(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022097994
(43)【公開日】2022-07-01
(54)【発明の名称】撮像装置用防振機構、光学系、カメラ及び電子機器
(51)【国際特許分類】
G03B 5/00 20210101AFI20220624BHJP
G03B 17/02 20210101ALI20220624BHJP
G02B 7/02 20210101ALI20220624BHJP
G03B 17/04 20210101ALI20220624BHJP
H04N 5/225 20060101ALI20220624BHJP
H04N 5/232 20060101ALI20220624BHJP
【FI】
G03B5/00 J
G03B17/02
G02B7/02 Z
G03B17/04
H04N5/225 100
H04N5/232 480
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020211298
(22)【出願日】2020-12-21
(71)【出願人】
【識別番号】520357958
【氏名又は名称】ジョウシュウシ レイテック オプトロニクス カンパニーリミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100104134
【弁理士】
【氏名又は名称】住友 慎太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100156225
【弁理士】
【氏名又は名称】浦 重剛
(74)【代理人】
【識別番号】100168549
【弁理士】
【氏名又は名称】苗村 潤
(74)【代理人】
【識別番号】100200403
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 幸信
(74)【代理人】
【識別番号】100206586
【弁理士】
【氏名又は名称】市田 哲
(72)【発明者】
【氏名】色摩 和雄
【テーマコード(参考)】
2H044
2H100
2H101
2K005
5C122
【Fターム(参考)】
2H044AJ06
2H100BB11
2H101BB07
2K005AA04
2K005CA02
2K005CA04
2K005CA23
2K005CA24
2K005CA44
2K005CA45
2K005CA57
5C122EA41
5C122GE11
5C122HA82
(57)【要約】
【課題】手振れ補正機構を含む撮像装置において、撮像装置用防振機構を提供する。
【解決手段】 光軸方向に移動してピント調整機構を含む光学系を備える撮像装置において、撮像素子を防振させることにより手振れ補正を行う防振機構を有する光学系であって、物体側より順に撮像レンズ群、防振機構、防振機構上の撮像素子を備え、撮像レンズ群の光軸に直交する平面を移動平面として前記防振機構上の撮像素子を移動させ手振れ補正を行う。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光軸方向に移動し、ピント調整機構を含む光学系を備える撮像装置に設けられており、撮像素子を光軸方向に直交する平面に移動させることにより手振れ補正を行う防振機構であって、
前記撮像素子を含む防振機構は、撮像レンズ群よりも像側に配置され、前記光軸に対し直交する平面上に移動可能であり、
前記撮像素子を枠ユニットに滑らかに移動可能に保持する為のボール部材をさらに含み、前記撮像素子の移動を駆動するための駆動部材は電動アクチュエータであり、
前記枠ユニットは、移動可能な、光軸方向に直交する平面上において2軸に沿って移動するための移動枠を含み、
前記防振機構は、電動アクチュエータを駆動するための集積回路と駆動の際の位置検出素子をさらに含み、
撮像素子の信号を伝えるためのフレキシブル基板をさらに含み、
レンズを駆動するための装置の電源供給をするための回路をさらに含み、
前記電動アクチュエータは、SMAワイヤであることを特徴とする撮像装置用防振機構。
【請求項2】
前記移動枠には、前記ボール部材を保持するための溝が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置用防振機構。
【請求項3】
前記防振機構は、上部に搭載する、レンズを駆動する装置の位置検出用信号線を供給する回路を有していることを特徴とする請求項1または2に記載の撮像装置用防振機構。
【請求項4】
前記電動アクチュエータの付勢方向は、前記SMAワイヤの取付部とベース部が引き合う方向と同一であることを特徴とする請求項3に記載の撮像装置用防振機構。
【請求項5】
撮像素子を乗せるためのベースをさらに含み、前記ベースは金属で作製された板であり、
前記支持枠は、樹脂部材であり、
前記ベースと前記支持枠は、一体であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の撮像装置用防振機構。
【請求項6】
前記電動アクチュエータへ通電する為のフレキシブル基板は、撮像素子を保持する枠の、光軸方向に設けられており、且つ前記撮像素子の裏側に位置し、移動する各軸に対応するように少なくとも2回折り曲げていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の撮像装置用防振機構。
【請求項7】
前記電動アクチュエータへ通電する為のフレキシブル基板は、撮像素子を保持する枠の、光軸方向に直交する平面に設けられており、電動アクチュエータよりも外側で少なくとも2回、移動する各軸に対応するよう折り曲げていることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の撮像装置用防振機構。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載の防振機構を含むことを特徴とする光学系。
【請求項9】
前記光学系は、ピント調整機構を含み、前記ピント調整機構は、レンズをチルト可能であるチルト手振れ補正機構を持つピント調整機構であることを特徴とする請求項8に記載の光学系。
【請求項10】
前記ピント調整機構は、レンズを多段で沈胴し収納可能なズーム機構を持つピント調整機構であることを特徴とする請求項9に記載の光学系。
【請求項11】
請求項8から10のいずれか1項に記載の光学系を備えることを特徴とするカメラ。
【請求項12】
請求項11に記載のカメラを備えることを特徴とする携帯電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は手振れ補正機能付き撮像装置用防振機構、光学系、カメラ及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
撮影技術の急速な発展に伴い、レンズ駆動を含む撮像装置は、数多くの撮影装置で広く応用されている。レンズ駆動を含む撮像装置を各種の携帯式電子機器、例えば携帯電話、タブレットコンピュータ等に応用したものは、特に消費者に受け入れられている。
【0003】
通常の携帯式電子機器に適応されたレンズ駆動装置の駆動機構は、一般的に光軸方向にピントを調整するオートフォーカス機構及び、光軸方向に直交する平面を駆動する手振れ補正機構が一体となって構成される事が多い。
これら2つの機能はコイルと磁石鋼とによって形成され、コイルがレンズキャリアの外周に固定されている。コイルへ電流を印加するとき、電磁力の作用によって、コイルは、レンズキャリアを動かしてレンズの光軸方向に沿って移動させることによって焦点を合わせることができる。また、ユーザが手で電子機器を持ちながら撮影する際に、手振れによるレンズ駆動装置の振れに対しては光軸に対して垂直方向へ駆動する事で振れを補正することが可能となる。
しかしながら、例えば携帯式電子機器に搭載する小型の小型機器であって、光学全長の長い中望遠などの光学系での手振れ補正機構は、駆動量の長さやレンズの重量により一体機構の中での低背化や小型化が難しい課題があった。
また光軸方向に駆動するピントを調整するためのオートフォーカス機構とレンズを光軸に直交する平面で駆動するレンズシフト手振れ補正機構が一体であることでそれぞれの持つ固有振動を抑制するための機構や、レンズの芯出しなどの調整も必要なため、組付けの工夫が必要な面や、設計難易度も上がる傾向にある。
さらに光軸方向に駆動するピントを調整するためのオートフォーカス機構と光軸方向に直交する平面を駆動するレンズシフト手振れ補正機構はレンズバレルを3次元的に移動可能な為落下時の衝撃対策の難しさなどが挙げられる。
これらの課題を解決するために撮像素子を駆動する機構があるが、支持部材に板バネを用いた構成では落下時の変形による正常な駆動を妨げられる可能性や、上部レンズユニットの重量による傾きや沈み込みが発生する懸念もあった。
【0004】
従って、以上の課題を解決できる新しい撮像装置を提供することが必要となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006-113545号公報
【特許文献2】特開2006-133740号公報
【特許文献3】特開2006-330678号公報
【特許文献4】特開2006-337987号公報
【特許文献5】特開2016-224262号公報
【特許文献6】特開2017-15772号公報
【特許文献7】特開2019-225428号公報
【特許文献8】特開2020-52248号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は以上の問題点を鑑みてなされたものであり、屈曲光学系を有する撮像装置の手振れ補正において、撮像装置を大型化することのなく省スペースな防振機構を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の目的は以下のように実現された。なお、以下の説明において、発明の理解を容易にするために図面中の符号等を括弧書きで付記するが、本発明の各構成要素はこれらの付記したものに限定されるものではなく、当業者が技術的に理解しうる範囲にまで広く解釈されるべきものである。
【0008】
光軸方向に移動し、ピント調整機構を含む光学系を備える撮像装置に設けられており、撮像素子を光軸方向に直交する平面に移動させることにより手振れ補正を行う防振機構であって、
前記撮像素子を含む防振機構は、撮像レンズ群よりも像側に配置され、前記光軸に対し直交する平面上に移動可能であり、
前記撮像素子を枠ユニットに滑らかに移動可能に保持する為のボール部材をさらに含み、前記撮像素子の移動を駆動するための駆動部材は、電動アクチュエータであり、
前記枠ユニットは、移動可能な、光軸方向に直交する平面上において2軸に沿って移動するための移動枠を含み、
前記防振機構は、電動アクチュエータを駆動するための集積回路と駆動の際の位置検出素子をさらに含み、
撮像素子の信号を伝えるためのフレキシブル基板をさらに含み、
レンズを駆動するための装置の電源供給をするための回路をさらに含む。
【0009】
前記電動アクチュエータは、SMAワイヤである。
前記移動枠には、前記ボール部材を保持するための溝が設けられていることが好ましい。
【0010】
前記防振機構は上部に搭載する、レンズを駆動する装置の位置検出用信号線を供給する回路を有していることが好ましい。
【0011】
前記電動アクチュエータの付勢方向は、前記SMAワイヤとベースが引き合う方向と同一であることが好ましい。
【0012】
撮像素子を乗せるためのベースをさらに含み、前記ベースは金属で作製された板であり、
前記支持枠は、樹脂部材であり、
前記ベースと前記支持枠は、一体であることが好ましい。
【0013】
前記電動アクチュエータへ通電する為のフレキシブル基板は、撮像素子を保持する枠の、光軸方向に設けられており、且つ前記撮像素子の裏側に位置し、少なくとも2回、移動する各軸に対応するよう折り曲げていることが好ましい。
【0014】
前記電動アクチュエータへ通電する為のフレキシブル基板は、撮像素子を保持する枠の、光軸方向に直交する平面に設けられており、電動アクチュエータよりも外側で少なくとも2回、移動する各軸に対応するよう折り曲げていることが好ましい。
【0015】
上記防振機構を含む光学系である。
【0016】
前記光学系は、ピント調整機構を含み、前記ピント調整機構は、レンズをチルト可能であるチルト手振れ補正機構を持つピント調整機構の構成であることが好ましい。
【0017】
前記光学系は、ピント調整機構を含み、前記ピント調整機構は、レンズを多段で沈胴し収納可能なズーム機構を持つピント調整機構であることが好ましい。
【0018】
また本発明は、上記光学系を備えるカメラを含む。
【0019】
また本発明は、上記カメラを備えるスマートフォンなどの携帯電子機器を含む。
【発明の効果】
【0020】
本発明の利点として、本発明の撮像装置用防振機構が、撮像素子を光軸に直交する平面内で2つの枠体により移動させることによって手振れ補正を行うことで、撮像素子上に配置されるピント調整機構とレンズからなるユニットが低背、小型化し、レンズシフト手振れ補正機構を省き、ピント調整機構とフレ補正機構の部品を分離し固有振動を抑制するため設計難易度が下がることや、同時にレンズバレルを3次元的に移動する必要がなくなるため落下時の衝撃対策の設計難易度も下がり、合わせてレンズバレルの芯出しも容易になり、レンズが平面方向へシフトしないためスマートフォン等のレンズ突出開口部を最小にすることができる。
撮像素子を駆動する機構においても、支持部材に板バネを用いない構成のため、落下時の変形による駆動妨害の懸念や、上部レンズユニットの重量による傾きや沈み込みを抑え、像面での性能影響を少なくすることができる。
また付勢手段である電動アクチュエータのSMAワイヤとベースによりガタ取り及び付勢を行うことができるため、付勢の為の他部材が必要なく、部品の大幅な削減による小型化、組付け容易化に貢献している。
さらに、ピント調整機構はレンズを沈胴し収納するズーム機構を持っていてもよく、その他の組み合わせとして、レンズをチルトして防振するチルト手振れ補正機構である場合は撮像装置用防振機構と合わせ4軸の手振れ補正が可能である。
これらの利点より、小型化が進む携帯式電子機器の中でより効率の良い防振機構をする目的が達成でき、撮像画像の品位が良くなる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の実施形態の撮像装置用防振機構のうち、撮像素子の下側を通るフレキシブル基板の構成を前側から見た斜視図である。
【
図2】本発明の実施形態の撮像装置用防振機構のうち、防振機構の側面を通るフレキシブル基板の構成を前側から見た斜視図である。
【
図3】本発明の実施形態の撮像装置用防振機構のうち、撮像素子の下側を通るフレキシブル基板の構成の断面図である。
【
図4】本発明の実施形態の撮像装置用防振機構のうち、防振機構の側面を通るフレキシブル基板の構成のA-A線断面図である。
【
図5】本発明の一実施形態のフレキシブル基板の一方の角度の模式図である。
【
図6】
図5に示すフレキシブル基板の他方の角度の模式図である。
【
図7】本発明の別の実施形態のフレキシブル基板の一方の角度の模式図である。
【
図8】
図7に示すフレキシブル基板の他方の角度の模式図である。
【
図9】本発明の実施形態のピント調整機構を持つオートフォーカス機構である。
【
図11】本発明の実施形態のピント調整機構を持つ沈胴するズーム機構である。
【
図13】本発明の撮像装置用防振機構を備えた携帯電子機器(携帯情報端末)である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照しながら、本発明について詳しく説明する。
【0023】
図1~
図4は、本発明の撮像装置用防振機構100、防振ユニット60を示す図面である。
【0024】
図1~
図12は、本発明の実施形態に係る撮像装置とその構成要素を示している。
撮像装置用防振機構100の撮像光学系は、対物側よりレンズ30、レンズ30を駆動させピント調整機構を持つオートフォーカス機構31または、レンズ30を駆動させピント調整機構を含む沈胴するズーム機構32、撮像素子40で構成される光学系となっている。
【0025】
光軸に沿ってレンズ30のレンズ入射面30-aに入射した被写体からの光束は、レンズ射出面30-bによって射出され、撮像素子40の撮像面上に結像される。
【0026】
撮像装置用防振機構100はベースA10-aを有し、当該ベースA10-aが金属でで作製された板であってもよい。
図1に示すように、ベースA10-aは、防振ユニット60の空間を有するケースA11-aとで構成される空間に、ベース10-aが有するSMAワイヤ取付部B75がある。
撮像装置用防振機構100は撮像素子40を枠ユニットに滑らかに移動可能に保持する為のボール部材を有する。撮像素子40の移動を駆動するための駆動部材は電動アクチュエータである。当該電動アクチュエータはSMAワイヤ70である。
ボール15は、ベースA10-a上にある支持枠12-aと、支持枠12-a上に支持される可能な移動枠13-aとの間に支持されており、ベースA10-aにはSMAワイヤ取付部A74に取り付けられた移動のための電動アクチュエータ部材であるSMAワイヤ70と撮像素子支持枠14がさらに取り付けられ、撮像素子支持枠14上には撮像素子40と撮像素子及び電動アクチュエータへの信号線及び電源線を伝えるためのフレキシブル基板A50が取り付けられ、外部からの信号及び電源のやり取りが行われる。
支持枠12-aは、樹脂部材であってもよく、ベースA10-aと支持枠12-aは一体的に作製されてもよい。
またフレキシブル基板A50上には防振ホールセンサ71が取り付けられ、位置検出用磁石73の磁力を読み取り、フィードバックできる様配置される。
ベースA10-aの底面はフレキシブル基板A50を外部へ通すための開口部があり、カバー板20によって塞がれる。
【0027】
移動枠13-aに取り付けられている撮像素子支持枠14とSMAワイヤ70、防振ホールセンサ71及び、フレキシブル基板Aまたはフレキシブル基板Bは、SMAワイヤ70への通電によって引き起こされるSMAワイヤ70は通電による収縮が行われ、ベース10-aが有するSMAワイヤ取付部B75との引き合いにより駆動され、防振動作が行われる。
【0028】
前記ベースA10-a及びベースB10-bには支持枠12-aとの摺動用にボール15を保持できるベースの支持部材溝10-cを有している。また支持枠12-aの対向する部分にも支持枠の支持部材溝12-bを有している。さらに支持枠12-aと移動枠13-aの対向する部分にも支持枠の支持部材溝12-c及び、移動枠13-aにも移動枠の支持部材溝13-bが形成されており、これら支持部材溝はボール15が滑らかに回転できるよう面精度が設定されている。
【0029】
前記ベースの支持部材溝10-c及び、支持枠の支持部材溝12-b、支持枠12-aの支持部材溝12-c、移動枠の支持部材溝13-bについては対応する移動方向の溝が掘られているため移動方向規制を兼ね備え、想定する移動方向以外への回動などを防止する効果を有する。
【0030】
前記ベースの支持部材溝10-c及び、支持枠の支持部材溝12-b、支持枠の支持部材溝12-c、移動枠の支持部材溝13-bの支持及び摺動部にはボール15を用いて、低負荷で摺動可能であり、前記与圧によって確実なガタ取りを可能としている。
【0031】
前述したガタ取りする方向は、移動枠13-aに取り付けられたSMAワイヤ70からベース10-aが有するSMAワイヤ取付部B75の方向に働き、ベースA10-a及び支持枠12-aと移動枠13-aの距離が決定される方向と一致しており、安定した位置検出を可能とすることができる。
【0032】
前述した通り、支持枠12-aはボール15によってベースA10-aに移動自在に保持され、支持枠12-a上には移動枠13-aがボール15によって移動可能に保持されている。
また、移動枠13-a上に配置されたSMAワイヤ70からベース10-aが有するSMAワイヤ取付部B75の方向に付勢されており、支持枠12-aを介した脱落防止及びブロック間のガタ取りの役割を持ち、大幅な部品削減を行うことを可能としている。
【0033】
前記防振ホールセンサ71を設けることにより、ベースA10-aに取り付けられた防振磁石B75の磁気を検出し、移動枠13-a及び支持枠12-aの位置を検出することが出来る為、より精度良い振れ補正調整を行い正確な制御を実現している。
【0034】
撮像装置用防振機構100のフレキシブル基板A50は撮像素子40の下側に折り曲げて配置され、2軸の駆動方向に自由に駆動できるよう、フレキシブル基板A50の反力を軽減するため、2軸それぞれに少なくとも1回以上折りたたんで撮像装置用防振機構100の外側に信号線や電源線を含めた配線が出来るよう、フレキシブル基板Aの屈曲部52の様に構成されている。
【0035】
前記フレキシブル基板A50は撮像素子40や撮像装置用防振機構100の全ての信号線、電源線を伝えるためのもので、レンズ30を保持する、ピント調整機構を持つオートフォーカス機構31やその他レンズ30に関わる装置への信号線、電源線も兼ね備えている。
【0036】
前記フレキシブル基板A50は、フレキシブル基板B51のように撮像素子用防振機構の側面に配置することも可能であり、その場合はフレキシブル基板Bの屈曲部53の様に構成することもでき、その場合はベースB10-b、ケースB11-bの様にフレキシブル基板B51を収容する空間を持つ部材により構成することも出来る。
この場合も前記全ての信号線や電源線を兼ね備えることは変わらない。
【0037】
本実施形態において、前記レンズを駆動するための装置はピント調整機構を持つ沈胴するズーム機構32または、レンズをチルトして防振するチルト手振れ補正機構(図示しない)であってもよい。
【0038】
上述した撮像装置用防振機構100は、たとえば
図13に示すいわゆるスマートフォン、いわゆるフィーチャーフォン、またはタブレット機器などの携帯情報機器200用の撮像装置用防振機構100に用いられてもよい。
【0039】
以上は、ただ本発明の好ましい実施形態に過ぎなく、本発明の保護範囲は、上記実施形
態に限定されたものではなく、本領域の技術者が本発明に開示された内容に基づき作られ
た同等の修正または変形は、すべて本願の特許請求の範囲に記載された本発明に含まれて
いる。
【符号の説明】
【0040】
10-a … ベースA
10-b … ベースB
10-c … ベースの支持部材溝
11-a … ケースA
11-b … ケースB
12-a … 支持枠
12-b … 支持枠の支持部材溝
12-c … 支持枠の支持部材溝
13-a … 移動枠
13-b … 移動枠の支持部材溝
14 … 撮像素子支持枠
15 … ボール
20 … カバー板
30 … レンズ
30-a … レンズ入射面
30-b … レンズ射出面
31 … ピント調整機構を持つオートフォーカス機構
32 … ピント調整機構を持つ沈胴するズーム機構
40 … 撮像素子
50 … フレキシブル基板A
51 … フレキシブル基板B
52 … フレキシブル基板Aの屈曲部
53 … フレキシブル基板Bの屈曲部
60 … 防振ユニット
70 … SMAワイヤ
71 … 防振ホールセンサ
73 … 位置検出用磁石
74 … SMAワイヤ取付部A
75 … SMAワイヤ取付部B
100 … 撮像装置用防振機構
200 … 携帯情報機器
【手続補正書】
【提出日】2022-03-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光軸方向に移動し、ピント調整機構を含む光学系を備える撮像装置に設けられており、撮像素子を光軸方向に直交する平面に移動させることにより手振れ補正を行う防振機構であって、
前記撮像素子を含む防振機構は、撮像レンズ群よりも像側に配置され、前記光軸に対し直交する平面上に移動可能であり、
前記撮像素子を枠ユニットに滑らかに移動可能に保持する為のボール部材をさらに含み、前記撮像素子の移動を駆動するための駆動部材は電動アクチュエータであり、
前記枠ユニットは、移動可能な、光軸方向に直交する平面上において2軸に沿って移動するための移動枠を含み、
前記防振機構は、電動アクチュエータを駆動するための集積回路と駆動の際の位置検出素子をさらに含み、
前記撮像素子の信号を伝えるためのフレキシブル基板をさらに含み、
レンズを駆動するための装置の電源供給をするための回路をさらに含み、
前記撮像素子を乗せるためのベースをさらに含み、前記ベースがSMAワイヤ取付部を有し、
前記電動アクチュエータは、SMAワイヤであり、
前記SMAワイヤへの通電によって前記SMAワイヤが収縮されることにより、前記移動枠に取り付けられている撮像素子支持枠と前記SMAワイヤ、及び前記フレキシブル基板は、前記SMAワイヤ取付部との引き合いにより駆動され、防振動作が行われることを特徴とする撮像装置用防振機構。
【請求項2】
前記移動枠には、前記ボール部材を保持するための溝が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の撮像装置用防振機構。
【請求項3】
前記防振機構は、上部に搭載する、レンズを駆動する装置の位置検出用信号線を供給する回路を有していることを特徴とする請求項1または2に記載の撮像装置用防振機構。
【請求項4】
前記電動アクチュエータの付勢方向は、前記SMAワイヤ取付部とベース部が引き合う方向と同一であることを特徴とする請求項3に記載の撮像装置用防振機構。
【請求項5】
前記ベース上にある支持枠をさらに含み、前記ベースは金属で作製された板であり、
前記支持枠は、樹脂部材であり、
前記ベースと前記支持枠は、一体であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の撮像装置用防振機構。
【請求項6】
前記電動アクチュエータへ通電する為のフレキシブル基板は、撮像素子を保持する枠の、光軸方向に設けられており、且つ前記撮像素子の裏側に位置し、移動する各軸に対応するように少なくとも2回折り曲げていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の撮像装置用防振機構。
【請求項7】
前記電動アクチュエータへ通電する為のフレキシブル基板は、電動アクチュエータよりも外側で少なくとも2回、移動する各軸に対応するよう折り曲げていることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の撮像装置用防振機構。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載の防振機構を含むことを特徴とする光学系。
【請求項9】
前記光学系は、ピント調整機構を含み、前記ピント調整機構は、レンズをチルト可能であるチルト手振れ補正機構を持つピント調整機構であることを特徴とする請求項8に記載の光学系。
【請求項10】
前記ピント調整機構は、レンズを多段で沈胴し収納可能なズーム機構を持つピント調整機構であることを特徴とする請求項9に記載の光学系。
【請求項11】
請求項8から10のいずれか1項に記載の光学系を備えることを特徴とするカメラ。
【請求項12】
請求項11に記載のカメラを備えることを特徴とする携帯電子機器。