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特開2022-97442ブレードセンタリングを備えた圧力媒体制御皿座ぐりツール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022097442
(43)【公開日】2022-06-30
(54)【発明の名称】ブレードセンタリングを備えた圧力媒体制御皿座ぐりツール
(51)【国際特許分類】
   B23B 29/034 20060101AFI20220623BHJP
   B23B 51/10 20060101ALI20220623BHJP
【FI】
B23B29/034 D
B23B51/10 B
B23B51/10 Z
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021204774
(22)【出願日】2021-12-17
(31)【優先権主張番号】20215337.5
(32)【優先日】2020-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】516128496
【氏名又は名称】ヒューレ ヴォルクツォイク アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ハリー スチューダー
【テーマコード(参考)】
3C037
3C046
【Fターム(参考)】
3C037BB15
3C046LL01
3C046PP03
(57)【要約】
【課題】圧力媒体制御皿座ぐりツールを提供する。
【解決手段】皿座ぐりツール(1)は、回転駆動されるベース本体(2)に配置され、圧力媒体(13)を供給することによってピボット位置で作動することができる1つ又は複数の機械加工ブレード(7)を備え、少なくとも1つのブレード(7)の作動は、圧力媒体(13)によって作動される少なくとも1つのピストン-シリンダユニット(24,25)を介して行われ、少なくとも1つのブレード(7)は、ピボット軸(9a)を形成するベアリングボルト(9)上にピボット可能に取り付けられ、ブレードハウジング(3)に配置されたブレードチャンバ(5)から延びることができ、センタリング装置が、ブレード(7)とベース本体(2)のブレードウィンドウ(6)との間に、ピボット軸(9a)から半径方向距離(44,45,46)に且つ少なくとも1つのブレード(7)のピボット範囲内に配置される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転駆動されるベース本体内に配置され、圧力媒体を供給することによってそのピボット位置で作動することができる1つ又は複数の機械加工ブレードを備えた圧力媒体制御皿座ぐりツールであって、少なくとも1つの前記ブレードの作動は、前記圧力媒体によって作動される少なくとも1つのピストン-シリンダユニットを介して行われ、前記少なくとも1つのブレードは、ピボット軸を形成するベアリングボルト上にピボット可能に取り付けられ、ブレードウィンドウから延びることができ、センタリング装置が、前記ブレードと前記ブレードハウジングの前記ブレードウィンドウとの間に、前記ピボット軸から半径方向距離に且つ前記少なくとも1つのブレードのピボット範囲内に配置される、
圧力媒体制御皿座ぐりツール。
【請求項2】
前記センタリング装置は、前記ブレードを、センタリング軸に沿った矢印方向の半径方向変位に対して固定する、
請求項1に記載の圧力媒体制御皿座ぐりツール。
【請求項3】
前記センタリング装置は、前記ブレードを、ベース本体側ベアリングボア内のベアリングボルトの変位遊びに対して固定する、
請求項1又は2に記載の圧力媒体制御皿座ぐりツール。
【請求項4】
前記センタリング装置は、前記ブレードのベースに配置されたセンタリング溝からなり、前記センタリング溝の長手方向の延長は、前記ブレードの前記センタリング軸に対して垂直であり、かつ、前記センタリング溝は、機械加工位置において、ハウジング側センタリングボルトと確実な係合になる、
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の圧力媒体制御皿座ぐりツール。
【請求項5】
前記ハウジング側センタリングボルトは、円形の輪郭を有し、ハウジング側取り付けボアに嵌合し、前記取り付けボアから外周の上部が突出し、前記位置で前記ブレードの前記センタリング溝との係合のためのセンタリング面を形成する、
請求項4に記載の圧力媒体制御皿座ぐりツール。
【請求項6】
前記ハウジング側センタリングボルトは、前記ハウジング側取り付けボアに取替え可能に収容される、
請求項5に記載の圧力媒体制御皿座ぐりツール。
【請求項7】
前記センタリング装置は、前記ブレードの上部又はベースに配置されたセンタリング突起からなり、前記センタリング突起は、機械加工位置において、ハウジング側センタリング溝と係合する、
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の圧力媒体制御皿座ぐりツール。
【請求項8】
機械加工プロセスで発生する軸方向機械加工力により、前記センタリング溝又はセンタリング突起を有する前記ブレードは、前記ブレードハウジング内の前記センタリングボルト又は前記センタリング溝に押し付けられ、前記ブレードは、前記ブレードハウジング内の前記センタリング軸に確実にセンタリングされて固定される、
請求項1乃至7のいずれか1項に記載の圧力媒体制御皿座ぐりツール。
【請求項9】
前記ブレードのセンタリングの間、前記センタリング溝の2つのブレード側接触面が、前記ハウジング側センタリングボルトの相補的な円筒面に当接し、その際、前記ブレードを前記ブレードハウジング内で前記センタリング軸に、確実な嵌合で且つ遊びなしで、センタリングする、
請求項1乃至8のいずれか1項に記載の圧力媒体制御皿座ぐりツール。
【請求項10】
前記ブレードは、格納状態において、ワークの後側に皿座ぐりされることになるボアを通過し、前記ブレードウィンドウから延びた状態において、前記ワークの後側のボアにバック皿穴を形成する、
請求項1乃至9のいずれか1項に記載の圧力媒体制御皿座ぐりツール。
【請求項11】
前記ブレードは、前記ブレードウィンドウの前記ベアリングボルト又は前記ベアリングボアの中心軸に沿って軸方向にセンタリングされる、
請求項1乃至10のいずれか1項に記載の圧力媒体制御皿座ぐりツール。
【請求項12】
前記ブレードの主な機械加工力は、前記ブレードウィンドウ上の前記ブレードの接点を介して前記ブレードハウジングに伝達される、
請求項1乃至11のいずれか1項に記載の圧力媒体制御皿座ぐりツール。
【請求項13】
前記皿座ぐりの結果に影響を与える残りの半径方向に作用する唯一の自由度は、センタリング機構によって除去される、
請求項1乃至12のいずれか1項に記載の圧力媒体制御皿座ぐりツール。
【請求項14】
前記センタリングボルトは、摩耗したとき、交換することができる、
請求項1乃至13のいずれか1項に記載の圧力媒体制御皿座ぐりツール。
【請求項15】
前記ブレード(7)をセンタリングするための追加のさらなるセンタリング装置が、前記ブレードウィンドウの側面に配置される、
請求項1乃至14のいずれか1項に記載の圧力媒体制御皿座ぐりツール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の主題は、請求項1の前段部分による圧力媒体制御皿座ぐりツールである。
【背景技術】
【0002】
このような皿座ぐり(カウンタシンキング(countersinking))ツールは、例えば、特許文献1から知られており、これは同一の出願人からのものである。段落0001から0005までに記載されている説明によれば、本発明は、バック皿座ぐりツール及びフロント皿座ぐりツールの両方として設計されている、そこに定義されている皿座ぐりツールに関する。
【0003】
また、本発明は、1つ又は2つの格納式ブレードを有する皿座ぐりツールに関し、各ブレードをそれ自体のピストン-シリンダユニットによって動作させる又は単一つのピストン-シリンダユニットによって両方のブレードを一緒に動作させることが可能である。
【0004】
2つのブレードを配置する場合、一方のブレードをブレードハウジング内に配置されたブレードウィンドウの前部で延ばすことができ、他方のブレードをブレードウィンドウの後部から相補的な一連の動きで延ばすことができることも好ましい。
【0005】
しかしながら、簡単のために、本発明は単一のブレードの構成に限定されないが、以下の説明では、圧力媒体で作動されるピストン-シリンダユニットが割り当てられるブレードは1つのみであると仮定する。このような圧力媒体制御皿座ぐりツールの動作モードに関しては、概して特許文献1の主題事項を参照する。
【0006】
同一出願人に由来する特許文献2には、ピストン-シリンダユニットを備えたさらなる圧力媒体制御皿座ぐりツールが記載されており、構造及び動作モードに関する特許文献2の開示が参照される。
【0007】
しかしながら、本発明は、遠心力下で伸ばすことができる皿座ぐりツールのブレードに限定されるものではない。従って、本発明はまた、圧力媒体制御皿座ぐりツールを提供し、その場合、延伸プロセス又は格納プロセス又は両方のプロセスのいずれかを任意の駆動力で実行することができる。同一出願人に由来する上記の圧力媒体制御皿座ぐりツールは、工作物の穴に作られた皿穴の皿座ぐり精度及び再現性に関して最適化することができる。
【0008】
特許文献1又特許文献2の主題に従った皿座ぐりツールの作動中に、ブレードベアリングの破損の危険性なしに、干渉なしでブレードウィンドウからの(少なくとも1つの)ブレードの伸張を可能にするために、少なくとも1つのブレードのピボットベアリングのためのベアリングボアに必要なクリアランスがなければならないことができないことが分かった。これは、+/0.2mmの最大皿座ぐり精度と皿座ぐり再現性をもたらした。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】独国特許出願公開第10 2009 012 996号
【特許文献2】欧州特許第2,589,451号
【発明の概要】
【0010】
そこで、本発明は、皿座ぐり精度及び皿座ぐり再現性を大幅に向上させるような方法で、冒頭で上述したタイプの圧力媒体制御皿座ぐりツールを開発する目的に基づくものである。
【0011】
提示された目的を達成するために、本発明は、請求項1の技術的教示によって特徴付けられる。
【0012】
本発明の技術的教示は、+/0.1mmの最小の皿座ぐり精度が達成できるという利点を初めて達成する。これは、これまでのところ、このような皿座ぐり精度は、圧力媒体制御皿座ぐりツールでは達成できなかったため、大きな前進である。ブレードハウジングに半径方向に作用するブレードセンタリング(centering)突起を取り付けることによって、ブレードは、機械加工の間、確実にセンタリングされ(中心合わせされ(centered))、遊びがない。しかし、ブレードベアリングの必要な軸方向遊びは同時に維持されることができる。
【0013】
このセンタリングにより、スプレッドの少ない皿穴の非常に高い再現性が可能になる。対応する製造精度のため、このセンタリングはまた、絶対的な皿座ぐり精度を可能にし、市場の要求の拡大にも対応する。
【0014】
機械加工は、ブレードに軸方向の機械加工力を発生させ、これは、第1の好ましい実施形態では、ブレードをそのセンタリング溝でブレードハウジング内のハウジング側センタリングボルトに押し付け、中心を合わせて、ブレードをそのセンタリング軸にポジティブフィット(確実な嵌合(positive fit))で固定する。ブレード内に配置された横方向に延びるセンタリング溝の円形輪郭の接触面は、ハウジング側センタリングボルトの相補的な、同様に円形に延びる接触面に対して確実に(positively)位置決めされ、ブレードの長手方向に延びるブレードのセンタリング軸におけるハウジング側センタリングボルト上でブレードをセンタリングする。
【0015】
従って、本発明によるセンタリング装置は、ブレードをセンタリング軸に沿った半径方向の変位に対して固定する。
【0016】
換言すれば、これは、本発明によるセンタリング装置は、ベース本体側のベアリングボア(bearing bore)内のベアリングボルトの変位遊びに対してブレードを固定することを意味する。
【0017】
センタリング装置は、好ましくは、ブレードの伸長された作用状態において、センタリング軸におけるブレードの確実なセンタリングを実行し、格納状態ではこのようなセンタリングが必要でないように設計される。
【0018】
センタリング装置は、好ましくは、ベアリングボルトからベアリングボア内で遊びを伴ってある距離離れて配置される。
【0019】
上述した第1の好ましい実施形態に加えて、センタリング装置の設計のための他のいくつかの実施形態があり、少なくとも1つのブレードの少なくとも伸長状態において、関連するブレードハウジング側の凹部又は突起にブレード上に配置された突起又は凹部の確実な係合があることが、すべての実施形態で共通している。
【0020】
本発明の第1の好ましい実施形態では、センタリング装置は、ブレードのベースに配置されたセンタリング溝からなり、その長手方向の伸長はブレードのセンタリング軸に垂直であり、これは、機械加工位置ではハウジング側センタリングボルトと確実な係合になる。
【0021】
従って、ベースにおけるセンタリング溝は、ブレードのベース領域における横方向の溝として設計され、ハウジング側のセンタリングボルトの一部と確実な係合で相互作用する。
【0022】
本発明は、これに限定されない。本発明の別の実施形態では、第1の実施形態の運動学的反転を提供することができ、この場合、センタリングボルトはブレードのベース側に配置され、ハウジング側の横方向に延びるセンタリング溝と係合させることができる。
【0023】
全ての関連する設計において、センタリングボルトが円形の輪郭を有し、その取り付けボア(ブレード上又はハウジング上)からその外周の上部が突出し、センタリング溝(ブレード上又はハウジング上)と係合するための相補的なセンタリング表面を形成することが特に好都合である。
【0024】
簡単のために、以下の説明は、センタリングボルトをハウジング側に配置し、ハウジング側の受けボアに嵌合させる第1の運動学的設計に基づいており、相補的なセンタリング溝は、ブレードのベース側に横方向に延びるセンタリング溝として設計されている。この簡略化された説明は、本発明をこの1つの運動学的実施形態に限定することなく、簡略化のために与えられている。
【0025】
ハウジング側にセンタリングボルトを取り付けることは、いずれにしても、ブレードのベース側にそのようなセンタリングボルトを取り付けるよりも製造の観点から容易である。
【0026】
センタリングボルトがハウジングに取り付けられるとき、それが交換可能であるように設計されることが好ましい。したがって、それを長手方向方向の伸長の方向に横方向ボアから外すことができる。従って、センタリングボルトは、ブレードの材料と比べて異なる材料特性を有することができ、また、摩耗の兆候がある場合には、交換することもできる。
【0027】
センタリングボルトはまた、伸長状態でブレードのベース側の横方向溝として設計されたセンタリング溝にスナップ留めする(snaps)スプリング要素として設計することもできる。これは、ラッチオーバーデッドセンタ接続(latching over-dead-center connection)であることができる。
【0028】
本発明のさらなる実施形態では、センタリング装置は、ブレードの頂部又はベースに配置されたセンタリング突起から成り、そのセンタリング突起は、機械加工位置において、ハウジング側の相補的なセンタリングボルトと確実な係合になる。
【0029】
作動中、機械加工プロセスによって発生する軸方向の機械加工力により、センタリンググルーブ又はセンタリング突起を持つブレードがブレードハウジング内のセンタリングボルト又はセンタリング溝に押し付けられ、ブレードはブレードハウジング内のセンタリング軸に確実にセンタリングされて固定されることが判明した。主な機械加工力は、ベアリングボルトと取り付けボアからなるピボットベアリングを介してではなく、ブレードウィンドウの接触点を介してブレードハウジングに伝達されることが分かった。これは、先行技術に属する皿座ぐりツールを備えたブレードベアリングに、当初は十分なプレーを提供しなければならなかった理由である。しかし、本発明によれば、皿座ぐりの結果に影響を与える残りの半径方向に作用する唯一の自由度は、新しいセンタリング機構によって除去される。
【0030】
特許文献1の主題において主要な役割を果たしたチップの除去は、機械加工プロセスにおいて存在する冷却潤滑剤との十分なフラッシング機能が提供されるので、現行システムにおいては補助的な役割しか果たさない。このようにして、本発明によるセンタリング装置は、チップがない状態に保たれる。関連するハウジング側の相補的なセンタリング部品におけるブレード側センタリング部品の確実な嵌合、従ってシールする係合もまた、確実な嵌合係合がチップの侵入からセンタリング装置を保護するので、役割を果たす。
【0031】
センタリング装置は、いわば、機械加工中にそれ自身をシールするが、これは、確実な嵌合係合がチップのセンタリング機構への侵入を防止するためである。センタリング装置内にチップの堆積物がある場合、ブレードがセンタリング装置内に格納されると、これらは取り除かれる。
【0032】
もし、従属請求項の1つに、バック皿座ぐりモードにおけるボアのバリ取りのみが記述されている場合は、これは限定的であると理解されるべきではない。本発明は、バリ取りがフロント又はバック皿座ぐりモードで発生するかにかかわらず、皿座ぐりツールの全ての動作モードに関する。
【0033】
さらなる好ましい実施形態では、ブレードをセンタリング軸内にセンタリングするための追加のさらなるさらなるセンタリング装置がブレードウィンドウの側面に配置されることが提供され得る。
【0034】
従って、本発明による上又はベース側センタリング装置は、少なくとも1つのブレードとブレードハウジング内の関連表面との間に設けられるだけでなく、ブレードウィンドウの側面に配置される、垂直に配置されるさらなるセンタリング装置も設けられることが提供される。
【0035】
本発明の主題事項は、個々の請求項の主題事項から生じるだけでなく、個々の請求項と互いの組み合わせからも生じる。
【0036】
要約を含む、文献に開示されている全ての情報及び特徴、特に、図面に示されている空間構成は、先行技術と比較して、個々に又は組み合わせにおいて、新規である場合、本発明に不可欠なものとして請求項に記載することができる。「必須」又は「発明による」又は「発明に必須」という用語の使用は主観的であり、このように命名された特徴が必ずしも1又は複数の請求項の一部でなければならないことを意味するものではない。
【0037】
以下では、1つの実行パスのみを表す図面により、本発明をより詳細に説明する。本発明に不可欠な本発明のさらなる特徴及び利点は、図面及びその説明から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】ブレードの半径方向センタリングを伴う圧力媒体制御皿座ぐりツールを通る断面図。
図2】ブレードの斜視図。
図3】ブレードの好ましい実施形態の斜視図。
図4】さらなる詳細を示す図3によるブレードの側面図。
図5】ブレードが格納された状態の図1による皿座ぐりツール。
図6】皿座ぐり位置にある延ばされブレードを伴う図1に記載の皿座ぐりツール。
図7a】詳細図Zの記述を伴う図6と同じ図。
図7b図7aからの詳細Zの図。
図8図6と比較して修正された第1の実施形態。
図9図6と比較して修正された第2の実施形態。
【発明を実施するための形態】
【0039】
図1において、皿座ぐりツール1の好適な実施例が示されているが、これは本質的に円筒状のベース本体2で構成されており、この円筒状のベース本体2は、その長手方向軸周りに矢印方向20に及び反対方向に回転するように駆動され、供給ボア14が、ベース本体2の上部領域に配置されており、それによって、圧力媒体13が矢印方向15にベース本体2のシリンダ空間25に押し込まれる。
【0040】
シリンダ空間25では、ピストン24がベース本体の長手方向の延長の方向に変位可能に取り付けられ、それが変位するとき、圧力要素が取り付けられた適切なピストンロッドを介してボルトヘッド29を駆動し、このボルトヘッドは、ベース本体の長手方向ボア12内で変位可能に駆動される制御ボルト27の一部であり、ボルト端部30は、そのボルト端部30がベアリングボルト9にピボット可能に取り付けられたブレード7の自由でピボット可能な端部に作用する。矢印28方向の制御ボルト27の作動は、その下端がハウジング側のストッパ32に対して静止する圧縮ばね31の力に抗して行われる。このようにして、圧力媒体13がピストン24に印加されない場合には、制御ボルト27のバネ仕掛けの戻りが確保される。バネ戻りの代わりに、他の戻り駆動を使用することもできる。
【0041】
ピストン24のストロークを制限するために、止めねじ33がベース本体2にねじ込まれ、この止めねじは、そのボルト側端部がピストン24の変位経路内に突出する。
【0042】
シリンダチャンバ26もまたベース本体2に配置され、このシリンダチャンバを通って圧力媒体13は、ブレードハウジング3の延長部分に延びるバイパスボア17を介してブレードチャンバ5内に下方に向けられて、フラッシング剤の流れのように流れる。これにより、ブレードチャンバ5が圧力媒体13で十分に洗い流され、ブレードチャンバ5全体にくずがないことが保証される。
【0043】
ブレードハウジング3は、好ましくは、ベースハウジング2上に取り外し可能に配置され、少なくとも1つの固定ネジ4が、2つの部品を接続するために使用される。
【0044】
図1は、ブレードウィンドウ6からブレードの機械加工位置に延びたブレード7を示しており、皿座ぐりツール1全体が回転方向20に回転するように駆動されている。
【0045】
ブレード7は、関連するベアリングボア16(図2参照)にベアリングボルト9と共にピボット可能に取り付けられ、2つの部分9、16は水平ピボット軸9aを形成する。
【0046】
機械加工プロセスにおいて、ブレード7の横方向ブレード8は、ボアの、詳細に示されていない、ボアエッジと係合するようになり、そのエッジはバリ取り及び/又は皿座ぐりされる。
【0047】
従来技術では、皿穴(countersink)位置で延びたブレード7は、ベアリングボア16内に依然として望ましくない自由度を有しており、これは本発明によるセンタリング装置によって排除される。
【0048】
望ましくない自由度は、図7bに、中心軸48に沿った矢印方向39、40の半径方向変位47として示されている。本発明によれば、好ましい第1の実施形態のセンタリング装置は、ブレード7の下側のベースに導入されるセンタリング溝21からなり、この溝は横方向の溝として設計され、その長手方向の延長は、ベアリングボルト及びベアリングボア16の長手方向の延長に平行である。
【0049】
矢印方向39、40における移動遊びを排除し、かつセンタリング軸48に沿ったセンタリングを確実にするために、図示の機械加工位置では、少なくとも半開の取り付けボア22(図7b参照)が、好ましくは円形に輪郭形成されたセンタリングボルト23を受け入れ、このセンタリングボルトは、センタリング溝21の相補的な接触面35、36において、その周方向のセンタリング面とのセンタリングを確実にするために、取り付けボア22からその上部外周のみが突出する。
【0050】
また、図2から、制御ボルト27のボルト端部30は、延長された機械加工位置からその格納位置へ矢印10方向にブレードを移動させるために、離間された制御面18、19に作用することも示されている。
【0051】
さらなる詳細は、図7bと併せて図7aから見ることができる。
【0052】
機械加工プロセスは、ブレード7をセンタリング溝21でブレードハウジング3のセンタリングボルト23に対して押圧し、矢印39及び矢印40の両方に確実な嵌合でセンタリング及び固定する軸方向機械加工力34を生成し、これにより、これらの方向39、40に作用する半径方向変位47が除去され、センタリング軸48が画定され、これは、ブレードハウジング3における矢印方向39、40の変位を防止する。
【0053】
図3及び図4は、横方向ブレード8を有するブレード7を示し、好ましいセンタリング溝21は、ベアリングボア16からある距離44でブレードのベース側に横方向溝として配置されていることが分かる。センタリング溝21は、センタリングボルト23の外周に相補的なセンタリング角度41を有し、このセンタリングボルトは、本質的に遊びがないが、好ましくは交換可能であり、ブレードハウジング3の取り付けボア22に取り付けられる。センタリングボルト23の上部外周のみが、ブレード側の接点37、38においてセンタリングボルト23の外周と相補的な接触面を形成するように、取り付けボア22から突出する。
【0054】
図6と比較すると、図5は、図5によるブレードの格納状態では、センタリング装置が係合しない、すなわち、ブレード7の格納可能部分全体がブレードチャンバ5に収容されることを示す。
【0055】
図6によるブレード7が矢印11方向に延ばされ且つ半径方向にセンタリングされた機械加工位置に入ったときにのみ、図7bによるセンタリングボルト23の上部外周にブレード7の接点37、38の確実な係合が生じる。
【0056】
上述の関係は図7bの図に示されており、センタリング軸48も点線で示されており、これは矢印39、40で示された半径方向の変位47を除去し、ブレードをセンタリングボルト23の上部外周上に中心に且つ確実に保持する。
【0057】
センタリングボルト23は、遊びなしに取り付けボア22の関連する嵌合内に取り付けることができる。これは、センタリングボルトが取り付けボア22に遊びを持たず、そこに固着されることを意味する。
【0058】
しかし、別の実施形態では、図面には示されていないが、センタリングボルト23は、取り替え可能な方法で取り付けボア22に収容することもできる。そのため、適切な工具で交換するために、取り付けボア22から取り外すことができる。
【0059】
センタリングボルト23の材料は、その他の点ではブレードハウジング3の材料から独立しており、これは、センタリングボルト23が硬化金属材料からも成ることを意味する。それはまた、ブレードの材料よりも軟らかい金属からなることもできる。それはまた、プラスチック材料からなることもできる。
【0060】
別の実施形態では、図面に詳細に示されていないが、センタリングボルト23は、その外周が半径方向外側にばね荷重を受けるように、スプリングボルトとして設計される。ブレード7のベース側に配置されたセンタリング溝21が、スプリングボルトとして設計されたセンタリングボルト23上に配置されるとき、ブレード側溝とハウジング側スプリングボルトとの間に確実なスナップ接続が存在する。図5に従い、ブレードが矢印10方向に格納された位置にピボット(旋回)される(pivoted)と、このスナップ(snap)接続が再び解放される。
【0061】
図8及び図9は、センタリング装置の2つのさらなる実施形態を示しており、図8から分かるように、センタリング装置は、ベアリングボルト9のピボット軸9aから離れたある距離45において、ブレード7のベース側に成形された要素43から成り、この要素は、必ずしもブレードの全幅にわたって延在する必要はない。また、これは、互いに距離を置いて配置された複数のセンタリング突起43からなることもできる。ブレード7のベース側から突出する1つ又は複数のセンタリング突起43は、次いで、関連する相補的なセンタリング溝42又はセンタリング突起に確実に係合する、又はこれらは、ブレードウィンドウ6のベース表面に皿座ぐりされる。これにはまた、様々なオプションがある。
【0062】
ブレードウィンドウ6のベース側にある1つ又は複数の半開のセンタリング溝は、互いに隣接して配置され、同じ横方向の線に位置合わせされる。
【0063】
別の実施形態では、ブレードウィンドウのベース側に凹んだ1つのセンタリング溝42が、ブレードウィンドウの全幅にわたって延びることが提供され得る。
【0064】
同じ説明が、図9に示される凹部の運動学的修正にも適用される。上記と同じ情報を用いて、センタリングアセンブリ42、43は、ブレード7のベース側に配置されるのではなく、反対側、すなわち、ベアリングボルト9のピボット軸9aから距離46に配置されることが分かる。そこに示されたセンタリング装置の部分を形成するために、図8のセンタリング装置42、43を参照して与えられたのと同じ情報が適用される。
【0065】
全体として、正確に画定されたセンタリング軸48が得られ、矢印39、40の方向の半径方向変位47が、センタリング装置21、23;42、43の配置によって効果的に除去された。
【0066】
センタリング装置は、センタリング軸48に沿った変位からブレードを保護し、傾斜から保護しないことが重要である。傾斜は、ブレードがこの方向にブレードウィンドウの左右の表面に位置し、その自由度が十分に制限されるので、センタリング装置によって適応又は除去される必要がない。
【0067】
これにより、従来の皿座ぐりに比べて皿座ぐり精度を10倍向上させることができた。
【符号の説明】
【0068】
1 皿座ぐりツール
2 ベース本体
3 ブレードハウジング
4 締付ネジ
5 ブレードチャンバ
6 ブレードウィンドウ
7 ブレード
8 切断エッジ
9 ベアリングボルト
9a ピボット軸
10 矢印方向
11 矢印方向
12 長手方向ボア
13 圧力媒体
14 供給ボア
15 矢印方向
16 (7の)ベアリングボア
17 バイパスボア
18 制御面
19 制御面
20 回転方向
21 (7の)センタリング溝
22 (3の)取付ボア
23 センタリングボルト
24 ピストン
25 シリンダ空間
26 シリンダ空間
27 制御ボルト
28 (27の)矢印方向
29 (27の)ボルトヘッド
30 (27の)ボルト端部
31 圧縮ばね
32 ストッパ
33 止めねじ
34 軸方向機械加工力
35 (21の)接触面1
36 (21の)接触面2
37 接点1
38 接点2
39 矢印方向
40 矢印方向
41 センタリング角度
42 (3の)センタリング溝
43 (7の)センタリング突起
44 (9aと21との間の)距離
45 (9aと42、43との間の)距離
46 (9aと42、43との間の)距離
47 半径方向変位
48 センタリング軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7a
図7b
図8
図9
【外国語明細書】