(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022098139
(43)【公開日】2022-07-01
(54)【発明の名称】冷蔵庫
(51)【国際特許分類】
F25D 23/00 20060101AFI20220624BHJP
F25D 29/00 20060101ALI20220624BHJP
F25D 27/00 20060101ALI20220624BHJP
F25D 17/08 20060101ALI20220624BHJP
F25D 25/02 20060101ALI20220624BHJP
【FI】
F25D23/00 302M
F25D29/00 Z
F25D27/00
F25D17/08 304
F25D25/02 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020211511
(22)【出願日】2020-12-21
(71)【出願人】
【識別番号】503376518
【氏名又は名称】東芝ライフスタイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100205785
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼橋 史生
(74)【代理人】
【識別番号】100203297
【弁理士】
【氏名又は名称】橋口 明子
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100135301
【弁理士】
【氏名又は名称】梶井 良訓
(72)【発明者】
【氏名】三嶋 浩二
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 和人
【テーマコード(参考)】
3L045
3L345
【Fターム(参考)】
3L045AA02
3L045AA05
3L045BA01
3L045DA02
3L045EA01
3L045KA08
3L045PA04
3L345AA02
3L345AA25
3L345BB01
3L345CC01
3L345DD17
3L345DD58
3L345GG17
3L345GG27
3L345GG28
3L345KK04
(57)【要約】
【課題】除菌機能の向上を図ることができる冷蔵庫を提供することである。
【解決手段】実施形態の冷蔵庫は、筐体と、光照射部とを持つ。前記筐体は、冷蔵室を有する。前記光照射部は、前記冷蔵室内に菌の増殖を抑制する効果を有する光を照射する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷蔵室を有した筐体と、
前記冷蔵室内に菌の増殖を抑制する効果を有する光を照射する光照射部と、
を備えた冷蔵庫。
【請求項2】
前記冷蔵室に配置され、鉛直方向に並ぶ第1棚と第2棚とをさらに備え、
前記光照射部は、前記冷蔵庫の正面側から見て、前記第1棚と前記第2棚との間の高さに位置する、
請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項3】
前記第1棚は、前記第2棚よりも上方で、第1高さ位置と、前記第1高さ位置よりも低い第2高さ位置とに選択的に取り付け可能であり、
前記光照射部は、前記第1棚が前記第2高さ位置に取り付けられた場合に、前記冷蔵庫の正面側から見て、前記第1棚と前記第2棚との間の高さに位置する、
請求項2に記載の冷蔵庫。
【請求項4】
前記光照射部は、前記第1棚が前記第2高さ位置に取り付けられた場合に、前記冷蔵庫の正面側から見て、前記第1棚よりも下方であって、前記第1棚と前記第2棚との間の中央位置よりも上方に位置する、
請求項3に記載の冷蔵庫。
【請求項5】
前記冷蔵室を開閉可能に閉じる扉と、
前記筐体の天井部または側壁部に設けられた照明部と、
をさらに備え、
前記光照射部は、前記光を照射する第1光源と、可視光を照射する第2光源とを有し、
前記扉が開かれた場合に、前記第1光源が消灯され、前記照明部および前記第2光源が点灯される、
請求項1から請求項4のうちいずれか1項に記載の冷蔵庫。
【請求項6】
前記筐体内に設けられ、鉛直方向に延びたダクト部品をさらに備え、
前記ダクト部品は、冷気を前記冷蔵室に供給する冷気吹出口が設けられた前面部と、前記冷蔵庫の正面側から見て、前記前面部に対して後方に窪んだ窪み部とを有し、
前記光照射部は、前記窪み部に配置され、前記冷蔵庫の正面側から見て、前記冷気吹出口よりも後方に位置する、
請求項1から請求項5のうちいずれか1項に記載の冷蔵庫。
【請求項7】
前記冷蔵室に配置され、鉛直方向に並ぶ第1棚と第2棚と第3棚とをさらに備え、
前記第2棚は、前記第1棚よりも下方に位置し、
前記第3棚は、前記第2棚よりも下方に位置し、
前記光照射部は、前記冷蔵庫の正面側から見て、前記第1棚と前記第2棚との間の高さに位置する第1光照射部と、前記第2棚と前記第3棚との間の高さに位置する第2光照射部とを含み、
前記第1光照射部に含まれる回路基板と、前記第2光照射部に含まれる回路基板とが一体に形成されている、
請求項1から請求項6のうちいずれか1項に記載の冷蔵庫。
【請求項8】
前記冷蔵室に配置され、鉛直方向に並ぶ第1棚と第2棚と第3棚とをさらに備え、
前記第2棚は、前記第1棚よりも下方に位置し、
前記第3棚は、前記第2棚よりも下方に位置し、
前記光照射部は、前記冷蔵庫の正面側から見て、前記第1棚と前記第2棚との間の高さに位置する第1光照射部と、前記第1棚と前記第2棚との間の高さに位置する第2光照射部とを含み、
前記第1光照射部に含まれる回路基板と、前記第2光照射部に含まれる回路基板とは別体として形成されている、
請求項1から請求項6のうちいずれか1項に記載の冷蔵庫。
【請求項9】
前記冷蔵室を開閉可能に閉じる扉をさらに備え、
前記筐体は、天井部を有し、
前記光照射部は、前記天井部に設けられ、前記冷蔵室の内部に向けてまたは前記扉の内面に設けられたポケットに向けて前記光を照射する、
請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項10】
前記冷蔵室を開閉可能に閉じる扉をさらに備え、
前記筐体は、側壁部を有し、
前記光照射部は、前記側壁部に設けられ、前記冷蔵室の内部に向けてまたは前記扉の内面に設けられたポケットに向けて前記光を照射する、
請求項1に記載の冷蔵庫。
【請求項11】
前記冷蔵室を開閉可能に閉じる扉をさらに備え、
前記光照射部は、前記扉の内面に設けられ、前記冷蔵室の内部に向けてまたは前記扉の内面に設けられたポケットに向けて前記光を照射する、
請求項1に記載の冷蔵庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、冷蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
冷蔵室の背後に設けられた冷気通路に光触媒と照明手段とを有した冷蔵庫が知られている。冷蔵庫は、さらなる除菌機能の向上が期待されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、除菌機能の向上を図ることができる冷蔵庫を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の冷蔵庫は、筐体と、光照射部とを持つ。前記筐体は、冷蔵室を有する。前記光照射部は、前記冷蔵室内に菌の増殖を抑制する効果を有する光を照射する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図2】
図1中に示された冷蔵庫1のF2-F2線に沿う断面図。
【
図5】第1実施形態の冷蔵室ダクト部品を一部分解して示す斜視図。
【
図6】
図5中に示された冷蔵室ダクト部品のF6-F6線に沿う断面図。
【
図7】
図5中に示された冷蔵室ダクト部品のF7-F7線に沿う断面図。
【
図8】第1実施形態の制御装置に関係する構成を示すブロック図。
【
図9】第1実施形態の光源モジュールに関する基本動作を示す図。
【
図10】第1実施形態の第1変形例の冷蔵室の内部を示す正面図。
【
図11】第1実施形態の第2変形例の冷蔵室の内部を示す正面図。
【
図14】第3実施形態の変形例の冷蔵庫を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態の冷蔵庫を、図面を参照して説明する。以下の説明では、同一または類似の機能を有する構成に同一の符号を付す。そして、それら構成の重複する説明は省略する場合がある。本明細書では、冷蔵庫の正面に立つユーザから冷蔵庫を見た方向を基準に、左右を定義している。また、冷蔵庫から見て冷蔵庫の正面に立つユーザに近い側を「前」、遠い側を「後ろ」と定義している。本明細書で「冷蔵庫の幅方向」とは、冷蔵庫の左右方向を意味する。本明細書で「冷蔵庫の奥行方向」とは、冷蔵庫の前後方向を意味する。
【0008】
(第1実施形態)
[1.冷蔵庫の全体構成]
図1から
図9を参照し、第1実施形態の冷蔵庫1について説明する。まず、冷蔵庫1の全体構成について説明する。
【0009】
図1は、冷蔵庫1を示す正面図である。冷蔵庫1は、例えば、筐体10、複数の扉20、および操作パネル30を備えている。
【0010】
筐体10は、上壁10a、下壁10b、左右の側壁10c,10d、および後壁10e(
図2参照)を有する。上壁10aおよび下壁10bは、略水平に延びている。上壁10aは、後述する冷蔵室11Aに露出して冷蔵室11Aの天井を形成する天井部S1を含む。天井部S1には、冷蔵室11Aの内部を照らす照明部12が設けられている。
【0011】
左右の側壁10c,10dは、下壁10bの左右の端部から上方に起立し、上壁10aの左右の端部に繋がっている。左側壁10cは、冷蔵室11Aに露出して冷蔵室11Aの左側面を形成する左側壁部S2を含む。右側壁10dは、冷蔵室11Aに露出して冷蔵室11Aの右側面を形成する右側壁部S3を含む。上述した照明部12は、天井部S1に代えて/加えて、左側壁部S2および右側壁部S3に設けられてもよい。
【0012】
後壁10eは、下壁10bの後端部から上方に起立し、上壁10aの後端部に繋がっている。筐体10は、筐体10の内面を形成する内箱10iと、内箱10iの外側に位置して筐体10の外面を形成する外箱10jと、内箱10iと外箱10jとの間に設けられた発泡ウレタンのような発泡断熱材10kとを含み(
図2参照)、断熱性を有する。
【0013】
筐体10の内部には、複数の貯蔵室11が設けられている。複数の貯蔵室11は、例えば、冷蔵室11A、チルド室11Aa、野菜室11B、製氷室11C、小冷凍室11D、および主冷凍室11Eを含む。冷蔵室11Aは、例えば、約2℃~6℃である冷蔵温度帯に冷却される。チルド室11Aaは、例えば、約-1℃~+1℃であるチルド室温度帯に冷却される。野菜室11Bは、例えば、約3℃~7℃である野菜室温度帯に冷却される。製氷室11C、小冷凍室11D、および主冷凍室11Eは、例えば、約-20℃~-18℃である冷凍温度帯に冷却される。
【0014】
本実施形態では、最上部に冷蔵室11Aが配置され、冷蔵室11Aの下方に野菜室11Bが配置され、野菜室11Bの下方に製氷室11Cおよび小冷凍室11Dが配置され、製氷室11Cおよび小冷凍室11Dの下方に主冷凍室11Eが配置されている。ただし、貯蔵室11の配置は、上記例に限定されない。筐体10は、各貯蔵室11の前面側に、各貯蔵室11に対して食材の出し入れを可能にする開口を有する。
【0015】
筐体10は、第1および第2の仕切部15,16を有する(
図2参照)。第1および第2の仕切部15,16は、例えば、それぞれ略水平方向に沿う仕切壁である。第1仕切部15は、冷蔵室11Aと野菜室11Bとの間に位置し、冷蔵室11Aと野菜室11Bとの間を仕切っている。一方で、第2仕切部16は、野菜室11Bと、製氷室11Cおよび小冷凍室11Dとの間に位置し、野菜室11Bと、製氷室11Cおよび小冷凍室11Dとの間を仕切っている。
【0016】
複数の貯蔵室11は、複数の扉20によって開閉可能に閉じられる。複数の扉20は、例えば、冷蔵室11Aの開口を閉じる左右の冷蔵室扉20Aa,20Ab、野菜室11Bの開口を閉じる野菜室扉20B、製氷室11Cの開口を閉じる製氷室扉20C、小冷凍室11Dの開口を閉じる小冷凍室扉20D、および主冷凍室11Eの開口を閉じる主冷凍室扉20Eを含む。左右の冷蔵室扉20Aa,20Abは、例えばフレンチ扉(観音開き扉)を構成する。以下では、左右の冷蔵室扉20Aa,20Abを区別しない場合は「冷蔵室扉20A」と称する。
【0017】
操作パネル30は、例えば、冷蔵室扉20Aに設けられている。操作パネル30は、静電容量式の複数の操作部31(例えば複数のボタン)を含み、冷蔵庫1に対するユーザの操作を受け付け可能である。ユーザは、操作パネル30を操作することで、冷蔵庫1の設定温度や制御モードを変更可能である。本実施形態では、ユーザは、操作パネル30に対する操作により、冷蔵室11Aを除菌する「除菌モード」のON/OFFを切り替え可能である。「除菌モード」については後述する。操作パネル30は、「操作受付部」の一例である。「操作受付部」は、上記例に限定されず、タッチセンサが一体となった表示装置や機械式のボタンなどでもよい。
【0018】
図2は、
図1中に示された冷蔵庫1のF2-F2線に沿う断面図である。冷蔵庫1は、例えば、複数の棚41、複数の容器45、流路形成部品50、冷却ユニット60、光照射部70、および制御装置80を備えている。
【0019】
複数の棚41は、冷蔵室11Aに配置されている。複数の棚41は、例えば、第1棚41A、第2棚41B、および第3棚41Cを含む。第1棚41A、第2棚41B、および第3棚41Cは、鉛直方向に並ぶ。複数の棚41については詳しく後述する。複数の容器45は、チルド室11Aa、野菜室11B、製氷室11C、小冷凍室11D、および主冷凍室11Eに分かれて配置されている。
【0020】
流路形成部品50は、冷蔵室ダクト部品51と、冷凍室ダクト部品52とを含む。冷蔵室ダクト部品51は、筐体10内に設けられ、後壁10eに沿って鉛直方向に延びている。冷蔵室ダクト部品51は、筐体10の後壁10eの近くに、冷気(空気)が流れる通路であるダクト空間D1を形成している。本明細書で「ダクト部品」とは、筒状の部品に限定されず、他の部品(例えば筐体10の後壁10e)と協働することで冷気の通路の少なくとも一部を規定する部品を広く意味する。例えば、本実施形態の冷蔵室ダクト部品51は、筐体10の後壁10eに取り付けられ、筐体10の後壁10eとの間にダクト空間D1を形成するカバーである。
【0021】
冷蔵室ダクト部品51は、複数の冷気吹出口51a,51bおよび冷気戻り口51cを有する。冷気吹出口51aは、冷蔵室11Aに開口し、後述する冷蔵用冷却器62により冷却された冷気を冷蔵室11Aに供給する。冷気吹出口51bは、チルド室11Aaに開口し、後述する冷蔵用冷却器62により冷却された冷気をチルド室11Aaに供給する。冷気戻り口51cは、野菜室11Bに開口し、冷蔵室11A、チルド室11Aa、および野菜室11Bのうち1つ以上を通過することで温められた冷気をダクト空間D1に導く。冷蔵室ダクト部品51については詳しく後述する。
【0022】
同様に、冷凍室ダクト部品52は、筐体10内に設けられ、後壁10eに沿って鉛直方向に延びている。冷凍室ダクト部品52は、筐体10の後壁10eの近くに、冷気(空気)が流れる通路であるダクト空間D2を形成している。冷凍室ダクト部品52は、冷気吹出口52aおよび冷気戻り口52bを有する。冷気吹出口52aは、製氷室11C、小冷凍室11D、または主冷凍室11Eに開口し、後述する冷凍用冷却器64により冷却された冷気を、製氷室11C、小冷凍室11D、または主冷凍室11Eに供給する。冷気戻り口52bは、主冷凍室11Eの下部に開口し、製氷室11C、小冷凍室11D、および主冷凍室11Eのうち1つ以上を通過することで温められた冷気をダクト空間D2に導く。
【0023】
冷却ユニット60は、例えば、圧縮器61、冷蔵用冷却器62、冷蔵室ファン63、冷凍用冷却器64、および冷凍室ファン65を含む。冷蔵用冷却器62および冷蔵室ファン63は、ダクト空間D1に配置されている。冷蔵用冷却器62は、圧縮器61により圧縮された冷媒が供給され、ダクト空間D1を流れる冷気を冷却する。冷蔵室ファン63が駆動されると、冷蔵用冷却器62により冷却された冷気が冷気吹出口51a,51bから冷蔵室11A、チルド室11Aa、および野菜室11Bに供給され、冷蔵室11A、チルド室11Aa、および野菜室11Bのうち1つ以上で暖められた冷気が冷気戻り口51cからダクト空間D1に戻る。
【0024】
冷凍用冷却器64および冷凍室ファン65は、ダクト空間D2に配置されている。冷凍用冷却器64は、圧縮器61により圧縮された冷媒が供給され、ダクト空間D2を流れる冷気を冷却する。冷凍室ファン65が駆動されると、冷凍用冷却器64により冷却された冷気が冷気吹出口52aから冷凍室(製氷室、小冷凍室11D、主冷凍室11E)に供給され、上記冷凍室で暖められた空気が冷気戻り口52bからダクト空間D2に戻る。
【0025】
光照射部70は、冷蔵室11Aに設けられている。光照射部70は、第1から第3の光源モジュール70A,70B,70Cを含む。第1から第3の光源モジュール70A,70B,70Cの各々は、冷蔵室11A内に紫外線および可視光を照射する。光照射部70については詳しく後述する。
【0026】
制御装置80は、例えば、筐体10の上壁10aに設けられている。制御装置80は、冷蔵庫1の全体を統括的に制御する。例えば、制御装置80は、上述した圧縮器61、ファン63、ファン65、および光照射部70の動作などを制御する。制御装置80については、詳しく後述する。
【0027】
[2.棚の配置構造]
次に、複数の棚41の配置構造について説明する。
図3および
図4は、冷蔵室11Aの内部を示す正面図である。上述したように、冷蔵室11Aには、複数の棚41(第1棚41A、第2棚41B、および第3棚41C)が配置されている。第1棚41Aは、複数の棚41のなかで最上部に位置する。第2棚41Bは、第1棚41Aよりも下方に位置する。第3棚41Cは、第2棚41Bよりも下方に位置する。
【0028】
第1棚41Aは、第2棚41Bよりも上方で、第1高さ位置P1(
図3参照)と、第1高さ位置P1よりも低い第2高さ位置P2(
図4参照)とに選択的に取り付け可能である。例えば、筐体10の左右の側壁部S2,S3および冷蔵室ダクト部品51の各々は、第1棚41Aを第1高さ位置P1に支持する第1支持部43Aaと、第1棚41Aを第2高さ位置P2に支持する第2支持部43Abとを有する。第1支持部43Aaおよび第2支持部43Abの各々は、左右の側壁部S2,S3および冷蔵室ダクト部品51から冷蔵室11Aの内側に向けて突出している。
【0029】
第1棚41Aは、第1支持部43Aaの上に載置されることで、第1高さ位置P1に取り付けられる。一方で、第1棚41Aは、第2支持部43Abの上に載置されることで、第2高さ位置P2に取り付けられる。本実施形態では、第2支持部43Abは、第2棚41Bを支持する第3支持部43Ba(後述)に対してよりも、第1支持部43Aaに対して近くに位置する。すなわち、第2支持部43Abは、第1支持部43Aaと第3支持部43Baとの間の中央位置に対して上方に偏って配置されている。
【0030】
同様に、第2棚41Bは、第1棚41Aよりも下方、且つ、第3棚41Cよりも上方で、第3高さ位置P3(
図3参照)と、第3高さ位置P3よりも低い第4高さ位置P4(
図4参照)とに選択的に取り付け可能である。例えば、筐体10の左右の側壁部S2,S3および冷蔵室ダクト部品51の各々は、第2棚41Bを第3高さ位置P3に支持する第3支持部43Baと、第2棚41Bを第4高さ位置P4に支持する第4支持部43Bbとを有する。第3支持部43Baおよび第4支持部43Bbの各々は、左右の側壁部S2,S3および冷蔵室ダクト部品51から冷蔵室11Aの内側に向けて突出している。
【0031】
第2棚41Bは、第3支持部43Baの上に載置されることで、第3高さ位置P3に取り付けられる。一方で、第2棚41Bは、第4支持部43Bbの上に載置されることで、第4高さ位置P4に取り付けられる。本実施形態では、第4支持部43Bbは、第3棚41Cを支持する第5支持部43Ca(後述)に対してよりも、第3支持部43Baに対して近くに位置する。すなわち、第4支持部43Bbは、第3支持部43Baと第5支持部43Caとの間の中央位置に対して上方に偏って配置されている。
【0032】
第3棚41Cは、第2棚41Bよりも下方で、第5高さ位置P5(
図3参照)と、第5高さ位置P5よりも低い第6高さ位置P6(
図4参照)とに選択的に取り付け可能である。例えば、筐体10の左右の側壁部S2,S3および冷蔵室ダクト部品51の各々は、第3棚41Cを第5高さ位置P5に支持する第5支持部43Caと、第3棚41Cを第6高さ位置P6に支持する第6支持部43Cbとを有する。第5支持部43Caおよび第6支持部43Cbの各々は、左右の側壁部S2,S3および冷蔵室ダクト部品51から冷蔵室11Aの内側に向けて突出している。第3棚41Cは、第5支持部43Caに載置されることで、第5高さ位置P5に取り付けられる。一方で、第3棚41Cは、第6支持部43Cbに載置されることで、第6高さ位置P6に取り付けられる。
【0033】
[3.光照射部の配置構造]
次に、光照射部70について説明する。本実施形態では、光照射部70は、第1から第3の光源モジュール70A,70B,70Cを有する。さらに、光照射部70は、第4光源モジュール70Dを有してもよい。以下では、これら光源モジュール70A,70B,70C,70Dを区別しない場合は、単に「光源モジュール70S」と称する。第1光源モジュール70Aは、「第1光照射部」の一例である。第2光源モジュール70Bは、「第2光照射部」の一例である。
【0034】
各光源モジュール70Sは、回路基板71と、紫外線LED(紫外線光源、第1光源)72と、可視光LED(可視光光源、第2光源)73とを含む。紫外線LED72は、回路基板71に実装され、紫外線を照射する。可視光LED73は、回路基板71に実装され、可視光を照射する。なお、紫外線光源は、紫外線LED72に限らず、紫外線ランプなどでもよい。可視光光源は、可視光LED73に限らず、可視光ランプなどでもよい。
【0035】
紫外線は、「菌の増殖を抑制する効果を有する光」の一例である。本明細書で「紫外線」とは、中心波長が10nm~400nmの範囲内にある電磁波を意味する。すなわち「紫外線」とは、中心波長が、UVA(波長320nm~400nm)の電磁波でもよく、UVB(波長280nm~320nm)の電磁波でもよく、UVC(波長100nm~280nm)の電磁波でもよい。また「紫外線」とは、中心波長が10nm~400nmの範囲内にあればよく、紫外線LED72から照射される一部の電磁波の波長が400nm以上でもよい(すなわち可視光領域の波長でもよい)。紫外線LED72により照射される紫外線は、人間が見える光を含んでもよく、人間が見える光を含まなくてもよい。1つの観点によれば、紫外線LED72は、可視光LED73と比べて、波長が短い電磁波を照射する光源である。なお、「菌の増殖を抑制する効果を有する光」は、紫外線に限定されず、他の波長の光でもよい。
【0036】
本実施形態では、紫外線LED72は、中心波長がUVAの電磁波を照射する。このような波長の電磁波によれば、例えばUVCの電磁波と比べて、例えば冷蔵室11A内におけるプラスチック製部品の劣化を抑制しつつ、菌の増殖を抑制することができる。
【0037】
一方で、本明細書で「可視光」とは、中心波長が360nm~830nmの範囲内にある電磁波を広く意味する。本実施形態では、可視光LED73は、白色光を照射する。ただし、可視光LED73は、清潔さを連想させる青または水色の寒色系の可視光を照射してもよい。「寒色系の光」は、例えば、中心波長が400nm~500nmの範囲内にある光である。一方で、可視光LED73は、食欲増進色であるオレンジ色などの暖色系の可視光を照射してもよい。「暖色系の光」は、例えば、中心波長が550nm~800nmの範囲内にある光である。
【0038】
各光源モジュール70Sは、例えば冷蔵室ダクト部品51に取り付けられ、冷蔵室11Aの後端部に位置する。各光源モジュール70Sは、冷蔵室ダクト部品51から冷蔵室11Aの前方に向けて紫外線および可視光を照射する。各光源モジュール70Sの紫外線LED72および可視光LED73は、ある程度の広がりを持つ照射角度を持つ。このため、例えば、複数の棚41の各々の上面の少なくとも一部は、光源モジュール70Sによる紫外線および可視光の照射範囲内にある。
【0039】
以下では、各光源モジュール70Sの配置位置の詳細について述べる。以下で述べる位置は、冷蔵庫1の正面側から見た状態を基準とする。また、「光源モジュール70SがY1位置とY2位置との間の高さに位置する」とは、光源モジュール70Sに含まれる紫外線LED72がY1位置とY2位置との間の高さに位置することを意味し、光源モジュール70Sに含まれる回路基板71の一部がY1位置とY2位置との間の高さ範囲から外れる位置に突出している場合も含み得る。
【0040】
第1光源モジュール70Aは、第1棚41Aと第2棚41Bとの間の高さに位置する。本実施形態では、第1光源モジュール70Aは、第2高さ位置P2(すなわち下段側の高さ位置)にある第1棚41Aの下面と、第3高さ位置P3(すなわち上段側の高さ位置)にある第2棚41Bの上面との間の高さ位置に配置されている。これにより、第1棚41Aが第1高さ位置P1と第2高さ位置P2のいずれに配置され、第2棚41Bが第3高さ位置P3と第4高さ位置P4のいずれに配置されても、第1光源モジュール70Aが発する紫外線は、第1棚41Aの下面、第2棚41Bの上面、および第2棚41Bの上面に載せられた食材や容器に対して照射される。言い換えると、第2棚41Bの上面の少なくとも一部は、第1光源モジュール70Aによる紫外線および可視光の照射範囲内に位置する。
【0041】
本実施形態では、第1光源モジュール70Aは、第1棚41Aよりも下方であって、第2高さ位置P2(すなわち下段側の高さ位置)にある第1棚41Aの下面と、第3高さ位置P3(すなわち上段側の高さ位置)にある第2棚41Bの上面との間の中央位置CA(
図4参照)よりも上方に位置する。これにより、第1光源モジュール70Aは、第2棚41Bが第3高さ位置P3にある場合でも、第2棚41Bの上面に対して比較的高い位置から紫外線および可視光を照射することができる。
【0042】
同様に、第2光源モジュール70Bは、第2棚41Bと第3棚41Cとの間の高さに位置する。本実施形態では、第2光源モジュール70Bは、第4高さ位置P4(すなわち下段側の高さ位置)にある第2棚41Bの下面と、第5高さ位置P5(すなわち上段側の高さ位置)にある第3棚41Cの上面との間の高さ位置に配置されている。これにより、第2棚41Bが第3高さ位置P3と第4高さ位置P4のいずれに配置され、第3棚41Cが第5高さ位置P5と第6高さ位置P6のいずれに配置されても、第2光源モジュール70Bが発する紫外線は、第2棚41Bの下面、第3棚41Cの上面、および第3棚41Cの上面に載せられた食材や容器に対して照射される。言い換えると、第3棚41Cの上面の少なくとも一部は、第2光源モジュール70Bによる紫外線および可視光の照射範囲内に位置する。
【0043】
本実施形態では、第2光源モジュール70Bは、第2棚41Bよりも下方であって、第4高さ位置P4(すなわち下段側の高さ位置)にある第2棚41Bの下面と、第5高さ位置P5(すなわち上段側の高さ位置)にある第3棚41Cの上面との間の中央位置CB(
図4参照)よりも上方に位置する。これにより、第2光源モジュール70Bは、第3棚41Cが第5高さ位置P5にある場合でも、第3棚41Cの上面に対して比較的高い位置から紫外線および可視光を照射することができる。
【0044】
第3光源モジュール70Cは、第3棚41Cとチルド室上壁44との間の高さに位置する。本実施形態では、第3光源モジュール70Cは、第6高さ位置P6(すなわち下段側の高さ位置)にある第3棚41Cの下面と、チルド室上壁44(冷蔵室11Aとチルド室11Aaとの間を仕切る壁部)の上面との間の高さ位置に配置されている。これにより、第3棚41Cが第5高さ位置P5と第6高さ位置P6のいずれに配置されても、第3光源モジュール70Cが発する紫外線は、第3棚41Cの下面、チルド室上壁44の上面、およびチルド室上壁44の上面に載せられた食材や容器に対して照射される。
【0045】
本実施形態では、第3光源モジュール70Cは、第3棚41Cよりも下方であって、第6高さ位置P6(すなわち下段側の高さ位置)にある第3棚41Cの下面と、チルド室上壁44の上面との間の中央位置CC(
図4参照)よりも上方に位置する。これにより、第3光源モジュール70Cは、チルド室上壁44の上面に対して比較的高い位置から紫外線および可視光を照射することができる。
【0046】
第4光源モジュール70Dは、第1棚41Aよりも上方に位置する。本実施形態では、第4光源モジュール70Dは、第1高さ位置P1(すなわち上段側の高さ位置)にある第1棚41Aの上面よりも上方に配置されている。
【0047】
本実施形態では、第1光源モジュール70Aに含まれる回路基板71と、第2光源モジュール70Bに含まれる回路基板71と、第3光源モジュール70Cに含まれる回路基板71と、第4光源モジュール70Dに含まれる回路基板71は、別体として形成され、互いに離れて配置されている。
【0048】
[3.冷蔵室ダクト部品の構造]
次に、冷蔵室ダクト部品51の構造について説明する。
図5は、冷蔵室ダクト部品51を一部分解して示す斜視図である。冷蔵室ダクト部品51は、例えば、カバー部材(カバー本体)91と、シェード(前面カバー)92とを有する。
【0049】
カバー部材91は、冷蔵用冷却器62および冷蔵室ファン63の前方に位置し、ダクト空間D1の前面の少なくとも一部を規定する部材である。カバー部材91は、前面部(表面部)91aと、窪み部91bとを有する。前面部91aは、冷蔵室11Aに露出する。前面部91aには、複数の冷気吹出口51aと、第1から第6の支持部43Aa,43Ab,43Ba,43Bb,43Ca,43Cbが設けられている。
【0050】
窪み部91bは、冷蔵庫1の幅方向において、カバー部材91の中央部に設けられている。窪み部91bは、冷蔵庫1の正面側から見て、前面部91aに対して後方に窪んでいる。窪み部91bは、前面部91aに対して、光源モジュール70Sの厚さよりも大きく窪んでいる。窪み部91bには、各光源モジュール70Sの回路基板71を固定する固定部91c(例えば爪部)が設けられている。各光源モジュール70Sは、窪み部91bに配置され、窪み部91b内に収容されている。これにより、冷蔵庫1の正面側から見て、冷気吹出口51aよりも後方に位置する。
【0051】
シェード92は、窪み部91bに取り付けられ、窪み部91bの内部(すなわち、各光源モジュール70S)を前方から覆う。シェード92の前面は、シェード92がカバー部材91に取り付けられた状態で、カバー部材91の前面部91aの前面と同じ平面に位置する。シェード92は、紫外線および可視光を透過可能な素材で形成されている。シェード92は、紫外線および可視光を通す範囲で、色付きの透明部材でもよい。例えば、シェード92が青色系の色付きであると、冷蔵庫1のデザイン性を高めることができるとともに、ユーザに対して除菌による清潔感をより強く訴求することができる。
【0052】
図6は、
図5中に示された冷蔵室ダクト部品のF6-F6線に沿う断面図である。本実施形態では、窪み部91bは、背壁91baと、左右の側壁91bb,91bcと、上壁91bd(
図7参照)と、下壁91be(
図7参照)とを有する。背壁91baは、光源モジュール70Sとダクト空間D1との間に位置する。左右の側壁91bb,91bcは、背壁91baの左右の端部をそれぞれ前面部91aに繋げている。上壁91bdは、背壁91baの上端部を前面部91aに繋げている。下壁91beは、背壁91baの下端部を前面部91aに繋げている。
【0053】
これにより、光源モジュール70Sは、窪み部91bの背壁91ba、左右の側壁91bb,91bc、上壁91bd、および下壁91beと、シェード92とにより密閉される空間に配置されている。このため、冷蔵室用ダクト部品51に光源モジュール70Sが設けられる場合でも、光源モジュール70Sが冷蔵室ダクトD1を通る冷気に晒されにくい。その結果、光源モジュール70Sで結露が生じることを抑制することができる。
【0054】
図7は、
図5中に示された冷蔵室ダクト部品のF7-F7線に沿う断面図である。本実施形態では、各光源モジュール70Sにおいて、紫外線LED72および可視光LED73は、回路基板71の鉛直方向の中央に対して下方に偏って配置されている。言い換えると、複数の棚41の位置に対する紫外線LED72および可視光LED73の配置位置の制約を守りながら、第1および第2の支持部43Aa,43Ab,第3および第4の支持部43Ba,43Bb,または第5および第6の支持部43Ca,43Cbの近くに回路基板71が配置されている。
【0055】
これにより、外部から力が作用しやすい第1および第2の支持部43Aa,43Ab,第3および第4の支持部43Ba,43Bb,または第5および第6の支持部43Ca,43Cbの近くに回路基板71と固定部91cによる梁構造に類似した補強構造が実現され、剛性が高められている。
【0056】
[4.光源モジュールの点灯制御]
[4.1 回路構成]
次に、光源モジュール70Sに関する点灯制御について説明する。
図8は、制御装置80に関係する構成を示すブロック図である。制御装置80は、制御基板(回路基板)81と、MPU(Micro processing unit)82と、記憶部83と、電源IC(Integrated Circuit)部品84と、複数のトランジスタ85とを有する。
【0057】
MPU82は、制御基板81に設けられたハードウェアプロセッサである。MPU82は、記憶部83に記憶されたプログラムを読み出して実行することで、後述する制御部100などの機能部を実現する。制御部100は、光照射部70を制御する。例えば、制御部100は、ある条件が満たされた場合に光照射部70により紫外線を照射させ、別のある条件が満たされた場合に光照射部70による紫外線の照射を停止させる。制御部100には、冷蔵室扉スイッチSWの検知結果が送信される。冷蔵室扉スイッチSWは、筐体10と冷蔵室扉20Aとの間に設けられ、筐体10に対する冷蔵室扉20Aの開閉状態を検知する。
【0058】
電源IC部品84は、冷蔵庫1に対する外部電源PS(例えば、交流100Vの商用電源)から電力が供給され、供給された電力を光源モジュール70Sの動作に適した電圧の直流電力に変換する。電源IC部品84は、変換した直流電力を、それぞれトランジスタ85を介して照明部12および各光源モジュール70S(光源モジュール70A,70B,70C)に供給する。電源IC部品84は、「電源ユニット」の一例である。
【0059】
本実施形態では、照明部12および3つの光源モジュール70A,70B,70Cは、電源IC部品84に対して電気的に並列に接続されている。各トランジスタ85は、電源IC部品84と、照明部12または光源モジュール70Sとの間に電気的に直列に接続されている。例えば、各トランジスタ85のドレインは、電源IC部品84に接続されている。各トランジスタ85のソースは、照明部12または光源モジュール70Sに接続されている。各トランジスタ85のゲートは、MPU82に接続されている。
【0060】
例えば、MPU82により実現される制御部100は、各トランジスタ85のゲートに与える制御信号のON/OFFを切り替えることにより、電源IC部品84から各光源モジュール70Sの紫外線LED72への電力の供給状態を切り替え、紫外線LED72の点灯/消灯を切り替えることができる。
【0061】
[4.2 基本制御]
制御部100は、操作パネル30により受け付けられたユーザの操作に基づき、冷蔵室11Aを除菌する「除菌モード」のON/OFFを切り替える。「除菌モード」がOFF状態に設定された場合、制御部100は、冷蔵室扉20Aの開閉状態に関わらず、紫外線LED72を常に消灯させる。一方で、「除菌モード」がON状態に設定された場合、制御部100は、以下に説明するように、冷蔵室扉20Aの開閉状態に応じて、紫外線LED72および可視光LED73の点灯/消灯を制御する。
【0062】
図9は、光源モジュール70Sに関する基本動作を示す図である。制御部100は、基本動作として、冷蔵室扉スイッチSWにより冷蔵室扉20Aが開かれたことが検知された場合、紫外線LED72を消灯させるとともに、可視光LED73および筐体10の天井部S1の照明部12を点灯させる。一方で、制御部100は、冷蔵室扉スイッチSWにより冷蔵室扉20Aが開かれたことが検知された場合、紫外線LED72を点灯させるとともに、可視光LED73および筐体10の天井部S1の照明部12を消灯させる。
【0063】
[5.利点]
本実施形態では、冷蔵庫1は、冷蔵室11Aを有した筐体10と、冷蔵室11内に菌の増殖を抑制する効果を有する光を照射する光照射部70と備える。このような構成によれば、冷蔵室11Aに貯蔵される食材や容器の表面についた菌の繁殖を抑制することができる。これにより、冷蔵庫1の除菌機能の向上を図ることができる。
【0064】
本実施形態では、光照射部70は、冷蔵庫1の正面側から見て、第1棚41Aと第2棚41Bとの間の高さに位置する。このような構成によれば、冷蔵室11Aに複数の棚41が配置される場合であっても、複数の棚41に邪魔されずに、冷蔵室11Aに貯蔵される食材や容器を効率的に除菌することができる。これにより、冷蔵庫1の除菌機能のさらなる向上を図ることができる。
【0065】
本実施形態では、第1棚41Aは、第2棚41Bよりも上方で、第1高さ位置P1と、第1高さ位置P1よりも低い第2高さ位置P2とに選択的に取り付け可能である。光照射部70は、第1棚41Aが第2高さ位置P2に取り付けられた場合に、冷蔵庫1の正面側から見て、第1棚41Aと第2棚41Bとの間の高さに位置する。このような構成によれば、第1棚41Aの高さ位置が可変である場合であっても、第1棚41Aに邪魔されずに、第2棚41Bの上に置かれる食材や容器を効率的に除菌することができる。これにより、冷蔵庫1の除菌機能のさらなる向上を図ることができる。
【0066】
本実施形態では、光照射部70は、第1棚41Aが第2高さ位置P2に取り付けられた場合に、冷蔵庫1の正面側から見て、第1棚41Aよりも下方であって、第1棚41Aと第2棚41Bとの間の中央位置よりも上方に位置する。このような構成によれば、第1棚41Aの取り付け位置に関わらず、第2棚41Bの上に置かれる食材や容器に対して比較的高い情報から除菌用の光を照射することができる。これにより、第2棚41Bの上にいくつか食材や容器が置かれた場合であっても、その食材や容器によって光照射部70が陰になりにくく、多くの食材や容器に対して除菌用の光を照射可能になる。このため、冷蔵庫1の除菌機能のさらなる向上を図ることができる。
【0067】
本実施形態では、冷蔵庫1は、冷蔵室11Aを開閉可能に閉じる冷蔵室扉20Aと、筐体10の天井部S1、左側壁部S2、または右側壁部S3に設けられた照明部12とを備える。光照射部70は、除菌用光を照射する紫外線LED72と、可視光を照射する可視光LED73とを有する。制御部100は、冷蔵室扉20Aが開かれた場合に、紫外線LED72を消灯させ、照明部12および可視光LED73を点灯させる。このような構成によれば、ユーザに対して紫外線が照射されることを抑制するとともに、紫外線LED72とともに実装された可視光LED73を用いて、冷蔵室11A内の意匠性の向上(例えば、青色の光による清潔感の訴求)および/または、照明部12とは異なる方向から冷蔵室11Aを照らすことによる冷蔵室11A内の明るさの向上を図ることができる。
【0068】
本実施形態では、冷蔵庫1は、筐体10内に設けられ、鉛直方向に延びた冷蔵室ダクト部品51を備える。冷蔵室ダクト部品51は、冷気を冷蔵室11Aに供給する冷気吹出口51aが設けられた前面部91aと、冷蔵庫1の正面側から見て、前面部91aに対して後方に窪んだ窪み部91bとを有する。光照射部70は、窪み部91bに配置され、冷蔵庫1の正面側から見て、冷気吹出口51aよりも後方に位置する。このような構成によれば、冷蔵室ダクト部品51に設けられた窪み部91bに光照射部70が設けられるため、光照射部70を設けた場合でも、冷蔵室11Aの内容積が減少することを抑制することができる。
【0069】
本実施形態では、光照射部70は、第1光源モジュール70Aと、第2光源モジュール70Bとを含む。第1光源モジュール70Aに含まれる回路基板71と、第2光源モジュール70Bに含まれる回路基板71と第2光照射部に含まれる回路基板71とは別体として形成されている。このような構成によれば、サイズが異なる複数種類の冷蔵庫1に対して第1光源モジュール70Aおよび第2光源モジュール70Bを自由に配置することができる。
【0070】
(第1実施形態の第1変形例)
図10は、第1実施形態の第1変形例の冷蔵室11Aの内部を示す正面図である。第1変形例では、第1光源モジュール70Aに含まれる回路基板71と、第2光源モジュール70Bに含まれる回路基板71と、第3光源モジュール70Cに含まれる回路基板71とは、一体に別体として形成されている。すなわち、第1光源モジュール70Aに含まれる回路基板71と、第2光源モジュール70Bに含まれる回路基板71と、第3光源モジュール70Cに含まれる回路基板71とは、1つの回路基板Bにより構成されている。
【0071】
このような構成によれば、回路基板の製造工数、および回路基板を制御装置80に接続するための電気配線の数を低減することができる。これにより、冷蔵庫1の製造コストの低下を図ることができる。また、縦長の回路基板Bが冷蔵室ダクト部品51に対する梁として機能し剛性が高まるため、冷蔵室ダクト部品51の薄型化などを図ることができる。
【0072】
(第1実施形態の第2変形例)
図11は、第1実施形態の第2変形例の冷蔵室11Aの内部を示す正面図である。第2変形例では、シェード92は、不透明な素材により形成されているとともに、紫外線LED72および可視光LED73に対応する位置に窓部Wを有する。窓部Wは、光透過性を有する部材で形成され、紫外線LED72および可視光LED73が発する光を冷蔵室11Aに通す。このような構成によれば、回路基板71を効果的に隠すとともに、紫外線LED72および可視光LED73が発する光を冷蔵室11Aに導くことができる。これにより、冷蔵室11Aのデザイン性を向上させることができる場合がある。
【0073】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態は、光照射部70が筐体10の天井部S1に設けられた光源モジュール111A,111Bを有する点で、第1実施形態と異なる。以下に説明する以外の構成は、第1実施形態と同様である。
【0074】
図12は、第2実施形態の冷蔵庫1を示す断面図である。本実施形態では、光照射部70は、上述した第1から第4の光源モジュール70A,70B,70C,70Dに代えて/加えて、光源モジュール111Aと、光源モジュール111Bとを有する。光源モジュール111Aおよび光源モジュール111Bは、光源モジュール70Sと同様に、回路基板71、紫外線LED72、可視光LED73を有する。なお、可視光LED73は、省略されてもよい。
【0075】
光源モジュール111Aは、例えば、筐体10の天井部S1に設けられた照明部12の一部として設けられている。例えば、光源モジュール111Aに含まれる回路基板71は、照明部12に含まれる回路基板と一体に設けられている。光源モジュール111Aは、例えば、第1棚41Aの上方に位置する。光源モジュール111Aは、筐体10の天井部S1から下方に向けて紫外線および可視光を照射する。第1棚41Aの上面の少なくとも一部は、光源モジュール111Aから照射される紫外線の照射範囲内にある。すなわち、光源モジュール111Aは、第1棚41Aの上に置かれた食材や容器に対して上方から紫外線を照射する。
【0076】
光源モジュール111Bは、照明部12とは別に設けられている。ここで、冷蔵室扉20Aの内面には、飲料物や調味料などが収容されるポケットPKが設けられている。光源モジュール111Bは、冷蔵室扉20Aの内面に設けられたポケットPKの上方に位置する。光源モジュール111Bは、筐体10の天井部S1から下方に向けて紫外線および可視光を照射する。最上段のポケットPKの内部の少なくとも一部は、光源モジュール111Bから照射される紫外線の照射範囲内にある。すなわち、光源モジュール111Bは、最上段のポケットPKに収容された食材や容器に対して上方から紫外線を照射する。
【0077】
このような構成によれば、第1棚41AやポケットPKに多くの食材や容器が置かれた状態でも、食材や容器によって陰になりにくい上方から紫外線を照射することができる。これにより、第1棚41AやポケットPKに多くの食材や容器が置かれた状態でも、それら多くの食材や容器に紫外線を効率的に照射することができる。これにより、除菌機能をさらに高めることができる。
【0078】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について説明する。第3実施形態は、光照射部70が筐体10の左側壁部S2または右側壁部S3に設けられた光源モジュール121A,121B,121C,121Dを有する点で、第1実施形態と異なる。以下に説明する以外の構成は、第1実施形態と同様である。
【0079】
図13は、第3実施形態の冷蔵庫1を示す断面図である。本実施形態では、光照射部70は、上述した第1から第4の光源モジュール70A,70B,70C,70Dに代えて/加えて、光源モジュール121A,121B,121C,121Dを有する。光源モジュール121A,121B,121C,121Dの各々は、光源モジュール70Sと同様に、回路基板71、紫外線LED72、可視光LED73を有する。なお、可視光LED73は、省略されてもよい。
【0080】
光源モジュール121Aは、筐体10の左側壁部S2に設けられている。光源モジュール121Bは、筐体10の右側壁部S3に設けられている。光源モジュール121A,121Bは、例えば、第1実施形態の第1から第3の光源モジュール70A,70B,70Cのいずれかと同じ高さ(すなわち、複数の棚41の間に対応する高さ)に設けられている。光源モジュール121A,121Bは、筐体10の左側壁部S2または右側壁部S3から冷蔵室11Aの内側に向けて紫外線および可視光を照射する。第2棚41B,第3棚41C、またはチルド室上壁44のいずれかの上面の少なくとも一部は、光源モジュール121A,121Bから照射される紫外線の照射範囲内にある。すなわち、光源モジュール121A,121Bは、第2棚41B,第3棚41C、またはチルド室上壁44の上に置かれた食材や容器に対して側方から紫外線を照射する。
【0081】
光源モジュール121Cは、筐体10の左側壁部S2に設けられている。光源モジュール121Dは、筐体10の右側壁部S3に設けられている。光源モジュール121C,121Dは、冷蔵室扉20Aの内面に設けられたいずれかの高さのポケットPKに対応する高さに設けられている。光源モジュール121C,121Dは、筐体10の左側壁部S2または右側壁部S3からポケットPKに向けて紫外線および可視光を照射する。ポケットPKの内部の少なくとも一部は、光源モジュール121C,121Dから照射される紫外線の照射範囲内にある。すなわち、光源モジュール121C,121Dは、ポケットPKに収容された食材や容器に対して上方から紫外線を照射する。
【0082】
このような構成によれば、各棚41やポケットPKに食材や容器が置かれた状態でも、食材や容器によって陰になりにくい側方から紫外線を照射することができる。これにより、棚41やポケットPKに食材や容器が置かれた状態でも、それら食材や容器に紫外線を効率的に照射することができる。これにより、除菌機能をさらに高めることができる。
【0083】
(第3実施形態の変形例)
図14は、第3実施形態の変形例の冷蔵庫1を示す断面図である。本変形例では、光源モジュール121C,121Dは、筐体10の左側壁部S2または右側壁部S3から冷蔵室扉20Aの内面のポケットPKに向くように、冷蔵庫1の幅方向に対して傾けて配置されている。このような構成によれば、ポケットPKに収容された食材や容器により効率的に紫外線を照射することができる。
【0084】
(第4実施形態)
次に、第4実施形態について説明する。第4実施形態は、光照射部70が冷蔵室扉20Aの内面に設けられた光源モジュール131A,131B,131Cを有する点で、第1実施形態と異なる。以下に説明する以外の構成は、第1実施形態と同様である。
【0085】
図15は、第4実施形態の冷蔵庫1を示す断面図である。本実施形態では、光照射部70は、上述した第1から第4の光源モジュール70A,70B,70C,70Dに代えて/加えて、光源モジュール121A,121B,121Cを有する。光源モジュール131A,131B,131Cの各々は、光源モジュール70Sと同様に、回路基板71、紫外線LED72、可視光LED73を有する。なお、可視光LED73は、省略されてもよい。
【0086】
光源モジュール131A,131B,131Cは、複数の高さに分かれて、冷蔵室扉20Aの内面に設けられている。光源モジュール131A,131B,131Cは、例えば、冷蔵室扉20Aの内面に設けられたポケットPKに対応する高さに配置されている。光源モジュール131A,131B,131Cは、冷蔵室扉20Aの内面からポケットPKの内部に向けて紫外線および可視光を照射する。各ポケットPKの内部の少なくとも一部は、光源モジュール131A,131B,131Cのいずれかから照射される紫外線の照射範囲内にある。すなわち、光源モジュール131A,131B,131Cは、ポケットPKに収容された食材や容器に対して前方から紫外線を照射する。
【0087】
このような構成によれば、各棚41の上に多くの食材や容器が置かれた状態でも、食材や容器によって陰になりにくい前方から紫外線を照射することができる。これにより、ポケットPKに収容された食材や容器により効率的に紫外線を照射することができる。これにより、除菌機能をさらに高めることができる。
【0088】
なお、光源モジュール131A,131B,131Cは、冷蔵室扉20Aの内面に設けられたポケットPKに対応する高さに設けられることに代えて/加えて、第1実施形態の第1から第3の光源モジュール70A,70B,70Cのいずれかと同じ高さ(すなわち、複数の棚41の間に対応する高さ)に設けられてもよい。この場合、光源モジュール131A,131B,131Cは、冷蔵室扉20Aの内面から冷蔵室11Aの内部に向けて紫外線を効率的に照射する。複数の棚41またはチルド室上壁44のいずれかの上面の少なくとも一部は、光源モジュール131A,131B,131Cから照射される紫外線の照射範囲内にある。光源モジュール131A,131B,131Cは、いずれかの棚41またはチルド室上壁44の上に置かれた食材や容器に対して側方から紫外線を照射する。
【0089】
以上、いくつかの実施形態および変形例について説明した。ただし、実施形態および変形例は、上記例に限定されない。いくつかの実施形態および変形例は、互いに組み合わされて実現されてもよい。
【0090】
例えば、光源モジュール70A,70B,70C,70D、111A,111B,121A,121B,121C,121D,131A,131B,131Cは、全て同時に点灯/消灯されることに代えて、これら光源モジュールに含まれるいくつかの光源モジュールが互いに異なるタイミングで点灯/消灯が制御部100により制御されてもよい。例えば、制御部100は、まず、光源モジュール70Aを一定時間に亘り点灯させ、その後、光源モジュール70Bを一定時間に亘り点灯させ、…、のように光源モジュール70A,70B,70C,70D、111A,111B,121A,121B,121C,121D,131A,131B,131Cを順に点灯させてもよい。
【0091】
このような構成によれば、複数の光源モジュールに電力を供給する電源ユニット(電源IC部品84)として、同時に流れる電流を抑制して定格の低い安価な電源IC部品84を採用することができ、また電源IC部品84の発熱量を低減することができる。なお、上述した例では、全ての光源モジュールの照射タイミングがずらされているが、これに代えて、複数の光源モジュールがいくつかのグループに分けられ、当該グループごとに点灯タイミングがずらされてもよい。
【0092】
以上、いくつかの実施形態および変形例について説明したが、実施形態および変形例は上記例に限定されない。例えば、冷蔵室11A内の各高さには、紫外線LED72を1つずつ配置することに代えて、2つ以上の紫外線LED72を配置してもよい。この場合、2つ以上の紫外線LED72は、冷蔵庫1の幅方向に並べて配置されてもよい。
【0093】
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、冷蔵庫は、冷蔵室を有した筐体と、冷蔵室内に菌の増殖を抑制する効果を有する光を照射する光照射部とを持つ。このような構成によれば、除菌機能の向上を図ることができる。
【0094】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0095】
1…冷蔵庫、10…筐体、11A…冷蔵室、12…照明部、20A…冷蔵室扉、41A…第1棚、41B…第2棚、70…光照射部、70A…第1光源モジュール(第1光照射部)、70B…第2光源モジュール(第2光照射部)、71…回路基板、72…紫外線LED(第1光源)、73…可視光LED(第2光源)、S1…天井部、S2…左側壁部、S3…右側壁部。