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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022097898
(43)【公開日】2022-07-01
(54)【発明の名称】断熱ボックス
(51)【国際特許分類】
   B65D 81/18 20060101AFI20220624BHJP
【FI】
B65D81/18
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020211139
(22)【出願日】2020-12-21
(71)【出願人】
【識別番号】593057263
【氏名又は名称】多田プラスチック工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080746
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 武嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100217881
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 由美
(72)【発明者】
【氏名】向井 周平
【テーマコード(参考)】
3E067
【Fターム(参考)】
3E067AA03
3E067AA11
3E067AB01
3E067AB31
3E067AB81
3E067BA05A
3E067BB14A
3E067BB17A
3E067BB24A
3E067BC06A
3E067CA18
3E067EA21
3E067EB17
3E067EB27
3E067FC01
3E067GA11
3E067GA14
(57)【要約】
【課題】断熱性が高く確実に断熱することができる断熱ボックスを提供する。
【解決手段】プラスチックボード6を折曲げた扁平状中空箱体7と、中空箱体7の内部に注入して発泡充填された発泡樹脂から成るパネル体1を有する。複数枚のパネル体1を相互に連結した前方開口状の断熱ボックス本体2と、一枚のパネル体1から成り断熱ボックス本体2に開閉自在に枢着された断熱扉3と、をもって、全体を密封開閉自在な箱型に組み立てた断熱ボックスであって、プラスチックボード6が、上シート部と下シート部と中間連結部とから成る。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラスチックボード(6)を折曲げた扁平状中空箱体(7)と、該中空箱体(7)の内部に注入して発泡充填された発泡樹脂(8)から成るパネル体(1)を有し、
複数枚の上記パネル体(1)を相互に連結した前方開口状の断熱ボックス本体(2)と、一枚の上記パネル体(1)から成り上記断熱ボックス本体(2)に開閉自在に枢着された断熱扉(3)と、をもって、全体を密封開閉自在な箱型に組み立てた断熱ボックスであって、
上記プラスチックボード(6)が、上シート部(11)と下シート部(12)と中間連結部(13)とから成る断熱段ボール構造であることを特徴とする断熱ボックス。
【請求項2】
上記ボックス本体(2)を形成する5枚の上記パネル体(1)の一部内至全部が、隣り合う上記パネル体(1)に連結するための連結用突片(9)を有する請求項1記載の断熱ボックス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、断熱ボックスに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、断熱材として樹脂(ウレタン)を用いた断熱ボックスが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平1-73175号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1記載の断熱ボックスは、樹脂製断熱材の表面に配設される板が、(伝熱性の高い)金属から成るので、断熱ボックス全体としての断熱性が低いという問題がある。特に、金属板相互の当接部(ボックスの辺部近傍)に於て、熱が逃げるという問題があった。そこで、本発明は、断熱性が高く確実に断熱することができる断熱ボックスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る断熱ボックスは、プラスチックボードを折曲げた扁平状中空箱体と、該中空箱体の内部に注入して発泡充填された発泡樹脂から成るパネル体を有し、複数枚の上記パネル体を相互に連結した前方開口状の断熱ボックス本体と、一枚の上記パネル体から成り上記断熱ボックス本体に開閉自在に枢着された断熱扉と、をもって、全体を密封開閉自在な箱型に組み立てた断熱ボックスであって、上記プラスチックボードが、上シート部と下シート部と中間連結部とから成る断熱段ボール構造である。
また、上記ボックス本体を形成する5枚の上記パネル体の一部内至全部が、隣り合う上記パネル体に連結するための連結用突片を有するものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明の断熱ボックスによれば、断熱性が高く確実に断熱することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の実施の一形態を示す図であって、(A)は全体斜視図、(B)は枢着部材の一例を示す斜視図である。
図2】斜視図である。
図3】正面図である。
図4】右側面図である。
図5図3のA-A断面簡略図である。
図6図4のB-B断面簡略図である。
図7図5のY部拡大簡略図である。
図8図6のZ部拡大簡略図である。
図9】プラスチックボードの折曲げ前の状態を示す展開図である。
図10】プラスチックボードの一例を示す図であって、(A)はプラスチックボードの断面図であり、(B)は中間連結部の説明用斜視図である。
図11】プラスチックボードの他例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図示の実施の形態に基づいて本発明を詳説する。
図1~4は、本発明の実施の一形態を示す。この断熱ボックスは、内部に、例えば、食品、医療品等を入れて、外部との熱の伝達を遮断するために用いられる。複数枚のパネル体1を相互に連結した前方開口状の断熱ボックス本体2と、一枚のパネル体1から成り断熱ボックス本体2に開閉自在に枢着された断熱扉3と、をもって、全体を密封開閉自在な箱型に組み立てられる。図1(B)に於て、4は枢着部材を示し、断熱ボックス全体の表面から可能な限り突出部位の無い箱型とするために、1mm~4mm程度の厚さT4 を有する(軟質)プラスチック板から成り、かつ、折り曲げ用の三角溝15を有する。また、5はロック部材を示す。
【0009】
パネル体1は、図7図8に示すように、プラスチックボード6(図9参照)を折曲げた扁平状中空箱体7と、中空箱体7の内部に注入して発泡充填された発泡樹脂8から成る。プラスチックボード6は、例えば、ポリウレフィン等から成る。発泡樹脂8は、例えば、発泡ウレタンである。
【0010】
パネル体1の厚さ寸法Tを、30mm≦T≦50mmに設定する。厚さ寸法Tが、上記範囲にある場合、高い断熱性が得られるとともに、パネル体1の強度が大きい。厚さ寸法Tが、T<30mmの場合、適切な断熱性が得られない虞れがあるとともに、パネル体1の強度が不足する。厚さ寸法Tが、50mm<Tの場合、厚過ぎて材料が無駄である。
【0011】
ボックス本体2を形成する5枚のパネル体1の一部内至全部が、隣り合うパネル体1に連結するための連結用突片9を有する。(ブラインド)リベット10にて固着する。
【0012】
図10に示すように、プラスチックボード6は、上シート部11と下シート部12と中間連結部13とから成る断熱段ボール構造である。段ボール構造は、空隙部Eを有するので、断熱性が高い。
【0013】
プラスチックボード6は、例えば、「プラパール」(川上産業株式会社の登録商標)から成る。「プラパール」は、図10(A)(B)に示すように、上シート部11と下シート部12と、複数の凸部14を有する中間連結部13とを、重ね合わせて一体化した構造である。
【0014】
図11は、プラスチックボード6の他例を示す。上シート部11と下シート部12と波型の中間連結部13とが、一体成型されている。
【0015】
図7(B)に示すように、パネル体1とパネル体1との結合部位に於て、(従来のプラスチック薄板のみからなる場合に比べて、)本発明では断熱性の高いプラスチックボード6を用いたので、内部の熱が矢印H方向へ逃げること、又は、外部から熱が矢印Hと反対方向に侵入することを、有効に阻止できる。
【0016】
なお、本発明は、設計変更可能であって、例えば、リベット10によるパネル体1の結合を、接着剤等で行うことも、自由である。
【0017】
以上のように、本発明は、プラスチックボード6を折曲げた扁平状中空箱体7と、該中空箱体7の内部に注入して発泡充填された発泡樹脂8から成るパネル体1を有し、複数枚の上記パネル体1を相互に連結した前方開口状の断熱ボックス本体2と、一枚の上記パネル体1から成り上記断熱ボックス本体2に開閉自在に枢着された断熱扉3と、をもって、全体を密封開閉自在な箱型に組み立てた断熱ボックスであって、上記プラスチックボード6が、上シート部11と下シート部12と中間連結部13とから成る断熱段ボール構造であるので、断熱性が高く確実に断熱することができる。また、軽量でありながら、強度が大きい。さらに、中空箱体7の内部に発泡樹脂8を注入して発泡充填することにより、パネル体1を容易に製造することができる。
【0018】
また、上記ボックス本体2を形成する5枚の上記パネル体1の一部内至全部が、隣り合う上記パネル体1に連結するための連結用突片9を有するので、密封性が高く、従って、断熱性が良い。また、隣り合うパネル体1相互を、容易に連結することができる。
【符号の説明】
【0019】
1 パネル体
2 (断熱)ボックス本体
3 断熱扉
6 プラスチックボード
7 (扁平状)中空箱体
8 発泡樹脂
9 連結用突片
11 上シート部
12 下シート部
13 中間連結部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11