(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022097471
(43)【公開日】2022-06-30
(54)【発明の名称】電気アセンブリのための冷却モジュール
(51)【国際特許分類】
H02M 7/48 20070101AFI20220623BHJP
H05K 7/20 20060101ALI20220623BHJP
B60L 9/18 20060101ALI20220623BHJP
【FI】
H02M7/48 Z
H05K7/20 N
B60L9/18 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021205389
(22)【出願日】2021-12-17
(31)【優先権主張番号】2013705
(32)【優先日】2020-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(71)【出願人】
【識別番号】518100258
【氏名又は名称】ヴァレオ シーメンス イーオートモーティブ フランス エスアーエス
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100150717
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 和也
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンドル、ルジャンドル
(72)【発明者】
【氏名】オーレリアン、プイイ
【テーマコード(参考)】
5E322
5H125
5H770
【Fターム(参考)】
5E322AA05
5E322DA04
5E322EA10
5E322FA01
5E322FA09
5H125AA01
5H125FF03
5H125FF23
5H770BA01
5H770DA03
5H770PA12
5H770PA42
5H770QA28
5H770QA37
(57)【要約】 (修正有)
【課題】製造及び組立が容易な冷却ユニットを提供する。
【解決手段】冷却モジュール10を形成する冷却ユニット101a、101bは、夫々が中空部を形成する実質的に平行六面体の形状の第1の部分20及び第2の部分30を含む。第1の部分20及び第2の部分30は、冷却ユニット101a、101bの接合ゾーン51で交わり、第1の部分20及び第2の部分30は夫々、他方の部分32、22を向く第1の外面22、32を含む。第1の外面22、32はそれぞれ、電子部品40の1つ以上を受容することを意図した受容ゾーンを含む。部分20、30の少なくとも1つは、冷却ユニットとは別の冷却モジュールの別の部分に接続される接続開口25又は35を含む。冷却ユニット101a、101bは、部分20、30の1つに形成された少なくとも1つのオリフィス55を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気アセンブリ(1)の電子部品(40)によって発生する熱を放散するように構成された冷却モジュール(10)を形成するための冷却ユニット(101a、101b)であって、前記冷却ユニット(101a、101b)は、第1の部分(20)および第2の部分(30)を含み、これらの各々は、実質的に平行六面体の形状であり、それぞれの中空部を形成し、
- 前記第1の部分(20)および前記第2の部分(30)は、前記冷却ユニット(101a、101b)の接合ゾーン(51)で交わり、前記第1の部分(20)および前記第2の部分(30)はそれぞれ、第1の外面(22、32)を含み、前記第1の外面(22、32)は、他方の部分(32、22)に向けられ、前記第1の外面(22、32)はそれぞれ、前記電子部品(40)の1つ以上を受容することを意図した受容ゾーンを含み、
- 前記部分(20、30)の少なくとも1つは、前記冷却ユニットとは別の前記冷却モジュール(10)の別の部分に接続されるように構成された接続開口(25または35)を含み、
- 前記冷却ユニット(101a、101b)は、入口/出口部分と呼ばれる、部分(20、30)のうちの1つに形成された少なくとも1つのオリフィス(55)を含み、前記オリフィス(55)は前記部分(20、30)の前記中空部に開口し、前記オリフィス(55)は前記冷却モジュール(10)の流体入口または流体出口として使用される、
ことを特徴とする、冷却ユニット(101a、101b)。
【請求項2】
前記第1の部分(20)が、前記冷却ユニット(101a、101b)の前記接合ゾーン(51)から遠位にある前記第1の部分(20)の端部に位置する接続開口(25)を含む、請求項1に記載の冷却ユニット(101a、101b)。
【請求項3】
前記第2の部分(30)は、その第1の外面(32)に形成され、前記第2の部分(30)の前記第1の外面(32)の前記受容ゾーンとは異なるゾーンに位置する接続開口(35)を含む、請求項1または2に記載の冷却ユニット(101a、101b)。
【請求項4】
前記中空部は、冷却流体(60)の循環を可能にするように構成されている、請求項1~3のいずれか1項に記載の冷却ユニット(101a、101b)。
【請求項5】
前記冷却ユニット(101a、101b)の前記第1の部分(20)と前記第2の部分(30)との間の内角は、90度に等しい、請求項1~4のいずれか1項に記載の冷却ユニット(101a、101b)。
【請求項6】
前記オリフィス(55)は、前記入口/出口部分(20、30)の第2の外面(23)に形成されており、前記第2の外面(23)は、前記入口/出口部分(20、30)の前記第1の外面(22、32)とは反対側にある、請求項1~5のいずれか1項に記載の冷却ユニット(101a、101b)。
【請求項7】
電気自動車またはハイブリッド自動車の電気アセンブリ(1)に組み込まれ、電気アセンブリ(1)の電子部品(40)によって発生する熱を放散するように意図した冷却モジュール(10)であって、請求項1~6のいずれか1項に記載の冷却ユニット(101a、101b)をそれぞれ含む、
ことを特徴とする冷却モジュール(10)。
【請求項8】
前記冷却ユニット(101a、101b)は、冷却流体(60)を搬送するように構成された流体冷却回路を形成するように組み立てられていることを特徴とする請求項7に記載の冷却モジュール(10)。
【請求項9】
- 冷却ユニット(101a、101b)の個数は、2に等しく、
- 前記冷却ユニット(101a、101b)のそれぞれについて、前記第1の部分(20)が第1の接続開口(25)を含み、前記第2の部分(30)が第2の接続開口(35)を含み、
- 一方の前記冷却ユニット(101a)の前記第1の接続開口(25)および前記第2の接続開口(35)は、前記第2の接続開口(35)および他方の前記冷却ユニット(101b)の前記第1の接続開口(25)にそれぞれ密封状態で接続されている、
請求項7または8に記載の冷却モジュール(10)。
【請求項10】
一方の前記冷却ユニット(101a)の前記オリフィス(55)、および他方の前記冷却ユニット(101b)の前記オリフィス(55)は、それぞれ前記冷却モジュール(10)の流体入口および流体出口として用いられる、請求項7~9のいずれか1項に記載の冷却モジュール(10)。
【請求項11】
前記電子部品(40)によって発生する熱を放散するために用いられる冷却流体(60)を含む、請求項7~10のいずれか1項に記載の冷却モジュール(10)。
【請求項12】
電子部品(40)と、請求項7~11のいずれか1項に記載の冷却モジュール(10)と、を含む、電気自動車またはハイブリッド自動車用の電気アセンブリ(1)。
【請求項13】
前記電子部品(40)が、1つ以上のパワーエレクトロニクス部品、および/または1つ以上の容量性部品を含む、請求項12に記載の電気アセンブリ(1)。
【請求項14】
インバータまたはDC-DC電圧コンバータを形成する、請求項12または13に記載の電気アセンブリ(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気装置、特に車両用、特に電気自動車(「EVs」)またはハイブリッド車(「HEVs」)の分野に関する。
【0002】
本発明は、特に、当該電気アセンブリの電子部品によって発生する熱を放散するために使用される冷却モジュールを含む電気アセンブリに関する。
【背景技術】
【0003】
電気自動車やハイブリッド車用のパワーエレクトロニクスユニット、例えばインバータは、パワーエレクトロニクス部品および容量性部品など、かなりの熱量を発生する電子部品を備えている。パワーエレクトロニクス部品の数は、インバータによって制御されるモータの相数(例えば3相)に対応し得る。
【0004】
パワーエレクトロニクスユニットの動作中、電子部品は発熱するため、最適な効率で動作させるために冷却する必要がある。電子部品を効果的に冷却することで、電子部品の寿命を延ばすことができる。このため、パワーエレクトロニクスユニットは、これらの電子部品によって発生する熱を放散するための冷却モジュールを含んでいる。
【0005】
これらの電子部品の形状や位置によっては、冷却モジュールの形状や構造が複雑となり、製造が困難な場合がある。このため、電子部品に適応するように、形状および構造の異なる複数の冷却片で構成された冷却モジュールが存在する。
【0006】
しかしながら、電子部品および冷却部品の組立および相互接続に問題がある。組立を実現するにはかなり複雑になり得る。
【0007】
そのため、従来の冷却装置に比べて、組立が簡単で、嵩張らず、安価で、軽量かつ強固な冷却モジュールが必要とされている。
【発明の概要】
【0008】
この結果を達成するために、本発明は、電気アセンブリの電子部品によって発生する熱を放散するように構成された冷却モジュールを形成するための冷却ユニットに関し、冷却ユニットは、第1の部分および第2の部分を含み、これらの各々は実質的に平行六面体の形状であり、それぞれの中空部を形成している。本発明による冷却ユニットは、
第1の部分および第2の部分は、冷却ユニットの接合ゾーンで交わり、第1の部分および第2の部分はそれぞれ、他方の部分に向けられる第1の外面を含み、当該第1の外面はそれぞれ、当該電子部品の1つ以上を受容することを意図された受容ゾーンを含み、
当該部分の少なくとも1つは、当該冷却ユニットとは別の当該冷却モジュールの別の部分に接続されるように構成された接続開口を含み、
冷却ユニットは、入口/出口部分と呼ばれる部分のうちの1つに形成された少なくとも1つのオリフィスを含み、オリフィスは当該部分の中空部に開口し、オリフィスは冷却モジュールの流体入口または流体出口として使用される、
という点で注目される。
【0009】
本発明による冷却ユニットは、単純かつ強固な構造を有する。これらは、冷却回路を形成するように製造(例えば、成形)および組立を行うことが容易である。
【0010】
特に、当該第1の外面は、互いに角度を形成している。
【0011】
特に、少なくとも1つの接続開口は、当該冷却モジュールの別の部分に密封状態で接続されるように構成される。
【0012】
有利には、第1の部分は、冷却ユニットの接合ゾーンから遠位にある第1の部分の端部に位置する接続開口を含んでいる。
【0013】
有利には、第2の部分は、その第1の外面に形成され、第2の部分の当該第1の外面の受容ゾーンとは異なるゾーンに位置する接続開口を含む。
【0014】
有利には、中空部は冷却流体の循環を可能にするように構成されている。
【0015】
一実施形態によれば、冷却ユニットの第1の部分と第2の部分との間の内角は、90度に等しい。
【0016】
有利には、オリフィスは、入口/出口部分の第2の外面上に形成され、当該第2の外面は、入口/出口部分の当該第1の外面とは反対側にある。
【0017】
また、本発明は、冷却モジュールに関するものである。
【0018】
冷却モジュールは同一の冷却ユニットで構成されているため、冷却モジュールと電気アセンブリの製造の簡素化と、様々な電子部品への適応の両方を可能にしている。様々な形状や構造の冷却ピースを製造する必要もはや無い。
【0019】
冷却モジュールは、電気アセンブリの電子部品によって発生する熱を放散するように、電気自動車またはハイブリッド自動車の電気アセンブリに組み込まれ、それぞれ上記のような冷却ユニットを含んでいる。
【0020】
一実施形態によれば、冷却ユニットは、冷却流体を搬送するように構成された流体冷却回路を形成するように組み立てられている。
【0021】
有利には、
冷却装置の個数は2に等しく、
冷却ユニットのそれぞれについて、第1の部分は第1の接続開口を構成し、第2の部分は第2の接続開口を含み、
一方の冷却ユニットの第1の接続開口および第2の接続開口は、第2の接続開口および他方の冷却ユニットの第1の接続開口にそれぞれ密封状態で接続されている。
【0022】
一実施形態によれば、一方の冷却ユニットのオリフィス、および他方の冷却ユニットのオリフィスは、それぞれ冷却モジュールの流体入口および流体出口として使用される。
【0023】
有利には、冷却モジュールは、電子部品によって発生する熱を放散するために使用される冷却流体を含む。
【0024】
本発明はまた、電気自動車またはハイブリッド自動車用の電気アセンブリであって、上述したような電子部品と冷却モジュールとを含む電気アセンブリに関する。
【0025】
有利には、電子部品は、1つ以上のパワーエレクトロニクス部品、および/または、1つ以上の容量性部品を含む。
【0026】
一実施形態によれば、当該電気アセンブリは、インバータまたはDC-DC電圧コンバータを形成する。
数値の表示
【0027】
本発明は、例示として与えられる以下の説明を読み、非限定的な例として与えられる以下の図を参照すると、よりよく理解されるであろうが、その中で、同様の対象には同一の参照が与えられている。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態による、組立前の冷却モジュールの図であり、冷却モジュールは、電気アセンブリに組み込まれることを意図している。
【
図2】
図2は、本発明の実施形態による、組立後の冷却モジュールを組み込んだ電気アセンブリの図である。
【
図3】
図3は、電気アセンブリの図であり、本発明の実施形態による冷却モジュールの冷却ユニットは、冷却流体の循環を示すように透明である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図面は、本発明を実施するために本発明を詳細に説明することに留意すべきであり、当然のことながら、必要に応じて、これらの図面が本発明をより良く定義するために役立ち得る。
【0030】
本発明は、電気自動車またはハイブリッド自動車に搭載されるように構成された電気アセンブリ1に組み込まれることを意図した冷却モジュール10に関する。電気アセンブリ1は、例えば、パワーエレクトロニクスユニット、特にインバータまたはDC-DC電圧コンバータである。
【0031】
図1および
図2は、本発明の一実施形態に係る組立前および組立後の冷却モジュール10を示す図である。
図3は、電気アセンブリ1を示す図であり、冷却モジュール10の冷却ユニットは、冷却流体60の循環を示すように透明である。冷却流体60は、例えば、水または液体グリコールである。
【0032】
電気アセンブリ1は、動作時に熱を発生する電子部品40を含む。電子部品40は、1つ以上のパワー電子部品、および/または、1つ以上の容量性部品を含む。例えば、電気アセンブリ1は、4つの電子部品40を含み、そのうち1つは容量性部品であり、他の3つはインバータ1によって制御されるモータの3相のうちの1つにそれぞれ対応するパワーエレクトロニクス部品である。とはいえ、本発明は、電子部品40の個数または電子部品40の種類に関して限定されない。
【0033】
冷却モジュール10は、冷却ユニットを含む。冷却ユニットを組み立てることで、冷却流体60を搬送するように構成された流体冷却回路を形成することが可能となる。
図1~
図3に示す例では、冷却モジュール10は、2つの冷却ユニット101a、101bを含む。本発明は、所望の冷却モジュール10の形状および構造に応じて、より多くの冷却ユニットを含み得る。冷却モジュール10が六角形の形状である別の実施形態では、冷却モジュール10は、3つの冷却ユニットで構成される。
【0034】
特に、冷却モジュール10の冷却ユニット101a、101bは、構造、動作、および、好ましくは材料、の点で同一である。冷却ユニット(101aまたは101b)は、好ましくは、AlSi12(Fe)型のアルミニウムなどの材料で構成される。あるいは、冷却ユニット(101aまたは101b)は、PA66 GF30タイプの充填プラスチック、またはインバータなどのパワーエレクトロニクスユニットでの使用に適した成形性および機械的健全性(mechanical integrity capacity)を有する他の任意の材料で構成することができる。冷却ユニットは、冷却流体60の循環を可能にする中空構造を有する。
【0035】
冷却ユニットは、それぞれ、第1の部分20と第2の部分30とを含む。第1の部分20および第2の部分30はそれぞれ、実質的に平行六面体の形状の中空部を形成している。当該第1の部分および第2の部分30はそれぞれ、他方の部分の外面にそれぞれ向けられた第1の外面22、32を有する。それぞれの当該第1の外面22、32はそれぞれ、1つ以上の電子部品40を受容することを意図した受容ゾーンを含む。冷却ユニットは、電子部品40を所定の位置に固定し保持するための保持支持体としても使用される。
【0036】
冷却ユニット(101aまたは101b)の第1の部分20および第2の部分30の少なくとも一方は、同じ冷却モジュール10のうち当該冷却ユニットとは別の部分に密封状態で接続されるように構成された接続開口を含む。冷却モジュール10の当該他方の部分は、当該冷却モジュール10の別の冷却ユニットであってもよい。
【0037】
冷却ユニット(101aまたは101b)の第1の部分20および第2の部分30は、冷却モジュール10の接合ゾーン51で交わる。好ましくは、冷却ユニットの2つの部分20、30および接合ゾーン51は、一体に形成される。特に、冷却ユニットの2つの部分20と30との間には、内角が形成される。一実施形態において、冷却ユニットの内角は、90度に等しい。この場合、冷却ユニットはL字型である。なお、内角は、90度より大きくても小さくてもよい。例えば、冷却モジュール10が六角形の形状である別の実施形態では、各冷却ユニットの内角は120度である。
【0038】
一実施形態において、冷却モジュール10の第1の部分20は、第1の外面22と、第1の外面22とは反対側にある、特に平行な第2の外面23と、(第1の)接続開口25と、中空部とを含む。同様に、第2の部分30は、第1の外面32と、第1の外面32とは反対側にある、特に平行な第2の外面33と、(第2の)接続開口35と、中空部とを含む。そして、2つの部分20と30との間の内角は、第1の外面22と32によって画定される。
【0039】
また、冷却ユニットは、(
図1~
図3の例で説明したように)第1の部分20または(図では説明しない)第2の部分30のいずれかに形成されたオリフィス55を含む。オリフィス55は、冷却モジュール10の流体入口または流体出口として使用される。第1の部分20の中空部または第2の部分30の中空部に開口するオリフィス55は、第1の部分20の第2の外面23、または第2の部分30の第2の外面33に形成されている。好ましくは、冷却ユニットとそのオリフィス55は一体に形成される。
【0040】
上述したように、第1の外面22、32はそれぞれ、1つ以上の当該電子部品40を受容することを意図した受容ゾーンを含む。より具体的には、1つ以上の電子部品40はそれぞれ、第1の部分の第1の外面22の受容ゾーンと接触する表面、または第2の部分の第1の外面32のそれと接触する表面を含む。したがって、電子部品40の動作時に発生する熱を、第1の外面22、32の受熱ゾーンとの接触により、また、冷却ユニット101aまたは101bの中空部に循環する冷却流体60により放散させることができる。
【0041】
冷却ユニットについて、第1の接続開口25は、接合ゾーン51から遠位となる第1の部分20の端部に位置する。第2の接続開口35は、第2の部分30の端部に向かって位置する。好ましくは、第2の接続開口35は、
図1に示されるように、第1の外面32に形成され、第1の外面32の受容ゾーンとは異なるゾーンに位置する。
【0042】
一方の冷却ユニット(例えば「101a」)の第1の接続開口25は、他方の冷却ユニット(例えば「101b」)の第2の接続開口35に密封状態で接続されるように構成されている。このようにして、冷却モジュール10の密封された接合部52が組立時に形成される。同様に、一方の冷却ユニット(例えば「101a」)の第2の接続開口35は、他方の冷却ユニット(例えば「101b」)の第1の接続開口25に密封状態で接続されるように構成されている。したがって、
図1および
図2に示されるように、組立時に別の密封された接合部52が形成される。冷却モジュール10の密封された接合部52は、別々の冷却ユニットで構成された冷却モジュール内で、冷却流体60を漏洩させることなく循環させることが可能である。
【0043】
なお、試験および製造段階を容易にするために、冷却ユニットの組立前に、電子部品40を冷却ユニットに搭載することができる。このようにして、電気的なサブアセンブリが形成される。例えば、冷却ユニット101aおよびそこに搭載された電子部品40は、電気サブアセンブリを形成し、冷却ユニット101bおよびそこに搭載された電子部品40は、別の電気サブアセンブリを形成する。
【0044】
電気サブアセンブリは別々に試験することができるため、ライン終了時の不合格品に関わるコストを削減することが可能である。したがって、電気サブアセンブリを組み立てることで、電気アセンブリ1が形成される。
【0045】
冷却ユニットの組立(または電気サブアセンブリの組立)の後、冷却流体60は、したがって、
図2および
図3で説明したように、冷却モジュール10の流体入口(例えば、冷却ユニット101aのオリフィス55)から冷却モジュール10の流体出口(例えば、冷却ユニット101bのオリフィス55)に向かって冷却ユニット101aおよび101bの中空部内で循環することができる。従来の冷却モジュールと比較して、このような冷却モジュール10は、電子部品と冷却ユニットとの相互接続に関する問題をもはや有しない。
【0046】
したがって、本発明は多くの利点を有する。冷却ユニットは、単純かつ強固な構造を有する。冷却回路を形成するように製造(例えば成形)および組み立てることができる。冷却モジュールは、好ましくは同一の冷却ユニットで構成され、これにより、冷却モジュールおよび電気アセンブリの製造を簡略化することができるとともに、様々な電子部品に適合させることができる。このため、様々な形状や構造の冷却モジュール素子を製造する必要がない。
【0047】
本発明による冷却モジュール、また、冷却モジュールが組み込まれた電気アセンブリは、従来の冷却システムおよび電気アセンブリに比べて、嵩張らず、安価で、軽量かつ強固である。
【0048】
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、その精神に沿うあらゆる実施形態を包含するものである。
【外国語明細書】