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、位置取得部32の検知誤差に関する補正を行ううえで、さらに最適な位置がある場合等には、その位置に扉Dが存在しているタイミングにおいて、位置取得部32の検知誤差に関する補正を行うと良い。
【0067】
上述した本実施形態の施解錠制御装置10は、上述した扉開閉判定部30を備えており、施解錠制御部20が、扉開閉判定部30による判定結果に基づいて施解錠装置1を制御可能とされている。そのため、施解錠制御装置10は、扉Dの開閉を判定するための構成を、扉D側への施工のみで設置可能であり、施工性や意匠性の面において優れ、扉D側以外に別途部品を設けることによるコストアップを抑制可能なものとすることができる。
【0068】
上述した施解錠制御装置10は、施解錠制御部20により扉Dを閉状態から開状態に切り替える制御が行われる時点を基準として位置取得部32により検知される扉Dの位置情報の検知誤差に関する補正が行われる。これにより、扉Dの位置情報の検知精度を高精度なものし、その分だけ扉Dの開閉状態についての判定を精度良く行うことができる。なお、扉Dの位置情報の検知誤差の補正は、他のタイミングで行っても良い。例えば、施解錠制御部20の認証制御部24において、認証情報入力部22に入力された情報と、別途準備された照合用認証情報とに基づいて、施解錠装置1の動作制御(施解錠に係る制御)についての認証制御を行うタイミングにおいて、扉Dの位置情報の検知誤差の補正を行っても良い。また、施解錠制御装置10は、常時、一定の期間ごとに扉Dの位置情報の検知誤差の補正を行うようにしても良い。
【0069】
また、上述した実施形態では、扉開閉判定部30を施解錠制御装置10の一部をなすものとして、施解錠制御装置10の筐体に内包させた例を示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、施解錠制御装置10とは別の装置としたり、他の別の装置の一部とするなどして、施解錠制御装置10の筐体の外部に取り出されたものとしても良い。
【0070】
本発明は、上述した実施形態や変形例等として示したものに限定されるものではなく、特許請求の範囲を逸脱しない範囲でその教示および精神から他の実施形態があり得る。上述した実施形態の構成要素は任意に選択して組み合わせて構成するとよい。また実施形態の任意の構成要素と、発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素または発明を解決するための手段に記載の任意の構成要素を具体化した構成要素とは任意に組み合わせて構成してもよい。これらについても本願の補正または分割出願等において権利取得する意思を有する。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明は、扉の開閉状態を判定する扉開閉判定装置や、扉の施解錠を制御する施解錠制御装置の全般において好適に利用できる。
【符号の説明】
【0072】
1 :施解錠装置
10 :施解錠制御装置
20 :施解錠制御部
30 :扉開閉判定部
32 :位置取得部
32a :ジャイロセンサ
34 :判定部
D :扉
図1
図2
図3
図4