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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022098048
(43)【公開日】2022-07-01
(54)【発明の名称】冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
   F25D 29/00 20060101AFI20220624BHJP
   F25D 11/00 20060101ALI20220624BHJP
   F25D 23/00 20060101ALI20220624BHJP
   F25B 49/02 20060101ALI20220624BHJP
【FI】
F25D29/00 Z
F25D11/00 101B
F25D23/00 301A
F25D23/00 301G
F25D23/00 301R
F25B49/02 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020211365
(22)【出願日】2020-12-21
(71)【出願人】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100205785
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼橋 史生
(74)【代理人】
【識別番号】100203297
【弁理士】
【氏名又は名称】橋口 明子
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100135301
【弁理士】
【氏名又は名称】梶井 良訓
(72)【発明者】
【氏名】氏田 慶彦
【テーマコード(参考)】
3L045
3L345
【Fターム(参考)】
3L045AA02
3L045AA05
3L045BA01
3L045CA02
3L045DA02
3L045LA15
3L045LA16
3L045LA18
3L045PA02
3L045PA04
3L045PA06
3L345AA02
3L345AA12
3L345AA23
3L345AA26
3L345DD42
3L345EE03
3L345EE53
3L345FF03
3L345HH12
3L345HH13
3L345HH14
3L345HH23
3L345HH25
3L345HH32
3L345HH34
3L345HH36
3L345HH38
3L345HH42
3L345JJ02
3L345JJ07
3L345JJ14
3L345JJ16
3L345JJ23
3L345JJ25
3L345JJ26
3L345JJ27
3L345JJ28
3L345KK02
3L345KK04
3L345KK06
(57)【要約】
【課題】利便性の向上を図ることができる冷蔵庫を提供することである。
【解決手段】実施形態の冷蔵庫は、筐体と、冷却ユニットと、情報機能ユニットと、第1電源基板と、第2電源基板とを持つ。前記筐体は、貯蔵室を含む。前記冷却ユニットは、前記貯蔵室を冷却する。前記情報機能ユニットは、情報処理機能を有する。前記第1電源基板は、前記冷却ユニットに電力を供給する。前記第2電源基板は、前記第1電源基板とは別に設けられ、前記情報機能ユニットに電力を供給する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯蔵室を含む筐体と、
前記貯蔵室を冷却する冷却ユニットと、
情報処理機能を有した情報機能ユニットと、
前記冷却ユニットに電力を供給する第1電源基板と、
前記第1電源基板とは別に設けられ、前記情報機能ユニットに電力を供給する第2電源基板と、
を備えた冷蔵庫。
【請求項2】
前記情報機能ユニットは、表示画面を含む表示装置である、
請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項3】
前記情報機能ユニットは、外部の端末装置と無線で通信可能なスピーカユニットである、
請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項4】
前記情報機能ユニットは、前記貯蔵室を撮影可能な庫内カメラである、
請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項5】
前記情報機能ユニットは、外部ネットワークを通じてサーバ装置と通信可能な通信モジュールである、
請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項6】
前記第2電源基板は、前記情報機能ユニットに異常が生じた場合に、当該第2電源基板から前記情報機能ユニットへの電力の供給を少なくとも一時的に停止させる電源制御部を有する、
請求項1から請求項5のうちいずれか1項に記載の冷蔵庫。
【請求項7】
前記第2電源基板は、前記情報機能ユニットを制御するユニット制御部を有する、
請求項1から請求項6のうちいずれか1項に記載の冷蔵庫。
【請求項8】
前記ユニット制御部は、前記情報機能ユニットに異常が生じた場合に、前記情報機能ユニットを少なくとも1度、再起動させる、
請求項7に記載の冷蔵庫。
【請求項9】
前記第2電源基板は、記憶部を有し、
前記情報機能ユニットは、表示画面を含む表示装置であり、
前記ユニット制御部は、前記第1電源基板に異常が生じた場合にユーザの操作によりまたはユーザの操作を伴わずに、前記記憶部に記憶された情報を前記表示装置に表示させる、
請求項7または請求項8に記載の冷蔵庫。
【請求項10】
前記情報機能ユニットは、外部ネットワークを通じてサーバ装置と通信可能な通信モジュールであり、
前記ユニット制御部は、前記第1電源基板に異常が生じた場合にユーザの操作によりまたはユーザの操作を伴わずに、前記通信モジュールを用いて前記冷蔵庫の状態を示す情報を前記サーバ装置に送信する、
請求項7または請求項8に記載の冷蔵庫。
【請求項11】
前記第2電源基板は、スイッチング素子とコンデンサとを含みフライバック方式である電力変換部と、前記電力変換部に対する交流入力電圧と前記コンデンサの充電電流が相似形となるように前記スイッチング素子を制御する力率制御部とを有する、
請求項1から請求項10のうちいずれか1項に記載の冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、冷蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
貯蔵室を冷却する冷却ユニットと、表示装置のような情報機能ユニットとを備える冷蔵庫が知られている。冷却ユニットおよび情報機能ユニットには、同一の電源基板から電力が供給される。
【0003】
ところで上記のような冷蔵庫では、電源基板が故障した場合、冷却ユニットの動作が停止することに加え、情報機能ユニットの動作も停止してしまう。この場合、ユーザの利便性が低下することがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-132550号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、利便性の向上を図ることができる冷蔵庫を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の冷蔵庫は、筐体と、冷却ユニットと、情報機能ユニットと、第1電源基板と、第2電源基板とを持つ。前記筐体は、貯蔵室を含む。前記冷却ユニットは、前記貯蔵室を冷却する。前記情報機能ユニットは、情報処理機能を有する。前記第1電源基板は、前記冷却ユニットに電力を供給する。前記第2電源基板は、前記第1電源基板とは別に設けられ、前記情報機能ユニットに電力を供給する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】第1実施形態の冷蔵庫を示す斜視図。
図2図1中に示された冷蔵庫のF2-F2線に沿う断面図。
図3】第1実施形態の第1電源基板および第2電源基板の機能構成を示す図。
図4】第1実施形態の第1電源基板と第2電源基板の電気接続構成を示す図。
図5】第1実施形態の電力変換部の一例を示す回路構成図。
図6】第1実施形態の変形例の第1電源基板と第2電源基板の電気接続構成を示す図。
図7】第2実施形態の第1電源基板および第2電源基板の機能構成を示す図。
図8】第3実施形態の第1電源基板および第2電源基板の機能構成を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施形態の冷蔵庫を、図面を参照して説明する。以下の説明では、同一または類似の機能を有する構成に同一の符号を付す。そして、それら構成の重複する説明は省略する場合がある。本明細書では、冷蔵庫の正面に立つユーザから冷蔵庫を見た方向を基準に、左右を定義している。また、冷蔵庫から見て冷蔵庫の正面に立つユーザに近い側を「前」、遠い側を「後ろ」と定義している。
【0009】
本明細書で「XXに基づく」とは、「少なくともXXに基づく」ことを意味し、XXに加えて別の要素に基づく場合も含み得る。また「XXに基づく」とは、XXを直接に用いる場合に限定されず、XXに対して演算や加工が行われたものに基づく場合も含み得る。本明細書で「XXまたはYY」とは、「XX」のみの場合、または「YY」のみの場合に限定されず、「XX」および「YY」の両方の場合も含み得る。これは選択的要素が3つ以上の場合も同様である。「XX」および「YY」は、任意の要素(例えば任意の情報)である。
【0010】
(第1実施形態)
[1.冷蔵庫の全体構成]
図1から図5を参照し、第1実施形態の冷蔵庫1について説明する。まず、冷蔵庫1の全体構成について説明する。
【0011】
図1は、冷蔵庫1を示す斜視図である。冷蔵庫1は、例えば、筐体10、複数の扉20、冷却ユニット30(図2参照)と、扉開放装置(扉開放補助装置)41、操作部42、表示装置51、スピーカユニット52、庫内カメラ53(図2参照)、外部接続端子54、通信モジュール61、第1電源基板70、および第2電源基板80を備えている。
【0012】
筐体10は、上壁10a、下壁10b、左右の側壁10c,10d、および後壁10eを有する。上壁10aおよび下壁10bは、略水平に延びている。左右の側壁10c,10dは、下壁10bの左右の端部から上方に起立し、上壁10aの左右の端部に繋がっている。後壁10eは、下壁10bの後端部から上方に起立し、上壁10aの後端部に繋がっている。筐体10は、筐体10の内面を形成する内箱10iと、内箱10iの外側に位置して筐体10の外面を形成する外箱10jと、内箱10iと外箱10jとの間に設けられた発泡ウレタンのような発泡断熱材10kとを含み、断熱性を有する(図2参照)。
【0013】
筐体10の内部には、複数の貯蔵室11が設けられている。複数の貯蔵室11は、例えば、冷蔵室11A、チルド室11Aa(図2参照)、野菜室11B、製氷室11C、小冷凍室11D、および主冷凍室11Eを含む。本実施形態では、最上部に冷蔵室11Aが配置され、冷蔵室11Aの下方に野菜室11Bが配置され、野菜室11Bの下方に製氷室11Cおよび小冷凍室11Dが配置され、製氷室11Cおよび小冷凍室11Dの下方に主冷凍室11Eが配置されている。ただし、貯蔵室11の配置は、上記例に限定されない。筐体10は、各貯蔵室11の前面側に、各貯蔵室11に対して食材の出し入れを可能にする開口を有する。
【0014】
複数の扉20は、貯蔵室11を開閉可能に閉じる。複数の扉20は、例えば、冷蔵室11Aの開口を閉じる左右の冷蔵室扉20Aa,20Ab、野菜室11Bの開口を閉じる野菜室扉20B、製氷室11Cの開口を閉じる製氷室扉20C、小冷凍室11Dの開口を閉じる小冷凍室扉20D、および主冷凍室11Eの開口を閉じる主冷凍室扉20Eを含む。本明細書では、筐体10と複数の扉20とを合わせて「冷蔵庫本体MB」と称する。
【0015】
図2は、図1中に示された冷蔵庫1のF2-F2線に沿う断面図である。
冷却ユニット30は、圧縮器31、冷蔵用冷却器32、冷蔵用ファン33、冷凍用冷却器34、および冷凍用ファン35を含む。圧縮器31は、冷媒を圧縮し、圧縮した冷媒を、凝縮器およびキャピラリチューブなどを介して冷蔵用冷却器32および冷凍用冷却器34に供給する。
【0016】
冷蔵用冷却器32は、冷蔵室11Aの後方に設けられた第1ダクト空間D1に配置され、圧縮器31から供給される冷媒を用いて第1ダクト空間D1を流れる空気を冷却する。冷蔵用ファン33は、冷蔵用冷却器32により冷却された空気(冷気)を、冷蔵温度帯室(冷蔵室11A、チルド室11Aa、および野菜室11B)と第1ダクト空間D1とで循環させる。これにより、冷蔵室11A、チルド室11Aa、および野菜室11Bが冷却される。
【0017】
冷凍用冷却器34は、主冷凍室11Eの後方に設けられた第2ダクト空間D2に配置され、圧縮器31から供給される冷媒を用いて第2ダクト空間D2を流れる空気を冷却する。冷凍用ファン35は、冷凍用冷却器34により冷却された空気(冷気)を、冷凍温度帯室(製氷室11C、小冷凍室11D、および主冷凍室11E)と第2ダクト空間D2とで循環させる。これにより、製氷室11C、小冷凍室11D、および主冷凍室11Eが冷却される。
【0018】
なお本明細書でいう「冷却ユニット」とは、上記構成に限定されず、除霜用のヒータや、結露防止用のヒータなどの加熱装置も含み得る。
【0019】
図1に戻り、残りの構成について説明する。
扉開放装置41は、冷蔵室扉20Aa,20Abを自動で開放させる装置である。例えば、扉開放装置41は、第1扉開放装置41Aと、第2扉開放装置41Bとを有する。第1扉開放装置41Aは、左冷蔵室扉20Aaの後方に配置されている。第1扉開放装置41Aは、電磁石が励磁されることで前方に押し出されるプランジャ41p(図2参照)を有する。第1扉開放装置41Aは、後述する第1電源基板70の制御部73(図3参照)によって制御され、プランジャ41pを前方に押し出すことで左冷蔵室扉20Aaを強制的に開く。同様に、第2扉開放装置41Bは、右冷蔵室扉20Abの後方に配置されている。第2扉開放装置41Bは、第1電源基板70の制御部73によって制御され、プランジャ41pを前方に押し出すことで右冷蔵室扉20Abを強制的に開く。ただし、扉開放装置41の方式は、上記例に限定されない。
【0020】
操作部42は、扉開放装置41を動作させるユーザの操作を受け付ける。例えば、操作部42は、第1扉開放装置41Aを動作させるユーザの操作を受け付ける第1操作部42Aと、第2扉開放装置41Bを動作させるユーザの操作を受け付ける第2操作部42Bとを有する。第1操作部42Aは、左冷蔵室扉20Aaに設けられ、左冷蔵室扉20Aaの表面に触れるユーザのタッチ操作を検出可能なセンサを有する。第1操作部42Aがユーザの操作を受け付けた場合、第1電源基板70の制御部73は、第1扉開放装置41Aを動作させる。同様に、第2操作部42Bは、右冷蔵室扉20Abに設けられ、右冷蔵室扉20Abの表面に触れるユーザのタッチ操作を検出可能なセンサを有する。第2操作部42Bがユーザの操作を受け付けた場合、第1電源基板70の制御部73は、第2扉開放装置41Bを動作させる。第1操作部42Aまたは第2操作部42Bに設けられるセンサは、例えば、静電容量の変化を検出することで、扉20の表面に触れるユーザのタッチ操作を検出する。ただし、第1操作部42Aまたは第2操作部42Bに設けられるセンサは、扉20の表面に手を近付けるだけのユーザの操作を検出可能なセンサでもよい。
【0021】
表示装置51は、例えば右冷蔵室扉20Abに設けられている。表示装置51は、例えば、表示パネル51a、タッチセンサ(タッチパネル)51b、および制御部51cを有する。表示パネル51aは、有機EL(Organic Electro Luminescence)ディスプレイ、マイクロLED(Light Emitting Diode)ディスプレイ、または、液晶ディスプレイなどである。表示パネル51aは、画像や映像が表示される表示画面51aaを有する。表示画面51aaには、例えば、レシピや調理手順、食材管理(冷蔵庫の在庫管理)、冷蔵庫1の設定状態(例えば設定温度)、音楽(例えばライブ映像)、または天気予報などに関する画像または映像が表示される。
【0022】
表示装置51のタッチセンサ51bは、表示画面51aaに重ねて設けられている。タッチセンサ51bは、例えば静電容量式のセンサであり、表示画面51aaに対するユーザの入力操作を受け付け可能である。制御部51cは、表示パネル51aを制御する。例えば、制御部51cは、タッチセンサ51bに対するユーザの操作に基づき、表示パネル51aの表示画面51aaに表示させる内容を切り替える。制御部51cは、表示装置51に関する処理でエラーが生じた場合、エラーが生じたことを示す信号(エラー信号)を第2電源基板80のユニット制御部84(後述)に送信する。
【0023】
スピーカユニット52は、例えば右冷蔵室扉20Abに設けられている。スピーカユニット52は、スピーカ52aと、無線通信モジュール52bと、制御部52cとを有する。無線通信モジュール52bは、外部の端末装置TDと無線で通信可能である。例えば、無線通信モジュール52bは、冷蔵庫1から所定範囲内(例えば冷蔵庫1と同じ住居内の少なくとも一部空間)に位置する端末装置TDと無線で直接に通信可能である。無線通信モジュール52bは、例えばBluetooth(登録商標)などの規格に準拠した近距離無線通信モジュールである。端末装置TDは、冷蔵庫1のユーザが所有する端末装置であり、スマートフォンまたはタブレット端末などである。
【0024】
スピーカユニット52の制御部52cは、スピーカ52aおよび無線通信モジュール52bを制御する。例えば、制御部52cは、無線通信モジュール52bを通じて端末装置TDから受信した制御信号に基づき、不図示の記憶部(または第2電源基板80の記憶部85)に記憶された音楽データを再生し、再生した音楽をスピーカ52aから冷蔵庫1の外部に出力する。制御部52cは、スピーカユニット52に関する処理でエラーが生じた場合、エラーが生じたことを示す信号(エラー信号)を第2電源基板80のユニット制御部84に送信する。なお、スピーカユニット52は、マイクを搭載し、音声対話装置としての機能を有したスマートスピーカでもよい。
【0025】
庫内カメラ53は、冷蔵室11A、チルド室11Aa,野菜室11B、小冷凍室11D,主冷凍室11Eのうち1つ以上である貯蔵室11に設けられている(図2参照)。庫内カメラ53は、カメラ本体53aと、制御部53bとを有する。カメラ本体53aは、貯蔵室11に収容された貯蔵物(食材)の画像を撮影する。制御部53bは、カメラ本体53aを制御する。例えば、制御部53bは、所定の周期でカメラ本体53aを動作させ、貯蔵室11内の様子を撮影させる。制御部53bは、庫内カメラ53に関する処理でエラーが生じた場合、エラーが生じたことを示す信号(エラー信号)を第2電源基板80のユニット制御部84に送信する。
【0026】
外部接続端子54は、例えば右冷蔵室扉20Abに設けられている。外部接続端子54は、例えば、USB(Universal Serial Bus)の規格に準拠した雌型コネクタである。冷蔵庫1のユーザは、外部接続端子54に充電ケーブルを接続することで、端末装置TDまたは別の装置を充電することができる。
【0027】
通信モジュール61は、例えば筐体10の上壁10aに設けられている。通信モジュール61は、冷蔵庫1と同じ住居に設置されたルータRと無線または有線で通信可能である。通信モジュール61は、ルータR、不図示のモデム、およびインターネットなどの外部のネットワークNWを介して、外部のサーバ装置SD(例えばクラウドサーバ)と通信可能である。通信モジュール61は、冷蔵庫1の状態を示す情報をサーバ装置SDに送信する。また、通信モジュール61は、冷蔵庫1に対する遠隔操作の制御信号をサーバ装置SDから受信する。
【0028】
第1電源基板70は、例えば筐体10の上壁10aに設けられている。第1電源基板70は、外部の商用電源PS(図3)から電力が供給され、冷蔵庫1の冷却運転に必要な電力を供給する電源基板である。例えば、第1電源基板70は、冷却ユニット30、扉開放装置41、操作部42、および通信モジュール61に電力を供給する。第1電源基板70については詳しく後述する。
【0029】
第2電源基板80は、例えば筐体10の上壁10aに設けられている。第2電源基板80は、IoT(Internet of Things)関連部品の主電源として機能する電源基板である。第2電源基板80は、第1電源基板70とは別に設けられている。例えば、第2電源基板80は、第1電源基板70とは独立して配置されている。本実施形態では、第2電源基板80は、第1電源基板70との間に隙間を空けて、第1電源基板70の後方に配置されている。第2電源基板80は、外部の商用電源PSから電力が供給され、表示装置51、スピーカユニット52、および庫内カメラ53に電力を供給する。第2電源基板80については詳しく後述する。
【0030】
[2.第1電源基板および第2電源基板の機能構成]
次に、第1電源基板70および第2電源基板80の機能構成について説明する。
図3は、第1電源基板70および第2電源基板80の機能構成を示す図である。
【0031】
[2.1 第1電源基板の機能構成]
第1電源基板70には、上述した構成の他に、扉開閉スイッチSWと、温度センサTSとが接続されている。扉開閉スイッチSWは、冷蔵室扉20Aa,20Abの開閉を検出する冷蔵室扉開閉スイッチ、野菜室扉20Bの開閉を検出する野菜室扉開閉スイッチ、製氷室扉20Cの開閉を検出する製氷室扉開閉スイッチ、小冷凍室扉20Dの開閉を検出する小冷凍室扉開閉スイッチ、および主冷凍室扉20Eの開閉を検出する主冷凍室扉開閉スイッチを含む。
【0032】
温度センサTSは、冷蔵室11Aの温度を検出する冷蔵室温度センサ、野菜室11Bの温度を検出する野菜室温度センサ、主冷凍室11Eの温度を検出する主冷凍室温度センサ、冷蔵用冷却器32の温度を検出する冷蔵用冷却器温度センサ、冷凍用冷却器34の温度を検出する冷凍用冷却器温度センサ、および冷蔵庫1の外部の温度(室温)を検出する周囲温度センサを含む。
【0033】
第1電源基板70は、回路基板70aと、回路基板70aに実装された複数の電気部品70b(マイクロコントローラなどの集積回路部品や、スイッチング素子やダイオードなど)を有する(図2参照)。第1電源基板70では、回路基板70aと複数の電気部品70bにより、電源回路(電力供給部)71、電流検出部72、制御部73、および記憶部74が実現される。
【0034】
電源回路71は、AC-DCコンバータやスイッチング回路などを含み、冷蔵庫1の主機能に関連する部品(例えば、貯蔵室11の冷却に関連する部品)に対して電力を供給する。本実施形態では、電源回路71は、外部の商用電源PS(例えば交流100V)から供給された電力を所望の電力(例えば所望の電圧の直流電力)に変換し、変換した電力を、冷却ユニット30(例えば、圧縮器31、冷蔵用ファン33、冷凍用ファン35)、扉開放装置41、操作部42、および通信モジュール61に供給する。これにより、冷却ユニット30、扉開放装置41、操作部42、および通信モジュール61が動作可能になる。
【0035】
電流検出部72は、電流検出回路を含み、冷蔵庫1が有する電気部品に流れる電流の電流値を検出する。電気部品は、例えば、圧縮器31、冷蔵用ファン33、冷凍用ファン35、製氷皿モータ、給水モータ、またはヒータなどである。
【0036】
制御部73は、冷蔵庫1の主制御部を構成する。制御部73は、操作部42の検出結果、扉開閉スイッチSWの検出結果、温度センサTSの検出結果、電流検出部72の検出結果、通信モジュール61を介して受信した遠隔操作の制御信号、および予め設定された制御アルゴリズムなどに基づき、冷却ユニット30(例えば、圧縮器31、冷蔵用ファン33、冷凍用ファン35)、扉開放装置41、および通信モジュール61を制御する。
【0037】
本実施形態では、第1電源基板70は、第2電源基板80を介して表示装置51と通信可能である。第1電源基板70の制御部73は、外部のサーバ装置SDに対して、表示装置51に表示する画像または映像を要求する信号を、通信モジュール61を介して送信する。第1電源基板70の制御部73は、表示装置51に表示する画像または映像を、通信モジュール61を介して外部のサーバ装置SDから取得する。第1電源基板70の制御部73により取得された表示装置51に表示する画像または映像は、第2電源基板80のユニット制御部84に送信される。
【0038】
記憶部74は、冷蔵庫1の状態の履歴を示す状態履歴情報I1(例えば、扉開閉スイッチSWの検出結果の履歴、温度センサTSの検出結果の履歴、電流検出部72の検出結果の履歴、および冷蔵庫1の運転制御モードの履歴などを示す情報)が記憶される。
【0039】
[2.2 第2電源基板の機能構成]
第2電源基板80は、回路基板80aと、回路基板80aに実装された複数の電気部品80b(マイクロコントローラなどの集積回路部品や、スイッチング素子やトランス、ダイオードなど)とを有する(図2参照)。第2電源基板80では、回路基板80aと複数の電気部品80bにより、電源回路(電力供給部)81、電流検出部82、電源制御部83、ユニット制御部84、および記憶部85が実現される。
【0040】
電源回路81は、AC-DCコンバータやスイッチング回路などを含み、冷蔵庫1に設けられた情報機能ユニットに対して電力を供給する。本実施形態では、電源回路81は、外部の商用電源PS(例えば交流100V)から供給された電力を所望の電力(例えば所望の電圧の直流電力)に変換し、変換した電力を、表示装置51、スピーカユニット52、庫内カメラ53、および外部接続端子54に供給する。これにより、表示装置51、スピーカユニット52、庫内カメラ53、および外部接続端子54が動作可能になる。本実施形態では、表示装置51、スピーカユニット52、庫内カメラ53の各々は、「情報機能ユニット」の一例である。本明細書で「情報機能ユニット」とは、情報処理機能を有する装置を広く意味する。以下では、表示装置51、スピーカユニット52、および庫内カメラ53を区別しない場合は、情報機能ユニットFUと称する。
【0041】
電流検出部82は、電流検出回路を含み、情報機能ユニットFUまたは外部接続端子54に流れる電流の電流値を検出する。電流検出部82は、情報機能ユニットFUまたは外部接続端子54の状態を検出する「状態検出部」の一例である。なお、「状態検出部」は、電流値に代えて、情報機能ユニットFUまたは外部接続端子54に印加される電圧や、情報機能ユニットFUまたは外部接続端子54の温度などに基づき、情報機能ユニットFUまたは外部接続端子54の状態を検出してもよい。
【0042】
電源制御部83は、1つ以上の情報機能ユニットFUに異常が生じた場合に、第2電源基板80から異常が検出された情報機能ユニットFUへの電力の供給(または全ての情報機能ユニットFUへの電力の供給)を少なくとも一時的に停止させる。例えば、電源制御部83は、情報機能ユニットFUからエラー信号を受信した場合、その情報機能ユニットFUに異常が生じたと判定し、第2電源基板80から情報機能ユニットFUへの電力の供給を少なくとも一時的に停止させる。これに代えて/加えて、電源制御部83は、電流検出部82により検出される電流値(または電圧値や温度値など)を監視し、各情報機能ユニットFUに流れる電流の電流値(または電圧値や温度値など)がその情報機能ユニットFUに対して予め設定された閾値を超えた場合、その情報機能ユニットFUまたは第2電源基板80に異常が生じたと判定し、第2電源基板80から情報機能ユニットFUへの電力の供給を少なくとも一時的に停止させる。同様に、電源制御部83は、外部接続端子54または第2電源基板80に異常が生じたと判定した場合に、第2電源基板80から外部接続端子54への電力の供給を少なくとも一時的に停止させる。
【0043】
ユニット制御部84は、各情報機能ユニットFUを制御する。例えば、ユニット制御部84は、各情報機能ユニットFUに異常が生じた場合(例えば、エラー信号を受信した場合、または電流値や電圧値、温度値などが閾値を超えた場合)に、異常が生じた情報機能ユニットFUを再起動させる制御信号を出力し、異常が生じた情報機能ユニットFUを再起動させる。電源制御部83は、ユニット制御部84により情報機能ユニットFUが再起動される場合、情報機能ユニットFUへの電力の供給を再開する。ユニット制御部84は、情報機能ユニットFUを再起動しても異常が消えない場合、異常が生じた情報機能ユニットFUを停止させる。なお、ユニット制御部84は、情報機能ユニットFUの設定状態を変えながら情報機能ユニットFUを2回以上、再起動させてもよい。
【0044】
記憶部85には、冷蔵庫1の故障時の対応マニュアルである故障時用情報I2が予め記憶されている。故障時用情報I2は、故障が疑われた場合の確認内容、異常発生箇所の特定方法、または製造メーカのサポートセンター(サービスセンター)の連絡先などを含む情報である。
【0045】
また、記憶部85には、冷蔵庫1の食材の在庫状態を示す在庫情報I3が記憶される。在庫情報I3は、例えば、表示装置51のタッチセンサ51bを通じて入力された情報、および/または庫内カメラ53の画像に基づいてユニット制御部84により判定された情報などであり、冷蔵庫1に貯蔵された各食材の在庫量、購入日、消費期限または賞味期限などの情報を含む。在庫情報I3は、庫内カメラ53で撮影された画像を含んでもよい。
【0046】
[3.第1電源基板と第2電源基板の電気接続構成]
次に、第1電源基板70と第2電源基板80の電気接続構成について説明する。
図4は、第1電源基板70と第2電源基板80の電気接続構成を示す図である。
第1電源基板70は、接続コネクタ77と、接続コネクタ77と電源回路71との間に設けられた電力線PLとを有する。接続コネクタ77には、外部の商用電源PSに接続される電源ケーブルCAが接続される。第1電源基板70の電源回路71は、電力線PLおよび電源ケーブルCAを介して、外部の商用電源PSから電力(例えば交流100V)が供給される。本明細書で「電力線」とは、2本以上の電線を含み得る。電力線PLの途中には、第1接続コネクタ78が接続された接続点(分岐点)Cが設けられている。
【0047】
第1電源基板70の電源回路71は、第1過電流保護回路71aと、第1絶縁回路71bとを含む。第1過電流保護回路71aは、例えば電流クランプ回路を含み、第1電源基板70から冷却ユニット30、扉開放装置41、操作部42、および通信モジュール61に過電流が流れることを抑制する。ただし、過電流の保護方式は、上記例に限定されない。
【0048】
第1絶縁回路71bは、例えば、外部の商用電源PSから供給された交流電力を降圧または昇圧させるトランスを含み、トランスの1次側と2次側との間で電源回路71を絶縁している。トランスの1次側と2次側との間は、例えば、二重絶縁や強化絶縁が施されて絶縁強度が高められている。二重絶縁とは、基礎絶縁に加え、基礎絶縁が破壊された場合のための独立した付加絶縁を追加的に施した絶縁を意味する。強化絶縁とは、二重絶縁によるものと同等以上の保護を与える単一の絶縁を意味する。
【0049】
第2電源基板80は、電源ケーブルCBを介して第1電源基板70の第1接続コネクタ78と電気的に接続された第2接続コネクタ88を有する。第2電源基板80の電源回路81は、第2接続コネクタ88、電源ケーブルCB、第1接続コネクタ78、電力線PL、および電源ケーブルCAを介して、外部の商用電源PSに接続されている。これにより、第1電源基板70の電源回路71と第2電源基板80の電源回路81とは、外部の商用電源PSに対して電気的に並列に接続されている。第2電源基板80の電源回路81は、第1電源基板70を一度経由して、外部の商用電源PSに電気的に接続されている。
【0050】
第2電源基板80の電源回路81は、第2過電流保護回路81aと、第2絶縁回路81bとを含む。第2過電流保護回路81aは、例えば電流クランプ回路を含み、第2電源基板80から情報機能ユニットFUおよび外部接続端子54に過電流が流れることを抑制する。ただし、過電流の保護方式は、上記例に限定されない。
【0051】
第2絶縁回路81bは、例えば、外部の商用電源PSから供給された交流電力を降圧させるトランスを含み、トランスの1次側と2次側との間で電源回路81を絶縁している。トランスの1次側と2次側との間は、例えば、二重絶縁や強化絶縁が施されて絶縁強度が高められている。以上説明したように、第2電源基板80の電源回路81は、第1電源基板70の電源回路71とは別に、過電流保護回路および絶縁回路を有する。
【0052】
本実施形態では、第2電源基板80の電源回路81は、スイッチング電源(AC-DCコンバータ)として、フライバック方式の電力変換部CNVを備える。
【0053】
図5は、フライバック方式の電力変換部CNVの一例を示す回路構成図である。電力変換部CNVは、入力側から、ダイオードブリッジ整流器91、コンデンサ92、高周波トンランス93、スイッチング素子94、整流ダイオード95、およびコンデンサ96を含む。このような電力変換部CNVによれば、小電力から中電力(100W以下の電力)を、高効率かつ小型化が可能な回路構成により電源回路81を構成することができる。このような構成は、例えば大容量の電源回路81が必要になる場合に有効である。
【0054】
本実施形態では、電源回路81は、PFC制御(Power Factor Correction Control:力率改善制御)を行うPFC制御部97を有する。PFC制御部97は、ダイオードブリッジ整流器91に対する交流入力電圧と、コンデンサ92の充電電流が相似形となるようにスイッチング素子94を制御する。このような制御を行うことで、高調波を抑制することができ、力率を改善することができる。これにより、例えば、高出力時の効率を改善することができる。PFC制御部97は、「力率制御部」の一例である。
【0055】
[4.第1電源基板などに異常が生じた場合の制御例]
本実施形態では、ユニット制御部84は、任意のタイミングでのタッチセンサ51bに対するユーザの操作に基づき表示装置51を制御し、第2電源基板80の記憶部85に記憶されている所定の情報(故障時用情報I2および/または在庫情報I3など)を表示装置51の表示画面51aaに表示可能である。これにより、ユーザは、冷蔵庫1に異常が生じ場合でも(例えば、第1電源基板70が故障して電力供給をできない場合でも)、必要な情報を知ることができる。本実施形態では、ユニット制御部84は、第1電源基板70に異常が生じた場合に、ユーザの操作により第2電源基板80の記憶部85に記憶されている上記所定の情報を表示装置51の表示画面51aaに表示させる。
【0056】
なお、スピーカユニット52が音声対話機能を有する場合、ユニット制御部84は、任意のタイミングでのスピーカユニット52に対するユーザの発話(音声操作)に基づきスピーカユニット52を制御し、第2電源基板80の記憶部85に記憶されている所定の情報(故障時用情報I2および/または在庫情報I3など)をスピーカユニット52から音声で出力可能であってもよい。
【0057】
[5.利点]
比較例として、IoT関連部品(情報機能ユニットFU)に対する独立した電源基板が設けられず、冷却ユニット30とIoT関連部品(情報機能ユニットFU)とに対して冷蔵庫1の1つの電源基板から電力が供給される冷蔵庫について考える。この比較例の冷蔵庫では、電源基板に故障が生じた場合、冷却ユニット30の動作が停止することに加え、IoT関連部品(情報機能ユニットFU)の機能が停止してしまう。また、近年のIoT関連部品の増加に伴い、電源基板に電力定格不足が生じる可能性がある。
【0058】
一方で、本実施形態の冷蔵庫1は、冷却ユニット30に電力を供給する第1電源基板70と、第1電源基板70とは別に設けられ、情報機能ユニットFUに電力を供給する第2電源基板80とを備えている。このような構成によれば、地震等の天災や、高ノイズ、雷などで第1電源基板70に故障が生じた場合でも、情報機能ユニットFUが機能を維持することができる。これにより、ユーザの利便性の向上を図ることができる。例えば、冷蔵庫1に故障が生じた場合でも、情報機能ユニットFUを通じて故障時用情報I2をユーザが知ることができると、ユーザは、故障箇所の確認やサポートセンターへの連絡をスムーズに行うことができる。また、冷蔵庫1に故障が生じた場合、情報機能ユニットFUを通じて在庫情報I3をユーザが知ることができると、冷却機能に不具合が生じた冷蔵庫1に貯蔵していた食材の管理(どの食材から優先して消費すべきかなど)をより的確に行うことができる。また、第1電源基板70とは別に第2電源基板80が設けられると、IoT関連部品が増加しても電力定格不足が生じにくくなる。
【0059】
本実施形態では、第2電源基板80は、情報機能ユニットFUに異常が生じた場合に、第2電源基板80から情報機能ユニットFUへの電力の供給を少なくとも一時的に停止させる電源制御部83を有する。このような構成によれば、情報機能ユニットFUをより安全に管理することができる。
【0060】
本実施形態では、第2電源基板80は、情報機能ユニットFUを制御するユニット制御部84を含む。このような構成によれば、ユニット制御部84は、冷蔵庫1に異常が生じ場合でも(例えば、第1電源基板70が故障して電力供給をできない場合でも)、情報機能ユニットFUに所定の動作(例えば、情報機能ユニットFUの再起動)をさせることができる。これにより、ユーザの利便性をさらに高めることができる。
【0061】
(変形例)
図6は、第1実施形態の変形例の第1電源基板70と第2電源基板80の電気接続構成を示す図である。本変形例では、第2電源基板80は、接続コネクタ87を有する。第2電源基板80の電源回路81は、接続コネクタ87に接続されている。
【0062】
本変形例では、電源ケーブルCAは、閉端端子101により第1電源ケーブルC1と第2電源ケーブルC2とに電気的に並列に分岐されている。第1電源ケーブルC1は、第1電源基板70の接続コネクタ77に接続されている。第2電源ケーブルC2は、第2電源基板80の接続コネクタ87に接続されている。これにより、第1電源基板70の電源回路71と第2電源基板80の電源回路81とは、外部の商用電源PSに対して電気的に並列に接続されている。本変形例では、第2電源基板80の電源回路81は、第1電源基板70を経由せずに、外部の商用電源PSに電気的に接続されている。このような構成によっても、第1実施形態と同様の作用を実現可能である。
【0063】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。本実施形態は、通信モジュール61が第2電源基板80に接続された点で、第1実施形態とは異なる。以下に説明する以外の構成は、第1実施形態と同様である。
【0064】
図7は、第2実施形態の第1電源基板70および第2電源基板80の機能構成を示す図である。本実施形態では、通信モジュール61は、第2電源基板80に接続されている。第2電源基板80は、通信モジュール61に電力を供給する。本実施形態では、通信モジュール61は、情報機能ユニットFUの一例である。
【0065】
本実施形態では、第1電源基板70の制御部73と、第2電源基板80のユニット制御部84とが通信を行うことで、冷蔵庫1の状態の履歴を示す状態履歴情報I1(例えば、扉開閉スイッチSWの検出結果の履歴、温度センサTSの検出結果の履歴、電流検出部72の検出結果の履歴、および冷蔵庫1の運転制御モードの履歴などを示す情報)は、第2電源基板80の記憶部85に記憶される。
【0066】
また本実施形態では、第2電源基板80では、回路基板80aと1つ以上の電気部品80bとにより、異常判定部86が実現される。異常判定部86は、第1電源基板70に関する異常の有無を判定する。例えば、異常判定部86は、第1電源基板70の電流検出部72(状態検出部)の検出結果に基づき、第1電源基板70の異常の有無を判定する。例えば、異常判定部86は、第1電源基板70の電流検出部72(状態検出部)の検出が検出した電流値(または電圧値など)が予め設定された閾値を超えた場合、または第1電源基板70から電力の供給が停止した場合に、第1電源基板70に異常があると判定する。
【0067】
本実施形態では、ユニット制御部84は、異常判定部86により第1電源基板70に異常があると判定された場合、冷蔵庫1に異常が存在すること(第1電源基板70に異常が存在すること)を示す情報と、冷蔵庫1の状態を示す情報とをサーバ装置SDに送信するように通信モジュール61を制御する。例えば、ユニット制御部84は、冷蔵庫1の状態を示す情報の一例として、第2電源基板80の記憶部85に記憶された状態履歴情報I1(例えば、扉開閉スイッチSWの検出結果の履歴、温度センサTSの検出結果の履歴、電流検出部72の検出結果の履歴、および冷蔵庫1の運転制御モードの履歴などを示す情報)をサーバ装置SDに送信する。
【0068】
このような構成によれば、ユニット制御部84は、冷蔵庫1に異常が生じた場合に(例えば、第1電源基板70が故障して電力供給をできない場合に)、冷蔵庫1の状態を示す情報を外部のサーバ装置SDに送信することができる。これにより、冷蔵庫1の状態を示す情報を受信したサーバ装置SDは、受信した情報に基づき冷蔵庫1の異常の原因を解析することができる。これにより、ユーザの利便性をさらに高めることができる。
【0069】
本実施形態では、第1電源基板70が故障した場合でも、通信モジュール61と第2電源基板80の機能は維持される。このため、ユーザは、第1電源基板70が故障した場合でも、端末装置TDを操作することで、サーバ装置SDを通じて第2電源基板80の記憶部85に記憶された在庫情報I3を確認することができる。
【0070】
また本実施形態では、ユニット制御部84は、異常判定部86により第1電源基板70に異常があると判定された場合、第2電源基板80の記憶部85に記憶されている所定の情報(故障時用情報I2および/または在庫情報I3など)を、ユーザの操作によりまたはユーザの操作を伴わずに、表示装置51の表示画面51aaに表示させてもよい。また、スピーカユニット52が音声対話機能を有する場合、ユニット制御部84は、異常判定部86により第1電源基板70に異常があると判定された場合、第2電源基板80の記憶部85に記憶されている所定の情報(故障時用情報I2および/または在庫情報I3など)を、ユーザの操作によりまたはユーザの操作を伴わずに、スピーカユニット52から音声で出力してもよい。
【0071】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について説明する。本実施形態は、無線通信モジュール111が第2電源基板80に接続された点で、第1実施形態とは異なる。以下に説明する以外の構成は、第2実施形態と同様である。
【0072】
図8は、第3実施形態の第1電源基板70および第2電源基板80の機能構成を示す図である。本実施形態では、無線通信モジュール111は、第2電源基板80に接続されている。第2電源基板80は、無線通信モジュール111に電力を供給する。無線通信モジュール111は、冷蔵庫1から所定範囲内(例えば冷蔵庫1と同じ住居内の少なくとも一部空間)に位置する端末装置TDと無線で直接に通信可能である。無線通信モジュール111は、例えばBluetooth(登録商標)などの規格に準拠した近距離無線通信モジュールである。本実施形態では、無線通信モジュール111は、情報機能ユニットFUの一例である。
【0073】
本実施形態では、第1電源基板70の制御部73と、第2電源基板80のユニット制御部84とが通信を行うことで、冷蔵庫1の状態の履歴を示す状態履歴情報I1(例えば、扉開閉スイッチSWの検出結果の履歴、温度センサTSの検出結果の履歴、電流検出部72の検出結果の履歴、および冷蔵庫1の運転制御モードの履歴などを示す情報)は、第2電源基板80の記憶部85に記憶される。また本実施形態では、第2電源基板80では、回路基板80aと1つ以上の電気部品80bとにより、異常判定部86が実現される。
【0074】
そして本実施形態では、ユニット制御部84は、異常判定部86により異常があると判定された場合、冷蔵庫1に異常が存在すること(第1電源基板70に異常が存在すること)を示す情報と、冷蔵庫1の状態を示す情報とを端末装置TDに送信するように無線通信モジュール111を制御する。例えば、ユニット制御部84は、冷蔵庫1の状態を示す情報の一例として、第2電源基板80の記憶部85に記憶された状態履歴情報I1(例えば、扉開閉スイッチSWの検出結果の履歴、温度センサTSの検出結果の履歴、電流検出部72の検出結果の履歴、および冷蔵庫1の運転制御モードの履歴などを示す情報)を端末装置TDに送信する。
【0075】
端末装置TDは、外部のネットワークNWを介してサーバ装置SDと通信可能である。端末装置TDでは、所定のアプリケーションプログラム(例えば、冷蔵庫1の遠隔操作用のプログラム)が事前にインストールされており、このプログラムが端末装置に搭載されたプロセッサにより実行されることで、所定の機能が実現される。例えば、端末装置TDは、冷蔵庫1から状態履歴情報I1を受信した場合、受信した状態履歴情報I1をサーバ装置SDに転送する。
【0076】
このような構成によれば、ユニット制御部84は、冷蔵庫1に異常が生じ場合に(例えば、第1電源基板70が故障して電力供給をできない場合に)、冷蔵庫1の状態を示す情報を、端末装置TDを介してサーバ装置SDに送信することができる。これにより、冷蔵庫1の状態を示す情報を受信したサーバ装置SDは、受信した情報に基づき冷蔵庫1の異常の原因を解析することができる。これにより、ユーザの利便性をさらに高めることができる。
【0077】
また本実施形態では、第1電源基板70が故障した場合でも、通信モジュール111と第2電源基板80の機能は維持される。このため、ユーザは、第1電源基板70が故障した場合でも、端末装置TDを操作することで、第2電源基板80の記憶部85に記憶された在庫情報I3を確認することができる。
【0078】
以上、いくつかの実施形態および変形例について説明したが、実施形態および変形理恵は、上述した例に限定さない。例えば、冷蔵庫1は、実施形態および変形例で説明したいくつかの構成を有しなくてもよい。
【0079】
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、冷蔵庫は、冷却ユニットに電力を供給する第1電源基板と、上記第1電源基板とは別に設けられ、機能ユニットに電力を供給する第2電源基板とを有する。このような構成によれば、利便性の向上を図ることができる。
【0080】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0081】
1…冷蔵庫、10…筐体、11…貯蔵室、30…冷却ユニット、51…表示装置(情報機能ユニット)、52…スピーカユニット(情報機能ユニット)、53…庫内カメラ(情報機能ユニット)、70…第1電源基板、80…第2電源基板、83…電源制御部、84…ユニット制御部、85…記憶部、FU…情報機能ユニット。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8