(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022097873
(43)【公開日】2022-07-01
(54)【発明の名称】レインボウ電子錠システム
(51)【国際特許分類】
E05B 39/00 20060101AFI20220624BHJP
E05B 49/00 20060101ALI20220624BHJP
【FI】
E05B39/00
E05B49/00 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020211106
(22)【出願日】2020-12-21
(71)【出願人】
【識別番号】591244063
【氏名又は名称】酒井 信世
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100208258
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 友子
(72)【発明者】
【氏名】酒井 信世
【テーマコード(参考)】
2E250
【Fターム(参考)】
2E250AA02
2E250AA03
2E250BB08
2E250BB09
2E250BB30
2E250BB67
2E250CC21
2E250CC25
2E250CC28
2E250CC29
2E250DD06
2E250FF08
2E250FF27
2E250FF36
2E250FF44
2E250GG08
2E250GG09
2E250GG13
(57)【要約】 (修正有)
【課題】防犯上の安全を保持するとともに、入居者以外の入室者の詳細な経歴を知らせるレインボウ・ロックシステムを提供する。
【解決手段】住宅の各玄関扉に設けられた錠本体に、NFC規格のカードを利用するレインボウ・ロックシステムにおいて、認定登録された工事、空室、登録等の鍵カードが使用される毎にその鍵カードの種類を記憶させる記憶手段と、入居者のご利用カードが錠前のリーダー部に読み取られるときに、入居者のLEDランプ点灯後に、それ以前に使用された鍵カードの種類により異なった色を表示し、入居者に自分以外の入室した者の経歴を知らせるLEDランプである多色表示手段と、工事、空室、入居等のモードのプログラム作動機能手段と、入居者のご利用カードにより施解錠信号を受け取って施解錠する施解錠手段とを備え、更にご利用カードを全抹消させる抹消手段と、抹消済ご利用カード使用フラグを有効にさせる有効化手段とを備える。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
住宅の各室に配置されて玄関扉に設けられた錠本体にはアンテナ基板を備えて、入居者がNFC規格の鍵素材で形成したカードを利用する電子錠におけるレインボウ・ロックシステムにおいて、設定登録された鍵カードが使用される毎にその鍵カードの種類、即ち工事、空室、オーナーマスター、管理マスター、登録、ご利用、システムチェンジの鍵カードを記憶させる記憶手段と、入居者のご利用カードが錠前のリーダー部に読み取られるときに、使用された鍵カードの種類により異なった色を表示するLEDランプである多色表示手段と、入居者のLEDランプ点灯後にLEDランプがそれぞれの入室した合鍵の別の色に変わるように、工事、空室、入居等のモードのプログラム作動機能手段と、入居者のご利用カードにより施解錠信号を受け取って施解錠する施解錠手段とを備えて、更にご利用カードを抹消させる抹消手段と、抹消済ご利用カード使用フラグを有効にさせる有効化手段を備えて、入居者に自分以外の入室した者の経歴を知らせることを特徴とするレインボウ・ロックシステム。
【請求項2】
請求項1に記載されたレインボウ・ロックシステムにおいて、入居者のご利用カードが錠前のリーダー部に読み取られるときに、入居者のご利用カード以外のカードが使用されていた場合にブザー音を発信するブザー手段を備えることを特徴とするレインボウ・ロックシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、入居者の安全管理のための賃貸管理用電子錠システム、特に錠前に電子錠カードを押し当て入室する際にLEDランプが入室経歴を多色点灯するレインボウ・ロックシステムに関し、さらに、このレインボウ・ロックシステムにおいてご利用カードの抹消手段と抹消済ご利用カードを使用した際に有効になるフラグ有効化手段を加えることに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、入室管理システムとして、顔認証を中心に据えて認証対象者と認証非対象者の滞在時間或いは在室時間の管理を一つのシステムで行うことができる入室管理システム(特許文献1)が提供されている。
【0003】
また、賃貸共同住宅において、入居者には極めて高度なセキュリテイを提供する一方、不動産仲介業者には、鍵管理業務の負担が皆無に等しく、また内覧時の同行の必要がなく、しかもロックアウトが極めて簡単且つ確実に行える賃貸住宅用鍵システム(特許文献2)を提供する。
【0004】
更に、カード更新処理にかかる認証データ不整合のトラブルを迅速に解消できるマンション管理システム(特許文献3)を提供するものなどがある。
【0005】
しかしながら、賃貸共同住宅において、個々の部屋に対して一般的には機械式錠前が取り付けてあり、入居者におけるトラブルの原因として、入居者以外の誰かが持つ鍵による不正な侵入がそのトラブルになっている。その様な侵入トラブルを解決できない理由として、例えば管理会社が持っている合鍵により入られたのか、それともオーナーの持つマスターキーにより入られたのか、一般的な錠前では、当然のことながらその侵入者を特定することができません。仮に入居者より「誰かが侵入した形跡がある」という報告が管理会社にあったとしても、実際はどうだったのか入居者と管理会社の間で結論を出すことはできません。また、管理会社等により無断入室の事実があったとしても、それを入居者に伝えることはないでしょう。
【0006】
先行の電子錠では、鍵カードが使用されている時点においてのみ、カードのID番号が7セグメントLED上に表示されている。この先行電子錠においては、以前に誰の入室があったのかという判断は、本体を取り外した上で内部コンピュータ上のメモリーの内容を見ない限りはわからなかった。そこで、入居者のセキュリテイに対する安心感を与えるために、電子錠において誰が入室したのかを入居者に分かるような電子錠システムを提供し、どの電子鍵により入室したかをLEDランプで色表示する機能を電子錠に備えて、入居者が電子鍵を錠前に当てた際に、入居者以外の入室経歴がLEDランプで色表示する、及び/又は、ブザー音を発信する電子錠システム(特許文献4)を提供することになった。
【0007】
このレインボウ電子錠システムにおいて、更にご利用カードを抹消させる抹消手段を設けると共に抹消済ご利用カードを使用した際に有効になるフラグ有効化手段も設けて、確認機能を備えることが必要となっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2006-99486号公報
【特許文献2】特開2008-101330号公報
【特許文献3】特開2010-37721号公報
【特許文献4】特許第6157232号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
この発明の課題は、錠前に電子鍵カードを押し当て入室する際にLEDランプが点灯するシステムであって、このシステムでは入居者以外の持つ電子鍵カード、例えば管理会社用の合鍵カードやオーナー用の合鍵カードで入室された後には、入居者のLEDランプ点灯後にLEDランプがそれぞれの入室した合鍵カードの別の色に変わるようになっていて、入居者に自分以外の入室した者の経歴を知らせるレインボウ・ロックシステムを提供する共に、更にこのレインボウ・ロックシステムにおいて登録済のご利用カードを全抹消させる抹消手段と抹消済ご利用カード使用フラグを有効にさせる有効化手段とを加えることである。
【0010】
このレインボウ・ロックシステムは、主なモードとして工事、空室、入居モードを準備し、カード種類として、工事、空室、オーナーマスター、管理マスター、登録、ご利用、システムチェンジカードを準備して、LEDランプにより色表示できるように構成し、入居者のLEDランプ点灯後にLEDランプがそれぞれの入室した合鍵の別の色に変わるようになっていて、入居者に自分以外の入室した者の経歴を知らせるものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この課題は、住宅の各室に配置されて玄関扉に設けられた錠本体にはアンテナ基板を備えて、入居者がNFC規格の鍵素材で形成したカードを利用する電子錠におけるレインボウ・ロックシステムにおいて、設定登録された鍵カードが使用される毎にその鍵カードの種類、即ち工事、空室、オーナーマスター、管理マスター、登録、ご利用、システムチェンジの鍵カードを記憶させる記憶手段と、入居者のご利用カードが錠前のリーダー部に読み取られるときに、入居者のLEDランプ点灯後にLEDランプがそれぞれの入室した合鍵の別の色に変わるように、使用された鍵カードの種類により異なった色を表示するLEDランプである多色表示手段と、工事、空室、入居等のモードのプログラム作動機能手段と、入居者のご利用カードにより施解錠信号を受け取って施解錠する施解錠手段とを備え、更に、ご利用カードを抹消させる抹消手段と、抹消済ご利用カード使用フラグの有効化手段を備えて、入居者に自分以外の入室した者の経歴を知らせるレインボウ・ロックシステムによって、解決される。
【0012】
この発明のレインボウ・ロックシステムは、入居者がご利用カードを錠前のリーダー部に読み取らせた後に、入居者のLEDランプ点灯後にLEDランプがそれぞれの入室した合鍵の別の色に変わるようになっていて、入居者に自分以外の入室した者の経歴を知らせるものである。それにより入居者は自分以外の入室した者や不法侵入者に対して適切な抗議をすることを可能とする。この入居者に自分以外の入室した者の経歴を知らせる手段として、ブザー音を発信することもできる。さらには、このレインボウ・ロックシステムは不法侵入等の犯罪に結びつく場合には、警察の捜査の手助けにも役立つものである。
【0013】
この発明のレインボウ・ロックシステムによると、入居者のご利用カードが錠前のリーダー部に読み取られるときに、LEDランプが入居者のご利用カードであることを表示する緑色になり、その後に自分以外の入室した者の経歴、例えばマンション管理人が管理マスターを使用して入室していたならば、LEDランプが水色になる。それにより入居者がマンション管理人の入室を知ることができる。
【0014】
このレインボウ・ロックシステムは、入室した場合、入室しない場合でも錠前に鍵カードを当てた錠前タッチ経歴を表示させることも可能とする。
【0015】
この賃貸共同住宅の管理者が入室せずに、錠前に鍵カードを当てた錠前タッチ経歴を表示させてその様子を知ることができる。
【0016】
逆に、管理会社やオーナー等が賃料不払い等の入居者の入室を拒否すると言った場合においても、LEDランプの色により知らせる管理システムを構築することもできる。
【0017】
この度、加えた構成要件である抹消済ご利用カード使用フラグの必要性について、言及する。ご利用カードを複数人に渡している場合、入居者の理由により特定の人物が所持しているカードのみ抹消したいため、先ずご利用カードを全抹消します。その後、登録したいご利用カードのみを再登録します。ここで、登録されなかったご利用カードが、抹消済ご利用カードとして認識されます。入居者の意図で抹消済ご利用カード扱いとなったご利用カードがレインボウ・ロックにかざされた情報を、入居者へLEDランプの点灯によって知らせる機能を備えています。これによって、入居者は意図的に抹消した人物が入室を試みようとしたことがわかり、その後の対応に役立ちます。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】この発明のレインボウ・ロックシステムを備える玄関扉に設けられた錠前の正面図を示す。
【
図2】この発明のレインボウ・ロックシステムを備えるレインボウ・ロック基板を示す。
【
図3】この発明のレインボウ・ロックシステムの基本フローを示す。
【
図4】この発明のレインボウ・ロックシステムを作動させる(全)作動モードのフローチャートを示す。
【
図5】この発明のレインボウ・ロックシステムの別の作動(入居)モードのフローチャートを示す。
【
図6】この発明のレインボウ・ロックシステムの更に別の作動(工事)モードのフローチャートを示す。
【
図7】この発明のレインボウ・ロックシステムのご利用カードを抹消させるフローチャートを示す。
【
図8】この発明のレインボウ・ロックシステムの抹消済ご利用カード使用フラグを有効にするフローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
この発明は、次に図面に開示された実施例に基づいて詳細に説明される。
【0020】
この発明のレインボウ・ロックシステムでは、少なくとも三つのモード、即ち工事、空室、入居モードを備えている。
【0021】
a)工事モードでは、工事カードが使用でき、工事モード時に空室カードを使用した場合に空室モードへ換わる。工事モード時に登録カードを紛失し、再登録カードを登録した場合に前登録カードは抹消され、工事モードが維持される。登録カードによりご利用カードを登録した場合に入居モードへ換わる。
【0022】
b)空室モードでは、空室カードが使用でき、空室モード時に登録カードを紛失し、再登録カードを登録した場合に前登録カードは抹消され、空室モードが維持される。登録カードによりご利用カードを登録した場合に入居モードへ換わる。
【0023】
c)入居モードでは、ご利用カード(NFC)が使用できる。登録カードによりご利用カードを登録した場合に入居モードへ換わる。
【0024】
この発明のレインボウ・ロックシステムでは、
図3において開示されるように、工事、空室、オーナーマスター、管理マスター、登録、ご利用、システムチェンジの鍵カードなどを使用し、それぞれの鍵カードが使用されたことを表示する手段であるLEDランプ3には、赤、オレンジ、青、水、紫、緑、白の色を点灯させるものとする。
【0025】
次に、この発明のレインボウ・ロックシステムの操作態様を詳細に説明する。
【0026】
まず、a)登録カードの登録について:
図1において、起動ボタン2を押してレインボウ・ロックシステムを起動させて、登録カードを押し当てると、LED表示ランプ3が紫色に点滅する。更に、登録カードを押し当てると、LED表示ランプ3が紫色に点灯する。
【0027】
b)ご利用カードの登録について:
起動ボタン2を押してレインボウ・ロックシステムを起動させて、登録カードを押し当てると、LED表示ランプ3が紫色に点滅する。更に、ご利用カードを押し当てると、LED表示ランプ3が緑色に点滅する。登録ご利用カードが複数ある場合には、ご利用カードを押し当て、LED表示ランプ3が緑色に点滅するのを繰り返す。なお、ご利用カード類の最大登録枚数は20枚である。
【0028】
c)入居モードから空室モードへ:
起動ボタン2を押してレインボウ・ロックシステムを起動させて、登録カードを押し当てると、LED表示ランプ3が緑色に点滅する。次に、空室カードを当てると、LED表示ランプ3がオレンジ色を点灯する。
【0029】
図2は、この発明の鍵管理システムの基礎を成すレインボウ・ロック基板10を示し、このレインボウ・ロック基板10には、表示機能、電気錠制御部、アンテナ部、RFID部、外部入出力部、記憶機能、主電源駆動回路9や保護回路を備えている。ロック基板10は、入居者に自分以外の入室した者の経歴を知らせる手段として、表示機能として、多色LDE3を備え、また、ブザー音を発信するブザー12をも備えている。
【0030】
ロック基板10は、駆動スイッチ8を備えていて、外部から操作できるプッシュボタン2を押すと、この駆動スイッチ8が入って、主電源起動回路9が作動される。外部より操作できるプッシュボタン2が押された時にメイン電源が動作開始する。動作終了後は内部CPU11のプログラムによりスタンドバイモードに戻る。
【0031】
この発明のレインボウ・ロックシステムは、三つのモード、工事、空室、入居モードで作動できるプログラム制御機能を基板10の制御部11に備えている。玄関扉に設けられた錠本体にはアンテナ基板を備えて、入居者がNFC規格のカードを利用するレインボウ・ロックシステムは、設定登録された鍵カードが使用される毎にその鍵カードの種類、即ち工事、空室、オーナーマスター、管理マスター、登録、ご利用、システムチェンジの鍵カードを記憶させる記憶手段と、入居者のご利用カードが錠前のリーダー部に読み取られるときに、使用された鍵カードの種類により異なった色を表示するLEDランプである多色表示手段と、工事、空室、入居等のモードのプログラム作動機能手段と、入居者のご利用カードにより施解錠信号を受け取って施解錠する施解錠手段とから成り、更にご利用カードを全抹消する抹消手段と、抹消済ご利用カード使用フラグを有効にさせる有効化手段とを包含する。
【0032】
フローチャートに基づいて動作を説明すると、
図3の基本フローでは、起動ボタン2を押してスイッチを起動したら、制御基板10のタイマーがスタートし、カードを錠前にかざすと、カード券種を判別され、リセット、システムチェンジを経てスリープモードの動作を完了する。
【0033】
フローチャートに開示されるように、レインボウ・ロックにおいては、入居者がその部屋に入室しようとした時に、それ以前に入居者以外の他のカードが使用されていた事実があるかどうか、及びその事実があった場合、そのカードの種類が表示されるシステムである。
【0034】
図4は、マスターカード類(入居中、空室時の全ての状態)フローチャートを示し、
図4の全モード作動可能フローでは、起動ボタン2を押してスイッチ17を起動したら、制御基板10のタイマーがスタートし、五秒以内にマスターカードを錠前にかざして、入居モードとなると、マスターフラグがオンとなって、LDE3が各色を点灯する。それによりロックシリンダに連結信号を送り、或いはタイマーリセット五秒後に、分離信号をロックシリンダに送り、タイマーをストップして施解錠を完了する。それにより錠前はスリープモードになる。
【0035】
図5の入居モード作動可能フローでは、起動ボタン2を押して起動スイッチ8を起動したら、制御基板10のタイマーがスタートし、五秒以内に空室カードを錠前にかざして、空室モードとなると、LDE3がオレンジ色を点灯する。それによりロックシリンダに連結信号を送り、或いはタイマーリセット五秒後に、分離信号をロックシリンダに送り、タイマーをストップして施解錠を完了する。それにより錠前はスリープモードになる。
【0036】
入居モード中に、このレインボウ・ロックの機能により、マスターカードが使用されたかを監視し、マスターカードが使用された場合には記録します。また、入居モード中にマスターカードが使用された場合、入居者が部屋に入室しようとした時に、ご利用カードをレインボウ・ロックにかざすと、LDE表示で入居者がその状態を確認することができます。なお、上記状態は、ご利用カードN回までLDE表示されます。これは、1回のみのLDE表示であると入居者が気付かない場合があり、また、入居者が退去するまで上記状態を保つと、その間に再びマスターカードが使用されたかを確認できなくなってしまうのを防止する機能です。
【0037】
図6の工事モード作動可能フローでは、起動ボタン2を押してスイッチ8を起動したら、制御基板10のタイマーがスタートし、五秒以内に工事カードを錠前にかざして、工事モードとなると、LDE3が赤色を点灯する。それによりロックシリンダに連結信号を送り、或いはタイマーリセット五秒後に、分離信号をロックシリンダに送り、タイマーをストップして施解錠を完了する。それにより錠前はスリープモードになる。
【0038】
図7のご利用カードを抹消させるフローでは、起動ボタン2を5回押してレインボウ・ロックシステムを起動させて、登録カードを押し当てると、LED表示ランプ3が紫色に点滅する。更に、登録カードを押し当てると、LED表示ランプ3が緑色に2回点滅し、登録済のご利用カードは全抹消させる。この抹消されたご利用カードデータは抹消済ご利用カードリストに保存される。
【0039】
図8の抹消済ご利用カード使用フラグの有効化フローでは、1世代前に抹消したご利用カードを使用した際に有効になるフラグであり、このフラグが有効になった後、入居者が部屋に入室しようとした時に、ご利用カードをレインボウ・ロックシステムにかざすと、LED表示で入居者がその状態を確認することができます。なお、上記状態は、ご利用カードn回までLED表示される。これは1回のみのLED表示であると、入居者が気付かない場合があり、また、入居者が退去するまで上記状態を保つと、その間に再び抹消済ご利用カードが使用されたかを確認できなくなってしまうのを防止する機能です。
【0040】
現行電子錠では、以前に入居者以外の他のカードで入室しようとしたかどうか、即ちどのカードが使用されたのか、という表示はされませんので、不法侵入の疑いが発覚した時点において、電子錠の内部メモリーを読み込んだ上で改めて侵入の事実の確認をしなければなりませんが、このレインボウ・ロックにおいては、入居者が入室しようとカードを使用した時点においてすぐに、誰々による不法侵入があったという事実を知ることができる。このことは、警察の捜査の手助けにも役立つものである。
【符号の説明】
【0041】
1.....錠本体
2.....起動ボタン
3.....LEDランプ
4.....方向ランプ
5.....ファンクションボタン
6.....操作ノブ
7.....レバーハンドル
8.....駆動スイッチ
9.....主電源起動回路
10.....レインボウ・ロック基板
11.....制御部
12.....ブザー