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▶ 多田プラスチック工業株式会社の特許一覧

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  • 特開-風呂蓋 図1
  • 特開-風呂蓋 図2
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  • 特開-風呂蓋 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022097897
(43)【公開日】2022-07-01
(54)【発明の名称】風呂蓋
(51)【国際特許分類】
   A47K 3/00 20060101AFI20220624BHJP
【FI】
A47K3/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020211138
(22)【出願日】2020-12-21
(71)【出願人】
【識別番号】593057263
【氏名又は名称】多田プラスチック工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080746
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 武嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100217881
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 由美
(72)【発明者】
【氏名】向井 周平
【テーマコード(参考)】
2D005
【Fターム(参考)】
2D005BA02
2D005BB02
2D005BC02
2D005CA01
2D005DA00
(57)【要約】      (修正有)
【課題】上面への水の滞留をなくして水垢の発生を防止するとともに、上面を迅速かつ十分に清掃することを可能とする風呂蓋を提供する。
【解決手段】上面薄板体2と下面薄板体3と発泡樹脂4とから成る風呂蓋本体と、風呂蓋本体の周縁に沿って配設されたエッジモール5とから成る風呂蓋に於て、エッジモール5の上面部6が、風呂蓋本体1の上面薄板体2と同一面とした平坦面状である。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面薄板体(2)と下面薄板体(3)と発泡樹脂(4)とから成る風呂蓋本体(1)と、該風呂蓋本体(1)の周縁に沿って配設されたエッジモール(5)とから成る風呂蓋に於て、
上記エッジモール(5)の上面部(6)が、上記風呂蓋本体(1)の上面薄板体(2)と同一面とした平坦面状であることを特徴とする風呂蓋。
【請求項2】
上記エッジモール(5)において、上記上面部(6)を形成する突出片部(6a)が、風呂蓋中央領域に向かってしだいに肉厚寸法が減少する薄状楔型の横断面を有する請求項1記載の風呂蓋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、風呂蓋に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、浴槽の湯が冷めることを防ぐための風呂蓋として、発泡ポリウレタンと、樹脂性外板材と、周囲の端縁を被覆するエッジ材とから成るものが知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-346486号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1記載の、従来の風呂蓋は、外板材の表面から、周囲のエッジ材が上面に盛り上がって段差を形成しているため、シャワーを使用した際等に、外板材の上面(表面)に水が溜まり易く、また、エッジ材と外板材との境界の段差部に長時間滞留するため、水垢(カビ)発生の原因となっていた。
また、エッジ材と外板材との段差が、風呂蓋を清掃する際に邪魔になり、清掃作業に時間が掛るという問題もあった。
【0005】
そこで、本発明は、エッジ材の内縁に沿って水垢が発生することを防止するとともに、上面を迅速かつ十分に清掃することが可能な風呂蓋を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る風呂蓋は、上面薄板体と下面薄板体と発泡樹脂とから成る風呂蓋本体と、該風呂蓋本体の周縁に沿って配設されたエッジモールとから成る風呂蓋に於て、上記エッジモールの上面部が、上記風呂蓋本体の上面薄板体と同一面とした平坦面状であるものである。
【0007】
また、上記エッジモールにおいて、上記上面部を形成する突出片部が、風呂蓋中央領域に向かってしだいに肉厚寸法が減少する薄状楔型の横断面を有するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明の風呂蓋によれば、上面への水の滞留をなくして水垢の発生を防止することができる。また、風呂蓋の上面を迅速かつ十分に清掃することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の風呂蓋の実施の一形態を示す全体斜視図である。
図2】本発明の風呂蓋のエッジモール部分の断面側面図である。
図3】製造工程において、ウレタン発泡前の状態を示す断面側面図である。
図4】製造工程において、ウレタン発泡後の状態を示す断面側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図示の実施の形態に基づき本発明を詳説する。
図1及び図2は、本発明の風呂蓋の実施の一形態を示す。この風呂蓋は、上面薄板体2と下面薄板体3と発泡樹脂4とから成る風呂蓋本体1と、該風呂蓋本体1の周縁に沿って配設されたエッジモール5とを備えている。
【0011】
上面薄板体2と下面薄板体3は、例えば、ABS樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等の合成樹脂から成る。また、発泡樹脂4は、熱伝導率の低い発泡ポリウレタンが望ましい。
【0012】
エッジモール5は、樹脂製またはポリオレフィン等のエラストマー製であり、上面部6と下面部7とを有する。上面部6を形成する突出片部6aは、風呂蓋の中央領域に向かってしだいに肉厚寸法が減少する薄状楔型の横断面を有している。
【0013】
エッジモール5の上面部6は、風呂蓋本体1の上面薄板体2と同一平面とした平坦面状であり、下面部7は、下方にやや突出して下面薄板体3に対して段差を形成している。また、下面部7は、その表面にグリップ部7aを有する。グリップ部7aは、浴槽の縁部に載置される部分であり、摩擦係数の高いエラストマーにより形成される。
【0014】
上述のエッジモール5の構成により、風呂蓋本体1の上面薄板体2に水が溜まることをなくして水垢(カビ)の発生を防止でき、また、下面部7の高摩擦係数のグリップ部7aにより、浴槽の縁部に対して、不意に滑らず、安定して載置できる。なお、エッジモール5の上面部6と下面部7は、一方が平滑面状に突出せず、他方は突出状であることによって、風呂蓋本体1の上面と下面とを間違えて浴槽に載置することが防止できる。なお、下面部7のグリップ部7aを、エッジモール5の他の部分とは異なる色となるように2色成型して、上下(裏表)を区別しやすくすることも望ましい。
【0015】
図3及び図4は、本発明の風呂蓋の製造方法を示す。
図3は、発泡樹脂4の注入前の状態を示しており、上金型8と下金型9との間に、上面薄板体2と、下面薄板体3と、両者の外周端を包囲状に組付けたエッジモール5を、セットする。上面薄板体2は、上金型8との間に隙間を形成し、エッジモール5の上面部6は、上金型8に接触している。エッジモール5の内面(内側面)は、発泡樹脂4の接着性向上のためのエラストマー製の被覆薄膜12を有している。
【0016】
図4は、発泡樹脂4が注入され発泡した状態を示しており、ポリウレタン樹脂の2液反応により発泡が始まると、上面薄板体2が発泡樹脂4により押し上げられ、エッジモール5の突出片部6aの下面に接触する。
【0017】
発泡樹脂4の注入、発泡が進むと、突出片部6aが、上面薄板体2に強く圧接状として、エッジモール5と上面薄板体2とが完全に同一の平坦面として形成される。なお、11は、被覆薄膜12の上端から突出状の引掛小片である。上面薄板体2の浅い凹溝15の外方隅部15Aに上述の発泡の途中で、上記引掛小片11が外方隅部15Aに引掛って、矢印F方向へ上面薄板体2が逃げることを阻止し、もって、図4に示す如く、美しい平坦面状に上面薄板体2の上面が(エッジモール5の上面部6と一致した)平滑面状とすることができる。
【0018】
発泡樹脂4の注入が完了するまで、上面薄板体2が上金型8に規制され、下面薄板体3が下金型9に規制されているので、発泡樹脂4の発泡を完了した段階で、上面薄板体2と下面薄板体3は、完全に平行となって発泡樹脂4を挟む形となり、風呂蓋が完成する。
【0019】
本発明は、上述の実施形態に限定されず、例えば、下面部7のグリップ部7aと、上面部6から伸びた突出片部6aと、エッジモール5の他の部分とがそれぞれ異なる色となるように3色成型することも可である。また、上述のエッジモール5の構造を、風呂蓋以外のボード類に適用することも可であり、エッジモール5とボード本体部との段差がない、美観に優れたボード類を製造できる。
【0020】
本発明は上述のように、上面薄板体2と下面薄板体3と発泡樹脂4とから成る風呂蓋本体1と、該風呂蓋本体1の周縁に沿って配設されたエッジモール5とから成る風呂蓋に於て、上記エッジモール5の上面部6が、上記風呂蓋本体1の上面薄板体2と同一面とした平坦面状であるので、上面への水の滞留をなくして水垢の発生を防止することができる。また、風呂蓋の上面を迅速かつ十分に清掃することができる。
【0021】
また、上記エッジモール5において、上記上面部6を形成する突出片部6aが、風呂蓋中央領域に向かってしだいに肉厚寸法が減少する薄状楔型の横断面を有するので、風呂蓋本体1の上面薄板体2とエッジモール5の上記上面部6とが完全に同一面の平坦面状となり、上面への水の滞留をなくして水垢の発生を防止することができる。また、風呂蓋の上面を迅速かつ十分に清掃することができる。特に、上面が完全に“平滑面状”の風呂蓋は、独特の優れた美感を発揮する。
【符号の説明】
【0022】
1 風呂蓋本体
2 上面薄板体
3 下面薄板体
4 発泡樹脂
5 エッジモール
6 上面部
6a 突出片部
図1
図2
図3
図4