(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022098133
(43)【公開日】2022-07-01
(54)【発明の名称】家電機器および家電システム
(51)【国際特許分類】
F25D 11/00 20060101AFI20220624BHJP
F25D 23/00 20060101ALI20220624BHJP
F25D 29/00 20060101ALI20220624BHJP
G06F 13/00 20060101ALI20220624BHJP
H04M 1/00 20060101ALI20220624BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20220624BHJP
G16Y 40/00 20200101ALI20220624BHJP
【FI】
F25D11/00 101B
F25D23/00 301R
F25D23/00 301Z
F25D29/00 Z
G06F13/00 358D
H04M1/00 U
G06Q50/10
G16Y40/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020211500
(22)【出願日】2020-12-21
(71)【出願人】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100205785
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼橋 史生
(74)【代理人】
【識別番号】100203297
【弁理士】
【氏名又は名称】橋口 明子
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100135301
【弁理士】
【氏名又は名称】梶井 良訓
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 浩太
【テーマコード(参考)】
3L045
3L345
5K127
5L049
【Fターム(参考)】
3L045AA02
3L045AA05
3L045BA01
3L045CA02
3L045LA01
3L045LA15
3L045LA16
3L045LA18
3L045MA12
3L045NA16
3L045NA19
3L045PA02
3L045PA04
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3L345AA26
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3L345JJ16
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3L345JJ28
3L345KK02
3L345KK04
5K127AA36
5K127GA15
5K127GA25
5K127GD15
5L049AA22
(57)【要約】
【課題】ユーザが要求する処理に応じて通信相手を切り替えることができる家電機器および家電システムを提供することである。
【解決手段】実施形態の家電機器は、家電機器本体と、通信部と、制御部とを持つ。通信部は、家電機器本体を遠隔操作可能な第1サーバ装置と、第1サーバ装置とは異なる第2サーバ装置とに対して選択的に接続可能である。制御部は、所定条件を満たした場合に、ユーザの操作を伴わずに通信部の接続先を第1サーバ装置に切り替え、第1サーバ装置から情報を取得する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
家電機器本体と、
前記家電機器本体を遠隔操作可能な第1サーバ装置と、前記第1サーバ装置とは異なる第2サーバ装置とに対して選択的に接続可能な通信部と、
所定条件を満たした場合に、ユーザの操作を伴わずに前記通信部の接続先を前記第1サーバ装置に切り替え、前記第1サーバ装置から情報を取得する制御部と、
を有した家電機器。
【請求項2】
前記家電機器本体は、記憶部を有し、
前記制御部は、前記家電機器本体に対するユーザの操作または入力が行われていない場合に、定期的に前記通信部の接続先を前記第1サーバ装置に切り替えて前記第1サーバ装置から情報を取得し、取得した情報に基づき前記記憶部に登録された情報の少なくとも一部を更新する、
請求項1に記載の家電機器。
【請求項3】
前記制御部は、前記家電機器本体に対するユーザの操作または入力が行われない場合、前記第2サーバ装置と前記通信部とが接続中の割合よりも、前記第1サーバ装置と前記通信部とが接続中の割合が大きくなるように、前記通信部の接続先を切り替える、
請求項1または請求項2に記載の家電機器。
【請求項4】
前記家電機器本体は、表示装置または音声対話装置である情報機器を有し、
前記第2サーバ装置は、前記情報機器から出力される情報を提供するサーバ装置である、
請求項1から請求項3のうちいずれか1項に記載の家電機器。
【請求項5】
前記情報機器は、表示装置であり、
前記制御部は、前記第2サーバ装置から提供される動画が前記表示装置で再生中の間に前記所定条件が満たされた場合に、前記第2サーバ装置と前記通信部との接続を一時的に中断し、前記通信部の接続先を前記第1サーバ装置に切り替える、
請求項4に記載の家電機器。
【請求項6】
前記家電機器は、冷蔵庫である、
請求項1から請求項5のうちいずれか1項に記載の家電機器。
【請求項7】
請求項1から請求項6のうちいずれか1項に記載の家電機器と、
前記第1サーバ装置と、
を備えた家電システム。
【請求項8】
前記第1サーバ装置は、端末装置と通信可能であり、当該第1サーバ装置と前記家電機器とが接続できない状態で、前記家電機器に対する遠隔操作の指示内容を示す指示情報を前記端末装置から受け付けた場合、前記指示情報を保持し、当該第1サーバ装置と前記家電機器とが接続された場合に、保持していた前記指示情報を前記家電機器に送信する、
請求項7に記載の家電システム。
【請求項9】
前記第1サーバ装置は、当該第1サーバ装置と前記家電機器とが接続できない状態で、前記端末装置から前記指示情報を受け付けた場合、前記第1サーバ装置と前記家電機器とが接続中でないこと、および前記遠隔操作の指示を受け付けたことを前記端末装置に通知する、
請求項8に記載の家電システム。
【請求項10】
前記家電機器は、前記家電機器本体の設定情報が登録された記憶部をさらに備え、
前記家電機器は、前記第1サーバ装置と当該家電機器とが接続され、前記第1サーバ装置が保持していた前記指示情報を前記第1サーバ装置から受信した場合、前記指示情報に基づき前記設定情報の少なくとも一部を更新する、
請求項8または請求項9に記載の家電システム。
【請求項11】
前記第1サーバ装置は、前記第1サーバ装置と当該家電機器とが接続され、前記第1サーバ装置が保持していた前記指示情報を前記家電機器に送信した場合、所定の通知を前記端末装置に送信する、
請求項8から請求項10のうちいずれか1項に記載の家電システム。
【請求項12】
前記第1サーバ装置は、当該第1サーバ装置と前記家電機器とが接続中の状態で、前記家電機器の次の接続先を指示する接続先指示を、前記端末装置、前記第2サーバ装置、または別のサーバ装置から受信した場合、前記次の接続先を示す情報を前記家電機器に送信する、
請求項8から請求項11のうちいずれか1項に記載の家電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、家電機器および家電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
冷蔵庫が料理に関する情報(例えばレシピ)を他の装置から受信して表示するなど、家電機器が他の装置と通信を行ってユーザにサービスを提供することが考えられる。
【0003】
家電機器の構成を簡単にする観点からは、家電機器が備える通信部の個数を1つとすることが考えられる。この場合、家電機器が一度に通信を行える装置の個数が1つのみとなることが考えられる。一方、家電機器が提供するサービスによっては、家電機器が複数の装置の各々と通信を行う必要があることが考えられる。この場合、家電機器が通信相手を切り替えることで複数の機器と通信を行うことが考えられる。
家電機器が通信相手を切り替えるタイミングによっては、ユーザが要求する処理に応じた通信相手に切り替わらず、ユーザが要求する処理を行えない可能性があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、ユーザが要求する処理に応じて通信相手を切り替えることができる家電機器および家電システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の家電機器は、家電機器本体と、通信部と、制御部とを持つ。通信部は、家電機器本体を遠隔操作可能な第1サーバ装置と、第1サーバ装置とは異なる第2サーバ装置とに対して選択的に接続可能である。制御部は、所定条件を満たした場合に、ユーザの操作を伴わずに通信部の接続先を第1サーバ装置に切り替え、第1サーバ装置から情報を取得する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】第1の実施形態に係る家電システムの構成例を示す図。
【
図2】第2の実施形態に係る冷蔵庫システムの構成例を示す図。
【
図3】第2の実施形態に係る制御部が通信部の接続先を切り替えるタイミングの例を示す図。
【
図4】第2の実施形態に係る遠隔指示サーバ装置が通信部と通信できないときの遠隔指示情報の取り扱いの例を示す図。
【
図5】第2の実施形態に係る遠隔指示サーバ装置が通信部と通信できるようになったときの遠隔指示情報の取り扱いの例を示す図。
【
図6】第3の実施形態に係る通信部の接続先の切替指示の取り扱いの例を示す図。
【
図7】第3の実施形態に係る画像認識サーバ装置が画像認識を行う場合の処理の例を示す図。
【
図8】第1から第3の実施形態に係る冷蔵庫本体の外形の例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施形態の家電機器および家電システムを、図面を参照して説明する。以下の説明では、同一または類似の機能を有する構成に同一の符号を付す。そして、それら構成の重複する説明は省略する場合がある。本明細書で「XXに基づく」とは、「少なくともXXに基づく」ことを意味し、XXに加えて別の要素に基づく場合も含み得る。また「XXに基づく」とは、XXを直接に用いる場合に限定されず、XXに対して演算や加工が行われたものに基づく場合も含み得る。本明細書で「XXまたはYY」とは、「XX」のみの場合、または「YY」のみの場合に限定されず、「XX」および「YY」の両方の場合も含み得る。これは選択的要素が3つ以上の場合も同様である。「XX」および「YY」は、任意の要素(例えば任意の情報)である。
【0009】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態の家電システム1の構成例を示す図である。家電システム1は、例えば、家電機器10と、第1サーバ装置21と、第2サーバ装置22と、端末装置30とを含む。家電機器10は、家電機器本体110と、通信部140と、制御部150とを含む。家電機器本体110は、情報機器120と、記憶部130とを含む。
【0010】
家電機器本体110と、通信部140と、制御部150とが一体的に構成されていてもよい。例えば、通信部140と制御部150とが家電機器本体110の筐体内に設けられて家電機器10を構成していてもよい。あるいは、家電機器本体110と、通信部140と、制御部150とが2つ以上の装置として構成されていてもよい。例えば、通信部140が家電機器本体110とは別置の通信装置として構成され、通信部140と家電機器本体110とが信号線で接続されていてもよい。
【0011】
第1サーバ装置21、第2サーバ装置22および端末装置30のうち何れか1つ以上が家電システム1の外部の装置として構成されていてもよい。
通信部140が通信可能な装置の個数は2つ以上であればよい。例えば、通信部140が、
図1に例示される第1サーバ装置21および第2サーバ装置22に限らずさらに他の装置とも通信可能であってもよい。
【0012】
家電機器10は、他の装置との通信を伴う機能を実行可能な家電機器である。例えば、家電機器本体110が家電機器としての基本的な機能を実行し、さらに、通信部140が受信する情報を、情報機器120がユーザに提示するようにしてもよい。この場合、情報機器120が、画像の表示または音の出力、あるいはこれらの組み合わせにて、情報をユーザに提示するようにしてもよい。また、家電機器10が、家電機器本体110でのユーザ操作を受け付け、かつ、端末装置30でのユーザ操作も第1サーバ装置21を介して受け付けるようにしてもよい。端末装置30でのユーザ操作は遠隔操作の例に該当する。
【0013】
ここでいうユーザ操作は、ユーザが家電機器10に対して指示を行うこと、または、家電機器10に対して指示を行うためのユーザの行為である。ユーザ操作を、ユーザの操作、または、単に操作とも称する。ユーザ操作によって通知される指示をユーザ指示とも称する。ユーザ指示を示す情報を指示情報とも称する。
ここでいう遠隔操作は、家電機器10以外の装置で行われるユーザ操作である。遠隔操作によって通知される指示を遠隔指示とも称する。遠隔指示を示す情報を遠隔指示情報とも称する。
【0014】
以下では、言語の表現としての音を発話と称する。また、発話と発話以外の音とを総称して音声と表記する。また、音声を示すデータを音声データと称する。したがって、音声データは、発話を示すデータであってもよいし、発話以外の音を示すデータであってもよい。発話を示すデータと発話以外の音を示すデータとを区別する場合は、発話を示すデータを発話データと称し、発話以外の音を示すデータを音データと称する。
【0015】
家電機器10を構成する家電機器は、特定のものに限定されない。したがって、家電機器本体110が実行する家電機器としての基本的な機能は、特定の機能に限定されない。例えば、家電機器10が、冷蔵庫、電子レンジ、または、洗濯機の何れかとして構成されていてもよいが、これらに限定されない。
家電機器10が他の装置と通信を伴って実行可能な機能は、第1サーバ装置21との通信による遠隔操作機能(遠隔操作を受け付ける機能)を含んでいればよく、特定の機能に限定されない。家電機器10が他の装置と通信を伴って実行可能な機能の個数も、特定の個数に限定されない。
【0016】
第1サーバ装置21は、家電機器本体110を遠隔操作可能な装置である。例えば第1サーバ装置21が、ユーザが端末装置30を用いて行う遠隔操作による遠隔指示情報を端末装置30から受信し、受信した遠隔指示情報を家電機器10へ送信(転送)するようにしてもよい。
第1サーバ装置21は、コンピュータを用いて構成されていてもよい。
【0017】
第2サーバ装置22は、家電機器本体110の遠隔操作以外のサービスを提供するための装置である。例えば第2サーバ装置22が、家電機器10からの要求に応じて動画(動画像)または静止画(静止画像)などのコンテンツデータを家電機器10へ送信するようにしてもよい。
あるいは、第2サーバ装置22が、家電機器10から送信されるデータに対して所定の処理を行い、処理結果を家電機器10または端末装置30へ送信するようにしてもよい。例えば、第2サーバ装置22が、家電機器10から送信される音声データに対して音声認識を行い、音声入力によるユーザ指示を示す指示情報を生成するようにしてもよい。あるいは、第2サーバ装置22が、家電機器10から送信される画像データに対して画像認識を行い、画像に映っている物を示す情報を生成するようにしてもよい。
【0018】
このように、第2サーバ装置22が、家電機器10から送信されるデータに対して所定の処理を行うことで、家電機器10はその処理機能を有する必要がない。この点で、家電機器10の構成を簡単にすることができる。また、処理機能を更新する場合、作業者は、第2サーバ装置22に対して作業を行えばよく、家電機器10に対しては処理機能の更新のための作業を行う必要がない。したがって、家電機器10の出荷後など作業者が家電機器10に対して作業を行えない状態でも、処理機能を更新することができる。
第2サーバ装置22は、コンピュータを用いて構成されていてもよい。
【0019】
端末装置30は、家電機器10に対する端末装置として機能する。特に、端末装置30は、家電機器10に対する遠隔操作を受け付け、遠隔操作による遠隔指示を示す遠隔指示情報を、第1サーバ装置21を経由して家電機器10へ送信する。
端末装置30の構成は、特定の構成に限定されない。例えば、端末装置30が、スマートフォン等の携帯端末装置を用いて構成され、所定のアプリケーションプログラムを実行することで、家電機器10に対する端末装置として機能するようにしてもよい。あるいは、端末装置30が、パソコン(Personal Computer;PC)またはタブレット端末装置(Tablet)等のコンピュータを用いて構成され、所定のアプリケーションプログラムを実行することで、家電機器10に対する端末装置として機能するようにしてもよい。あるいは、端末装置30が、家電機器10専用のリモートコントローラなど家電機器10専用の装置として構成されていてもよい。
【0020】
情報機器120は、情報の提示(報知)、または、ユーザ操作の受付の何れか、あるはこれら両方を実行可能である。
情報機器120が情報を提示する方法は、特定の方法に限定されない。例えば、情報機器120が表示画面を含んで構成され、各種画像を表示するようにしてもよい。この場合の情報機器120は表示装置の例に該当する。
【0021】
また、情報機器120がスピーカを含んで構成され、各種音声を出力するようにしてもよい。情報機器120が出力する音声には発話が含まれていてもよい。この場合の情報機器120は、音声対話装置の例に該当する。
情報機器120が、画像の表示および音声の出力の両方を行うようにしてもよい。例えば、情報機器120が、通信部140が第2サーバ装置22から動画データにて受信する音声付き動画を再生するようにしてもよい。この場合の音声付き動画の再生は、第2サーバ装置22が提供する情報の出力の例に該当する。
【0022】
情報機器120がユーザ操作を受け付ける方法は、特定の方法に限定されない。例えば、情報機器120が表示画面としてタッチパネルを含んで構成され、タッチ操作によるユーザ操作を受け付けるようにしてもよい。また、情報機器120がマイクおよび音声認識機能を含んで構成され、音声によるユーザ操作(ユーザ指示の音声入力)を受け付けるようにしてもよい。
情報機器120が、タッチ操作および音声によるユーザ操作の何れも受け付けるなど、複数の方法の何れでもユーザ操作を受け付けるようにしてもよい。
【0023】
記憶部130は、各種情報を記憶する。例えば、記憶部130は設定情報を記憶する。ここでいう設定情報は、家電機器10の動作モードの設定など家電機器10の状態を設定するための情報である。記憶部130は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ、またはこれらのうち複数の組み合わせなどにより実現されていてもよい。
【0024】
通信部140は、他の装置と通信を行う。通信部140の通信方式は特定のものに限定されない。例えば、通信部140が、無線LAN(Local Area Network)を経由して、他の装置と通信を行うようにしてもよく、その場合の無線LANの通信方式は特定のものに限定されない。あるいは、通信部140が携帯電話網を介して他の装置と通信を行うなど、無線LAN以外の通信経路を用いて他の装置と通信を行うようにしてもよい。ここでいう携帯電話網は、通信事業者が携帯電話機向けに提供する無線通信ネットワークである。
通信部140は、複数の機器と選択的に通信可能である。すなわち、通信部140は、複数の機器の何れとも通信可能であるが、同時に複数の機器と通信を行うことはできず、通信相手を切り替えて通信を行う。
【0025】
通信部140が1つの装置と通信可能な状態を、その装置と通信接続された状態と称する。通信部140が通信接続を行う方法は、特定の方法に限定されない。例えば、通信部140が通信相手の装置と、互いに装置の認証を行って通信を許可することで通信接続を開始するようにしてもよい。そして、通信部140または通信相手の装置の何れかから通信終了が通知されるか、または、物理的に通信不可能な状態になるまで、通信接続が維持されていてもよい。また、通信接続が維持されている間、通信部140と通信相手の装置とが、例えば認証信号など通信接続を維持するための信号を定期的に送受信するようにしてもよい。
【0026】
また、ユーザが端末装置30を介して第1サーバ装置21または第2サーバ装置22の何れかにログインする場合など、ログインおよびログアウトが行われる場合、家電機器10と、ログインされた装置とが、ログアウトが行われるまで通信接続を維持するようにしてもよい。
通信接続を単に接続とも称する。
図1の例で、通信部140は、第1サーバ装置21と第2サーバ装置22とに対して選択的に接続可能である。
【0027】
制御部150は、家電機器10の各部を制御して各種処理を実行する。制御部150は、例えばマイコン(Microcomputer)などのコンピュータを用いて構成されていてもよい。制御部150の機能は、CPUのような1つ以上のハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することによって実行されてもよい。あるいは、制御部150の機能の全部または一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、またはFPGA(Field Programmable Gate Array)などの回路部(ハードウェア)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアとの協働によって実現されてもよい。
【0028】
制御部150は、所定条件を満たした場合に、ユーザの操作を伴わずに通信部140の接続先を第1サーバ装置21に切り替え、第1サーバ装置21から情報を取得する。ここでいう接続先の切替には、通信部140が何れの装置にも接続していない状態からの切替が含まれていてもよい。すなわち、通信部140は、必ずしも常に何れかの装置に接続してなくてもよい。
【0029】
ここで、通信部140は、第2サーバ装置22に接続しているときは、第1サーバ装置21とは通信を行わない。このとき、ユーザが端末装置30にて家電機器10に対する遠隔操作を行っても、その遠隔操作による遠隔指示を示す遠隔指示情報は、通信部140には送信されない。特に、端末装置30からの遠隔指示では、通信部140の接続先を切り替えることはできない。これにより、ユーザが遠隔操作を行っても遠隔指示が家電機器10に反映されないか、または、反映されるまでに大幅な遅延が生じ、ユーザが遠隔操作機能を利用できない可能性がある。
【0030】
これに対し、制御部150が、所定条件を満たした場合に、ユーザの操作を伴わずに通信部140の接続先を第1サーバ装置21に切り替えることで、比較的早いタイミングで遠隔指示を家電機器10に反映させることができる。このように、制御部150が、ユーザの操作を伴わずに通信部140の接続先を切り替えることで、家電機器10は、ユーザの必要なサービスを提供することができる。
【0031】
例えば、制御部150が、家電機器本体110に対するユーザの操作または入力(ユーザ操作以外の情報の入力)が情報機器120では行われていない場合に、定期的に、通信部140の接続先を第1サーバ装置21に切り替えて第1サーバ装置21から情報を取得するようにしてもよい。そして、制御部150が、第1サーバ装置21から取得した情報に基づき、記憶部130に登録された情報の少なくとも一部を更新するようにしてもよい。例えば、制御部150が、第1サーバ装置21から取得した遠隔指示情報に基づいて、記憶部130が記憶している設定情報を更新するようにしてもよい。
【0032】
また、制御部150が、家電機器本体110に対するユーザの操作または入力が情報機器120または端末装置30の何れでも行われていない場合に、定期的に、通信部140の接続先を第2サーバ装置22に切り替えて第2サーバ装置22から情報を取得するようにしてもよい。そして、制御部150が、第2サーバ装置22から取得した情報に基づき、記憶部130に登録された情報の少なくとも一部を更新するようにしてもよい。この場合、制御部150が第2サーバ装置22から取得する情報は、特定の情報に限定されない。例えば、入出力制御部325が、レシピ(Recipe、料理の作り方等の情報)を第2サーバ装置22から取得し、新たなレシピを取得した場合に、記憶部130に追加保存するようにしてもよい。また、入出力制御部325が、インターネット上の通信販売サイトなどの広告情報を取得し、記憶部130が記憶している広告情報を更新(上書き)するようにしてもよい。
【0033】
制御部150が通信部140の接続先を切り替える間隔は、特定の間隔に限定されない。例えば、制御部150が第2サーバ装置22から情報を取得する場合、通信部140の接続先を切り替える間隔が、第2サーバ装置22での情報更新の間隔に応じて定められていてもよい。例えば、第2サーバ装置22上で広告情報が2時間ごとに更新される場合、通信部140が、制御部150の制御にしたがって2時間ごとに第2サーバ装置22に通信接続して広告情報を受信するようにしてもよい。
【0034】
制御部150が、通信部140の接続先に応じて接続の頻度または接続時間が異なるように、通信部140を制御するようにしてもよい。例えば、家電機器本体110に対するユーザの操作または入力が行われない場合、制御部150が、第2サーバ装置22と通信部140とが接続中の割合よりも、第1サーバ装置21と通信部140とが接続中の割合が大きくなるように、通信部140の接続先を切り替えるようにしてもよい。これにより、通信部140が第1サーバ装置21に接続される頻度が比較的大きくなり(または、通信部140が第1サーバ装置21に接続される時間が比較的長くなり)、端末装置30が第1サーバ装置21を経由して家電機器10に送信する遠隔指示情報が、いち早く家電機器10に反映されると期待される。遠隔指示情報が家電機器10に反映されるとは、その遠隔指示情報が示す遠隔指示が家電機器10に反映されることである。
【0035】
制御部150が、第2サーバ装置22から提供される動画が情報機器120で再生中の間に所定条件が満たされた場合に、第2サーバ装置22と通信部140との接続を一時的に中断し、通信部140の接続先を第1サーバ装置21に切り替えるようにしてもよい。
仮に、第2サーバ装置22から提供される動画が情報機器120で再生中の間通信部140が動画提供元の第2サーバ装置22との接続を維持し続ける場合、家電機器10は、第1サーバ装置21からの遠隔指示情報は受け付けない。例えば、あるユーザ(ユーザA)が情報機器120で動画を再生している間、他のユーザ(ユーザB)が端末装置30から家電機器10に対する遠隔操作を行っても、動画再生の間、遠隔操作による遠隔指示は家電機器10に反映されない。特に、動画の再生時間が長いほど遠隔指示が家電機器10に反映されない時間が長くなり、遠隔操作を行うユーザ(ユーザB)の不利益が大きいといえる。
【0036】
これに対し、制御部150が、第2サーバ装置22と通信部140との接続を一時的に中断し、通信部140の接続先を第1サーバ装置21に切り替えることで、動画の再生終了を待たずに遠隔指示を家電機器10に反映させることができる。
制御部150が、通信部140の接続先を第1サーバ装置21に切り替える条件(上記の所定条件)は、特定の条件に限定されない。例えば、記憶部130のバッファ領域に未再生の動画データが所定量以上溜まったときに、制御部150が、通信部140の接続先を第1サーバ装置21に切り替えるようにしてもよい。この場合、情報機器120による動画の再生を中断せずに、制御部150が、遠隔指示情報の有無を確認できると期待される。さらには、遠隔指示情報があると判定した場合、制御部150が、情報機器120による動画の再生を中断せずに、第1サーバ装置21から遠隔指示情報を取得できると期待される。
【0037】
あるいは、情報機器120が動画を再生している間、制御部150が、例えば2分ごとなど所定時間ごとに、通信部140の接続先を第1サーバ装置21に切り替えるようにしてもよい。この場合、制御部150は、動画再生開始または前回の接続先切替からの経過時間を測定し、経過時間が所定時間に達したか否かを判定すればよく、この点で、制御部150の負荷が比較的小さい。
【0038】
(第2の実施形態)
図2は、第2の実施形態の冷蔵庫システム2の構成例を示す図である。冷蔵庫システム2は、家電システム1の第1の例に該当する。
冷蔵庫システム2は、例えば、冷蔵庫210と、レシピサーバ装置221と、音声認識サーバ装置222と、遠隔指示サーバ装置223と、端末装置30とを含む。冷蔵庫210は、冷蔵庫本体310と、通信部140と、制御部150とを含む。冷蔵庫本体310は、情報機器320と、記憶部130とを含む。情報機器320は、表示部321と、操作入力部322と、スピーカ323と、マイク324と、入出力制御部325とを含む。
【0039】
図2の各部のうち
図1の各部に対応して同様の機能を有する部分には同一の符号(130、140、150、30)を付し、ここでは詳細な説明を省略する。
冷蔵庫210は、家電機器10の例に該当する。冷蔵庫本体310は、家電機器本体110の例に該当する。また、情報機器320は情報機器120の例に該当し、
図2では情報機器320の構成例が示されている。ただし、情報機器320が、表示部321、操作入力部322、スピーカ323およびマイク324のうち一部のみを含んでいてもよい。
【0040】
表示部321は、例えば液晶パネル等の表示画面を含み、入出力制御部325の制御に従って各種画像を表示する。例えば、表示部321が、レシピサーバ装置221、音声認識サーバ装置222または遠隔指示サーバ装置223の何れかから送信される動画または静止画を表示するようにしてもよい。また、表示部321が、操作入力部322がユーザ操作を受け付けるための操作入力画面を表示するようにしてもよい。
表示部321が、例えば冷蔵庫本体310のマニュアルなど冷蔵庫本体310に関連する画像を表示するようにしてもよい。また、表示部321が、例えばニュースの画像など冷蔵庫本体310と直接の関連性はない画像を表示するようにしてもよい。
【0041】
操作入力部322は、例えば表示部321の表示画面に設けられてタッチパネルを構成するタッチセンサを含み、ユーザ操作を受け付ける。例えば、操作入力部322が、冷蔵庫本体310に対するユーザ操作を受け付けるようにしてもよい。また、操作入力部322が、情報機器320による動画の再生の開始または停止の指示など、情報機器320に対するユーザ操作を受け付けるようにしてもよい。
【0042】
スピーカ323は、入出力制御部325の制御に従って音声を出力する。情報機器120について上述したように、スピーカ323が出力する音声には発話が含まれていてもよい。
スピーカ323が、例えば冷蔵庫本体310のドアの閉め忘れなど冷蔵庫本体310に関する警報音または警報メッセージ音声、あるいはこれらの組み合わせを出力してもよい。また、スピーカ323が、表示部321が再生する動画に付されている音声を出力(再生)するようにしてもよい。
【0043】
マイク324は、周囲の音声を収集して音声データに変換し、得られる音声データを入出力制御部325に出力する。例えば、マイク324が、ユーザの発話によるユーザ操作(ユーザ指示の音声入力)を受け付けるようにしてもよい。この場合、音声データを指示情報に変換するための音声認識を、例えば音声認識サーバ装置222が行うなど家電機器10の外部の装置が行うようにしてもよい。あるいは、この場合の音声認識を、例えば制御部150または入出力制御部325が行うなど冷蔵庫210の内部で行うようにしてもよい。
【0044】
入出力制御部325は、情報機器320の各部を制御して各種処理を行う。例えば、入出力制御部325は、表示部321を制御して各種画像を表示させる。また、入出力制御部325は、スピーカ323を制御して各種音声を出力させる。また、入出力制御部325は、操作入力部322が受け付けたユーザ操作による指示情報を制御部150へ出力する。また、入出力制御部325は、マイク324が収集した音声を示す音声データを制御部150へ送信する。
【0045】
レシピサーバ装置221は、レシピを提供する。レシピサーバ装置221は第2サーバ装置22の例に該当する。
例えば、レシピサーバ装置221が、静止画、または、音声付き動画、あるいはこれらの組み合わせにてレシピを提供するようにしてもよい。レシピサーバ装置221が提供するレシピは、冷蔵庫210では情報機器320によってユーザに提示される。
【0046】
記憶部130が、レシピサーバ装置221が提供するレシピの全部または一部を記憶しておくようにしてもよい。そして、レシピサーバ装置221に新たなレシピが追加された場合、制御部150が通信部140を介して新たなレシピを取得し、記憶部130が記憶するレシピに追加するようにしてもよい。通信部140が例えば定期的にレシピサーバ装置221に接続し、制御部150が、通信部140を介してのレシピサーバ装置221との通信によって新たなレシピの有無を確認するようにしてもよい。
あるいは、レシピの提示を要求するユーザ操作を操作入力部322または端末装置30が受け付けるごとに、通信部140が制御部150の制御に従ってレシピサーバ装置221に接続してレシピを受信するようにしてもよい。
【0047】
音声認識サーバ装置222は、冷蔵庫210から音声データを受信して音声認識を行う。音声認識サーバ装置222は、第2サーバ装置22の例に該当する。
例えば、音声認識サーバ装置222が、音声データからユーザの発話によるユーザ指示を検出し、検出したユーザ指示を示す指示情報を冷蔵庫210へ送信するようにしてもよい。
【0048】
遠隔指示サーバ装置223は、冷蔵庫本体310を遠隔操作可能な装置である。遠隔指示サーバ装置223は、第1サーバ装置21の例に該当する。
例えば遠隔指示サーバ装置223が、ユーザが端末装置30を用いて行う遠隔操作による遠隔指示情報を端末装置30から受信し、受信した遠隔指示情報を家電機器10へ送信(転送)するようにしてもよい。
【0049】
図2の例では、通信部140は、レシピサーバ装置221、音声認識サーバ装置222および遠隔指示サーバ装置223と選択的に通信可能である。すなわち、通信部140は、レシピサーバ装置221、音声認識サーバ装置222および遠隔指示サーバ装置223の何れとも通信可能であるが、これらの機器のうち2つ以上と同時に通信を行うことはできず、通信相手を切り替えて通信を行う。
【0050】
レシピサーバ装置221、音声認識サーバ装置222、遠隔指示サーバ装置223および端末装置30のうち何れか1つ以上が家電システム1の外部の装置として構成されていてもよい。
図2の例でも、通信部140の通信相手となり得る装置の個数は2つ以上であればよい。例えば、通信部140が、
図2に例示されるレシピサーバ装置221、音声認識サーバ装置222および遠隔指示サーバ装置223に限らずさらに他の装置とも通信可能であってもよい。また、冷蔵庫システム2がレシピサーバ装置221または音声認識サーバ装置222の何れか一方のみを含んでいてもよい。
【0051】
このように、
図2では、
図1の家電機器10の例として冷蔵庫210が示され、家電機器本体110の例として冷蔵庫本体310が示されている。また、情報機器320の構成例が示されている。また、
図2では、通信部140が通信可能な装置の個数が3つである場合の例が示されている。第1サーバ装置21の例として遠隔指示サーバ装置223が示され、第2サーバ装置22の例としてレシピサーバ装置221および音声認識サーバ装置222が示されている。
それ以外の点では、
図2に例示される冷蔵庫システム2は、
図1に例示される家電システム1と同様である。
【0052】
図3は、制御部150が通信部140の接続先を切り替えるタイミングの例を示す図である。
図3の例で、制御部150は、毎時0分に通信部140の接続先をレシピサーバ装置221に切り替える。そして、制御部150は、通信部140を介してレシピサーバ装置221と通信を行って、新たなレシピがレシピサーバ装置221に追加されているか否かを判定する。新たなレシピがレシピサーバ装置221に追加されていると判定した場合、制御部150は、通信部140を介してレシピサーバ装置221から新たなレシピを受信し、得られた新たなレシピを記憶部130に登録する(記憶させる)。
【0053】
通信部140が新たなレシピの受信を完了した後、または、制御部150が、新たなレシピがレシピサーバ装置221に追加されていないと判定した場合、制御部150は、通信部140とレシピサーバ装置221との接続を終了する。
記憶部130がレシピを記憶していないか、または、レシピサーバ装置221に追加されているレシピのうち一部のみを記憶している場合、記憶部130が記憶していないレシピの提示を要求するユーザ操作が行われるごとに、制御部150が、通信部140の接続先をレシピサーバ装置221に切り替えて、要求されるレシピを取得するようにしてもよい。
【0054】
また、制御部150は、マイク324が音声入力(発話によるユーザ操作)を受け付けたときに、通信部140の接続先を音声認識サーバ装置222に切り替える。そして、制御部150は、通信部140を介して音声データを音声認識サーバ装置222に送信する。音声認識サーバ装置222は、冷蔵庫210から送信される音声データに対して音声認識を行い、音声で入力されたユーザ指示を示す指示情報を生成し、冷蔵庫210へ送信する。冷蔵庫210では、制御部150が指示情報を取得し、指示情報が示すユーザ指示に従って冷蔵庫210の各部を制御する。これにより、制御部150は、ユーザ指示を冷蔵庫210に反映させる。
【0055】
通信部140が、音声認識サーバ装置222からの指示情報の受信を完了した後、制御部150は、通信部140と音声認識サーバ装置222との接続を終了する。
また、通信部140がレシピサーバ装置221または音声認識サーバ装置222の何れにも接続していない場合、制御部150は、通信部140の接続先を遠隔指示サーバ装置223に切り替える。
【0056】
このように、制御部150は、通信部140の接続先の切替を指示するユーザ操作を必要とせずに、通信部140の接続先を切り替える。
家電機器10について上述したように、通信部140が遠隔指示サーバ装置223に接続していないときは、ユーザが端末装置30にて冷蔵庫210に対する遠隔操作を行っても、その遠隔操作による遠隔指示を示す遠隔指示情報は、通信部140には送信されない。特に、端末装置30からの遠隔指示では、通信部140の接続先を切り替えることはできない。これにより、ユーザが遠隔操作を行っても遠隔指示が冷蔵庫210に反映されないか、または、反映されるまでに大幅な遅延が生じ、ユーザが遠隔操作機能を利用できない可能性がある。
【0057】
これに対し、制御部150が、通信部140の接続先の切替を指示するユーザ操作を必要とせずに、通信部140の接続先を遠隔指示サーバ装置223に切り替えることで、比較的早いタイミングで遠隔指示を冷蔵庫210に反映させることができる。このように、制御部150が、ユーザの操作を伴わずに通信部140の接続先を切り替えることで、冷蔵庫210は、ユーザの必要なサービスを提供することができる。
【0058】
図4は、遠隔指示サーバ装置223が通信部140と通信できないときの遠隔指示情報の取り扱いの例を示す図である。
図4の例では、通信部140は、音声認識サーバ装置222に接続している。したがって、この状態では遠隔指示サーバ装置223は通信部140と通信することはできない。
【0059】
このように、遠隔指示サーバ装置223が通信部140と接続できない状態で、端末装置30が冷蔵庫210に対する遠隔操作を受け付けている(ステップS111)。端末装置30は、遠隔操作による遠隔指示を示す遠隔指示情報を生成し、生成した遠隔指示情報を遠隔指示サーバ装置223へ送信する(ステップS112)。
【0060】
遠隔指示情報を受信した遠隔指示サーバ装置223は、受信した遠隔指示情報を記憶する(ステップS113)。例えば、遠隔指示情報を受信した遠隔指示サーバ装置223は、通信部140に接続可能か否かを判定する。通信部140に接続できないと判定した場合、遠隔指示サーバ装置223は遠隔指示情報を記憶する(保持する)。
【0061】
そして、遠隔指示サーバ装置223は端末装置30に状況を通知する(ステップS114)。例えば、遠隔指示サーバ装置223は、冷蔵庫210と通信できないため遠隔指示情報を保持していることを示す情報を端末装置30に送信する。
端末装置30は、遠隔指示サーバ装置223から通知された状況をユーザに提示する(ステップS115)。例えば、端末装置30が、遠隔指示サーバ装置223からの通知を示すメッセージを表示するようにしてもよい。
【0062】
図5は、遠隔指示サーバ装置223が通信部140と通信できるようになったときの遠隔指示情報の取り扱いの例を示す図である。
図5は、
図4の例の状態から通信部140と音声認識サーバ装置222との通信が終了し、通信部140が遠隔指示サーバ装置223に接続された場合の例を示している。
通信部140と接続された遠隔指示サーバ装置223は、遠隔指示サーバ装置223自らが記憶している遠隔指示情報を通信部140へ送信する(ステップS121)。
【0063】
冷蔵庫210では、通信部140が遠隔指示情報を受信すると、制御部150が、遠隔指示を実行する(ステップS122)。例えば、制御部150は、遠隔指示に従って冷蔵庫210の各部を制御することで、遠隔指示を実行する。
冷蔵庫210は、遠隔指示の実行結果を遠隔指示サーバ装置223に送信する(ステップS123)。例えば、通信部140は、制御部150の制御に従って、遠隔指示の実行結果を示す情報を端末装置30に送信する。
【0064】
遠隔指示サーバ装置223は、冷蔵庫210から通知された遠隔指示の実行結果を端末装置30へ通知(転送)する(ステップS124)。
端末装置30は、遠隔指示サーバ装置223から通知された遠隔操作の実行結果をユーザに提示する(ステップS125)。例えば、端末装置30が、遠隔操作の実行結果を示すメッセージを表示するようにしてもよい。
【0065】
このように、遠隔指示サーバ装置223は、通信部140に接続できない状態で端末装置30から遠隔指示情報を受信した場合、受信した遠隔指示情報を記憶しておく。そして、遠隔指示サーバ装置223は、通信部140に接続できるようになると、記憶している遠隔指示情報を通信部140へ送信する。
これにより、冷蔵庫210は、遠隔指示サーバ装置223に接続した後速やかに、遠隔指示を実行することができる。
【0066】
(第3の実施形態)
図6は、通信部140の接続先の切替指示の取り扱いの例を示す図である。
また、
図6には、第3の実施形態の冷蔵庫システム3の構成例が示されている。冷蔵庫システム3は、家電システム1の第2の例に該当する。
冷蔵庫システム3は、例えば、冷蔵庫210と、レシピサーバ装置221と、画像認識サーバ装置422と、遠隔指示サーバ装置223と、端末装置30とを含む。また、
図6では、冷蔵庫210の通信部140が示されている。
【0067】
図6の各部のうち
図2の各部に対応して同様の機能を有する部分には同一の符号(210、140、221、223、30)を付し、ここでは詳細な説明を省略する。また、冷蔵庫210の構成は、
図2を参照して説明したのと同様であり、ここでは図示および詳細な説明を省略する。
図6に示される冷蔵庫システム3の構成は、音声認識サーバ装置222に代えて画像認識サーバ装置422を含む点で
図2に示される冷蔵庫システム2の構成と異なる。それ以外の点では、冷蔵庫システム3は、冷蔵庫システム2と同様である。
【0068】
画像認識サーバ装置422は、冷蔵庫210から画像データを受信して画像認識を行う。画像認識サーバ装置422は、第2サーバ装置22の例に該当する。
例えば、画像認識サーバ装置422が、画像に映っている物を示す情報を生成し、生成した情報を冷蔵庫210または端末装置30へ送信するようにしてもよい。さらに例えば、画像認識サーバ装置422が、冷蔵庫210の庫内を撮影した画像を取得して画像認識を行い、庫内にある物を示す情報を冷蔵庫210へ送信するようにしてもよい。
【0069】
図6の例では、通信部140は、遠隔指示サーバ装置223に接続している。したがって、この状態ではレシピサーバ装置221および画像認識サーバ装置422の何れも通信部140と通信することはできない。
図6の例では、このように、通信部140が遠隔指示サーバ装置223に接続している状態で、端末装置30が冷蔵庫210の庫内の物を示す情報を要求する遠隔操作を受け付けている(ステップS211)。
【0070】
端末装置30は、遠隔操作に応じて、画像認識サーバ装置422に対し、冷蔵庫210の庫内の画像を取得して画像認識を行うよう要求する処理要求を送信している(ステップS212)。
また、
図6の状態では、画像認識サーバ装置422から冷蔵庫210に対して冷蔵庫210と画像認識サーバ装置422との接続要求を送信することはできない。そこで、端末装置30は、通信部140が接続している遠隔指示サーバ装置223に対して、冷蔵庫210と画像認識サーバ装置422との接続要求を送信している(ステップS213)。
遠隔指示サーバ装置223は、受信した接続要求を冷蔵庫210に送信(転送)する(ステップS214)。
【0071】
図7は、画像認識サーバ装置422が画像認識を行う場合の処理の例を示す図である。
図7は、
図6のステップS214における接続要求に応じて通信部140が画像認識サーバ装置422に接続している場合の例を示している。
この状態で、画像認識サーバ装置422は、
図6のステップS212における処理要求に応じて、冷蔵庫210の庫内を撮影した画像の画像データを取得している(ステップS221)。例えば、画像認識サーバ装置422が冷蔵庫210に対して庫内の画像の送信を要求し、冷蔵庫210が、要求に応じて庫内の画像を画像データにて送信する。
【0072】
画像認識サーバ装置422は、冷蔵庫210の庫内の画像に対して画像認識を行う(ステップS222)。この画像認識で、画像認識サーバ装置422は、画像に映っている物を検出し、検出した物を示す情報を生成する。これにより、画像認識サーバ装置422は、冷蔵庫210の庫内にある物を示す情報を生成する。
そして、画像認識サーバ装置422は、画像認識の結果を端末装置30に通知する(ステップS223)。具体的には、画像認識サーバ装置422は、ステップS222で生成した、冷蔵庫210の庫内にある物を示す情報を端末装置30へ送信する。
【0073】
端末装置30は、画像認識サーバ装置422から通知される結果をユーザに提示する(ステップS224)。例えば、端末装置30は、冷蔵庫210の庫内にある物を示す情報を表示する。
このように、端末装置30が、通信部140が接続している装置を経由して冷蔵庫210へ接続要求を送信することで、冷蔵庫210の接続先を遠隔指示することができる。
【0074】
なお、端末装置30から画像認識サーバ装置422への処理要求に代えて、冷蔵庫210が画像認識サーバ装置422に対して画像認識処理を要求するようにしてもよい。この場合、端末装置30が、
図6のステップS212における処理要求を送信しないようにしてもよい。そして、ステップS221で冷蔵庫210が、冷蔵庫210の庫内の画像に対して画像認識を行うよう要求する処理要求と、冷蔵庫210の庫内の画像の画像データとを、画像認識サーバ装置422に送信するようにしてもよい。
冷蔵庫210の接続先の指示を第1サーバ装置21へ送信する送信元は、端末装置30に限定されない。例えば、画像認識サーバ装置422またはレシピサーバ装置221など、冷蔵庫210との接続を要求するサーバ装置が、冷蔵庫210の接続先の指示を第1サーバ装置21へ送信するようにしてもよい。
【0075】
図8は、第1から第3の実施形態に係る冷蔵庫本体の外形の例を示す図である。
図8は、冷蔵庫本体の正面の外形の例を示している。
上述したように、第1の実施形態に係る家電機器本体110は特定の家電機器の本体に限定されず、冷蔵庫本体であってもよい。
図8は、第1の実施形態に係る家電機器本体110が、冷蔵庫本体として構成される場合の例を示している。また、
図8は、第2の実施形態または第3の実施形態に係る冷蔵庫本体310の外形の例にも該当する。
【0076】
図8の例では、冷蔵庫本体310は、冷蔵室、冷凍室、製氷室、切替室および野菜室等の各貯蔵室を含む筐体と、上記各貯蔵室を開閉可能に閉じる扉161~165が示されている。冷蔵室を閉じる扉161は、観音開き扉(フレンチ扉)である例を示している。その他の貯蔵室を開閉可能に閉じる扉162~165の各々は、引き出し式の扉である例を示している。
また、
図8は、情報機器320の表示部321および操作入力部322がタッチパネルとして冷蔵室の扉161に設けられる場合の例を示している。表示部321は、例えば、液晶ディスプレイまたは有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイなどであるが、これらに限定されない。操作入力部322は、例えば静電容量式のタッチパネルであるが、これに限定されない。操作入力部322は、表示部321とは別に扉161または貯蔵室の内部に設けられた物理的なボタンやスイッチ、ダイヤルなどでもよく、静電容量式のセンサにより表示部321とは別に扉161に設けられた仮想的なボタンやスイッチ、ダイヤルなどでもよい。ただし、第1の実施形態では、情報機器320は必須ではない。したがって、
図8の例で、冷蔵庫本体310(家電機器本体110)が、タッチパネル(表示部321および操作入力部322)を備えていなくてもよい。
通信部140または制御部150の何れか一方または両方が、
図8に例示する冷蔵庫本体310(家電機器本体110)の筐体内に設けられていてもよい。
【0077】
以上のように、制御部150は、所定条件を満たした場合に、ユーザの操作を伴わずに通信部140の接続先を第1サーバ装置21に切り替え、第1サーバ装置21から情報を取得する。
通信部140は、第2サーバ装置22に接続しているときは、第1サーバ装置21とは通信を行わない。このとき、ユーザが端末装置30にて家電機器10に対する遠隔操作を行っても、その遠隔操作による遠隔指示を示す遠隔指示情報は、通信部140には送信されない。特に、端末装置30からの遠隔指示では、通信部140の接続先を切り替えることはできない。これにより、ユーザが遠隔操作を行っても遠隔指示が家電機器10に反映されないか、または、反映されるまでに大幅な遅延が生じ、ユーザが遠隔操作機能を利用できない可能性がある。
これに対し、制御部150が、所定条件を満たした場合に、ユーザの操作を伴わずに通信部140の接続先を第1サーバ装置21に切り替えることで、比較的早いタイミングで遠隔指示を家電機器10に反映させることができる。このように、制御部150が、ユーザの操作を伴わずに通信部140の接続先を切り替えることで、家電機器10は、ユーザの必要なサービスを提供することができる。
【0078】
また、制御部150は、家電機器本体110に対するユーザの操作または入力が行われていない場合に、定期的に通信部140の接続先を第1サーバ装置21に切り替えて第1サーバ装置21から情報を取得し、取得した情報に基づき記憶部130に登録された設定情報の少なくとも一部を更新する。
このように、制御部150が定期的に通信部140の接続先を第1サーバ装置21に切り替えることで、比較的早いタイミングで第1サーバ装置21から遠隔指示を取得することができる。そして、制御部150が、遠隔指示に基づいて設定情報を更新することで、遠隔指示を家電機器10に反映させることができる。
【0079】
また、制御部150は、家電機器本体110に対するユーザの操作または入力が行われない場合、第2サーバ装置22と通信部140とが接続中の割合よりも、第1サーバ装置21と通信部140とが接続中の割合が大きくなるように、通信部140の接続先を切り替える。
これにより、通信部140が第1サーバ装置21に接続される頻度が比較的大きくなり(または、通信部140が第1サーバ装置21に接続される時間が比較的長くなり)、端末装置30が第1サーバ装置21を経由して家電機器10に送信する遠隔指示情報が、いち早く家電機器10に反映されると期待される。
【0080】
また、第2サーバ装置22は、情報機器120から出力される情報を提供する。
家電機器10は、第2サーバ装置22からの情報提供を受けて、ユーザに対して情報を提供することができる。
【0081】
また、制御部150は、第2サーバ装置22から提供される動画が情報機器120で再生中の間に所定条件が満たされた場合に、第2サーバ装置22と通信部140との接続を一時的に中断し、通信部140の接続先を第1サーバ装置21に切り替える。
仮に、第2サーバ装置22から提供される動画が情報機器120で再生中の間通信部140が動画提供元の第2サーバ装置22との接続を維持し続ける場合、家電機器10は、第1サーバ装置21からの遠隔指示情報は受け付けない。例えば、あるユーザ(ユーザA)が情報機器120で動画を再生している間、他のユーザ(ユーザB)が端末装置30から家電機器10に対する遠隔操作を行っても、動画再生の間、遠隔操作による遠隔指示は家電機器10に反映されない。特に、動画の再生時間が長いほど遠隔指示が家電機器10に反映されない時間が長くなり、遠隔操作を行うユーザ(ユーザB)の不利益が大きいといえる。
これに対し、制御部150が、第2サーバ装置22と通信部140との接続を一時的に中断し、通信部140の接続先を第1サーバ装置21に切り替えることで、動画の再生終了を待たずに遠隔指示を家電機器10に反映させることができる。
【0082】
また、第1サーバ装置21は、第1サーバ装置21自らと家電機器10(通信部140)とが接続できない状態で、家電機器10に対する遠隔操作の指示内容を示す指示情報を端末装置30から受け付けた場合、その指示情報を保持する。そして、第1サーバ装置21は、第1サーバ装置21自らと家電機器10とが接続された場合に、保持していた指示情報を家電機器10に送信する。
家電システム1によれば、第1サーバ装置21と家電機器10とが接続できない場合でも、遠隔操作を受け付けて遠隔指示情報を保持することができる。そして、第1サーバ装置21と家電機器10とが接続された後速やかに、保持している遠隔指示を家電機器10に反映させることができる。
【0083】
また、第1サーバ装置21は、第1サーバ装置21自らと家電機器10とが接続できない状態で、端末装置30から指示情報を受け付けた場合、第1サーバ装置21自らと家電機器10とが接続中でないこと、および遠隔操作の指示を受け付けたことを端末装置30に通知する。
ユーザは、端末装置30を用いて通知を参照することで、遠隔操作の受付状況を把握することができる。
【0084】
また、家電機器10は、第1サーバ装置21と家電機器10自らとが接続され、第1サーバ装置21が保持していた指示情報を第1サーバ装置21から受信した場合、その指示情報に基づき設定情報の少なくとも一部を更新する。
これにより、家電機器10は、第1サーバ装置21と家電機器10自らとが接続されていない状態で行われた遠隔操作を、第1サーバ装置21と家電機器10自らとが接続された後速やかに、家電機器10自らに反映させることができる。
【0085】
また、第1サーバ装置21は、第1サーバ装置21自らと家電機器10とが接続され、第1サーバ装置21自らが保持していた指示情報を家電機器10に送信した場合、所定の通知を端末装置30に送信する。
ユーザは、端末装置30を用いて通知を参照することで、遠隔操作の受付状況を把握することができる。
【0086】
また、第1サーバ装置21は、第1サーバ装置21自らと家電機器10とが接続中の状態で、家電機器10の次の接続先を指示する接続先指示を、端末装置30、第2サーバ装置22、または別のサーバ装置から受信した場合、次の接続先を示す情報を家電機器10に送信する。
これにより、家電機器10の接続先を接続先指示に従って切り替えることができる。特に、家電機器10との接続割合が比較的高い第1サーバ装置21が家電機器10へ接続先指示を送信することで、家電機器10の接続先を速やかに切り替えられると期待される。
【0087】
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、第1サーバ装置21と第2サーバ装置22とに対して選択的に接続可能な通信部140と、所定条件を満たした場合に、ユーザの操作を伴わずに通信部140の接続先を第1サーバ装置21に切り替え、第1サーバ装置21から情報を取得する制御部150とを持つことにより、ユーザが要求する処理に応じて家電機器10の通信相手を切り替えることができる。
【0088】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0089】
1…家電システム、2…冷蔵庫システム、3…冷蔵庫システム、10…家電機器、21…第1サーバ装置、22…第2サーバ装置、30…端末装置、110…家電機器本体、120…情報機器、130…記憶部、140…通信部、150…制御部、210…冷蔵庫、221…レシピサーバ装置、222…音声認識サーバ装置、223…遠隔指示サーバ装置、310…冷蔵庫本体、320…情報機器、321…表示部、322…操作入力部、323…スピーカ、324…マイク、325…入出力制御部、422…画像認識サーバ装置