(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022097784
(43)【公開日】2022-07-01
(54)【発明の名称】洗濯システム
(51)【国際特許分類】
D06F 33/69 20200101AFI20220624BHJP
D06F 103/08 20200101ALN20220624BHJP
D06F 103/12 20200101ALN20220624BHJP
D06F 103/30 20200101ALN20220624BHJP
D06F 103/38 20200101ALN20220624BHJP
D06F 103/48 20200101ALN20220624BHJP
D06F 103/50 20200101ALN20220624BHJP
D06F 103/54 20200101ALN20220624BHJP
D06F 103/70 20200101ALN20220624BHJP
D06F 105/58 20200101ALN20220624BHJP
D06F 105/54 20200101ALN20220624BHJP
【FI】
D06F33/69
D06F103:08
D06F103:12
D06F103:30
D06F103:38
D06F103:48
D06F103:50
D06F103:54
D06F103:70
D06F105:58
D06F105:54
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020210923
(22)【出願日】2020-12-21
(71)【出願人】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100205785
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼橋 史生
(74)【代理人】
【識別番号】100203297
【弁理士】
【氏名又は名称】橋口 明子
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100135301
【弁理士】
【氏名又は名称】梶井 良訓
(72)【発明者】
【氏名】大島 徳洋
(72)【発明者】
【氏名】服部 正巳
【テーマコード(参考)】
3B167
【Fターム(参考)】
3B167AA02
3B167AA04
3B167AB23
3B167AB30
3B167AB34
3B167AE01
3B167AE04
3B167AE05
3B167AE06
3B167AE11
3B167BA12
3B167BA69
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3B167FB05
3B167GB03
3B167HA11
3B167HA31
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3B167HA54
3B167JA72
3B167JC22
3B167KA32
3B167KA36
3B167KA52
3B167KA63
3B167KA65
3B167KA80
3B167KB01
3B167KB02
3B167KB16
3B167LA07
3B167LA08
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3B167LA32
3B167LB03
3B167LB09
3B167LC05
3B167LC09
3B167LC19
3B167LC20
3B167LD04
3B167LE10
3B167LF30
3B167LG08
3B167LG11
(57)【要約】
【課題】洗濯機の自動洗浄を適切に決定することができる洗濯システムを提供することである。
【解決手段】実施形態の洗濯システムは、第1決定部と、自動洗浄制御部と、を持つ。前記第1決定部は、外部から取得される情報または洗濯機に設けられたセンサにより検出される情報の少なくとも一方に基づき、前記洗濯機の自動洗浄の内容または時期の少なくとも一方を決定する。前記自動洗浄制御部は、前記第1決定部による決定内容を実行する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部から取得される情報または洗濯機に設けられたセンサにより検出される情報の少なくとも一方に基づき、前記洗濯機の自動洗浄の内容または時期の少なくとも一方を決定する第1決定部と、
前記第1決定部による決定内容を実行する自動洗浄制御部と、
を備えた洗濯システム。
【請求項2】
前記第1決定部は、前記洗濯機に設けられて前記自動洗浄に用いられる電気部品の動作寿命に基づき、前記自動洗浄の内容または時期の少なくとも一方を決定する、
請求項1に記載の洗濯システム。
【請求項3】
前記第1決定部により決定される前記自動洗浄の頻度が前記電気部品の動作寿命の設計値に対して過大である場合、異なる内容の前記自動洗浄とすること、または前記自動洗浄の時期を遅らせることの少なくとも一方を決定する第2決定部をさらに備えた、
請求項2に記載の洗濯システム。
【請求項4】
前記洗濯機は、前記自動洗浄の対象である第1対象箇所と、前記自動洗浄の対象であるとともに前記第1対象箇所に対して連通した第2対象箇所と、前記第1対象箇所に給水可能な第1給水弁と、前記第2対象箇所に給水可能な第2給水弁と、前記第1対象箇所と前記第2対象箇所との間で水を循環可能なポンプとを含み、
前記第2決定部は、前記第1決定部により決定される前記第1給水弁を用いた前記第1対象箇所の自動洗浄の頻度が前記第1給水弁の動作寿命の設計値に対して過大である場合、前記第2給水弁により前記第2対象箇所に給水された水を前記ポンプで前記第1対象箇所に循環させて前記第1対象箇所を自動洗浄することを増やすことに決定する、
請求項3に記載の洗濯システム。
【請求項5】
前記洗濯機は、前記自動洗浄の対象である対象箇所と、前記対象箇所に給水可能な給水弁と、前記対象箇所に送風可能なファンとを含み、
前記第2決定部は、前記第1決定部により決定される前記給水弁を用いた前記対象箇所の自動洗浄の頻度が前記給水弁の動作寿命の設計値に対して過大である場合、前記ファンによる送風で前記対象箇所を清掃または乾燥させることを増やすことに決定する、
請求項3または請求項4に記載の洗濯システム。
【請求項6】
前記洗濯機は、それぞれ前記自動洗浄の対象である第1対象箇所および第2対象箇所と、前記第1対象箇所に関連する第1センサと、前記第2対象箇所に関連する第2センサとを含み、
前記洗濯システムは、
前記第1センサの検出結果から得られる情報に基づき、前記第1対象箇所に対する前記自動洗浄の内容を変更することを決定する第3決定部と、
前記第2センサの検出結果から得られる情報に基づき、前記第2対象箇所に対する前記自動洗浄の内容を変更することを決定する第4決定部と、
をさらに備えた請求項1から請求項5のうちいずれか1項に記載の洗濯システム。
【請求項7】
前記第1対象箇所は、洗濯槽、ドレンポンプ、洗剤投入部、乾燥風路、または熱交換ユニットのうちの1つであり、
前記第2対象箇所は、前記洗濯槽、前記ドレンポンプ、前記洗剤投入部、前記乾燥風路、または前記熱交換ユニットのうちの別の1つである、
請求項6に記載の洗濯システム。
【請求項8】
前記自動洗浄が行われる場合、前記自動洗浄の後に前記センサの検出結果に基づいて得られる前記自動洗浄の効果を示す情報を記録する記録部をさらに備えた、
請求項1から請求項7のうちいずれか1項に記載の洗濯システム。
【請求項9】
前記自動洗浄が行われる場合、前記自動洗浄の後に前記センサの検出結果に基づいて得られる前記自動洗浄の効果を示す情報をユーザに報知する報知部をさらに備えた、
請求項1から請求項8のうちいずれか1項に記載の洗濯システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、洗濯システムに関する。
【背景技術】
【0002】
洗濯機は、一般的に、運転回数が多くなるとフィルタや回転槽などが汚れたり、カビなどが繁殖しやすい環境になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-088424号公報
【特許文献2】特開2014-069033号公報
【特許文献3】特表2019-520923号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、洗濯機の自動洗浄を適切に決定することができる洗濯システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の洗濯システムは、第1決定部と、自動洗浄制御部と、を持つ。前記第1決定部は、外部から取得される情報または洗濯機に設けられたセンサにより検出される情報の少なくとも一方に基づき、前記洗濯機の自動洗浄の内容または時期の少なくとも一方を決定する。前記自動洗浄制御部は、前記第1決定部による決定内容を実行する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】一実施形態の洗濯機の構成の一例を示す第1の図。
【
図2】一実施形態の洗濯機の構成の一例を示す第2の図。
【
図3】一実施形態の駆動回路の構成の一例を示す図。
【
図4】一実施形態の過電流比較回路の構成の一例を示す図。
【
図5】一実施形態におけるドラムモータを駆動する電流を生成する処理の概要を示す図。
【
図6】一実施形態の教師データの一例を示す第2の図。
【
図7】一実施形態の洗濯機の処理フローの一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態の洗濯システムを、図面を参照して説明する。以下の説明では、同一または類似の機能を有する構成に同一の符号を付す。そして、それら構成の重複する説明は省略する場合がある。「XXに基づく」とは、「少なくともXXに基づく」ことを意味し、XXに加えて別の要素に基づく場合も含み得る。「XXに基づく」とは、XXを直接に用いる場合に限定されず、XXに対して演算や加工が行われたものに基づく場合も含み得る。「XXまたはYY」とは、XXとYYのうちいずれか一方の場合に限定されず、XXとYYの両方の場合も含み得る。これは選択的要素が3つ以上の場合も同様である。「XX」および「YY」は、任意の要素(例えば任意の情報)である。また、「検出」とは、対象の物理量を直接感知する場合に限定されず、対象の物理量に関連する他の物理量を直接または間接的に取得し、取得した他の物理量から対象の物理量を推定したり特定したりする場合も含み得る。また、「取得」とは、対象物(情報を含む)そのものを直接受け取る場合に限定されず、直接受け取った物(情報を含む)を演算や加工などを行うことによって対象物となる場合も含み得る。
【0008】
以下では、いくつかの実施形態について説明する。実施形態の洗濯機は、外部から取得される情報または洗濯機に設けられたセンサにより検出される情報の少なくとも一方と、学習済みモデルとに基づき、前記洗濯機の自動洗浄の内容または時期の少なくとも一方を決定することのできる洗濯機である。洗濯機は、ドラム式の洗濯機、縦型の洗濯機などである。なお、洗濯機は、二槽式の洗濯機でもよい。
【0009】
<実施形態>
(洗濯機の全体構成)
一実施形態の洗濯機100の構成について、
図1~
図4を参照して説明する。
図1は、一実施形態の洗濯機100の構成を示す第1の図である。
図2は、一実施形態の洗濯機100の構成を示す第2の図である。洗濯機100は、乾燥機能を有する。洗濯機100は、ドラム式の洗濯機である。洗濯機100は、例えば、外箱(筐体)1、貫通孔状の出入口(不図示)、洗剤投入部2、扉3、水受槽4、ドラムモータ5、回転軸6、ドラム7(洗濯槽の一例)、貫通孔8、複数のバッフル9、給水弁10(
図2に図示)、給水弁モータ11(
図2に図示)、注水ケース(不図示)、注水口(不図示)、排水管(不図示)、排水弁15(
図2に図示)、メインダクト(不図示)、ファンケーシング19、吸気口20、排気口21、回転軸23、ファン24、後ダクト25、循環ダクト26、コンプレッサ(圧縮機)27、コンデンサ(凝縮器)29(熱交換ユニットの一例)、冷媒管(不図示)、ドレンタンク30、加熱フィン(不図示)、排水弁モータ47(
図2に図示)、水位センサ48(
図2に図示)、操作パネル49(
図2に図示)、制御回路50(
図2に図示)、回転位置センサ82(
図3に図示)、駆動回路200(
図3に図示)、ヒートポンプ300、リントフィルタ301、ドレンポンプ302、循環ポンプ303、および洗剤投入器304(
図2に図示)を備える。洗濯機100は、洗濯システムの一例である。
【0010】
ヒートポンプ300は、制御回路50による制御の下、洗濯物を乾燥させる。ヒートポンプ300は、ファンモータ22、コンプレッサモータ28(
図2に図示)を有する。ヒートポンプ300は、乾燥機能の一例である。リントフィルタ301は、洗濯物の糸くずなどを捕獲する。ドレンポンプ302は、制御回路50による制御の下、ドレンタンク30内に貯留された除湿水を排出するために用いられるポンプである。循環ポンプ303は、制御回路50による制御の下、排水管(不図示)、フィルタユニット(不図示)を介してドラム7内の洗濯水を吸引し、ドラム7の上方からドラム7内にシャワー状の水として戻す(循環させる)ためのポンプである。洗剤投入器304は、制御回路50による制御の下、ドラム7内に洗剤を投入する。
【0011】
外箱1は、洗濯機100の外観を形成する。外箱1は、前板と後板と左側板と右側板と底板と天板とを有する中空状を成す。外箱1の前板には、貫通孔状の出入口(不図示)が形成される。外箱1の前板には、扉3が装着される。扉3は、閉鎖状態および開放状態のいずれかへユーザが前方から操作可能である。扉3の閉鎖状態では、出入口(不図示)が閉鎖される。また、扉3の開放状態では、出入口(不図示)が開放される。外箱1の内部には、水受槽4が固定される。水受槽4は、後面が閉鎖される円筒状を成す。水受槽4は、水受槽4の軸心線CLが前方から後方に向けて下降する傾斜状態に配置される。水受槽4の前面は、開口する。扉3は、閉鎖状態で水受槽4の前面を気密状態に閉鎖する。
【0012】
水受槽4の後板には、水受槽4の外部に位置してドラムモータ5が固定される。ドラムモータ5は、洗濯における洗い処理や脱水処理に使用されるモータである。ドラムモータ5は、例えば、速度制御可能なDC(Direct Current)ブラシレスモータである。ドラムモータ5の回転軸6は、水受槽4の内部に突出する。回転軸6は、水受槽4の軸心線CLに重ねて配置される。回転軸6には、水受槽4の内部に位置してドラム7が固定される。ドラム7は、後面が閉鎖される円筒状を成す。ドラム7は、ドラムモータ5の運転状態で回転軸6と一体的に回転する。ドラム7の前面は、水受槽4の前面を介して後方から出入口(不図示)に対向する。扉3の開放状態では、ドラム7の内部は、前方から出入口(不図示)と水受槽4の前面とドラム7の前面を通して、洗濯物が出し入れされる。
【0013】
ドラム7には、複数の貫通孔8が形成される。ドラム7の内部空間は、複数の貫通孔8のそれぞれを通して、水受槽4の内部空間に接続される。ドラム7には、複数のバッフル9が固定される。これら複数のバッフル9のそれぞれは、ドラム7が回転することに応じて、軸心線CLを中心に円周方向へ移動する。ドラム7内の洗濯物は、複数のバッフル9のそれぞれに引っ掛かりながら円周方向へ移動した後に重力で落下することにより、撹拌される。
【0014】
外箱1の内部には、給水弁10が固定される。給水弁10は、入口および出口を有する。給水弁10の入口は、水道の蛇口に接続される。給水弁10は、給水弁モータ11を駆動源とする。給水弁10の出口は、給水弁モータ11の回転量に応じて、開放状態および閉鎖状態との間で切り換えられる。給水弁10の出口は、注水ケース(不図示)に接続される。給水弁10の開放状態では、水道水が給水弁10を通して注水ケース(不図示)内に注入される。一方、給水弁10の閉鎖状態では、水道水が注水ケース(不図示)内に注入されない。注水ケース(不図示)は、外箱1の内部に水受槽4よりも高所に位置して固定される。注水ケース(不図示)は、例えば、筒状の注水口(不図示)を有する。その注水口(不図示)は、水受槽4の内部に挿入される。給水弁10から注水ケース(不図示)内に注入される水道水は、注水口(不図示)から水受槽4の内部に注入される。
【0015】
水受槽4には、最底部に位置して排水管(不図示)の上端部が接続される。排水管(不図示)には、排水弁15が設けられる。排水弁15は、排水弁モータ47を駆動源とする。排水弁15は、排水弁モータ47の回転量に応じて、開放状態および閉鎖状態との間で切り換えられる。排水弁15の閉鎖状態では、注水口(不図示)から水受槽4内に注入される水道水が水受槽4内に貯留される。一方、排水弁15の開放状態では、水受槽4内の水道水が排水管(不図示)を通して水受槽4の外部に排出される。
【0016】
外箱1の底板には、水受槽4の下方に位置してメインダクト(不図示)が固定される。メインダクト(不図示)は、前後方向へ指向する筒状を成す。メインダクト(不図示)の前端部には、前ダクト(不図示)の下端部が接続される。前ダクト(不図示)は、上下方向へ指向する筒状を成す。前ダクト(不図示)の上端部は、水受槽4の前端部から水受槽4の内部空間に接続される。メインダクト(不図示)の後端部には、ファンケーシング19が固定される。ファンケーシング19は、貫通孔状の吸気口20および筒状の排気口21を有する。ファンケーシング19の内部空間は、吸気口20を介してメインダクト(不図示)の内部空間に接続される。
【0017】
ファンケーシング19には、ファンケーシング19の外部に位置してファンモータ22が固定される。ファンモータ22は、ファンケーシング19の内部に突出する回転軸23を有する。回転軸23には、ファンケーシング19の内部に位置してファン24が固定される。ファンモータ22は、ファン24を回転させる。ファン24は、遠心式のファンである。すなわち、ファン24は、回転することにより、軸方向から空気を吸い込んで径方向へ吐出する。ファンケーシング19の吸気口20は、ファン24の軸方向からファン24に対向する。また、ファンケーシング19の排気口21は、ファン24の径方向からファン24に対向する。
【0018】
ファンケーシング19の排気口21には、後ダクト25の下端部が接続される。後ダクト25は、上下方向へ指向する筒状を成す。後ダクト25の上端部は、水受槽4の後端部から水受槽4の内部空間に接続される。後ダクト25、ファンケーシング19、メインダクト(不図示)、前ダクト(不図示)、および水受槽4は、水受槽4の内部空間を始点および終点のそれぞれとする環状の循環ダクト26を構成する。扉3の閉鎖状態においてファンモータ22が運転される場合には、ファン24が一定方向へ回転することにより、水受槽4内の空気は、前ダクト(不図示)内からメインダクト(不図示)内を通してファンケーシング19内に吸引され、ファンケーシング19内から後ダクト25内を通して水受槽4内に戻される。
【0019】
外箱1の内部には、コンプレッサ(圧縮機)27が固定される。コンプレッサ27は、循環ダクト26の外部に配置される。コンプレッサ27は、冷媒を吐出する吐出口および冷媒を吸い込む吸込口を有する。コンプレッサ27は、コンプレッサモータ28を駆動源とする。コンプレッサモータ28は、例えば、速度制御可能なDCブラシレスモータである。
【0020】
メインダクト(不図示)の内部には、コンデンサ(凝縮器)29が固定される。コンデンサ29は、空気を加熱する。コンデンサ29は、蛇行状に曲折する1本の冷媒管(不図示)の外周面に板状を成す複数の加熱フィン(不図示)のそれぞれを接触状態で固定することにより構成される。コンデンサ29の冷媒管(不図示)は、コンプレッサ27の吐出口に接続される。コンプレッサモータ28の運転状態では、コンプレッサ27の吐出口から吐出される冷媒がコンデンサ29の冷媒管(不図示)内に進入する。
【0021】
水位センサ48は、水受槽4に設けられる。水位センサ48は、水受槽4内の水位を検出する。操作パネル49は、表示部49aおよび操作入力部49bを備える。例えば、表示部49aおよび操作入力部49bは、ユーザが押下可能なボタンとディスプレイ装置とを備えたパネル、またはユーザが操作可能なタッチパネルなどである。ユーザは、操作パネル49を操作することによって、洗濯の運転コースの選択や運転開始などの操作を行うことができる。洗濯の運転コースの例としては、標準コース、スピーディコース、おしゃれ着コース(丁寧洗いコース)、部屋干しコース、がんこ汚れコースなどが挙げられる。洗濯の運転コースごとに、洗い時に水受槽4に注水される水の量、すすぎ時の水受槽4における水流、洗濯行程の内容が異なる。また、操作パネル49には、洗濯行程や運転終了までの残り時間、設定水位などが表示される。
【0022】
洗剤投入部2は、例えば、筐体1内に配置されて、ドラム7の上方に位置する。給水経路の途中には洗剤投入部2からの洗濯処理剤を供給する供給部が設けられている。つまり、洗濯処理剤は、洗剤投入部2から供給部を介して給水経路を通りドラム7内に供給される。洗濯処理剤とは、洗濯時に衣類を処理する処理剤を広く意味する。洗濯処理剤の例としては、洗剤、柔軟剤、漂白剤などが挙げられる。なお、洗濯処理剤は、液体に限らず、粉末であっても良い。
【0023】
図3は、ドラムモータ5の駆動回路200を示す図である。駆動回路200は、インバータ回路32、シャント抵抗35u、35v、35w、レベルシフト回路36、過電流比較回路38、駆動用電源回路39、交流電源40、第1電源回路43、駆動回路44、第2電源回路45、高圧ドライバ回路46、および制御回路50(第1決定部の一例、自動洗浄制御部の一例、第2決定部の一例、記録部の一例、報知部の一例)を備える。なお、
図3には、ドラムモータ5も記載されている。
【0024】
インバータ回路32は、6個のスイッチング素子33a~33fを備える。インバータ回路32では、6個のスイッチング素子が三相ブリッジを構成するように接続される。以下、6個のスイッチング素子33a~33fは、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)33a~33fであるものとして説明する。IGBT33aのコレクタ-エミッタ間には、フライホイールダイオード34aが接続される。IGBT33bのコレクタ-エミッタ間には、フライホイールダイオード34bが接続される。IGBT33cのコレクタ-エミッタ間には、フライホイールダイオード34cが接続される。IGBT33dのコレクタ-エミッタ間には、フライホイールダイオード34dが接続される。IGBT33eのコレクタ-エミッタ間には、フライホイールダイオード34eが接続される。IGBT33fのコレクタ-エミッタ間には、フライホイールダイオード34fが接続される。
【0025】
下アーム側のIGBT33dのエミッタは、シャント抵抗35uを介して、グラウンドに接続される。下アーム側のIGBT33eのエミッタは、シャント抵抗35vを介して、グラウンドに接続される。下アーム側のIGBT33fのエミッタは、シャント抵抗35wを介して、グラウンドに接続される。シャント抵抗35u、35v、35wのそれぞれは、電流検出手段の一例である。例えば、シャント抵抗の端子間電圧をその抵抗値で除算することにより電流を検出することができる。また、IGBT33dとシャント抵抗35uとの接点、IGBT33eとシャント抵抗35vとの接点、およびIGBT33fとシャント抵抗35wとの接点のそれぞれは、レベルシフト回路36を介して制御回路50に接続される。また、IGBT33dとシャント抵抗35uとの接点、IGBT33eとシャント抵抗35vとの接点、およびIGBT33fとシャント抵抗35wとの接点のそれぞれは、過電流比較回路38を介して制御回路50に接続される。
【0026】
レベルシフト回路36は、オペアンプなどを含んで構成される。レベルシフト回路36は、シャント抵抗35u~35wの端子間電圧を増幅すると共にその増幅した電圧(増幅信号)の出力範囲が正側に収まるように(例えば、0~+3.3ボルト)バイアスを与える。
【0027】
過電流比較回路38は、インバータ回路32の上アームと下アームとが短絡する場合などに生じるインバータ回路32における過電流を検出する。
図4は、過電流比較回路38の構成の一例を示す図である。過電流比較回路38は、コンパレータ66u、66v、66w、抵抗67、68、69を備える。コンパレータ66uは、インバータ回路32のu相に対応する電流の過電流を検出するためのコンパレータである。コンパレータ66vは、インバータ回路32のv相に対応する電流の過電流を検出するためのコンパレータである。コンパレータ66wは、インバータ回路32のw相に対応する電流の過電流を検出するためのコンパレータである。抵抗67、68は、インバータ回路32における電流を過電流と判定する判定しきい値を設定するための抵抗である。抵抗69は、コンパレータ66u、66v、66wの出力をプルアップするための抵抗である。コンパレータ66u、66v、66wの出力は、制御回路50に接続される。u相、v相、w相のいずれかの電流が過電流となった場合、コンパレータ回路66の出力電圧は、HighレベルからLowレベルへ変化する。
【0028】
インバータ回路32には、駆動用電源回路39が接続される。駆動用電源回路39は、全波整流回路41、およびキャパシタ(静電容量)42a、42bを備える。全波整流回路41は、例えば、ダイオードブリッジによって構成される。キャパシタ42aおよび42bは、直列接続される。例えば、交流電源40が、実効値が100ボルトの交流電圧を駆動用電源回路39に出力する場合、駆動用電源回路39は、全波整流回路41およびキャパシタ42a、42bにより、交流電源40が出力する実効値が100ボルトの交流電圧について昇圧と共に整流を行い、約280ボルトの直流電圧をインバータ回路32に出力する。インバータ回路32のu相に対応する出力端子は、ドラムモータ5のu相に対応する巻線5uに接続される。インバータ回路32のv相に対応する出力端子は、ドラムモータ5のv相に対応する巻線5vに接続される。インバータ回路32のw相に対応する出力端子は、ドラムモータ5のw相に対応する巻線5wに接続される。
【0029】
制御回路50は、洗濯機100全体の制御を行う。例えば、制御回路50は、コンパレータ回路66の出力電圧がHighレベルからLowレベルに変化した場合、過電流が発生したと判定する。制御回路50は、過電流が発生したと判定した場合、駆動回路44からドラムモータ5へ出力されるドラムモータ5を制御するためのPWM(Pulse Width Modulation)信号を停止させる。
【0030】
また、制御回路50は、レベルシフト回路36を介して、ドラムモータ5の巻線5uに流れる電流Iau、ドラムモータ5の巻線5vに流れる電流Iav、およびドラムモータ5の巻線5wに流れる電流Iawを検出する。具体的には、制御回路50は、過電流比較回路38を介して過電流を検出していない期間に、レベルシフト回路36を介して電流を検出する。過電流を検出していない期間に制御回路50がレベルシフト回路36を介して検出した電流が電流Iau、Iav、Iawである。制御回路50は、検出した電流Iau~Iawの電流値に基づいて、ドラムモータ5における回転磁界の位相θおよび回転角速度ωを推定すると共に、三相電流を直交座標変換およびdq(direct-quadrature)座標変換して、励磁電流成分Idおよびトルク電流成分Iqを得る。
【0031】
そして、制御回路50は、外部からドラムモータ5についての速度指令を受けると、推定した位相θ、推定した回転角速度ω、励磁電流成分Id、およびトルク電流成分Iqに基づいて、電流指令Idref、および電流指令Iqrefを生成する。制御回路50は、生成した電流指令Idref、および電流指令Iqrefを、電圧指令Vd、Vqに変換する。そして、制御回路50は、電圧指令Vd、Vqについて直交座標変換および三相座標変換を行う。最終的には、インバータ回路32を駆動する駆動信号がPWM信号として生成される。インバータ回路32は、生成されたPWM信号に応じて、ドラムモータ5を駆動する。すなわち、インバータ回路32は、ドラムモータ5を駆動する電流をドラムモータ5の巻線5u~5wに出力する。インバータ回路32が出力するこの電流に応じてドラムモータ5は動作する。
【0032】
図5は、上述の電流指令Idref、および電流指令Iqrefに基づいて、ドラムモータ5を駆動する電流をインバータ回路32が生成する処理の概要を示す図である。制御回路50は、レベルシフト回路36を介して検出した電流Iu、電流Iv、および電流Iwについて、回転座標変換および二相座標変換を行う。これにより、電流Iu、電流Iv、および電流Iwは、電流Id*および電流Iq*に変換される。制御回路50は、電流指令Idrefから電流Id*を減算する。制御回路50は、その減算結果についてPI制御を行う。これにより、電圧指令Vdが生成される。また、制御回路50は、電流指令Iqrefから電流Iq*を減算する。制御回路50は、その減算結果についてPI制御を行う。これにより、電圧指令Vqが生成される。制御回路50は、電圧指令Vdおよび電圧指令Vqについて、直交座標変換および三相座標変換を行う。制御回路50は、変換結果を駆動回路44に出力する。この変換結果は、ドラムモータ5を駆動させるための電圧指令である。
【0033】
駆動回路44は、制御回路50が出力する電圧指令に応じたPWM信号を生成する。駆動回路44は、生成したPWM信号を高圧ドライバ回路46およびインバータ回路32に出力する。駆動回路44が高圧ドライバ回路46に出力するPWM信号は、インバータ回路32の上アーム側のIGBT33a~33cを駆動するための信号である。また、駆動回路44がインバータ回路32に出力するPWM信号は、インバータ回路32の下アーム側のIGBT33d~33fを駆動するための信号である。なお、駆動回路44が高圧ドライバ回路46に出力するPWM信号と、駆動回路44がインバータ回路32に出力するPWM信号とは、逆相の関係にある。
【0034】
高圧ドライバ回路46は、駆動回路44が出力するPWM信号から、インバータ回路32の上アーム側のIGBT33a~33cを駆動するためのPWM信号(具体的には、下アーム側のIGBT33d~33fを駆動するPWM信号よりも高電位のPWM信号を生成する。高圧ドライバ回路46は、生成したPWM信号をインバータ回路32に出力する。上述した高圧ドライバ回路46がインバータ回路32の上アーム側のIGBT33a~33cに出力するPWM信号と、駆動回路44がインバータ回路32の下アーム側のIGBT33d~33fに出力するPWM信号とにより、インバータ回路32は、ドラムモータ5を駆動する電流をドラムモータ5の巻線5u~5wに出力する。
【0035】
また、同様に、制御回路50は、外部からファンモータ22についての速度指令を受けると、電流指令を生成し、生成した電流指令を電圧指令に変換する。そして、制御回路50は、電圧指令について直交座標変換および三相座標変換を行う。最終的には、ファンモータ22を駆動するためのインバータ回路(図示せず)を駆動する駆動信号がPWM信号として生成される。そのインバータ回路は、ファンモータ22を駆動する電流をファンモータ22の巻線に出力する。ファンモータ22は、インバータ回路が出力するこの電流に応じて動作する。なお、ファンモータ22についても、駆動回路201が別途存在する。
【0036】
また、同様に、制御回路50は、外部からコンプレッサモータ28についての速度指令を受けると、電流指令を生成し、生成した電流指令を電圧指令に変換する。そして、制御回路50は、電圧指令について直交座標変換および三相座標変換を行う。最終的には、コンプレッサモータ28を駆動するためのインバータ回路(図示せず)を駆動する駆動信号がPWM信号として生成される。そのインバータ回路は、コンプレッサモータ28を駆動する電流をコンプレッサモータ28の巻線に出力する。コンプレッサモータ28は、インバータ回路が出力するこの電流に応じて動作する。なお、コンプレッサモータ28についても、駆動回路202が別途存在する。
【0037】
また、制御回路50は、給水弁モータ11の回転量を制御することにより、給水弁10の出口を開放状態または閉鎖状態に制御する。また、制御回路50は、排水弁モータ47の回転量を制御することにより、排水弁15の出口を開放状態または閉鎖状態に制御する。なお、給水弁モータ11および排水弁モータ47それぞれについても、駆動回路203、204が別途存在する。
【0038】
制御回路50は、外部から取得される情報または洗濯機100に設けられたセンサにより検出される情報の少なくとも一方に基づき、洗濯機100の自動洗浄の内容または時期の少なくとも一方を決定する。例えば、制御回路50は、外部から取得される情報または洗濯機100に設けられたセンサにより検出される情報の少なくとも一方を含む情報を、学習済みモデルに入力することにより、洗濯機100の自動洗浄の時期を決定する。なお、自動洗浄の時期を決定するための学習済みモデルにおけるパラメータは、例えば、次のように決定される。
【0039】
自動洗浄の時期を決定する学習モデルのパラメータの決定に用いられる教師データは、入力データと、その入力データに対応する出力データとを含む。
【0040】
まず、自動洗浄の時期を特定するための学習モデルのパラメータの決定について説明する。
図6は、制御回路50が自動洗浄の時期を特定するための学習モデルのパラメータを特定するための教師データを示す図である。
図6に示す天気に関連する情報の例としては、天気予報、実際の天気、実際の気温、実際の湿度などを示す情報などが挙げられる。洗濯習慣に関連する情報の例としては、洗濯を行った曜日、時間帯、回数などが挙げられる。前回洗浄を行ってから現在までの間に行った洗濯に関連する情報の例としては、行った洗濯の回数、行った洗濯の運転コース、行った洗濯の運転時間などが挙げられる。洗濯機100が備えるセンサが取得する情報の例としては、温度、湿度、インバータ回路32に流れる電流、乾燥風路13における圧力、洗濯水に照射した光の透過率、洗濯水の伝導率などが挙げられる。電気部品の動作寿命に関連する情報の例としては、電気部品の総動作時間、洗濯機100の総運転回数などが挙げられる。
【0041】
例えば、制御回路50が記憶部403を備える。そして、記憶部403がこの教師データを記憶する。教師データの例としては、自動洗浄を行った過去の実績データなどが挙げられる。教師データの入力データの例としては、洗濯機100周辺の天気に関連する情報、ユーザの洗濯習慣に関連する情報、前回洗浄を行ってから現在までの間に行った洗濯に関連する情報、洗濯機100が備えるセンサが取得する情報、電気部品の動作寿命に関連する情報などが挙げられる。また、教師データの出力データの例としては、洗濯機100の洗浄時期および洗濯機100の洗浄箇所などが挙げられる。なお、図示していないが、
図6におけるデータ#1~データ#10000のそれぞれは、各時刻情報と共に、入力データの各項目の具体的な情報と、それら入力データに対応する出力データとが関連付けられたデータを含む。
【0042】
例えば、
図6に示す10000組のデータから成る教師データを用いて自動洗浄の時期および自動洗浄の箇所を特定するための学習モデルにおけるパラメータを決定する場合を考える。この場合、教師データは、例えば、訓練データと、評価データと、テストデータとに分けられる。訓練データと、評価データと、テストデータとの割合の例としては、70%、15%、15%や95%、2.5%、2.5%などが挙げられる。例えば、データ#1~#10000の教師データが、訓練データとしてデータ#1~#7000、評価データとしてデータ#7001~#8500、テストデータ15%としてデータ#8501~#10000に分けられたとする。この場合、訓練データであるデータ#1を学習モデルであるニューラルネットワークに入力する。訓練データの入力データがニューラルネットワークに入力され、自動洗浄の時期および自動洗浄の箇所がニューラルネットワークから出力される度に(この場合、データ#1~#7000のそれぞれのデータがニューラルネットワークに入力される度に)、その出力に応じて例えばバックプロパゲーションを行うことにより、ノード間のデータの結合の重み付けを示すパラメータを変更する(すなわち、ニューラルネットワークのモデルを変更する)。このように、訓練データをニューラルネットワークに入力してパラメータを調整する。
【0043】
次に、訓練データによってパラメータが変更されたニューラルネットワークに、評価データの入力データ(データ#7001~#8500)を順に入力する。ニューラルネットワークは、入力された評価データに応じた自動洗浄の時期および自動洗浄の箇所を出力する。ここで、ニューラルネットワークが出力するデータが、
図6において入力データに関連付けられている出力データと異なる場合、ニューラルネットワークの出力が
図6において入力データに関連付けられている出力データとなるようにパラメータを変更する。このように、パラメータが決定されたニューラルネットワーク(すなわち、学習モデル)が、自動洗浄の時期および自動洗浄の箇所を特定するための学習済みモデル(以下、第1学習済みモデルと記載)である。
【0044】
次に、最終確認として、第1学習済みモデルのニューラルネットワークに、テストデータ(データ#8501~#10000)の入力データを順に入力する。第1学習済みモデルのニューラルネットワークは、入力されたテストデータに応じた自動洗浄の時期および自動洗浄の箇所を出力する。すべてのテストデータに対して、第1学習済みモデルのニューラルネットワークが出力する自動洗浄の時期および自動洗浄の箇所が、
図6において入力データに関連付けられている自動洗浄の時期および自動洗浄の箇所と一致する場合、第1学習済みモデルのニューラルネットワークが所望のモデルである。また、テストデータのうちの1つでも、第1学習済みモデルのニューラルネットワークが出力する自動洗浄の時期および自動洗浄の箇所が、
図6において入力データに関連付けられている自動洗浄の時期および自動洗浄の箇所と一致しない場合、新たな教師データを用いて学習モデルのパラメータを決定する。上述の学習モデルのパラメータの決定は、所望のパラメータを有する第1学習済みモデルが得られるまで繰り返される。所望のパラメータを有する第1学習済みモデルが得られた場合、その第1学習済みモデルが、例えば、記憶部403に記録される。ここで説明した上述の第1学習済みモデルのパラメータは、例えば、洗濯機100の製造よりも前に決定され、製造時に記憶部403に記録される。
【0045】
また、ユーザが洗濯機100を入手後、洗濯が開始されると、洗濯が行われる度および洗濯機100の自動洗浄が行われる度に、制御回路50は、洗濯が行われた時期を示す時間情報または洗濯機100の自動洗浄が行われた時期を示す時間情報と共に、天気に関連する情報、洗濯習慣に関連する情報、前回洗浄を行ってから現在までの間に行った洗濯に関連する情報、センサが取得した情報、および電気部品の動作寿命に関連する情報を、例えば、記憶部403に記録する。
【0046】
制御回路50は、所定条件を満たす時期において、第1学習済みモデルを用いて、洗濯機100の自動洗浄を実施する候補となる時期を特定する。この自動洗浄を実施する候補となる時期の特定は、制御回路50が、洗濯機100に設けられて自動洗浄に用いられる電気部品の動作寿命に基づき、自動洗浄の内容または時期の少なくとも一方を決定することの一例である。所定の条件を満たす時期の例としては、第1学習済みモデルに入力するデータが、第1学習済みモデルを用いて、洗濯機100の自動洗浄の時期および自動洗浄の箇所を特定するのに充分な数のデータとなった時期、すなわち、洗濯機100が行った洗濯回数が所定回数に達した時期などが挙げられる。
【0047】
例えば、制御回路50は、前回の自動洗浄を行った時期から所定条件を満たした時期までの間に記録した洗濯機100周辺の天気に関連する情報、ユーザの洗濯習慣に関連する情報、前回洗浄を行った時期から現在までの間に行った洗濯に関連する情報、洗濯機100が備えるセンサが取得する情報、電気部品の動作寿命に関連する情報を、所定条件を満たした時期に第1学習済みモデルに入力する。そして、制御回路50は、第1学習済みモデルが出力する自動洗浄の時期および自動洗浄の箇所が、次回に実施する候補となる自動洗浄の時期および自動洗浄の箇所と特定する。なお、制御回路50が第1学習済みモデルを用いて初めて洗濯機100の自動洗浄の時期を特定する場合、ユーザが洗濯機100を入手後、初めて選択を行った時期を、前回洗浄を行った時期とみなせばよい。
【0048】
また、制御回路50は、特定した自動洗浄の時期に、評価関数Qを用いて、特定した自動洗浄の箇所について実際に自動洗浄を行うか否かを特定する。例えば、評価関数Qは、制御回路50が特定した自動洗浄の時期における自動洗浄の効果を示す値X1と、その時期における電気部品の使用頻度の適正度を示す値Y1との合計値Z1を、制御回路50が特定した自動洗浄の時期に特定した自動洗浄の箇所について自動洗浄を行った場合の自動洗浄の効果を示す値X2と、その自動洗浄を行った場合の電気部品の使用頻度の適正度を示す値Y2との合計値Z2から減算する関数である。なお、自動洗浄の効果の例としては、自動洗浄を行った箇所の洗浄の程度などが挙げられる。例えば、洗濯水に照射した光の透過率や洗濯水の伝導率から評価できる。具体的には、過去の洗浄方法における、自動洗浄開始直後と自動洗浄終了直前の透過率の変化や自動洗浄開始直後と自動洗浄終了直前の伝導率の変化を適用して評価すればよい。この評価は、洗濯水に照射した光の透過率や洗濯水の伝導率が大きくなるにつれて、自動洗浄により洗浄箇所の汚れが落ちたことになるため、効果が大きくなるように、自動洗浄の効果を示す値を決定すればよい。また、電気部品の使用頻度の適正度については、各電気部品の動作寿命と洗濯機100の運転状態とに基づいて評価できる。例えば、各電気部品の動作寿命に対して許される自動洗浄の総回数から、洗濯機100の入手後の運転開始時期から自動洗浄するべきであるか否かを特定する時期までの期間における各電気部品に許される自動洗浄の平均回数を求める。また、洗濯機100の入手後の運転開始時期から自動洗浄するべきであるか否かを特定する時期までの期間における各電気部品について実際に自動洗浄を行った回数を求める。そして、実際に自動洗浄を行った回数が、電気部品の動作寿命から求めた自動洗浄の平均回数を上回るにつれて電気部品の使用頻度の適正度が低くなるように、電気部品の使用頻度の適正度を示す値を決定すればよい。例えば、電気部品が給水弁である場合、設計上の動作寿命は1年間あたり平均して2000回程度自動洗浄のために開放状態と閉鎖状態との間を切り換えることができる。また、例えば、電気部品がドレンポンプ302である場合、設計上の動作寿命は1年間あたり平均して1000回程度自動洗浄のために動作可能である。
【0049】
そして、制御回路50は、決定した内容を実行する。例えば、制御回路50は、評価関数Qが正の値である場合、実際に自動洗浄を行うと特定する。また、制御回路50は、評価関数Qがゼロ以下の値である場合、自動洗浄を行わないと特定する。なお、実際に自動洗浄を行った回数が、電気部品の動作寿命から求めた自動洗浄の平均回数を上回るにつれて電気部品の使用頻度の適正度が低くなるように、電気部品の使用頻度の適正度を示す値を決定する場合、自動洗浄の頻度が高くなるにつれて、電気部品の使用頻度の適正度を示す値が小さくなる。そのため、例えば、洗濯を1回行うごとに自動洗浄を1回行うなど自動洗浄を必要以上の頻度で行う場合、自動洗浄を行うことによる自動洗浄の効果を示す値の改善(すなわち、上昇)がほとんどなくなり、評価関数Qの値が小さくなる。つまり、自動洗浄を必要以上の頻度で行う場合、評価関数Qがゼロ以下の値になり、自動洗浄を行う時期を遅らせることになる。なお、このことは、制御回路50が、決定した自動洗浄の頻度が電気部品の動作寿命の設計値に対して過大である場合、異なる内容の自動洗浄とすること、または自動洗浄の時期を遅らせることの少なくとも一方を決定することの一例である。
【0050】
また、ここで制御回路50が行う特定は、評価関数Qが正の値である、すなわち、合計値Z1が合計値Z2未満である場合、自動洗浄を行った後の洗濯機100の状態が自動洗浄を行う前の状態よりも評価が高いため、自動洗浄を行うという考えに基づくものである。また、ここで制御回路50が行う特定は、評価関数Qがゼロ以下の値である、すなわち、合計値Z1が合計値Z2以上である場合、自動洗浄を行う前の洗濯機100の状態が自動洗浄を行った後の洗濯機100の状態よりも評価が高いまたは同等であり、自動洗浄を行う価値がないという考えに基づくものである。
【0051】
なお、制御回路50が特定した箇所を自動洗浄する方法は、1つとは限らない。例えば、洗濯機100は、自動洗浄の対象である対象箇所と、対象箇所に給水可能な給水弁と、対象箇所に送風可能なファンとを含むものであってもよい。そして、制御回路50は、決定した給水弁を用いた対象箇所の自動洗浄の頻度が給水弁の動作寿命の設計値に対して過大である場合、ファンによる送風で対象箇所を清掃または乾燥させることを増やすことに決定するものであってもよい。具体的には、乾燥風路13やコンデンサ(凝縮器)29を洗浄する場合、制御回路50は、給水弁10を制御し、乾燥風路13やコンデンサ(凝縮器)29に水を通すことにより洗浄する(すなわち、リントを取り除く)ものであってもよい。また、給水弁10の動作寿命が過大である場合、制御回路50は、ファンモータ22を制御し、乾燥風路13やコンデンサ(凝縮器)29に空気を通すことにより洗浄する(すなわち、リントを取り除く)ものであってもよい。
【0052】
また、例えば、洗濯機100は、自動洗浄の対象である第1対象箇所と、自動洗浄の対象であるとともに第1対象箇所に対して連通した第2対象箇所と、第1対象箇所に給水可能な第1給水弁と、第2対象箇所に給水可能な第2給水弁と、第1対象箇所と第2対象箇所との間で水を循環可能なポンプとを含むものであってもよい。そして、制御回路50は、決定した第1給水弁を用いた第1対象箇所の自動洗浄の頻度が第1給水弁の動作寿命の設計値に対して過大である場合、第2給水弁により第2対象箇所に給水された水をポンプで第1対象箇所に循環させて第1対象箇所を自動洗浄することを増やすことに決定するものであってもよい。なお、第1対象箇所の例としては、ドラム7、ドレンポンプ302、洗剤投入部2、乾燥風路13、またはコンデンサ(凝縮器)29のうちの1つが挙げられる。また、第2対象箇所の例としては、ドラム7、ドレンポンプ302、洗剤投入部2、乾燥風路13、またはコンデンサ(凝縮器)29のうちの別の1つが挙げられる。具体的には、水受槽4やドラム7を洗浄する場合、制御回路50は、給水弁10を制御し、水受槽4やドラム7に水を通すことにより洗浄する(すなわち、汚れやカビなどを取り除く)ものであってもよい。また、給水弁10の動作寿命が過大である場合、制御回路50は、排水弁15および循環ポンプ303を制御し、水受槽4やドラム7に水を通すことにより洗浄する(すなわち、汚れやカビなどを取り除く)ものであってもよい。なお、制御回路50は、ファンモータ22を制御し、水受槽4やドラム7に空気を通すことにより洗浄する(すなわち、汚れやカビなどを取り除く)ものであってもよい。また、制御回路50は、コンプレッサモータ28やファンモータ22を制御し、水受槽4やドラム7に温かい空気を通すことにより洗浄する(すなわち、汚れやカビなどを取り除く)ものであってもよい。
【0053】
つまり、洗浄箇所が同一であっても、自動洗浄を行う方法が異なる場合、その洗浄方法により使用される電気部品が異なる。そのため、制御回路50は、電気部品の動作寿命に関連する情報(すなわち、電気部品の総動作時間、洗濯機100の総運転回数など)を、自動洗浄を行う箇所に適用可能な洗浄方法ごとに変更して、評価関数Qの値を特定する。そして、制御回路50は、適用可能な洗浄方法ごとに特定した複数の評価関数Qの中から、最大値となる評価関数Qを特定する。そして、制御回路50は、評価関数Qが最大値となる洗浄方法を、特定した洗浄箇所に適用するように洗濯機100を制御すればよい。すなわち、この制御回路50による制御は、制御回路50が決定した決定内容を実行することの一例である。なお、洗浄方法は、自動洗浄の内容を示すものである。そのため、最大値となる評価関数Qを特定し、特定した評価関数Qに対応する洗浄方法を用いて制御回路50が制御することは、制御回路50が、洗濯機100に設けられて自動洗浄に用いられる電気部品の動作寿命に基づき、自動洗浄の内容または時期の少なくとも一方を決定することの一例である。また、このことは、制御回路50が、決定した自動洗浄の頻度が電気部品の動作寿命の設計値に対して過大である場合、異なる内容の自動洗浄とすること、または自動洗浄の時期を遅らせることの少なくとも一方を決定することの一例である。
【0054】
なお、制御回路50は、ドレンポンプ302を洗浄するために、ドレンポンプ302および給水弁10を制御するものであってもよい。また、制御回路50は、洗剤投入器304を洗浄するために、給水弁10を制御するものであってもよい。
【0055】
制御回路50は、自動洗浄が行われる場合、自動洗浄の後に、自動洗浄の効果を検出するためのセンサの検出結果に基づいて得られる自動洗浄の効果を示す情報を記録する。また、制御回路50は、自動洗浄が行われる場合、自動洗浄の後に、自動洗浄の効果を検出するためのセンサの検出結果に基づいて得られる自動洗浄の効果を示す情報をユーザに報知する。なお、ここでのセンサは、洗濯水における光の透過率を検出するセンサや洗濯水の伝導率を検出するセンサのことである。つまり、洗濯水における光の透過率を検出するセンサや洗濯水の伝導率を検出するセンサは、第1対象箇所に関連する第1センサや第2対象箇所に関連する第2センサの一例である。
【0056】
なお、制御回路50は、例えば、CPU(Central Processing Unit)のようなハードウェアプロセッサを含み、プログラム(ソフトウェア)を実行することにより上記制御を実現するものであってもよい。ただし、上記制御の一部またはすべては、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェア(回路部;circuitryを含む)を含み実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとの協働によって実現されてもよい。
【0057】
第1電源回路43は、インバータ回路32に供給される駆動用電圧を降圧して生成した電圧を、制御回路50、駆動回路44、および後述する駆動回路51に供給する。インバータ回路32に供給される駆動用電圧は、例えば、約280ボルトである。また、駆動用電圧を降圧して生成した電圧は、例えば、15ボルトである。また、第2電源回路45は、インバータ回路32に供給される駆動用電圧を降圧することにより、制御回路50に供給される制御用電圧を生成する。第2電源回路45は、例えば、三端子レギュレータである。制御用電圧は、例えば、3.3ボルトである。高圧ドライバ回路46は、インバータ回路32における上アーム側のIGBT33a~33cを駆動する。
【0058】
また、ドラムモータ5のロータには、起動時に使用するロータの位置を検出するための回転位置センサ82が設けられる。回転位置センサ82が出力するロータの位置を示す位置信号は、制御回路50に出力される。すなわち、ドラムモータ5の起動時には、ロータの位置の推定が可能な回転速度(例えば、約30rpm)までは、回転位置センサ82を使用してベクトル制御を行う。また、ロータの位置の推定が可能な回転速度に達した以降は、回転位置センサ82を使用しないセンサレスベクトル制御に切り換える。
【0059】
次に、洗濯システム100の処理について説明する。
図7は、洗濯システム100の処理フローを示す図である。ここでは、制御回路50が学習済みモデルを用いて自動洗浄の時期を特定し、特定した時期に実際に自動洗浄を行うかを特定する処理について説明する。なお、学習済みモデルおよび評価関数Qは、予め用意されているものとする。
【0060】
ユーザが洗濯機100を入手後、洗濯が開始されると、洗濯が行われる度および洗濯機100の自動洗浄が行われる度に、制御回路50は、洗濯が行われた時期を示す時間情報または洗濯機100の自動洗浄が行われた時期を示す時間情報と共に、天気に関連する情報、洗濯習慣に関連する情報、前回洗浄を行ってから現在までの間に行った洗濯に関連する情報、センサが取得した情報、および電気部品の動作寿命に関連する情報を、例えば、記憶部403に記録する(ステップS1)。
【0061】
制御回路50は、所定条件を満たす時期において、第1学習済みモデルを用いて、洗濯機100の自動洗浄を実施する候補となる時期を特定する(ステップS2)。具体的には、制御回路50は、前回の自動洗浄を行った時期から所定条件を満たした時期までの間に記録した洗濯機100周辺の天気に関連する情報、ユーザの洗濯習慣に関連する情報、前回洗浄を行った時期から現在までの間に行った洗濯に関連する情報、洗濯機100が備えるセンサが取得する情報、電気部品の動作寿命に関連する情報を、所定条件を満たした時期に第1学習済みモデルに入力する。そして、制御回路50は、第1学習済みモデルが出力する自動洗浄の時期および自動洗浄の箇所が、次回に実施する候補となる自動洗浄の時期および自動洗浄の箇所と特定する。なお、制御回路50が第1学習済みモデルを用いて初めて洗濯機100の自動洗浄の時期を特定する場合、ユーザが洗濯機100を入手後、初めて選択を行った時期を、前回洗浄を行った時期とみなせばよい。
【0062】
また、制御回路50は、特定した自動洗浄の時期に、評価関数Qの値に基づいて、特定した自動洗浄の箇所について実際に自動洗浄を行うか否かを特定する(ステップS3)。例えば、制御回路50は、現在の洗濯機100の状態における自動洗浄の効果を示す値X1と、電気部品の使用頻度の適正度を示す値Y1との合計値Z1を、学習済みモデルを用いて特定した自動洗浄の時期に特定した自動洗浄の箇所についてさまざまな自動洗浄方法を適用した場合の自動洗浄の効果を示す値X2と、その自動洗浄を行った場合の電気部品の使用頻度の適正度を示す値Y2との合計値Z2から減算して評価関数Qの値を特定する。そして、制御回路50は、複数の洗浄方法について評価関数Qが正の値である場合、その中で最大値となる評価関数Qに対応する自動洗浄を行うと判定する。また、制御回路50は、評価関数Qがゼロ以下の値である場合、自動洗浄を行わないと判定する。
【0063】
制御回路50は、自動洗浄を行わない場合(ステップS3においてNO)、処理を終了する。また、制御回路50は、自動洗浄を行う場合(ステップS3においてYES)、最大値となる評価関数Qに対応する方法で洗浄箇所を自動洗浄する制御を行う(ステップS4)。制御回路50は、自動洗浄の効果を記憶部403に記録する(ステップS5)。制御回路50は、処理を終了する。
【0064】
(利点)
以上、一実施形態の洗濯機100(洗濯システムの一例)について説明した。制御回路50は、外部から取得される情報または洗濯機100に設けられたセンサにより検出される情報の少なくとも一方と、学習済みモデルとに基づき、洗濯機100の自動洗浄の内容または時期の少なくとも一方を決定する。そして、制御回路50は、決定内容を実行する。
【0065】
こうすることにより、洗濯機100は、自動洗浄を過度とならない頻度で(すなわち、電気部品の動作寿命を短くすることなく)行う時期を特定することができる。また、洗濯機100は、特定した時期に適切な洗浄方法で自動洗浄を行うことができる。つまり、洗濯機100は、洗濯機の自動洗浄を適切に決定することができる。
【0066】
(実施形態の第1変形例)
実施形態の第1変形例では、洗濯機100は、それぞれ自動洗浄の対象である第1対象箇所および第2対象箇所と、第1対象箇所に関連する第1センサと、第2対象箇所に関連する第2センサとを含むものであってもよい。第1センサは、第1対象箇所の自動洗浄の効果を検出するためのセンサである。また、第2センサは、第2対象箇所の自動洗浄の効果を検出するためのセンサである。そして、制御回路50は、第1センサの検出結果から得られる情報に基づき、第1対象箇所に対する前記自動洗浄の内容を変更することを決定するものであってもよい。また、制御回路50は、第2センサの検出結果から得られる情報に基づき、第2対象箇所に対する前記自動洗浄の内容を変更することを決定するものであってもよい。なお、第1対象箇所は、ドラム7、ドレンポンプ302、洗剤投入部2、乾燥風路13、またはコンデンサ(凝縮器)29のうちの1つである。また、第2対象箇所は、ドラム7、ドレンポンプ302、洗剤投入部2、乾燥風路13、またはコンデンサ(凝縮器)29のうち第1対象箇所とは別の1つである。
【0067】
具体的には、制御回路50は、第1対象箇所がきれいになっていないことを第1センサの検出結果が示す場合、自動洗浄を行う方法を変更するものであってもよい。また、制御回路50は、第2対象箇所がきれいになっていないことを第2センサの検出結果が示す場合、自動洗浄を行う方法を変更するものであってもよい。この場合、制御回路50は、第1対象箇所と第2対象箇所とで共通の電気部品を制御した方が評価関数Qの値が高い場合、その方法で洗濯機100を洗浄するものであってもよい。こうすることにより、洗濯機100は、複数の洗浄箇所を効率的に自動洗浄を行うことができる。
【0068】
(実施形態の第2変形例)
一実施形態では、制御回路50は、学習済みモデルを用いて、自動洗浄を実施する候補となる時期を特定し、特定した時期に実際に自動洗浄を行うかを評価関数Qにより特定するものとして説明した。しかしながら、実施形態の第2変形例では、自動洗浄を実施する候補となる時期を、学習済みモデルを用いずに、例えば、2週間ごとのように任意の時期に決定するものであってもよい。なお、この場合であっても、制御回路50は、その任意の時期における洗濯機100の状態に応じた評価関数Qの値を特定し、その評価関数Qの値が正の値であるか、ゼロ以下の値であるかに応じて自動洗浄を行うか否かを特定すればよい。
【0069】
(利点)
以上、一実施形態の第2変形例の洗濯機100(洗濯システムの一例)について説明した。この洗濯機100では、評価関数Qの値を特定する回数と、自動洗浄を行うか否かを特定する回数は、一実施形態の洗濯機100や一実施形態の第1変形例の洗濯機100に比べて増加するが、それらの洗濯機100と同様に、洗濯機の自動洗浄を適切に決定することができる。
【0070】
(実施形態の第3変形例)
一実施形態では、制御回路50は、自動洗浄の効果を洗濯水に照射した光の透過率や洗濯水の伝導率から評価するものとして説明した。しかしながら、自動洗浄により洗浄の対象となった箇所が実際にきれいになった場合、例えば、フィルタの目詰まりが解消されるなど電気部品の負荷となる要因が軽減され、消費電力が低下することなどが考えられる。そのため、一実施形態の第3変形例では、制御回路50は、例えば、電力系を備え消費電力を検出することにより自動洗浄の効果を間接的に検出するものであってもよい。
【0071】
(利点)
以上、一実施形態の第3変形例の洗濯機100(洗濯システムの一例)について説明した。この洗濯機100では、洗濯水に照射した光の透過率や洗濯水の伝導率以外の物理量からも自動洗浄の効果を特定することができる。
【0072】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0073】
1…外箱(筐体)、3…扉、4…水受槽、5…ドラムモータ、6…回転軸、7…ドラム、8…貫通孔、9…複数のバッフル、10…給水弁、11…給水弁モータ、13…乾燥風路、14…排水管、15…排水弁、19…ファンケーシング、20…吸気口、21…排気口、22…ファンモータ、23…回転軸、24…ファン、25…後ダクト、26…循環ダクト、27…コンプレッサ、28…コンプレッサモータ、29…コンデンサ(凝縮器)、32…インバータ回路、33a~33f…スイッチング素子、35u、35v、35w…シャント抵抗、36…レベルシフト回路、38…過電流比較回路、39…駆動用電源回路、40…交流電源、43…第1電源回路、44…駆動回路、45…第2電源回路、46…高圧ドライバ回路、47…排水弁モータ、48…水位センサ、49…操作パネル、82…回転位置センサ、200…駆動回路、201…駆動回路、202…駆動回路、203…駆動回路、204…駆動回路、300…ヒートポンプ、301…リントフィルタ、302…ドレンポンプ。