(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022097754
(43)【公開日】2022-06-30
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20220623BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022080229
(22)【出願日】2022-05-16
(62)【分割の表示】P 2021525120の分割
【原出願日】2020-11-12
(31)【優先権主張番号】P 2019204476
(32)【優先日】2019-11-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】520359893
【氏名又は名称】株式会社MIARE
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100154748
【弁理士】
【氏名又は名称】菅沼 和弘
(72)【発明者】
【氏名】関本 雅代
(57)【要約】
【課題】宝石のトレーサビリティを管理し、耐改ざん性、透明性を高め、電子的な証明書の真正性を担保できる手法を提供すること。
【解決手段】生成部101は、ダイヤモンドDのトレーサビリティを証明し得る1以上のデータとしての契約書、発注書、リスト、研磨前の原石、原石研磨プラン、研磨後のダイヤモンドの状態を示すデータ、及び鑑定書データの夫々のハッシュ値Hを生成する。ウェブ管理部103は、トレーサビリティビューアWを管理する。表示制御部104は、1以上のデータにアクセスするためのQRコード(登録商標)をトレーサビリティビューアWに表示させる制御を実行する。また、生成部101により生成された1以上のハッシュ値Hの夫々が、識別可能となるように1以上のデータの夫々に対応付けられてブロックチェーンBにおいて管理される。
【選択図】
図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
宝石のトレーサビリティを証明し得る1以上のデータの夫々のハッシュ値を生成する生成手段と、
前記1以上のデータにアクセスするための情報を所定のウェブページに表示させる制御を実行する表示制御手段と、
を備え、
前記生成手段により生成された前記1以上のハッシュ値の夫々が、識別可能となるように前記1以上のデータの夫々に対応付けられて通信ネットワークにおいて管理される、
情報処理装置。
【請求項2】
前記生成手段は、前記宝石のトレーサビリティを証明し得るデータとして、前記宝石の仕入れ、研磨、製造、輸入、及び販売の夫々の内容を示すデータを生成し、
前記ハッシュ値の識別がブロックチェーン技術分散台帳を用いて行われる、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記所定のウェブページの利用者間における前記宝石に関する取引の支援を行う取引支援手段をさらに備える、
請求項1又は2のうちいずれか1項に記載の情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ダイヤモンドは、非常に高価な商品であるため、悪意ある者による鑑定書の偽造等の問題が生じている。
そこで、ダイヤモンドの販売業者は、仕入れから販売まで、ダイヤモンドが真正品か否かを含めた品質を保証することを証明した証明書を発行する。
このため、ダイヤモンド及び他の原石を検証し、ラベリングし、かつレーティングするための処理方法に関する技術も提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の特許文献1に記載の技術を含む従来技術のみでは、あくまでもダイヤモンドをレーティング等するための処理方法に言及されているだけであり、上述の証明書の偽造に対する対策について何ら言及されていない。
【0005】
本発明は、このような状況を鑑みてなされたものであり、宝石のトレーサビリティを管理して、耐改ざん性、透明性を高め、電子的な証明書の真正性を担保することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一態様の情報処理装置は、
宝石のトレーサビリティを証明し得る1以上のデータの夫々のハッシュ値を生成する生成手段と、
前記1以上のデータにアクセスするための情報を所定のウェブページに表示させる制御を実行する表示制御手段と、
を備え、
前記生成手段により生成された前記1以上のハッシュ値の夫々が、識別可能となるように前記1以上のデータの夫々に対応付けられて通信ネットワークにおいて管理される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、宝石のトレーサビリティを管理して、耐改ざん性、透明性を高め、電子的な証明書の真正性を担保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の情報処理装置の一実施形態に係るサーバが適用される情報処理システムより実現可能となる本サービスの概要を示す図である。
【
図2】ダイヤモンドが生産されてから消費者(ユーザ)に至るまでの一般的な流れと、本サービスとの関係を示す図である。
【
図3】トレーサビリティビューアに表示されるUIのうち、証明書登録画面の一例を示す図である。
【
図4】トレーサビリティビューアに表示されるUIのうち、証明書一覧画面の一例を示す図である。
【
図5A】トレーサビリティビューアに表示されるUIのうち、詳細情報画面の一例を示す図である。
【
図5B】トレーサビリティビューアに表示されるUIのうち、詳細情報画面の一例を示す図である。
【
図5C】トレーサビリティビューアに表示されるUIのうち、詳細情報画面の一例を示す図である。
【
図6】本サービスに登録されたダイヤモンドの販売の流れを示す図である。
【
図7】従来のダイヤモンドの流通ルートと、本サービスに登録されたダイヤモンドの流通ルートとを比較した図である。
【
図8】トレーサビリティビューアを用いたトランザクションIDの照合の手法の具体例を示す図である。
【
図9】本発明の情報処理装置の一実施形態に係るサーバを含む、情報処理システムの構成の一例を示す図である。
【
図10】
図9に示す情報処理システムのうちサーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図11】
図10のサーバの機能的構成のうち、トレーサビリティ管理処理を実行するための機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
【0010】
まず、
図1及び
図2を参照して、本発明の情報処理装置の一実施形態に係るサーバ1が適用される情報処理システム(後述する
図9参照)により実現可能となるサービス(以下、「本サービス」と呼ぶ)の概要について説明する。
【0011】
図1は、本発明の情報処理装置の一実施形態に係るサーバが適用される情報処理システムより実現可能となる本サービスの概要を示す図である。
【0012】
本サービスは、サービス提供者Gにより管理されるサーバ1が適用される情報処理システムにより実現可能なサービスである。サービス提供者Gは、ブロックチェーンBの技術を利用して、ダイヤモンドDのトレーサビリティを管理する。また、サービス提供者Gは、本サービスを利用するユーザUにダイヤモンドDを販売することもできる。
ここで、「トレーサビリティ」とは、ダイヤモンドDの流通経路を生産段階から最終消費段階あるいは廃棄段階まで追跡が可能な状態のことをいう。トレーサビリティが確保されていれば、サプライチェーンの履歴を証明することができる。
サービス提供者Gは、ダイヤモンドDの産地から仕入、研磨、製造、輸入、及び販売の夫々を証明する1以上の証明書を電子データ(以下、「トレーサビリティデータ」と呼ぶ)としてブロックチェーンBに記憶させて管理する。トレーサビリティデータとして管理される証明書には、例えば契約書、発注書、リスト、研磨前の原石のイメージ画像、原石研磨プランのイメージ画像、研磨後のダイヤモンドのイメージ画像、鑑定書等が含まれる。
【0013】
ダイヤモンドDは経年変化しないため、たとえダイヤモンドDを鑑定機関に持ち込んだとしても、そのダイヤモンドDが新品であるか中古であるかを判別することはできない。このため、貴金属買取店やジュエリー店等にダイヤモンドDの製品が買い取られると、ダイヤモンドDの製品から金属部分が取り外されて、ダイヤモンドDだけが卸売市場で再販される。その後、ダイヤモンドDは、元々の素性が不明のまま、ダイヤモンド市場において新品扱いで再流通される。このため、例えば遺品整理で買い取られたダイヤモンドDの製品(例えば指輪)からダイヤモンドDが取り外されて、製品化後に新品の指輪として百貨店等で販売されていたとしても判別することができない状況にある。
【0014】
ここで、ダイヤモンドDには、様々な種類のものが存在する。例えば、いわゆる天然ダイヤモンド、紛争ダイヤモンド、鑑定偽造ダイヤモンド、二次流通(加工)ダイヤモンド、ラボ・グロウンダイヤモンド(合成ダイヤモンド)等が存在する。
このうち、天然ダイヤモンドとは、出所が明らかであり、情報を産地まで遡ることができるものをいう。紛争ダイヤモンドとは、内戦が行われている地域で産出されたもののうち、紛争当事者の資金源となっているものをいう。なお、紛争ダイヤモンドは取引が禁止されている。鑑定偽造ダイヤモンドとは、鑑定書が偽造されたものをいう。二次流通(加工)ダイヤモンドとは、いわゆる質流れ品を再利用(再研磨及びリカット)したものや、鑑定書が存在するため品質は確認できるが、産地が特定できないものをいう。ラボ・グロウンダイヤモンド(合成ダイヤモンド)とは、天然ダイヤモンドと実質的に同じ化学組成、結晶構造、物理的特性を有するため偽物ではないが、天然ではないものをいう。
【0015】
本サービスによれば、ダイヤモンドDに関する各種の証明書がトレーサビリティデータとしてブロックチェーンBに記憶されて管理される。これにより、個々のダイヤモンドDがどのような種類(天然、合成等)に属するのかを容易に確認することが可能となる。その結果、ダイヤモンドDの種類(天然、合成等)に応じて付加価値を付けることができるので、ダイヤモンドD特有の本来の相場観を取り戻すことができる。
さらに、本サービスによれば、鑑定書の偽造を防ぐことができるので、本サービスの利用者であるユーザUは、信頼できる確かな情報を取得することができる。その結果、ユーザUは、ダイヤモンドD毎の付加価値を考慮して、任意の種類のダイヤモンドDを選択して購入することが可能となる。
【0016】
また、ブロックチェーンBに記憶されて管理されることで、取引履歴が改竄されない、データ喪失しないといったメリットを享受することができる。さらに、根拠情報が担保されるので、ダイヤモンドDの価値の保全、取引コストの削減、契約内容の保全、保険等の支払コストの削減、証券化等の流動化等、多種多様なメリットを享受することができる。
なお、本サービスにおいて、証明書の登録、更新、及び削除についての即時性は特に求められない。このため、ブロックチェーンBとして、自由参加型のパブリックチェーンが採用される。パブリックチェーンによれば、公的証明の担保や、強力な耐改ざん性といった面でメリットを享受することができる。
【0017】
ここで、例えばブロックチェーンBを用いることなく、既存の手法(ソフトウェアによるデータ管理)によりダイヤモンドDの取引履歴の共有化を図ったとする。この場合、例えば以下のような問題が生じる。即ち、(1)1件のデータ毎に更新者を限定することができない、(2)編集権限を有する者でも個別単位でデータを編集することができない、といった問題が生じる。
これに対して、ブロックチェーンBを利用した場合には、上記の問題が生じない。このような点からも、本サービスにおいてブロックチェーンBが採用されている技術的意義を見出すことができる。
【0018】
ここで、本サービスでブロックチェーンBにトレーサビリティデータとして記録されて管理される各種の証明書の有効性について説明する。従来の紙媒体の証明書は、法律の規定(例えば民訴法第228条第4項)や判例により、署名・捺印によって真正性が担保される。これに対して、電子データ形式の証明書は、一般的に信頼できる認証局による真正性の確認が必要となる。そして、その「真正性」を担保するためには、次の条件を満たす必要がある。即ち、(1)本人による署名・捺印に該当する行為が電子データに付与できること、(2)発行した証明書の改ざんや変更ができないこと、(3)証明書の発行者が唯一発行元のみであること、という条件を満たす必要がある。
これに対して、本サービスでは、ブロックチェーンBがトレーサビリティデータを生成し、トレーサビリティビューアWがトレーサビリティデータを表示可能にするので、上記の条件を満たすことができる。即ち、本サービスでトレーサビリティデータとして管理される各種の証明書は「真正性」が担保される。
【0019】
ユーザUは、本サービスを利用する場合、ユーザ端末2のブラウザ機能により表示される、本サービスの利用を可能とする専用のウェブサイト(以下、「トレーサビリティビューアW」と呼ぶ)にアクセスする。
以下、「ユーザUがユーザ端末2を操作する」とは、ユーザUがトレーサビリティビューアWから本サービスを利用することを意味するものとする。
【0020】
図1に示すように、例えばユーザUがユーザ端末2を操作することで、EC(Electronic Commerce)サイトを利用してダイヤモンドDの商品を購入したとする(ステップSS1)。すると、サーバ1とブロックチェーンBにおいて以下の処理が実行される。
即ち、サーバ1は、ブロックチェーンBに対して、ダイヤモンドDの購入の事実を証明するための各種の証明書の作成を依頼する(ステップSS2)。また、サーバ1は、ダイヤモンドDの購入者としてのユーザUから購入代金の振込みがあったかどうかの確認を依頼する(ステップSS3)。
ブロックチェーンBは、ダイヤモンドDの商品の受け渡しがあったことを証明する証明書(例えば製品受渡証明書)を作成して、ユーザUに報知する(ステップSS4)。
その後、ブロックチェーンBは、作成した各種の証明書をサーバ1に報知する(ステップSS5)。
また、ブロックチェーンBは、購入代金の振込みがあったかどうかの確認結果をサーバ1に報知する(ステップSS6)。
【0021】
図2は、ダイヤモンドが生産されてから消費者(ユーザ)に至るまでの一般的な流れと、本サービスとの関係を示す図である。
【0022】
図2に示すように、ダイヤモンドDが生産されると、そのダイヤモンドDに関する情報がトレーサビリティデータとして本サービスに登録される(ステップSS21)。以下、「本サービスに登録」とは、ブロックチェーンBに記憶されて管理される対象になることを意味するものとする。
本サービスに登録されたダイヤモンドDは、製造加工段階(ステップSS22)、流通段階(ステップSS23)、小売段階(ステップSS24)を経て消費者(ユーザU)に購入される(ステップSS25)。
本サービスは、ステップSS21の生産段階からステップSS25の消費者に購入される段階までの一連のフローを随時管理している。このため、例えば
図2に示すように、流通段階(ステップSS23)で何らかの問題が発覚(例えば不良品の発覚)した場合には、その後の小売段階(ステップSS24)と、消費者(ユーザU)の段階(ステップSS25)とにおけるルートの追跡と、ダイヤモンドDの製品の回収とを速やかに行うことが可能になる。またそれと同時に、製造加工段階(ステップSS22)と、生産段階(ステップSS21)とに遡ることで、問題の原因の究明を速やかに行うことが可能になる。これにより、発生した問題による影響を最小限に止めることができるとともに、直ちに再発防止の対策を講じることができる。
【0023】
ここで、生産段階(ステップSS21)から消費者(ユーザU)の段階(ステップSS25)に至るまでの各段階でトレーサビリティデータとして生成される各種の証明書の具体例について説明する。なお、ここでは、R国で産出されたダイヤモンドDが、本サービスで提供可能なオークションに出品されるものとする。
まず、生産段階(ステップSS21)では、R国でダイヤモンドDが産出されると、そのダイヤモンドDに関する情報が、R国で管理されている所定のリスト(以下、「R国管理リスト」と呼ぶ)に記録される。その後、ダイヤモンドDがオークションに出品されると、R国管理リストに記録されている情報がトレーサビリティデータとして本サービスに登録される。
ダイヤモンドDがオークションで落札されると、落札者と出品者との間で契約が締結される。そして、作成された契約書や発注書といった各種の証明書がトレーサビリティデータとして本サービスに登録される。
【0024】
製造加工段階(ステップSS22)では、ダイヤモンドDの研磨前の原石のイメージ画像のデータが生成される。生成されたデータは、トレーサビリティデータとして本サービスに登録される。
また、製造加工段階(ステップSS22)では、加工後のイメージが決まると、ダイヤモンドDの原石をどのように研磨するのかを立体的に描画した原石研磨プランのイメージ画像が生成される。生成されたデータは、トレーサビリティデータとして本サービスに登録される。
また、製造加工段階(ステップSS22)では、研磨後のダイヤモンドDのイメージ画像のデータが生成される。生成されたデータは、トレーサビリティデータとして本サービスに登録される。
【0025】
また、流通段階(ステップSS23)では、ダイヤモンドDが海外に輸出されると、海外輸出用の各種の証明書が作成される。海外輸出用の証明書としては、例えばインボイス、キンバリー・プロセス証明書(不正に取得されたダイヤモンドDの原石の輸出入を規制することを目的とした国際的な証明書)、税関関連書類等が挙げられる。作成された海外輸出用の各種の証明書は、いずれもトレーサビリティデータとして本サービスに登録される。
また、ダイヤモンドDに対して、所定の宝石研究機関による鑑定が行われると、鑑定結果を証明する鑑定書が作成されて発行される。発行された鑑定書は、トレーサビリティデータとして本サービスに登録される。
ここで、各段階で作成される各種の証明書は、上述のように生成されたタイミングでブロックチェーンBに記憶させてもよいし、すべての証明書が揃ったことが確認されたタイミングで、一括で記憶させてもよい。
【0026】
次に、
図3乃至
図5Cを参照して、トレーサビリティビューアWに表示されるUI(User Interface)の具体例ついて説明する。
【0027】
図3は、トレーサビリティビューアに表示されるUIのうち、証明書登録画面の一例を示す図である。
【0028】
上述したように、ユーザUは、
図2に示す各段階で生成された各種の証明書をトレーサビリティデータとして本サービスに登録するが、具体的には、
図3の証明書登録画面から各種の証明書の登録を行う。
【0029】
図3に示すように、証明書登録画面は、表示領域F1及びF2を含むように構成されている。このうち、表示領域F1には、登録の対象となる証明書に付与されるシリアル番号と、流通区分とが表示される。流通区分は、ダイヤモンドDがどのような状態で流通されているのかを示す区分である。なお、
図3の例では、流通区分が「原石」とされている。
証明書登録画面のうち、表示領域F2には、登録の対象となる証明書を選択できる入力欄が表示される。具体的には、契約書、発注書、リスト、研磨前の原石のイメージ画像、原石研磨プランのイメージ画像を含む各種の証明書のうち1以上を選択できる入力欄が表示される。
なお、
図3には、証明書登録画面の一部のみが示されている。即ち、証明書登録画面には、上述の
図2に示す各段階で作成された各種の証明書を、トレーサビリティデータとして本サービスに登録するための各種各様の入力欄を表示させることができる。
【0030】
図4は、トレーサビリティビューアに表示されるUIのうち、各種の証明書に関する情報を一覧表示させた画面(以下、「証明書一覧画面」と呼ぶ)の一例を示す図である。
【0031】
本サービスでは、トレーサビリティデータとして本サービスに登録された各種の証明書に関する情報を一覧表示させることができる。具体的には例えば、契約書、発注書、リスト、研磨前の原石のイメージ画像、原石研磨プランのイメージ画像、研磨後のダイヤモンドのイメージ画像、及び鑑定書等の各種の証明書等の情報を一覧表示させることができる。
証明書一覧画面には、例えば
図4に示すように、証明書のデータのID、シリアル番号、トランザクションID、証明書のデータの作成者、最終更新者、更新日、作成日が一覧表示される。また、「コード」と表記されたボタンB1と、「参照」と表記されたボタンB2と、「編集」と表記されたボタンB3とが証明書毎に表示される。
このうち、ボタンB1が押下されると、証明書の詳細情報にアクセス可能な識別子(例えばQRコード(登録商標))が表示される。ボタンB2が押下されると、証明書の詳細情報が表示される。なお、証明書の詳細情報の具体例については、
図5A乃至Cを参照して後述する。ボタンB3が押下されると、証明書一覧画面に表示された情報の編集を行うことができる。また、欄外に配置された「新規作成」と表示されたボタンB4を押下することで証明書を新たに追加することができる。
【0032】
図5A乃至Cは、トレーサビリティビューアに表示されるUIのうち、証明書の詳細情報を表示した画面(以下、「詳細情報画面」と呼ぶ)の一例を示す図である。
【0033】
図5A乃至Cの夫々には、トレーサビリティデータとして登録されている、契約書、研磨前の原石のイメージ画像、原石研磨プランのイメージ画像の夫々の詳細情報画面の例が示されている。
図5A乃至Cに示すように、詳細情報画面には、トランザクションIDと、ファイルハッシュ値と、改ざんチェックの結果と、証明書の画像データとが表示される。
トランザクションIDは、ブロックチェーンBに記録される際に付与されるIDである。ファイルハッシュ値は、対象となる証明書の画像データのファイルハッシュ値である。
改ざんチェックの結果には、詳細情報画面に表示された証明書の画像データに対する改ざんの有無に関するチェックの結果が表示される。証明書の画像データの改ざんの有無のチェックは、ファイルハッシュ値の検証結果に基づいて行われる。なお、
図5A乃至Cに示す例では、改ざんチェックのチェック欄にチェックが付されているので、改ざんされていないということになる。
【0034】
次に、
図6及び
図7を参照して、本サービスに登録されたダイヤモンドDの流通について説明する。
【0035】
図6は、本サービスに登録されたダイヤモンドの販売の流れを示す図である。
【0036】
図6に示すように、ユーザUは、本サービスを利用することで、サービス提供者GからダイヤモンドDを購入することができる。サービス提供者Gにより販売されるダイヤモンドDに関するトレーサビリティデータは、すべてブロックチェーンBに記録されて一元管理されている。このため、ユーザUは、購入しようとするダイヤモンドDを原石の段階から選択することができる。
具体的には例えば、ユーザUは、トレーサビリティビューアWでダイヤモンドDの原石の研磨の様子を動画像で視聴することもできる。また、ダイヤモンドDを購入したユーザUは、トレーサビリティビューアWでトレーサビリティデータをいつでも確認することができる。即ち、ユーザUは、ダイヤモンドDの製品の受け渡しが行われた後も、トレーサビリティビューアWで証明書の内容を容易に確認することができる。その結果、例えばダイヤモンドDの製品の金属部分のみが付け替えられて異なる製品に生まれ変わったとしても、その製品に使用されているダイヤモンドDそのものは不変である。このため、個々のダイヤモンドDのトレーサビリティの一元管理が可能となる。
【0037】
図7は、従来のダイヤモンドの流通ルートと、本サービスに登録されたダイヤモンドの流通ルートとを比較した図である。
【0038】
図7に示すように、世界各国のダイヤモンド鉱山から産出されたダイヤモンドDは、従来の流通ルートで販売される場合には、ステップSS31乃至SS37の各ステップを経て消費者(ユーザU)に提供される。
即ち、従来の流通ルートでダイヤモンドDが販売される場合には、ダイヤモンドDの生産者で構成された所定の組合による生産調整、所定の貿易会社による選別や分類、所定の販売組織による販売が行われる(ステップSS31)。
次に、研磨業者によるダイヤモンドDの研磨が行われる(ステップSS32)。なお、
図7に示すように、ステップSS31を経ることなく直ちにステップSS32に進むダイヤモンドDもある。
研磨業者により研磨されたダイヤモンドDは、世界中のダイヤモンド市場で取引される(ステップSS33)。これにより、ダイヤモンドDは、ダイヤモンド輸入業者により各国に輸入される(ステップSS34)。
その後、製造業者やメーカが、ダイヤモンドDの製品を製造すると(ステップSS35)、これが、卸売業者や問屋(ステップSS36)、小売店、デパート、国内ブランド企業(ステップSS37)を経て消費者(ユーザU)に提供される。
【0039】
これに対して、本サービスの流通ルートでダイヤモンドDが販売される場合には、研磨、商品企画、デザイン、ショールーム運営、インターネットによる通信販売、及びカスタマーサポートを、サービス提供者Gが一貫して行う。そして、消費者(ユーザU)にダイヤモンドDの商品が提供される。
【0040】
即ち、従来の流通ルートでダイヤモンドDが販売される場合には、複数の中間業者を経て消費者に提供される。これに対して、本サービスの流通ルートによれば、ダイヤモンドDの産出から消費者への提供までをサービス提供者Gが一貫して行う。その結果、ダイヤモンドDの仕入や買い付け、研磨、製造、輸入、販売の履歴に関するトレーサビリティデータの一元管理が容易となる。
【0041】
さらに、トレーサビリティデータがブロックチェーンBに記録されて管理されるので、耐改ざん性、透明性を高めることができる。
図8は、トレーサビリティビューアを用いたトランザクションIDの照合の手法の具体例を示す図である。
【0042】
パブリックチェーン(ブロックチェーンB)によれば、個人情報は非公開としつつ、トランザクションIDのみを所定のウェブサイトで照合することができる。
図8の左側には、トレーサビリティビューアWに表示される詳細情報画面の一例が示されている。詳細情報画面の破線内には、トレーサビリティデータとしての証明書(原石研磨プランのイメージ画像)のトランザクションIDが表示されている。
図8の右側には、トランザクションIDを含むトランザクション情報をチェックできる所定のウェブサイトYの一例が示されている。ウェブサイトYの所定ページの破線内にはトランザクションハッシュ値が表示される。
ユーザUは、ウェブサイトYに表示されたトランザクションハッシュ値と、トレーサビリティビューアWに表示されたトランザクションIDとを照合することができる。その結果、一管理者であっても、セキュアにトレーサビリティデータの真正性を担保することができる。
【0043】
また、本サービスによれば、例えば以下のようなサービスを実現させることができる。
【0044】
即ち、本サービスによれば、ユーザU間におけるダイヤモンドDの譲渡を支援することができる。即ち、ダイヤモンドDを所有しているユーザUが他のユーザUにダイヤモンドDを譲渡する場合には、ブロックチェーンBに記録されている所有者に関する情報の変更を行う。これにより、ユーザU間におけるダイヤモンドDの取引の透明性を確保することができる。
具体的には例えば、以下のようにしてダイヤモンドDの所有権の譲渡の支援が行われる。即ち、ダイヤモンドDの譲渡者としてのユーザU1は、トレーサビリティビューアWに所定の識別子(例えばユーザID)を入力することで譲受者となるユーザU2を選択する。ユーザU2は、トレーサビリティビューアWにて取引の内容の確認と承認とを行う。ユーザU1は、トレーサビリティビューアWにてユーザU2の承認と内容との確認を行う。そして、ユーザU1は、ダイヤモンドDをユーザU2に引き渡す。その後、本サービスにおいて、ブロックチェーンBに記録されているダイヤモンドDの所有権に関する情報の変更が行われる。即ち、ダイヤモンドDの所有権の帰属先が、ユーザU1からユーザU2に変更される。
【0045】
また、本サービスにより提供されるトレーサビリティビューアWには、ユーザU毎のマイページ(図示せず)を設けることができる。これにより、ユーザUは、購入したダイヤモンドDにまつわるメモリアル写真、動画像、静止画像、音声データ、手紙のイメージ画像等をマイページに自由に掲載することができる。また、ユーザUは、マイページに掲載した写真や動画像等について、公開・非公開を任意に設定することができる。
【0046】
また、宝飾品業界が抱える課題を本サービスにて解決するという趣旨に賛同する者からなる協会団体(コンソーシアム)を設立して、ブロックチェーンBによるトレーサビリティ管理のプラットフォームを作ることができる。
【0047】
また、ブロックチェーンBに記録するトレーサビリティデータと、ダイヤモンドDの現物とを対応付けた物理的証明が可能となる。具体的には、キンバリー・プロセス証明書を取得して、ダイヤモンドDの現物に添付する。また、ダイヤモンドDの原石の輸出入を密封された容器にて行う。この場合、密封する際に公的機関による証明を得る。また、所定国(ダイヤモンドDの産出国)から購入された研磨済みのダイヤモンドD(ダイヤモンドルース)を開封せずに所定の宝石研究機関に持ち込み、シーリングを施す。その後、当該機関による鑑定が行われた際に付番された鑑定番号と、所定の研磨業者により付番されたルース番号とをダイヤモンドDのガードル部分(ダイヤ上部と下部の境目)にレーザーで刻印する。
このような管理を徹底することで、ダイヤモンドDの現物の入れ替えがないことを物理的に証明することが可能となる。さらに、その情報を記載した証明書をトレーサビリティデータとしてブロックチェーンBで記録することで、トレーサビリティを厳密に一元管理することが可能となる。
【0048】
次に、
図9を参照して、上述した本サービスの提供を実現化させる情報処理システム、即ち本発明の情報処理装置の一実施形態に係るサーバ1を含む、情報処理システムの構成について説明する。
図9は、本発明の情報処理装置の一実施形態に係るサーバを含む、情報処理システムの構成の一例を示す図である。
【0049】
図9に示す情報処理システムは、サーバ1と、ユーザ端末2を含むように構成されている。
サーバ1及びユーザ端末2は、インターネット等の所定のネットワークNを介して相互に接続されている。
【0050】
サーバ1は、サービス提供者Gにより管理される情報処理装置である。サーバ1は、ユーザ端末2と適宜通信をしながら、本サービスを実現するための各種処理を実行する。
【0051】
ユーザ端末2は、ユーザUにより操作される情報処理装置である。ユーザ端末2は、例えばパーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット等で構成される。
【0052】
図10は、
図9に示す情報処理システムのうちサーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0053】
サーバ1は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、入力部16と、出力部17と、記憶部18と、通信部19と、ドライブ20とを備えている。
【0054】
CPU11は、ROM12に記録されているプログラム、又は、記憶部18からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
【0055】
CPU11、ROM12及びRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続されている。入出力インターフェース15には、入力部16、出力部17、記憶部18、通信部19及びドライブ20が接続されている。
【0056】
入力部16は、例えばキーボード等により構成され、各種情報を入力する。
出力部17は、液晶等のディスプレイやスピーカ等により構成され、各種情報を画像や音声として出力する。
記憶部18は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各種データを記憶する。
通信部19は、インターネットを含むネットワークNを介して他の装置(例えば
図9のユーザ端末2)との間で通信を行う。
【0057】
ドライブ20には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア40が適宜装着される。ドライブ20によってリムーバブルメディア40から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部18にインストールされる。
また、リムーバブルメディア40は、記憶部18に記憶されている各種データも、記憶部18と同様に記憶することができる。
【0058】
なお、図示はしないが、
図9のユーザ端末2も、
図10に示すハードウェア構成と基本的に同様の構成を有することができる。従って、ユーザ端末2のハードウェア構成についての説明は省略する。
【0059】
このような
図10のサーバ1の各種ハードウェアと各種ソフトウェアとの協働により、サーバ1におけるトレーサビリティ管理処理を含む各種処理の実行が可能になる。その結果、サービス提供者は、ユーザUに対して上述の本サービスを提供することができる。なお、「トレーサビリティ管理処理」とは、ダイヤモンドDの仕入れ、研磨、製造、輸入、及び販売の夫々の内容を示すデータをブロックチェーンBに記録して管理する処理のことをいう。
以下、サーバ1において実行される、トレーサビリティ管理処理を実行するための機能的構成について説明する。
【0060】
図11は、
図10のサーバの機能的構成のうち、トレーサビリティ管理処理を実行するための機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
【0061】
図11に示すように、サーバ1のCPU11においては、トレーサビリティ管理処理の実行が制御される場合、生成部101と、データ管理部102と、ウェブ管理部103と、表示制御部104と、取引支援部105とが機能する。
なお、サーバ1の記憶部18の一領域には、ダイヤモンドDB181が設けられている。
【0062】
生成部101は、ダイヤモンドDのトレーサビリティを証明し得る1以上の証明データTとしての契約書、発注書、リスト、研磨前の原石、原石研磨プラン、研磨後のダイヤモンドの状態を示すデータ、及び鑑定書データの夫々について、ハッシュ値Hを生成する。
【0063】
データ管理部102は、生成部101により生成された1以上のハッシュ値Hの夫々を、識別可能となるように1以上の証明データTの夫々に対応付けて、ブロックチェーンBに記憶させて管理する。また、ブロックチェーンBに記憶されて管理されている1以上の証明データTは、ダイヤモンドDB181にも記憶される。
【0064】
ウェブ管理部103は、ユーザ端末2からアクセス可能なトレーサビリティビューアWを管理する。具体的には、ウェブ管理部103は、トレーサビリティビューアWの生成と更新とを行う。
【0065】
表示制御部104は、ユーザ端末2から1以上の証明データTにアクセスするためのURL(Uniform Resource Locator)、又は当該URLを示すQRコード(登録商標)をトレーサビリティビューアWに表示させる制御を実行する。
【0066】
取引支援部105は、トレーサビリティビューアWの利用するユーザU間におけるダイヤモンドDの取引の支援を行う。具体的には例えば、取引支援部105は、ユーザU間におけるダイヤモンドDの所有権の譲渡の支援として、データ管理部102にブロックチェーンB上の所有権の変更を行わせる。
【0067】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0068】
例えば、上述の実施形態において、本サービスは、ダイヤモンドDの販売に用いられる、という説明をしたが、特にこれに限定されない。即ち、本サービスは、ダイヤモンドD以外の宝石にも適用してもよい。
具体的に例えば、本サービスは、ダイヤモンドDの他、ルビー、サファイヤ、エメラルド等のトレーサビリティの管理に適用することができる。さらに言えば、宝石に加えて、金塊や美術品など、トレーサビリティの管理の対象となり得るすべての物品に本発明を適用することができる。
【0069】
また例えば、上述の実施形態において、ブロックチェーン技術として、パブリックチェーンが採用されているが、特にこれに限定されない。即ち、本サービスに採用されるブロックチェーン技術は、パブリックチェーン以外のブロックチェーン技術を適用してもよい。
具体的に例えば、パブリックチェーンやテストネットのほか、プライベート型、コンソーシアム型等での独自のブロックチェーン技術を採用してもよい。
【0070】
また例えば、上述の実施形態では、ユーザUは、ユーザ端末2からトレーサビリティビューアWにアクセスして本サービスを利用しているが、これに限定されない。ユーザUは、ユーザ端末2にインストールされた、本サービスの利用を可能にする専用のアプリケーションソフトウェアから本サービスを利用することもできる。
【0071】
また例えば、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。
換言すると、
図11の機能的構成は例示に過ぎず、特に限定されない。
即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が情報処理システムに備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは特に
図11の例に限定されない。また、機能ブロックの存在場所も、
図11に特に限定されず、任意でよい。例えば、サーバ1の機能ブロックのうち少なくとも一部をユーザ端末2や図示せぬ他の情報処理装置等が備える構成としてもよい。
また、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
【0072】
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。
コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。
また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えばサーバの他汎用のスマートフォンやパーソナルコンピュータであってもよい。
【0073】
このようなプログラムを含む記録媒体は、ユーザ等にプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される図示せぬリムーバブルメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザ等に提供される記録媒体等で構成される。
【0074】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置や複数の手段等より構成される全体的な装置を意味するものとする。
【0075】
以上を換言すると、本発明が適用される情報処理装置は、次のような構成を有していれば足り、各種各様な実施の形態を取ることができる。
即ち、本発明が適用される情報処理装置(例えば、
図1のサーバ)は、
宝石(例えば
図1のダイヤモンドD)のトレーサビリティを証明し得る1以上のデータ(例えば上述の、契約書、発注書等)の夫々のハッシュ値(例えば
図3Aのハッシュ値H)を生成する生成手段(例えば
図11の生成部101)と、
前記1以上のデータにアクセスするための情報(例えば
図3BのQRコード(登録商標))を所定のウェブページ(例えば上述のトレーサビリティビューアW)に表示させる制御を実行する表示制御手段(例えば
図11のウェブ管理部103、表示制御部104)と、
を備え、
前記生成手段により生成された前記1以上のハッシュ値の夫々が、識別可能となるように前記1以上のデータの夫々に対応付けられて通信ネットワーク(例えば
図1のブロックチェーンB)において管理される(例えば
図11のデータ管理部102による管理)、
情報処理装置(例えば
図1のサーバ1)。
【0076】
これにより、宝石のトレーサビリティを証明し得る1以上のデータの夫々のハッシュ値が生成される。また、宝石のトレーサビリティを証明し得る1以上のデータの夫々にアクセスするための情報が所定のウェブページに表示される。
その結果、宝石のトレーサビリティが一元管理されるので、耐改ざん性、透明性を高め、電子的な証明書の真正性を担保することが可能となる。
【0077】
また、前記生成手段は、前記宝石のトレーサビリティを証明し得るデータとして、前記宝石の仕入れ、研磨、製造、輸入、及び販売の夫々の内容を示すデータを生成し、
前記ハッシュ値の識別は、ブロックチェーン技術又は分散台帳を用いて行うことができる。
【0078】
これにより、宝石のトレーサビリティを証明し得るデータとして、宝石の仕入れ、研磨、製造、輸入、及び販売の夫々の内容を示すデータが生成される。また、ブロックチェーン技術又は分散台帳を用いてハッシュ値の識別が行われる。
その結果、耐改ざん性、透明性をさらに高め、電子的な証明書の真正性を担保することが可能となる。
【0079】
また、前記所定のウェブページの利用者(例えば
図1のユーザU)間における前記宝石に関する取引(例えば譲渡)の支援を行う取引支援手段(例えば
図11の取引支援部105)をさらに備えることができる。
【0080】
これにより、所定のウェブページの利用者間における宝石の取引の支援が行われるので、所定のウェブページの利用者の利便性を向上させることができる。
【符号の説明】
【0081】
1・・・サーバ、2・・・ユーザ端末、11・・・CPU、12・・・ROM、13・・・RAM、14・・・バス、15・・・入出力インターフェース、16・・・入力部、17・・・出力部、18・・・記憶部、19・・・通信部、20・・・ドライブ、30・・・リムーバブルメディア、101・・・生成部、102・・・データ管理部、103・・・ウェブ管理部、104・・・表示制御部、105・・・取引支援部、181・・・ダイヤモンドDB、G・・・サービス提供者、U・・・ユーザ、N・・・ネットワーク