(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022097432
(43)【公開日】2022-06-30
(54)【発明の名称】薄型伝熱帯の支持フレーム
(51)【国際特許分類】
H05B 3/06 20060101AFI20220623BHJP
F04D 29/58 20060101ALI20220623BHJP
【FI】
H05B3/06 Z
F04D29/58 F
F04D29/58 L
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021203254
(22)【出願日】2021-12-15
(31)【優先権主張番号】109145201
(32)【優先日】2020-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】598048060
【氏名又は名称】陳 樹 錬
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】陳 樹錬
【テーマコード(参考)】
3H130
3K092
【Fターム(参考)】
3H130AA12
3H130AC27
3H130BA32A
3H130BA32H
3H130BA36A
3H130BA36H
3H130BA87A
3H130BA87H
3H130BA88A
3H130BA88H
3H130CA02
3H130CA06
3H130DF00X
3H130DG01Z
3K092PP20
3K092QA10
3K092TT05
3K092VV06
(57)【要約】
【課題】伝熱帯60に対して係止し、伝熱帯60の定位信頼度を高める薄型伝熱帯の支持フレームを提供する。
【解決手段】薄型伝熱帯の支持フレームは、メインフレーム体10、複数の第一ブレード20、複数の第二ブレード30、複数の支持片40および複数のリミット部材50を含む。そのうち、各第一ブレード20および各第二ブレード30はメインフレーム体10の支持アーム14にそれぞれ定位し、支持片40は硬質の耐熱絶縁材で構成する。各支持片40は各第一ブレード20とそれぞれ重ね合わせ、伝熱帯60が第一ブレード20に対して切断作用を起こすのを回避し、伝熱帯60の定位信頼度を高める。各リミット部材50は各第一ブレード20の風下側にそれぞれ設け、リミット部材50の一端は第一ブレード20の基台12から遠い側の一端と相互に接続し、リミット部材50の別一端は第一ブレード20の風下側と相互に接続し、且つリミット部材50は支持片40の側面縁ときつく隣接する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メインフレーム体、複数の第一ブレード、複数の第二ブレード、複数の支持片および複数のリミット部材を含む薄型伝熱帯の支持フレームにおいて、そのうち、
メインフレーム体は主に基台が放射状で複数の支持アームが外向きに伸びて構成され、第一ブレードおよび第二ブレードは絶縁材で成形した長方形板体であり、各第一ブレードおよび各第二ブレードは各支持アームにそれぞれ定位し、各第一ブレードおよび各第二ブレードは間隔を開けて交互に配置され、且つ各第一ブレードは二つの第二ブレードと相互に隣接し、第一ブレードは両側に複数の第一定位溝が間隔をあけて成形され、第二ブレードは両側に複数の第二定位溝が間隔をあけて成形され、それによって長帯形状の薄型伝熱帯が各第一定位溝および各第二定位溝に順に嵌合されて伝熱帯が定位され、
支持片は硬質の耐熱絶縁材で構成された長方形片体であり、各支持片は各第一ブレードとそれぞれ重ね合わせ、支持片は両側にそれぞれ複数の嵌合溝を間隔を開けて形成され、各嵌合溝はそれぞれ各第一定位溝と側面方向に連通し、それによって伝熱帯を嵌合溝に嵌合させ、伝熱帯が第一ブレードに対して切断作用を起こすのを回避し、伝熱帯の定位信頼度を高め、
第一ブレードの一側を風上側とし、第一ブレードの別側を風下側とし、各リミット部材は各第一ブレードの風下側にそれぞれ設け、リミット部材は硬質線体とし、リミット部材の外表面は耐熱絶縁作用を有し、リミット部材の一端は第一ブレードの基台から遠い側の一端と相互に接続し、リミット部材の別一端は第一ブレードの風下側と相互に接続し、且つリミット部材は支持片の側面縁ときつく隣接し、拠って第一定位溝および嵌合溝を通過する伝熱帯に対して係止し、伝熱帯の定位信頼度を高めることを特徴とする薄型伝熱帯の支持フレーム。
【請求項2】
前記リミット部材の一端には、第一鈎部が成形され、リミット部材の別一端には第二鈎部が成形され、第一鈎部は第一ブレードの基台から離れた一端と鈎接続し、第二鈎部は第一ブレードの風下側と鈎接続し、拠ってリミット部材を定位することを特徴とする請求項1記載の薄型伝熱帯の支持フレーム。
【請求項3】
前記リミット部材および支持片は、ベークライトまたはセラミックでそれぞれ構成することを特徴とする請求項1記載の薄型伝熱帯の支持フレーム。
【請求項4】
前記リミット部材は金属ワイヤーの外周に耐熱絶縁保護カバーで被覆して構成することを特徴とする請求項1記載の薄型伝熱帯の支持フレーム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、温風発生装置の組立部材に関するもので、特に薄型伝熱帯の支持フレームに係る。
【背景技術】
【0002】
ドライヤー、乾燥機等公知の温風発生装置は、主に送風機、風道および伝熱構造から構成される。そのうち、送風機の運転により気流が形成され、風道が気流を伝熱構造に導き流動させる。伝熱構造は流動に拠って通過した空気が熱エネルギーを放出して温風を作り出す。
【0003】
伝熱構造は支持フレームおよび二つの薄型の伝熱帯を含み、支持フレームは主に基台および複数のブレードから構成される。基台は放射状で外向きに複数の支持アームが伸び、ブレードは雲母材で成形された長方形板体である。各ブレードはそれぞれ各支持アームに定位設置され、ブレードの両側はそれぞれ複数の定位溝が間隔をあけて形成されている。伝熱帯は高抵抗材で構成される薄型長帶で、各伝熱帯はそれぞれブレードの両側に設置され、且つ各伝熱帯は内側から外側に向かって徐々に蜘蛛の巣状に包囲しながら各ブレードの各定位溝に嵌入され、伝熱帯が定位される。
【0004】
電流が各伝熱帯を通過すると、伝熱帯が材料抵抗により電気エネルギーを熱エネルギーに転換し、伝熱帯の温度を上げて発熱させる。気流がメインフレーム体の中軸方向に沿って伝熱構造を通過する時、伝熱帯周辺の空気が流動して伝熱帯と熱交換が形成され、気流温度を上げて温風を形成する。
【0005】
伝熱帯が発熱すると、伝熱帯は熱膨脹現象を発生し、伝熱帯全体の長さが伸びる。気流が伝熱帯の幅表面の接続線方向に沿って伝熱帯を通過すると、風切現象が起こるため、伝熱帯が振動しやすくなり、風上側の伝熱帯がブレードの定位溝の溝底部に対して切断作用を起こす。ブレードを支える必要強度およびコストにもとづき、支持アームは通常、鋼またはその他金屬材で構成されるため、伝熱帯がブレードに対して過度に切断作用を起こすと、支持アームに接触した時、ショートを引き起こしてしまう。
【0006】
この他、風下側の伝熱帯は、熱膨脹現象によって伝熱帯の長さが伸び、伝熱帯が気流に引き寄せられて定位溝の溝口方向へ作動し、伝熱帯が定位溝から離れやすくなるため、伝熱帯の定位信頼度に改善が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
硬質絶縁材料から構成される支持片を第一ブレードに合わせて設置することで、薄型の伝熱帯が、雲母材から構成される第一ブレードのメインフレーム体の支持アームに接触することによって切断されるのを回避して伝熱帯の定位信頼度を高める、薄型伝熱帯の支持フレームを提供することを本発明の主な目的とする。
【0008】
リミット部材によって、伝熱帯が気流の牽引を受けて第一ブレードおよび支持片から外れてしまうのを回避し、伝熱帯の定位信頼度を高める、薄型伝熱帯の支持フレームを提供することを本発明の別の目的とする
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述の目的を達成するため、本発明の薄型伝熱帯の支持フレームは、メインフレーム体、複数の第一ブレード、複数の第二ブレード、複数の支持片および複数のリミット部材を含む。メインフレーム体は、主に基台が放射状で複数の支持アームが外向きに伸びて構成され、第一ブレードおよび第二ブレードはそれぞれ、雲母材で成形された長方形板体であり、各第一ブレードおよび各第二ブレードは各支持アームにそれぞれ定位する。各第一ブレードおよび各第二ブレードは間隔を開けて交互に配置され、且つ各第一ブレードは二つの第二ブレードと相互に隣接し、第一ブレードは両側に複数の第一定位溝が間隔をあけて成形され、第二ブレードは両側に複数の第二定位溝が間隔をあけて成形されている。それによって長帯形状の薄型伝熱帯が各第一定位溝および各第二定位溝に順に嵌合され、伝熱帯を定位する。
【0010】
支持片は硬質耐熱絶縁材で構成された長方形片体で、各支持片は各第一ブレードとそれぞれ重ね合わせられ、支持片は両側にそれぞれ複数の嵌合溝を間隔を開けて形成され、各嵌合溝は、それぞれ各第一定位溝と側面方向に連通し、それによって伝熱帯を嵌合溝に嵌合させ、伝熱帯が第一ブレードに対して切断作用を起こすのを回避し、伝熱帯の定位信頼度を高める。
【0011】
第一ブレードの一側を風上側とし、第一ブレードの別側を風下側とする。各リミット部材は各第一ブレードの風下側にそれぞれ設けられ、リミット部材は硬質線体とする。リミット部材の外表面は耐熱絶縁作用を有し、リミット部材の一端は第一ブレードの基台から遠い側の一端と相互に接続する。リミット部材の別一端は第一ブレードの風下側と相互に接続し、且つリミット部材は支持片の側面縁ときつく隣接する。拠って第一定位溝および嵌合溝を通過する伝熱帯に対し係止し、伝熱帯の定位信頼度を高める。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、支持片で伝熱帯を支持することで、伝熱帯を支持アームに接触させず、伝熱帯がショートするのを回避し、またリミット部材によって、伝熱帯に対して係止し、伝熱帯の定位信頼度を高めるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図3】本発明第一実施例で、ブレードおよび支持片に伝熱帯を設置した状態の立体指示図である。
【
図4】本発明第二実施例のリミット部材断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(第一実施形態)
図1から
図3に示すとおり、本発明の薄型伝熱帯の支持フレームの第一実施例は、メインフレーム体10、四つの第一ブレード20、八つの第二ブレード30、四つの支持片40および四本のリミット部材50を含む。そのうち、メインフレーム体10は、主に基台12が放射状の外向きに複数の支持アーム14が伸びて構成される。第一ブレード20および第二ブレード30はそれぞれ、雲母等のような絶縁材で成形された長方形板体であり、各第一ブレード20および各第二ブレード30は各支持アーム14にそれぞれ定位し、各第一ブレード20および各第二ブレード30は間隔をあけて交互に配置され、且つ各第一ブレード20は二つの第二ブレード30にそれぞれ隣接する。第一ブレード20は両側に複数の第一定位溝22が間隔を開けて形成され、第二ブレード30は両側に複数の第二定位溝32が間隔をあけて形成されている。長帯形状の薄型伝熱帯60は内から外向きに、クモの巣のように包囲し各第一定位溝22および各第二定位溝32で順に嵌合されることで、伝熱帯60が定位される。
【0015】
第一実施例は、各第一ブレード20が平均してメインフレーム体10に配置され、且つ隣接する二つの第一ブレード20の間にはそれぞれ二つの第二ブレード30が配置され、第一ブレード20および第二ブレード30の数は必要に応じて増減できる。図式に示す第一ブレード20および第二ブレード30の数は本発明を制限するものではない。
【0016】
支持片40は硬質の耐熱絶縁材で構成された長方形片体であり、支持片40はベークライトまたはセラミック、またはその他絶縁材を選んで構成する。各支持片40は各第一ブレード20とそれぞれ重ね合わせ、支持片40は両側にそれぞれ複数の嵌合溝42を間隔を開けて形成され、各嵌合溝42は、それぞれ各第一定位溝22と側面方向に連通し、伝熱帯60を嵌合溝42に嵌合設置し、伝熱帯60が第一ブレード20に対して切断作用が発生するのを回避し、伝熱帯60の定位信頼度を高める。
【0017】
第一ブレード20の一側を風上側24とし、第一ブレード20の別一側を風下側26とする。各リミット部材50は各第一ブレード20の風下側26にそれぞれ設けられ、リミット部材50は硬質の耐熱絶縁材で構成された線体とする。リミット部材50はベークライトまたはセラミックまたはその他絶縁材から構成されたものを選択し、リミット部材50の外表面は耐熱絶縁作用をもたせ、リミット部材50の一端は第一ブレード20の基台12から遠い側の一端と相互に接続し、リミット部材50の別一端は第一ブレード20の風下側26と相互に接続し、且つリミット部材50は支持片40の側面縁ときつく隣接する。第一定位溝22および嵌合溝42に通した伝熱帯60が係止され、伝熱帯60の定位信頼度を高める。
【0018】
第一実施例は、気流がメインフレーム体10の軸方向に沿い、伝熱帯60に対して吹き、且つ気流方向が風上側24から風下側26へ向く時、硬質の耐熱絶縁材で構成される支持片40は伝熱帯60に対して支持し、伝熱帯60が気流作用によって起こす振動現象は第一ブレード20および支持片40に対する切断作用を起こさず、伝熱帯60の二つの第一ブレード20の間の一部に対して支持し、伝熱帯60が各第二ブレード30に対する切断作用を下げ、伝熱帯60が支持アーム14に接触しないようにして、伝熱帯60の定位信頼度を高め、伝熱帯60がショートするのを防ぐ。
【0019】
第一実施例は更にリミット部材50によって風下側26に設置した伝熱帯60に対して係止させ、伝熱帯60に触れた気流が第一定位溝22および嵌合溝42の外端溝口へ牽引されて移動した時、伝熱帯60は第一定位溝22および嵌合溝42から離れなくなり、その結果伝熱帯60が第一ブレード20および支持片40から離れなくなり、伝熱帯60の定位信頼度を高める。
【0020】
この他、リミット部材50の一端は第一鈎部52が成形され、リミット部材50の別一端は第二鈎部54が成形される。第一鈎部52は第一ブレード20の基台12から離れた一端と鈎接続し、第二鈎部54は第一ブレード20の風下側26と鈎接続し、リミット部材50を定位する。
【0021】
(第二実施形態)
第二実施例は第一実施例の構成と同じであるため、ここでは省略する。
図4に示すとおり、第二実施例が第一実施例の構成と異なるのは、リミット部材50が金属ワイヤー56の外周に耐熱絶縁保護カバー58を被覆して構成することで、金属ワイヤー56に強度を提供し、耐熱絶縁保護カバー58が耐熱絶縁作用を提供する。耐熱絶縁保護カバー58はベークライトまたはセラミック材料から選択できる。
【符号の説明】
【0022】
10 メインフレーム体
12 基台
14 支持アーム
20 第一ブレード
22 第一定位溝
24 風上側
26 風下側
30 第二ブレード
32 第二定位溝
40 支持片
42 嵌合溝
50 リミット部材
52 第一鈎部
54 第二鈎部
56 金属ワイヤー
58 耐熱絶縁保護カバー
60 伝熱帯