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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022097940
(43)【公開日】2022-07-01
(54)【発明の名称】冷蔵庫用扉および冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
   F25D 23/02 20060101AFI20220624BHJP
   F25D 23/00 20060101ALI20220624BHJP
【FI】
F25D23/02 304C
F25D23/00 305G
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020211202
(22)【出願日】2020-12-21
(71)【出願人】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100205785
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼橋 史生
(74)【代理人】
【識別番号】100203297
【弁理士】
【氏名又は名称】橋口 明子
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100135301
【弁理士】
【氏名又は名称】梶井 良訓
(72)【発明者】
【氏名】守谷 雅秀
【テーマコード(参考)】
3L102
【Fターム(参考)】
3L102JA01
3L102KA06
3L102KB05
3L102KE02
3L102KE09
3L102MA01
3L102MB17
(57)【要約】
【課題】表示装置を内蔵し、断熱性能に優れる冷蔵庫用扉および冷蔵庫を提供する。
【解決手段】実施形態の冷蔵庫用扉は、冷蔵庫本体の貯蔵室を開閉可能に閉じる扉の外郭を構成する枠体と、前記縦枠に設けられ、前記冷蔵庫本体に対して軸支される連結部と、前記枠体の前面に設けられる化粧板と、前記枠体内に配置され、前記化粧板に沿って配置された表示部および前記表示部の動作を制御する回路基板を有する表示装置と、前記枠体と別体で設けられ、前記枠体の縦枠に沿って取り付けられた補強部材と、を持つ。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷蔵庫本体の貯蔵室を開閉可能に閉じる扉の外郭を構成する枠体と、
前記枠体に設けられ、前記冷蔵庫本体に対して軸支される連結部と、
前記枠体の前面に設けられる化粧板と、
前記枠体内に配置され、前記化粧板に沿って配置された表示部および前記表示部の動作を制御する回路基板を有する表示装置と、
前記枠体と別体で設けられ、前記枠体の縦枠に沿って取り付けられた補強部材と、
を含む冷蔵庫用扉。
【請求項2】
前記連結部において、前記枠体の内外に挿通され、前記表示装置に電気的に接続された電気配線とを有し、
前記補強部材は、前記電気配線と離間配置されている
請求項1に記載の冷蔵庫用扉。
【請求項3】
前記補強部材は略U字形の水平断面形状を有する
請求項1または請求項2に記載の冷蔵庫用扉。
【請求項4】
前記補強部材の縦方向の長さは、前記表示装置の縦方向の長さより長い
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の冷蔵庫用扉。
【請求項5】
前記縦枠は、前記連結部側に位置する第一縦枠と、前記第一縦枠と幅方向の反対側に位置する第二縦枠とを有し、
前記補強部材は、前記第一縦枠に取り付けられた第一補強部材と、前記第二縦枠に取り付けられた第二補強部材とを含む
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の冷蔵庫用扉。
【請求項6】
前記第二補強部材の形状が前記第一補強部材の形状と異なる
請求項5に記載の冷蔵庫用扉。
【請求項7】
前記第二補強部材は、前後方向に向かって開口する溝形状を有する
請求項5または請求項6に記載の冷蔵庫用扉。
【請求項8】
前記第二補強部材は、前記第二縦枠と離間して固定され、
前記第二補強部材と前記第二縦枠との間に断熱材が配置される
請求項7に記載の冷蔵庫用扉。
【請求項9】
前記第二補強部材は、前記第二縦枠の前後方向において前端よりも後端に近い位置に設けられている
請求項5から請求項8のいずれか一項に記載の冷蔵庫用扉。
【請求項10】
複数の貯蔵室を含む冷蔵庫本体と、
前記冷蔵庫本体に取り付けられる請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の冷蔵庫用扉と、を備える冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、冷蔵庫用扉および冷蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
貯蔵室の扉に、表示パネルと、表示パネルを動作させる回路が形成された回路基板とを持つ表示装置を設けた冷蔵庫が知られている。回路基板等は表示装置の動作時に発熱する。一方、貯蔵室の扉は、貯蔵室内の温度を低温に保つために高い断熱性能が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-61757号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、表示装置を内蔵し、断熱性能に優れる冷蔵庫用扉および冷蔵庫を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の冷蔵庫用扉は、冷蔵庫本体の貯蔵室を開閉可能に閉じる扉の外郭を構成する枠体と、前記縦枠に設けられ、前記冷蔵庫本体に対して軸支される連結部と、前記枠体の前面に設けられる化粧板と、前記枠体内に配置され、前記化粧板に沿って配置された表示部および前記表示部の動作を制御する回路基板を有する表示装置と、前記枠体と別体で設けられ、前記枠体の縦枠に沿って取り付けられた補強部材と、を持つ。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】実施形態に係る冷蔵庫の正面図。
図2】実施形態に係る冷蔵庫用扉の内部を後側から見た平面図。
図3図1のIII-III線における断面図。
図4】実施形態に係る冷蔵庫用扉の内部の斜視図。
図5】実施形態に係る冷蔵庫用扉の内部の斜視図。
図6】実施形態の枠体の斜視図。
図7】実施形態の第一縦枠の一部の斜視図。
図8】実施形態の第二縦枠の一部の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態の冷蔵庫用扉および冷蔵庫を、図面を参照して説明する。以下の説明では、同一または類似の機能を有する構成に同一の符号を付す。構成の重複する説明は省略する場合がある。本明細書では、冷蔵庫の正面に立つユーザから冷蔵庫を見た方向を基準に、左右を定義している。冷蔵庫から見て冷蔵庫の正面に立つユーザに近い側を「前」、遠い側を「後ろ」と定義している。本明細書において「幅方向」とは、上記定義における左右方向を意味する。本明細書において「前後方向」とは、上記定義における幅方向に直交し、前と後ろとをつなぐ方向を意味する。本願でいう「AまたはB」とは、AとBのうちいずれか一方の場合に限定されず、AとBの両方の場合を含む。
【0008】
図1は、実施形態に係る冷蔵庫1を示す正面図である。図2は、冷蔵庫用扉11の後面材を除いた状態を後方から見た平面図である。図3は、図1のIII-III線における冷蔵庫用扉11の縦断面図である。図4および図5は、冷蔵庫用扉11の後面材および断熱材を除いた状態を後方から見た斜視図である。冷蔵庫1は、筐体10と、冷蔵庫用扉11~16と、表示装置5とを含む。冷蔵庫1は、この他、電源基板99、電気部品96,97と、電気配線9、不図示の冷却機構、温度センサ等を含む。
【0009】
筐体10は、例えば、内箱と、外箱と、断熱部とを有する。内箱は、筐体10の内面を形成し、外箱は、筐体10の外面を形成している。内箱と外箱との間には、発泡ウレタン等の発泡断熱材を含む断熱材が設けられている。筐体10は、断熱性能を持つ。筐体10は冷蔵庫本体の一例である。
【0010】
筐体10の内部には、複数の貯蔵室が設けられている。筐体10は、各貯蔵室の前面側に、各貯蔵室に対して食材の出し入れを可能にする開口を有する。複数の貯蔵室は、例えば、第一冷蔵室101、第二冷蔵室102、製氷室103、小冷凍室104、および主冷凍室105を含む。実施形態では、最上部に第一冷蔵室101が配置され、第一冷蔵室101の下方に第二冷蔵室102が配置され、第二冷蔵室102の下方に製氷室103および小冷凍室104が横に並んで配置され、製氷室103および小冷凍室104の下方に主冷凍室105が配置されている。貯蔵室の配置は、本例に限定されず、例えば第二冷蔵室102と主冷凍室105の配置が上下逆でもよい。貯蔵室には、収納棚や収納容器、製氷用貯水容器等が設けられている。
【0011】
第二冷蔵室102は、例えば、野菜室として使用される。第二冷蔵室102は、野菜の貯蔵に適した冷蔵温度帯、例えば、1℃~5℃で保冷されている。製氷室103、小冷凍室104、および主冷凍室105は、冷凍温度帯、例えば、-10℃以下で保冷されている。
【0012】
第二冷蔵室102は、冷凍温度帯から冷蔵温度帯まで保冷温度が任意に切り替え可能に構成されている。したがって、第二冷蔵室102を冷凍室として使用可能である。第二冷蔵室102は、野菜に適した貯蔵環境の貯蔵室に限らず、第一冷蔵室101と同等の冷蔵温度帯に設定され、冷蔵機能を備える貯蔵室であってもよい。
【0013】
筐体10の上端部に、電源基板99および2つの扉プッシャ98が設けられている。電源基板99は、冷蔵庫1の各種動作を制御する。電源基板99は、電源ケーブル、表示装置5用の電気配線94(図3参照)、冷却機構を構成する圧縮機等と接続する電気配線、および後述する電気部品と接続する電気配線9等と接続されている。
【0014】
扉プッシャ98は、後述する開扉操作部96(タッチオープン装置)と接続されている。扉プッシャ98は、後述する第一扉11または第二扉12の上端部と対向配置されている。扉プッシャ98は、電気配線9を介して開扉操作部96から受信した信号に基づき、前後方向Yに進退駆動する。扉プッシャ98は例えば、ソレノイドを用いることができる。
【0015】
冷蔵庫1は、冷蔵庫用扉11~16が設けられている。冷蔵庫用扉11~16は貯蔵室の開口を開閉可能に塞ぐ部材である。冷蔵庫用扉11~16は、筐体10の前部に設けられる。冷蔵庫用扉は、例えば、回転扉11,12、引出扉13~16である。
【0016】
引出扉13~16は、第二冷蔵室102、製氷室103、小冷凍室104、および主冷凍室105に出し入れ可能に取り付けられた引出し容器の前部に取り付けられている。各回転扉11,12、および各引出扉13~16の前面は、同じ材料からなる化粧板4で覆われ、意匠上の統一感が図られている。冷蔵庫用扉11~16は断熱性能を有する。
【0017】
図1に示すように、回転扉11,12は、第一冷蔵室101の開口を閉じる一対の扉である。以下の説明では、冷蔵庫1の正面から見て右側に位置する扉を第一扉11と称し、左側に位置する扉を第二扉12と称する。図1に示す例では、第一扉11及び第二扉12は、異なる向きに回動可能に筐体10に取り付けられて両開きの扉を構成している。図示例では、幅方向Xの寸法が第一扉11と第二扉12とで異なる。第一扉11と第二扉12とで幅方向Xの寸法が同じでもよい。第一扉11は冷蔵庫用扉の一例である。第一扉11および第二扉12は、筐体10に回動可能に取り付けられている。筐体10の幅方向Xの端部であり、かつ、第一冷蔵室101の上部および下部に軸支部121,122が配置されている。第一扉11および第二扉12の幅方向Xの一端部が軸支部121,122に取り付けられ、軸支部121,122を中心として回動可能に筐体10に支持されている。
【0018】
第一扉11の具体的な構成について説明する。図2から図4に示すように、第一扉11は、枠体2と、化粧板4と、後面材3とを有する。図3に示すように、第一扉11には、第一扉11が閉じているとき冷蔵庫1の正面に立つ使用者に対向する前部111と、第一冷蔵室101の内部に対向する後部112とを有する。
【0019】
図2および図6に示すように、枠体2は、上枠23、下枠24、第一縦枠21、及び第二縦枠22を有し、正面視矩形である。枠体2は、例えば、樹脂製や鋼板製である。枠体2は、第一扉11の外郭を形成する。枠体2は、主部材20と、主部材20の下部に固定される下枠24とで矩形に形成されている。主部材20は、上枠23、第一縦枠21、第二縦枠22、および補強桟26とが一体に形成されている。枠体2は、一部材で構成してもよく、縦枠、横枠および補強桟の全部または一部を別部材で形成し、組み立てて構成してもよい。
【0020】
第一縦枠21は、筐体10の幅方向Xの連結部側に位置する。第一扉11が閉じた状態で、第二縦枠22は、幅方向Xにおける第一縦枠21と反対側に位置し、第二扉12に近接配置される。各縦枠21,22は前後方向Yに沿う外側面を有する。上枠23は前後方向に延びる上面を有する。下枠24は前後方向に延びる下面を有する。側面、上面、および下面は、前後方向Yに平行な面に限らず、前後方向Yに対して傾斜、湾曲、凹凸形状等を有してもよい。枠体2は、例えば、一対の縦枠21,22及び上枠23が一体で形成され下枠24が各縦枠21,22の下端部に連結される構成や、上枠23、下枠24および縦枠21,22が一体に形成される構成が挙げられる。
【0021】
図2および図4に示すように、上枠23の幅方向Xの端部であり、第一縦枠21側の端部には、上軸受け部231を備える。下枠24の幅方向Xの端部であり、第一縦枠21側の端部には、下軸受け部242を備える。上軸受け部231および下軸受け部242が図1に示す筐体10の軸支部121,122に連結されている。この結果、第一扉11は、筐体10に対して回動可能に支持される。上軸受け部231の下方に挿通管29が配置されている。挿通管29は、縦方向Zに延びる挿通路が形成されている。上軸受け部231および下軸受け部242は連結部の一例である。
【0022】
図3および図6に示すように、枠体2の前面にパネル支持部27を有する。パネル支持部27は、縦枠21,22、上枠23、および下枠24から幅方向Xに沿って枠体2の内側に延びる平面形状を有する。図3に示すように、枠体2の後部に後面材3との接合部211,221を有する。
【0023】
図4および図5に示すように、下枠24には、上方向に窪む凹部241が形成されている。凹部241は使用者が第一扉11の開閉時に掴む把手として機能する。凹部241の位置は下枠24に限定されず、使用者が把持し易い位置であれば例えば第二縦枠22に設けてもよい。
【0024】
図3に示すように、縦枠21,22に沿って補強部材71,72が配置されている。各補強部材71,72は、枠体2の強度を補強する部材である。補強部材71,72については後述する。
【0025】
図3に示すように、第一縦枠21および第二縦枠22の内面には、突起212,222が形成されている。一対の第一突起212が第一縦枠21の内面から幅方向Xの内側に向かって突出している。第一突起212は、前後方向Yに離間している。一対の第一突起212の間に第一補強部材71が係止される。一対の第二突起222は、第二縦枠22の内面から幅方向Xの内側に突出している。第二突起212は、前後方向Yに離間している。一対の第二突起222の間に第二補強部材72が係止される。前後方向Yにおいて、化粧板4側の第二突起222は、化粧板4側の第一突起212よりも後ろ側に配置されている。
【0026】
図3に示すように、枠体2の前部に化粧板4が取り付けられ、枠体2の後部に後面材3が設けられている。後面材3は、前後方向Yから見た中央部分に略矩形の凹部33が形成され、凹部33の周縁部34は後方に突出している。後面材3には、凹部33の内面から突出した棚係止部32を備える。棚係止部32には不図示の複数の収納棚が設けられる。化粧板4は前板の一例である。後面材3は後板の一例である。
【0027】
化粧板4は、ガラス製、繊維強化樹脂製、セラミック製、人造大理石等の薄板である。化粧板4は、冷蔵庫1の意匠性を考慮し、色、柄、表面加工が施されている。化粧板4は、例えば、透明なガラス製である。透明な化粧板4の場合、化粧板4の後面に不透明膜が設けられる。不図示の不透明膜により、第一扉11、第二扉12の内部が視認不能となる。第一扉11では、表示装置5が設けられる位置を除く略全域に不透明膜が設けられている。第一扉11では、表示装置5が設置される位置には不透明膜が設けられず、表示装置5が視認可能である。第二扉12には前板の略全域に不透明膜が設けられている。
【0028】
化粧板4の裏面が枠体2のパネル支持部27に両面テープ等により固定されている。化粧板4の枠体2への固定方法は一例であり、枠体と化粧板を嵌合させる方法や固定部材により固定する方法であってもよい。後面材3の外周縁が枠体2の後端部と接合される。図4および図5に示すように、枠体2、化粧板4、および後面材3により、表示装置5および断熱材8を配置可能な空間が形成されている。
【0029】
枠体2と、後面材3と、化粧板4とで囲まれた空間内に断熱材8が充填されることにより、第一扉11は断熱性能を有する。
【0030】
図1に示すように、第一扉11には表示装置5が設けられている。表示装置5は、第一扉11の枠体2の内側の空間に配置されている。表示装置5は、接着テープや接着剤等により化粧板4の裏面に密着して貼り付けられている。図3に示すように、表示装置5は、表示部51、回路基板53,54、および基体55を有する。
【0031】
表示部51は、化粧板4に沿って配置されている。表示部51は、文字や画像等を表示可能な表示画面を有する。表示画面が化粧板4の裏面に当接している。表示画面は、第一扉11の化粧板4を通じて外部から視認可能である。化粧板4の表示部51の種類は、画像信号に基づいて画像を表示できれば特に限定されない。表示部51は、例えば、液晶パネル等の透過型表示装置や、有機EL素子などの自発光型の表示装置が用いられる。表示部51に表示される表示画像は、例えば、使用者の操作入力を行う部位を示す操作用画像、貯蔵室内の貯蔵物、調理方法、買い物リスト等の絵柄、文字などを表示する画像や動画等が挙げられる。表示部51は、化粧板4に沿って配置されていればよい。表示部51は、化粧板4の裏面に当接して配置される例の他、例えば、化粧板4に表示画面の面積に応じた開口や凹部を設け、開口や凹部内に表示部を配置し表示部が露出する配置であってもよい。表示部51は、第一扉11の前面の中央を含む広い領域に設けられている。
【0032】
基体55は、表示部51の裏面を覆う略平板状の部材である。基体55に表示部51の収容凹部551が形成されている。表示部51の裏面が収容凹部551に密着している。基体55の外周縁552は、化粧板4の裏面に接触している。
【0033】
回路基板53,54は、基体55の裏面553に取り付けられている。回路基板53,54は、基体55の裏面553から後方に突出して取り付けられている。回路基板53は表示部51において主に画像や音源を制御する回路を有している。回路基板53は、回路を形成する種々の部品が実装されている。例えば、回路基板53には動作時に発熱しやすいICが実装されている。回路基板53は、フレキシブル基板531(図2参照)によって、表示部51と電気的に接続されている。
【0034】
回路基板54は、表示装置5において外部からの音源を電気信号に変換する回路を有している。回路基板54は、回路を形成する種々の部品を有する。回路基板54は、例えば、動作時に発熱しやすいIC(Integrated Circuit)が実装されている。回路基板53,54は電気配線94を介して図1に示す電源基板99と電気的に接続されている。回路基板53,54は、表示装置の突出部分の一例である。
【0035】
表示装置5は、さらに、操作部を有していてもよい。操作部は、例えば、表示部51上で使用者の操作を検知する検知部52で構成されていてもよい。検知部52は、表示部51に表示される操作用画像の位置に対応する表示部51の前面に操作手段が近接または接触したことを検知する。検知部52の検知方式は、使用者の手、タッチペン等、適宜の操作手段による操作が検知できれば特に限定されない。例えば、検知部52は、静電容量方式等のセンサであってもよい。操作部は、例えば、音声入力機能を有してもよい。音声入力部は、表示装置5と一体に設けられる構成であってもよく、筐体10または冷蔵庫用扉に設けられる構成であってもよい。表示装置5は、操作部における入力に従って静止画または動画が表示される。表示装置5は、さらに音声出力部を備えていてもよい。表示装置5は少なくとも文字や画像が表示可能であればよく、操作部は必須の構成ではない。
【0036】
図2から図5に示すように、表示装置5の裏面がカバー6により覆われている。カバー6は、表示装置5を後方から覆う位置に配設されている。カバー6は化粧板4との間に表示装置5を収容して封止する。カバー6は、カバー本体62と化粧板4の裏面42との間に、表示装置5の収容空間が形成されている。収容空間は、表示装置5の前後方向Yの厚さよりも広く、表示装置5の基体55の裏面553と、カバー本体62の前面625との間に隙間S2が形成されている。カバー6は、外周縁61と、カバー本体62とを有する。外周縁61は化粧板4の裏面42に沿う略平板形状を有し、カバー6の外縁を構成する。カバー本体62は、外周縁61の内縁から前後方向Yの後側に向かって突出する立体形状を有する。カバー本体62の前面側は、後方に向かって凹む。カバー本体62は、表示装置5の裏面の凹凸に対応した段部が形成されている。
【0037】
カバー6の外周縁61と、化粧板4の裏面との間は、例えば、両面テープにより固定されている。両面テープは、外周縁61の全周に設けられている。これにより、カバー6は、化粧板4に液密に固定されている。カバー6の外周縁61が「液密に固定されている」とは、特に断らない限り、後述する断熱材8を形成する発泡断熱液が流動時および発泡時に外周縁61と化粧板4との間を通過できないように固定されていることを意味する。
【0038】
表示装置5の作動時、表示部51および回路基板53、54が発熱する。カバー6は、表示装置5の熱が後面材3側へ伝達されることを防止する。例えば、回路基板53、54で発生した熱は、収容空間である隙間S2内に放熱される。回路基板53、54はカバー6と当接しておらず、十分に離れているため、回路基板53、54で発生した熱が直接的にカバー6に熱伝導しない。表示部51の熱は、表示部51が近接する化粧板4を通して第一扉11の外部に放熱される。表示部51の近傍に配置されている突起627は、基体55の外周縁552に接触しているため、化粧板4を通して表示部51の熱を第一扉11の外部に放熱できる。
【0039】
電気配線9は、電気部品96,97と電源基板99とを接続する。電気配線9は、電線が絶縁部材に覆われているケーブルである。電気配線9は、枠体2の内外に挿通されている。
【0040】
図示は省略するが、上軸受け部231と、筐体10の上軸支部121との連結部の隙間内に電気配線9が挿入されている。上軸受け部231を通る電気配線9は、挿通管29に挿入されて下方に延びる。上軸支部121、上軸受け部231、および挿通管29を通る電気配線9は、複数のケーブルが束ねられて絶縁材93で覆われた束線である。電気配線9は、挿通管29の下方で表示装置5用の電気配線94が分岐して表示装置5に接続されている。表示装置5用の電気配線94を除く電気配線91,92は電気部品用のケーブルである。電気部品用の電気配線91,92は、束線の状態でカバー6の下端部まで延びた後、各電気配線91,92に分岐する。カバー6の下端近傍で分岐した電気配線91,92は、温度センサ97、開扉操作部96に向かって延びて、温度センサ97、開扉操作部96の不図示の接続部に接続されている。
【0041】
図4から図6に示すように、電気部品用の電気配線91,92は、第一縦枠21と表示装置5との間に配置されている。具体的には、カバー6の第一縦側面63と、第一縦枠21との間に配置されている。電気配線9は、枠体2の上部から第一縦枠21と表示装置5との間を通り下方に延びて配置されている。電気配線9は、前後方向Yにおいて化粧板4に近い位置に配置されている。図4に示す例では、電気配線9は、外周縁61よりも第一縦枠21側に配置しているが、幅方向Xにおいて、外周縁61と重なる位置に電気配線9が配置されてもよい。
【0042】
図3に示すように、補強部材71,72は、例えば、水平断面形状が略U字型の長尺部材である。補強部材71,72は、縦枠21,22と別体の部材である。補強部材71,72は例えば、金属製、強化プラスチック製の部材である。第一縦枠21の内面に第一補強部材71が取り付けられている。第二縦枠22の内面に第二補強部材72が取り付けられている。第一扉11は、第一冷蔵室101を覆うため面積が大きい。加えて、第一扉11は、回転扉であるため、開閉時回動し、かつ、収納棚に冷蔵品が収納されるため荷重が掛かる。第一扉11には表示装置5が内蔵されているため、さらに荷重が掛かる。したがって、第一扉11には荷重性が求められる。そこで、枠体2に補強部材71,72が設けられていることにより第一扉11の重量を増やすことなく、枠体2の強度を補強できる。
【0043】
補強部材71,72の縦方向Zの長さは、表示装置5の縦方向Zの長さより長い。図1に示すように、表示装置5は、第一扉11の縦方向Zの中央部に配置されている。補強部材71,72の各上端の高さは、表示装置5の上端より高い。補強部材71,72の各下端の高さは、表示装置5の下端より低い。補強部材71,72は、縦枠21の縦方向Zの長さよりやや短い。補強部材71,72は、縦枠21,22の高さ方向の上端近傍から下端近傍まで設けられている。
【0044】
図3図4および図7に示すように、第一補強部材71は、略U字形の水平断面形状を有する。第一補強部材71は、基部711と、一対の側壁712とを含む。基部711の前端および後端から、基部711に対して直交する方向に延びている。一対の側壁712は、互いに離間して平行に延びている。基部711は、第一縦枠21の内面に対向し、前後方向Yに沿って配置されている。一対の側壁712は、一対の第一突起212に当接し、幅方向Xに沿って配置されている。
【0045】
一対の第一突起212の間に第一補強部材71は係止される。図7に示すように、一対の第一突起212の間に第一補強部材71が挿入される。縦枠21の内面には、係止片213を有する。係止片213は、第一突起212に隣接し、第一縦枠21の内面から突出して設けられている。係止片213は、フック形状を有する。係止片213は、第一補強部材71が一対の第一突起212の間に配置された状態で、一つの側壁712の突出端を係止可能に構成されている。第一縦枠21の内面には、基部係止片214を有する。基部係止片214は、一対の第一突起212の間において、第一縦枠21の内面から突出して設けられている。
【0046】
第一補強部材71の基部711には、厚さ方向に貫通する係止孔714が形成されている。係止孔714に基部係止片214が挿入され、基部係止片214により基部711が係止される。
【0047】
第一補強部材71は、略U字形の開口か幅方向Xの内側に向かうように配置されている。したがって、第一補強部材71は、幅方向Xにおける突出長が短く、かつ、第一補強部材71の幅方向Xの内側にスペースを確保できる。第一補強部材71は、基部711の前後方向Yの長さが、側壁712の幅方向Xの突出長より長い。図3に示すように、第一補強部材71は、電気配線9から離間配置されている。この結果、第一補強部材71は、電気配線9と干渉しない。そのため、枠体2の剛性を高めるために、金属製の第一補強部材71を用いた場合に、電気配線9との接触が避けられ、ノイズの発生が防止できる。
【0048】
図3図4および図8に示すように、第二補強部材72は略U字型の水平断面形状を有する。第二補強部材72は、基部721と、一対の側壁722とを含む。基部721の幅方向Xの両端から、基部721に対して直交する方向に延びている。一対の側壁722は、互いに離間して平行に延びている。基部721は、第一縦枠21の幅方向Xに沿って配置されている。一対の側壁722は、前後方向Yに沿って配置されている。第二補強部材72は、前後方向に向かって開口する溝形状を有する。図示例では、第二補強部材72は化粧板4に向かって開口するように配置されている。基部721の幅方向Xの長さと一対の側壁722の前後方向Yの長さは略等しい。第二補強部材72がこのような構成を有する結果、板厚が薄くても第二補強部材72の強度を確保できる。このため、補強部材の軽量化を図ることができる。第二補強部材72は上記形状を有する結果、板厚を薄くできるため、補強部材のコストを抑えることができる。
【0049】
一対の第二突起222の間に第二補強部材72が係止される。図8に示すように、一対の第二突起222の間に第二補強部材72が配置される。第二縦枠22の内面には、係止軸223を有する。係止軸223は、一対の第二突起222の間に位置し、第一縦枠21の内面から幅方向Xに突出している。係止軸223は、円柱形状を有する。係止軸223の第二縦枠22の内面からの突出長は、一対の第二突起222の突出長より長い。係止軸223は、第二補強部材72が一対の第二突起222の間に配置された状態で、一つの側壁722の突出端を係止可能に構成されている。前側の第二突起222の突出端部には、係止突起224を有する。係止突起224は、一対の第二突起222間に配置された第二補強部材72を係止する。
【0050】
図3および図8に示すように、第二補強部材72は、基部721が後面材3側に位置し、一対の側壁722間の凹部が前方に向かって開口する向きに配置されている。第二補強部材72は、第二縦枠22の内面から離れて配置され、側壁722と第二縦枠22の内面との間に隙間が形成されている。一対の第二突起222の間に挿入される側壁722には、係止軸223が挿通される貫通孔725が形成されている。
【0051】
図3に示すように、前後方向Yにおいて、第二補強部材72は、後面材3側に配置されている。第二補強部材72は、第一縦枠21は筐体10と対向する部位が多く、第二縦枠22は、閉じた状態で貯蔵室に面して配置される。このため、第一縦枠21より第二縦枠22の方が冷気の影響を受けやすい。例えば、第二補強部材72が金属製の場合、熱伝導率が高い。そのため、第二補強部材72を後面材3側に配置する。すなわち、第二補強部材72を化粧板4よりも後面材3に近い位置に配置し、第二補強部材72を化粧板4から離れた位置に配置する。この構成により、第二補強部材72と化粧板4との間に設ける断熱材の厚さを確保できる。この結果、第二補強部材72が貯蔵室の冷気の影響を受けても、化粧板4側に伝わり難く、断熱性能を保持できる。化粧板4から離れた位置に第二補強部材72が配置されることにより、外気温により第二補強部材72の温度が上昇して、外気温が貯蔵室側に伝わることが防止できる。
【0052】
図7に示すように、第一補強部材71を第一縦枠21に取り付ける際、一対の第一突起212の間に基部を挿入し、基部711を第一縦枠21の内面に対向させて近付ける。このとき、基部711の係止孔714を基部係止片214に位置合わせし、係止片213を弾性変形させて、第一補強部材71を一対の第一突起212の間に挿入する。第一補強部材71を所定の位置まで挿入させると、基部係止片214が弾性変形して係止孔714内に進入して、基部711が係止される。基部711が係止孔714に係止されると、係止片213も側壁712を係止する。この結果、第一補強部材71が第一縦枠21の内面に係止される。第一補強部材71は、幅方向Xの内側への移動が規制され、第一補強部材71の脱落が防止される。
【0053】
係止片213は、第一縦枠21の内面に複数設けられていてもよい。複数の係止片213を有する場合、係止片213は縦方向Zに離間して配置されていてもよい。例えば、第一縦枠21の上部および下部に係止片213が2箇所設けられていてもよい。係止片213の縦方向Zの寸法が長い場合、係止片213が一つ設けられていてもよい。
【0054】
図8に示すように、第二補強部材72を取り付ける際、一方の側壁722を一対の第二突起222の間に挿入する。このとき、係止軸223を貫通孔725に挿通する。係止軸223は、第二補強部材72の第二縦枠22に対する幅方向Xの位置を位置決めする。具体的には、係止軸223を貫通孔725に挿入して第二補強部材72を第二縦枠22に近付けると、係止軸223の突出端が幅方向Xの内側に配置される側壁723に当接する。この結果、第二補強部材72は、これ以上一対の第二突起222の間に挿入できず、位置決めされる。このとき、一対の第二突起222間に挿入された側壁722が係止突起224に係止される。この結果、第二補強部材72は、幅方向Xの内側への移動が規制され、第二補強部材72の脱落が防止される。
【0055】
係止軸223は、第二縦枠22の内面に複数設けられていてもよい。複数の係止軸223を有する場合、係止軸223は縦方向Zに離間して配置されていてもよい。例えば、第二縦枠22の上部および下部の2箇所に係止軸223が設けられていてもよい。係止軸223は円柱形状に限定されず、貫通孔725に挿通可能な形状であればよい。
【0056】
第一扉11は、第一冷蔵室101を覆うため面積が大きい。第一扉11は、開閉時回動し、かつ、収納棚に冷蔵品が収納されるため、荷重が掛かる。第一扉11が閉じている時、第一扉11の後面材3側は低温であり、第一扉11の化粧板4側は、外気温の影響を受ける。加えて、第一扉11は表示装置5を内蔵しているため、表示装置5の作動時、表示装置5の温度が上昇する。第一扉11の化粧板4側は、外気温および表示装置5の発熱の影響を受ける。この結果、第一扉11において、後面材3側の温度と化粧板4側の温度との差が大きくなる。第一扉11に温度差が生じると、断熱材8、化粧板4、後面材3等に掛かる力が変化し、第一扉11が撓みやすい。例えば、冷蔵庫用扉の内部にウレタン等の発泡断熱材が充填されている場合、後面材3や、樹脂製の枠体2の熱収縮に伴い断熱材も収縮する。低温に晒される後面材3は第一扉11の内側に向かって収縮する力が作用し、相対的に高温な化粧板4は中央部が前方に向かって反りやすい。特に、第一扉11内に表示装置5を設けているため、表示装置5の発熱により、後面材3側と化粧板4側との温度差が顕著になりやすい。化粧板4が反ると、表示部51の表示画面が歪んで見え、画質が低下する。化粧板4が反ると、表示画面と化粧板4との間が当接状態から僅かに離れた領域が生じ得る。この場合、表示部を操作入力部として使用する場合、操作性能が低下する。そのため、枠体2には、第一扉11を軽量化しつつ、枠体2の強度を補強するために補強部材71,72が取り付けられている。
【0057】
上記例では、第一補強部材71の形状と第二補強部材72の形状とが異なる例を示したが、第一補強部材71の形状と第二補強部材72の形状とが同じであってもよい。
【0058】
図3では、第二補強部材72は前方に向かって開口する向きに配置された例を示したが、第二補強部材72を後方に向かって開口する向きに配置してもよい。
【0059】
補強部材71,72は第一縦枠21および第二縦枠22にそれぞれ設けた例を示したが、補強部材71を第一縦枠21および第二縦枠22のいずれか一方に設けてもよい。上述の通り、第一縦枠21より第二縦枠22の方が冷気の影響を受けやすい。そこで、例えば、第一縦枠21のみに補強部材71を設けてもよい。この場合、第二縦枠22は厚さを厚くして剛性を高め、補強部材71を設けた第一縦枠21の剛性とのと第二縦枠22の剛性とのバランスを図ってもよい。
【0060】
補強部材71の形状は水平断面が略U字型の形状に限定されず、枠体2の強度を向上可能な形状であればよい。例えば、基部711,721と一つの側壁712,722とが直交する水平断面形状がL字型で補強部材であってもよい。
【0061】
第二補強部材72と、第二縦枠22との間の隙間に断熱材充填部S72が形成されている。図8に示すように、基部721には、一以上の断熱材充填孔724が形成されている。断熱材充填孔724は、縦方向Zに間隔を空けて複数形成されていてもよい。断熱材は、例えば、ウレタン等からなる発泡断熱材を断熱材充填孔724から断熱材充填部S72内に充填し、固化させる。発泡断熱材が断熱材充填部S72内に充填されることにより、断熱材8が第二縦枠22および第二補強部材72に接着して、枠体2を補強する。第二補強部材72が例えば、鋼板製であっても、断熱材充填部S72に断熱材8が充填されることにより、第一扉11の断熱性能を高めることができる。
【0062】
上記第一扉11を備える冷蔵庫1は、第一扉11に表示装置5を備えていても断熱性能を確保できる。具体的には、第一扉11に補強部材71,72が設けられているため、貯蔵室の冷気および貯蔵室の外気温との温度差により、第一扉11の変形や化粧板4の反りが発生することを抑えられる。例えば、化粧板4に反りに起因して表示装置5の操作性や表示装置5の画質が低下することを抑えられる。第一扉11は、表示装置5の作動時の発熱に伴い、第一扉11の後面材3側にと化粧板4側との温度差の増加に起因する第一扉11の変形を抑制できる。第一扉11は、耐荷重性に優れる結果、耐久性も向上する。
【0063】
第二補強部材72は、溝形状を有し、前後方向に向かって開口するように配置されている。この結果、厚さが薄く軽量な第二補強部材72により第二縦枠22の剛性を補強できる。第二縦枠22は、第一縦枠21に比べて、貯蔵室の冷気の熱影響を受けやすいため、剛性の高い第二補強部材72により十分な補強効果が得られる。
【0064】
第一補強部材71の形状と第二補強部材72の形状が異なる。つまり、第一縦枠21においては、電気配線9との干渉を避けて配置可能な形状を有する第一補強部材71を配置する。一方、第一縦枠21に比べて第二縦枠22の後面材3側と化粧板4側との温度差が大きい。さらに、第二縦枠22の近傍には、電気配線9が設けられていないため、第二補強部材72を設置するスペースが確保できる。したがって、第一補強部材71に比べて強度の高い形状の第二補強部材72を取り付けることにより、第二縦枠22の強度を補強できる。
【0065】
補強部材71,72の縦方向Zの長さは、表示装置5の縦方向Zの長さより長い。補強部材71,72の各上端の高さは、表示装置5の上端より高い。補強部材71,72の各下端の高さは、表示装置5の下端より低い。この構成により、第一扉11の縦方向Zの反りを防止し、化粧板4が前後方向Yに反ることを防止できる。この結果、表示装置5と化粧板4との間に隙間が生じることを防止でき、表示部51の表示性能および操作性能を保持できる。
【0066】
実施形態に係る冷蔵庫1は、上述の第一扉11を有するため、断熱性能が高く、表示装置5の発熱の影響および化粧板4の反りによる表示装置5の操作性低下への影響を抑えることができる。
【0067】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0068】
1…冷蔵庫、2…枠体、4…化粧板、5…表示装置、9…電気配線、231…上軸受け部(連結部)、11…第一扉(冷蔵庫用扉)、232…下軸受け部(連結部)、10…筐体(冷蔵庫本体)、21…第一縦枠(縦枠)、22…第二縦枠(縦枠)、71…第一補強部材(補強部材)、72…第二補強部材(補強部材)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8