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特開2022-97561地図、車両状態、および環境に合わせたセンサ放射電力の調整
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022097561
(43)【公開日】2022-06-30
(54)【発明の名称】地図、車両状態、および環境に合わせたセンサ放射電力の調整
(51)【国際特許分類】
   G01S 17/931 20200101AFI20220623BHJP
   G01S 17/87 20200101ALI20220623BHJP
   G01S 13/931 20200101ALI20220623BHJP
   G01S 13/87 20060101ALI20220623BHJP
   G08G 1/09 20060101ALI20220623BHJP
【FI】
G01S17/931
G01S17/87
G01S13/931
G01S13/87
G08G1/09 H
G08G1/09 F
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022071145
(22)【出願日】2022-04-22
(62)【分割の表示】P 2020544472の分割
【原出願日】2019-03-01
(31)【優先権主張番号】15/917,184
(32)【優先日】2018-03-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】317015065
【氏名又は名称】ウェイモ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100126480
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 睦
(72)【発明者】
【氏名】イングラム,ベンジャミン
(72)【発明者】
【氏名】マクロスキー,エドワード
(72)【発明者】
【氏名】キャンベル,ティモシー
(72)【発明者】
【氏名】ドロズ,ピエール-イヴ
(57)【要約】
【課題】アクティブセンサシステムを容易にするシステムおよび方法を提供する。
【解決手段】例示的な方法は、車両の動作状況を示す情報を受信することを含み、少なくとも1つの光検出測距(LIDAR)センサまたは少なくとも1つのレーダーセンサが、車両に結合されている。本方法はまた、複数のセンサ電力構成から、車両の動作状況に基づいて所望のセンサ電力構成を選択することを含む。本方法は、少なくとも1つのLIDARセンサに、所望のセンサ電力構成に従って光パルスを放射させることか、または少なくとも1つのレーダーセンサに、所望のセンサ電力構成に従ってレーダーエネルギーを放射させることの少なくとも一方をさらに含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
車両であって、前記車両に結合された光検出測距(LIDAR)センサまたは前記車両に結合されたレーダーセンサのうちの少なくとも1つを備える、車両と、
動作を行うように命令を実行するように構成されたコントローラであって、前記動作が、
前記車両の動作状況を示す情報を受信することと、
複数のセンサ電力構成から、前記車両の前記動作状況に基づいて所望のセンサ電力構成を選択することと、
前記少なくとも1つのLIDARセンサに、前記所望のセンサ電力構成に従って光パルスを放射させることか、または前記少なくとも1つのレーダーセンサに、前記所望のセンサ電力構成に従ってレーダーエネルギーを放射させることのうちの少なくとも1つと、を含む、コントローラと、を備える、システム。
【請求項2】
前記少なくとも1つのLIDARセンサ、前記少なくとも1つのレーダーセンサ、グローバルポジショニングシステム(GPS)、慣性計測ユニット(IMU)、温度センサ、速度センサ、カメラ、またはマイクロフォンのうちの少なくとも1つを備える1つ以上のセンサをさらに備え、前記車両の前記動作状況を示す前記情報を受信することが、前記1つ以上のセンサから前記情報の少なくとも一部を受信することを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記車両の前記動作状況を示す前記情報を受信することが、前記情報の少なくとも一部を地図から受信することを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記地図が、道路場所情報、道路タイプ情報、道路形状情報、停止標識の場所、停止灯の場所、停止線の場所、予測された交通情報、リアルタイム交通情報、リアルタイム障害物情報、以前のカメラ情報、以前のLIDAR情報、または以前のレーダー情報のうちの少なくとも1つを含む、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記車両の前記動作状況を示す前記情報を受信することが、現在の時刻、現在の太陽位置、ローカルな気象条件、現在の環境の温度、または現在の内部ハードウェア温度のうちの少なくとも1つを示す情報を受信することを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記複数のセンサ電力構成が、LIDAR動作パラメータを含み、前記LIDAR動作パラメータが、有効なLIDARユニット(複数可)、動的セクタ角度レンジ、光パルスごとのセクタベースの電力、光パルスレート、またはLIDAR走査レートのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記複数のセンサ電力構成が、レーダー動作パラメータまたはレーダー信号処理パラメータのうちの少なくとも1つを含み、前記レーダー動作パラメータが、有効なレーダーユニット(複数可)、有効なレーダーユニットごとの選択されたエミッター、ビームフォーミング方向、レーダーパルスごとのエネルギー、レーダービーム形状、レーダーパルス帯域幅、レーダーパルス持続時間、レーダーパルス繰り返し周波数、コヒーレントな処理間隔ごとのレーダーパルスの数、または隣接するコヒーレントな処理間隔の間の待機時間のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記車両の前記動作状況を示す前記情報が、別の車両から受信される、位置データ、速度データ、将来の位置、計画された軌道、LIDARセンサデータ、またはレーダーセンサデータのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記所望のセンサ電力構成が、他の車両から受信される前記情報にさらに基づく、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記車両の前記動作状況を示す前記情報が、インフラストラクチャソースから受信される、交通灯状態、交通灯スケジュール、標識状態、交通速度、建設ステータス、LIDARセンサデータ、またはレーダーセンサデータのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記所望のセンサ電力構成が、前記インフラストラクチャソースから受信される前記情報にさらに基づく、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
方法であって、
車両の動作状況を示す情報を受信することであって、少なくとも1つの光検出測距(LIDAR)センサまたは少なくとも1つのレーダーセンサが、前記車両に結合されている、受信することと、
複数のセンサ電力構成から、前記車両の前記動作状況に基づいて所望のセンサ電力構成を選択することと、
前記少なくとも1つのLIDARセンサに、前記所望のセンサ電力構成に従って光パルスを放射させることか、または前記少なくとも1つのレーダーセンサに、前記所望のセンサ電力構成に従ってレーダーエネルギーを放射させることの少なくとも一方と、を含む、方法。
【請求項13】
1つ以上のセンサが、前記車両に関連付けられており、前記1つ以上のセンサが、前記少なくとも1つのLIDARセンサ、前記少なくとも1つのレーダーセンサ、グローバルポジショニングシステム(GPS)、慣性計測ユニット(IMU)、温度センサ、速度センサ、カメラ、またはマイクロフォンのうちの少なくとも1つを備え、前記車両の前記動作状況を示す前記情報を受信することが、前記1つ以上のセンサから前記情報の少なくとも一部を受信することを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記車両の前記動作状況を示す前記情報を受信することが、前記情報の少なくとも一部を地図から受信することを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記地図が、道路場所情報、道路タイプ情報、予測された交通情報、リアルタイム交通情報、リアルタイム障害物情報、以前のカメラ情報、以前のLIDAR情報、または以前のレーダー情報のうちの少なくとも1つを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記車両の前記動作状況を示す前記情報を受信することが、現在の時刻、現在の太陽位置、ローカルな気象条件、現在の環境の温度、または現在の内部ハードウェア温度のうちの少なくとも1つを示す情報を受信することを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記複数のセンサ電力構成が、LIDAR動作パラメータを含み、前記LIDAR動作パラメータが、有効なLIDARユニット(複数可)、動的セクタ角度レンジ、光パルスごとのセクタベースの電力、光パルスレート、またはLIDAR走査レートのうちの少なくとも1つを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
前記複数のセンサ電力構成が、レーダー動作パラメータを含み、前記レーダー動作パラメータが、有効なレーダーユニット(複数可)、有効なレーダーユニットごとの選択されたエミッター、ビームフォーミング方向、レーダーパルスごとのエネルギー、レーダービーム形状、レーダーパルス帯域幅、レーダーパルス持続時間、レーダーパルス繰り返し周波数、コヒーレントな処理間隔ごとのレーダーパルスの数、または隣接するコヒーレントな処理間隔の間の待機時間のうちの少なくとも1つを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項19】
前記車両の前記動作状況を示す情報を受信することが、別の車両からの、位置データ、速度データ、将来の位置、計画された軌道、LIDARセンサデータ、またはレーダーセンサデータのうちの少なくとも1つを受信することを含み、前記所望のセンサ電力構成が、他の車両から受信される前記情報にさらに基づく請求項12に記載の方法。
【請求項20】
前記車両の前記動作状況を示す情報を受信することが、インフラストラクチャソースからの、交通灯状態、交通灯スケジュール、標識状態、交通速度、建設ステータス、LIDARセンサデータ、またはレーダーセンサデータのうちの少なくとも1つを受信することを含み、前記所望のセンサ電力構成が、前記インフラストラクチャソースから受信される前記情報にさらに基づく、請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本特許出願は、その内容が参照により本明細書に組み込まれる2018年3月9日出願の米国出願第15/917,184号の優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
アクティブセンサは、環境の周囲で反射し得、かつデバイスに戻り次第測定され得る、エネルギーを放射するデバイスを含む。アクティブセンサはとりわけ、レーダーと、LIDARと、を含む。そのようなアクティブセンサは、自律または半自律車両、ロボット工学、マッピング、およびセキュリティアプリケーションなどのエリアで利用され得る。
【発明の概要】
【0003】
本開示は一般的には、環境についての情報を取得するように構成され得る光検出測距(LIDAR)および電波検出測距(RADARまたはレーダー)システムに関する。そのようなLIDARおよびレーダーデバイスは、自律および半自律自動車、トラック、オートバイ、およびそれぞれの環境内で移動することができる他のタイプの車両などの車両で実行され得る。
【0004】
第1の態様では、システムが提供される。本システムは、車両を含む。車両は、車両に結合されたLIDARセンサまたは車両に結合されたレーダーセンサのうちの少なくとも1つを含む。本システムは、動作を行うように命令を実行するように構成されたコントローラを含む。動作は、車両の動作状況を示す情報を受信することを含む。動作はまた、複数のセンサ電力構成から、車両の動作状況に基づいて所望のセンサ電力構成を選択することを含む。動作は、少なくとも1つのLIDARセンサに、所望のセンサ電力構成に従って光パルスを放射させることか、または少なくとも1つのレーダーセンサに、所望のセンサ電力構成に従ってレーダーエネルギーを放射させることのうちの少なくとも1つをさらに含む。
【0005】
第2の態様では、方法が提供される。本方法は、車両の動作状況を示す情報を受信することを含む。少なくとも1つのLIDARセンサまたは少なくとも1つのレーダーセンサは、車両に結合されている。本方法はまた、複数のセンサ電力構成から、車両の動作状況に基づいて所望のセンサ電力構成を選択することを含む。本方法は、少なくとも1つのLIDARセンサに、所望のセンサ電力構成に従って光パルスを放射させることか、または少なくとも1つのレーダーセンサに、所望のセンサ電力構成に従ってレーダーエネルギーを放射させることのうちの少なくとも1つをさらに含む。
【0006】
他の態様、実施形態、および実装形態は、当業者には、以下の詳細な説明を添付の図面を適宜参照して読み取ることにより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】例示的な実施形態によるシステムを例証する。
図2】例示的な実施形態によるシステムのいくつかの動作を例証する。
図3】例示的な実施形態による車両を例証する。
図4A】例示的な実施形態による感知シナリオを例証する。
図4B】例示的な実施形態による感知シナリオを例証する。
図4C】例示的な実施形態による感知シナリオを例証する。
図4D】例示的な実施形態による感知シナリオを例証する。
図5A】例示的な実施形態による感知シナリオを例証する。
図5B】例示的な実施形態による感知シナリオを例証する。
図6】例示的な実施形態による方法を例証する。
【発明を実施するための形態】
【0008】
例示的な方法、デバイス、およびシステムが本明細書において説明される。「例(example)」および「例示的(exemplary)」という語は、本明細書においては、「例、事例、または例示としての役割を果たす(serving as an example,instance,or illustration)」ことを意味するために使用されることを理解されたい。本明細書において「例」または「例示的」であるとして説明される任意の実施形態または特徴は、他の実施形態または特徴よりも好ましい、または有利であると必ずしも解釈されるべきではない。本明細書において提示される主題の範囲から逸脱することなく、他の実施形態を利用することができ、他の変更を行うことができる。
【0009】
このように、本明細書において説明される例示的な実施形態は、限定を意味するものではない。本明細書において概略説明され、図に例示される本開示の態様は、多種多様な異なる構成で配置する、置き換える、組み合わせる、分離する、および設計することができ、これらの構成の全てが本明細書において想到される。
【0010】
さらに、文脈が異なることを示唆していない限り、これらの図の各図に示されている特徴は、互いに組み合わせて使用することができる。このように、図は一般に、例示される全ての特徴が実施形態ごとに必要である訳ではないという理解の下に、1つ以上の概略実施形態の構成態様として考えられるべきである。
【0011】
I.概要
アクティブセンサシステムの設計は、センサ視野とセンサレンジとの間にアプリケーション固有および/または状況固有のトレードオフを含み得る。いくつかのアプリケーションについて、関連する目標が任意の方位角で存在し得るため、視野は重要である。特に対象とセンサとの間にかなりの速度差があり得るときに、距離を置いた対象検出が一般的に望ましいため、レンジは重要である。
【0012】
自律または半自律車両の状況内では、多くの場合、広い視野および長いセンサレンジの両方を有することが望ましい。例えば、ハイウェイ速度で移動する車両は、同じ車線または隣接する車線のはるか前方で停止した交通を感知することができるべきである。同様に、(例えば、出口車線またはHOV車線に)車線を変更するゆっくり移動する車両は、後方から高速で対向する交通を感知することができるべきである。またさらに、専用のターン矢印のない交差点で保護されていないターンを行う車両は、複数の方向から速く接近する交通を感知することができるべきである。別の例は、オンランプまたはクローバーリーフランプからハイウェイ交通に合流する車両を含む。本明細書では、車両/対象間の大きい相対速度差を有する他の運転シナリオ(および距離を置いて高速移動対象を識別するための対応する望ましさ)が想定される。
【0013】
これらの運転例の多くは、約200メートル以上のセンサレンジを有益に使用することができる。さらに、車道交差角度が変化し、道路が実質的にカーブし得るため、完全な360度の方位にわたる長いセンサレンジが望ましくあり得る。
【0014】
しかしながら、広い視野および長いセンサレンジの両方を同時に達成することは困難であり得る。このトレードオフの1つのソースは、例えば、エミッターまたはデバイスの冷却を実現可能にするために、冷却システムをプラットフォームに物理的に統合するのを容易にするために、プラットフォームの電気的能力(例えば、オルタネーター能力)または冷却能力(例えば、ラジエーター能力)内に適合させるために、および/または燃料経済性への影響を最小限にするために、平均的なセンサ電力を制限したいという要求であり得る。必要な電力は、LIDARに典型的な狭い光ビームについてのレンジの2乗の関数(Pαr)、およびレーダーに典型的なより広いビームについてのレンジの4乗(Pαr)の関数である。したがって、制限されたセンサ電力は、広い視野にわたって向けられ得るが、長いレンジは可能でない場合がある。代替的に、長いレンジは、エネルギーを小さい視野にわたって向けることによって達成され得る。
【0015】
計算能力もまた、視野とレンジとの間のトレードオフをもたらし得る。すなわち、センサ解像度および/またはセンサ視野は、現在利用可能な計算リソース(例えば、メモリ、通信帯域幅、計算帯域幅など)の量によって制限され得る。
【0016】
幸いなことに、多くの状況では、長いセンサレンジは通常、全ての方向で同時に必要とされるわけではない。したがって、センサシステムは、より長い感知レンジが必要とされる方向に高い電力を動的に向け、かつ必要なレンジがより少ない方向により低い電力を動的に向けるかまたは電力を動的に向けないように設計され得る。例えば、再び、自律または半自律車両の状況では、車両が交差点にないとき、大量のセンサ電力が、必ずしも車両の側面に向けられる必要はない。車両が速く(例えば、ハイウェイ速度で)移動しているとき、高いセンサ電力が後方ではなく前方に向けられ得、一般的に、車両の前方の環境の検出を優先する。車両が、対向する交通を横切って保護されていないターンを行うために交通灯で待機しているとき、高いセンサ電力が、灯が緑のときに向けられ得るが、灯が赤のときにデフォルトレベルで動作され得るであろう。これらは、地図、車両状態、および環境に合わせたセンサ放射電力の調整のいくつかの例である。
【0017】
複数のセンサを同じ車両に含むシステムでは、このセンサ放射調整は、個々のセンサレベルで行い得、ここで、各センサは、高い電力を放射するセンサもあるが、低い電力を放射するかもしくは電力を放射しないセンサもあるか、またはセンサの任意の他の組み合わせもしくはグループ分けを使用する、車両レベルで、その視野の一部を高い電力で照射するだけである。いくつかのシナリオでは、車両レベルのみでの調整は、プラットフォームの電気的または冷却の制限のような車両レベルの問題に対処し得るが、センサレベルでの調整はまた、センサの問題(例えば、エミッターの冷却または計算)に対処することができる。
【0018】
レーダー装備車両の状況内では、車両は、いくつかのレーダーセンサ(例えば、4~10個のレーダーセンサユニット)を含み得る。そのようなシナリオでは、レーダーセンサの各々は、複数の送信ビーム(例えば、各々が15~30度のビーム広がりを有する2~6個の送信ビーム)のうちの1つに順次通電することによって、それぞれの視野を照射し得る。送信ビームを使用してそれぞれの視野を照射するための他の方法(例えば、全ての送信ビーム、偶数/奇数の送信ビームスケジュールなどでの同時照射)が想定される。
【0019】
いくつかの例示的な実施形態では、いくつかの特定の運転シナリオにおいて、ならびに/または特定の対象(例えば、オートバイおよび/もしくは歩行者)を感知するための取り組みにおいて、増加されたレーダーセンサレンジが望ましくあり得る。例えば、前向きのレーダーセンサユニットについて、4個の送信ビーム(ビーム1~4)を含み得、それは、動作の第1のモード(例えば、ビーム1、次にビーム2、次にビーム3、次にビーム4、そしてその繰り返し)で連続式に照射され得る。動作の第2のモードでは、4個の送信ビームのうちの2個だけ(例えば、ビーム1、次にビーム2、そしてその繰り返し)を照射することにより、接近する車道に届けられる電力が2倍になり得、レンジが約20%(21/4≒1.19)増加し得る。動作の第3のモードでは、4個の送信ビームのうちの1個(例えば、ビーム1のみ)を照射することによって、接近する車道に届けられる電力が4倍になり得、レンジがおよそ40%(41/4≒1.414)増加され得る。
【0020】
いくつかの実施形態では、レーダーセンサシステムの全体的な電力消費を低減することが望ましくあり得る。電力消費のそのような低減は、本明細書において説明されるように、センサレベルおよび/または車両レベルのレーダー放射電力調整を実行することによって達成され得る。
【0021】
例えば、車両が交差点にないとき、横向きのレーダーがオフにされ得るか、またはそれらの放射電力が低減され得る。追加的にまたは代替的に、(例えば、ハイウェイ速度または所定の閾値速度を超えて)速く運転している間、後ろ向きのレーダーがオフされ得るか、またはそれらの放射電力が低減され得る。そのようなシナリオでは、他のセンサシステム(例えば、LIDARおよび/またはカメラ)が、より少ないレーダー電力が放射される環境の領域をカバーするために利用され得る。またさらに、いくつかのシナリオでは、いくつかのセンサシステムまたはビームは、走査される必要がないか、またはその他の方法で利用される必要がない(例えば、完全に電源をオフにされるか、またはスタンバイモードである)。すなわち、そのようなシナリオでは、いくつかの仰角または方位角レンジは、それほど重要ではない、および/または他のセンサシステムによってカバーされ得る。例えば、ゆっくりと(例えば、所定の閾値速度を下回って)運転しているとき、または特定の環境で、前向きのレーダーがオフにされ得るか、またはそれらの放射電力が低減され得る。そのような技術を利用することによって、レーダーセンサシステムの電力消費が半分以上低減され得る。
【0022】
LIDAR装備車両の状況では、複数の発光体は、各発光体がそれぞれの仰角に沿って光を放射するように配設され得る。そのようなシナリオでは、複数の発光体は、回転軸(例えば、垂直軸)の周りで回転して、完全な360度方位角レンジにわたってカバレッジを提供し得る。
【0023】
いくつかの実施形態では、LIDARセンサシステムの全体的な電力散逸を低減することが望ましくあり得る。したがって、本明細書において説明されるシステムおよび方法を使用して、光パルスおよび/またはショット電力は、方位角の関数として調節または変更され得る。例えば、所定の閾値速度を超えて運転しているとき、完全な電力が、前向きの20~30度コーン内で放射される光パルスに提供され得、それは、その前向きのコーン内で完全な感知レンジ(例えば、約200メートル以上)を提供し得る。そのようなシナリオでは、45%の電力が、後ろ向きの20~30度コーン内で提供され得、それは、最大感知レンジのおよそ2/3(例えば、約133メートルの効果的なレンジ、または約100~150メートルレンジ)を後ろ向きのコーン内で提供し得る。さらに、10%の電力が、側面に提供され得、それは、側面に対して効果的な感知レンジをおよそ1/3(例えば、約66メートルの効果的なレンジ、または約30~100メートルレンジ)低減し得る。方位角の関数としてのそのようなLIDAR電力放射調整は、LIDARセンサシステムの平均的な電力消費を80%以上低減し得る。
【0024】
いくつかの実施形態では、車両の環境内の特定のセクタ(例えば、空間エリアまたはボリューム)は、車両の動作状況に基づいて順序のランク付けまたは優先順位付けされ得る。比較的低い優先度のセクタは、より少ないレーザー放射電力またはレーダー放射電力(例えば、より少ない頻度での走査、より低い空間解像度、および/またはより低い平均的なパルス電力)を受信し得る。一方、高い優先度のセクタは、比較的より高いレーザー放射電力および/またはレーダー放射電力(例えば、比較的より高い頻度での走査、より高い空間解像度、および/またはより高い平均的なパルス電力)を受信し得る。
【0025】
II.例示的なシステム
図1は、例示的な実施形態によるシステム100を例証’する。システム100は、半自律または完全自律車両(例えば、自動運転車)の少なくとも一部を説明し得る。すなわち、いくつかの実施形態では、システム100は、図3および図4A図4Dを参照して例証され、説明されるような車両300などの自律または半自律車両に組み込まれ得る。
【0026】
システム100は、車両110を含む。車両110は、他の例の中でもとりわけ、車、トラック、バス、フォークリフト、レクリエーション車両、移動ロボット、ボート、航空車両、または所与の環境を感知してそれの内でナビゲートするように構成された別のタイプのシステムを含み得る。
【0027】
例示的な実施形態では、少なくとも1つの光検出測距(LIDAR)センサ120が、車両110に結合され得る。いくつかの実施形態では、LIDARセンサ(複数可)120は、送信ブロックと、受信ブロックと、を含み得る。送信ブロックは、例えば、レーザーダイオード、発光ダイオード、または他のタイプの発光デバイスを含み得る。例示的な実施形態では、発光デバイスは、903ナノメートル付近の波長で光を放射するように構成されたInGaAs/GaAsレーザーダイオードを含み得る。他の放射波長が想定される。いくつかの実施形態では、発光デバイスは、レーザーダイオード、レーザーバー、またはレーザースタックのうちの少なくとも1つを含み得る。さらに、発光デバイスは、持続時間がおよそ1~10ナノ秒の光パルスを提供するように構成され得る。他の光パルス持続時間が可能である。
【0028】
追加的にまたは代替的に、LIDARセンサ(複数可)120の発光デバイスは、1つ以上の主発振器出力増幅器(MOPA)ファイバーレーザーを含み得る。そのようなファイバーレーザーは、1550ナノメートルで、または約1550ナノメートルで光パルスを提供するように構成され、シードレーザーと、シードレーザー光をより高い電力レベルに増幅するように構成された、ある長さのアクティブ光ファイバーとを含み得る。しかしながら、他のタイプの発光デバイス、材料、および発光波長が可能であり、想定される。
【0029】
いくつかの実施形態では、LIDARセンサ(複数可)120のそれぞれの発光デバイスは、所望の解像度を提供するように、それぞれの目標場所に向けて複数の放射ベクトルに沿って車両110の環境に光を放射するように構成され得る。そのようなシナリオでは、LIDARセンサ(複数可)120の発光デバイスは、放射された光がシステム100の外部環境と相互作用するように、複数の放射ベクトルに沿って光を放射するように動作可能であり得る。
【0030】
それぞれの放射ベクトルは、車両110の方位または場所に対する方位角および/もしくは仰角(ならびに/または対応する角度レンジ)を含み得る。いくつかの実施形態では、LIDARセンサ(複数可)120によって放射される光は、回転マウントおよび/または移動ミラーを調節することによって、それぞれの放射ベクトルに沿って向けられ得る。LIDARセンサ(複数可)120によって放射される光の放射ベクトルを調節するための他の方法は、本開示の文脈内で想定される。
【0031】
一例として、LIDARセンサ(複数可)120は、少なくとも1つの基板を含み得る。少なくとも1つの基板は、1つ以上の垂直面に沿って配置され得る。そのようなシナリオでは、複数の放射ベクトルは、水平面に対して定義され得る。さらに、一例として、少なくとも1つの基板は、それ自体が実質的に垂直であり得る回転軸の周りを回転するように構成されたハウジング内で垂直に配向され得る。そのようなシナリオでは、LIDARセンサ(複数可)120の発光デバイスは、ハウジングに結合され得る。ハウジングは、回転軸の周りを回転するように構成されている。例示的な実施形態では、ハウジングは、LIDARセンサ(複数可)120の発光デバイスが360度の方位走査を提供し得るように回転し得る。
【0032】
追加的にまたは代替的に、LIDARセンサ(複数可)120の発光デバイスは、可動ミラーに向けて光を放射し得る。可動ミラーの配向を調節することによって、光の放射ベクトルが制御可能に修正され得る。多くの異なる物理的および光学的技術を使用して、光を所与の目標場所に向けることができることが理解されよう。本明細書では、光の放射ベクトルを調節するための全てのそのような物理的および光学的技術が想定される。
【0033】
システム100は、追加的にまたは代替的に、車両110に結合された少なくとも1つのレーダーセンサ130を含み得る。一般的には、レーダーセンサ(複数可)130は、単一入力単一出力(SISO)、単一入力複数出力(SIMO)、複数入力単一出力(MISO)、複数入力複数出力(MIMO)、および/または合成開口レーダー(SAR)レーダーアンテナアーキテクチャの形態を取り得る、1つまたは複数のアンテナアレイを含み得る。
【0034】
いくつかの実施形態では、レーダーセンサ(複数可)130は、電波信号を放射し、戻ってくる反射信号を検出することによって、環境の特徴物までの距離をアクティブに推定するように構成され得る。電波反射特徴物までの距離は、送信と受信との間の時間遅延に従って判定することができる。例示的な実施形態では、レーダーセンサ(複数可)130は、他の可能性の中でもとりわけ、周波数変調連続波(FMCW)レーダーシステムを含み得る。そのようなレーダーシステムは、時変周波数ランプを有する信号などの、時間とともに周波数が変化する信号を放射し得、次に、放射された信号と反射信号との間の周波数の差をレンジ推定に関連付け得る。いくつかのレーダーセンサ(複数可)130はまた、受信された反射信号のドップラー周波数シフトに基づいて反射対象の相対運動を推定し得る。
【0035】
いくつかの実施形態では、レーダーセンサ(複数可)130は、システム(例えば、車両制御システム)が、車両110を取り巻く環境内の他の特徴物の中でもとりわけ、近くの車両、道路境界、気象条件、交通標識および交通信号、ならびに歩行者を検出し、潜在的に識別することを可能にし得る。例えば、車両制御システムは、自律または半自律ナビゲーションのための制御計画を判定するときに、環境の態様のレーダー計測を使用し得る。いくつかの実施形態では、レーダーセンサ(複数可)130は、車両制御システムが障害物を回避するのを支援し得るが、ナビゲーションのための適切な経路の判定の支援もし得る。
【0036】
レーダーセンサ(複数可)130は、1つ以上の指向性アンテナを含み得る。そのようなシナリオでは、指向性アンテナは、信号の送信および/または受信のために使用されて、各レンジ推定および/または相対速度推定を方位角および/または仰角に関連付け得る。より一般的には、指向性アンテナを使用して、放射エネルギーを所与の対象視野に集中させることもできる。測定された距離と方向情報とを組み合わせると、周囲の環境特徴をマッピングすることが可能になる。
【0037】
例示的な実施形態では、レーダーセンサ(複数可)130は、線形アレイに配設され得る複数の指向性アンテナを含み得る。追加的にまたは代替的に、複数の指向性アンテナは、千鳥状線形アンテナアレイを含み得る。
【0038】
千鳥状線形アンテナアレイは、線形アレイに類似しているが、アレイの中心線からオフセットされた1つ以上のアンテナを含む。特に、異なる配向で配設された複数のレーダーユニット、および環境の3D表現を形成するように測定を調整するための複雑な処理を利用するのではなく、アンテナの千鳥状線形アレイで構成されたレーダーユニットは、システムが位置および配向情報に加えて高度情報を抽出することを可能にし得る測定を捕捉し得る。その結果、千鳥状線形アレイレーダーユニットを使用するレーダーシステムは、複数のレーダーユニットが異なる配向から同じ領域を測定することを必要とすることなく、環境を表す3D点群を判定し得る。
【0039】
いくつかの実施形態では、レーダーアンテナアーキテクチャは、複数の「デュアルオープンエンド導波路」(DOEWG)アンテナを含み得る。いくつかの例では、「DOEWG」という用語は、水平導波路チャネルの短いセクションと、2つの部分に分割される垂直チャネルとを指してもよく、垂直チャネルの2つの部分のそれぞれは、アンテナに入る電磁波の少なくとも一部を放射するように構成された出力ポートを含む。加えて、複数のDOEWGアンテナは、1つ以上のアンテナがオフセットされた送信および/または受信アンテナの千鳥状線形アレイなどのアンテナアレイに配置されてもよい。
【0040】
例示的なアンテナアーキテクチャは、例えば、コンピュータ数値制御(CNC)で機械加工され、適切に調整され、かつ一緒に接合され得る複数の金属層(例えば、アルミニウムプレート)を含み得る。第1の金属層は、入力導波路チャネルの前半を含んでいてもよく、第1の導波路チャネルの前半は、電磁波(例えば、77GHzミリ波)を第1の導波路チャネルに受信するように構成され得る入力ポートを含む。第1の金属層は、複数の波分割チャネルの前半も含んでいてもよい。複数の波分割チャネルは、入力導波路チャネルから分岐し、入力導波路チャネルから電磁波を受け取り、電磁波を電磁波の複数の部分に分割し(すなわち、電力分割器)、電磁波のそれぞれの部分を複数の波放射チャネルのそれぞれの波放射チャネルに伝搬するように構成され得るチャネルのネットワークを含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、導波管アンテナ要素および/または導波管出力ポートは、形状が長方形であってもよい。いくつかの代替の実施形態では、導波管アンテナ要素および/または導波管出力ポートは、形状が円形であってもよい。他の形状も可能である。
【0041】
例示的な実施形態では、複数のレーダーセンサ130の各々は、車両110の本体に沿っておよび/または車両110の本体内に異なる場所に配設され得る。例えば、4つのレーダーセンサが、車両110の外側の表面上に取り付けられ得る。4つのレーダーセンサは、車両110の前側、後側、右側、および左側に沿って配向され得る。レーダーセンサ(複数可)130の他の配置が想定される。例えば、レーダーセンサ(複数可)130は、車両110の縦軸に対しておよそ45度の方位角で車両110の1つ以上のコーナーに近接して配設され得る。レーダーセンサ(複数可)130の他の配向が可能であることが理解されよう。例えば、レーダーセンサ(複数可)130は、車両110の縦軸に対して45度以外の方位角で配設され得る。
【0042】
システム100は、少なくとも1つの他のセンサ(複数可)140を含み得る。いくつかの実施形態では、他のセンサ(複数可)140は、グローバルポジショニングシステム(GPS)、慣性計測ユニット(IMU)、温度センサ、速度センサ、カメラ、またはマイクロフォンを含み得る。他のタイプのセンサが、システム100に含まれ得る。そのようなシナリオでは、車両の動作状況を示す情報を受信することは、1つ以上の他のセンサから情報の少なくとも一部を受信することを含み得る。
【0043】
システム100は、通信インターフェース160を含む。通信インターフェース160は、限定することなく、2つ以上のデバイスを接続する1つ以上の有線および/または無線通信リンクを含み得る。通信インターフェース160は、物理的なリンクを含み得る。代替的にまたは追加的に、通信インターフェース160は、1つ以上の物理的なリンクを利用する論理リンクを含み得る。通信インターフェース160は、以下に限定される必要はないが、コンピュータネットワーク、インターネット、クラウド計算ネットワーク、または他のネットワークタイプで利用される通信リンクを含み得る。
【0044】
通信インターフェース160は、他の外部または内部デバイスと通信し得る、1つ以上の無線送信機および1つ以上の受信機を含み得る。例えば、通信インターフェース160は、他の可能性のあるエンティティの中でもとりわけ、ユーザーのデバイス、他の車両、および車道要素(例えば、標識、交通信号)と通信するための1つ以上のトランシーバを含み得る。したがって、通信インターフェース160は、専用狭域通信(DSRC)、電波周波数識別(RFID)、および高度輸送システムを対象とする他の提案された通信規格などの通信を容易にするための1つ以上の車両の通信システムを含み得る。
【0045】
システム100は、コントローラ150を含む。いくつかの実施形態では、コントローラ150は、車両搭載コンピュータ、外部コンピュータ、またはスマートフォン、タブレットデバイス、パーソナルコンピュータ、ウェアラブルデバイスなどの移動計算プラットフォームを含み得る。追加的にまたは代替的に、コントローラ150は、クラウドサーバネットワークなどの遠隔に位置するコンピュータシステムを含み得るか、またはそれに接続され得る。例示的な実施形態では、コントローラ150は、本明細書において説明される、動作、方法ブロック、またはステップのいくつかまたは全てを行うように構成され得る。
【0046】
コントローラ150は、1つ以上のプロセッサ152および少なくとも1つのメモリ154を含み得る。プロセッサ152は、例えば、マイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、またはフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)を含み得る。本明細書では、ソフトウェア命令を行うように構成された、他のタイプのプロセッサ、回路、コンピュータ、または電子デバイスが想定される。
【0047】
メモリ154は、以下に限定されないが、読み出し専用メモリ(ROM)、プログラム可能読み出し専用メモリ(PROM)、消去可能プログラム可能読み出し専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラム可能読み出し専用メモリ(EEPROM)、不揮発性ランダムアクセスメモリ(例えば、フラッシュメモリ)、半導体ドライブ(SSD)、ハードディスクドライブ(HDD)、コンパクトディスク(CD)、デジタルビデオディスク(DVD)、デジタルテープ、読み取り/書き込み(R/W)CD、R/W DVD等の非一過性コンピュータ可読媒体を含んでもよい。
【0048】
コントローラ150の1つ以上のプロセッサ152は、本明細書において説明され、図2を参照して例証され、説明されるような様々な動作200を行うように、メモリ154に格納された命令を実行するように構成され得る。図2は、システム100のいくつかの動作200を例証しているが、本明細書では、他の動作が可能であり、想定される。
【0049】
図2に関して例証され、説明される動作200は、少なくとも部分的に、コントローラ150、LIDARセンサ(複数可)120、レーダーセンサ(複数可)130、他のセンサ(複数可)140、ならびに/またはシステム100および車両110の他の要素によって行われ得る。さらに、動作200は特定の順序で発生することとして説明されているが、代替の組み合わせ、順序、および/またはタイミングパターンが可能であり、想定されることが理解されよう。
【0050】
コントローラ150は、車両の動作状況を示す情報を受信することを含む動作210を行い得る。いくつかの実施形態では、コントローラ150は、LIDARセンサ(複数可)120からLIDARセンサデータ202を受信し得る。追加的にまたは代替的に、コントローラ150は、レーダーセンサ(複数可)130からレーダーセンサデータ204を受信し得る。またさらに、コントローラ150は、他のセンサ(複数可)140から他のセンサデータ206を受信し得る。
【0051】
例示的な実施形態では、様々な形態のセンサデータ(例えば、LIDARセンサデータ202、レーダーセンサデータ204、および/または他のセンサデータ206)は、例えば、車両110の場所についての情報、車両110の方位、車両110の現在の速度、車両110の所望のルート、または車両110についての他の情報を含み得る。
【0052】
センサデータ202、204、および206は、追加的にまたは代替的に、車両110の環境内の対象または要素についての情報を含み得る。例えば、センサデータ202、204、または206は、他の車両、歩行者、建物、車道、および/または車両110の環境での他の対象についての情報を含み得る。
【0053】
いくつかの例示的な実施形態では、車両の動作状況を示す情報を受信することは、地図から情報の少なくとも一部を受信することを含み得る。そのようなシナリオでは、地図は、道路場所情報、道路タイプ情報、予測された交通情報、リアルタイム交通情報、リアルタイム障害物情報、以前のカメラ情報、以前のLIDAR情報、または以前のレーダー情報のうちの少なくとも1つを含み得る。
【0054】
またさらに、車両の動作状況を示す情報を受信することは、現在の時刻、現在の太陽位置、ローカルな気象条件、現在の環境の温度、または現在の内部ハードウェア温度のうちの少なくとも1つを示す情報を受信することを含み得る。
【0055】
いくつかの実施形態では、車両の動作状況を示す情報は、別の車両から受信される、位置データ、速度データ(現在のおよび/もしくは予想された速度)、将来の位置、計画された軌道、LIDARセンサデータ、またはレーダーセンサデータのうちの少なくとも1つを含み得る。そのようなシナリオでは、所望のセンサ電力構成は、少なくとも部分的に、他の車両から受信されるLIDARセンサデータまたはレーダーセンサデータに基づき得る。
【0056】
追加的にまたは代替的に、車両の動作状況を示す情報は、インフラストラクチャソースから受信される、交通灯状態、交通灯スケジュール、標識状態、交通速度、建設ステータス、LIDARセンサデータ、またはレーダーセンサデータのうちの少なくとも1つを含み得る。そのような例では、所望のセンサ電力構成は、少なくとも部分的に、インフラストラクチャソースから受信されるLIDARセンサデータまたはレーダーセンサデータにさらに基づき得る。
【0057】
コントローラ150および/または別の計算デバイスは、受信された情報に基づいて車両110の動作状況を判定することを含む動作220を行い得る。車両110の動作状況は、他の可能性の中でもとりわけ、車両110の場所(例えば、GPS座標)、現在の車道タイプ(例えば、一般道路、ハイウェイ、オン/オフランプ等)、車両110の速度、車両110の計画されたルート、車両110の環境での対象の場所、他の車両の位置、他の車両の予想されたまたは既知のルート、交通密度、現在のまたは隣接する車道に沿った他の車両の平均的な速度、気象条件、時刻、緊急車両の存在、車道建設などを含み得る。車両の動作状況は、他のタイプの情報に基づいて判定され得ることが理解されよう。
【0058】
例えば、いくつかの動作状況は、「平日朝のハイウェイ通勤交通」、「計画された保護されていない左ターンのための分割されたハイウェイへの接近」、「後方から接近する緊急車両」、「オンランプからハイウェイへの合流」、「車道上に氷および雪を有する夜間の一般道路」、「週末の風光明媚なルート」などの表現を含み得る。本明細書では、多くの他のタイプの動作状況が可能であり、想定されることが理解されよう。
【0059】
コントローラ150および/または別の計算デバイスは、複数のセンサ電力構成から、車両110の動作状況に基づいて所望のセンサ電力構成を選択することを含む動作230を行い得る。いくつかの実施形態では、複数のセンサ電力構成は、LIDAR動作パラメータを含み得る。そのようなシナリオでは、LIDAR動作パラメータは、他の可能性の中でもとりわけ、有効なLIDARユニット(複数可)、動的セクタ角度レンジ、光パルスごとのセクタベースの電力、光パルスレート、またはLIDAR走査レートのうちの少なくとも1つを含み得る。
【0060】
追加的にまたは代替的に、複数のセンサ電力構成は、レーダー動作パラメータを含み得る。そのようなシナリオでは、レーダー動作パラメータは、他の可能性の中でもとりわけ、有効なレーダーユニット(複数可)の識別、有効なレーダーユニットごとの選択されたエミッター、ビームフォーミング方向、レーダーパルスごとのエネルギー、レーダービーム形状、レーダーパルス帯域幅、レーダーパルス持続時間、レーダーパルス繰り返し周波数、コヒーレントな処理間隔ごとのレーダーパルスの数、または隣接するコヒーレントな処理間隔の間の待機時間のうちの少なくとも1つを含み得る。
【0061】
他のセンサ電力構成は、レーダーセンサシステムのレーダー信号処理パラメータおよび/またはそこから導出される対象データを低減またはその他の方法で調節するための方法を含み得る。例えば、信号処理調節は、処理される対象データを、第1のレンジ閾値と第2のレンジ閾値との間の対応するレンジを有するものに限定することを含み得る。別の例では、信号処理調節は、処理される対象データを、目標速度レンジ内および/または目標移動ベクトル角度レンジ内の速度および/または移動ベクトルを有する対象に対応するものに限定することを含み得る。
【0062】
またさらに、処理された対象データは、対応する方位角および/または仰角レンジを有するものに限定され得る。追加的にまたは代替的に、いくつかの対象データは、変化する度合いの解像度で処理され得る。すなわち、周辺または2次走査ゾーンからの対象データは、第1の解像度(例えば、低解像度)で処理され得るが、1次走査ゾーンからの対象データは、第2の解像度(例えば、高解像度)で処理され得る。さらに、いくつかの対象データは、様々な処理モードで選択的に処理され得る。例えば、第1の走査ゾーンに対応する対象データは、合成開口レーダー処理モードに従って処理され得るが、第2の走査ゾーンに対応する対象データは、標準的なレーダー処理モードに従って処理され得る。本明細書では、他の特別な処理モードが可能であり、想定される。
【0063】
他のバリエーションの中でもとりわけ、複数のセンサ電力構成は、車両の1つ以上の動作状況に適切であり得るそれぞれの優先度のセクタを含み得る。例えば、高い優先度のセクタは、車両110の所与の動作状況中の、相対的に関心の高い、空間場所、ゾーン、方位レンジ高度レンジ、二次元エリア、または三次元ボリュームに対応し得る。例えば、高い優先度のセクタは、歩行者、他の車両、建物、または他の障害物を含む空間領域を含み得る。
【0064】
低い優先度のセクタは、対象を含まない空間場所および/またはゾーンを含み得るか、または危険が発生すると予測されないエリアを含み得る。いくつかの実施形態では、低い優先度のセクタは、車両の環境での比較的より低いリスクセクタに対応する、空間ボリュームまたはエリアを含み得る。優先度のセクタは、図4A図4Dおよび本明細書の他の場所に関してさらに詳細に説明される。
【0065】
LIDARセンサおよび/またはレーダーセンサの動作は、所与のセクタの優先度に基づいて動的に調節され得る。例えば、比較的低い優先度のセクタは、高い優先度のセクタと比較して、光パルスごとにより低い電力でおよび/またはより少ないレーダーエネルギーで走査され得る。例示的な実施形態では、低い優先度のセクタは、高い優先度のセクタの2分の1または4分の1の光子フラックスおよび/またはレーダーエネルギーで走査され得る。セクタ優先度に基づく他の電力調節が想定され、可能である。
【0066】
追加的にまたは代替的に、低い優先度のセクタは、より高い優先度のセクタよりも低い頻度で走査され得る。すなわち、いくつかの実施形態では、低い優先度のセクタは、より高い優先度のセクタに適用される走査周波数の2分の1または4分の1で走査され得る。セクタ優先度に基づく他の走査周波数調節が想定され、可能である。
【0067】
またさらに、低い優先度のセクタは、より高い優先度のセクタよりも低い空間解像度に従って走査され得る。言い換えると、低い優先度のセクタは、放射された光パルスおよび/またはレーダーエネルギーがより高い優先度のセクタの2倍または4倍の最小空間解像度を提供するように走査され得る。セクタ優先度に基づく他の空間解像度調節が可能であり、想定される。
【0068】
さらなる実施形態として、複数のセンサ電力構成は、道路勾配の変化に基づいて、LIDARおよび/またはレーダーセンサ電力を特定の高度レンジに向けることを含み得る。すなわち、車両が水平な地面上を移動し、上り坂に来る場合、センサ電力は、平地運転シナリオよりもさらに上方に向けられ得る。同様に、接近する道路勾配がマイナスに変化している場合、センサ電力は、通常の平地運転シナリオよりもさらに下方に向けられ得る。
【0069】
コントローラ150または別の計算デバイスは、少なくとも1つのLIDARセンサ120に、所望のセンサ電力構成に従って光パルスを放射させること(例えば、動作250)か、または少なくとも1つのレーダーセンサ130に、所望のセンサ電力構成に従ってレーダーエネルギーを放射させること(例えば、動作260)のうちの少なくとも1つを含む動作240を行い得る。一例として、コントローラ150は、所望のセンサ電力構成に基づいて、1つ以上の命令242をLIDARセンサ(複数可)120に提供し得る。追加的にまたは代替的に、コントローラ150は、所望のセンサ電力構成に基づいて、1つ以上の命令246をレーダーセンサ(複数可)130に提供し得る。
【0070】
図3は、例示的な実施形態による車両300を例証する。車両300は、1つ以上のセンサシステム302、304、306、308、310、320、322、324、および326を含み得る。いくつかの実施形態では、1つ以上のセンサシステム302、304、306、308、および310は、LIDARセンサ(複数可)120と同様または同一であり得るLIDARセンサユニットを含み得る。一例として、センサシステム302、304、306、308、および310は、所与の平面(例えば、x-y平面)に対して角度のレンジにわたって配設された複数の発光体デバイスを有するLIDARセンサを含み得る。
【0071】
センサシステム302、304、306、308、および310のうちの1つ以上は、車両300の周囲の環境を光パルスで照明するように、所与の平面に垂直な軸(例えば、z軸)の周りを回転するように構成され得る。追加的にまたは代替的に、センサシステム302、304、306、308、および310のうちの1つ以上は、車両300の環境で放射された光パルスを向けるように可動ミラーを含み得る。反射光パルスの様々な態様(例えば、飛行の経過時間、偏光など)の検出に基づいて、環境についての情報が、本明細書において説明されるように判定され得る。
【0072】
例示的な実施形態では、センサシステム302、304、306、308、および310は、車両300の環境内の物理的対象に関し得るそれぞれの点群情報を提供するように構成され得る。車両300、ならびにセンサシステム302および304は、特定の特徴を含むものとして例証されているが、他のタイプのシステムが本開示の範囲内で想定されることが理解されよう。
【0073】
一例として、例示的な実施形態は、複数の発光体デバイスを有するLIDARデバイスの送信ブロックを含み得る。複数の発光体デバイスの各発光体デバイスは、それぞれのビーム仰角に沿って光パルスを放射するように構成されている。本明細書の他の箇所に記載されるように、それぞれのビーム仰角は、基準角度または基準面に基づくことができる。いくつかの実施形態では、基準面は、車両の運動の軸または車両に対する別の軸に基づき得る。
【0074】
本明細書のいくつかの説明および例証は複数の発光体デバイスを有するシステムを説明しているが、より少ない発光体デバイス(例えば、単一の発光体デバイス)を有するLIDARシステムも本明細書で想定される。例えば、レーザーダイオードによって放射された光パルスは、システムの環境の周りに制御可能に向けられてもよい。光パルスの放射の角度は、例えば、機械走査ミラー、走査光素子、および/または回転モーターなどの走査デバイスによって調節され得る。例えば、走査デバイスは、所与の軸の周りを往復運動で回転する、および/または垂直軸の周りを回転することができる。別の実施形態では、発光体デバイスは、回転するプリズムミラーに向けて光パルスを放射することができ、それにより、各光パルスと相互作用するときのプリズムミラー角度の角度に基づいて光パルスを環境に放射することができる。追加的に、または別の方法として、走査光学系および/または他のタイプの電気光学機械デバイスは、環境の周りの光パルスを走査することが可能である。
【0075】
いくつかの実施形態では、センサシステム302、304、306、308、および310は、受信機ブロックを含み得る。例えば、受信機ブロックは、放射された光と外部環境との間の相互作用を示す情報を提供するように構成され得る。そのようなシナリオでは、受信機ブロックは、受信された光パルスをシステム100および/または車両110の環境での対象と相関させるように、複数の発光体デバイスから放射される光の少なくとも一部を受信するように構成されたデバイスを含み得る。
【0076】
受信機ブロックは、複数の光検出器デバイスを含み得る。そのようなシナリオでは、複数の光検出器デバイスは、1550nm、903nm、または780nmのうちの少なくとも1つの波長を有する光を検出するように構成され得る。本明細書では、他の波長が可能であり、想定される。いくつかの実施形態では、光検出器デバイスは、アバランシェフォトダイオード、単一光子アバランシェ検出器(SPAD)、またはシリコン光電子増倍管(SiPM)のうちの少なくとも1つを含み得る。さらなる実施形態では、光検出器デバイスは、複数のInGaAs受光器を含み得る。他のタイプの受光器が可能であり、想定される。
【0077】
例示的な実施形態では、1つ以上のセンサシステム320、322、324、および326は、図1および図2を参照して例証され、説明されるレーダーセンサ(複数可)130と同様または同一であり得るレーダーセンサユニットを含み得る。
【0078】
いくつかの実施形態では、センサシステム302、304、306、308、および310(例えば、LIDARセンサ(複数可)120)ならびにセンサシステム320、322、324、および326(例えば、レーダーセンサ(複数可)130)は、各々、方位角レンジ、仰角レンジ、および/または空間解像度を含み得る複数のセクタにわたって対象を感知するように構成され得る。センサシステム304/324および306/326は並べられているように例証されているが、他のセンサ配置が可能であり、想定されることが理解されよう。さらに、センサシステムの特定の場所および数が図3で例証されているが、様々なセンサシステムの異なる取り付け場所および/または異なる数が想定されることが理解されよう。
【0079】
レーダーセンサ(複数可)130の各々は、複数の指向性アンテナ(例えば、4つのアンテナ)を含み得る。そのようなシナリオでは、各指向性アンテナは、15~20度幅のセクタに放射され得る。いくつかの実施形態では、複数のセクタは、空間的に重複しない可能性がある。代替的に、複数のセクタは、部分的にまたは完全に重複し得る。レーダーセンサ(複数可)130の指向性アンテナを介する電波の放射は、比較的より多いまたは比較的より少ない電力を所与のセクタに向けるように独立して制御され得る。
【0080】
いくつかの実施形態では、レーダーセンサ130のうちの1つ以上は、フェーズドアレイレーダーを含み得る。すなわち、レーダーセンサ130は、アンテナを物理的に移動させることなく、異なる方向の制御可能なレンジ内で操縦され得る電波のビームを形成するように構成されたアンテナのアレイであり得る。すなわち、アンテナアレイのそれぞれのアンテナの間の位相シフトを制御することによって、位相前方向が、所与の環境内で個別の方向でレーダービームを「操縦」するように調節され得る。
【0081】
同様に、LIDARセンサ(複数可)120は、それぞれの複数の空間セクタに光を放射するように構成され得る。したがって、LIDARセンサ(複数可)120は、比較的より多いまたは比較的より少ない光電力を所与のセクタに向けるように制御され得る。例えば、光パルスごとの平均的な電力、空間解像度、および/またはパルスレートが、1つ以上の高い優先度のセクタに向けてより高い割合の光電力および、1つ以上の低い優先度のセクタに向けてより低い割合の光電力(ゼロの電力を含む)を効率的に向けるように動的に調節され得る。
【0082】
いくつかの実施形態では、LIDARセンサ(複数可)120の状況内で、空間解像度は、システム100から離れた所与の距離で目標解像度を含み得る。例えば、所望の解像度は、システム100から25メートルで7.5センチメートルの垂直解像度および/または水平地平面に沿った隣接する目標場所の間のどちらか近い方を含み得る。本明細書では、二次元表面に沿ったものと三次元空間内のものとの両方の、他の所望の解像度が可能であり、想定される。
【0083】
図4A図4Dは、様々な感知シナリオ400、430、450、および480を例証する。各場合において、明確性の目的のために、感知シナリオ400、430、450、および480は、可能性のある空間セクタおよびセンサプロファイル/レンジのサブセットのみを例証し得る。他の空間セクタが、本開示の範囲内で可能であり、想定されることが理解されよう。さらに、感知シナリオ400、430、450、および480が、時間における単一の「スナップショット」のみを例証し得ること、および空間セクタおよびセンサプロファイル/レンジが、他のファクターの中でもとりわけ、車両300の動的変化動作状況に基づいて周期的にまたは連続的に変化するように動的に調節され得ることが理解されよう。
【0084】
さらに、本明細書におけるいくつかの例証および説明は、例えば、いくつかの管轄区域(例えば、アメリカ合衆国)での運転の法律下のように、道路の右手側での運転に関する。しかしながら、同様のまたは同一の説明が道路の左手側で運転する管轄区域に適用されることが理解されよう。
【0085】
図4Aは、例示的な実施形態による、感知シナリオ400における車両300の側面図を例証する。したがって、以下の説明は、車両300の他のセンサシステムに適用し得ることが理解されよう。そのようなシナリオでは、センサシステム302は、最大仰角412と最小仰角414との間の空間セクタ410にわたって光パルスを車両300の環境に放射するように構成され得る。空間セクタ410は、第1の方位角416に対応し得る。すなわち、いくつかの実施形態では、空間セクタ410は、第1の方位角416に沿って指向的に配向され得る。
【0086】
いくつかの実施形態では、センサシステム302は、非線形の仰角分布で配設される複数の発光体デバイスを含み得る。すなわち、所望の垂直ビーム解像度を達成するために、センサシステム302の複数の発光体デバイスは、隣接するビーム間の異質な仰角差を含むビーム仰角にわたって配設されてもよい。いくつかの実施形態では、センサシステム302の少なくとも一部は、方位角のレンジにわたって光パルスを提供するように回転軸(例えば、z軸)の周りを回転するように構成され得る。
【0087】
さらなる例として、センサシステム304は、最大仰角422と最小仰角424との間で定義され得る空間セクタ420にわたって光パルスを車両300の環境に放射するように構成され得る。いくつかの実施形態では、センサシステム304の複数の発光体デバイスは、車両300の周りの環境を非線形の仰角分布で照明することができる。所望の垂直ビーム解像度を提供するために、センサシステム304の複数の発光体デバイスは、隣接するビーム間の仰角の異質な差を含むビーム仰角のセットにわたって配設され得る。空間セクタ420は、第2の方位角426に対応し得る。すなわち、いくつかの実施形態では、空間セクタ420は、第2の方位角426に沿って指向的に配向され得る。
【0088】
いくつかの実施形態では、センサシステム324は、空間セクタ420の一部または全体にわたって電波を車両300の環境に放射するように構成され得る。しかしながら、センサシステム324は、センサシステム304と同じ放射プロファイルを有する必要はない。さらに、本明細書において説明されるように、センサシステム324は、複数の指向性アンテナを含み得、その各々は、異なる方位角および/または仰角レンジを有し得る異なる空間セクタに電波を放射するように個々に制御され得る。
【0089】
図4Bは、例示的な実施形態による、感知シナリオ430における車両300の頭上からの図を例証する。感知シナリオ430は、左車線448および右車線446も含む車道の3車線部分の中間車線444で所定のルート431に沿って車両300が移動しているハイウェイ運転シナリオを含み得る。他の車両440および442もまた、それぞれ中央車線444および右車線446に存在し得る。
【0090】
標準的なハイウェイ運転条件下では、車両300は、比較的高いレートの速度(例えば、毎時60マイル)で移動している可能性がある。そのようなシナリオでは、衝突のリスク、およびそのような衝突の対応する重大度は、(例えば、車両300を側方に強打する別の車両による)側方のまたは後方の衝突と比較して、(例えば、車両300の前方の遅い交通または停止した交通による)前方の衝突について比較的より高くなり得る。すなわち、長いレンジで側方および後方から何かが来るリスクは、正面の衝突のリスクよりも低い。したがって、車両300の前に向く空間セクタは、高い優先度のセクタとして指定され得るが、車両300の側方および後方を向く空間セクタは、低い優先度のセクタとして指定され得る。
【0091】
感知シナリオ430の動作状況に基づいて、コントローラ150および/または別の計算システムは、複数の可能性のあるセンサ電力構成から、所望のセンサ電力構成を選択し得る。具体的には、所望のセンサ電力構成は、少なくとも部分的に、空間セクタのうちの1つ以上に割り当てられる優先度に対応し得る。したがって、コントローラ150は、1つ以上のセンサシステム302、304、306、308、310、320、322、324、および326に、所望のセンサ電力構成に従ってそれらのそれぞれの動作パラメータを調節させ得る。例えば、コントローラ150は、センサシステム304および324に、比較的より高いセンサ電力を高い優先度のセクタ432a、432b、および432cに提供させ得る。すなわち、遅い交通または停止した交通について可能な限り遠くの距離まで感知するための取り組みにおいて、それぞれのセンサシステムは、最大または比較的高い電力を高い優先度のセクタに提供し得る。
【0092】
車両300の左側および右側に、センサシステム322および320はそれぞれ、比較的より低いセンサ電力を低い優先度のセクタ434a~cおよび436a~cに提供し得る。車両300の後方に、センサシステム306および326は、より低い相対的なセンサ電力を低い優先度のセクタ438a~cに提供し得る。
【0093】
言い換えると、それぞれのセンサの放射電力は、状況のリスクプロファイルに基づいて調節され得る。そのような状況のリスクプロファイルは、現在の運転シナリオを考慮して、衝突リスクがどの方向から接近する可能性が最も高いかを判定することに基づき得る。状況のリスクプロファイルは、他の可能性の中でもとりわけ、履歴衝突データ、交通パターン、半自律および完全自律の車両運転基準、適用可能な法律および/または規制、ならびに人間のドライバーの傾向の分析に基づき得る。そのような方法では、センサ放射およびそれらの対応する電力は、所与の運転状況のために車両300の環境内でより効率的かつ効果的に展開され得る。
【0094】
図4Cは、例示的な実施形態による、感知シナリオ450における車両300を例証する。感知シナリオ450は、保護されていない左ターン状況を例証し得る。すなわち、車両300は、車道462、464、466、468、470、472、474、および476の間の交差点の停止標識469で停止し得る。さらに、車両300は、所定のルート460に沿って左手のターンを実行することを計画している可能性がある。そのようなシナリオでは、最も可能性の高い危険は、車道466(近くの左)または車道464(遠くの右)から、次におそらく車道472(停止標識471の対象となる車線上の反対側のヘッド)から接近し得る車両から来得る。
【0095】
したがって、高い優先度のステータスは、空間セクタ452a~cにあり得、より低い優先度は、空間セクタ454a~c、456a~c、458a~cに対応し得る車両300の左側、右側、および後側にあり得る。そのような優先度ランキングに基づいて、コントローラ150または別の計算デバイスは、複数の可能性のあるセンサ電力構成から、所望のセンサ電力構成を選択し得る。具体的には、所望のセンサ電力構成は、少なくとも部分的に、所与の空間セクタに割り当てられる優先度に対応し得る。
【0096】
いくつかの実施形態では、空間セクタは、それぞれのセクタでの1つ以上の対象(例えば、他の車両、歩行者、車道、または他の障害物)の存在または予想された存在に基づく優先度でランク付けされ得る。例えば、空間セクタ456a~cは、縁石または歩道から出て行く歩行者の可能性のある存在に基づいて、より高く優先順位付けされ得る。任意にまたは代替的に、所与のセクタでの歩行者の存在を判定すると、そのセクタは、歩行者の継続的な認識の可能性を改善するように(例えば、より高い優先度を考慮して)再優先順位付けされ得る。
【0097】
それに対応して、コントローラ150または別の計算デバイスは、より高い放射電力を高い優先度のセクタ452a~cに提供するように、所望のセンサ電力構成に従ってセンサシステム304および/または324の動作を調節し得る。さらに、センサシステム306、320、322、および326は、比較的より少ない放射電力を低い優先度のセクタ454a~c、456a~c、および458a~cに提供するように動作され得る。
【0098】
より高い放射電力を高い優先度の空間セクタに提供することは、所望のセンサ電力構成に基づいて様々な方法で実行され得る。例えば、センサシステムは、それぞれのセクタ優先度および/またはそのセクタでの対象タイプに基づいて、所与の空間セクタについてのより高い空間解像度情報を提供するように調節され得る。一例として、高い優先度の空間セクタ内で、空間解像度は、車両300から所与の距離離れてより小さい対象を感知するように増加され得る。すなわち、センサシステムは、所与の空間セクタに放射される光パルスの密度を増加させることによって、(例えば、ユニットごとのボリュームに基づいて)より高い放射電力を提供するように調節され得る。追加的にまたは代替的に、センサシステムは、光パルスごとに基づいてより高い放射電力を提供するように調節され得る。したがって、より高い電力光パルスは、より高い感知レンジを、(例えば、車両300からより遠くに離れて)より高いレンジに位置する対象を含み得る、より高い優先度の空間セクタに提供し得る。
【0099】
図4Cは、保護されていないターンシナリオを例証しているが、保護されたターンシナリオ(例えば、各車道のための停止標識または信号を含むターン)も想定されることが理解されよう。例えば、交通信号を有する保護されたターンシナリオでは、所与の空間セクタについての優先度レベルは、現在の交通信号パターンおよび/または既知もしくは予測された交通信号タイミングに基づいて、動的に変更し得る。
【0100】
追加的にまたは代替的に、1つ以上の高い優先度のセクタは、別の車両の潜在的にリスキーなまたは危険な動きに基づいて割り当てられ得る。例えば、保護されていない、または保護されたターンシナリオでは、高い優先度のセクタは、「赤灯運転者」、散漫なドライバー、または逸脱車両が接近し得る方向に対応し得る。例えば、保護された左ターンシナリオの場合、高い優先度のセクタは、車線についての停止信号または標識に従わない場合がある別の車両を予想および回避するように、右の遠いレンジで走査するように割り当てられ得る。
【0101】
4方向停止(例えば、各車道について停止標識を有する交差点)の場合、空間セクタ優先度は、交差点への車両の到着順序、交通法律、および/または優先通行権の慣習に基づき得る。例えば、2台の車両が異なる方向から同時に4方向停止に到着する場合、右の車両が、特定の管轄区域で優先通行権を提供され得る。所与のセクタの優先度レベルおよび対応するセンサ放射電力は、衝突を回避するように状況に応じて調節され得る。
【0102】
図4Dは、例示的な実施形態による、感知シナリオ480における車両300を例証する。感知シナリオ480は、車両300が所定のルート482に従ってオンランプ488から右車線484に合流する操作を実行することを計画している合流シナリオを含み得る。そのような事情の下で、運転状況は、右車線484の後方から接近する別の車両、右車線484に車線を変更する別の車両(例えば、車両483)、または右車線484で停止またはゆっくりと移動し得る別の車両(例えば、車両481)から衝突の最も高いリスクが来得ることを示し得る。
【0103】
したがって、コントローラ150および/または別の計算デバイスは、特定の優先度を車両300の環境での様々な空間セクタに割り当て得る。例えば、空間セクタ490aおよび496a~cに、高い優先度を割り当てられ得るが、空間セクタ494a~cおよび492a~cに、より低い優先度を割り当てられ得る。
【0104】
感知シナリオ480での車両300の動作状況に照らして、コントローラ150は、複数のセンサ電力構成から、所望のセンサ電力構成を選択し得る。具体的には、所望のセンサ電力構成は、少なくとも部分的に、所与の空間セクタに割り当てられる優先度に対応し得る。
【0105】
またさらに、コントローラ150および/または別の計算デバイスは、それぞれのセンサシステムに、(LIDARセンサの場合)所望のセンサ電力構成に従って光パルスを放射させ得るか、または(レーダーセンサの場合)所望のセンサ電力構成に従ってレーダーエネルギーを放射させ得る。
【0106】
本明細書において説明されるシステムおよび方法は、他のタイプのセンサシステムに適用され得ることが理解されよう。例えば、システムおよび方法は、撮像センサ(例えば、カメラ)、超音波センサ、飛行時間(ToF)センサなどを含み得る。さらに、所望のセンサ電力構成は、これらの他のセンサシステムタイプの様々な動作モードを組み込み得る。したがって、本開示は、所望のセンサ電力構成に従って、これらの他のタイプのセンサシステムのいずれかの動作を調節することを想定する。非限定的な例として、高い優先度の空間セクタの指定に応じて、コントローラは、カメラに、高い優先度の空間セクタを含む視野の、高解像度、ハイダイナミックレンジ(HDR)画像、または連続の画像を捕捉させ得る。
【0107】
図5Aおよび図5Bは、車両300の動作状況についての情報が別の車両またはインフラストラクチャソースなどの外部ソースから受信され得る、感知シナリオ500および530を例証した。
【0108】
図5Aは、例示的な実施形態による、感知シナリオ500を例証する。感知シナリオ500では、車両300は、車両300の動作状況に関し得る別の車両510から情報を受信し得る。例えば、他の車両510は、無線通信リンク512を介して、LIDARセンサデータまたはレーダーセンサデータのうちの少なくとも1つを車両300に提供し得る。追加的にまたは代替的に、他の車両510は、無線通信リンク512を介して、それ自身のGPS場所または他の動作情報(例えば、速度、方位、ローカルな交通情報など)を車両300に提供し得る。
【0109】
他の車両510から受信される情報に基づいて、コントローラ150は、優先度が車両300の環境で空間セクタにどのように割り当てられるかを調節し得る。例えば、他の車両510が車両300と同じ車線にある場合、前向きの空間セクタ(例えば、空間セクタ410および420)に、他の車両510の後方としての表面442の適切な識別および登録を確実にするように高い優先度を割り当てられ得る。すなわち、所望のセンサ電力構成は、少なくとも部分的に、他の車両510から受信されるLIDARセンサデータまたはレーダーセンサデータに基づき得る。
【0110】
追加的にまたは代替的に、いくつかの実施形態および動作状況では、車両300は、他の車両510からのLIDARおよび/またはレーダーセンサデータの少なくともいくつかに「依存する」ように構成され得る。例えば、ハイウェイ運転シナリオでは、他の車両510が車両300と同じ車線で前方にある場合、他の車両510は、そのセンサシステムではるか前方で感知するのにより良好な遮るものがない位置にあり得る。その結果、車両300は、前向きの空間セクタに向けて大量の電力を放射する必要がない。むしろ、そのようなシナリオでは、車両300は、車両510を単に感知および追跡するために、その前方放射電力を低減し得る。したがって、車両300は、減速および他の交通を感知するために他の車両510の前方を向くセンサに依存し得る。
【0111】
複数の車両間で共有される様々な空間セクタの感知を効率的に配設するための他の方法が想定される。例えば、複数の車両は、感知される空間セクタ間の重複を低減または最小限にするように、様々な空間セクタを所与の車両に割り当てるように通信し得る。その後、無線通信リンクを介してセンサ情報を共有することによって、複数の車両は、十分な対象情報を取得し得るが、大きく低減された電力およびレーダー信号/光放射を使用する。追加的にまたは代替的に、複数の車両間のそのような協調は、センサ干渉を低減または最小限にするのに役立ち得る。
【0112】
図5Bは、例示的な実施形態による、感知シナリオ530を例証する。感知シナリオ530では、車両300は、車両300の動作状況に関し得るインフラストラクチャソース540から情報を受信し得る。インフラストラクチャソース540の例は、交通信号、標識、橋、建物、車道などに取り付けられた、カメラまたはLIDAR/レーダーセンサシステムなどの固定されたセンサシステムを含み得る。インフラストラクチャソースは、追加的にまたは代替的に、バス、電車、航空車両、または別の移動プラットフォームに取り付けられ得るシステムなどのセンサシステムを移動させることを含む。
【0113】
そのような例では、インフラストラクチャソース540は、無線通信リンク542を介して、交通灯状態、交通灯スケジュール、標識状態(例えば、スクールゾーン、一時的に赤く点灯しない)、交通速度(例えば、前方の交通渋滞などの交通速度についての通知)、建設ステータス(例えば、閉じられた車線、車線シフト/変更)、LIDARセンサデータ、またはレーダーセンサデータのうちの少なくとも1つを車両300に提供し得る。追加的にまたは代替的に、インフラストラクチャソース540は、無線通信リンク542を介して、それ自身のGPS場所または他の動作情報(例えば、気象、速度、方位、ローカルな交通情報など)を車両300に提供し得る。
【0114】
インフラストラクチャソース540から受信される情報に基づいて、コントローラ150は、優先度が車両300の環境で空間セクタにどのように割り当てられるかを調節し得る。例えば、インフラストラクチャソース540が、別の車両510を示すLIDAR点群情報を提供する場合、車両300の前向きの空間セクタ(例えば、空間セクタ410および420)に、他の車両510の後方としての表面442の適切な識別および登録を確実にするように高い優先度を割り当てられ得る。すなわち、所望のセンサ電力構成は、少なくとも部分的に、インフラストラクチャソース540から受信されるLIDARセンサデータまたはレーダーセンサデータに基づき得る。
【0115】
追加的にまたは代替的に、インフラストラクチャソース540は、他の情報を車両300に提供し得る。例えば、インフラストラクチャソース540は、その現在の灯ステータス(緑、黄、赤、進め、止まれ、緊急車両など)を車両300に提供し得る。インフラストラクチャソース540は、予想された灯ステータス、灯スケジュール、横断歩道ステータス、地図、またはインフラストラクチャソース540の環境についての他の情報を提供し得る。インフラストラクチャソース540から受信される情報に基づいて、車両300は、そのセンサ走査プロファイルを適切に調節し得る。
【0116】
III.例示的方法
図6は、例示的な実施形態による方法600を例証する。方法600は、本明細書で明示的に例証されるか、そうでなければ開示されるものよりも少ないまたは多いステップまたはブロックを含み得ることが理解されよう。さらに、方法600のそれぞれのステップまたはブロックは、任意の順序で実行されてもよく、各ステップまたはブロックは、1回以上実行されてもよい。いくつかの実施形態では、方法600のブロックまたはステップのいくつかまたは全ては、図1に関連して例証され、説明されるように、コントローラ150、LIDARセンサ(複数可)120、および/またはレーダーセンサ(複数可)130によって行われ得る。さらに、方法600は、図2に関連して例証されるように、少なくとも部分的に、動作200によって説明され得る。またさらに、方法600は、図3に関連して例証され、説明されるように、少なくとも部分的に車両300によって行われてもよい。方法600は、図4A図4Dに関連して例証され、説明されるように、シナリオ400、430、450、および480と同様または同一のシナリオで行われ得る。他のシナリオが、本開示の文脈内で可能であり、想定されることが理解されよう。
【0117】
ブロック602は、車両の動作状況を示す情報を受信することを含む。本明細書の他の場所で説明されるように、車両は、少なくとも1つの光検出測距(LIDAR)センサまたは少なくとも1つのレーダーセンサを含む。そのようなLIDARおよびレーダーセンサは、車両に結合され得る。
【0118】
ブロック604は、複数のセンサ電力構成から、車両の動作状況に基づいて所望のセンサ電力構成を選択することを含む。
【0119】
ブロック606は、少なくとも1つのLIDARセンサに、所望のセンサ電力構成に従って光パルスを放射させることか、または少なくとも1つのレーダーセンサに、所望のセンサ電力構成に従ってレーダーエネルギーを放射させることのうちの少なくとも1つを含む。
【0120】
いくつかの実施形態では、1つ以上の他のセンサが車両に関連付けられている。1つ以上のセンサは、グローバルポジショニングシステム(GPS)、慣性計測ユニット(IMU)、温度センサ、速度センサ、カメラ、またはマイクロフォンのうちの少なくとも1つを含み得る。他のタイプのセンサが想定される。本明細書において説明されるように、車両の動作状況は、他の可能性の中でもとりわけ、時刻、場所、ルート、および/または他の車両もしくは歩行者の場所から取得され得る。そのようなシナリオでは、車両の動作状況を示す情報を受信することは、1つ以上のセンサから情報の少なくとも一部を受信することを含み得る。
【0121】
いくつかの例では、車両の動作状況を示す情報を受信する方法600は、地図から情報の少なくとも一部を受信することを含み得る。限定することなく、地図は、道路地図、地形図、ウェイポイント地図、事前に計画されたルート、GPS場所、複数の地図座標、および/または車両の現在のもしくは予期された場所に対する別のタイプの絶対的なもしくは相対的な場所情報を含み得る。
【0122】
さらに、地図は、道路場所情報、道路タイプ情報、予測された交通情報、リアルタイム交通情報、リアルタイム障害物情報、以前のカメラ情報、以前のLIDAR情報、または以前のレーダー情報のうちの少なくとも1つを含み得る。
【0123】
いくつかの実施形態では、車両の動作状況を示す情報を受信することは、現在の時刻、現在の太陽位置、ローカルな気象条件、現在の環境の温度、または現在の内部ハードウェア温度のうちの少なくとも1つを示す情報を受信することを含み得る。
【0124】
例では、複数のセンサ電力構成は、LIDAR動作パラメータを含み得る。例えば、LIDAR動作パラメータは、他の可能性の中でもとりわけ、有効なLIDARユニット(複数可)の選択および/もしくは識別、動的セクタ角度レンジ、光パルスごとのセクタベースの電力、光パルスレート、またはLIDAR走査レートのうちの少なくとも1つを含み得る。
【0125】
追加的にまたは代替的に、複数のセンサ電力構成は、レーダー動作パラメータを含み得る。そのようなレーダー動作パラメータは、他の可能性の中でもとりわけ、有効なレーダーユニット(複数可)の選択および/もしくは識別、有効なレーダーユニットごとの選択されたエミッター、ビームフォーミング方向、レーダーパルスごとのエネルギー、レーダービーム形状、レーダーパルス帯域幅、レーダーパルス持続時間、レーダーパルス繰り返し周波数、コヒーレントな処理間隔ごとのレーダーパルスの数、または隣接するコヒーレントな処理間隔の間の待機時間のうちの少なくとも1つを含み得る。センサ電力構成は、本明細書の他の場所で説明される様々なレーダー信号処理パラメータを含み得る。
【0126】
いくつかの実施形態では、車両の動作状況を示す情報を受信することは、別の車両から、LIDARセンサデータまたはレーダーセンサデータのうちの少なくとも1つを受信することを含み得る。したがって、所望のセンサ電力構成は、他の車両から受信されるLIDARセンサデータまたはレーダーセンサデータに基づき得る。
【0127】
追加的にまたは代替的に、車両の動作状況を示す情報を受信することは、インフラストラクチャソースからの、LIDARセンサデータまたはレーダーセンサデータのうちの少なくとも1つを受信することを含み得る。そのようなシナリオでは、所望のセンサ電力構成は、少なくとも部分的に、インフラストラクチャソースから受信されるLIDARセンサデータまたはレーダーセンサデータに基づき得る。
【0128】
例示的な実施形態では、インフラストラクチャソースは、車道、交差点、建物、または別の非車両ソースに関連付けられ得る固定されたまたは移動センサユニットを含み得る。そのようなシナリオでは、インフラストラクチャソースのセンサユニットは、カメラ、LIDARセンサ、レーダーセンサ、近接センサ、および/または別のタイプのセンサのうちの1つ以上を含み得る。インフラストラクチャソースは、センサユニットから車両にセンサデータを提供し得る。追加的にまたは代替的に、インフラストラクチャソースは、センサユニットの環境での対象についての情報を提供し得る。
【0129】
図に示されている特定の配置は、限定であるとみなされるべきではない。他の実施形態は、所定の図に示される各要素をより多く、またはより少なく含むことができることを理解されたい。さらに、図示される要素のうちのいくつかは、組み合わせることができる、または省略することができる。なおもさらには、例示的な実施形態は、図に示されていない要素を含むことができる。
【0130】
情報の処理を表すステップまたはブロックは、本明細書において説明される方法または技術の特定の論理機能を実行するように構成することができる回路に対応することができる。代替的にまたは追加的に、情報の処理を表すステップまたはブロックは、モジュール、セグメント、物理コンピュータ(例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)もしくは特定用途向け集積回路(ASIC))、またはプログラムコードの一部(関連データを含む)に対応することができる。プログラムコードは、特定の論理機能または処理を方法または技術において実行するプロセッサにより実行可能な1つ以上の命令を含むことができる。プログラムコードおよび/または関連データは、ディスク、ハードドライブ、または他の記憶媒体を含む、ストレージデバイスのような任意のタイプのコンピュータ可読媒体に格納することができる。
【0131】
コンピュータ可読媒体は、レジスタメモリ、プロセッサキャッシュ、およびランダムアクセスメモリ(RAM)のような、データを短期間にわたって格納するコンピュータ可読媒体のような非一時的なコンピュータ可読媒体を含むこともできる。コンピュータ可読媒体は、プログラムコードおよび/またはデータを長期間にわたって格納する非一時的なコンピュータ可読媒体も含むこともできる。このように、コンピュータ可読媒体は、例えばリードオンリーメモリ(ROM)、光ディスクまたは磁気ディスク、コンパクトディスクリードオンリーメモリ(CD-ROM)のような補助ストレージまたは長期永続的ストレージを含むことができる。コンピュータ可読媒体は、任意の他の揮発性または不揮発性ストレージシステムとすることもできる。コンピュータ可読媒体は、例えばコンピュータ可読記憶媒体、または有形のストレージデバイスであると考えることができる。
【0132】
様々な例および実施形態が開示されてきたが、他の例および実施形態が当業者には明らかであろう。開示された様々な例および実施形態は、例証の目的のためであり、限定することを意図されておらず、その真の範囲は、以下の特許請求の範囲により示される。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B
図6
【手続補正書】
【提出日】2022-05-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
車両であって、前記車両に結合された光検出測距(LIDAR)センサまたは前記車両に結合されたレーダーセンサのうちの少なくとも1つを備える、車両と、
動作を行うように命令を実行するように構成されたコントローラであって、前記動作が、
前記車両の動作状況を示す情報を受信することと、
複数のセンサ電力構成から、少なくとも前記動作状況に基づいて所望のセンサ電力構成を選択することと、
前記少なくとも1つのLIDARセンサに、前記所望のセンサ電力構成および前記少なくとも1つのLIDARセンサの配向に従って光パルスを放射させることか、または前記少なくとも1つのレーダーセンサに、前記所望のセンサ電力構成および前記少なくとも1つのレーダーセンサの配向に従ってレーダーエネルギーを放射させることのうちの少なくとも1つと、を含む、コントローラと、を備える、システム。
【請求項2】
前記少なくとも1つのLIDARセンサ、前記少なくとも1つのレーダーセンサ、グローバルポジショニングシステム(GPS)、慣性計測ユニット(IMU)、温度センサ、速度センサ、カメラ、またはマイクロフォンのうちの少なくとも1つを備える1つ以上のセンサをさらに備え、前記車両の前記動作状況を示す前記情報を受信することが、前記1つ以上のセンサから前記情報の少なくとも一部を受信することを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記車両の前記動作状況を示す前記情報を受信することが、前記情報の少なくとも一部を地図から受信することを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記地図が、道路場所情報、道路タイプ情報、道路形状情報、停止標識の場所、停止灯の場所、停止線の場所、予測された交通情報、リアルタイム交通情報、リアルタイム障害物情報、以前のカメラ情報、以前のLIDAR情報、または以前のレーダー情報のうちの少なくとも1つを含む、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記車両の前記動作状況を示す前記情報を受信することが、現在の時刻、現在の太陽位置、ローカルな気象条件、現在の環境の温度、または現在の内部ハードウェア温度のうちの少なくとも1つを示す情報を受信することを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記複数のセンサ電力構成が、LIDAR動作パラメータを含み、前記LIDAR動作パラメータが、有効なLIDARユニット(複数可)、動的セクタ角度レンジ、光パルスごとのセクタベースの電力、光パルスレート、またはLIDAR走査レートのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記複数のセンサ電力構成が、レーダー動作パラメータまたはレーダー信号処理パラメータのうちの少なくとも1つを含み、前記レーダー動作パラメータが、有効なレーダーユニット(複数可)、有効なレーダーユニットごとの選択されたエミッター、ビームフォーミング方向、レーダーパルスごとのエネルギー、レーダービーム形状、レーダーパルス帯域幅、レーダーパルス持続時間、レーダーパルス繰り返し周波数、コヒーレントな処理間隔ごとのレーダーパルスの数、または隣接するコヒーレントな処理間隔の間の待機時間のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記車両の前記動作状況を示す前記情報が、別の車両から受信される、位置データ、速度データ、将来の位置、計画された軌道、LIDARセンサデータ、またはレーダーセンサデータのうちの少なくとも1つを含み、前記所望のセンサ電力構成が、前記別の車両から受信される前記情報にさらに基づく、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記車両の前記動作状況を示す前記情報が、インフラストラクチャソースから受信される、交通灯状態、交通灯スケジュール、標識状態、交通速度、建設ステータス、LIDARセンサデータ、またはレーダーセンサデータのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記少なくとも1つのLIDARセンサの配向は、前記少なくとも1つのLIDARセンサの可動ミラーの配向、前記少なくとも1つのLIDARセンサの視野、空間セクタ、または高い優先度の空間セクタのうちの少なくとも1つに対応し、前記少なくとも1つのレーダーセンサの配向は、ビームフォーミング方向、前記少なくとも1つのレーダーセンサの視野、空間セクタ、または高い優先度の空間セクタのうちの少なくとも1つに対応する、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
方法であって、
車両の動作状況を示す情報を受信することであって、少なくとも1つの光検出測距(LIDAR)センサまたは少なくとも1つのレーダーセンサが、前記車両に結合されている、受信することと、
複数のセンサ電力構成から、少なくとも前記動作状況に基づいて所望のセンサ電力構成を選択することと、
前記少なくとも1つのLIDARセンサに、前記所望のセンサ電力構成および前記少なくとも1つのLIDARセンサの配向に従って光パルスを放射させることか、または前記少なくとも1つのレーダーセンサに、前記所望のセンサ電力構成および前記少なくとも1つのレーダーセンサの配向に従ってレーダーエネルギーを放射させることの少なくとも一方と、を含む、方法。
【請求項12】
1つ以上のセンサが、前記車両に関連付けられており、前記1つ以上のセンサが、前記少なくとも1つのLIDARセンサ、前記少なくとも1つのレーダーセンサ、グローバルポジショニングシステム(GPS)、慣性計測ユニット(IMU)、温度センサ、速度センサ、カメラ、またはマイクロフォンのうちの少なくとも1つを備え、前記車両の前記動作状況を示す前記情報を受信することが、前記1つ以上のセンサから前記情報の少なくとも一部を受信することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記複数のセンサ電力構成が、LIDAR動作パラメータを含み、前記LIDAR動作パラメータが、有効なLIDARユニット(複数可)、動的セクタ角度レンジ、光パルスごとのセクタベースの電力、光パルスレート、またはLIDAR走査レートのうちの少なくとも1つを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記複数のセンサ電力構成が、レーダー動作パラメータを含み、前記レーダー動作パラメータが、有効なレーダーユニット(複数可)、有効なレーダーユニットごとの選択されたエミッター、ビームフォーミング方向、レーダーパルスごとのエネルギー、レーダービーム形状、レーダーパルス帯域幅、レーダーパルス持続時間、レーダーパルス繰り返し周波数、コヒーレントな処理間隔ごとのレーダーパルスの数、または隣接するコヒーレントな処理間隔の間の待機時間のうちの少なくとも1つを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
前記車両の前記動作状況を示す情報を受信することが、インフラストラクチャソースからの、交通灯状態、交通灯スケジュール、標識状態、交通速度、建設ステータス、LIDARセンサデータ、またはレーダーセンサデータのうちの少なくとも1つを受信することを含み、前記所望のセンサ電力構成が、前記インフラストラクチャソースから受信される前記情報にさらに基づく、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記動作状況が、現在の道路タイプの交通状態をさらに含み、前記所望のセンサ電力構成を選択することが、前記交通状態に基づいて前記所望のセンサ電力構成を選択することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記動作状況が、道路上の他の車両を示す情報をさらに含み、前記所望のセンサ電力構成を選択することが、前記道路上の前記他の車両に基づいて前記所望のセンサ電力構成を選択することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項18】
前記動作状況が、前記車両が移動している道路の少なくとも現在の道路タイプをさらに含み、前記所望のセンサ電力構成を選択することが、前記現在の道路タイプに基づいて前記所望のセンサ電力構成を選択することを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項19】
前記所望のセンサ電力構成を選択することが、前記動作状況内の前記車両上の1つ以上の他のセンサシステムによってカバーされる仰角または方位角レンジに基づいて前記所望のセンサ電力構成を選択することを含み、前記車両の前記動作状況が、ターンシナリオ、保護されたターンシナリオ、または合流シナリオの少なくとも1つを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項20】
前記少なくとも1つのLIDARセンサの配向は、前記少なくとも1つのLIDARセンサの可動ミラーの配向、前記少なくとも1つのLIDARセンサの視野、空間セクタ、または高い優先度の空間セクタのうちの少なくとも1つに対応し、前記少なくとも1つのレーダーセンサの配向は、ビームフォーミング方向、前記少なくとも1つのレーダーセンサの視野、空間セクタ、または高い優先度の空間セクタのうちの少なくとも1つに対応する、請求項11に記載の方法。
【外国語明細書】