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特開2022-97961ヘッドチップ、液体噴射ヘッド及び液体噴射記録装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022097961
(43)【公開日】2022-07-01
(54)【発明の名称】ヘッドチップ、液体噴射ヘッド及び液体噴射記録装置
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/14 20060101AFI20220624BHJP
   B41J 2/18 20060101ALI20220624BHJP
【FI】
B41J2/14 303
B41J2/14 611
B41J2/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020211236
(22)【出願日】2020-12-21
(71)【出願人】
【識別番号】501167725
【氏名又は名称】エスアイアイ・プリンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(72)【発明者】
【氏名】久保田 禅
【テーマコード(参考)】
2C056
2C057
【Fターム(参考)】
2C056KB16
2C057AF51
2C057AG44
2C057AG92
2C057AG93
2C057AP22
2C057BA14
(57)【要約】
【課題】吐出圧力を確保することができるヘッドチップ、液体噴射ヘッド及び液体噴射記録装置を提供する。
【解決手段】本開示の一態様に係るヘッドチップは、第1吐出チャネル62及び第2吐出チャネル63が形成されたアクチュエータプレート53と、アクチュエータプレート53の下端面上に設けられ帰還プレート52と、を備えている。第1吐出チャネル62は、X方向で向かい合う一対の上流駆動壁71,72により囲まれている。第2吐出チャネル63は、X方向で向かい合う一対の下流駆動壁73,74により囲まれている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に間隔をあけて配列されるとともに、前記第1方向に交差する第2方向の一方側を向く端面上で開口する第1噴射チャネル及び第2噴射チャネルが形成されたアクチュエータプレートと、
前記アクチュエータプレートの前記端面上に設けられ、前記第1噴射チャネル及び前記第2噴射チャネル間を接続する接続路、及び前記接続路の内外を連通する噴射孔を有するエンド部材と、を備え、
前記第1噴射チャネルは、前記第1方向で向かい合うとともに、前記第1噴射チャネルを拡大又は縮小させるように変形する一対の第1駆動壁により囲まれ、
前記第2噴射チャネルは、前記第1方向で向かい合うとともに、前記第2噴射チャネルを拡大又は縮小させるように変形する一対の第2駆動壁により囲まれているヘッドチップ。
【請求項2】
前記アクチュエータプレートには、
前記第1噴射チャネルに対して前記第2噴射チャネルとは反対側に位置し、前記第2方向に延びる第1非噴射チャネルと、
前記第1噴射チャネル及び前記第2噴射チャネルの間に位置し、前記第2方向に延びる第2非噴射チャネルと、
前記第2噴射チャネルに対して前記第1噴射チャネルとは反対側に位置し、前記第2方向に延びる第3非噴射チャネルと、が形成され、
前記一対の第1駆動壁のうち、一方の前記第1駆動壁は、前記第1噴射チャネルと前記第1非噴射チャネルとの間に位置する部分であり、
前記一対の第1駆動壁のうち、他方の前記第1駆動壁は、前記第1噴射チャネルと前記第2非噴射チャネルとの間に位置する部分であり、
前記一対の第2駆動壁のうち、一方の前記第2駆動壁は、前記第2噴射チャネルと前記第2非噴射チャネルとの間に位置する部分であり、
前記一対の第2駆動壁のうち、他方の前記第2駆動壁は、前記第2噴射チャネルと前記第3非噴射チャネルとの間に位置する部分である請求項1に記載のヘッドチップ。
【請求項3】
前記第1非噴射チャネル、前記第2非噴射チャネル及び前記第3非噴射チャネルは、前記アクチュエータプレートの前記端面上で開口し、
前記エンド部材は、前記第1非噴射チャネル、前記第2非噴射チャネル及び前記第3非噴射チャネルを閉塞する閉塞部を備えている請求項2に記載のヘッドチップ。
【請求項4】
前記第2方向から見て前記第1方向に交差する方向を前記アクチュエータプレートの厚さ方向とすると、
前記第1噴射チャネルは、前記アクチュエータプレートのうち前記厚さ方向の第1主面上で少なくとも開口し、
前記第2噴射チャネルは、前記アクチュエータプレートのうち前記厚さ方向の第2主面上で少なくとも開口し、
前記アクチュエータプレートの前記第1主面側には、前記第1噴射チャネル内に連通する第1液体流路が形成された第1カバープレートが設けられ、
前記アクチュエータプレートの前記第2主面側には、前記第2噴射チャネル内に連通する第2液体流路が形成された第2カバープレートが設けられている請求項1から請求項3の何れか1項に記載のヘッドチップ。
【請求項5】
前記アクチュエータプレートは、前記第1噴射チャネルに対して前記第2方向の他方側に位置する尾部を備え、
前記第2噴射チャネルは、前記アクチュエータプレートを前記厚さ方向に貫通し、
前記アクチュエータプレートには、
前記第1噴射チャネルの内面及び前記尾部における前記第1主面に亘って形成された第1配線部と、
前記第2噴射チャネルの内面及び前記尾部における前記第1主面に亘って形成された第2配線部と、が形成されている請求項4に記載のヘッドチップ。
【請求項6】
前記第1噴射チャネルの内面のうち前記第2方向の一方側に露呈する面は、前記第1主面上での前記第1噴射チャネルの開口縁の一部を構成するとともに、前記厚さ方向において前記第2主面側に向かうに従い前記第2方向に一方側に向けて延びる第1ガイド面を備え、
前記第2噴射チャネルの内面のうち前記第2方向の一方側に露呈する面は、
前記厚さ方向において前記第1主面側に向かうに従い前記第2方向に一方側に向けて延びる第2ガイド面と、
前記厚さ方向において前記第1主面側に向かうに従い前記第2方向に他方側に向けて延びるとともに、前記第1主面上での前記第2噴射チャネルの開口縁の一部を構成する傾斜面と、を備え、
前記第1配線部は、
前記第1噴射チャネルの内面のうち前記第1方向で向かい合う内側面に形成された第1対向電極と、
前記尾部における前記第1主面に形成された第1端子と、
前記第1ガイド面に形成され、前記第1対向電極及び前記第1端子間を電気的に接続する第1接続部と、を備え、
前記第2配線部は、
前記第2噴射チャネルの内面のうち前記第1方向で向かい合う内側面に形成された第2対向電極と、
前記尾部における前記第1主面に形成された第2端子と、
前記傾斜面に形成され、前記第2対向電極及び前記第2端子間を電気的に接続する第2接続部と、を備えている請求項5に記載のヘッドチップ。
【請求項7】
第1方向に間隔をあけて配列されるとともに、前記第1方向に交差する第2方向の一方側を向く端面上で開口する第1噴射チャネル及び第2噴射チャネルが形成されたアクチュエータプレートと、
前記アクチュエータプレートの前記端面上に設けられ、前記第1噴射チャネル及び前記第2噴射チャネル間を接続する接続路、及び前記接続路の内外を連通する噴射孔を有するエンド部材と、を備え、
前記第1噴射チャネルは、前記第1方向から見て前記第2方向に交差する厚さ方向において前記アクチュエータプレートの第1主面上で少なくとも開口するとともに、前記第2方向の一方側に露呈する面に、前記第1主面上での前記第1噴射チャネルの開口縁の一部を構成するとともに、前記厚さ方向において前記第2主面側に向かうに従い前記第2方向に一方側に向けて延びる第1ガイド面を備え、
前記第2噴射チャネルは、前記アクチュエータプレートのうち前記厚さ方向の第2主面上で少なくとも開口するとともに、前記第2方向の一方側に露呈する面に、前記厚さ方向において前記第1主面側に向かうに従い前記第2方向に一方側に向けて延びる第2ガイド面を備え、
前記アクチュエータプレートの前記第1主面側には、前記厚さ方向で前記第1ガイド面に向かい合う位置に前記第1噴射チャネル内に連通する第1液体流路が形成された第1カバープレートが設けられ、
前記アクチュエータプレートの前記第2主面側には、前記厚さ方向で前記第2ガイド面に向かい合う位置に前記第2噴射チャネル内に連通する第2液体流路が形成された第2カバープレートが設けられているヘッドチップ。
【請求項8】
請求項1から請求項7の何れか1項に記載のヘッドチップを備えている液体噴射ヘッド。
【請求項9】
請求項8に記載の液体噴射ヘッドを備えている液体噴射記録装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ヘッドチップ、液体噴射ヘッド及び液体噴射記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
インクジェットプリンタに搭載されるインクジェットヘッドは、インクジェットヘッドに搭載されるヘッドチップを通じて被記録媒体にインクを吐出する。ヘッドチップは、吐出チャネル及び非吐出チャネルが形成されたアクチュエータプレートと、吐出チャネルに連通するノズル孔を有するノズルプレートと、を備えている。吐出チャネル及び非吐出チャネルは、駆動壁を隔てて交互に配列されている。
ヘッドチップにおいて、インクを吐出させるには、駆動壁に形成された電極間に電圧を印加して、駆動壁を厚み滑り変形させる。これにより、吐出チャネル内の容積が変化することで、吐出チャネル内のインクがノズル孔を通じて吐出される。
【0003】
例えば下記特許文献1には、一の非吐出チャネルに対して両側に配置された一対の吐出チャネル間でインクを循環させる、いわゆる循環式のヘッドチップが開示されている。具体的に、下記特許文献1に記載のヘッドチップは、アクチュエータプレートとノズルプレートとの間に、一対の吐出チャネル、及びノズル孔間を連通させる帰還路が設けられている。
この構成によれば、駆動壁の変形に伴う吐出チャネル内の圧力変動が帰還路を流通するインクに伝播することで、帰還路を流通するインクがノズル孔を通じて吐出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010-30314号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した特許文献1のヘッドチップにあっては、一対の吐出チャネルと、非吐出チャネルと、の間を仕切る部分のみが駆動壁として機能する構成である。すなわち、特許文献1に記載のヘッドチップでは、一の吐出チャネルに対して片側のみにしか駆動壁が設けられていないため、インク吐出時における吐出チャネル内の容積変化量には限界があった。したがって、従来のヘッドチップでは、吐出圧力を確保する点で未だ改善の余地があった。
【0006】
本開示は、吐出圧力を確保することができるヘッドチップ、液体噴射ヘッド及び液体噴射記録装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本開示は以下の態様を採用した。
(1)本開示の一態様に係るヘッドチップは、第1方向に間隔をあけて配列されるとともに、前記第1方向に交差する第2方向の一方側を向く端面上で開口する第1噴射チャネル及び第2噴射チャネルが形成されたアクチュエータプレートと、前記アクチュエータプレートの前記端面上に設けられ、前記第1噴射チャネル及び前記第2噴射チャネル間を接続する接続路、及び前記接続路の内外を連通する噴射孔を有するエンド部材と、を備え、前記第1噴射チャネルは、前記第1方向で向かい合うとともに、前記第1噴射チャネルを拡大又は縮小させるように変形する一対の第1駆動壁により囲まれ、前記第2噴射チャネルは、前記第1方向で向かい合うとともに、前記第2噴射チャネルを拡大又は縮小させるように変形する一対の第2駆動壁により囲まれている。
【0008】
本態様によれば、接続路を挟んで両側に位置する第1噴射チャネル及び第2噴射チャネルがそれぞれ一対の駆動壁により囲まれている。液体噴射時において、第1駆動壁及び第2駆動壁をそれぞれ変形させることで、液体経路(第1噴射チャネルから接続路を経て第2噴射チャネルに至る流路)内の容積変化を大きくすることができる。その結果、液体流路内の液体に対し強い圧力波を発生させることができる。そのため、液体の噴射圧力を確保できる。
【0009】
(2)上記(1)の態様に係る態様のヘッドチップにおいて、前記アクチュエータプレートには、前記第1噴射チャネルに対して前記第2噴射チャネルとは反対側に位置し、前記第2方向に延びる第1非噴射チャネルと、前記第1噴射チャネル及び前記第2噴射チャネルの間に位置し、前記第2方向に延びる第2非噴射チャネルと、前記第2噴射チャネルに対して前記第1噴射チャネルとは反対側に位置し、前記第2方向に延びる第3非噴射チャネルと、が形成され、前記一対の第1駆動壁のうち、一方の前記第1駆動壁は、前記第1噴射チャネルと前記第1非噴射チャネルとの間に位置する部分であり、前記一対の第1駆動壁のうち、他方の前記第1駆動壁は、前記第1噴射チャネルと前記第2非噴射チャネルとの間に位置する部分であり、前記一対の第2駆動壁のうち、一方の前記第2駆動壁は、前記第2噴射チャネルと前記第2非噴射チャネルとの間に位置する部分であり、前記一対の第2駆動壁のうち、他方の前記第2駆動壁は、前記第2噴射チャネルと前記第3非噴射チャネルとの間に位置する部分であることが好ましい。
本態様によれば、各噴射チャネルの間に非噴射チャネルを形成することで、噴射チャネルと非噴射チャネルとで囲まれた部分に駆動壁が形成される。これにより、各噴射チャネル噴射の両側に駆動壁を簡単に形成することができる。
【0010】
(3)上記(2)の態様に係る態様のヘッドチップにおいて、前記第1非噴射チャネル、前記第2非噴射チャネル及び前記第3非噴射チャネルは、前記アクチュエータプレートの前記端面上で開口し、前記エンド部材は、前記第1非噴射チャネル、前記第2非噴射チャネル及び前記第3非噴射チャネルを閉塞する閉塞部を備えていることが好ましい。
本態様によれば、非噴射チャネルのうちアクチュエータプレートの端面上での開口部をエンド部で閉塞することで、駆動壁を端面まで延ばすことができる。これにより、液体の噴射圧力を噴射孔まで効果的に伝播させ易い。
【0011】
(4)上記(1)から(3)の何れかの態様に係る態様のヘッドチップにおいて、前記第2方向から見て前記第1方向に交差する方向を前記アクチュエータプレートの厚さ方向とすると、前記第1噴射チャネルは、前記アクチュエータプレートのうち前記厚さ方向の第1主面上で少なくとも開口し、前記第2噴射チャネルは、前記アクチュエータプレートのうち前記厚さ方向の第2主面上で少なくとも開口し、前記アクチュエータプレートの前記第1主面側には、前記第1噴射チャネル内に連通する第1液体流路が形成された第1カバープレートが設けられ、前記アクチュエータプレートの前記第2主面側には、前記第2噴射チャネル内に連通する第2液体流路が形成された第2カバープレートが設けられていることが好ましい。
本態様によれば、第1噴射チャネル及び第2噴射チャネルがアクチュエータプレートの異なる主面で少なくとも開口することで、アクチュエータプレートに対して厚さ方向の両側にカバープレートをそれぞれ設けることが可能になる。これにより、第1液体流路及び第2液体流路を一枚のカバープレートに比べ、構成の簡素化を図ることができる。
【0012】
(5)上記(4)の態様に係る態様のヘッドチップにおいて、前記アクチュエータプレートは、前記第1噴射チャネルに対して前記第2方向の他方側に位置する尾部を備え、前記第2噴射チャネルは、前記アクチュエータプレートを前記厚さ方向に貫通し、前記アクチュエータプレートには、前記第1噴射チャネルの内面及び前記尾部における前記第1主面に亘って形成された第1配線部と、前記第2噴射チャネルの内面及び前記尾部における前記第1主面に亘って形成された第2配線部と、が形成されていることが好ましい。
本態様によれば、各噴射チャネルに対応する配線部を、アクチュエータプレートの第1主面側で外部配線に接続することができる。これにより、構成の簡素化を図ることができる。
【0013】
(6)上記(5)の態様に係る態様のヘッドチップにおいて、前記第1噴射チャネルの内面のうち前記第2方向の一方側に露呈する面は、前記第1主面上での前記第1噴射チャネルの開口縁の一部を構成するとともに、前記厚さ方向において前記第2主面側に向かうに従い前記第2方向に一方側に向けて延びる第1ガイド面を備え、前記第2噴射チャネルの内面のうち前記第2方向の一方側に露呈する面は、前記厚さ方向において前記第1主面側に向かうに従い前記第2方向に一方側に向けて延びる第2ガイド面と、前記厚さ方向において前記第1主面側に向かうに従い前記第2方向に他方側に向けて延びるとともに、前記第1主面上での前記第2噴射チャネルの開口縁の一部を構成する傾斜面と、を備え、前記第1配線部は、前記第1噴射チャネルの内面のうち前記第1方向で向かい合う内側面に形成された第1対向電極と、前記尾部における前記第1主面に形成された第1端子と、前記第1ガイド面に形成され、前記第1対向電極及び前記第1端子間を電気的に接続する第1接続部と、を備え、前記第2配線部は、前記第2噴射チャネルの内面のうち前記第1方向で向かい合う内側面に形成された第2対向電極と、前記尾部における前記第1主面に形成された第2端子と、前記傾斜面に形成され、前記第2対向電極及び前記第2端子間を電気的に接続する第2接続部と、を備えていることが好ましい。
本態様によれば、例えば第1液体流路を入口側流路とし、第2液体流路を出口側流路とした場合には、第1液体流路から第1噴射チャネル内に流入した液体は、第1ガイド面に沿ってエンド部材(接続路)に向けてスムーズに流れる。一方、接続路から第2噴射チャネル内に流入した液体は、第2ガイド面に沿って第2液体流路に向けてスムーズに流れる。これにより、噴射チャネル内での圧力損失を軽減し、液体経路内において液体を効率的に循環させることができる。
しかも、本態様では、第1噴射チャネルの第1ガイド面が第1噴射チャネルの開口部を通じて第1主面側に露呈し、第2噴射チャネルの傾斜面が第2噴射チャネルの開口部を通じて第1主面側に露呈する。これにより、第1主面側の開口部を通じて各噴射チャネル内に第1配線部及び第2配線部の電極材料を供給する際に、第1配線部の電極材料を第1ガイド面に効果的に成膜できるとともに、第2配線部の電極材料を傾斜面に効果的に成膜できる。これにより、対向電極と端子部との電気的な接続を確保できる。
【0014】
(7)本開示の一態様に係るヘッドチップは、第1方向に間隔をあけて配列されるとともに、前記第1方向に交差する第2方向の一方側を向く端面上で開口する第1噴射チャネル及び第2噴射チャネルが形成されたアクチュエータプレートと、前記アクチュエータプレートの前記端面上に設けられ、前記第1噴射チャネル及び前記第2噴射チャネル間を接続する接続路、及び前記接続路の内外を連通する噴射孔を有するエンド部材と、を備え、前記第1噴射チャネルは、前記第1方向から見て前記第2方向に交差する厚さ方向において前記アクチュエータプレートの第1主面上で少なくとも開口するとともに、前記第2方向の一方側に露呈する面に、前記第1主面上での前記第1噴射チャネルの開口縁の一部を構成するとともに、前記厚さ方向において前記第2主面側に向かうに従い前記第2方向に一方側に向けて延びる第1ガイド面を備え、前記第2噴射チャネルは、前記アクチュエータプレートのうち前記厚さ方向の第2主面上で少なくとも開口するとともに、前記第2方向の一方側に露呈する面に、前記厚さ方向において前記第1主面側に向かうに従い前記第2方向に一方側に向けて延びる第2ガイド面を備え、前記アクチュエータプレートの前記第1主面側には、前記厚さ方向で前記第1ガイド面に向かい合う位置に前記第1噴射チャネル内に連通する第1液体流路が形成された第1カバープレートが設けられ、前記アクチュエータプレートの前記第2主面側には、前記厚さ方向で前記第2ガイド面に向かい合う位置に前記第2噴射チャネル内に連通する第2液体流路が形成された第2カバープレートが設けられている。
本態様によれば、例えば第1液体流路を入口側流路とし、第2液体流路を出口側流路とした場合には、第1液体流路から第1噴射チャネル内に流入した液体は、第1ガイド面に沿ってエンド部材(接続路)に向けてスムーズに流れる。一方、接続路から第2噴射チャネル内に流入した液体は、第2ガイド面に沿って第2液体流路に向けてスムーズに流れる。これにより、噴射チャネル内での圧力損失を軽減し、液体経路内において液体を効率的に循環させることができる。
【0015】
(8)本開示の一態様に係る液体噴射ヘッドは、上記(1)から(7)の何れかの態様に係るヘッドチップを備えている。
本態様によれば、吐出圧力を確保し、高性能な液体噴射ヘッドを提供できる。
【0016】
(9)本開示の一態様に係る液体噴射記録装置は、上記(8)の何れかの態様に係る液体噴射ヘッドを備えている。
本態様によれば、吐出圧力を確保し、高性能な液体噴射記録装置を提供できる。
【発明の効果】
【0017】
本開示の一態様によれば、吐出圧力を確保することができるヘッドチップ、液体噴射ヘッド及び液体噴射記録装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】実施形態に係るインクジェットプリンタの概略構成図である。
図2】実施形態に係るインクジェットヘッド及びインク循環機構の概略構成図である。
図3】実施形態に係るヘッドチップの分解斜視図である。
図4図5のIV-IV線に対応する断面図である。
図5図4のV-V線に対応する断面図である。
図6図4のVI-VI線に対応する断面図である。
図7図4のVII-VII線に対応する断面図である。
図8図4のVIII-VIII線に対応する断面図である。
図9図4のIX-IX線に対応する断面図である。
図10】実施形態に係るヘッドチップの製造方法を説明するための工程図であって、図3に対応する斜視図である。
図11】実施形態に係るヘッドチップの製造方法を説明するための工程図であって、図3に対応する斜視図である。
図12】実施形態に係るヘッドチップの製造方法を説明するための工程図であって、図3に対応する斜視図である。
図13】実施形態に係るヘッドチップの製造方法を説明するための工程図であって、図3に対応する斜視図である。
図14】実施形態に係るヘッドチップの製造方法を説明するための工程図であって、図3に対応する斜視図である。
図15】実施形態に係るヘッドチップの製造方法を説明するための工程図であって、図3に対応する斜視図である。
図16】実施形態の変形例に係る図6に対応する断面図である。
図17】実施形態の変形例に係る図9に対応する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本開示に係る実施形態について図面を参照して説明する。以下で説明する実施形態や変形例において、対応する構成については同一の符号を付して説明を省略する場合がある。なお、以下の説明において、例えば「平行」や「直交」、「中心」、「同軸」等の相対的又は絶対的な配置を示す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差や同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。以下の実施形態では、インク(液体)を利用して被記録媒体に記録を行うインクジェットプリンタ(以下、単にプリンタという)を例に挙げて説明する。なお、以下の説明に用いる図面では、各部材を認識可能な大きさとするため、各部材の縮尺を適宜変更している。
【0020】
[プリンタ1]
図1はプリンタ1の概略構成図である。
図1に示すように、本実施形態のプリンタ(液体噴射記録装置)1は、一対の搬送機構2,3と、インクタンク4と、インクジェットヘッド(液体噴射ヘッド)5と、インク循環機構6と、走査機構7と、を備えている。
【0021】
以下の説明では、必要に応じてX,Y,Zの直交座標系を用いて説明する。この場合、X方向(第1方向)は被記録媒体P(例えば、紙等)の搬送方向(副走査方向)に一致している。Y方向(厚さ方向)は走査機構7の走査方向(主走査方向)に一致している。Z方向(第1方向)は、X方向及びY方向に直交する高さ方向(重力方向)を示している。以下の説明では、X方向、Y方向及びZ方向のうち、図中矢印側をプラス(+)側とし、矢印とは反対側をマイナス(-)側として説明する。本実施形態において、+Z側は重力方向の上方に相当し、-Z側は重力方向の下方に相当する。
【0022】
搬送機構2,3は、被記録媒体Pを+X側に搬送する。搬送機構2,3は、例えばY方向に延びる一対のローラ11,12をそれぞれ含んでいる。
インクタンク4は、例えばイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のインクが各別に収容されている。各インクジェットヘッド5は、接続されたインクタンク4に応じてイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色のインクをそれぞれ吐出可能に構成されている。なお、インクタンク4に収容されるインクは、導電性インクであっても、非導電性インクであってもよい。
【0023】
図2は、インクジェットヘッド5及びインク循環機構6の概略構成図である。
図1図2に示すように、インク循環機構6は、インクタンク4とインクジェットヘッド5との間でインクを循環させる。具体的に、インク循環機構6は、インク供給管21及びインク排出管22を有する循環流路23と、インク供給管21に接続された加圧ポンプ24と、インク排出管22に接続された吸引ポンプ25と、を備えている。
【0024】
加圧ポンプ24は、インク供給管21内を加圧し、インク供給管21を通してインクジェットヘッド5にインクを送り出している。これにより、インクジェットヘッド5に対してインク供給管21側は正圧となっている。
吸引ポンプ25は、インク排出管22内を減圧し、インク排出管22内を通してインクジェットヘッド5からインクを吸引している。これにより、インクジェットヘッド5に対してインク排出管22側は負圧となっている。インクは、加圧ポンプ24及び吸引ポンプ25の駆動により、インクジェットヘッド5とインクタンク4との間を、循環流路23を通して循環可能となっている。
【0025】
走査機構7は、インクジェットヘッド5をY方向に往復走査させる。走査機構7は、Y方向に延びるガイドレール28と、ガイドレール28に移動可能に支持されたキャリッジ29と、を備えている。
【0026】
<インクジェットヘッド5>
図1に示すように、インクジェットヘッド5は、キャリッジ29に搭載されている。図示の例では、複数のインクジェットヘッド5が、一つのキャリッジ29にY方向に並んで搭載されている。インクジェットヘッド5は、ヘッドチップ50(図3参照)と、インク循環機構6及びヘッドチップ50間を接続するインク供給部(不図示)と、ヘッドチップ50に駆動電圧を印加する制御部(不図示)と、を備えている。
【0027】
<ヘッドチップ50>
図3は、ヘッドチップ50の分解斜視図である。図4は、図5のIV-IV線に対応する断面図である。
図3図4に示すヘッドチップ50は、インクタンク4との間でインクを循環させるとともに、後述する吐出チャネル62,63における延在方向(Z方向)の端部からインクを吐出する、いわゆる縦循環式エッジシュートタイプのヘッドチップ50である。ヘッドチップ50は、ノズルプレート51(エンド部材:図4参照)と、帰還プレート(エンド部材)52と、アクチュエータプレート53と、第1カバープレート54と、第2カバープレート55と、を備えている。
【0028】
アクチュエータプレート53は、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)等の圧電材料で形成されている。アクチュエータプレート53は、例えば分極方向がY方向(厚さ方向)の全域で一方向な、いわゆるモノポール基板である。但し、アクチュエータプレート53は、分極方向がY方向で異なる2枚の圧電板を積層してなる、いわゆるシェブロン基板であってもよい。
【0029】
アクチュエータプレート53には、複数の循環チャネル58が設けられている。循環チャネル58は、アクチュエータプレート53においてX方向に並んで設けられている。循環チャネル58は、第1吐出チャネル(噴射チャネル)62、及び第1吐出チャネル(噴射チャネル)62に対して-X側に配置された第2吐出チャネル63を備えている。
【0030】
アクチュエータプレート53のうち、各吐出チャネル62,63の間に位置する部分には、インクが充填されない非吐出チャネル(非噴射チャネル)64~66が形成されている。非吐出チャネル64~66のうち、第1非吐出チャネル64は、一の循環チャネル58に対して+X側に配置されている。非吐出チャネル64~66のうち、第2非吐出チャネル65は、一の循環チャネル58において、第1吐出チャネル62及び第2吐出チャネル63間に配置されている。非吐出チャネル64~66のうち、第3非吐出チャネル66は、一の循環チャネル58に対して-X側に配置されている。すなわち、各チャネル62~66は、X方向において、第1非吐出チャネル64、第1吐出チャネル62、第2非吐出チャネル65、及び第2吐出チャネル63及び第3非吐出チャネル66の順に並んでいる。
【0031】
本実施形態において、一の循環チャネル58の+X側に配置された第1非吐出チャネル64は、一の循環チャネル58に対して+X側に配置された他の循環チャネル58の第3非吐出チャネル66と共用している。また、一の循環チャネル58の-X側に配置された第3非吐出チャネル66は、一の循環チャネル58に対して-X側に配置された他の循環チャネル58の第1非吐出チャネル64と共用している。但し、第1非吐出チャネル64及び第3非吐出チャネル66は、各循環チャネル58に対応して別々に備えていてもよい。すなわち、隣り合う循環チャネル58の間に位置する部分に、一の循環チャネル58に対応する第1非吐出チャネル64と、他の循環チャネル58に対応する第3非吐出チャネル66と、が配置されていてもよい。
【0032】
各チャネル62~66は、アクチュエータプレート53において、Z方向に延びるとともに、少なくとも一部においてアクチュエータプレート53をY方向に貫通している。なお、本実施形態では、チャネル延在方向がZ方向に一致する構成について説明するが、チャネル延在方向がZ方向に交差していてもよい。
【0033】
以下、各チャネル62~66について、詳細に説明する。以下の説明において、+Y側を表面側とし、-Y側を裏面側とし、+Z側を上側とし、-Z側を下側として説明する。
図5は、図4のV-V線に対応する断面図である。
図5に示すように、第1吐出チャネル62は、インクが充填されるチャネルであって、循環チャネル58内におけるインクの流通過程で上流側流路を構成する。第1吐出チャネル62は、例えば円板状のダイサー200(図10参照)をアクチュエータプレート53の表面側から進入させて形成される。
【0034】
第1吐出チャネル62は、延在部62aと、切り上がり部62bと、を備えている。
延在部62aは、アクチュエータプレート53をY方向に貫通するとともに、Z方向に延びている。延在部62aは、アクチュエータプレート53の下端面(第2方向の一方側を向く端面)において、開放されている。
切り上がり部62bは、延在部62aの上端に連なっている。切り上がり部62bは、上方に向かうに従いY方向の深さが漸次浅くなっている。具体的に、切り上がり部62bの底面(以下、第1ガイド面62cという。)は、上方に向かうに従い表面側に向けて湾曲しながら延びる傾斜面に形成されている。なお、第1ガイド面62cは、上方に向かうに従い表面側に向けて延びる構成であればよい。
【0035】
図6は、図4のVI-VI線に対応する断面図である。
図6に示すように、第2吐出チャネル63は、第2非吐出チャネル65を間に挟んで第1吐出チャネル62とX方向で向かい合っている。第2吐出チャネル63は、インクが充填されるチャネルであって、循環チャネル58内におけるインクの流通過程で下流側流路を構成する。第2吐出チャネル63のZ方向の最大寸法は、第1吐出チャネル62と同等になっている。第2吐出チャネル63は、例えば円板状のダイサー200(図10参照)をアクチュエータプレート53の表面側及び裏面側から進入させて形成される。
【0036】
第2吐出チャネル63は、延在部63aと、裏面側切り上がり部63bと、表面側切り上がり部63cと、を備えている。
延在部63aは、アクチュエータプレート53をY方向に貫通するとともに、Z方向に延びている。延在部63aは、アクチュエータプレート53の下端面において、開放されている。延在部63aの上端は、裏面側切り上がり部63b及び表面側切り上がり部63cの二股に分かれている。
【0037】
裏面側切り上がり部63bは、X方向から見た側面視において、表面側に向けて凸の円弧状に形成されている。裏面側切り上がり部63bは、上方に向かうに従いY方向の深さが漸次浅くなっている。具体的に、裏面側切り上がり部63bの底面(以下、第2ガイド面63dという。)は、上方に向かうに従い裏面側に向けて湾曲しながら延びる傾斜面に形成されている。Z方向において、裏面側切り上がり部63bの上端位置は、切り上がり部62bの上端位置と同等の高さに位置している。なお、第2ガイド面63dは、上方に向かうに従い裏面側に向けて延びる構成であればよい。
【0038】
表面側切り上がり部63cは、側面視において、裏面側に向けて凸の円弧状に形成されている。表面側切り上がり部63cは、上方に向かうに従いY方向の深さが漸次浅くなっている。具体的に、表面側切り上がり部63cの底面(以下、成膜面63fという。)は、上方に向かうに従い表面側に向けて湾曲しながら延びる傾斜面に形成されている。なお、成膜面(傾斜面)63fは、上方に向かうに従い裏面側に向けて延びる構成であればよい。また、図示の例において、各ガイド面62c,63d及び成膜面63fの曲率半径は、互いに一様であっても、異なっていてもよい。
【0039】
本実施形態において、裏面側切り上がり部63bの最大深さは、表面側切り上がり部63cの最大深さに比べて深くなっていることが好ましい。したがって、表面側切り上がり部63cの上端位置は、裏面側切り上がり部63bの上端位置よりも下方に位置している。但し、裏面側切り上がり部63bの最大深さは、表面側切り上がり部63cの最大深さと同等であってもよく、表面側切り上がり部63cよりも浅くてもよい。
【0040】
裏面側切り上がり部63b及び表面側切り上がり部63c同士は、エッジ部63gを介して連なっている。すなわち、第2吐出チャネル63の内面のうち、第2ガイド面63d及び成膜面63fは、下方に露呈している。本実施形態において、例えば下方に「露呈する」とは、側面視において、第2ガイド面63d及び成膜面63fの任意の位置での法線方向にZ方向の成分を含んでいればよい。
【0041】
ここで、側面視において、アクチュエータプレート53の表面と成膜面63fとのなす第1角度θ1は、アクチュエータプレート53の表面と第2ガイド面63dとのなす第2角度θ1よりも小さく設定されている。本実施形態において、第1角度θ1とは、断面視において、成膜面63fのうち第2吐出チャネル63の表面側開口縁を通る第1接線L1と、アクチュエータプレート53の表面と、のなす角度である。第2角度θ1とは、断面視において、第2ガイド面63dのうち第1エッジ部63gを通る第2接線L2と、アクチュエータプレート53の表面と、のなす角度である。本実施形態において、第1角度θ1は鋭角をなし、第2角度θ2は鈍角をなしている。また、図示の例において、エッジ部63fは、鋭角をなしている。但し、エッジ部63gは、鈍角をなしていてもよい。
【0042】
図7は、図4のVII-VII線に対応する断面図である。
図7に示すように、第1非吐出チャネル64は、X方向において、第1吐出チャネル62と向かい合っている。第1非吐出チャネル64は、アクチュエータプレート53をZ方向及びY方向に貫通している。
【0043】
図8は、図4のVIII-VIII線に対応する断面図である。
図8に示すように、第2非吐出チャネル65は、第1吐出チャネル62及び第2吐出チャネル63の間に位置している。第2非吐出チャネル65は、アクチュエータプレート53をZ方向及びY方向に貫通している。
【0044】
図7に示すように、第3非吐出チャネル66は、X方向において、第2吐出チャネル63と向かい合っている。第3非吐出チャネル66は、アクチュエータプレート53をZ方向及びY方向に貫通している。なお、各非吐出チャネル64~66は、少なくとも吐出チャネル62,63とX方向で対向する部分について、アクチュエータプレート53をZ方向に貫通していればよい。
【0045】
図9は、図4のIX-IX線に対応する断面図である。
図4図9に示すように、アクチュエータプレート53のうち、第1非吐出チャネル64及び第1吐出チャネル62間に位置する部分は、第1上流駆動壁(第1駆動壁)71を構成している。アクチュエータプレート53のうち、第1吐出チャネル62及び第2非吐出チャネル65間に位置する部分は、第2上流駆動壁(第1駆動壁)72を構成している。すなわち、第1吐出チャネル62は、第1上流駆動壁71及び第2上流駆動壁72によってX方向の両側が囲まれている。
アクチュエータプレート53のうち、第2非吐出チャネル65及び第2吐出チャネル63間に位置する部分は、第1下流駆動壁(第2駆動壁)73を構成している。アクチュエータプレート53のうち、第2吐出チャネル63及び第3非吐出チャネル66間に位置する部分は、第2下流駆動壁(第2駆動壁)74を構成している。すなわち、第2吐出チャネル63は、第1下流駆動壁73及び第2下流駆動壁74によってX方向の両側が囲まれている。
【0046】
このように、上述した循環チャネル58は、第1吐出チャネル62が上流駆動壁71,72によって区画され、第2吐出チャネル63が下流側駆動壁73,74によって区画されて構成されている。本実施形態において、第1吐出チャネル62に対応する第1上流駆動壁71及び第2上流駆動壁72と、第2吐出チャネル63に対応する第1下流駆動壁73及び第2下流駆動壁74は、1つのノズル孔141から一の循環チャネル58内を流通するインクを吐出する駆動セル67を構成している。したがって、一の駆動セル67の第1上流駆動壁71は、第1非吐出チャネル64を隔てて+X側に隣り合う他の駆動セル67の第2下流駆動壁74と向かい合っている。一方、一の駆動セル67の第2下流駆動壁74は、第3非吐出チャネル66を隔てて-X側に隣り合う他の駆動セル67の第1上流駆動壁71と向かい合っている。
【0047】
図3図4に示すように、アクチュエータプレート53には、第1共通配線(第1配線部)81、第2共通配線(第2配線部)82、第1駆動配線83及び第2駆動配線84が形成されている。
第1共通配線81は、第1共通電極91と、第1共通端子(第1端子)92と、を備えている。
図5に示すように、第1共通電極91は、第1吐出チャネル62の内面に形成されている。第1共通電極91は、対向電極91a及び接続部91bを備えている。対向電極91aは、第1吐出チャネル62の内側面(上流駆動壁71,72のうちX方向で向かい合う面)にそれぞれ形成されている。Y方向において、対向電極91aは、第1吐出チャネル62の内側面のうち、アクチュエータプレート53の表面側からY方向の半分以上の深さに亘って形成されている。Z方向において、対向電極91aは、第1吐出チャネル62の内側面全域に亘って形成されている。
【0048】
接続部91bは、第1ガイド面62c上に形成されている。接続部91bは、第1吐出チャネル62内において、対向電極91a同士の間を架け渡している。なお、接続部91bは、第1ガイド面62cのうち、少なくとも第1吐出チャネル62の表面側開口縁に連なる所定の領域に形成されていればよい。
【0049】
図4図5に示すように、第1共通端子92は、アクチュエータプレート53のうち、第1吐出チャネル62に対して上方に位置する部分(以下、尾部95という。)の表面上に形成されている。第1共通端子92は、尾部95の表面のうち、第1吐出チャネル62のX方向での幅内に位置する部分に、Z方向に直線状に延びている。第1共通端子92のX方向の幅は、第1吐出チャネル62の幅と同等になっている。
【0050】
第1共通端子92の下端縁は、第1吐出チャネル62の表面側開口縁において、第1ガイド面62cに形成された接続部91bに電気的に接続されている。一方、第1共通端子92の上端縁は、尾部95上で終端している。
【0051】
図6に示すように、第2共通配線82は、第2共通電極93と、第2共通端子(第2端子)94と、を備えている。
第2共通電極93は、第2吐出チャネル63の内面に形成されている。第2共通電極93は、対向電極93a及び接続部93bを備えている。対向電極93aは、第2吐出チャネル63の内側面(下流駆動壁73,74のうちX方向で向かい合う面)にそれぞれ形成されている。Y方向において、対向電極93aは、第2吐出チャネル63の内側面のうち、アクチュエータプレート53の表面側からY方向の半分以上の深さに亘って形成されている。具体的に、対向電極93aは、Y方向において表面側切り上がり部63cの全域に亘って形成されるとともに、延在部63aの半分以上の領域に亘って形成されている。
【0052】
接続部93bは、成膜面63fの全域に亘って形成されている。接続部93bは、第2吐出チャネル63内において、対向電極93a同士の間を架け渡している。なお、接続部93bは、成膜面63fのうち、少なくとも第2吐出チャネル63の表面側開口縁に連なる所定の領域に形成されていればよい。
【0053】
図4図6に示すように、第2共通端子94は、尾部95の表面のうち、第2吐出チャネル63のX方向での幅内に位置する部分に、Z方向に直線状に延びている。第2共通端子94のX方向の幅は、第2吐出チャネル63の幅と同等になっている。
第2共通端子94の下端縁は、第2非吐出チャネル63の表面側開口縁において、成膜面63fに形成された接続部93bに電気的に接続されている。一方、第2共通端子94の上端縁は、尾部95上で終端している。
【0054】
図4図7に示すように、第1駆動配線83は、第1個別電極97と、第1個別端子98と、を備えている。
第1個別電極97は、第1上流駆動壁71のうち第1非吐出チャネル64に面する内側面、及び第2上流駆動壁72のうち第2非吐出チャネル65に面する内側面に形成されている。図示の例において、第1個別電極97は、各非吐出チャネル64,65の内側面において、アクチュエータプレート53の表面側からY方向の半分以上の深さに亘って形成されている。
【0055】
第1個別端子98は、尾部95の表面において、第1共通端子92よりも上方に位置する部分に形成されている。第1個別端子98は、X方向に延びる帯状とされている。第1個別端子98は、第1吐出チャネル62を間に挟んでX方向で対向する非吐出チャネル64,65の開口縁において、第1吐出チャネル62を間に挟んでX方向で対向する第1個別電極97同士を接続している。
【0056】
図4図8に示すように、第2駆動配線84は、第2個別電極100と、第2個別端子101と、を備えている。
第2個別電極100は、第1下流駆動壁73のうち第2非吐出チャネル65に面する内側面、及び第2下流駆動壁74のうち第3非吐出チャネル66に面する内側面に形成されている。図示の例において、第2個別電極100は、各非吐出チャネル65,66の内側面において、アクチュエータプレート53の表面側からZ方向の半分以上の深さに亘って形成されている。
【0057】
第2個別端子101は、尾部95の表面において、第2共通端子94よりも上方に位置する部分に形成されている。第2個別端子101は、X方向に延在する帯状とされている。第2個別端子101は、第2吐出チャネル63を間に挟んでX方向で対向する非吐出チャネル65,66の開口縁において、第2吐出チャネル63を間に挟んでX方向で対向する第2個別電極100同士を接続している。
【0058】
尾部95において、第1共通端子92と第1個別端子98との間、及び第2共通端子94と第2個別端子101との間に位置する部分には、区画溝105が形成されている。区画溝105は、尾部95において、X方向に延びている。区画溝105は、第1共通端子92と第1個別端子98との間、及び第2共通端子94と第2個別端子101との間をそれぞれ分離している。
【0059】
尾部95の表面には、フレキシブルプリント基板108が圧着されている。フレキシブルプリント基板108は、尾部95の表面において、共通端子92,94及び個別端子98,101に接続されている。フレキシブルプリント基板108は、上方に引き出されている。
【0060】
<第1カバープレート54>
図3図5図6に示すように、第1カバープレート54は、アクチュエータプレート53の表面に接着等により固定されている。具体的に、第1カバープレート54は、Y方向を厚さ方向として配置されている。Z方向において、第1カバープレート54の下端面は、アクチュエータプレート53の下端面と面一に配置されている。Z方向において、第1カバープレート54の上端面は、アクチュエータプレート53の区画溝105よりも下方に位置している。したがって、第1カバープレート54は、尾部95の表面において、第1共通端子92及び第2共通端子94の少なくとも一部を露出させた状態でアクチュエータプレート53の表面に固定されている。
【0061】
第1カバープレート54において、循環チャネル58の上端部とY方向から見て重なり合う位置には、入口共通インク室110が形成されている。入口共通インク室110は、例えば各循環チャネル58を跨る長さでX方向に延びるとともに、第1カバープレート54の表面上で開口している。
入口共通インク室110において、第1吐出チャネル62とY方向から見て重なり合う位置には、入口スリット(第1液体流路)111が形成されている。入口スリット111は、各第1吐出チャネル62の上端部と、入口共通インク室110内と、の間を各別に連通している。入口スリット111は、第1ガイド面62cとY方向に向かい合っている。したがって、入口スリット111は、それぞれ各第1吐出チャネル62に連通する一方、第2吐出チャネル63及び各非吐出チャネル64~66には連通していない。
【0062】
<第2カバープレート55>
第2カバープレート55は、アクチュエータプレート53の裏面に接着等により固定されている。具体的に、第2カバープレート55は、Y方向を厚さ方向として配置されている。Z方向において、第2カバープレート55の下端面は、アクチュエータプレート53の下端面と面一に配置されている。Z方向において、第2カバープレート55の上端面は、アクチュエータプレート53の上端面と面一に配置されている。
【0063】
第2カバープレート55において、循環チャネル58の上端部とY方向から見て重なり合う位置には、出口共通インク室115が形成されている。出口共通インク室115は、例えば各循環チャネル58を跨る長さでX方向に延びるとともに、第2カバープレート55の裏面上で開口している。
出口共通インク室115において、第2吐出チャネル63とY方向から見て重なり合う位置には、出口スリット(第2液体流路)116が形成されている。出口スリット116は、各第2吐出チャネル63の上端部と、出口共通インク室115内と、の間を各別に連通している。出口スリット116は、第2ガイド面63dとY方向に向かい合っている。したがって、出口スリット116は、それぞれ各第2吐出チャネル63に連通する一方、第1吐出チャネル62及び各非吐出チャネル64~66には連通していない。
【0064】
<帰還プレート52>
図4図6に示すように、帰還プレート52は、アクチュエータプレート53、第1カバープレート54及び第2カバープレート55の下端面に、接着等によりまとめて固定されている。具体的に、帰還プレート52は、Z方向を厚さ方向とし、X方向を長手方向として配置されている。
【0065】
帰還プレート52には、複数の接続路120が形成されている。各接続路120は、一の循環チャネル58を構成する第1吐出チャネル62及び第2吐出チャネル63同士を連通させている。接続路120は、Y方向に直交する断面視において、U字状に形成されている。具体的に、接続路120は、流出流路121、流入流路122及び通過流路123を備えている。
【0066】
流出流路121は、帰還プレート52のうち、第1吐出チャネル62の下端開口部と平面視で重なり合う位置に形成されている。流出流路121は、帰還プレート52の上面で開口するとともに、Z方向に延びている。
流入流路122は、帰還プレート52のうち、第2吐出チャネル63の下端開口部と平面視で重なり合う位置に形成されている。流入流路122は、帰還プレート52の上面で開口するとともに、Z方向に延びている。
【0067】
通過流路123は、流出流路121及び流入流路122の下端開口部同士を接続している。具体的に、通過流路123は、帰還プレート52の下面で開口するとともに、X方向に延びている。通過流路123は、+X側端部において流出流路121に連通し、-X側端部において流入流路122に連通している。
【0068】
帰還プレート52のうち、一の接続路120に対して+X側に位置する部分は、一の駆動セル67(循環チャネル58)に対応する第1非吐出チャネル64(+X側に隣り合う駆動セル67に対応する第3非吐出チャネル66)の下端開口部を閉塞する第1閉塞部131を構成している。
帰還プレート52のうち、一の接続路120の流出流路121及び流入流路122間に位置する部分は、一の駆動セル67(循環チャネル58)に対応する第2非吐出チャネル65の下端開口部を閉塞する第2閉塞部132を構成している。
帰還プレート52のうち、一の接続路120に対して-X側に位置する部分は、一の駆動セル67(循環チャネル58)に対応する第3非吐出チャネル66(-X側に隣り合う他の駆動セル67に対応する第1非吐出チャネル64)の下端開口部を閉塞する第3閉塞部133を構成している。
したがって、帰還プレート52は、一の駆動セル67(循環チャネル58)を構成する吐出チャネル62,63同士を連通させつつ、非吐出チャネル64~66を閉塞している。
【0069】
なお、本実施形態では、帰還プレート52を単層の部材として示すが、この構成に限られない。帰還プレート52は、例えば流出流路121及び流入流路122が形成された第1プレートと、通過流路123が形成された第2プレートと、の積層構造等であってもよい。
【0070】
図4に示すように、ノズルプレート51は、帰還プレート52の下面に接着等によって固定されている。ノズルプレート51は、Z方向を厚さ方向とし、X方向を長手方向として配置されている。本実施形態において、ノズルプレート51は、ポリイミド等の樹脂材料により厚さが50μm程度に形成されている。但し、ノズルプレート51は、樹脂材料の他、金属材料(SUSやNi-Pd等)、ガラス、シリコン等による単層構造、又は積層構造であってもよい。
【0071】
ノズルプレート51には、ノズルプレート51をZ方向に貫通する複数のノズル孔141が形成されている。各ノズル孔141は、ノズルプレート51のうち、各通過流路123に平面視で重なる位置にそれぞれ形成されている。したがって、接続路120は、ノズル孔141を通じてヘッドチップ50の外部に連通している。各ノズル孔141は、例えば上方から下方に向かうに従い内径が漸次縮小するテーパ状に形成されている。図示の例において、ノズル孔141の上端開口部は、通過流路123におけるX方向の中央部(第2閉塞部132と平面視で重なる位置)で開口している。但し、ノズル孔141は、通過流路123内に連通する構成であれば、例えばX方向の任意の位置に配置されていてもよい。
【0072】
[プリンタ1の動作方法]
次に、上述したように構成されたプリンタ1を利用して、被記録媒体Pに文字や図形等を記録する場合について以下に説明する。
なお、初期状態として、図1に示す4つのインクタンク4にはそれぞれ異なる色のインクが十分に封入されているものとする。また、インクタンク4内のインクがインク循環機構6を介してインクジェットヘッド5内に充填された状態となっている。
【0073】
このような初期状態のもと、プリンタ1を作動させると、被記録媒体Pが搬送機構2,3のローラ11,12に挟み込まれながら+X側に搬送される。また、これと同時にキャリッジ29がY方向に移動することで、キャリッジ29に搭載されたインクジェットヘッド5がY方向に往復移動する。
インクジェットヘッド5が往復移動する間に、各インクジェットヘッド5よりインクを被記録媒体Pに適宜吐出させる。これにより、被記録媒体Pに対して文字や画像等の記録を行うことができる。
【0074】
ここで、各インクジェットヘッド5の動きについて、以下に詳細に説明する。
本実施形態のような縦循環式エッジシュートタイプのインクジェットヘッド5では、まず図2に示す加圧ポンプ24及び吸引ポンプ25を作動させることで、循環流路23内にインクを流通させる。この場合、インク供給管21を流通するインクは、入口共通インク室110及び入口スリット111を通して各循環チャネル58の第1吐出チャネル62内に供給される。第1吐出チャネル62内に供給されたインクは、第1ガイド面62cに案内されながら第1吐出チャネル62内を下方に流通する。その後、インクは、第1吐出チャネル62の下端開口部を通じて接続路120内(流出流路121)に流出する。接続路120を流れるインクは、流出流路121、通過流路123及び流入流路122を経て、第2吐出チャネル63の下端開口部を通じて第2吐出チャネル63内に流入する。第2吐出チャネル63内に流入したインクは、第2吐出チャネル63内を上方に流通し、第2ガイド面63dに案内されながら、出口スリット116に向けて流れる。そして、インクは、出口スリット116を通じて出口共通インク室115に排出された後、インク排出管22を通してインクタンク4に戻される。これにより、インクジェットヘッド5とインクタンク4との間でインクを循環させることができる。
【0075】
キャリッジ29(図1参照)の移動によってインクジェットヘッド5の往復移動が開始されると、フレキシブルプリント基板108を介して第1共通電極91及び第1個別電極97間、並びに第2共通電極93及び第2個別電極100間に駆動電圧が印加される。この際、個別電極97,100を駆動電位Vddとし、共通電極91,93を基準電位GNDとして各電極間に駆動電圧を印加する。すると、第1吐出チャネル62を画成する上流駆動壁71,72、及び第2吐出チャネル63を画成する下流駆動壁73,74にそれぞれ厚み滑り変形が生じる。これにより、各駆動壁71~74がY方向の中間部分を中心にしてV字状に屈曲変形する。すなわち、上流駆動壁71,72は第1吐出チャネル62の容積が拡大するように変形し、下流駆動壁73,74は第2吐出チャネル63の容積が拡大するように変形する。
【0076】
各吐出チャネル62,63の容積を増大させた後、第1共通電極91及び第1個別電極97間、並びに第2共通電極93及び第2個別電極100間に印加した電圧をゼロにする。すると、駆動壁71~74が復元し、一旦増大した吐出チャネル62,63の容積が元の容積に戻る。これにより、吐出チャネル62,63の内部の圧力が増加し、インクが加圧される。そして、吐出チャネル62,63内の圧力増加によって発生した圧力波が、接続路120に伝播する。その結果、通過流路123内のインクがノズル孔141を通じて液滴状に吐出される。ノズル孔141から吐出されたインクが被記録媒体P上に着弾することで、被記録媒体Pに文字や画像等を記録することができる。
【0077】
<ヘッドチップ50の製造方法>
次に、上述したヘッドチップ50の製造方法について説明する。図10図15は、ヘッドチップ50の製造方法を説明するための工程図であって、図3に対応する斜視図である。以下の説明では、便宜上、ヘッドチップ50をチップレベルで製造する場合を例にして説明する。
ヘッドチップ50の製造方法は、裏面加工工程と、第2カバープレート積層工程と、グラインド工程と、パターン形成工程と、表面加工工程と、成膜工程と、第1カバープレート積層工程と、を備えている。なお、各プレート53~55には、重ね合わせ工程以前に必要な加工は既に施しているものとする。
【0078】
図10に示すように、裏面加工工程では、アクチュエータプレート53に対して裏面側凹部150を形成する。裏面側凹部150は、図6に示す第2吐出チャネル63のうち、裏面側切り上がり部63bと、延在部63aの一部(裏面側)と、を構成する。裏面加工工程では、アクチュエータプレート53のうち、第2吐出チャネル63の加工領域に対して、アクチュエータプレート53の裏面側から円板状のダイサー200を進入させる。この際、ダイサーの進入量は、アクチュエータプレート53の厚さよりも浅く設定する。裏面加工工程によって、アクチュエータプレート53には、表面側に向けて凸の円弧状の裏面側凹部150が形成される。
【0079】
図11に示すように、第2カバープレート積層工程では、アクチュエータプレート53の裏面に第2カバープレート55を積層する。具体的には、対応する出口スリット116が一の裏面側凹部150にそれぞれ連通するように、アクチュエータプレート53と第2カバープレート55とを貼り合わせる。
【0080】
図12に示すように、グラインド工程では、アクチュエータプレート53の表面に対してグラインド加工を施す。この際、グラインド加工の加工量は、アクチュエータプレート53の表面から裏面側凹部150が開口しない程度に設定することが好ましい。
【0081】
図13に示すように、マスク形成工程では、アクチュエータプレート53の表面上にマスクパターン220を形成する。具体的には、アクチュエータプレート53の表面上にマスク材料(例えば、レジスト膜)を形成した後、フォトリソグラフィ技術を用いてマスク材料をパターニングする。この際、マスク材料のうち、少なくとも共通端子92,94及び個別端子98,101の加工領域が開口したマスクパターン220を形成する。図示の例において、マスクパターン220に形成された第1共通端子92用のマスク開口221、及び第2共通端子94用のマスク開口222は、それぞれ尾部95の表面上をZ方向に延びている。マスク開口221の下端部は、第1吐出チャネル62の加工領域の一部にY方向から見て重なり合っている。マスク開口222の下端部は、第2吐出チャネル63の加工領域の一部にY方向から見て重なり合っている。但し、マスク開口221,222は、少なくとも下端部が対応する吐出チャネル62,63の加工領域に達していればよい。
一方、マスク開口221,222の上端部は、区画溝105の加工領域(図13中鎖線105参照)にY方向から見て重なり合っている。
【0082】
マスクパターン220に形成された個別端子98,101用のマスク開口223は、尾部95の表面上をX方向に延びている。マスク開口223の一部は、区画溝105の加工領域に平面視で重なり合っている。但し、マスク開口223は、区画溝105の加工領域に達していなくてもよい。
【0083】
図14に示す表面加工工程では、アクチュエータプレート53に対して第1吐出チャネル62、表面側凹部151及び非吐出チャネル64~66を形成する。表面側凹部151は、第2吐出チャネル63のうち、表面側切り上がり部63cと、延在部63aの一部(表面側)と、を構成する。表面加工工程において、第1吐出チャネル62を加工するには、アクチュエータプレート53のうち、第1吐出チャネル62の加工領域に対して、アクチュエータプレート53の表面側から円板状のダイサー200を進入させる。この際、ダイサー200の進入量は、アクチュエータプレート53の厚さよりも僅かに深く設定する。これにより、第1吐出チャネル62がアクチュエータプレート53をY方向に貫通する。
【0084】
表面加工工程において、表面側凹部151を加工するには、アクチュエータプレート53のうち、第2吐出チャネル63の加工領域に対して、アクチュエータプレート53の表面側から円板状のダイサー200を進入させる。この際、ダイサー200の進入量は、裏面側凹部150とアクチュエータプレート53の表面との間の最小距離よりも深く、上述した裏面加工工程でのダイサー200の進入量よりも浅く設定する。アクチュエータプレート53に対してダイサー200を進入させると、マスクパターン220のうち第2吐出チャネル63の加工領域を覆う部分とともにアクチュエータプレート53が切削される。これにより、アクチュエータプレート53には、裏面側に向けて凸の円弧状の表面側凹部151が形成される。また、表面側凹部151及び裏面側凹部150は、互いに連通して第2吐出チャネル63を形成する。この際、表面側凹部151は、表面側切り上がり部63cに形成された成膜面63fが、第2吐出チャネル63の表面側開口部を通じて表面側に露呈する。
【0085】
表面加工工程において、非吐出チャネル64~66を形成するには、アクチュエータプレート53のうち非吐出チャネル64~66の加工領域に対して、アクチュエータプレート53の表面側からダイサー200を進入させることで行う。この際、ダイサー200の進入量は、アクチュエータプレート53の厚さよりも僅かに深く設定する。これにより、非吐出チャネル64~66がアクチュエータプレート53をZ方向に貫通する。
【0086】
成膜工程では、アクチュエータプレート53の表面側から電極材料を成膜することで、配線81~84を形成する。本実施形態において、成膜工程は、例えば斜め蒸着等によってアクチュエータプレート53の表面に対してX方向に傾斜した方向から電極材料を成膜する。すると、マスクパターン220のマスク開口221~223を通じてアクチュエータプレート53の表面上に電極材料が成膜されるとともに、チャネル62~66の表面側開口部を通じてチャネル62~66の内面に電極材料が成膜される。電極材料の成膜後、リフトオフ等によってマスクパターン220を除去し、成膜工程が終了する。
【0087】
図15に示すように、第1カバープレート積層工程では、アクチュエータプレート53の表面に第1カバープレート54を積層する。具体的には、対応する入口スリット111が一の表面側凹部151にそれぞれ連通するように、アクチュエータプレート53と第1カバープレート54とを貼り合わせる。これにより、アクチュエータプレート53とカバープレート54,55との接合体230が形成される。
【0088】
その後、接合体230の下端面に帰還プレート52を貼り合わせる。この際、一の循環チャネル58を構成する第1吐出チャネル62及び第2吐出チャネル63に接続路120が連通するように、帰還プレート52を接合体230に貼り合わせる。
続いて、帰還プレート52の下端面にノズルプレート51を貼り合わせる。この際、ノズル孔141が対応する接続路120に連通するように、ノズルプレート51を帰還プレート52に貼り合わせる。
以上により、ヘッドチップ50が製造される。
【0089】
なお、ヘッドチップ50は、ウエハレベルで製造してもよい。ウエハレベルで製造する場合には、まず複数のアクチュエータプレート53が連なるアクチュエータウエハと、複数の第1カバープレート54が連なる第1カバーウエハと、複数の第2カバープレート55が連なるカバーウエハと、を接合してウエハ接合体を形成する。続いて、ウエハ接合体を切断した後、上述した帰還プレート52やノズルプレート51をウエハ接合体に取り付けることにより複数のヘッドチップ50が形成される。
【0090】
このように、本実施形態のヘッドチップ50において、接続路120を挟んでインクの流通方向の両側に位置する吐出チャネル62,63のうち、第1吐出チャネル62は一対の上流駆動壁71,72により囲まれ、第2吐出チャネル63は一対の下流駆動壁73,74により囲まれている構成とした。
この構成によれば、吐出時において、上流駆動壁71,72及び下流駆動壁73,74をそれぞれ変形させることで、インク経路(第1吐出チャネル62から接続路120を経て第2吐出チャネル63に至る経路)内の容積変化を大きくすることができる。その結果、インク経路内のインクに対し強い圧力波を発生させることができる。そのため、インクの吐出圧力を確保できる。
【0091】
本実施形態では、一対の上流駆動壁71,72のうち、第1上流駆動壁71は第1吐出チャネル62と第1非吐出チャネル64との間に位置する部分であり、第2上流駆動壁72は第1吐出チャネル62と第2非吐出チャネル65との間に位置する部分である構成とした。また、一対の下流駆動壁73,74のうち、第1下流駆動壁73は第2吐出チャネル63と第2非吐出チャネル65との間に位置する部分であり、第2下流駆動壁74は第2吐出チャネル63と第3非吐出チャネル66との間に位置する部分である構成とした。
この構成によれば、各吐出チャネル62,63の間に非吐出チャネル64~66を形成することで、各吐出チャネル62,63と非吐出チャネル64~66とで囲まれた部分に駆動壁71~74が形成される。これにより、各吐出チャネル62,63の両側に駆動壁71~74を簡単に形成することができる。
【0092】
本実施形態において、帰還プレート52は、非吐出チャネル64~66の下端開口部を閉塞する閉塞部131~133を備える構成とした。
この構成によれば、非吐出チャネル64~66の下端開口部を帰還プレート52で閉塞することで、駆動壁71~74をアクチュエータプレート53の下端面まで延ばすことができる。これにより、インクの吐出圧力をノズル孔まで効果的に伝播させ易い。
【0093】
本実施形態において、アクチュエータプレート53の表面側に第1吐出チャネル62内に連通する入口スリット111が形成された第1カバープレート54が設けられ、アクチュエータプレート53の裏面側に第2吐出チャネル63内に連通する出口スリット116が形成された第2カバープレート55が設けられている構成とした。
この構成によれば、第1吐出チャネル62及び第2吐出チャネル63がアクチュエータプレート53の異なる面で少なくとも開口することで、アクチュエータプレート53に対して厚さ方向の両側に入口側及び出口側のカバープレート54,55をそれぞれ設けることが可能になる。これにより、一枚のカバープレートに入口スリット及び出口スリットを形成する場合に比べ、構成の簡素化を図ることができる。
【0094】
本実施形態において、アクチュエータプレート53には、第1吐出チャネル62の内面及び尾部95の表面に亘って形成された第1共通配線81と、第2吐出チャネル63の内面及び尾部95の表面に亘って形成された第2共通配線82と、が形成されている構成とした。
この構成によれば、各吐出チャネル62,63に対応する共通配線81,82を、アクチュエータプレート53の表面側でフレキシブルプリント基板108に接続することができる。これにより、構成の簡素化を図ることができる。
【0095】
本実施形態において、第1吐出チャネル62は裏面側に向かうに従い下方に延びる第1ガイド面62cを備え、第2吐出チャネル63は表面側に向かうに従い下方に延びる第2ガイド面63dを備える構成とした。
この構成によれば、入口スリット111から第1吐出チャネル62内に流入したインクは、第1ガイド面62cに沿って接続路120に向けてスムーズに流れる。一方、接続路120から第2吐出チャネル63内に流入したインクは、第2ガイド面63dに沿って出口スリット116に向けてスムーズに流れる。これにより、吐出チャネル62,63内での圧力損失を軽減し、インク経路内においてインクを効率的に循環させることができる。
【0096】
本実施形態のヘッドチップ50は、第2吐出チャネル63の内面のうち、下方に露呈する面に、第2吐出チャネル63の表面側開口縁の一部を構成するとともに、裏面側に向かうに従い下方に向けて延びる成膜面63fを備えている。本実施形態のヘッドチップ50において、アクチュエータプレート53の表面と成膜面63fとのなす第1角度θ1は、アクチュエータプレート53の表面と第2ガイド面63dとのなす第2角度θ2よりも小さく設定されている構成とした。
この構成によれば、成膜面63fが第2吐出チャネル63の表面側開口部を通じて外部に露呈する。そのため、第2吐出チャネル63の表面側開口部を通じて第2吐出チャネル63内に第2共通電極93の電極材料を導入する際に、第2共通電極93の電極材料を成膜面63fに効果的に成膜することができる。そして、接続部93bにおいて第2共通電極93と第2共通端子94とを接続することで、第2吐出チャネル63の表面側開口縁を通じて第2共通電極93と第2共通端子94との電気的な接続を確保できる。
【0097】
(変形例)
次に、上述した実施形態の変形例について説明する。上述した実施形態では、第2吐出チャネル63が成膜面63fを備える構成について説明したが、この構成に限られない。例えば、図16に示すヘッドチップ50のように、第2吐出チャネル63は、第1吐出チャネル62の第1ガイド面62cとは反対側に向けて延びる第2ガイド面63dのみを有する構成であってもよい。すなわち、本変形例のアクチュエータプレート53において、第1ガイド面62cは上方に向かうに従い表面側に向けて延びる一方、第2ガイド面63dは上方に向かうに従い裏面側に向けて延びている。この場合、第2共通端子94は、第2ガイド面63dを経て尾部95の裏面上に引き回される。第2共通端子94は、尾部95の裏面側に別途フレキシブルプリント基板を圧着してもよく、尾部95の上端面や尾部95のスルーホール等を通じて尾部95の表面側に引き回されていてもよい。
【0098】
本変形例においても、第1ガイド面62cが入口スリット111とY方向で向かい合い、第2ガイド面63dが出口スリット116とY方向で向かい合う。
そのため、入口スリット111から第1吐出チャネル62内に流入したインクは、第1ガイド面62cに沿って接続路120に向けてスムーズに流れる。一方、接続路120から第2吐出チャネル63内に流入したインクは、第2ガイド面63dに沿って出口スリット116に向けてスムーズに流れる。これにより、吐出チャネル62,63内での圧力損失を軽減し、インク経路内においてインクを効率的に循環させることができる。
【0099】
また、上述した実施形態では、各吐出チャネル62,63がそれぞれ一対の駆動壁71~74に囲まれた構成について説明したが、この構成に限られない。例えば、図17に示すヘッドチップ50のように、第1吐出チャネル62に対して+X側に上流駆動壁71が設けられ、第2吐出チャネル63に対して-X側に下流駆動壁74が設けられた、いわゆる片側駆動式であってもよい。この場合、アクチュエータプレート53のうち、各吐出チャネル62,63の間に位置する部分は、吐出チャネル62,63を仕切る仕切壁250として機能する。すなわち、本実施形態では、上流駆動壁71及び下流駆動壁74が、2つの駆動壁71,74の駆動によって、1つのノズル孔141から一の循環チャネル58内を流通するインクを吐出する駆動セル67を構成している。
【0100】
(その他の変形例)
なお、本開示の技術範囲は上述した実施形態に限定されるものではなく、本開示の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上述した実施形態では、液体噴射記録装置の一例として、インクジェットプリンタ1を例に挙げて説明したが、プリンタに限られるものではない。例えば、ファックスやオンデマンド印刷機等であってもよい。
上述した実施形態では、印刷時にインクジェットヘッドが被記録媒体に対して移動する構成(いわゆる、シャトル機)を例にして説明をしたが、この構成に限られない。本開示に係る構成は、インクジェットヘッドを固定した状態で、インクジェットヘッドに対して被記録媒体を移動させる構成(いわゆる、固定ヘッド機)に採用してもよい。
上述した実施形態では、被記録媒体Pが紙の場合について説明したが、この構成に限られない。被記録媒体Pは、紙に限らず、金属材料や樹脂材料であってもよく、食品等であってもよい。
上述した実施形態では、液体噴射ヘッドが液体噴射記録装置に搭載された構成について説明したが、この構成に限られない。すなわち、液体噴射ヘッドから噴射される液体は、被記録媒体に着弾させるものに限らず、例えば調剤中に配合する薬液や、食品に添加する調味料や香料等の食品添加物、空気中に噴射する芳香剤等であってもよい。
【0101】
上述した実施形態では、Z方向が重力方向に一致する構成について説明したが、この構成のみに限らず、Z方向を水平方向に沿わせてもよい。
上述した実施形態では、第1方向がX方向に一致し、第2方向がZ方向に一致する構成について説明したが、この構成に限られない。第1方向及び第2方向は、X方向及びZ方向とは別に定めてもよい。
上述した実施形態では、第2角度θ2が鈍角をなしている構成としたが、この構成に限られない。例えば、第2角度θ2は、第1角度θ1よりも大きい構成であれば、鋭角であってもよく、直角であってもよい。
【0102】
上述した実施形態では、共通端子92,94が吐出チャネル62,63のうち、X方向での幅内に設けられている構成について説明したが、この構成に限られない。共通端子92,94は、吐出チャネル62,63に対してX方向の両側にはみ出していてもよい。
上述した実施形態では、ダイサー200を用いて各チャネル62~66を切削する構成について説明したが、この構成に限られない。各チャネル62~66は、サンドブラストやレーザ加工、エッチング等によって形成してもよい。
【0103】
上述した実施形態では、吐出チャネル62,63と非吐出チャネル64~66との間に位置する部分を駆動壁71~74として用いた構成について説明したが、この構成に限られない。駆動壁71~74は、吐出チャネル62,63をそれぞれ画成し、吐出チャネル62,63を拡大又は縮小させる方向に変形可能であればよい。
上述した実施形態では、第1吐出チャネル62を上流側流路とし、第2吐出チャネル63を下流側流路とする循環式のヘッドチップ50を例にして説明したが、この構成に限られない。第1吐出チャネル62及び第2吐出チャネル63内のインクがそれぞれ接続路120に向けて流れる構成にしてもよい。
【0104】
上述した実施形態では、アクチュエータプレート53の両面にそれぞれカバープレート54,55が設けられる構成について説明したが、この構成に限られない。入口スリット及び出口スリットが形成されたカバープレートが、アクチュエータプレート53の何れかの主面のみに設けられていてもよい。
上述した実施形態では、各配線81~84がアクチュエータプレート53の表面上に引き回される構成について説明したが、この構成に限られない。各配線81~84は、アクチュエータプレート53の両面で別々に外部配線に接続される構成であってもよい。
上述した実施形態では、本開示に係るエンド部材として、ノズルプレート51と帰還プレート52とを別々に有する構成について説明したが、この構成に限られない。エンド部材は、少なくとも接続路及びノズル孔を有する構成であれば、一体で形成されていてもよい。
【0105】
その他、本開示の趣旨を逸脱しない範囲で、上述した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上述した各変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0106】
1…インクジェットプリンタ(液体噴射記録装置)
5…インクジェットヘッド(液体噴射ヘッド)
50…ヘッドチップ
51…ノズルプレート(エンド部材)
52…帰還プレート(エンド部材)
53…アクチュエータプレート
54…第1カバープレート
55…第2カバープレート
62…第1吐出チャネル(第1噴射チャネル)
62c…第1ガイド面
63…第2吐出チャネル(第2噴射チャネル)
63d…第2ガイド面
63f…成膜面(傾斜面)
64…第1非吐出チャネル(第1非噴射チャネル)
65…第2非吐出チャネル(第2非噴射チャネル)
66…第3非吐出チャネル(第3非噴射チャネル)
71…第1上流駆動壁(第1駆動壁)
72…第2上流駆動壁(第1駆動壁)
73…第1下流駆動壁(第2駆動壁)
74…第2下流駆動壁(第2駆動壁)
81…第1共通配線(第1配線部)
82…第2共通配線(第2配線部)
91a…対向電極(第1対向電極)
91b…接続部(第1接続部)
92…第1共通端子(第1端子)
93a…対向電極(第2対向電極)
93b…接続部(第2接続部)
94…第2共通端子(第2端子)
95…尾部
111…入口スリット(第1液体流路)
116…出口スリット(第2液体流路)
120…接続路
131…第1閉塞部(閉塞部)
132…第2閉塞部(閉塞部)
133…第3閉塞部(閉塞部)
141…ノズル孔(噴射孔)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17