IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社エヌジェーの特許一覧

<>
  • 特開-マスク 図1
  • 特開-マスク 図2
  • 特開-マスク 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022097947
(43)【公開日】2022-07-01
(54)【発明の名称】マスク
(51)【国際特許分類】
   A41D 13/11 20060101AFI20220624BHJP
   A44C 25/00 20060101ALI20220624BHJP
【FI】
A41D13/11 Z
A44C25/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020211213
(22)【出願日】2020-12-21
(71)【出願人】
【識別番号】500184604
【氏名又は名称】株式会社エヌジェー
(74)【代理人】
【識別番号】100182154
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 淳一
(72)【発明者】
【氏名】比護 博幸
(72)【発明者】
【氏名】飯田 孝子
【テーマコード(参考)】
3B114
【Fターム(参考)】
3B114AA21
3B114CC17
(57)【要約】
【課題】本発明は、マスクに関する。
【解決手段】本実施形態のマスク1は、シート状の表面部11、12と、前記表面部に重ねられるシート状の裏面部13、14とから形成され、着用者の顔面を覆う本体部10と、前記本体部に取り付けられ、前記本体部を着用者の顔面に支持する支持部20と、前記表面部11、12に吊り下げられ、前記本体部を宝石31により装飾する宝飾部30と、前記表面部に取り付けられ、前記宝石31を吊り下げる吊下部32を遮蔽する遮蔽部40とを備える。マスク1は、高価な宝飾部30が本体部10にしっかり吊下られるとともに、遮蔽部40が吊下部32を遮蔽するため、宝飾部による宝飾が際立ち意匠性が向上する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート状の表面部(11、12)と、前記表面部に重ねられるシート状の裏面部(13、14)とから形成され、着用者の顔面を覆う本体部(10)と、
前記本体部に取り付けられ、前記本体部を着用者の顔面に支持する支持部(20)と、
前記表面部(11、12)に吊り下げられ、前記本体部を宝石(31)により装飾する宝飾部(30)と、
前記表面部に取り付けられ、前記宝石(31)を吊り下げる吊下部(32)を遮蔽する遮蔽部(40)と
を備えることを特徴とするマスク。
【請求項2】
請求項1に記載されたマスクであって、
前記遮蔽部に形成され、前記本体部を装飾する第一装飾部(41)と、
前記本体部に取り付けられ、前記第一装飾部と組み合わせることで、まとまった形状及び/又は模様となり、前記本体部を装飾する第二装飾部(50)と
を備えることを特徴とするマスク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マスクに関する。
さらに詳しく説明すると、本発明は、意匠性の良いマスクに関する。
【背景技術】
【0002】
マスクは、顔の鼻や口を覆い風邪やインフルエンザ等の罹患予防に使用され、他者への感染防止等にも使用される。また、花粉症の患者等は、花粉が鼻や口に入ることを防ぐためにマスクを使用する。近年、新型コロナウイルスの蔓延により、多くの人々が、毎日のようにマスクの着用を余儀なくされている。このようにマスクの着用が常用化する中、服装や身なりに気を使う人は、おしゃれなマスクを選択する。おしゃれなマスクには、例えば、レース生地等を使用したもの、装飾品を取り付けたもの等が販売されている。このように、様々なマスクが存在するが、特許文献を基に従来の技術を説明する。
【0003】
例えば、マスク本体の正面特定位置に、所定の表示面を有する装飾部材が着脱自在に設けられるマスクの技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、 様々なアクセサリーやフィギアなどの装飾品を取り付け具でマスクを挟んで着脱可能に仕立てるマスク用アクセサリーの技術が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
しかし、特許文献1に示された技術では、面ファスナーで装飾部材をマスクに取り付けているため、宝石等の高価な装飾部材は落下してしまう不安が生ずるという問題点がある。また、特許文献1に示された技術では、スナップボタンを利用してアクセサリーを取り付けているため、着用者の肌にスナップボタンがあたってしまい、つけ心地が悪いという問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第3227497号公報
【特許文献2】特開2017-192679公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、このような社会的、技術的背景に基づいたものであり、次のような目的を達成する。本発明の目的は、意匠性の良いマスクを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、前記目的を達成するために次の手段をとる。
(1)請求項1のマスクは、シート状の表面部(11、12)と、前記表面部に重ねられるシート状の裏面部(13、14)とから形成され、着用者の顔面を覆う本体部(10)と、前記本体部に取り付けられ、前記本体部を着用者の顔面に支持する支持部(20)と、前記表面部(11、12)に吊り下げられ、前記本体部を宝石(31)により装飾する宝飾部(30)と、前記表面部に取り付けられ、前記宝石(31)を吊り下げる吊下部(32)を遮蔽する遮蔽部(40)とを備えることを特徴とする。
(2)請求項2のマスクは、請求項1に記載されたマスクであって、前記遮蔽部に形成され、前記本体部を装飾する第一装飾部(41)と、前記本体部に取り付けられ、前記第一装飾部と組み合わせることで、まとまった形状及び/又は模様となり、前記本体部を装飾する第二装飾部(50)とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
以上説明したように、本発明のマスクは意匠性が良い。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、第一実施形態のマスク1を示す外観図である。
図2図2は、図1のR部分を拡大した状態を示す拡大図である。
図3図3は、第二実施形態のマスク101を示す外観図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(1)実施形態の概要
本実施形態のマスク1は、シート状の表面部11、12と、前記表面部11、12に重ねられるシート状の裏面部13、14とから形成され、着用者の顔面を覆う本体部10と、前記本体部10に取り付けられ、前記本体部10を着用者の顔面に支持する支持部20と、前記表面部11、12に吊り下げられ、前記本体部10を宝石31により装飾する宝飾部30と、前記表面部11、12に取り付けられ、前記宝石31を吊り下げる吊下部32を遮蔽する遮蔽部40とを備える。マスク1は、高価な宝飾部30が本体部10にしっかり吊下られるとともに、遮蔽部40が吊下部32を遮蔽するため、宝飾部30による宝飾が際立ち意匠性が向上する。
【0011】
(2)実施形態の詳細
〔第一実施形態〕
第一実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1(a)は、第一実施形態のマスク1を正面側から観察した外観図であり、図1(b)は、マスク1を背面側から観察した外観図である。図2は、図1のR部分を拡大した状態を示す拡大図である。図2(a)は、第二表面部12に遮断部40が取り付けられる前の状態を示し、図2(b)は、第二表面部12に遮断部40が取り付けられた状態を示し、図2(c)は、第二表面部12に宝飾部50が取り付けられた状態を示す。
【0012】
〔マスク1〕
第一実施形態におけるマスク1は、顔の鼻や口を覆い風邪やインフルエンザ等の罹患予防に使用され、他者への感染防止等にも使用される。図1に示すように、マスク1は、本体部10、支持部20、宝飾部30及び遮蔽部40等の部材から構成されている。マスク1は、本体部10、支持部20及び遮蔽部40が縫製されて形成されている。
【0013】
〔本体部10〕
本体部10は、着用者の顔の鼻や口を覆う部材であり、布、ガーゼ又は不織布等の材料で形成されている。図1に示すように、本体部10は、第一表面部11、第二表面部12、第一裏面部13及び第二裏面部14とから構成されている。本体部10は、第一表面部11、第二表面部12、第一裏面部13及び第二裏面部14が縫製されて六角形状に形成されている。
【0014】
図1(a)に示すように、第一表面部11は、略四角形状の抗菌、抗ウィルス加工の生地で形成されている。第一表面部11は、図1(a)から観察すると、左辺と右辺が略平行であり、左辺が右辺と比較して短い略台形形状に形成されている。第一表面部11は、本体部10の飾りとして刺繍による飾り部15が取り付けられている。第一表面部11の裏側には、図1(b)に示すように、略同一の形状に形成された第一裏面部13が縫製されている。第一表面部11の左辺には、支持部20が縫製されて取り付けられている。第一表面部11の右辺には、第二表面部12の左辺が縫製されて取り付けられている。
【0015】
図1(a)に示すように、第二表面部12は、略四角形状の抗菌、抗ウィルスの加工生地で形成されている。第二表面部12は、図1(a)から観察すると、左辺と右辺が略平行であり、左辺が右辺と比較して長い略台形形状に形成されている。第二表面部12は、本体部10の飾りとして刺繍による飾り部15が取り付けられている。第二表面部12は、本体部10の飾りとして刺繍による第二装飾部50が取り付けられている。
【0016】
図2に示すように、第二表面部12は、宝飾部30の吊下部32を吊り下げるための環状部16が取り付けられている。環状部16は、図2(a)に示すように、第二装飾部50の付近に取り付けられ、図2(b)に示すように、第二表面部12に遮断部40が取り付けられたとき、遮断部40の下に遮蔽されるように配置されている。環状部16は、図2(a)に示すように、一端が小さい輪で形成され、他端が略ダルマ形状の輪で形成されている。環状部16は、一端の小さい輪が第二表面部12に縫製され、他端の略ダルマ形状の輪に宝飾部30が取り付けられる。
【0017】
第二表面部12の裏側には、図1(b)に示すように、略同一の形状に形成された第二裏面部14が縫製されている。第二表面部12の右辺には、支持部20が縫製されて取り付けられている。第二表面部12の左辺には、第一表面部11の右辺が縫製されて取り付けられている。
【0018】
図1(b)に示すように、第一裏面部13は、略四角形状のシルク生地布で形成されている。第一裏面部13は、図1(b)から観察すると、左辺と右辺が略平行であり、左辺が右辺と比較して長い略台形形状に形成されている。第一裏面部13の裏側には、図1(a)に示すように、略同一の形状に形成された第一表面部11が縫製されている。第一裏面部13の右辺には、支持部20が縫製されて取り付けられている。第一裏面部13の左辺には、第二裏面部14の右辺が縫製されて取り付けられている。
【0019】
図1(b)に示すように、第二裏面部14は、略四角形状のシルク生地で形成されている。第二裏面部14は、図1(b)から観察すると、左辺と右辺が略平行であり、左辺が右辺と比較して短い略台形形状に形成されている。第二裏面部14の裏側には、図1(a)に示すように、略同一の形状に形成された第二表面部12が縫製されている。第二裏面部14の左辺には、支持部20が縫製されて取り付けられている。第二裏面部14の右辺には、第一裏面部13の左辺が縫製されて取り付けられている。第一裏面部13及び第二裏面部14は、第一表面部11及び第二表面部12と比較して、シルク生地で形成され、飾り部15や第二装飾部50等が取り付けられていない。このため、マスク1は、着用時に着用者の肌に何も当たらないため、付け心地が良い。
【0020】
〔支持部20〕
支持部20は、本体部10に取り付けられ、本体部10を着用者の顔面に支持する部材である。図1(a)に示すように、支持部20は、本体部10の左右両端に取り付けられる、紐やゴム等の紐状部材である。支持部20は、耳に掛けることができるように輪状に形成され、輪状の大きさを調整する調整部21が取り付けられている。支持部20の一方は、第一表面部11と第一裏面部13に挟まれて取り付けられ、支持部20の他方は、第二表面部12と第二裏面部14に挟まれて取り付けられている。
【0021】
〔宝飾部30〕
宝飾部30は、第一表面部11及び/又は第二表面部12に吊り下げられ、本体部10を宝石31により装飾する部材である。図2(b)に示すように、宝飾部30は、宝石31、吊下部32及び引き輪33とから構成されている。本例において、宝石31は、ダイヤモンドが使用されている。吊下部32は、鎖等の金具で形成され、宝石31を吊り下げる部材である。吊下部32は、一端が引き輪33に取り付けられて、他端が宝石31に取り付けられている。引き輪33は、つまみの付いた輪状の金具であり、つまみを動かすことで、引き輪33の一部が開き、環状部16に引っかけることができる。宝飾部30は、引き輪33が取り付けられているため、本体部10に対して着脱自在である。宝飾部30は、本体部10に吊り下げられるため、着用者の動きに応じて、宝石31が揺れて輝く。
【0022】
〔遮蔽部40〕
遮蔽部40は、第一表面部11及び/又は第二表面部12に取り付けられ、環状部16と吊下部32を遮蔽する部材である。図2(a)に示すように、遮蔽部40は、第二表面部12に縫製糸42で2カ所縫製されている。図2(b)に示すように、第二表面部12に遮蔽部40が取り付けられることで、環状部16が遮蔽される。本例において、第二表面部12に取り付けられた遮蔽部40を捲ることで、遮蔽部40に遮蔽された環状部16に宝飾部30を取り付けることができる。図2(c)に示すように、遮蔽部40は、宝石31を揺動可能な状態で、環状部16、吊下部32及び引き輪33を遮蔽する。遮蔽部40は、本体部10を装飾するための第一装飾部41が形成されている。第一装飾部41は、遮蔽部40が第一表面部11及び/又は第二表面部12に取り付けて、第二装飾部50と組み合わせることで、まとまった形状及び/又は模様となる部材である。
【0023】
本例において、第一装飾部41は、第二装飾部50と組み合わせることで、一輪の花の模様になる刺繍である。第一装飾部41は、1つの花心と4枚の花びらを模した形状に形成されている。遮蔽部40は、第一表面部11及び/又は第二表面部12に対して、着脱自在に取り付けられても良い。マスク1は、遮蔽部40が環状部16や吊下部32を遮蔽しているため、吊下部32の金属特有のギラついた光沢が隠され、本体部10を形成する生地の柔らかな印象と、宝石31の輝きが着用者の印象を向上させる。マスク1は、遮蔽部40が吊下部32を遮蔽しているため、吊下部32が外部の何かに引っかからない。
【0024】
〔第二装飾部50〕
第二装飾部50は、第一表面部11及び/又は第二表面部12に取り付けられ、第一装飾部41と組み合わせることで、まとまった形状及び/又は模様となる部材である。本例において、第二装飾部50は、第一装飾部41と組み合わせることで、一輪の花の模様になる刺繍である。第二装飾部50は、6枚の花びらを模した形状に形成されている。
【0025】
マスク1は、高価な宝飾部30が吊下部32を介してしっかり取り付けられ、取り付けられた吊下部32を遮蔽部40で遮蔽するため、マスク1の意匠性が向上する。マスク1は、宝飾部30が本体部10に対して着脱自在なので、本体部10から宝飾部30を外した状態で洗濯ができる。
【0026】
〔第二実施形態〕
本発明の第二実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、第二実施形態のマスク101は、前述した第一実施形態のマスク1とほぼ同様の構成である。このため、異なる構成である飾り部115、遮蔽部140の詳細な説明はするが、同様の構成については説明は省略する。第二表面部12は、本体部10の飾りとして複数のスパンコールと複数の模倣宝石による飾り部115が取り付けられている。図3は、第二実施形態のマスク101を示す外観図である。
【0027】
遮蔽部140は、第一表面部11及び/又は第二表面部12に取り付けられ、吊下部32を遮蔽する部材である。遮蔽部140は、宝石31を揺動可能な状態で、吊下部32を遮蔽する。本例において、遮蔽部140は、プラスチックの小片である。
【0028】
以上、本発明の実施の形態の説明を行ったが、本発明は、この実施の形態に限定されることはなく、本発明の目的、趣旨を逸脱しない範囲内で変更ができる。本例において、マスク1は、表面側が第一表面部11及び第二表面部12の二枚の部材で形成されているが、一枚の部材で形成されても良い。本例において、マスク1は、裏面側が第一裏面部13及び第二裏面部14の二枚の部材で形成されているが、一枚の部材で形成されても良い。本例において、マスク1は、六角形状に形成されているが、着用者の顔の形に応じて、他の形状に形成しても良い。第二表面部12に形成される飾り部15や飾り部115は、刺繍、レース、スパンコール又は模倣宝石以外に、石、貝殻、プラスチックの小片等その他の飾りであっても良い。
【0029】
遮蔽部40は、宝飾部30の吊下部32及び引き輪33を遮蔽するのであれば、刺繍やプラスチックの小片に限らずその他の部材であっても良い。本例において、第一装飾部41と第二装飾部50とは、組み合わせることで一輪の花の模様が形成されるが、キャラクター、動物、昆虫、風景その他の模様であっても良いことは言うまでもない。例えば、第一装飾部41と第二装飾部50とを組み合わせることで、蝶の模様が形成されても良い。
【符号の説明】
【0030】
1 :マスク
10 :本体部
20 :支持部
30 :宝飾部
40 :遮蔽部
図1
図2
図3