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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022097988
(43)【公開日】2022-07-01
(54)【発明の名称】重量物運搬用台車及びその使用方法
(51)【国際特許分類】
   E01D 21/00 20060101AFI20220624BHJP
   E01D 24/00 20060101ALI20220624BHJP
   B66F 9/06 20060101ALI20220624BHJP
【FI】
E01D21/00
E01D24/00
B66F9/06 T
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020211290
(22)【出願日】2020-12-21
(71)【出願人】
【識別番号】520503739
【氏名又は名称】有限会社サンポウ
(71)【出願人】
【識別番号】520503740
【氏名又は名称】株式会社相模エンジニアリング
(74)【代理人】
【識別番号】100130513
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 直也
(74)【代理人】
【識別番号】100074206
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 文二
(74)【代理人】
【識別番号】100130177
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 弥一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100166796
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 雅至
(72)【発明者】
【氏名】圓井 寛茂
(72)【発明者】
【氏名】三輪 浩二
(72)【発明者】
【氏名】道家 健
(72)【発明者】
【氏名】毛塚 修
(72)【発明者】
【氏名】上間 草太
(72)【発明者】
【氏名】内海 知大
【テーマコード(参考)】
2D059
3F333
【Fターム(参考)】
2D059AA07
2D059AA08
2D059BB37
2D059CC09
2D059DD02
2D059DD09
2D059GG41
3F333AA01
3F333BD05
(57)【要約】      (修正有)
【課題】大型重機が使用できない現場において、非常に重い部材を安全に運搬して所定の位置に設置できるようにする重量物運搬用台車及び車重量物の運搬設置方法を提供する。
【解決手段】重量物運搬用台車Cとして、箱型枠体1が上枠11、台枠12及び支柱13から形成され、上枠11に、台枠12の両端直上から張り出すようにレール材2が取り付けられ、レール材2にトロリー3が支持されて、トロリー3にチェーンブロック4が備えられ、台枠12にキャスター5が備えられ、トロリー3は、台枠12の一端直上から張り出す位置と他端直上から張り出す位置との間でレール材2に沿って走行するものを構成する。重量物運搬用台車Cを使用すると、重量物を吊り上げて台枠12に載せ、所定の設置場所の付近まで移動させた後、所定の設置場所に正確に吊り降ろすことができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
箱型枠体(1)が上枠(11)、台枠(12)及び支柱(13)から形成され、前記上枠(11)に、前記台枠(12)の両端直上から張り出すようにレール材(2)が取り付けられ、前記レール材(2)にトロリー(3)が支持されて、前記トロリー(3)にチェーンブロック(4)が備えられ、前記台枠(12)にキャスター(5)が備えられ、
前記トロリー(3)は、前記台枠(12)の一端直上から張り出す位置と他端直上から張り出す位置との間で前記レール材(2)に沿って走行する重量物運搬用台車(C)。
【請求項2】
請求項1に記載の重量物運搬用台車(C)を使用し、前記レール材(2)に支持されたトロリー(3)が前記台枠(12)の一端直上から張り出す位置にある状態で、重量物を前記チェーンブロック(4)で吊り上げ、
前記レール材(2)に沿って前記トロリー(3)を走行させ、重量物を前記台枠(12)の上方に位置させた後、前記チェーンブロック(4)で重量物を降ろして前記台枠(12)に載置し、
その状態で、前記キャスター(5)の車輪の転動により重量物運搬用台車(C)を重量物の所定の設置場所の付近まで移動させ、
前記チェーンブロック(4)で重量物を前記台枠(12)から吊り上げ、前記レール材(2)に沿って前記トロリー(3)を前記台枠(12)の他端直上から張り出す位置まで走行させ、前記チェーンブロック(4)で重量物を所定の設置場所に降ろす重量物の運搬設置方法。
【請求項3】
橋梁における橋桁の取替工事に際し、既存の橋桁(54)の下方で主桁(55a)と床版(55b)とを組み立てた新たな橋桁(55)の主体部を構築しておき、
前記重量物運搬用台車(C)を新たな橋桁(55)の床版(55b)の一側付近に位置づけ、前記床版(55b)の他側縁に設置予定の壁高欄(W)を前記重量物運搬用台車(C)よりも前記床版(55b)の一側縁寄りに仮置きし、
その状態から、前記重量物運搬用台車(C)を使用する請求項2に記載の方法により、前記壁高欄(W)を前記床版(55b)の他側縁に臨む位置まで運搬して所定の場所に設置する壁高欄(W)の運搬設置方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、構造物の施工等に際し、重量物を運搬して設置するための台車及びその使用方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、高速道路の経年に伴い、高架部分の橋梁の橋桁を取り替える工事が各地で行われているが、都市部においては、図12に示すように、高速道路51の高架橋51aに沿って通行量の多い一般道路52が並行する区間があり、そのような区間では、一般道路52を通行止めにして、長いブームを有する大型のクレーン車を高速道路51の高架橋に横付けした状態で、重量物の撤去や設置等の作業を行うことができない。
【0003】
このような条件の下で工事を行うため、既存の橋桁の下方で新しい橋桁を地組で組み立て、既存の橋桁を小さく分割して撤去した後、新しい橋桁をジャッキで持ち上げる工法が採用されることがある。
【0004】
ところが、この工法によると、新しい橋桁を地組する際、作業現場の上方に既存の橋桁が存在しているため、壁高欄等の重量物を運搬する手段として、やはり大型のクレーン車を使用できず、その対策として、例えば、下記特許文献1に記載されたようなコンパクトな手動アーム式の重量物吊上げ運搬車を使用することが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001-31383号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載された重量物吊上げ運搬車は、金属を主体とする機械の組み立てに使用することを想定したものであり、非常に重いコンクリート製の部材の運搬に適したものではない。
【0007】
そこで、この発明は、大型重機が使用できない現場において、非常に重い部材を安全に運搬して所定の位置に設置できる装置及び方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、この発明は、箱型枠体が上枠、台枠及び支柱から形成され、前記上枠に、前記台枠の両端直上から張り出すようにレール材が取り付けられ、前記レール材にトロリーが支持されて、前記トロリーにチェーンブロックが備えられ、前記台枠にキャスターが備えられ、
前記トロリーは、前記台枠の一端直上から張り出す位置と他端直上から張り出す位置との間で前記レール材に沿って走行する重量物運搬用台車を提供することとしたのである。
【0009】
また、前記重量物運搬用台車を使用し、前記レール材に支持されたトロリーが前記台枠の一端直上から張り出す位置にある状態で、重量物を前記チェーンブロックで吊り上げ、
前記レール材に沿って前記トロリーを走行させ、重量物を前記台枠の上方に位置させた後、前記チェーンブロックで重量物を降ろして前記台枠に載置し、
その状態で、前記キャスターの車輪の転動により重量物運搬用台車を重量物の所定の設置場所の付近まで移動させ、
前記チェーンブロックで重量物を前記台枠から吊り上げ、前記レール材に沿って前記トロリーを前記台枠の他端直上から張り出す位置まで走行させ、前記チェーンブロックで重量物を所定の設置場所に降ろす方法を提供することとしたのである。
【0010】
また、その応用として、橋梁における橋桁の取替工事に際し、既存の橋桁の下方で主桁と床版とを組み立てた新たな橋桁の主体部を構築しておき、
前記重量物運搬用台車を新たな橋桁の床版の一側付近に位置づけ、前記床版の他側縁に設置予定の壁高欄を前記重量物運搬用台車よりも前記床版の一側縁寄りに仮置きし、
その状態から、前記重量物運搬用台車を使用する上述の方法により、前記壁高欄を前記床版の他側縁に臨む位置まで運搬して所定の場所に設置する壁高欄の運搬設置方法を提供することとしたのである。
【発明の効果】
【0011】
この発明に係る重量物運搬用台車では、箱型枠体の上部に取り付けられたレール材が、キャスターを有する台枠の一端及び他端の直上から張り出し、レール材に沿ってチェーンブロックを備えたトロリーが走行する構造となっているので、その使用により、壁高欄のようなコンクリート製の重量物を吊り上げて台枠に載せ、所定の設置場所の付近まで移動させた後、所定の設置場所に吊り降ろすことができる。したがって、大型重機が使用できない現場において、非常に重い部材を安全に運搬して所定の位置に正確に設置できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】この発明に係る重量物運搬用台車の実施形態を示す上方からの斜視図
図2】同上の(2A)概略正面図、(2B)概略側面図
図3】高架橋の橋脚に沿った支保工の設置状態を示す斜視図
図4】同上の既存の橋桁の下方での新たな橋桁の組立状態を示す斜視図
図5】同上の新たな橋桁の床版に壁高欄を設置した状態を示す斜視図
図6】同上の重量物運搬用台車を使用した壁高欄の設置方法の説明図
図7】同上の既存の橋桁の解体撤去工程を示す斜視図
図8】同上の新たな橋桁の床版を上昇させる工程を示す斜視図
図9】同上の新たな橋桁を連結して橋脚で支持する工程を示す斜視図
図10】同上の新たな橋桁の連結部に壁高欄を設置する工程を示す斜視図
図11】同上の新たな橋桁を舗装し路面標示を施工した状態を示す斜視図
図12】橋桁の取替工事を行う高速道路を示す上空からの俯瞰図
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、この発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0014】
図1及び図2に示すように、この発明に係る重量物運搬用台車Cは、重量物であるコンクリート製の壁高欄Wを運搬して設置するためのものであり、鋼材からなる箱型枠体1を基本構造体としている。
【0015】
箱型枠体1は、長方形状の上枠11及び台枠12と、四隅で直立する支柱13とからなり、支柱13は、上柱13aと下柱13bとに分割され、上枠11と上柱13aから上部枠体1aが、台枠12と下柱13bから下部枠体1bがそれぞれ形成されている。
【0016】
上枠11は、各一対の短辺及び長辺をなすH形鋼の辺材11a,11bを溶接し、対角に筋交い11cが渡されたものである。
【0017】
辺材11a,11bが接合された隅部には、上柱13aが溶接され、上柱13aの辺材11a,11bに対する角度が直角に維持されるように補強リブで補強されている。
【0018】
台枠12は、各一対の短辺及び長辺をなすH形鋼の辺材12a,12bを溶接し、対向する辺材12bの下面間に、壁高欄Wを受け止める2本の受材12cを渡して溶接したものである。受材12cの上面には、ゴム製の緩衝材12dが貼り付けられている。
【0019】
辺材12a,12bが接合された隅部には、下柱13bが溶接され、辺材12aに対する下柱13bの角度が直角に維持されるように補強リブで補強されている。
【0020】
上枠11から上柱13aが垂下した上部枠体1aと、台枠12から下柱13bが直立した下部枠体1bとは、上柱13aと下柱13bの間に高さ調整用の調整架台13cを介在させ、ボルトで結合されている。上枠11及び台枠12の短辺側の面において、対向する支柱13には筋交い13dが渡されている。
【0021】
上枠11の対向する辺材11bの下面には、台枠12の短辺の両端直上から張り出すようにH形鋼のレール材2がボルトで取り付けられている。レール材2の下方のフランジにはトロリー3が支持され、トロリー3にチェーンブロック4が備えられている。
【0022】
トロリー3は、台枠12の一端直上から張り出す位置と他端直上から張り出す位置との間でレール材2に沿って走行するようになっている。
【0023】
台枠12の四隅には、車輪の方向転換が可能なキャスター5が備えられている。下柱13bには、L字状のキャスター操作ハンドル5aを保持する筒状のハンドルホルダー5bが設けられている。キャスター操作ハンドル5aは、キャスター5を旋回させて重量物運搬用台車Cの移動方向を転換する際、ハンドルホルダー5bから引き抜いて、キャスター5の車輪を保持する部分に係合させる。
【0024】
また、台枠12の辺材12bの両端部下面には、キャスター5の方向転換等に際し、箱型枠体1を持ち上げるジャッキJの頭部を受け止めるためのジャッキ受具12eが取り付けられている。辺材12bのウェブの側面には、重量物を吊り上げた際における転倒を防止するため、重量物の重さに応じたカウンターウエイト6がボルトで装着される。
【0025】
キャスター5の取付座と台枠12の下面との間には、重量物運搬用台車Cの移動面が傾いている場合に台枠12を水平にするため、適宜の枚数の高さ調整プレート7が挟み込まれて、ボルトで固定される。なお、台枠12を水平にするための機構としては、周知のねじ式の機構等を採用してもよい。
【0026】
また、一方の辺材12aの上面には、ジャッキJを収納しておくジャッキ収納部12fのほか、直立する複数本の保持棒12gが設けられており、高さ調整プレート7やジャッキJの底に敷くためのライナープレート8は、隅部の穴に保持棒12gを差し込んで、複数枚重ねた状態で保持できるようになっている。
【0027】
上記のような構成の重量物運搬用台車Cを使用して、図12に示すように、高速道路51の上り線と下り線の並行する高架橋51aについて、それぞれの橋桁の取替工事を行うには、図3に示すように、高架橋51aの橋脚53に沿って支保工21を設置する。
【0028】
次に、図4に示すように、既存の橋桁54の下方の地面に設置した作業用受座22の上で、主桁55aと床版55bとを組み立てて新たな橋桁55の主体部を構築する。
【0029】
そして、図5に示すように、新たな橋桁55の上方に既存の橋桁54が存在するままの状態で、1個当たり3tを超える重量を有する壁高欄Wを、床版55bの両側縁にそれぞれ沿った所定の場所に並べて設置する。
【0030】
この作業に際しては、図6に示すように、並行する高架橋51aの間のスペースを利用し、小型のクレーン等により、新たな橋桁55の床版55bの一側付近に重量物運搬用台車Cを載せ、床版55bの一側縁に沿った所定位置に一方の壁高欄Wを設置し、他方の壁高欄Wを床版55bの一側縁と重量物運搬用台車Cの間に仮置きする。
【0031】
そして、重量物運搬用台車Cにおいて、トロリー3が台枠12の一端直上から張り出す位置にある状態で、仮置きした壁高欄Wをチェーンブロック4で吊り上げる。その際、チェーンブロック4の荷鎖の下端のフックを、壁高欄Wの頂面の凹所に下部が埋められた吊上ピンの頭部にC字状の吊金具を介して係合させ、荷鎖を巻き上げる(図2参照)。
【0032】
次に、レール材2に沿ってトロリー3を走行させ、壁高欄Wを台枠12の上方に位置させた後、チェーンブロック4で壁高欄Wを降ろして台枠12の受材12cに載置する。この繰り返しにより、台枠12には、一列に並べる複数個の壁高欄Wを積載する。
【0033】
なお、キャスター5の車輪は、運搬対象の壁高欄Wの設置予定方向へ向けておくが、高速道路51のカーブ区間に対応して橋桁55が幅方向に傾いている場合には、壁高欄Wの昇降作業に際し、重量物運搬用台車Cが床版55bの低い方へ不意に移動しないように、キャスター5の車輪に沿ってタイヤストッパー23を置いておく。
【0034】
この状態で、キャスター5の車輪の転動により、重量物運搬用台車Cを床版55bの他側縁に臨む壁高欄Wの所定の設置場所の付近まで移動させる。
【0035】
次に、チェーンブロック4で壁高欄Wを台枠12から吊り上げ、レール材2に沿ってトロリー3を台枠12の他端直上から張り出す位置まで走行させ、チェーンブロック4で壁高欄Wを所定の設置場所に降ろし、その場所に固定する。
【0036】
そして、キャスター5の向きを変えて、重量物運搬用台車Cを橋桁55の長さ方向に移動させ、壁高欄Wを台枠12から降ろし、床版55bの他側縁に沿って複数個並べる。
【0037】
その後、新たな橋桁55の上方に残存する既存の橋桁54を解体除去する。この作業に際しては、既存の橋桁54の床版54bを撤去し、図7に示すように、主桁54aを切断して小さく分割し、並行する他方の高架橋51aを利用して、細分化された主桁54aを大型のクレーン24により撤去する。
【0038】
既存の橋桁54の除去が完了すると、図8に示すように、新たな橋桁55を、支保工21に沿ってジャッキ(図示省略)により所定の高さまで順次上昇させる。
【0039】
次に、図9に示すように、橋脚53の上方で新たな橋桁55の主桁55a及び床版55bを連結するため、他方の高架橋51aを利用して、トラック25で運び込んだ主桁55a及び床版55bの延長部をクレーン24により橋脚53に載せ、地組みした橋桁55と連結し、主桁55a及び床版55bを橋脚53の間に渡して架設した状態とする。
【0040】
さらに、図10に示すように、新たな橋桁55の連結部の床版55bに、他方の高架橋51aを利用してトラック25で運び込んだ壁高欄Wの連結部を、大型のクレーン24により所定の場所に設置する。
【0041】
最後に、図11に示すように、新たな橋桁55の床版55bに舗装を行い、路面標示を施工するとともに、作業用の仮設物を撤去すれば、この区間の工事は完了する。
【0042】
このように、上記重量物運搬用台車Cでは、箱型枠体1の上部に取り付けられたレール材2が、キャスター5を有する台枠12の一端及び他端の直上から張り出し、レール材2に沿ってチェーンブロック4を備えたトロリー3が走行する構造となっているので、その使用により、壁高欄Wのようなコンクリート製の重量物を吊り上げて台枠12に載せ、所定の設置場所の付近まで移動させた後、所定の設置場所に吊り降ろすことができる。
【0043】
なお、上記実施形態では、重量物運搬用台車Cを高架橋51aにおける橋桁の取替工事に使用する場合について例示したが、上記構成の重量物運搬用台車Cは、このような用途に限らず、大型重機が使用できないような条件の現場において、様々な種類の非常に重い部材を安全に運搬して所定の位置に正確に設置することができる。
【0044】
また、重量物運搬用台車Cの形態は、運搬する重量物の形状や使用する現場の状況に応じて、適宜変更することができる。
【符号の説明】
【0045】
1 箱型枠体
1a 上部枠体
1b 下部枠体
2 レール材
3 トロリー
4 チェーンブロック
5 キャスター
5a キャスター操作ハンドル
5b ハンドルホルダー
6 カウンターウエイト
7 高さ調整プレート
8 ライナープレート
11 上枠
11a,11b 辺材
11c 筋交い
12 台枠
12a,12b 辺材
12c 受材
12d 緩衝材
12e ジャッキ受具
12f ジャッキ収納部
12g 保持棒
13 支柱
13a 上柱
13b 下柱
13c 調整架台
13d 筋交い
21 支保工
22 作業用受座
23 タイヤストッパー
24 クレーン
25 トラック
51 高速道路
51a 高架橋
52 一般道路
53 橋脚
54 橋桁(既設)
54a 主桁
54b 床版
55 橋桁(新設)
55a 主桁
55b 床版
C 重量物運搬用台車
J ジャッキ
W 壁高欄
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12