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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022097789
(43)【公開日】2022-07-01
(54)【発明の名称】攪拌装置用容器アダプタ
(51)【国際特許分類】
   B01F 29/80 20220101AFI20220624BHJP
   B01F 29/90 20220101ALI20220624BHJP
【FI】
B01F9/10
B01F9/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020210932
(22)【出願日】2020-12-21
(71)【出願人】
【識別番号】513019818
【氏名又は名称】株式会社ビートセンシング
(74)【代理人】
【識別番号】100120396
【弁理士】
【氏名又は名称】杉浦 秀幸
(72)【発明者】
【氏名】森野 和喜
【テーマコード(参考)】
4G036
【Fターム(参考)】
4G036AA21
4G036AA26
(57)【要約】
【課題】 簡易な構成で、回転させた際に蓋部の緩みや締め込みが生じ難いと共に内容物の漏れを抑制することができる拌装置用容器アダプタを提供すること。
【解決手段】 収容容器内の内容物Nを攪拌する攪拌装置用の容器アダプタであって、容器本体2aと収容用蓋部2bとを備え、容器本体がフランジ部2cを有し、収容容器を収納する攪拌用容器3と、攪拌用蓋部3aと、攪拌用容器の底部に載置され内周面で容器本体の外周面を支持すると共に上面でフランジ部の下面を支持する円環状の下部支持部材4と、収容用蓋部上に載置され攪拌用蓋部で攪拌用容器の開口部を閉塞した際に収容容器を下方に押圧する上部支持部材5とを備え、上部支持部材及び下部支持部材が、弾性材料で形成され、下部支持部材が、収容容器の底部が攪拌用容器の底面から離間した状態で収容容器を支持している。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
収容容器をその軸線を中心に回転させ前記収容容器内の内容物を攪拌する攪拌装置に用いる容器アダプタであって、
前記収容容器が、前記内容物を収容すると共に上部に開口部を有した容器本体と、
前記収容容器の開口部を閉塞する収容用蓋部とを備え、
前記容器本体が、外周面に半径方向外方に突出して形成されていると共に前記収容用蓋部の下端が係止されるフランジ部を有し、
上部に開口部を有し前記収容容器を収納する攪拌用容器と、
前記攪拌用容器の開口部を閉塞する攪拌用蓋部と、
前記攪拌用容器の底部に載置され内周面で前記容器本体の外周面を支持すると共に上面で前記フランジ部の下面を支持する円環状の下部支持部材と、
前記収容用蓋部上に載置され前記攪拌用蓋部で前記攪拌用容器の開口部を閉塞した際に前記収容容器を下方に押圧する上部支持部材とを備え、
前記上部支持部材及び前記下部支持部材が、弾性材料で形成され、
前記下部支持部材が、前記収容容器の底部が前記攪拌用容器の底面から離間した状態で前記収容容器を支持していることを特徴とする攪拌装置用容器アダプタ。
【請求項2】
請求項1に記載の攪拌装置用容器アダプタにおいて、
前記上部支持部材が、前記収容用蓋部との間に少なくとも前記上部支持部材の下面よりも摩擦抵抗の低い下面を有した摺動板を配して前記収容用蓋部上に載置されていることを特徴とする攪拌装置用容器アダプタ。
【請求項3】
請求項2に記載の攪拌装置用容器アダプタにおいて、
前記摺動板の下面が、凸曲面状とされていることを特徴とする攪拌装置用容器アダプタ。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の攪拌装置用容器アダプタにおいて、
前記下部支持部材が、内周面で前記容器本体の外周面を支持する第1支持部材と、
前記第1支持部材上に載置され内周面で前記容器本体の外周面を支持すると共に上面で前記フランジ部の下面を支持する第2支持部材とを備え、
前記第2支持部材が、前記第1支持部材より柔らかい弾性材料で形成されていることを特徴とする攪拌装置用容器アダプタ。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の攪拌装置用容器アダプタにおいて、
前記攪拌用容器が、前記容器本体の直下の底面に外側貫通孔が形成されていることを特徴とする攪拌装置用容器アダプタ。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載の攪拌装置用容器アダプタにおいて、
前記上部支持部材が、前記軸線に平行して形成された一対の取り出し用貫通孔を有していることを特徴とする攪拌装置用容器アダプタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば軟膏や粉末の攪拌などに好適な攪拌装置用容器アダプタに関する。
【背景技術】
【0002】
市販の軟膏壺等の容器内に収容された軟膏や粉末を攪拌等するために、容器を回転させて内部の軟膏や粉末を攪拌等する装置が用いられている。
従来、例えば特許文献1には、容器本体の底部に向けて進退自在であり、収容容器を自転および公転させる工程で、収容容器を底部との間で挟持可能な押圧部材とを有し、この押圧部材で容器を上から押さえ付けて底部との間で挟持する攪拌脱泡容器のアダプタが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-289163号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の技術において、以下の課題が残されている。
すなわち、従来のアダプタの場合、押圧部材により容器を上から押さえ付けて底部(底面又は底面の外周部)との間で挟持するため、回転させた際に、容器、特に蓋部に遠心力が加わって加減速時に慣性を与えてしまうことで、容器本体と蓋部との運動に差が生じて蓋部の緩みや締め込みを発生させてしまうという問題があった。
また、容器の底部が押さえ込まれているため、歪みが生じて内容物の漏れが生じる原因になっていた。
さらに、押圧部材が、容器本体の底部に向けて進退可能に取り付けられているため、構造が複雑になってしまうという不都合があった。
【0005】
本発明は、上記従来の問題に鑑みてなされたもので、簡易な構成で、収容容器を回転させた際に蓋部の緩みや締め込みが生じ難いと共に内容物の漏れを抑制することができる攪拌装置用容器アダプタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。すなわち、第1の発明に係る攪拌装置用容器アダプタは、収容容器をその軸線を中心に回転させ前記収容容器内の内容物を攪拌する攪拌装置に用いる容器アダプタであって、前記収容容器が、前記内容物を収容すると共に上部に開口部を有した容器本体と、前記収容容器の開口部を閉塞する収容用蓋部とを備え、前記容器本体が、外周面に半径方向外方に突出して形成されていると共に前記収容用蓋部の下端が係止されるフランジ部を有し、上部に開口部を有し前記収容容器を収納する攪拌用容器と、前記攪拌用容器の開口部を閉塞する攪拌用蓋部と、前記攪拌用容器の底部に載置され内周面で前記容器本体の外周面を支持すると共に上面で前記フランジ部の下面を支持する円環状の下部支持部材と、前記収容用蓋部上に載置され前記攪拌用蓋部で前記攪拌用容器の開口部を閉塞した際に前記収容容器を下方に押圧する上部支持部材とを備え、前記上部支持部材及び前記下部支持部材が、弾性材料で形成され、前記下部支持部材が、前記収容容器の底部が前記攪拌用容器の底面から離間した状態で前記収容容器を支持していることを特徴とする。
【0007】
この攪拌装置用容器アダプタでは、下部支持部材が、収容容器の底部が攪拌用容器の底面から離間した状態で収容容器を支持しているので、収容容器がフランジ部で支持されていると共に底部が押さえられていないことで、回転時に収容容器に歪みが生じ難く、内容物の漏れを防止することができる。すなわち、上部支持部材と下部支持部材とで、収容容器のフランジ部及び収容用蓋部とを挟んで収容容器を支持し、収容容器の底部は浮いているため、回転時に、容器本体に歪みが加わり難くなる。
また、容器本体の底面が攪拌用容器の底面から浮いて接触しないように保持されるため、底面での摩擦熱の発生も抑制することができる。
さらに、上下の上部支持部材及び下部支持部材が共に弾性材料で形成されているので、収容容器の上下及び外周で振動が吸収されて収容容器が安定して保持される。
【0008】
第2の発明に係る攪拌装置用容器アダプタは、第1の発明において、前記上部支持部材が、前記収容用蓋部との間に少なくとも前記上部支持部材の下面よりも摩擦抵抗の低い下面を有した摺動板を配して前記収容用蓋部上に載置されていることを特徴とする。
すなわち、この攪拌装置用容器アダプタでは、上部支持部材が、収容用蓋部との間に少なくとも上部支持部材の下面よりも摩擦抵抗の低い下面を有した摺動板を配して収容用蓋部上に載置されているので、摺動板により収容用蓋部が滑り、回転による収容用蓋部の緩みをより抑制することができる。
【0009】
第3の発明に係る攪拌装置用容器アダプタは、第2の発明において、前記摺動板の下面が、凸曲面状とされていることを特徴とする。
すなわち、この攪拌装置用容器アダプタでは、摺動板の下面が、凸曲面状とされているので、摺動板の中央部のみが収容用蓋部と接触し、回転時に独楽(コマ)のように低接触で回転する。したがって、収容用蓋部と摺動板との接触面積が小さくなって接触抵抗も減少し、収容用蓋部が緩んだり締め込まれたりし難くなる。
【0010】
第4の発明に係る攪拌装置用容器アダプタは、第1から第3のいずれかの発明において、前記下部支持部材が、内周面で前記容器本体の外周面を支持する第1支持部材と、前記第1支持部材上に載置され内周面で前記容器本体の外周面を支持すると共に上面で前記フランジ部の下面を支持する第2支持部材とを備え、前記第2支持部材が、前記第1支持部材より柔らかい弾性材料で形成されていることを特徴とする。
すなわち、この攪拌装置用容器アダプタでは、第2支持部材が、第1支持部材より柔らかい弾性材料で形成されているので、フランジ部に接触する第2支持部材がより柔らかいことで、安定して収容容器を保持することができると共に、フランジ部側が歪むことをより抑制することができる。また、第1支持部材が、第2支持部材よりも硬い弾性材料で形成されていることで、上方から押圧されても潰れ難くなっている。
【0011】
第5の発明に係る攪拌装置用容器アダプタは、第1から第4の発明のいずれかにおいて、前記攪拌用容器が、前記容器本体の直下の底面に外側貫通孔が形成されていることを特徴とする。
すなわち、この攪拌装置用容器アダプタでは、攪拌用容器が、容器本体の直下の底面に外側貫通孔が形成されているので、下部支持部材が押し潰されても、容器本体の底部と攪拌用容器の底面との接触を低減することができると共に、攪拌後に指等で下方から外側貫通孔を介して収容容器を押し出すこともできる。
【0012】
第6の発明に係る攪拌装置用容器アダプタは、第1から第5の発明のいずれかにおいて、前記上部支持部材が、前記軸線に平行して形成された一対の取り出し用貫通孔を有していることを特徴とする。
すなわち、この攪拌装置用容器アダプタでは、上部支持部材が、軸線に平行して形成された一対の取り出し用貫通孔を有しているので、一対の取り出し用貫通孔に指等を差し込むことで、攪拌用容器から容易に上部支持部材を取り出すことができると共に、取り出し用貫通孔があることで空気が抜けて攪拌用容器内に押し込み易くなる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、以下の効果を奏する。
すなわち、本発明の攪拌装置用容器アダプタによれば、下部支持部材が、収容容器の底部が攪拌用容器の底面から離間した状態で収容容器を支持しているので、収容容器がフランジ部で支持されていると共に底部が押さえられていないことで、収容容器に歪みが生じ難く、内容物の漏れを防止することができる。
したがって、本発明の攪拌装置用容器アダプタでは、収容容器内の内容物の漏れを抑制して良好に内容物を攪拌・混和することができ、軟膏壺内の軟膏や粉末の攪拌・混和に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明に係る攪拌装置用容器アダプタの第1実施形態において、攪拌装置用容器アダプタを示す断面図である。
図2】第1実施形態において、収容容器を示す正面図である。
図3】第1実施形態において、上部支持部材(a),摺動板(b),第2支持部材(c)及び第1支持部材(d)を示す正面図である。
図4】第1実施形態において、上部支持部材(a),第2支持部材(b)及び第1支持部材(c)を示す平面図である。
図5】本発明に係る攪拌装置用容器アダプタの第2実施形態において、攪拌装置用容器アダプタを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明における攪拌装置用容器アダプタの第1実施形態を、図1から図4に基づいて説明する。
【0016】
本実施形態における攪拌装置用容器アダプタ1は、図1から図4に示すように、収容容器2をその軸線Cを中心に回転させ収容容器2内の内容物Nを攪拌する攪拌装置に用いる容器アダプタである。
上記収容容器2は、内容物Nを収容すると共に上部に開口部を有した有底円筒状の容器本体2aと、収容容器2の開口部を閉塞する収容用蓋部2bとを備えている。
上記容器本体2aは、外周面に半径方向外方に突出して形成されていると共に収容用蓋部2bの下端が係止されるフランジ部2cを有している。
【0017】
また、本実施形態の攪拌装置用容器アダプタ1は、上部に開口部を有し収容容器2を収納する攪拌用容器3と、攪拌用容器3の開口部を閉塞する攪拌用蓋部3aと、攪拌用容器3の底部に載置され内周面で容器本体2aの外周面を支持すると共に上面でフランジ部2cの下面を支持する円環状の下部支持部材4と、収容用蓋部2b上に載置され攪拌用蓋部3aで攪拌用容器3の開口部を閉塞した際に収容容器2を下方に押圧する上部支持部材5とを備えている。
【0018】
上記上部支持部材5及び下部支持部材4は、弾性材料で形成されている。
例えば、上部支持部材5はショア硬さ25のスポンジ状のゴム材で形成され、下部支持部材4はショア硬さ30~90のシリコンやウレタンで形成されている。
上記下部支持部材4は、収容容器2の底部が攪拌用容器3の底面から離間した状態で収容容器2を支持している。
上記上部支持部材5は、収容用蓋部2bとの間に少なくとも上部支持部材5の下面よりも摩擦抵抗の低い下面を有した摺動板6を配して収容用蓋部2b上に載置されている。
【0019】
上記下部支持部材4は、内周面で容器本体2aの外周面を支持する第1支持部材4aと、第1支持部材4a上に載置され内周面で容器本体2aの外周面を支持すると共に上面でフランジ部2cの下面を支持する第2支持部材4bとを備えている。
すなわち、第1支持部材4aと第2支持部材4bとの内周面は、容器本体2aの外周面の全周に亘って当接している。また、第2支持部材4bの上面は、フランジ部2cの下面の全周に亘って当接している。
【0020】
上記第2支持部材4bは、第1支持部材4aより柔らかい弾性材料で形成されている。
例えば、第1支持部材4aはショア硬さ50又は30のシリコンで形成され、第2支持部材4bはショア硬さ90のウレタンで形成されている。
上記摺動板6は、摩擦抵抗の低い材料であるフッ素樹脂や合成ゴム等で円板状に形成されている。
また、摺動板6は、上部支持部材5の底面に接着剤や両面テープ等で貼り付けている。
【0021】
上記攪拌用容器3は、容器本体2aの直下の底面に外側貫通孔3bが形成されている。
上部支持部材5は、軸線Cに平行して形成された一対の取り出し用貫通孔5aを有している。一対の取り出し用貫通孔5aは、軸線Cの両側に配され線対称の位置に設けられている。
上記収容容器2は、内容物Nとして軟膏や粉末が収容されたいわゆる軟膏壺であり、容器本体2aの上部外周面に雄ねじが形成され、収容用蓋部2bの内周面に雌ねじが形成されている。すなわち、収容用蓋部2bの下端がフランジ部2cに係止されるまで、容器本体2aの上部に収容用蓋部2bが螺着されて、容器本体2aの開口部が閉塞される。
【0022】
上記第1支持部材9a及び第2支持部材4bは、それぞれの内径が容器本体2aの外径に合わせて設定されており、容器本体2aが第1支持部材9a及び第2支持部材4b内に嵌まるようになっている。
上部支持部材5は、攪拌用蓋部3aを攪拌用容器3上部に締め込んだ際に攪拌用蓋部3aにより下方に押し込められて上下方向に縮み、下方に付勢力を発生させるようになっている。すなわち、攪拌用容器3内に第1支持部材9a,第2支持部材4b,収容容器2,摺動板6及び上部支持部材5を入れた状態では、上部支持部材5の上部が攪拌用容器3の上部開口部から若干突出しているが、攪拌用蓋部3aで上部開口部を閉塞した際には攪拌用蓋部3aに押されて上部支持部材5が摺動板6及び収容容器2を下方に押圧する。
【0023】
このように本実施形態の攪拌装置用容器アダプタ1では、下部支持部材4が、収容容器2の底部が攪拌用容器3の底面から離間した状態で収容容器2を支持しているので、回転時に収容容器2がフランジ部2cで支持されていると共に底部が押さえられていないことで、収容容器2に歪みが生じ難く、内容物の漏れを防止することができる。すなわち、上部支持部材5と下部支持部材4とで、収容容器2のフランジ部2c及び収容用蓋部2bとを挟んで収容容器2を支持し、収容容器2の底部は浮いているため、回転時に、容器本体2aに歪みが加わり難くなる。
【0024】
また、容器本体2aの底面が攪拌用容器3の底面から浮いて接触しないように保持されるため、底面での摩擦熱の発生も抑制することができる。
さらに、上下の上部支持部材5及び下部支持部材4が共に弾性材料で形成されているので、収容容器2の上下及び外周で振動が吸収されて収容容器2が安定して保持される。
また、上部支持部材5が、収容用蓋部2bとの間に少なくとも上部支持部材5の下面よりも摩擦抵抗の低い下面を有した摺動板6を配して収容用蓋部2b上に載置されているので、摺動板6により収容用蓋部2bが滑り、回転による収容用蓋部2bの緩みをより抑制することができる。
【0025】
また、第2支持部材4bが、第1支持部材4aより柔らかい弾性材料で形成されているので、フランジ部2cに接触する第2支持部材4bがより柔らかいことで、安定して収容容器2を保持することができると共に、フランジ部2c側が歪むことをより抑制することができる。また、第1支持部材4aが、第2支持部材4bよりも硬い弾性材料で形成されていることで、上方から押圧されても潰れ難くなっている。
【0026】
また、攪拌用容器3が、容器本体2aの直下の底面に外側貫通孔3bが形成されているので、下部支持部材4が押し潰されても、容器本体2aの底部と攪拌用容器3の底面との接触を低減することができると共に、攪拌後に指等で下方から外側貫通孔3bを介して収容容器2を押し出すこともできる。
【0027】
さらに、上部支持部材5が、軸線Cに平行して形成された一対の取り出し用貫通孔5aを有しているので、一対の取り出し用貫通孔5aに指等を差し込むことで、攪拌用容器3から容易に上部支持部材5を取り出すことができると共に、取り出し用貫通孔5aがあることで空気が抜けて攪拌用容器3内に押し込み易くなる。
【0028】
次に、本発明に係る攪拌装置用容器アダプタの第2実施形態について、図5を参照して以下に説明する。なお、以下の実施形態の説明において、上記実施形態において説明した同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0029】
第2実施形態と第1実施形態との異なる点は、第1実施形態では、下面が平坦面である摺動板6を用いているが、第2実施形態の攪拌装置用容器アダプタ21では、図5に示すように、摺動板26の下面が、凸曲面状とされている点である。
すなわち、第2実施形態の摺動板26では、外周縁から中央に向かって漸次厚くなっている。
【0030】
このように、第2実施形態の攪拌装置用容器アダプタ21では、摺動板26の下面が、凸曲面状とされているので、摺動板26の中央部のみが収容用蓋部2bと接触し、回転時に独楽(コマ)のように低接触で回転する。したがって、収容用蓋部2bと摺動板26との接触面積が小さくなって接触抵抗も減少し、収容用蓋部2bが緩んだり締め込まれたりし難くなる。
【実施例0031】
上記第2実施形態の攪拌装置用容器アダプタを用いて、実際に攪拌装置(ミキサー)で軟膏壺である収容容器(58ml)に内容物としてほぼ満杯状態のワセリン(38g)に紫雲膏(0.2g)を添加し、軟膏混和実験を行った。
なお、攪拌条件は、回転数1200rpm,回転時間1分とした。
また、攪拌機としては、株式会社ビートセンシング社製の「おくすりmiksi」を使用した。
また、収容容器としては、フランジ部外径φ60mm,容器本体外径φ55mmの馬野化学容器株式会社製容器を使用した。
【0032】
上記実験の結果、収容容器からのワセリンの漏れが無いと共に、収容用蓋部の緩みや締め過ぎも見られず、ワセリンと紫雲膏とが良好に混和されていた。また、収容用蓋部を開蓋した際、容器本体及び収容用蓋部のねじ部分にはワセリンの侵入は見られなかった。
また、上記混和実験では、発熱と思われる温度上昇は見受けられなかった。
なお、ワセリンを収容容器に約半分入れた状態で同様に実験しても、良好な混和が得られた。
【0033】
また、内容物として、収容容器にグリチロン錠粉砕粉末5gを入れ、散剤実験も行った。
この散剤実験の条件は、内容物以外は上記軟膏混和実験と同様である。
この実験の結果、収容容器からの粉末の漏れが無いと共に、収容用蓋部の緩みや締め過ぎも見られなかった。
【0034】
なお、本発明は上記各実施形態及び実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0035】
例えば、上記各実施形態の攪拌装置としては、収容容器をその軸線を中心に回転させるミキサーを使用したが、本発明の攪拌装置用容器アダプタを、公転軸線を中心に回転可能な公転体と、前記公転体に保持されて自転軸線を中心に回転可能で収容容器を取り付け可能な自転体と、前記公転体と前記自転体とを回転駆動する駆動機構とを備えた自転公転式の攪拌装置に用いても構わない。
【符号の説明】
【0036】
1,21…攪拌装置用容器アダプタ、2…収容容器、2a…容器本体、2b…収容用蓋部、2c…フランジ部、3…攪拌用容器と、3a…攪拌用蓋部と、3b…外側貫通孔、4…下部支持部材、4a…第1支持部材、4b…第2支持部材、5…上部支持部材、5a…取り出し用貫通孔、6,26…摺動板、N…内容物
図1
図2
図3
図4
図5